JP3690176B2 - 吊り天井用防振支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、階上の床材に天井材が吊るされる吊り天井構造に用いられて、床材側で発生した重量衝撃音の天井材への伝播を抑制する吊り天井用防振支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の吊り天井用防振支持装置としては、例えば、実開平5−57145号公報(実用新案登録公報第2547473号)に示されるように、互いに平行にかつ一部が上下にずれた状態で配置された金属板製の上方鉛直鋼片1と下方鉛直鋼片2と、両鋼片1,2の対向面間に加硫接着されて両鋼片1,2間を弾性的に連結する防振ゴム3とを設けたものが知られている(図6参照)。この防振支持装置は、上方鉛直鋼片1が図示しない上方梁側吊り金具片に固定され、下方鉛直鋼片2が図示しない下方吊り天井側吊り金具片に固定されて、階上床材と天井材間に配設されており、子供の跳びはね等による階上床材からの重量衝撃音を、防振ゴム3のせん断変形による弾性作用により減衰させて、天井材への振動の伝播を抑制していた。このような重量衝撃音は、複数の離散した固有振動数を有し、特に低周波数で振幅の大きい固有振動数を有している。そのため、このような固有振動数に防振ゴムの固有振動数を合わせて共振させることにより、重量衝撃音の低減が期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記吊り天井用防振支持装置は、上方鉛直鋼片1と下方鉛直鋼片2間に設けた防振ゴム3がゴム単体で構成されているためその固有振動数の選択が制限され、上記重量衝撃音の固有振動数に合わせることが困難であった。そのため、防振ゴムによる振動減衰効果、特に重量衝撃音の主成分である低周波数の振動に対する減衰効果が不十分であり、その結果、階上で発生する重量衝撃音により快適な住空間が得られないという問題があった。
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、床材側で発生した重量衝撃音の天井材への伝播を効果的に抑制することが可能な吊り天井用防振支持装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、環状のゴム弾性体製の本体と、本体の軸心を挟んで互いに対向する2箇所にて本体を軸方向に貫通する一対の取付孔と、本体の一対の取付孔に対して直交する径方向の互いに対向する2箇所にて本体に固着された質量部材とを備えてなり、一対の取付孔の一方にて、階上の床材側に固定されて垂下した床側吊り金具に固定されると共に、一対の取付孔の他方にて、床材の下方に所定間隔を隔てて配設される天井材側に固定されて上方に延出した天井側吊り金具に固定されることにある。なお、質量部材の材質としては、金属製のほかに、樹脂製、セラミック製等が用いられる。
【0005】
上記のように構成した請求項1の発明においては、床側吊り金具によって階上の床材側に固定され、かつ天井側吊り金具によって天井材側を支持する防振支持金具は、本体の両取付孔に対して直交する径方向の対向位置に質量部材が配設されているため、この質量部材の調整により、振動源である床材の固有振動数、または音輻射側の天井材の固有振動数に応じて、質量部材を含む環状の本体を適正な固有振動数に合わせることができる。そのため、防振支持装置の質量部材を含む本体の固有振動と、床材からの振動あるいは天井材の固有振動との共振作用により、床材からの重量衝撃音を効果的に減衰させることができる。また、この防振支持装置は、成形型に質量部材をセットして一体ゴム加硫成形により形成できるので、容易に量産が可能である。
【0006】
また、上記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、階上の床材側に固定される床側取付金具と、床材の下方に所定間隔を隔てて配設される天井材側に固定される天井側取付金具と、床側取付金具と天井側取付金具に加硫接着されて両者間を弾性的に連結するゴム弾性体と、ゴム弾性体に固着された質量部材とを設けたことにある。
【0007】
