JPH08245689A - 新規なベンゾジアゼピン−タンパク質結合体 - Google Patents

新規なベンゾジアゼピン−タンパク質結合体

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JPH08245689A
JPH08245689A JP8015004A JP1500496A JPH08245689A JP H08245689 A JPH08245689 A JP H08245689A JP 8015004 A JP8015004 A JP 8015004A JP 1500496 A JP1500496 A JP 1500496A JP H08245689 A JPH08245689 A JP H08245689A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々なベンゾジアゼピン類、特に尿中のベン
ゾジアゼピン代謝産物、に対して高い交差反応性を有す
る抗体を生成しうるベンゾジアゼピン−タンパク質結合
体の形の免疫原を提供する。 【解決手段】 式I: 【化1】 〔式中、R1 は水素、メチルまたはR基であり、R2
水素、ヒドロキシルまたはOR基であり、その際R1
2 のどちらかがR基を含み、R3 はハロゲン、NO2
またはNH2 であり、Xは水素またはハロゲンであり、
Rは式II: 【化2】 (式中、Zは免疫原として活性な巨大分子の担体物質で
あり、nは2または3である)の基である〕で表される
ベンゾジアゼピン−タンパク質結合体はベンゾジアゼピ
ンに対する抗体を得るための免疫原として使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンゾジアゼピン
−タンパク質結合体、その製造方法、免疫原としてのそ
の使用、ベンゾジアゼピンに対する抗体の調製方法、並
びにこれらの抗体を用いてベンゾジアゼピンを検出する
ためのイムノアッセイに関するものである。本発明の更
なる主題は、新規なベンゾジアゼピン−リンカー連結
体、その製造方法および新規な上記結合体を製造するた
めのその使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ベンゾジアゼピンクラスの化合物類の分
析的検出はこの1年半の間に次第に重要性を増しつつあ
る。ベンゾジアゼピン類は重要な薬品、特にトランキラ
イザー(精神神経安定剤)であるが、薬としてまたは習
慣性の強い薬(hard drug) の代替品として乱用されるこ
とがある。それらは中毒、特に中毒と自殺が混在してい
る場合に重要な役割を果たす。それらの検出は交通に関
連した医学的質問において大いに問題とされる。
【0003】それゆえ、体液中のベンゾジアゼピンの迅
速な定性的および定量的検出のための免疫学的検出方法
が次第に関心をもたれつつある。イムノアッセイはベン
ゾジアゼピン−タンパク質結合体(ハプテン−タンパク
質結合体)の合成のためにカップリング能のあるベンゾ
ジアゼピン−リンカー化合物(ハプテン−リンカー連結
体)を必要とする。一方で、ベンゾジアゼピン−タンパ
ク質結合体はベンゾジアゼピンに対する抗体を生成させ
るための免疫原として用いられ、他方で、ベンゾジアゼ
ピン−酵素結合体はイムノアッセイにおいて酵素標識抗
原またはポリハプテンとして使用することも可能であ
る。
【0004】ベンゾジアゼピン−リンカー化合物および
ベンゾジアゼピン−タンパク質結合体は既知である。例
えば、EP-A-0 264 797、J. Pharm. Sci. 66, 235 (197
7) 、Biochem. Pharm. Exp. Therapeutics 186, 167 (1
973) 、J. Imm. 4, 135 (1983) 、US-P-4,243,654、US-
P-4,046,636、US-P-4,777,169、US-P-4,043,989およびU
S-P-4,083,948を参照のこと。そのように生成された抗
体は血清試験において用いられている。
【0005】ベンゾジアゼピン検出のためのイムノアッ
セイの特色は、それらがある種のベンゾジアゼピン化合
物を認識するだけでなく、多くの様々な関連したベンゾ
ジアゼピン類もまた認識する(高い交差反応性を有す
る)抗体を必要とする点である。ベンゾジアゼピン検出
に伴う別の問題は、尿サンプル中のかかる物質の検出で
ある。この種のサンプルはベンゾジアゼピンの代謝産物
(Clarke's Isolation and Identification of Drugs,
第2版, The Pharmaceutical Press, London 1986; R.
