JP2008523011A - イムノアッセイで有用なサキナビル誘導体 - Google Patents

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Abstract

分子のキノリン部分で官能化された、サキナビルの類似体について記載する。これらには、官能基によって終結されたリンカーとの合成を可能にする環由来の機能的ハンドルを有するピリジル類似体(キノリン環を置換)が含まれ、例えば、分子をタンパク質や多糖などのその他の部分に結合させるのに有用な活性化エステルなどがある。キノリン環から誘導体化されたサキナビルの類似体についても記載する。さらに、サキナビルのピリジル類似体およびキノリン類似体に応答して生成された抗体について記載する。

Description

本発明は、イムノアッセイで有用な、新規なプロテアーゼ阻害剤誘導体に関する。より詳細には、本発明は、HIVプロテアーゼ阻害剤サキナビルに対する免疫原を生成するのに有用な、新規な誘導体と、サキナビルに対する抗体、すなわち生体サンプル中のサキナビルを測定するためのイムノアッセイで有用な抗体を産生するのに有用な、新規な免疫原とに関する。
HIVプロテアーゼ阻害剤は、その最初の種類であるサキナビルが1995年に市場に導入されて以来、AIDS患者の健康管理に大きな衝撃を与えてきた重要な新しいタイプの薬物である。その他のプロテアーゼ阻害剤の例には、アムプレナビル、ネルフィナビル、ロピナビル、リトナビル、およびアタザナビルが含まれる。これらは、逆転写酵素阻害剤などのその他の抗HIV薬と、またはその他のHIVプロテアーゼ阻害剤と併用したときに、特に効果的である。これらの新しい治療法の際立った成功にも関わらず、治療薬試験方法がプロテアーゼ阻害剤濃度のモニタリングに利用可能であれば、結果は大幅に改善されたであろうことが大いに予測される。全ての患者が、プロテアーゼ阻害剤併用療法に最適に応答するわけではない。応答する患者でさえ、好ましくないHIVウイルスの高い突然変異率が原因で、後に薬物耐性を引き起こす可能性がある。しかし、プロテアーゼ阻害剤の血漿レベルと治療効果との間には、ウイルス負荷の低下およびCD4細胞数の増加に基づく、明らかな関係があることが示されている。1つの問題は、薬物が大部分代謝され、複雑な薬物-薬物相互作用を受け易い点にある。その結果、極めて複雑な薬物動態となり、特定の患者に関する特定の時間における、投薬量と得られる薬物レベルとの関係が予測できない最大の要因となる。治療薬のモニタによって、薬物の投薬量を患者に対して個別化することができ、ウイルスを抑制するチャンスが非常に高くなると考えられる。しかし、プロテアーゼ阻害剤の日常的な治療薬モニタリングは、高速大量処理の臨床分析器に適応可能な単純な自動化試験を利用できることが必要だろう。プロテアーゼ阻害剤の治療薬モニタリングに関するこれまでのほとんどの報告は、遅くて労力を要しかつ費用のかかるHPLC法を使用している。最近、サキナビルに関するラジオイムノアッセイ(RIA)法の報告があった(Wiltshire他, Analytical Biochemistry 281, 105〜114, 2000)。しかしそのような方法は、高速大量処理の治療薬モニタリングに適応させることができず、全てのRIA法と同様に、アッセイで使用される放射性同位体標識に関連した規制上、安全上、および廃棄物処理上の問題を有するという欠点がある。治療薬モニタリングに最も望ましいアッセイフォーマットは、非同位体イムノアッセイであり、そのような方法は、これまでHIVプロテアーゼ阻害剤のモニタリングにおいて知られていなかった。
サキナビルはHoffmann LaRocheによって開発され、Inviraseという商標の下、1995年に使用が認可された。現在、より新しい形のサキナビルが、Fortovaseという商標の下で販売されており、これは、身体により良好に吸収され、したがってInviraseよりも強力な抗HIV効果を発揮する。
上述のように、HPLCは、HIVプロテアーゼ阻害剤をモニタリングするのに最良の方法であった。文献中の2つの最近の報告、すなわちPoirier他, Therapeutic Drug Monitoring 22, 465〜473, 2000およびRemmel他, Clinical Chemistry 46, 73〜81, 2000は、ヒト血漿中のいくつかのプロテアーゼ阻害剤を同時に測定するためのHPLCアッセイについて記述している。
化学および生物アッセイでは、一般に、対象分析物と所定量の1種または複数のアッセイ試薬とを接触させ、得られる生成物(検出生成物)の1つまたは複数の性質を測定し、測定された値と当初のサンプル中に存在する分析物の量とを、典型的には試験がなされるサンプルについて予測される範囲内の既知量の対象分析物を含有する、標準または較正サンプルから決定された関係を使用することによって相関させる。典型的には、検出生成物は、1種または複数のアッセイ試薬によって提供される1種または複数の検出可能な標識を取り込む。一般に使用される標識の例には、官能化微粒子、125Iや32Pなどの放射性同位体標識、ペルオキシダーゼやβガラクトシダーゼなどの酵素、および酵素基質標識、フルオレセインやローダミンなどの蛍光標識、ニトロキシドフリーラジカルなどの電子スピン共鳴標識、抗体や抗原などの免疫反応性標識、ビオチン-アビジンやビオチン-ストレプトアビジンなどの結合対の一員である標識、およびルテニウムビピリジル部分を含有するような電気化学発光標識が含まれる。サンドイッチアッセイでは、典型的には、対象分析物が、例えば抗体や抗原、または結合対の一員などの最終的には分離に使用される1種のアッセイ試薬と、検出可能な標識を提供する第2のアッセイ試薬との間に挟まれている複合体を形成する。競合アッセイは、典型的には、対象分析物とこの分析物の類似体とが互いの試薬上で、例えば抗体上で結合部位を争い、分析物、類似体、または結合試薬の1つが検出可能な標識を保有している系を含む。
本出願と同じ譲受人を有する、2000年11月14日に出願された同時係属の米国特許出願第09/712,525号であって、2002年5月22日にEP1207394として公開された出願は、HIVプロテアーゼ阻害剤と、この阻害剤にまたは前記阻害剤の代謝産物に特異的な受容体と、さらにこの阻害剤の類似体および非同位体シグナル生成部分を含む複合体とを含有するサンプルをインキュベートするステップを含む、HIVプロテアーゼ阻害剤のための非同位体イムノアッセイについて記載している。受容体による阻害剤の結合の結果、発生したシグナルを測定し、当初のサンプル中のプロテアーゼ阻害剤の存在または量に相関させる。本発明のプロテアーゼ阻害剤複合体は、そのようなアッセイで特に有用である。
本出願と同じ譲受人を有する、2002年7月10日に出願された同時係属の米国特許出願第10/192,052号であって、2003年1月23日にWO 03/006506として公開された出願は、分子の中心のヒドロキシルから誘導体化されたサキナビルの誘導体について、すなわち標識としてまたは免疫原を形成するハプテンとして使用したときに、サキナビルに対して良好な用量応答曲線を有するイムノアッセイの形成を可能にした薬物複合体および抗体を与えるものについて述べている。しかし、サキナビル代謝産物に対する高い交差反応性が見られた。
他の課題の中でも、生体サンプル中のHIVプロテアーゼ阻害剤サキナビルを測定するためにイムノアッセイで使用できる、該サキナビルの改善された活性化ハプテン、誘導体、および複合体が、依然として求められている。また、サキナビル代謝産物に対して低い交差反応性を有する、サキナビルに特異的な抗体を生成させる免疫原も求められている。本発明は、これらおよびその他の課題を解決するものである。
本発明が、ある非自明の利点および従来技術に勝る利点を提供することは、上記背景とは対照的なものである。特に本発明者等は、イムノアッセイで有用なサキナビル誘導体を改善する必要性を認識している。
本発明は、下記の構造を有するサキナビルの誘導体に関する
Figure 2008523011
(式中、Xは、複素環芳香族構造であり、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Aは、活性エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、チオール、イミドエステル、無水物、マレイミド、チオラクトン、ジアゾニウム基、およびアルデヒドからなる群から選択された活性化官能基である)。
本発明の実施形態では、Xが、ピリジン環構造およびキノリン環構造からなる群から選択される。
また本発明の範囲内には、下記の構造を有するサキナビルの誘導体を製造するための方法も含まれる
Figure 2008523011
(式中、Xは、複素環芳香族構造であり、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Aは、活性エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、チオール、イミドエステル、無水物、マレイミド、チオラクトン、ジアゾニウム基、およびアルデヒドからなる群から選択された活性化官能基である)。
本発明の一実施形態は、下記の構造を有するサキナビルのピリジル類似体を含む
Figure 2008523011
(式中、AおよびLは、前述の通り定義される)。
本発明の別の実施形態は、下記の構造を有するサキナビルの誘導体を含む
Figure 2008523011
(式中、AおよびLは、前述の通り定義される)。
本発明の好ましい実施形態では、Aは活性エステルである。
また本発明は、下記の構造を有するサキナビルの複合化誘導体にも関する
Figure 2008523011
(式中、Xは、複素環芳香族構造であり、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Qは、ポリペプチド、多糖、合成ポリマー、および非同位体標識からなる群から選択され、nは、Qの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
本発明の実施形態では、nは、Qの分子量1キロダルトン当たり1から20までの数であり、より好ましくはQの分子量1キロダルトン当たり1から10までであり、最も好ましくはQの分子量1キロダルトン当たり1から5までである。
本発明の別の実施形態では、Qが、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、およびアミノデキストランからなる群から選択される。
また、本発明の範囲内には、下記の構造を有するサキナビルの複合化誘導体を製造するための方法も含まれる
Figure 2008523011
(式中、Xは、複素環芳香族構造であり、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Qは、ポリペプチド、多糖、合成ポリマー、および非同位体標識からなる群から選択され、nは、Qの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
本発明の実施形態は、下記の構造を有するサキナビルの複合化誘導体を含む
Figure 2008523011
(式中、LおよびQは、上述の通り定義される)。
本発明の別の実施形態は、下記の構造を有するサキナビルの複合化誘導体を含む
Figure 2008523011
(式中、LおよびQは、上述の通り定義される)。
本発明の別の態様は、下記の構造を有する免疫原に応答して生成された抗体を含む
Figure 2008523011