C. Baselt, Disposition of Toxic Drugs and Chemical
s in Man,第3版,Year Book Medical Publishers Inc.,
1989)、特にアミン、グルクロニド、ベンゾフェノンを
含んでおり、これらもイムノアッセイに用いる抗体によ
って検出されるべきである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かくして、本発明の課
題は、関連するベンゾジアゼピン類、特に尿中のベンゾ
ジアゼピン代謝産物、に対して最高の交差反応性を有す
る抗体を免疫反応の結果として生成するベンゾジアゼピ
ン−タンパク質結合体の形の免疫原を提供することであ
る。さらに、本発明は、抗体の結合能が該結合体のリン
カー構造にはほんの少ししか向けられない抗体を生成す
るための、ベンゾジアゼピン−タンパク質結合体の形の
免疫原を提供することを意図している。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的は特許請求の範
囲に規定される本発明によって達成できる。本発明の主
題は、式I:
【化12】 〔式中、R1 は水素、メチルまたはR基であり、R2
水素、ヒドロキシルまたはOR基であり、その際R1
2 のどちらかがR基を含み、R3 はハロゲン、NO2
またはNH2 であり、Xは水素またはハロゲンであり、
Rは式II:
【化13】 (式中、Zは免疫原として活性な巨大分子の担体物質で
あり、nは2または3である)の基である〕で表される
新規なベンゾジアゼピン−タンパク質結合体である。
【0008】好ましい実施態様において、nは2であ
る。巨大分子の担体物質はポリペプチドであることが好
ましく、例えばKLH(キーホールリンペットヘモシア
ニン)、エデスチンまたはウシ血清アルブミンである。
β−ガラクトシダーゼのような酵素も適している。ハロ
ゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。Xは塩
素であることが好ましい。好ましいR3 はハロゲン、特
に塩素である。
【0009】特に好ましい式Iの化合物は式Iaおよび
Ib:
【化14】 で表される化合物である。
【0010】本発明による結合体は、ベンゾジアゼピン
に対する抗体を作るための免疫原として用いられる。本
発明の主題は、本発明による結合体を免疫原として用い
ることを特徴とする、哺乳動物を免疫化し、生産された
抗体を公知の方法により、例えば血清または脾臓から、
回収することによる、ベンゾジアゼピンに対する抗体の
調製方法である。抗血清は公知の方法にしたがって、好
ましくはマウスまたはヒツジから得られる。こうした免
疫化の手順は、B. Dunkar, J. Agric. Food Chem. 38
(1990), 433-437および N.H. Ogodrow, J. Agric. Food
Chem. 38 (1990), 940-946に記述されている。
【0011】本発明のもう1つの主題は、本発明による
ベンゾジアゼピン−タンパク質結合体を用いた免疫化の
結果として得られる抗体である。これらの抗体はモノク
ローナルまたは好ましくはポリクローナル抗体である。
抗体の調製は実験動物を免疫原で免疫化することにより
行われる。本発明の方法のこの段階は当業者に知られて
いる従来の方法を使って行うことができる。免疫原をア
ジュバントと共に実験動物に投与することが好適であ
る。百日咳菌と組み合わせた水酸化アルミニウムまたは
フロイントアジュバントが特に好ましいものである。免
疫化は好ましくは7ヵ月間にわたって4〜6週おきに少
なくとも4回実施する。免疫原は腹腔内に注射すること
が好ましい。
【0012】永久的なミエローマ細胞系と融合されるB
リンパ球は、このように免疫化した動物から得られる。
融合はKohlerとMilsteinにより記述された方法 (Nature
256, 1975, 495-497)にしたがって行う。形成されたハ
イブリッド細胞の初代培養物は通常の方法で、例えば市
販のセルソーターまたは限界希釈法を用いて、クローニ
ングされる。適当な試験方法、例えばエンザイムイムノ
アッセイ(ELISA)でベンゾジアゼピンとポジティ
ブに反応する培養物はさらに処理される。
【0013】抗体はテマゼパム(temazepam) 、オキサゼ
パム(oxazepam)、ロラゼパム(lorazepam) 、ブロマゼパ
ム(bromazepam)、アルプラゾラム(alprazolam)に対し
て、さらにテマゼパムグルクロニドまたはベンゾフェノ
ン、オキサゼパムグルクロニドおよびアミノ−フルニト
ラゼパム(amino-flunitrazepam) のような代謝産物に対
して高い交差反応性を示すものである。しかし、それら
はリンカー橋に対してはほとんど交差反応性を示さない
ものである。
【0014】本発明の別の主題は、このように得られた
抗体のイムノアッセイでの使用に関する。抗体は特に標