(式中、Xは、複素環芳香族構造であり、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Pはポリペプチドであり、nは、Pの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
また本発明の範囲内には、下記の構造を有する免疫原に応答して生成された抗体を製造するための方法も含まれる
Figure 2008523011
(式中、Xは、複素環芳香族構造であり、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Pはポリペプチドであり、nは、Pの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
本発明の実施形態は、下記の構造を有する免疫原に応答して生成された抗体を含む。
Figure 2008523011
本発明の別の実施形態は、下記の構造を有する免疫原に応答して生成された抗体を含む。
Figure 2008523011
また本発明の範囲内には、ネルフィナビルとサキナビル代謝産物M4およびM6とに対して1%未満の交差反応性を有する、サキナビルに特異的なモノクローナル抗体も含まれる。
本発明は、ATCC No. PTA-6329を有するマウスハイブリドーマSAQ 137.3にも関する。
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、本発明の下記の詳細な説明から、添付の特許請求の範囲と併せてより十分に理解されよう。特許請求の範囲は、そこに記載される詳細な内容によって定義され、本発明の説明中に述べられた特徴および利点の特定の考察によって定義されるものではないことに留意されたい。
本発明の実施形態の下記の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示される下記の図面と併せて最も良く理解することができる。
「好ましくは」、「一般に」、および「典型的には」などの用語は、本明細書では、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を制限するために、あるいはある特徴が、特許請求の範囲に記載される本発明の構造または機能に決定的であり、必要不可欠であり、またはさらに重要であることを暗に示すために利用されるものではないことに留意されたい。むしろこれらの用語は、本発明の特定の実施形態において利用しても利用しなくてもよい代替のまたは追加の特徴を強調しようとするだけである。
本発明を説明し定義する目的で、「実質的に」という用語は、本明細書では、任意の定量的な比較、値、測定、またはその他の表現に帰することのできる固有の不確定度を表すのに利用されることに留意されたい。「実質的に」という用語は、本明細書では、問題となっている対象の基本的機能に変化をもたらすことなく定量的表現を記載事項から変えることができる程度を表すのにも利用する。
本発明について、詳細にかつその特定の実施形態を参照することにより述べてきたが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱しない限り、修正および変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本発明のいくつかの態様は好ましくまたは特に有利であることが本明細書で同定されているが、本発明は、必ずしも本発明のこれらの好ましい態様に限定されるものではないと考えられる。
サキナビルは、下記の分子構造によって表される。
Figure 2008523011
本発明の一実施形態は、下記の構造を有するサキナビルのピリジル類似体を含む
Figure 2008523011
(式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Aは、活性エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、チオール、イミドエステル、無水物、マレイミド、チオラクトン、ジアゾニウム基、およびアルデヒドからなる群から選択される活性化官能基である)。
本発明の一実施形態では、化合物が下記の構造を有する。
Figure 2008523011
別の実施形態では、前記化合物は、スクシンイミド-オキシカルボニル-エチルアミノ-グリシル-グリシル-グルタリル-アミノメチル-(pyr)サキナビルのKLHとの複合体である(25)。
別の実施形態では、前記化合物は、スクシンイミド-オキシカルボニル-エチルアミノ-グリシル-グリシル-グルタリル-アミノメチル-(pyr)サキナビルのBSAとの複合体である(26)。
別の実施形態では、前記化合物は、スクシンイミド-ベンゾイル-アミノカプロイル-アミノメチル-(pyr)サキナビルのBSAとの複合体である(27)。
本発明の一実施形態は、下記の構造を有するサキナビルのピリジル類似体を含む
Figure 2008523011
(式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Qは、ポリペプチド、多糖、合成ポリマー、および非同位体標識からなる群から選択され、nは、Qの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
本発明の別の実施形態は、下記の構造を有する免疫原から誘導された抗体を含む
Figure 2008523011
(式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Pはポリペプチドであり、nは、Pの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
本発明の別の実施形態は、下記の構造を有するサキナビルの誘導体を含む
Figure 2008523011
(式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Aは、活性エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、チオール、イミドエステル、無水物、マレイミド、チオラクトン、ジアゾニウム基、およびアルデヒドからなる群から選択された活性化官能基である)。
本発明の別の実施形態は、下記の構造を有する複合化誘導体を含む
Figure 2008523011
(式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Qは、ポリペプチド、多糖、合成ポリマー、および非同位体標識からなる群から選択され、nは、Qの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
本発明について、詳細にかつその特定の実施形態を参照することにより述べてきたが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱しない限り、修正および変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本発明のいくつかの態様は好ましくまたは特に有利であることが本明細書で同定されたが、本発明は、必ずしも本発明のこれらの好ましい態様に限定されるものではないと考えられる。
本明細書の全体を通して、太字で下線を付したような数字は、図面に例示される化学構造を指すのに使用される。
本明細書で使用される「分析物」は、物質または物質の群であってその存在または量が測定されるものを指す。
「抗体」は、分析物の特異的結合パートナーを意味し、この分析物に対して特異的な結合親和性を有するために他の関係ない物質を本質的に排除するような、任意の物質または物質の群である。この用語には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および抗体断片が含まれる。
ハプテンは、部分または不完全抗原である。これらは、タンパク質を含まない物質であり、そのほとんどは低分子量の物質で、抗体形成を刺激することはできないが抗体と反応する物質である。この後者は、ハプテンと高分子量の担体とをカップリングし、このカップリング生成物をヒトまたは動物に注射することによって形成される。ハプテンの例には、ジゴキシンやテオフィリンなどの治療薬、モルヒネやLSDなどの乱用薬物、ゲンタマイシンやバンコマイシンなどの抗生物質、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン、ビタミンB12や葉酸などのビタミン、サイロキシン、ヒスタミン、セロトニン、およびアドレナリンなどが含まれる。
活性化ハプテンは、誘導複合体を合成するための活性化基の結合または供給など、反応に利用可能な部位が提供されているハプテン誘導体を指す。
「リンカー」という用語は、ハプテンを担体、免疫原、標識、トレーサー、または別のリンカーに接続する化学部分を指す。リンカーは、直線状または分枝状の飽和または不飽和の炭素鎖でよい。これらは、鎖の内部または鎖の末端に、1個または複数のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロ原子とは、酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択される炭素以外の原子を意味する。リンカーの使用は、特定のハプテンと担体との対に応じて、有利になりまたは必要になる可能性がありまたはそのようにならない可能性がある。
「担体」は、この用語を本明細書で使用する場合、免疫原性の物質であり、一般にはタンパク質であって、ハプテンに複合化することができ、それによってハプテンは、免疫応答を刺激することができる。担体物質には、タンパク質、糖タンパク質、複合多糖、および核酸であって外来のものとして認識されるものが含まれ、それによって、宿主から免疫原性応答を誘発させる。
本明細書で使用される「免疫原」および「免疫原性」という用語は、生体内で免疫応答を生成しまたは発生させることが可能な物質を指す。
「複合体」および「誘導体」という用語は、1つまたは複数の化学反応によって、親化合物または親分子から作製された化合物または分子を指す。
本明細書で使用するディテクター分子、標識、またはトレーサーは、担体物質または分子に結合させた場合、分析物を検出するのに使用することができる同定タグである。標識は、その担体物質に直接結合させることができ、あるいは連結または架橋部分を用いて間接的に結合させることができる。標識の例には、β-ガラクトシダーゼやペルオキシダーゼなどの酵素、ローダミンやイソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)などの蛍光化合物、ジオキセタンやルシフェリンなどの発光化合物、および125Iなどの放射性同位体が含まれる。
本発明の意味に含まれる「活性エステル」という用語は、求核試薬保持物質のその他の反応性基との妨害的副作用が、通常は生ずることができないような条件下で、ペプチド、ポリアミノ酸、多糖、または標識の遊離アミノ基などであるがこれらに限定されない求核試薬と反応することができる活性化エステル基を包含する。
本発明の化合物は、一般的な意味では、アミン中間体14(例えばEP 1207394参照)により例示されかつ図3、5、9、および11に示されるような前駆体部分であるサキナビル部分と、どちらもカルボン酸基またはその活性化形態を保持しておりかつ中間体14の末端アミンと容易に反応することが可能な適切に置換されたピリジンまたはキノリン中間体とのカップリングによって、作製することができる。例えば、構造Iの化合物は、中間体14と、最初にオルト位から環状窒素の位置でカルボキシレート基または活性化カルボキシレート基で置換され、次に別の基Gで置換されるピリジン中間体とのカップリングによって、得ることができる。カップリングは、このカップリングをカルボン酸と共に実施する場合、限定するものではないが、カルボジイミドなどの適切なカップリング剤を用いて実現することができる。あるいは、活性エステルはカルボン酸から形成することができ、そのようなエステルは、中間体14のアミンと反応することが可能になる。ピリジンの第2の置換基Gは、環核のその他の自由な位置のいずれかにあってよく、図1に示される最終的な活性官能基Aを保持する全体的なリンカーLが生成されるようにさらに追加の適切な部分と反応するのに使用することができる、それ自体が適切な活性化官能基を保持する限りまたはその活性化形態に変換することができるマスク活性官能基を保持する限り、直鎖状または分子鎖状に並べられた炭素原子またはヘテロ原子のいずれか、あるいは両方を含むことができる。そのようなプロセスはリンカー伸長であると、有効に呼ぶこともでき、このプロセスの多くの変形例は、当業者に周知である。多くの場合、基Gは、リンカーLを、活性化官能基Aまたは既に存在する隠れた均等物、例えば後に酸加水分解され、当技術分野で周知の方法を使用して活性エステルに変換されるアルキルエステルなどと共に含むことができる。
同様の手法で、構造IIIの化合物は、中間体14と、ピリジン中間体に関して既に述べたものと同じ方法で置換されるキノリン中間体とのカップリングによって、得ることができる。
好ましい基Gは、サキナビルまたはサキナビル-ピリジル類似体の核構造の中心水酸基よりも、さらに適切な2官能性部分と優先的に反応するアミンやチオールなどの官能基に変換され易いものである。例えばアミン、特にアルキルアミンは、活性エステルまたはハロアルキル部分に向けて、中心水酸基よりも高い反応性を保有すると考えられ、アミンと2官能性部分とのカップリングは、中心水酸基での反応が最小限に抑えられた状態で実施することができる。アルキルアミノ基およびその保護された均等物、例えば化合物8aおよび8bにより例示されるアミノメチル基やtert-BOC保護アミノメチル基など、およびその結果生ずる、引き続き得られる化合物15が特に好ましい。リンカー部分を伸長するのに使用することができる、好ましい2官能性部分の例には、アミノ基が、穏やかな条件下で容易に除去される保護基でマスクされる、アミノカプロエートなどのアミノアルカノエート; または図7に例示されるグリシル-グリシル-β-アラニンなどの短ペプチド; または図10の化合物34によって例示されるグルタレートリンカーなどの、アルキルジオン酸塩化物活性エステル; または図6の化合物28によって例示されるような、アリールジオン酸活性エステル; または図4の化合物12によって例示されるようなペプチド-アルカノエート部分が含まれる。
多くの場合、中心水酸基での高い立体障害は、この中心水酸基を保護する必要なしに、基Gで有用な反応を可能にするのに十分なものである。場合によっては、例えば基Gが水酸基またはヒドロキシアルキルであって、その反応性が核サキナビル部分の中心水酸基とほぼ同じであると予測される場合、選択性は、例えばベンゾイルエステルまたはトリクロロアセテートなどとして中心水酸基を保護し、その後、基Gでの水酸基またはヒドロキシアルキルの脱保護し、その後、エステル結合を形成する酸塩化物またはウレタン結合を形成するイソシアネートを含有するものなど適切な2官能性部分との反応を用いてリンカー伸長を行い、その後、サキナビルまたはサキナビル-ピリジル核部分の中心水酸基の脱保護を行うことによって、実現することができる。
そのような保護および脱保護ステップの順序は、当業者に周知であり、そのようなステップと、アミン、水酸基、およびチオールに関するその他の適切な保護基との多くの例を文献に見出すことができ、例えば「Protective groups in Organic Synthesis」、第2版、T.Greene & P.Wuts、Wiley-Intersciences、1991などに見出すことができる。保護基は、サキナビルまたはサキナビル-ピリジル基中の結合またはその他の部分の一体性に影響を及ぼさないように、刺激の弱い塩基性または酸性条件下で除去されるものが好ましい。刺激の弱い塩基性条件下で除去されるN保護基の例は、フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)である。酸によって容易に除去されるN保護基の例は、t-ブチルオキシカルボニル(BOC)である。多くのその他の適切なN保護基、ならびにO保護基およびS保護基は、当技術分野で周知であり、Greene & Wutsの同書に例示されている。
例として、図1に示される化合物8aは、上述の基Gに対応するマスクされたアミン官能基、およびカルボン酸基を保持する。中間体14とのカップリングの後、Gに含まれるアミンのアンマスキングを行い、次いで化合物15を供給し、これを別の適切な部分、すなわちこの場合は保護ペプチド12と反応させることにより、保護されまたはマスクされた末端活性官能基と共に全リンカーLを保持する構造Iの化合物が得られ、次いでこの化合物そのもののアンマスキングを行い、当業者に知られておりかつ図3および4と実施例15から18までとに例示される方法を使用して、活性官能基Aに変換する。基Gの、その他の非限定的な例には、ハロアルキル、シアノアルキル、アルキルカルボキシレートエステル、あるいはアルキルまたはアリール基であってAから選択されるようなその他のものを保持する基を含めることができる。
別の例は、基Gを含みかつ化合物15により例示されるようなアミノメチルまたはアミノアルキル基を、アミノカプレート活性エステルなどの2官能性部分と反応させることができ、この場合、アミンを保護して伸長リンカーを形成し、その後、末端アミノの脱保護を行い、フタル酸ジ-(N-ヒドロキシスクシンイミド)ジエステル28などの別の2官能性部分と反応させて、末端活性官能基Aを保持する伸長リンカーLを形成し、化合物24により例示されるようにかつ図6と実施例16から18までに示されるように実施する。
その他の適切な官能基は、当業者に容易に提示されよう。さらなる例示としては、ハロアルキル基Gは、アルキルエステルなどの別の官能基を保持するアミン含有部分と反応させて、Lを含む伸長リンカーを形成し、このエステルを酸に加水分解し、活性エステルに変換して、Aを形成することができる。シアノアルキル基は水素化してアミンを形成することができ、または加水分解してイミノエステルにすることができ、次いでこれを、前文で述べたアミン-アルキルエステル部分などの別の部分と反応させ、LおよびAを含む化合物へと進展させることができる。基Gの別の例は、ニトロ基でよく、次いでこれをアミンに還元することができ、次いで酸塩化物を含有するもの、あるいはハロゲン化物がブロモまたはヨードであるアルキルハロゲン化物、あるいはホウ化水素が存在するような還元条件下のアルデヒドなど、適切な2官能性部分と反応させて、伸長リンカーを有する中間体を提供することができる。基Gのさらに別の例には、アセチルチオアルキルなどのマスクされたチオールを含めることができ、次いでこれを、刺激の弱い塩基性条件下で脱保護し、遊離チオールを、マレイミドまたは別のチオール反応性官能基を含有する2官能性部分と反応させて、伸長リンカーを提供する。あるいは、Gにはマレイミド基を含めることができ、次いでこれを、チオールを含有する別の2官能性部分と反応させて、伸長リンカーを提供することができる。さらに別の例には、例えばt-ブチルジメチルシリル基などの適切な基で保護することができる水酸基またはヒドロキシアルキルを含めることができ、次いでこの脱保護を行い、次いで酸塩化物を含有するような別の2官能性部分とカップリングして、伸長リンカーを得る。その他の適切な変換およびカップリングは、当業者には容易に自明であろう。
そのような変換のさらに別の例を、図9および10に見ることができ、この場合、ニトロ基を含む基Gはキノリン誘導体中に存在し、これを化合物14とカップリングして、化合物29を形成する。次いでニトロ基をアミンに還元し、次いでこれを、グルタル酸塩化物N-ヒドロキシスクシンイミドエステルなどの適切な2官能性部分と反応させて、活性官能基Aと共にリンカーAを保持する構造IIIの化合物を含んだ化合物31を形成する。そのような化合物は、図10に例示されるように、図示されるペプチドなどのさらに別の2官能性リンカーといっしょになって伸長させることができ、その後、末端でカルボキシレートの変換を行って活性エステルにし、それによって、やはり図10に示すように、活性官能基Aを有するリンカーLを保持する構造IIIの化合物を含む、化合物33を提供する。
リンカーLは、末端活性化官能基Aと、サキナビルまたはサキナビル-ピリジル類似体部分との間に追加のスペーサを提供するという目的に適うものである。リンカーの長さおよび組成は、免疫原応答および複合体性能に影響を及ぼすことが、当業者に周知である。最終的なリンカーLが提供されるように基Gを伸長させる本発明の場合に使用するための、市販されておりまたは容易に合成されるリンカーの多くの例が文献にある。この主題に関する優れた文献としては、読者は、Bioconjugate Techniques, G.Hermanson, Academic Press, 1996を参照されたい。場合によっては、リンカーLを省くことができ、サキナビルまたはサキナビル-ピリジル類似体部分を活性化官能基Aに直接結合することができる。
次いで構造IまたはIIIの化合物を、これらの活性官能基Aを通してディテクター分子または標識、例えばガラクトシダーゼやペルオキシダーゼなどの酵素に、あるいはフルオレセインやローダミン、またはCy-5などの蛍光標識に、あるいはルシフェリンなどの発光標識に、あるいはアミノデキストランなどの多糖に、あるいはポリリジンなどのその他の合成ポリマーに複合化して、構造IIおよびIVの化合物を提供することができる。さらにこれらの化合物を、その活性官能基Aを通して、125Iなどの放射性同位体を保持するその他の部分に複合化させることにより、構造IIおよびIVに類似するがここでは同位体標識を保有する化合物を提供することができる。典型的には、そのようなカップリングは、酵素のリジンのアミノ基と、Aが活性エステルである化合物とを反応させて、安定なアミド結合を形成する反応、または酵素のリジンのアミノ基と、Aがイソチオシアネートまたはイソシアネートである化合物とを反応させて、対応するチオ尿素または尿素結合を形成するための反応など、相補的に反応する官能基を使用することによって実現される。その他の適切な組合せが、当業者に明らかにされよう。これらの反応は、典型的には、DMSOやDMFなどの適切な有機溶媒中で、共溶媒としての水性成分を添加してまたは添加しない状態で、また一般に0℃から100℃未満の穏やかな温度、典型的には室温程度のような、比較的穏やかな条件下で実施することができる。