識(例えば、酵素、放射能標識、またはラテックスや金
属ゾルのような粒子)、別の結合相手(例えば、ストレ
プトアビジン)または固相に結合される。
【0015】本発明の抗体を用いてベンゾジアゼピンま
たはベンゾジアゼピン代謝産物の存在を検出する方法は
次のように実施される。すなわち、ベンゾジアゼピンに
ついて試験すべきサンプル(好ましくは、尿)を、標識
し得るまたは固相に結合し得るまたは他の結合相手を介
して固相に結合し得る本発明の少なくとも1つの抗体と
接触させ、適当な方法で(例えば、標識により)抗体−
ベンゾジアゼピン複合体の形成を測定する。イムノアッ
セイは好ましくは不均一イムノアッセイとして実施さ
れ、特にドイツ特許出願公開 DE-OS 44 39 429またはDE
-OS 40 24 919 (図1参照)に記載されるようなクロマ
トグラフィー試験片の上で行うことが好適である。
【0016】このような試験片は1枚の担体フォイル上
に連続して配置された吸収ゾーンを含むことが好まし
く、すなわち、それらはアナライト添加ゾーン(1);
標識した結合相手と、場合により特異的結合部位(例え
ば捕捉ゾーンのためにビオチン)を有する結合相手、を
保持する結合体ゾーン(2);アナライトもしくはアナ
ライト−抗体のための捕捉試薬または結合相手の特異的
結合部位のための特異的捕捉試薬(例えばストレプトア
ビジン)を保持する捕捉ゾーン(3);および非捕捉標
識が測定される標的ゾーン(4)である。
【0017】採用するイムノアッセイがサンドイッチ原
理に基づくものである場合は、添加ゾーン上のアナライ
トが結合体ゾーンに接触すると、アナライトと標識抗体
との複合体が形成され、該複合体は、固相に結合されて
いるかまたは固相ゾーンに固定化され得る(この場合
は、ビオチン−ストレプトアビジンのごとき特異的結合
対により結合される)別の抗体と結合することができ
る。競合試験を採用する場合は、アナライトと標識アナ
ライト類似体が、捕捉ゾーンの固相に結合されているか
または特異的結合対により固相に結合される抗体につい
て競合する。
【0018】IEMA類似体試験原理に基づくイムノア
ッセイを採用することは好ましいことである。この試験
では、結合体ゾーンがアナライトに対して過剰の標識抗
体を保持している。過剰の標識抗体はアナライト類似体
によって捕捉ゾーンで捕捉され、一方、アナライト−標
識抗体複合体は標的ゾーンにおいて検出される。用いる
ことのできる標識は従来の標識であって、例えば酵素標
識、蛍光および色素標識、特に直接標識、中でも金属標
識があり、金標識が特に好ましいものである。このイム
ノアッセイはベンゾジアゼピンの代謝産物をも検出しう
る迅速で正確な結果を提供する。
【0019】本発明の別の主題は、本発明によるベンゾ
ジアゼピン−タンパク質結合体の製造方法である。この
方法は、式III :
【化15】 のベンゾジアゼピン−リンカー化合物を少なくとも1個
のチオール基を含む担体物質化合物、好ましくはポリペ
プチド化合物と反応させて式Iの化合物を製造する点に
特徴がある。ポリペプチド化合物それ自体がSH基を含
むこともできる。しかし、当業者に知られた方法により
ポリペプチド化合物にSH基を合成的に組み入れること
も可能である。式III 中の基R3 、Xおよびnは式Iに
おいて定義された意味を有し、R1'は水素、メチルまた
はR' であり、R2'は水素、OHまたはOR' であり、
その際R1'かR2'のどちらかがR' 基を含み、R' は式
IV:
【化16】 の基である。
【0020】式III のベンゾジアゼピン−リンカー化合
物は新規化合物である。それゆえ、本発明の他の主題
は、これらの化合物ならびに本発明によるベンゾジアゼ
ピン−タンパク質結合体を製造するためのその使用に関
する。本発明の別の主題は、式III のベンゾジアゼピン
−リンカー化合物の製造方法である。
【0021】式III において、R2'がOR' 基であり、
そしてR1'が水素またはメチル基であるとき、該化合物
は次の反応式にしたがって製造される。
【化17】
【0022】式Vのベンゾジアゼピンは、例えば、m−
クロロ過安息香酸により式VIの化合物に酸化され、そし
て構造的転位を起こして無水酢酸によりアシル化される
(式VII の化合物)。この種の化合物は米国特許第4,08
3,948 号に記述されている。続いて、酸触媒の存在下に
N−保護エタノールアミンまたはプロパノールアミンを
用いて反応を行う(式VIIIおよびIXの化合物)。その
後、例えばエトキシカルボニルマレイミドを反応に用い
ると、式III (R2'=OR' )のベンゾジアゼピン−3
−オキシエチルマレイミドおよび/またはオキシプロピ
ルマレイミドが得られる。
【0023】式III において、R1'がR' に等しいとき
は、式Xのベンゾジアゼピン化合物をN−保護ブロモエ
チルアミンでアルキル化し、アミド基を加水分解切断し
てアミン(式XIの化合物)を得る。その後、例えばエト
キシカルボニルマレイミドとの反応により、式III の1
−エチルマレイミドが得られる。
【化18】
【0024】
【発明の実施の形態】実施例1 免疫化および抗血清の試験 5匹のヒツジを、フロイントアジュバント中の実施例3
または4の免疫原により免疫化した。各動物に投与した
量は500 μg であった。免疫化の手順は4週おきに6ヵ
月またはそれ以上にわたって繰り返した。各動物から抗
血清を1ヵ月に1回採取し、ベンゾジアゼピン抗体の存
在を調べた。この測定方法については実施例2に記述す
る。その後の試験のために、1:10000 またはそれ以上
の希釈率で十分に高い測定シグナル(30〜60分の発色後
に少なくとも100 mA)を与える抗血清を選択した。免疫
化を開始してから3ヵ月後に、すべての動物の血清が十
分に高いシグナルを示した。
【0025】実施例2 異なるベンゾジアゼピンの検出 使用した溶液 コーティング緩衝液:50 mM 重炭酸ナトリウム、0.09 %
アジ化ナトリウム、pH 9.6 インキュベート緩衝液:10 mM リン酸ナトリウム、0.1
% Tween 20 (Brenntag製、カタログ番号 460761)、0.9
% NaCl、1 % Crotein C (CRODA GmbH 製、カタログ番号
38241422)、pH 7.4 洗浄溶液:0.9 % NaCl、0.1 % Tween 20 基質溶液:Enzymun-Test基質溶液 (Boehringer Mannhei
m GmbH、カタログ番号85742)は 2 mg/mlのバニリンを含
むリン酸クエン酸緩衝液 pH 4.4中に1.9 mM ABTS およ
び 3.2 mM 過ホウ酸ナトリウムを含む。
【0026】手順 コーティング :コーティング緩衝液中に 5μg/mlタンパ
ク質の濃度で溶解したストレプトアビジン (Boehringer
Mannheim GmbH、カタログ番号 976539)をマイクロタイ
タープレート (Maxisorp F96、Nunc製、カタログ番号 4
-42404) にコーティングするにあたって、この溶液 100
μl をマイクロタイタープレートの各ウェルに分注し
た。室温で1時間インキュベートした後、溶液を揺すっ
て捨て、プレートを洗浄溶液で3回洗った。
【0027】デロラゼパム(delorazepam) −ビオチン結
合体(3)の合成:下記化合物(2)のトリフルオロ酢
酸塩 92.4 mg (0.2 mmol) をTHF 10 mlに溶解し、D
MF 5 ml に溶解したビオチン−DDS (PCT/EP 94/00
195 により製造) 150.6 mg (0.24 mmol)の溶液を加え
た。この反応混合物にトリエチルアミン 50 μl を加
え、その後20℃で16時間攪拌した。続いて、溶媒をロー
タリーエバポレーターでオイルポンプ減圧下に蒸発さ
せ、残留物をクロロホルム 20 ml中に取り上げた。この
混合物を飽和NaHCO3 20 mlで2回洗い、次いでロータリ
ーエバポレーターでクロロホルムを除去した。固体の生
成物(3)は酢酸エチル約 5ml で温浸(digest)し、取
り出して、乾燥器内で一晩乾燥させた。 収量:21 mg (理論量の12 %)、無色の微結晶質粉末 TLC:シリカゲル、酢酸エチル/メタノール 1/1(v/
v);Rf =0.48 デロラゼパム−1−DDS−ビオチン結合体(3)を10
ng/mlの濃度でインキュベート緩衝液中に溶解した。こ
の溶液 100μl を用いてマイクロタイタープレートの各
ウェルにコーティングし、その後上記のようにインキュ
ベートし、洗浄した。
【0028】
【化19】
【0029】抗体とハプテンとの反応:試験すべき各ベ
ンゾジアゼピン化合物から希釈系列をインキュベート緩
衝液中に調製した。この系列は最高濃度から出発して希
釈段階1:3で希釈し、合計10の異なる濃度を含んで
いた。最高濃度はテマゼパム、オキサゼパム、ロラゼパ
ム、ブロマゼパム、アルプラゾラム、ヒドロキシ−アル
プラゾラム、ヒドロキシ−トリアゾラムおよびアミノ−
フルニトラゼパムの場合が1μg/mlであった。そして、
テマゼパム−グルクロニド、2-アミノ-4- クロロベンゾ
フェノン、オキサゼパムグルクロニド、ロラゼパムグル
クロニドおよび2-アミノ-2',4-ジクロロベンゾフェノン
の場合の最高濃度は10μg/mlとした。比較対照としてハ
プテンを含まないインキュベート緩衝液を使用した。こ
れらの溶液 50 μl はプレートのウェル内で調製した。
抗血清はインキュベート緩衝液を用いて少なくとも1:
10000 の関係で希釈した。この希釈血清 50 μl をハプ
テン含有ウェルに加え、混合した。従って、ハプテンと
試験抗体の最終濃度は用いた溶液の1/2の濃度となっ
た。インキュベーション(60分)および洗浄は上記のと
おりに行った。
【0030】検出用の結合体との反応:ハプテン−ビオ
チン結合体により固相に結合された抗体を検出するため
に、西洋ワサビペルオキシダーゼとヒツジIgGに対す
るウサギ抗体との結合体を用いた。この検出用結合体は