同様に、本発明では活性化ハプテンとも呼ばれる構造Iの化合物を、その後これらの活性化官能基Aを通して、タンパク質などのポリペプチドに複合化させ、それによって構造Vの化合物を提供することができる。同様の方法で、構造IIIの化合物を同様の成分に複合化させて、前述のような類似化合物を得ることができる。典型的には、そのようなカップリングは、タンパク質のリジンのアミノ基と、Aが活性エステルである化合物との反応など、相補的に反応する官能基を使用することによって実現され、その結果、安定なアミド結合が形成される。ポリペプチド、特に免疫原保持物質として周知のタンパク質との複合化によって、免疫原として有用な複合体が提供される。次いでこれらの免疫原を使用して、当技術分野で周知の方法を用いてマウスなどの動物を免疫化することにより、抗体が得られる。免疫原性担体は、典型的には、分子量が10kDよりも大きいポリペプチドまたは多糖である。好ましい免疫原性担体は、分子量が100kDよりも大きいポリペプチドである。好ましい担体物質の例は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、カブトガニ(Limulus polyphemus)ヘモシアニン(LPH)、およびウシサイログロブリン(BTG)である。その他の有用なポリペプチドには、ポリペプチドに複合化される薬物部分の量に応じて、ELISAアッセイなどのスクリーニングアッセイで使用することができる複合体を提供するウシ血清アルブミン(BSA)などのアルブミン、または免疫原も含まれる。活性化ハプテンと担体上のアミノ基との反応は、典型的には、水と、DMSOなどの水混和性有機溶媒との緩衝混合物中で、0.5から5日間にわたり室温で実施される。緩衝液のpHは、典型的には、活性エステル、イソシアネート、およびイソチオシアネートについては6から8の間であり、またはイミデートについては7から10の間であり、担体アミノ基および活性化官能基の既知の反応性に従って調節される。末端基Aがマレイミドである場合、担体上の反応性基はチオールである。これらのチオール基は、担体由来であり、または2-ITやSATPなどのチオール化試薬を使用して導入することができる。チオエーテルを与えるマレイミドとチオール基との複合化に関する最適なpHは、典型的には5から7の間である。反応の後、複合化していないハプテンおよび有機溶媒を除去するために、免疫原を透析し、またはサイズ排除クロマトグラフィにかける。免疫原を得るための代替方法は、Aがアルデヒドである活性化ハプテンと、担体タンパク質またはポリペプチドのアミノ基とを反応させて、シッフ塩基を形成し、その後、水素化ホウ素シアノなどの刺激の弱い還元剤で還元して、安定なアミン結合を形成することである。この最後の手法の変形例も、本発明が属する技術分野の当業者には示唆されよう。その他の安定な組合せは、当業者には明らかであろう。構造Iの化合物と免疫原性担体物質との複合化の例は、図7および8に見ることができる。
具体的な実施形態
下記の実施例において、太字で下線を付した数字は、図面内の対応する構造を指す。
フラッシュクロマトグラフィは、シリカゲル60(230〜400メッシュ、EM Science)上で実施した。薄層クロマトグラフィは、シリカゲルプレート(0.25mm、EM Science、Cat.# 5717-5)上で行い、紫外線ランプの下で視覚化した。
溶媒は、他に特に指示しない限り、J.T.Baker Companyから得た。酢酸エチル(EtOAc)、ヘキサン(hex)、メタノール(MeOH)、および塩化メチレン(CH2Cl2)は、クロマトグラフィおよび反応後処理用に受け取ったままの状態で使用した。乾燥CH2Cl2は、アルゴン中および還流下で、水素化カルシウムを沸騰させることによって得た。乾燥テトラヒドロフラン(THF)は、アルゴン中および還流下でナトリウム-ベンゾフェノンを沸騰させることによって得た。乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)および乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)は、Aldrich Chemical CompanyからのSure/SealTMボトル中で得られた。
試薬および化学物質は、他に特に指示しない限り、Sigma-Aldrich Chemical CompanyまたはFluka Chemicalsから得た。
プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)は、Sun/Sparcワークステーションを備えたVarian Gemini 2000(200MHz)上で得られた。全てのNMR化学シフト値は、残留溶媒に関して参照されるδ単位(ppm)で報告する。使用される略語は、s, 1重項; d, 2重項; t, 3重項; br, ブロードである。
液体クロマトグラフィ質量スペクトル(LC-MS)は、ダイオードアレイ検出器およびクォータナリポンプを備えたAgilent HP1100 LC/MSシステム上で得られ、クロマトグラフィの流れは、カラム後にMSD検出器へと注がれた。他に特に示さない限り、使用される分析カラムは、Phenomenexガードモジュール(KJO-4282)を備えたVydac 218TP54分析カラム(300Å、5μ)であった。他に特に示さない限り、実験操作は、0.1% TFA-H2O(A)中0.1% TFA-MeCN(C)を使用して行い、すなわちその溶媒勾配が、(A)中での(C)が5%(0分)から100%(20分)から5%(25分)であるものを使用して行った。
分取逆相HPLC(RP-HPLC)は、Varian/Dynamaxラジアル圧縮カラム(C18、Microsorb 60-8)を備えた2つのVarian/Rainin SD-1ポンプを使用して行った。(A)中での(C)の勾配が15%(0分)から85%(20分)であり、流量が20〜40mL/分であるものを使用した。
本発明をより容易に理解できるようにするために、下記の実施例を示すが、これらは本発明を例示する目的であって、その範囲を限定するものではない。
(化合物2の合成)
2,6-ピリジンジカルボン酸(25g、0.15mol、Aldrich Chemical Company)をメタノール150ml中に懸濁させた懸濁液中に、HClガスを室温でゆっくりとバブリングした。この懸濁液を、熱の放出によってゆっくりと透明な溶液にした。HClガスのバブリングを停止させ、反応フラスコを隔壁で耐密に閉じ、よく換気されたフード内で室温で撹拌した。約40分後に白色の沈殿物が形成された。室温で12時間撹拌した後、この反応混合物を減圧下で濃縮することによって、白色固体残留物が得られた。この白色固体を塩化メチレン(150ml)中に溶解し、有機層を飽和NaHCO3溶液(2×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮することによって、生成物2が白色固体として得られた(28.8g、98.5%): TLC: Rf0.36(Hex中50% EtOAc); NMR (CDCl3, 200MHz) δ 4.02 (s, 6H)、8.01 (d, J = 8Hz, 0.5H)、8.04 (q, J = 8Hz, 0.5H)、8.32 (d, J = 8Hz, 2H)。
(化合物3の合成)
ジエステルからのモノアルコールの調製を、文献(Liren Huang, James C.Quada,Jr.およびWilliam Lown, Bioconjugate Chemistry, 1995, 6, 21〜33)に従って行った。NaBH4(4.2g、0.11mol)との、メタノール200ml中でのジエステル(2、14.1g、72.3mmol)の反応によって、生成物3が白色粉末として8.3g(69%)得られた。TLC: Rf0.36(EtOAc); NMR (CDCl3, 200MHz) δ 3.42 (br s, 1H)、3.99 (s, 1H)、4.85 (s, 2H)、7.52 (d, J = 7.2, 1H)、7.84 (t, J= 7.6Hz, 1H)、8.03 (d, J = 7.2Hz, 1H)。
(化合物4の合成)
アルコール3(3.4g、20mmol)を50mlの乾燥DMFに溶かした溶液に、イミダゾール(1.9g、28mmol、1.4当量)を添加し、その後、塩化t-ブチルジメチルシリル(3.4g、22.6mmol、1.13当量)を添加した。反応混合物を、室温で12時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を水(5×30ml)で洗浄し、濃縮することによって、粘着性のある油として粗製生成物が得られた。シリカゲルフラッシュカラム(Hex中20% EtOAc)による精製を行い、生成物4が白色固体として得られた(5.3g、95%)が、これはTLC: Rf0.48(Hex中25%EtOAc)を有していた。NMR (CDCl3, 200MHz) δ 0.11(s, 6H)、0.95 (s, 9H)、3.99 (s, 3H)、4.93 (s, 2H)、7.75 (dd, J = 0.6, 7.8Hz, 1H)、7.85 (t, J = 7.8Hz, 1H)、8.00 (dd, J = 0.6, 8Hz, 1H)。
(化合物5および5aの合成)
4(1.75g、6.2mmol)をTHF/メタノール(2/1)20mlに溶かした撹拌溶液に、LiOH(一水和物、294mg、7mmol、1.1当量、約1mlの水に溶解したもの、溶解するまで加熱した)を添加した。TLCが、反応が終了したことを示したときに、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物を、10mlの1M H3PO4(pH3)で処理し、この混合物を振盪させ、溶液のpHを、1N HClを用いて慎重に、3に再調節した。溶液をジクロロメタンで抽出した(4×20ml)。有機抽出物を1つに合わせ、乾燥し(MgSO4)、濃縮することにより、保護された酸(5)が透明な油として得られた(1.4g、85%、わずかに不純物を含む)。粗製の保護酸(380mg、1.4mmol)を、乾燥ジクロロメタン10mlに溶解し、室温での撹拌溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(242mg、2.1mmol、1.5当量)を添加し、その後、塩酸1-(3-ジメチル-アミノプロピル)-1-エチルカルボジイミド(EDC-HCl)(335mg、1.85mmol、1.3当量)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を、約2mlの体積まで濃縮し、シリカゲルカラムに直接投入し、ヘキサン中40%の酢酸エチルで溶出した。NHSエステル(5a)が、白色固体として得られ(210mg、41%)、これは、TLC:Rf0.55(Hex中50%EtOAc)を有していた。NMR (CDCl3, 200MHz) δ 0.12(s, 6H)、0.95 (s, 9H)、2.91(br s, 4H)、4.93 (s, 2H)、7.82 - 7.96 (m, 2H)、8.08 (d, J = 8.0Hz, 1H)。
(化合物6の合成)
化合物6を、文献(A.J.Y.Lan, R.O.Heuckeroth,およびP.S.Mariano, J.Am.Chem.Soc., 1987, 109, 2738〜2745)に記載されている方法と同様の手法で調製した。
アルコール3(4.1g、24.6mmol)を、ジクロロメタンおよびジエチルエーテル(1/1)100mlに溶かした室温の撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(7.1g、27.06mmol、1.1当量)を添加し、四臭化炭素を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。TLCは、反応が終了したことを示した。反応混合物を濃縮して、溶媒のほとんどを除去した。残留物をEtOAcで処理して、トリフェニルホスフィンオキシドを沈殿させ、EtOAc層のデカンテーションを行った。この手順をさらに2回繰り返した。EtOAc層を1つに合わせ、濃縮することによって、オフホワイトのスラリとして粗製生成物が得られた。残留物の再溶解を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することによって、標題の化合物6が白色固体として得られた(5.4g、89%): TLC: Rf0.55(Hex中50% EtOAc); NMR (CDCl3, 200MHz) δ 4.00 (s, 3H)、4.63 (s, 2H)、7.68 (dd, J = 1, 7.8Hz, 1H)、7.86 (t, J = 8Hz, 1H)、8.06 (dd, J = 1, 7.8Hz, 1H)。