インキュベート緩衝液を用いて 20/min/unit/ml のペル
オキシダーゼ活性へと希釈し、この溶液をウェルに分配
した(100 μl/ウェル)。インキュベーション(60分)
および洗浄は上記のとおりに行った。
【0031】基質の反応:すべてのウェルに基質溶液 1
00μl を注入し、ハプテンを含まないサンプルの発色が
十分と思えるまで振とうしながらインキュベートした。
その後、ウェルの吸光度を405/492 nmの波長で示差測定
として測定した。
【0032】評価 ハプテンを含まないブランク値に対して測定シグナルの
少なくとも20%減少を陽性の結果(用いたベンゾジア
ゼピンの明白な検出)と見なした。このシグナル値(カ
ットオフ値)に正確に一致するベンゾジアゼピン濃度
は、試験した化合物のそれぞれのハプテン系列の隣接標
準間への直線的内挿法により決定した。
【0033】結果 表1は、各種ベンゾジアゼピン薬剤とその代謝産物誘導
体のカットオフ値を示す。これらの例は3または5匹の
ヒツジの抗血清を示す。血清サンプルは免疫化の開始か
ら12ヵ月後に採取したものである。これらの数字は、
完全に異なる構造を有する広範なベンゾジアゼピン類
が、3種すべての抗血清を用いて非常に良い感度から十
分な感度で検出され得ることを明らかに示している。表1 ベンゾジアゼピンの検出 この表は、競合ELISA試験において、ハプテンの存
在しないブランク値に対してシグナルの20%減少をも
たらしたベンゾジアゼピン濃度 (ng/ml)を示す。
【0034】
【表1】 動物番号 (採用した血清希釈率) ベンゾジアゼピン 1 2 3 (1:14000) (1:16500) (1:11500) テマゼパム 0.13 0.24 0.35 2-アミノ-4- クロロベンゾフェノン 64 68 69 テマゼパム- グルクロニド 2.1 測定せず 測定せず オキサゼパム 0.29 0.26 0.41 オキサゼパム- グルクロニド 7.5 8.7 11.0 ロラゼパム 1.7 1.3 2.0 ロラゼパム- グルクロニド 80 7.3 49 2-アミノ-2',4-ジクロロベンゾフェノン 270 160 130 ブロマゼパム 5.5 150 25 アルプラゾラム 0.09 0.54 0.10 ヒドロキシ- アルプラゾラム 0.47 5.0 0.34 ヒドロキシ- トリアゾラム 3.0 15 9.1 アミノ- フルニトラゼパム 6.0 0.42 4.1
【0035】実施例3 7-クロロ-3-[2-(N- マレインイミド) エチル] オキシ-1
- メチル-5- フェニル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)
オン(IIIa)の合成 1.7-クロロ-1- メチル-5- フェニル-1H-1,4-ベンゾジ
アゼピン-2(3H)オン-4- オキシド(VI) 7-クロロ-1- メチル-5- フェニル-1H-1,4-ベンゾジアゼ
ピン-2(3H)オン(Sigma 社製、No. T 8275)5.70 g(20
mmol) をジクロロメタン150 ml中に溶解し、20℃で攪拌
しながら3-クロロ- ペルオキシ安息香酸(Aldrich 社
製、No. 27,303-1)13.8 g(40 mmol) を加えた。溶液の
攪拌を20℃で1時間半続けた。その後、反応混合物を最
初は 5% NH3 200 mlで、その後は 0.1N NaOH 200μl で
洗った。溶媒をロータリーエバポレーターで除き、油状
残留物を40〜45℃に加熱しながらイソプロパノール25 m
l に溶解した。次いで、室温へ徐々に冷やしながら生成
物を結晶化させた。結晶化開始の2時間後に、固体の生
成物(2)を取り出し、イソプロパノール 50 mlとジイ
ソプロピルエーテル 50 mlで洗った。次に生成物を乾燥
器内でパラフィン上にて一晩乾燥させた。 収量:3.30 g (理論量の55%)、無色の結晶 TLC:シリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル 2/1
(v/v); Rf =0.41
【0036】2.3-アセトキシ-7- クロロ-1- メチル-5
- フェニル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)オン(VII) 化合物VI 3.0 g(10 mmol) を THF 30 ml+無水酢酸 60
ml中で5時間加熱した。次に、この溶液をロータリーエ
バポレーターで濃縮し、結晶質残留物をイソプロピルエ
ーテル 50 mlで温浸した。生成物を取り出して、高減圧
下に50℃で32時間乾燥させた。 収量:3.27 g (理論量の99%)、無色の結晶 TLC:シリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル 2/1
(v/v); Rf =0.50
【0037】3.N-(t- ブトキシカルボニル) エタノー
ルアミン エタノールアミン (Fluka 社製、No. 02400) 30.5 g(0.
5 mol)をジオキサン/水 1/1(v/v) 300 mlに溶解し、氷
上で冷やしながらジオキサン 150 ml に溶解したジ-t-
ブチルジカーボネート (Fluka 社製、No. 34659) 109 g
(0.5 mol) の溶液を滴下した。氷冷を止めて、この溶液
を攪拌しながら室温へ至らせた。さらに18時間後、溶液
をロータリーエバポレーターで濃縮し、油状残留物を酢
酸エチル250 ml に溶解し、硫酸ナトリウム約20 gにて
乾燥させた。濾過後、この溶液を再濃縮し、油状残留物
を高減圧下に3時間乾燥させた。 収量:80.2 g (理論量の99%)、無色の油 TLC:シリカゲル、酢酸エチル/メタノール 1/1 (v/
v);ニンヒドリン溶液の噴霧により検出;Rf =0.74
【0038】4.3-[2-(t-ブトキシカルボニルアミノ)
エチル] オキシ-7- クロロ-1- メチル-5-フェニル-1H-
1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)オン(VIII) 化合物VII 1.5 g(5 mmol) をクロロホルム(酸化アルミ
ニウムにて乾燥)50 ml 中に溶解した。20℃で激しく攪
拌しながら、HCl ガスを一定の流速(約40〜50cm3/mi
n)で毛細管から溶液の中に10分間送り込んだ。次い
で、混合物を20℃で18時間攪拌した。その後、反応溶液
をロータリーエバポレーターで濃縮し、乾燥させた。固
体残留物をクロロホルム(酸化アルミニウムにて乾燥)
20 ml 中に溶解し、同一溶媒 10 mlに溶解したN-(t- ブ
トキシカルボニル) エタノールアミン960 mg(6 mmol)を
加えた。nafion-NR 50 (Aldrich 社製、No. 30,938-9)
500 mgを加え、20℃で1時間攪拌した。その後、溶液を
濾過し、水 50 μl ずつで2回洗い、無水硫酸ナトリウ
ム約 5 gにて乾燥させた。溶媒をロータリーエバポレー
ターで除去した。その後、粗生成物を最低容量の酢酸エ
チル/石油エーテル 2/1(v/v) に少しだけ加温しながら
溶解し、シリカゲル(カラム:4×68 cm 、溶離剤:酢
酸エチル/石油エーテル 2/1(v/v) )を用いたカラムク
ロマトグラフィーにより精製した。対応する画分を集
め、溶媒をロータリーエバポレーターで除き、結晶質生
成物を高減圧下に50℃で2時間乾燥させた。 収量:1.22 g (理論量の55%)、無色の油 TLC:シリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル 2/1
(v/v); Rf =0.44
【0039】5.3-(2- アミノエチル) オキシ-7- クロ
ロ-1- メチル-5- フェニル-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2
(3H)オン塩酸塩(IX) 化合物VIII 1.11 g(2.5 mmol) を 2 M HClジオキサン溶
液 10 mlに溶解したところ、2,3 分以内に油状析出物が
生じた。この懸濁液を20℃で30分間放置し、溶媒をデカ
ントし、残留物を酢酸エチル 20 mlで温浸したところ、
生成物が固化した。この懸濁液を20℃で1時間攪拌し、
塩酸塩を取り出して高減圧下に40℃で4時間乾燥させ
た。 収量:910 mg (理論量の96%)、無色の微結晶質粉末 TLC:シリカゲル、n-ブタノール/氷酢酸/水 50/15
/25 (v/v/v);Rf =0.64
【0040】6.7-クロロ-3-[2-(N- マレインイミド)
エチル] オキシ-1- メチル-5- フェニル-1H-1,4-ベンゾ
ジアゼピン-2(3H)オン(IIIa) 化合物IX 760 mg(2 mmol) を飽和重炭酸ナトリウム溶液
10 ml中に20℃で懸濁し、攪拌しながらN-メトキシカル
ボニルマレインイミド (Fluka 社製、No. 64940) 340 m
g(2 mmol) を加えた。約2,3 分後、油状の析出物が生じ
た。さらに10分後、テトラヒドロフラン 15 mlを加え、
20℃でさらに45分攪拌した。その後、濃塩酸を使って反
応混合物のpHを6.0 に調整し、次いでこれを酢酸エチル
50 mlで抽出し、抽出物を水2×50 ml で洗った。有機
溶液を硫酸ナトリウム約 5 gで乾燥させ、ロータリーエ
バポレーターで濃縮し、残留する粗生成物をシリカゲル
(カラム:2.5 ×50 cm 、溶離剤:酢酸エチル)を用い
たカラムクロマトグラフィーにより精製した。対応する
画分を集め、溶媒をロータリーエバポレーターで除き、
残留する結晶質マレインイミドを高減圧下に40℃で3時
間乾燥させた。 収量:315 mg (理論量の37%)、無色の微結晶質固体 TLC:シリカゲル、酢酸エチル;Rf =0.491 H-NMR(CDCl3): d(ppm)=3.37 (s,3H;-CH3), 3.91/4.14