(化合物7の合成)
カリウムt-ブトキシド(1.12g、10mmol)を、アルゴン中で、ジ-t-ブチル-イミノジカルボキシレート(2.13g、9.8mmol、Fluka)を10mlの乾燥DMFに溶かした撹拌溶液に、室温で添加した。溶液を、室温で30分間撹拌した。この撹拌溶液に、化合物6(2.1g、8.5mmol)を8mlの乾燥DMFに溶かした溶液を、室温で添加した。50℃で2時間撹拌した後、反応混合物を真空中で濃縮して、DMFのほとんどを除去した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(Hex中30% EtOAc)で精製することにより、生成物が薄黄色の油として得られ(2.8g、86%)、これは10時間後に室温で凝固した: TLC: Rf0.66(Hex中50% EtOAc); NMR (CDCl3, 200MHz) δ 1.42 (s, 18H)、3.98 (s, 3H)、5.01 (s, 2H)、7.3 (d, J = 7.8Hz, 1H)、7.80 (t, J = 7.8Hz, 1H)、8.00 (d, J = 1, 7.6Hz, 1H)。
(化合物8aおよび8bの合成)
化合物7(1.80g、4.7mmol)をTHF/メタノール(1/4)20mlに溶かした撹拌溶液に、LiOH(一水和物、220mg、5.2mmol、1.1当量、約1mlの水に溶解したもの、溶解するまで加熱した)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、その後、TLCが反応が終了したことを示した。溶媒を真空中で除去し、残留物を、8mlの1M H3PO4(pH 3)で処理し、得られた溶液をジクロロメタンで抽出した(5×20ml)。有機抽出物を1つに合わせ、乾燥し(MgSO4)、濃縮することによって、生成物が油として得られた(1.45g)。NMRによれば、モノ-BOC化合物(8a)(約80%)およびジ-BOC化合物(8b)(約20%)の混合物であることが示された: δ4.51(d, J=6.2Hz, BOC-NH-CH2-),δ4.97(s,(BOC)2N-CH2-)。この混合物を、さらに精製することなく次のステップで使用した。
(化合物10の合成)
BOC-グリシル-グリシル-OH, 9(2.5g、10.8mmol、Bachem Americas, Cat# A-1750)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(1.49g、12.9mmol)を、50mLの丸底フラスコ内で10mLの乾燥DMFに溶かした撹拌溶液に、塩酸1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC-HCl)(2.2g、11.3mmol、Aldrich)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に、β-アラニンベンジルエステルp-トルエンスルホン酸塩(3.9g、11mmol、Sigma)を添加し、その後、乾燥ジイソプロピルエチルアミン(1.55g、2.1ml、12mmol)を添加した。反応混合物を室温で14時間撹拌した。溶媒(DMF)のほとんどを減圧下で除去することにより、透明な油が残り、これを酢酸エチル100mlと水20mlとの間で分配した。有機層を分離し、水(1×20ml)、飽和NaHCO3溶液、1N HCl(2×15ml)、および水(1×10ml)で順次洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濃縮乾固することにより、生成物10が白色固体として得られた(3.8g、90%): TLC: Rf0.67(1:2:2 MeOH/CH2Cl2/EtOAc); NMR (CDCl3, 200MHz) δ 1.44 (s, 9H)、2.59 (t, J = 6.2Hz, 2H)、3.54 (q, J = 6.2Hz, 2H)、3.80 (d, J = 5.8Hz, 2H)、3.89 (d, J = 5.6Hz, 2H)、5.12 (s, 2H)、6.8 (br s, 1H)、6.85 (br s, 1 H)、7.35 (m, 5H)。
(化合物11の合成)
保護ジペプチド10(2.1g、5.3mmol)を、80mlのTHF/EtOAc(1:1)中に温めながら溶解した。次いでHClガスを、この溶液中に室温で約5〜10分間バブリングし、得られた混合物を、室温で12〜14時間静置した。得られた白色固体生成物(1.67g、95%)を濾別し、空気乾燥し、さらに真空乾燥した。材料は下記の値を有していた。NMR (D2O, 200MHz) δ 2.62 (t, J = 6.4Hz, 2H)、3.47 (t, J = 6.6Hz, 2H)、3.83 (s, 2H)、3.84 (s, 2H)、5.14 (s, 2H)、7.41 (br s, 5H)。
(化合物12の合成)
ジペプチドHCl塩(11、1.67g、5.1mmol)を、15mlの乾燥THFおよび3mlの乾燥ピリジンに懸濁した室温の撹拌懸濁液に、グルタルアルデヒド(600mg、4.9mmol、Aldrich)を添加した。懸濁液を室温で12時間撹拌した。反応混合物は、全体にわたって懸濁液のままであった。反応混合物を濃縮してTHFのほとんどを除去し、残留物を水3mlで処理することにより、透明な溶液が得られた。この溶液を、6N HCl(約6ml)で酸性化し、その後すぐに生成物を、白色固体として沈殿させた。固体を濾過によって収集し、水で洗浄し(1×5ml)、高真空中で一晩乾燥することにより、標題の化合物(12)が白色粉末として得られ(1.77g、86%)、これは、下記の値を有していた。NMR (CD3OD, 200MHz) δ 1.90 (m, 2H)、2.33 (t, J = 7Hz, 2H)、2.34 (t, J = 7.2Hz, 2H)、2.60 (t, J = 6.8Hz, 2H)、3.82 (d, J = 5.8Hz, 4H)、5.12 (s, 2H)、7.35 (br s, 5H); LC-MS: tR 8.98 分; 実測値 M+H 408。
(化合物14の合成)
化合物14を、欧州特許出願EP 1207394 A2に記載されている方法と同様の手法で得た。
炭素に担持されたパラジウム(10% Pd-C、Aldrich)0.16gを含有するメタノール100mlに溶かした化合物13(1.5g、2.3mmol、米国特許第5,196,438号)を、室温および大気圧で4時間水素化した。反応混合物を、フリットガラス漏斗内のCELITEパッドに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮することにより、化合物14が白色固体として得られ(1.15g、97%): TLC:Rf0.25(1:2:2 MeOH/CH2Cl2/EtOAc)、標準材料で同時溶出した。
(化合物15の合成)
化合物8aおよび8bの約80:20の混合物(0.19g、約0.75mmol)を乾燥ジクロロメタン 15mlのに溶かした撹拌溶液に、NHS(115mg、1mmol)およびEDC-HCl(175mg、0.91mmol)を順次添加した。反応混合物を室温で40分間撹拌した。この反応混合物に、化合物14(260mg、0.5mmol)を添加し、その後、触媒量の4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、約10mg)を添加した。室温で4時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残留物を約50mlのEtOAcに溶解した。有機層を、水(1×10ml)、飽和NaHCO3溶液(2×10ml)で洗浄し、次いで濃縮することにより、粗製生成物が得られた。シリカゲルカラムクロマトグラフィでの精製(Hex中70% EtOAc、次いで10:40:50のMeOH/EtOAc/CH2Cl2)によって、中間体N-保護生成物が白色固体として得られた[約260mg、モノ-Boc(80%)およびジ-Boc(20%)の混合物]: TLC:Rf0.62(モノ-BOC)および0.69(ジ-BOC)、1:2:2 MeOH/CH2Cl2/EtOAc)。保護生成物を10mlのジクロロメタン/TFA(1:1)に溶解し、溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物を、ジクロロメタン20mlと飽和NaHCO3溶液10mlとの間で分配した。層を分離し、水層をさらにジクロロメタンで抽出した(5×10ml)。有機抽出物を1つに合わせ、乾燥し(MgSO4)、濃縮することによって、生成物15が白色固体として得られた(約210mg): TLC Rf0.50 [70:28:2 CH2Cl2/MeOH/NH4OH(水28%)]; LC-MS tR 10.13分、測定値M+H 650。
(化合物17の合成)
化合物12(150mg、0.37mmol)およびNHS(56mg、0.48mmol)を2.5mlの乾燥DMFに溶かした撹拌溶液に、EDC-HCl(85mg、0.4mmol)を添加した。室温で5時間撹拌した後、反応混合物を、15(150mg、0.23mmol)およびDMAP(2mg)を4mlのTHFに溶かした溶液で処理し、次いで室温でさらに12時間撹拌した。出発材料15の消失および化合物16の形成がTLCによって示され、LC-MSによって確認された(tR 約12.0分、測定値M+H 1039.5)。少量の残留試薬および少量の生成物も観察された。粗製化合物16を含有する反応混合物を、メタノールで希釈し(3×30ml)、250mlの丸底フラスコに移し、その内容物を、炭素に担持されたパラジウム(80mg、10% Pd-C)の存在下、室温および大気圧で4時間水素化した。触媒を、フリットガラス漏斗(4μm)内のCELITEパッドを通して濾過することにより、除去した。濾液を減圧下で蒸発させ、次いで高真空中で蒸発させて、溶媒を除去した。残留物を分取RP-HPLCにより精製し、生成物の画分を凍結乾燥することによって、化合物17(95mg)がオフホワイトの固体として得られ、これはトリフルオロ酢酸塩とされた。
同様の手法で行われた同様の実験によって、同一の材料17が得られ、これはLC-MS: tR 10.5分、測定値M+H 949.5(親)を有していた。
(化合物18の合成)
17(85mg、約0.09mmol)をDMF 1mlおよびアセトニトリル2mlに溶かした撹拌溶液に、NHS(62mg、0.54mmol、6当量)およびEDC-HCl(103mg、0.54mmol、6当量)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。出発材料の消失および生成物18の形成が、LC-MSによって示された。生成物の混合物を、分取RP-HPLCによって直接精製した。生成物を含有する溶出液を1つに合わせ、凍結し、アセトニトリルをドライアイス/アセトン冷却フィンガ上に高真空回転蒸発(昇華)させることによって除去し、残留物を凍結乾燥することにより、生成物18がオフホワイトの固体として得られ(39mg)、トリフルオロ酢酸塩とされた。
上述の手法と同じ手法で行われた同様の実験では、上述のRP-HPLC精製および凍結乾燥の後に同じ生成物18が得られ、これは、LC-MS tR 10.6分、測定値M+H 1046.6(親); HR-ES MS: 計算値M+H(親)1046.5306、測定値1046.5293を有していた。
(化合物19の合成)
化合物5a(200mg、0.55mmol)を乾燥ジクロロメタン10mlに溶かした撹拌溶液に、化合物14(210mg、0.4mmol)を添加し、その後、触媒量のDMAP(約10mg)を添加した。室温で12時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残留物をEtOAc 25mlに溶解し、有機層を水(2×10ml)、飽和NaHCO3溶液(2×10ml)で順次洗浄し、濃縮した。次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィでの精製によって、中間体TBDMS保護生成物が白色固体として得られた(250mg、82%): TLC: Rf0.75(1:2:2 MeOH/CH2Cl2/EtOAc)。白色固体をアセトニトリル10mlに溶解し、この溶液に、48%HF水溶液0.5mlを添加した。室温で4時間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン20mlで希釈し、飽和NaHCO3溶液(2×10ml)で洗浄した。有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、生成物19(180mg、85%)が白色固体として得られ、これは、TLC: Rf0.63(1:2:2 MeOH/CH2Cl2/EtOAc); LCMS tR 11.2分、測定値M+H 651.3; HR-ES MS: 計算値M+H 651.3865、測定値 651.3872を有していた。
(化合物22の合成)
6-(FMOC)アミノカプロン酸20(Advanced ChemTech, Louisville, KY, USA; Cat# FX2650)(36mg、0.102mg)を乾燥塩化メチレン(3ml)に溶かした溶液に、NHS(13.1mg)を添加し、その後EDC-HCl(20.5mg)を添加し、反応混合物を、アルゴン中で一晩、室温で撹拌した。反応混合物のLC-MS検査では、対応するNHSエステル生成物21の形成が単一の主ピークとして示された(tR 15.7分、測定値M+H 451.2)。この反応混合物を半分に分けた。その一方の混合物に、化合物15(45mg、約0.05mmol、ジトリフルオロ酢酸塩として)を添加し、その後、トリエチルアミン(21μl、約15mg、約0.15mmol)および乾燥DMF(0.5ml)を添加して、反応物の溶解が促進されるようにした。1.5時間後、この反応のLC-MSによる検査では、所望の生成物の形成が示され、かつ両方の出発材料が依然として存在することが示された。室温で一晩撹拌した後、LC-MSは、生成物が副生成物と一緒に形成されたことを示した。この反応混合物を、30〜40mlのCH2Cl2で希釈し、0.1N HCl(2回)、水(1回)、飽和NaHCO3(1回)、飽和NaCl(1回)で順次洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残留液体を、クロロホルム(CHCl3)に溶かした5% MeOHに再溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(勾配 5%から10%、CHCl3中MeOH)で精製することにより、生成物22が無色/白色ガラスとして得られた(20mg、40%)。この材料は、TLC Rf0.42(10% MeOH、CHCl3中); LC-MS tR 15.1分、測定値M+H 985.5を有していた。
(化合物23の合成)
化合物22(20mg、0.0203mmol)を乾燥CH2Cl2(3.6ml)に溶かした溶液に、ピペリジン(0.4ml)を添加し、反応混合物を、アルゴン中、室温で撹拌した。1.5時間後、TLCによる検査では、反応が終了したことが示された。揮発性材料を、減圧下で、次いで高真空中、室温で除去することにより、残留白色固体が得られた。この材料を、アセトニトリル(MeCN)-水に再溶解し、そこに少量のトリフルオロ酢酸(TFA)を添加し、濾過し(0.45m)、分取RP-HPLCにより精製した[勾配 5%(0分で)から100%(20分で)、0.1% TFA/H2O中0.1% TFA/MeCN]。生成物の画分を1つに合わせ、MeCNを減圧下で除去し、水性残留物を凍結および凍結乾燥することによって、生成物23が白色固体として得られ、ジ-TFA塩とされた。この材料は、LC-MS tR 10.3分、測定値M+H 763.4(親)を有していた。
(化合物24の合成)
テレフタル酸ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル28 [Ghoshal他、EP 1,148,339 A2](3.2mg、0.0089mmol)およびトリエチルアミン4μLを、1.5mLの乾燥CH2Cl2に溶かした撹拌半溶液/懸濁液に、23(8.8mg、0.009mmol)を1:2のクロロホルム-DMSO(0.75mL)に溶かした溶液を1滴ずつ添加し、この混合物をさらに1.5時間撹拌した。LC-MSによる検査は、反応が実質的に終了したことを示した。揮発性材料を高真空中で除去した。残留物を、少しのMeCN/水に溶解し、分取RP-HPLC [C18; 勾配 5%(0分で)から100%(20分)に上昇、0.1% TFA/水中0.1% TFA/MeCN]によって精製した。主生成物ピークを収集し、すぐに凍結し、アセトニトリルを昇華させ(高真空ロトバップ(rotovap)、ドライアイス/アセトン冷フィンガ冷却器)、残留物を凍結乾燥することにより、少しのテレフタロイルビス-アミド生成物を含有する生成物24が得られた。この材料は、NMR: 適合性あり; LC-MS: tR 12.4分、測定値M+H 1008.4(ビス-生成物、tR 13.0分で、測定値M+H 1656.1)を有していた。
(KLHとのスクシンイミド-オキシカルボニル-エチルアミノ-グリシル-グリシル-グルタリル-アミノメチル-ピルサキナビル複合体25の合成)
50mMリン酸カリウム緩衝液(KPi)(pH7.5)1.5mL中に加えて元に戻したキーホールリンペットヘモシアニン(KLH, Pierce Biotechnology,Inc., Rockford, IL, USA)20mgに、氷水浴中で冷却しながらかつ撹拌しながらジメチルスルホキシド(DMSO)0.5mLを1滴ずつ添加した。得られた溶液(KLH 5mgと同等)の4分の1(0.5mL)を、標準/対照として使用するために回収した。タンパク質の残留溶液(KLH 15mg)に、化合物18(6.5mg、5.1μmol、ジ-TFA塩として)を添加し、合計で150μLのDMSOに溶解した。冷却浴を除去し、栓をしたバイアル中の混合物を一晩撹拌した。混合物を、透析カセット(Pierce Biotechnology,Inc.; 10K分子量カットオフ膜; 製品# 66425)に移し、室温で、50mM KPi(pH7.5)中30%(2回交換)、次いで20%、次いで10%のDMSOに対して順次透析し、次いで室温で50mM KPi(pH7.5)に透析し、次いで約4℃で、50mM KPi(pH7.5)に透析した(3回交換)。KLH標準/対照(上記参照)を、同様により小さい透析カセット(Pierce Biotechnology,Inc.)に移し、同じ手法で透析した。濃縮水をカセットから除去することにより、複合体25ならびに標準/対照の両方が乳白状の灰色溶液として得られた。KLH標準/対照の濃度は、1mg/mLでA280=1.77を使用して、UVにより測定した。複合体溶液に対するクーマシーブルータンパク質アッセイ(修正されたBradford)は、標準曲線を構成するのにKLH標準/対照を使用して、タンパク質が4.5mg/mLであることを示した。複合体溶液に対するトリニトロベンゼンスルホン酸アッセイ(TNBSアッセイ)では、比較サンプルとしてKLH標準/対照を使用して、得られたリジンに約34%の変異があることが示された。
(BSAとのスクシンイミド-オキシカルボニル-エチルアミノ-グリシル-グリシル-グルタリル-アミノメチル-ピルサキナビル複合体26の合成)
ウシ血清アルブミン(BSA)(Intergen Company, Purchase, NY, USA, Cohn Fraction V modified powder)120mgを50mMリン酸カリウム緩衝液(KPi)(pH7.5)4.0mLに溶かした溶液に、ジメチルスルホキシド(DMSO)0.5mLをゆっくりと1滴ずつ添加した。得られた溶液(BSA 20mgと同等)0.75mLを、標準/対照として使用するために回収した。タンパク質の残留溶液(BSA 100mg)に、化合物18(3.1mg、2.4μmol、ジ-TFA塩として)を合計300μLのDMSOに溶かしたものを添加した。フラスコに栓をし、反応混合物を一晩撹拌した。混合物を透析カセット(Pierce Biotechnology,Inc.; 10K 分子量カットオフ膜)に移し、室温で、50mM KPi(pH7.5)中20%(1回交換)、次いで10%のDMSOに対して順次透析し、室温で50mM KPi(pH7.5)に透析し(1回交換)、次いで約4℃で、50mM KPi(pH7.5)に透析した(3回交換)。BSA標準/対照(上記参照)を、同様により小さい透析カセットに移し、同じ手法で透析した。濃縮水をカセットから除去することにより、複合体26ならびに標準/対照の両方が透明な溶液として得られた。BSA標準/対照の濃度は、1mg/mLでA280=0.6を使用して、UVにより測定した。複合体溶液に対するクーマシーブルータンパク質アッセイ(修正されたBradford)は、標準曲線を構成するのにBSA標準/対照を使用して、タンパク質が11.2mg/mLであることを示した。
(BSAとのスクシンイミド-ベンゾイル-アミノカプロリル-アミノメチル-ピルサキナビル複合体27の合成)
ウシ血清アルブミン(BSA)(Intergen Company, Purchase, NY, USA, Cohn Fraction V modified powder)100mgを50mMリン酸カリウム緩衝液(KPi)(pH7.5)2.0mLに溶かした溶液に、ジメチルスルホキシド(DMSO)0.2mLをゆっくり添加した。得られた溶液(BSA 20mgと同等)0.44mLを、標準/対照として使用するために回収した。タンパク質の残留溶液(BSA 80mg)に、合計で750μLのDMSOに溶解した化合物24(2.7mg、2.4μmol、TFA塩として)を添加した。フラスコに栓をし、反応混合物を一晩撹拌した。混合物を透析カセット(Pierce Biotechnology, Inc.; 10K 分子量カットオフ膜; 製品#66425)に移し、室温で、50mM KPi(pH7.5)中30%(2回交換)、次いで20%、次いで10%のDMSOに対して順次透析し、次いで室温で50mM KPi(pH7.5)に透析し、次いで約4℃で、50mM KPi(pH7.5)に透析した(5回交換)。BSA標準/対照(上記参照)を、同様により小さい透析カセットに移し、同じ手法で透析した。濃縮水をカセットから除去することにより、複合体27ならびに標準/対照の両方が透明な溶液として得られた。BSA標準/対照の濃度は、1mg/mLでA280=0.6を使用して、UVにより測定した。複合体溶液に対するクーマシーブルータンパク質アッセイ(修正されたBradford)は、標準曲線を構成するのにBSA標準/対照を使用して、タンパク質が14.5mg/mLであることを示した。UV差分光法(BSA標準/対照に対する)は、ハプテンが存在することを示した。