(m,4H;-CH2-CH2-), 4.87(s,1H;-C3H-), 6.69 (s,2H;-CH
=CH-), 7.48 (m,8H; 芳香族H)
【0041】実施例4 7-クロロ-5-(2-クロロフェニル)-1-[2-(N-マレインイミ
ド) エチル] -1H-1,4-ベンゾジアゼピン-2(3H)オン(III
b)の合成 1.N-(t- ブトキシカルボニル)-2-ブロモエチルアミン 2-ブロモエチルアミン臭化水素酸塩 (Aldrich 社製、N
o. B6,570-5) 10.2 g(50 mmol) をジオキサン/水 1/1
(v/v) 100 ml中に溶解し、トリエチルアミン 15g (20.6
ml) を加えた。この混合物を0℃に冷し、ジオキサン
15 mlに溶解したジ-t- ブチルジカーボネート 10.9 g(5
0 mmol)の溶液を攪拌しながら滴下した。この反応混合
物を徐々に室温へ至らしめ、攪拌を18時間続けた。溶媒
をロータリーエバポレーターで除き、残留物を酢酸エチ
ル 200 ml に取り上げた。これを飽和重炭酸ナトリウム
溶液 100 ml ずつで3回、次に水 100 ml ずつで2回洗
った。有機溶液を硫酸ナトリウム約 20 g で乾燥させ、
溶媒をロータリーエバポレーターで除き、油状生成物を
高減圧下に40℃で3時間乾燥させた。 収量:12.0 g (理論量の98%)、わずかに褐色がかった粘
性の油 TLC:シリカゲル、酢酸エチル;Rf =0.90
【0042】2.7-クロロ-1-[2-(t- ブトキシカルボニ
ルアミノ) エチル]-5-(2- クロロフェニル)-1H-1,4- ベ
ンゾジアゼピン-2(3H)オン 7-クロロ-5-(2-クロロフェニル)-1H-1,4- ベンゾジアゼ
ピン-2(3H)オン (Sigma 社製、No. D 7662) 3.05 g(10
mmol) をジメチルホルムアミド 20 ml中に溶解し、空気
を排除して(窒素雰囲気下)0℃に冷却した。水素化ナ
トリウム(パラフィン油に懸濁したもの、Merck 社製、
No. 818023) 480 mg(20 mmol) をわずかに黄色の溶液に
添加し、その後0℃で10分間攪拌した。この反応混合物
の色が橙褐色に変化した。続いて、この溶液にN-(t- ブ
トキシカルボニル)-2-ブロモエチルアミン 2.69 g(12 m
mol)を加え、徐々に室温へ至らしめた。この溶液を20℃
で18時間攪拌した後、混合物を氷上に注ぎ、生成物をシ
リカゲル(カラム:4×68cm 、溶離剤:酢酸エチル)
を用いた分離用カラムクロマトグラフィーにより精製し
た。対応する画分を集め、溶媒をロータリーエバポレー
ターで除き、残留する固体を高減圧下に40℃で1時間乾
燥させた。 収量:2.66 g (理論量の59%)、無色の微結晶質粉末 TLC:シリカゲル、酢酸エチル;Rf =0.6
【0043】3.1-[2- アミノエチル]-7-クロロ-5-(2-
クロロフェニル)-1H-1,4- ベンゾジアゼピン-2(3H)オン
・トリフルオロ酢酸塩(XI) 上記2の化合物 2.24 g(5 mmol) を酢酸エチル 50 mlに
溶解し、0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸 10 mlを攪
拌しながら滴下し、攪拌をさらに30分続けた。その後、
酸と溶媒をロータリーエバポレーターで除き、生成物XI
を高減圧下に40℃で5時間乾燥させた。 収量:2.32 g (理論量の100%) 、わずかに黄色がかった
微結晶質粉末 TLC:シリカゲル、n-ブタノール/氷酢酸/水 50/15
/25 (v/v/v);Rf =0.74
【0044】4.7-クロロ-5-(2-クロロフェニル)-1-[2
-(N-マレインイミド) エチル] -1H-1,4-ベンゾジアゼピ
ン-2(3H)オン(IIIb) トリフルオロ酢酸塩XI 1.16 g(2.6 mmol) を20℃の飽和
重炭酸ナトリウム溶液15 mlに懸濁し、テトラヒドロフ
ラン 20 ml中のN-メトキシカルボニルマレインイミド 4
25 mg (2.5 mmol)を攪拌しながら加えた。攪拌を20℃で
1時間続けた。その後、濃塩酸を使って反応混合物のpH
を6.0 に調整し、次いでこれを酢酸 50mlで抽出し、抽
出物を水2×50 ml で洗った。有機溶液を硫酸ナトリウ
ム約 5 gで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮
し、残留する粗生成物をシリカゲル(カラム:2.5 ×50
cm 、溶離剤:酢酸エチル)を用いたカラムクロマトグ
ラフィーにより精製した。対応する画分を集め、溶媒を
ロータリーエバポレーターで除き、残留する結晶質マレ