(抗体生成)
全てのマウスを透明プラスチックケージ内に保持し、1つのケージに5匹を入れ、ステンレスワイヤ格子で蓋をした。ケージの床を、顆粒状のドライコーンコブの床敷きで覆った。マウスの飼料であるドライペレット食品を、飲料水と同様に適宜与えた。定期的に、水をグレープフルーツジュースに換えた。
少なくとも3月齢のメスBalb/cマウスを、免疫化に使用した。実施例19から得たKLHとのサキナビル複合体(25)を、50%の完全フロイントアジュバント、50%の生理食塩液中に乳化し、最終濃度を100μg/mlにした。各マウスの腹膜腔に100μlを注射した。35日後、フロイント不完全アジュバントおよび同じ濃度を使用して、同じ経路で同様の注射をした。25日後、3回目の免疫化を、2回目の処方と同一にして投与した。マウスを、約3カ月間休ませた(さらなる免疫化を行わない)。融合で使用するために選択されたマウスに、2回目および3回目の注射の場合と同一の、サキナビル-KLHの複合体のブースター免疫を与えた。4日後、マウスを細胞融合に使用して、ハイブリドーマを分泌するモノクローナル抗体を生成した。
融合のために選択されたマウスを、失血させることにより殺し、脾臓を収集し、2枚の滅菌スライドガラス間で粉砕して、リンパ球を放出させた。得られたリンパ球懸濁液を使用して、F0骨髄腫細胞系(ATCCから入手可能)と融合させた。
融合は、骨髄腫細胞(1/5、リンパ球の数)を添加するステップと、遠心分離を介して洗浄するステップと、血清を含まない温かいIscove修飾Dulbecco培地(IMDM)中に懸濁させるステップと、再遠心分離を行うステップとからなるものであった。得られたペレットが入っている遠心分離管を、穏かに叩いて細胞をばらばらにし、次いで温かいPEG/DMSO溶液(Sigma Chemicals)1mlを、穏かに混合しながらゆっくりと添加した。細胞を、1.5分間温めたままにし、その後、事前に温めた無血清IMDMを下記の速度で、すなわち1ml/分、2ml/分、4ml/分、10ml/分で添加し、次いで管を50mlに充填し、封止し、15分間インキュベートした。細胞懸濁液を遠心分離し、上清のデカンテーションを行い、10%ウシ胎児血清を含有するIMDMを添加した。細胞をもう1回遠心分離し、完全クローニング培地中に再懸濁した。これは、IMDM、10%FCS、10% Condimed H1(Roche Molecular Systems)、4mMグルタミン、50μM 2-メルカプトエタノール、40μMエタノールアミン、およびpen/strep抗体からなるものであった。細胞を、4×105リンパ球/mlの密度で懸濁させ、滅菌96ウェルミクロ培養プレートに100μl/ウェルで分配し、5% CO2中37℃で、24時間インキュベートした。翌日、HMT選択培地(クローニング培地+1:25 HMT補充、Sigma Chemicalsから)100μlを添加した。インキュベーションの6日目に、光真空源に接続された滅菌8プレスマニホールドを使用して、各ウェルから約150μlの培地を回収した。次いでHT培地150μlを添加した。これは、クローニング培地+1:50 HT補充(Sigma Chemicals)からなるものであった。プレートをインキュベータに戻し、成長の徴候を毎日検査した。成長が十分であると判断されたら、ウェルを、ELISAを介した抗体産生に関してスクリーニングした。
マイクロプレートを、0.1M炭酸緩衝液(pH9.5)に溶かした、1μg/mlの実施例20から得たサキナビル-BSA複合体(26)100μlで、37℃で1時間被覆した(加湿した)。次いでプレートを空にし、tris緩衝液、1%ゼラチン加水分解物、2%スクロース、および0.17% TWEEN 20(全ての試薬はSigma Chemicalsから)からなるポストコート溶液を充填した。プレートを、さらに1時間37℃でインキュベートし(加湿し)、その後プレートを、0.1% TWEEN 20を含有するリン酸緩衝生理食塩液で洗浄した。次いでプレートに、0.15M tris中の2%スクロース溶液(pH 7.2〜7.4)を短時間充填し、次いで空にし、室温で空気乾燥させた。乾燥したら、プレートを、いくつかのデシカントピローが入っているジップロックバッグに包装し、封止し、使用まで4℃で保存した。
成長したクローンが、試験を受ける準備が整ったと判断されたら、ウェルからの上清25μlを採取し、96ウェルフレキシブルプレートに移した。培地を各ウェルに添加することにより、1:10希釈の培地サンプルが得られた。2つのサキナビル-BSA複合体被覆ウェルを、試験がなされる各培養ウェルで使用した。一方のウェルには、PBS緩衝液50μlを与え、他方のウェルには、800ng/mlの濃度でサキナビル薬物を含有するPBS 50μlを与えた。希釈したサンプル50μlを、上記被覆されたウェルの2つのそれぞれに移した。プレートを、37℃で1時間インキュベートしカバーし、次いでPBS-TWEENで洗浄した。次いでウェルに、PBS-TWEEN中に1:5000で希釈されたヤギ抗マウスIgG-HRP複合体(Zymed Labs)100μlを充填し、プレートを1時間、再びインキュベートした。次いでプレートを再び洗浄し、K-Blue基質(Neogen Corp)100μlを添加した。これにより、5〜15分間にわたる生成が可能になり、反応は、1N HCl 100μlを添加することによって停止させた。色を、マイクロプレートリーダを介して450nmで読み取り、分析のためにコンピュータで収集した。選択のための基準は、サキナビル-BSA複合体との結合と、遊離した薬物に起因した第2のウェルでの結合の有意な阻害であった。
Figure 2008523011
融合培養プレートからのクローンの選択に続き、細胞を、限界希釈を介したストリンジェントなクローニングにかけた。次いで、単一の細胞が顕微鏡法によって確認されているウェルから成長したサブクローンを、上述の方法によって再び試験した。抗体発現の安定性を、抗体を示すウェルの数、結合のレベル、および抗体の成長が示されるがほとんどないか全くない任意のウェルの存在に基づいて判断した。後者のいずれかが見出された場合、高い抗体分泌を示すウェルを使用して、ストリンジェントなサブクローニングを繰り返した。これは、同量の抗体を分泌するサブクローンの100%が得られるように、必要に応じて繰り返した。次いで選択されたウェルからの細胞を、培養で増殖させ、予備細胞バンクを調製するのに使用した。次いでこれらの培養物からの上清を、特異性分析にかけた。
増殖培養から得た抗体含有培養上清を、下記の手順による特異性分析にかけた。第1に、分析に適切な力価を、希釈分析によって測定した。次のステップに進むために、最大結合の約50%をもたらす抗体の希釈度を選択した。第2に、サキナビル-BSA複合体との結合を、上述の抗体希釈度で、様々な量の最も密接に構造的に関係しているHIVプロテアーゼ阻害剤薬物(ネルフィナビル)ならびにサキナビルの2種の代謝産物M4およびM6の存在下で検査した。データを、4パラメータロジスティック関数にあてはめた非線形回帰曲線による分析にかけた。遊離薬物が存在しない場合の結合の50%に対応する、遊離薬物の濃度を示すパラメータを、その薬物のED50と呼ぶ。したがって抗体の特異性は、下記の方程式に従って、同族薬物サキナビルのED50、すなわちsaq ED50と、これらのデータからあてはめられた他の薬物のその他の値とを比較することによって記述される(この実施例ではネルフィナビルのデータを使用する)。
Figure 2008523011
使用した4パラメータロジスティック関数は、下式の通りである
Figure 2008523011
(式中、Sは曲率パラメータであり、ODmaxは、薬物濃度が0のときの光学密度であり、ODminは、機器のバックグラウンドの光学密度であり、ODxは、単位をモル/リットル(M/L)で表した薬物濃度Xのときに観察された光学密度である)。この分析による、2つのサキナビル抗体に関する交差反応性を、表2に示す。
Figure 2008523011
(濃度応答)
抗体SAQ 137.3を使用して、ELISAアッセイフォーマットでのサキナビルの濃度応答を実証した。アッセイは、特異性試験に関して述べたように実施したが、変更点として、より多くの濃度の値に関して試験をし、他の薬物は添加しなかった。表3は、サキナビルの各濃度で与えられた、450nmでの光学密度として、用量応答を列挙している。
Figure 2008523011
マウスハイブリドーマSAQ 137.3は、2004年11月23日にAmerican Type Culture Collection(ATCC)に寄託し、ATCC No. PTA-6329が割り当てられた。
(化合物29の合成)
アルゴン中、室温で、5-ニトロキナルジン酸(210mg、0.96mmol)をCH2Cl2/アセトニトリル(3:1)20mLに溶かした撹拌溶液に、NHS(220mg、1.92mmol)を添加し、その後、EDC-HCl(236mg、1.16mmol)を添加した。1.5時間撹拌した後、化合物14(420mg、0.80mmol)を添加し、得られた混合物を一晩撹拌した。反応混合物をEtOAc 40mLで希釈し、水(2×20mL)および飽和NaHCO3水溶液(2×10mL)で順次洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残留物を再溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、MeOH-EtOAc-CH2Cl2(1:6:6)で溶出することによって、主生成物バンドの中心カットから、溶媒の蒸発および高真空中での乾燥後に、化合物29が薄黄色の固体として得られた(302mg、44%)。1H-NMR: 適合性あり。LC/MS: tR 13.5分、測定値M+H 716.3。
(化合物30の合成)
化合物29(282.5mg、0.395mmol)をMeOH 30mLに溶かした溶液を、炭素に担持させた10%パラジウム(10% Pd-C)(165mg)で処理し、混合物を激しく撹拌しながら約3時間にわたって室温で約35psiで水素化した。触媒を焼結ガラス漏斗内のCELITE(登録商標)に通して濾過することにより除去し、フィルタケークをMeOHで洗浄した。1つに合わせた濾液を蒸発乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製し、MeOH-EtOAc-CH2Cl2(1:4:5)で溶出することにより、生成物バンドの中心カットから、化合物30が固体として得られた(170mg、63%)。1H-NMR: 適合性あり。LC-MS: tR 12.3分(20分間にわたる0.1%TFA/水中0.1%TFA/MeCNが0%から100%; 1mL/分)、測定値M+H 686.3。
別の実験操作では、化合物29 200mgおよび10% Pd-C 110mgをMeOH 20mLに混合したものの水素化(約35psiで)によって、触媒濾過、蒸発、および分取RP-HPLCによる残留物の精製の後に、化合物30(60mg)がトリフルオロ酢酸塩として得られた。LC-MS: tR 11.4分、測定値M+H 686。
(化合物31の合成)
スクシンイミド-オキシカルボニル-ブチリル塩化物、すなわち塩化5-(2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル-オキシ)-5-オキソ-ペンタノイル、化合物34を、Antonian他のEP0503454に従って調製した。
化合物30のTFA塩(15mg、0.0164mmol)を乾燥CH2Cl2(3mL)および乾燥DMF(0.1mL)に溶かした溶液に、2官能性リンカー化合物34(4.3mg、約3mol当量)を添加し、反応混合物をアルゴン中で約3時間、室温で撹拌した。分析RP-HPLCによる分析は、生成物が、相当な量のより素早く流れる物質ならびにより少ない量のその他の物質と一緒に存在することを示した。溶媒を高真空中で除去し(ロトバップ)、残留物を少量のMeCN/水(1:1)に再溶解し、RP-HPLCによって精製した。生成物のピーク(第2の主ピーク)を組み合わせ、すぐに凍結し(ドライアイス/アセトン浴)、アセトニトリルを、ドライアイス/アセトン冷却フィンガを備えた高真空ロトバップで昇華させ、まだ凍結中の大部分の水性残留物を正常に凍結乾燥することによって、は生成化合物31が薄黄色の固体として得られた(4.2mg)。1H-NMR: 適合性あり。LC-MS: tR 12.4分、測定値M+H 897.4。
(化合物32の合成)
化合物30(25mg、0.036mmol)および化合物34(14mg、0.057mmol)を乾燥CH2Cl2約2mLに混合した混合物を、アルゴン中で約3時間、室温で撹拌し、次いで約4℃で一晩静置した。反応混合物を室温まで温め、溶媒を減圧下で除去することにより、粗製化合物31を含有する残留物が得られた。
材料を、乾燥DMF(5mL)に再溶解し、グリシル-グリシル-β-アラニン(Bachem California Inc., Torrance, CA, USA; Cat# H-3295)(15mg、0.074mmol)を固体として添加した。この撹拌混合物を、アルゴン中で還流冷却器の下、80℃で一晩加熱した。分析RP-HPLCは、所望の生成物が主ピークとして形成されることを示した。溶媒を高真空中で除去し(高真空ロトバップ)、残留物を約1.5mLのMeCN/水に再溶解し、RP-HPLCにより精製した。生成物の画分を1つに合わせ、MeCNを減圧下で除去し、水性残留物を凍結および凍結乾燥することにより、生成物32が固体として得られた(23mg、全体で64%)。1H-NMR: 適合性あり。LC-MS: tR 10.5分、測定値M+H 985.5。
(化合物33の合成)
化合物32(18.1mg、0.0184mmol)を乾燥CH2Cl2 1mLおよび乾燥DMF 1mLに溶かした撹拌溶液に、NHS(2.6mg、0.0226mmol)およびEDC-HCl(3.9mg、0.0203mmol)を添加し、反応混合物を、アルゴン中で室温で撹拌し、その後、分析RP-HPLを行った。一晩撹拌した後、追加のNHS(2.6mg)およびEDC-HCl(3.9mg)を添加し、反応混合物をさらに4時間、室温で撹拌した。分析RP-HPLCは、所望の生成物が形成されて少量の出発時の酸が残された、本質的に完全な反応であることを示した。溶媒を高真空中で除去し、残留物を1:1 MeCN/水に再溶解し、分取RP-HPLCで精製することにより、生成物ピークが得られた: tR 11.0分、測定値M+H 1082.6; 加水分解に敏感。
(化合物35の合成)
HCl水溶液を含有するエタノール中の塩化第一スズによる2-メトキシカルボニル-4-クロロ-6-ニトロキノリン、化合物34(Maybridge CombiChem, Maybridge PLC, Tintagel, Cornwall, United Kingdom; Cat# SEW 05145)の還元を、文献の方法に従って行うことにより(Royer,R. J.Chem.Soc., 1949, 1803; Bellamy,F.D.およびOu,K. Tetrahedron Letters, 1984, 25, 839〜842)、化合物35が濃赤色の固体として得られ、さらに精製することなく使用した。
(化合物38の合成)
粗製化合物35(0.68g)を、酢酸エチルに溶かした50%メタノール10mlに溶解し、この溶液に(BOC)2O(865mg、4mmol)を添加した後、DMAP(40mg、0.3mmol)を添加した。室温で8時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで直接精製し、EtOAc/ヘキサン(1:1)で溶出することにより、モノ-BOC化合物36a(100mg)およびジ-BOC化合物36b(120mg)が得られた。TLC: Rf0.33(化合物36aおよび0.59 36b、ヘキサン中50%EtOAc)。1H-NMR: 両方に適合性あり。
モノ-およびジ-BOC保護化合物36aおよび36b(再び一緒にした混合物、160mg)を、メタノール10mLに溶解し、LiOH(43mg、一水和物、1mmol、0.5mLの水に溶解)で4時間けん化した。反応混合物を濃縮し、残留物を1N HCl 2.5mLで処理し、EtOAcで抽出し(2×10mL)した。抽出物を1つに合わせ、乾燥し(MgSO4)、真空中で濃縮することにより、生成物は、1H-NMRおよびLC-MSによってモノ-BOC化合物37aおよびジ-BOC化合物37bが2:1の混合物として含有される黄色の固体として得られた(150mg)。この混合物を、さらに精製することなく次のステップで使用した。LC-MS: 化合物37a: tR 13.7分、測定値M+H 323.1; 化合物37b: tR 15.6分、測定値M+H 423.1。
上記で得た37aおよび37bの混合物を、乾燥THF 5mLに溶解し、この撹拌溶液にNHS(58mg、0.5mmol)を添加し、その後EDC-HCl(83mg、0.43mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、対応するNHSエステルを含有する反応混合物を、化合物14(247mg、0.38mmol)およびDMAP(10mg)で処理した。得られた混合物を、さらに12時間室温で撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をTFA 10mLで処理し、この溶液を室温で4時間撹拌した。TFAを真空中で除去し、残留物を分取RP-HPLCで精製することにより、化合物38が褐色を帯びた固体として得られた(34mg)。1H-NMR: 適合性あり。LC-MS: tR 12.7分、測定値M+H 720.3。
(化合物39の合成)
化合物31の合成で使用された方法と同様の手法で、化合物38を化合物34と反応させ、同様の手法で精製することにより、化合物39が得られる。
実施例1〜7に記述される化合物5a8a、および8bの合成を示す概略図である。 実施例8〜10に記述される化合物12の合成を示す概略図である。 実施例11および12に記述される化合物15の合成を示す概略図である。 実施例13および14に記述される化合物18の合成を示す概略図である。 実施例15に記述される化合物19の合成を示す概略図である。 実施例16〜18に記述される化合物24の合成を示す概略図である。 実施例19に記述されるサキナビル-KLH複合体25の合成と、実施例20に記述されるサキナビル-BSA複合体26の合成を示す概略図である。 実施例21に記述されるサキナビル-BSA複合体27の合成を示す概略図である。 実施例24および25に記述される化合物30の合成を示す概略図である。 実施例26〜28に記述される化合物33の合成を示す概略図である。 実施例29〜31に記述される化合物39の合成を示す概略図である。

Claims (15)

  1. 下記の構造を有する化合物
    Figure 2008523011
    (式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Aは、活性エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、チオール、イミドエステル、無水物、マレイミド、チオラクトン、ジアゾニウム基、およびアルデヒドからなる群から選択された活性化官能基である)。
  2. Aが活性エステルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 下記の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2008523011
  4. 下記の構造を有する化合物
    Figure 2008523011
    (式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Qは、ポリペプチド、多糖、合成ポリマー、および非同位体標識からなる群から選択され、nは、Qの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
  5. Qが、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、およびアミノデキストランからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. 前記化合物スクシンイミド-オキシカルボニル-エチルアミノ-グリシル-グリシル-グルタリル-アミノメチル-(pyr)サキナビルとKLHとの複合体(25)。
  7. 前記化合物スクシンイミド-オキシカルボニル-エチルアミノ-グリシル-グリシル-グルタリル-アミノメチル-(pyr)サキナビルとBSAとの複合体(26)。
  8. 前記化合物スクシンイミド-ベンゾイル-アミノカプロイル-アミノメチル-(pyr)サキナビルとBSAとの複合体(27)。
  9. 下記の構造を有する化合物
    Figure 2008523011
    (式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Aは、活性エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、チオール、イミドエステル、無水物、マレイミド、チオラクトン、ジアゾニウム基、およびアルデヒドからなる群から選択された活性化官能基である)。
  10. Aが活性エステルである、請求項9に記載の化合物。
  11. 下記の構造を有する化合物
    Figure 2008523011
    (式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Qは、ポリペプチド、多糖、合成ポリマー、および非同位体標識からなる群から選択され、nは、Qの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
  12. Qが、ウシ血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、およびアミノデキストランからなる群から選択される、請求項11に記載の化合物。
  13. 下記の構造を有する化合物に応答して生成される抗体。
    Figure 2008523011
    (式中、Lは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状に並べられた0から40個の炭素原子を含み、かつ最大2個の環構造および0〜20個のヘテロ原子を含有し、ただし2個以下のヘテロ原子は順に連結することができることを条件とする連結基であり、Pはポリペプチドであり、nは、Pの分子量1キロダルトン当たり1から50までの数である)。
  14. ネルフィナビルおよびサキナビルの代謝産物M4およびM6に対して1%未満の交差反応性を有する、サキナビルに特異的なモノクローナル抗体。
  15. ATCC No. PTA-6329を有するマウスハイブリドーマSAQ 137.3。
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