インイミドIIIbを高減圧下に40℃で3時間乾燥させた。 収量:330 mg (理論量の31%)、無色の微結晶質固体 TLC:シリカゲル、酢酸エチル;Rf =0.601 H-NMR(CDCl3): d(ppm)=3.86/4.10 (m,4H;-CH2-CH2-),
3.80/4.86(ABシグナル,J=12Hz,2H;-C3H2-), 6.70 (s,2
H;-CH=CH-), 7.32 (m,7H;芳香族H)
【図面の簡単な説明】
【図1】不均一イムノアッセイを実施するのに適したク
ロマトグラフィー試験片を示した説明図である。
【符号の説明】
1 アナライト添加ゾーン 2 結合体ゾーン 3 捕捉ゾーン 4 標的ゾーン 5 担体フォイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 1/113 C07K 1/113 14/76 14/76 16/44 16/44 G01N 33/53 G01N 33/53 G 33/531 33/531 A (72)発明者 ハンス−ペーター ヨセル ドイツ連邦共和国 ディー−82362 ヴァ イルハイム,プララテンヴェーク 7番地 (72)発明者 ブルーノ ツィンク ドイツ連邦共和国 ディー−82449 ウフ ィング,シーブリックシュトラーセ 4番 地

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 〔式中、R1 は水素、メチルまたはR基であり、R2
    水素、ヒドロキシルまたはOR基であり、その際R1
    2 のどちらかがR基を含み、R3 はハロゲン、NO2
    またはNH2 であり、Xは水素またはハロゲンであり、
    Rは式II: 【化2】 (式中、Zは免疫原として活性な巨大分子の担体物質で
    あり、nは2または3である)の基である〕で表される
    ベンゾジアゼピン−タンパク質結合体。
  2. 【請求項2】 式IaまたはIb: 【化3】 で表される請求項1に記載のベンゾジアゼピン−タンパ
    ク質結合体。
  3. 【請求項3】 哺乳動物を請求項1または2に記載の結
    合体で免疫化し、生産された抗体を既知の方法で回収す
    ることを特徴とする、ベンゾジアゼピンに対する抗体の
    調製方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法により調製された
    抗体。
  5. 【請求項5】 ベンゾジアゼピンについて試験すべきサ
    ンプルを請求項4に記載の抗体と接触させ、そして抗体
    −ベンゾジアゼピン複合体を適当な方法で測定すること
    を特徴とする、サンプル中のベンゾジアゼピンまたはベ
    ンゾジアゼピン代謝産物の存在の免疫学的測定方法。
  6. 【請求項6】 ベンゾジアゼピンに対する抗体を調製す
    るための免疫原としての請求項1または2に記載の結合
    体の使用。
  7. 【請求項7】 イムノアッセイにおける請求項4に記載
    の抗体の使用。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載のベンゾジアゼ
    ピン−タンパク質結合体の製造方法であって、式III : 【化4】 〔式中、R1'は水素、メチルまたはR' であり、R2'は
    水素、OHまたはOR'であり、その際R1'かR2'のど
    ちらかがR' 基を含み、R' は式IV: 【化5】 の基であり、R3 はハロゲン、NO2 またはNH2 であ
    り、そしてXは水素またはハロゲンである〕のベンゾジ
    アゼピンリンカー化合物を、少なくとも1個のチオール
    基を含むポリアミノ化合物と反応させることを特徴とす
    る方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の式III で表されるベン
    ゾジアゼピン−リンカー化合物。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の式III のベンゾジア
    ゼピンリンカー化合物の製造方法であって、 a)R2'がOR' 基であるとき、式V: 【化6】 の化合物を式VI: 【化7】 の化合物に酸化し、これらをアシル化して式VII : 【化8】 の化合物を生成し、そしてN−保護アルキルアミンおよ
    びアルコキシカルボニルマレイミドと反応させて式III
    : 【化9】 の化合物を得る、または b)R1'がR' 基であるとき、式X: 【化10】 のベンゾジアゼピンをN−保護ハロゲンアルキルアミン
    でアルキル化し、保護基を除去し、そしてアルコキシカ
    ルボニルマレイミドと反応させて式III : 【化11】 の化合物を得る、ことを特徴とする方法。
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