上記のように構成した請求項2の発明においては、階上の床材側に固定される床側取付金具と、床材の下方に所定間隔を隔てて配設される天井材側に固定される天井側取付金具との間に加硫接着されて両者間を弾性的に連結するゴム弾性体に、質量部材が固着されたことにより、この質量部材の調整により、振動源である床材の固有振動数、または音輻射側の天井材の固有振動数に応じて、質量部材を含むゴム弾性体を適正な固有振動数に合わせることができる。そのため、質量部材を含むゴム弾性体の固有振動と、床材からの振動あるいは天井材の振動との共振作用により、床材からの重量衝撃音を効果的に減衰させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明すると、図1及び図2は、第1の実施形態である複数階を有する住宅の吊り天井用の防振支持装置を正面図及び断面図により示したものである。
この防振支持装置は、ゴム加硫成形により形成された環状の本体10を備えている。本体10は、軸方向断面が径方向の長さが軸方向の長さより長い略長方形になっている環状部11を有し、環状部11の軸心を挟んだ径方向に対向する2箇所には、軸心近傍まで延びた直方体状の一対の支持部12,13を一体で有している。両支持部12,13の先端間には隙間が設けられている。そして、両支持部12,13の環状部11との付け根側部分には、軸方向に貫通する取付孔14,15が設けられている。
【0009】
さらに、環状部11の支持部12,13と直交する径方向に対向する2箇所には、質量部材である質量金具16,17が埋設されている。質量金具16,17は、正面視で径方向外側が径方向内側より長い略台形状でかつ軸方向断面形状が略長方形であり、環状部11から径方向両側にわずかに突出している。この防振支持装置は、成形型に質量金具16をセットした状態でゴム加硫成形により一体的に形成されるもので、量産性に優れている。
【0010】
上記防振支持装置が適用される住宅の天井構造は、図3に示すように、階上の床を構成する床材21が支持部材22を介して壁材23に支持されており、壁材23の上端には梁24が配設されている。梁24には、金属棒である床側吊り金具25が下方に向けて取付けられており、その先端は直角に折り曲げられた挿嵌部になっている。また、床材21の下方には所定距離隔てて、天井材26が水平に配置されている。天井材26の上面に固定された天井支持材27の上記床側吊り金具25の下方対応位置には、金属棒である天井側吊り金具28が上方に向けて取付けられており、その先端は直角に折り曲げられた挿嵌部になっている。
【0011】
防振装置は、本体10の一方の支持部12の取付孔14に挿嵌固定された床側吊り金具25によって階上の梁24に固定され、他方の支持部13の取付孔15に挿嵌固定された天井側吊り金具28を介して天井材側を支持するようになっている。
【0012】
以上のように構成した実施形態においては、防振支持金具は、環状部11の両取付孔14,15に対して直交する径方向の対向位置にそれぞれ質量金具16,17が配設されているため、この質量金具16,17の重量や形状を調整することにより、振動源である床材21で発生する重量衝撃音の固有振動数、または音輻射側の天井材26の固有振動数に応じて、質量金具16,17を含むゴム弾性体製の本体10を適正な固有周波数に合わせることができる。そのため、質量金具16,17含む本体10の固有振動と、床材21から伝播する重量衝撃音の振動との共振作用により、あるいは天井材26の振動との共振作用により、重量衝撃音の振動を有効に減衰させることができ、天井材26への振動の伝播を抑制できる。
【0013】
その結果、階上の床材21で発生する重量衝撃音に悩まされることのない快適な住空間を確保できる。また、この防振支持装置は、成形型に質量金具16,17をセットして一体ゴム加硫成形により形成できるので、容易に量産が可能であり、その結果安価に提供される。なお、上記実施形態においては、質量金具16,17は、環状部11に埋設されているが、一部を環状部11から露出させてもよい。また、質量金具については、金属の代わりに、樹脂、セラミック等の他の材料で形成することもできる。
【0014】
つぎに、第2の実施形態について図2により説明する。
本実施形態においては、防振支持装置は、長方形の金属板であり長手方向の一端近傍に取付孔32を有する床側取付金具31と、長方形の金属板であり長手方向一端近傍に取付孔34を有する天井側取付金具33と有している。床側取付金具31と天井側取付金具33は取付孔32と取付孔34を互いに逆方向に配置しかつ互いに対向して所定間隔隔てると共に、取付孔32と取付孔34の部分が相手側と対向しないように長手方向にずらせて配設される。床側取付金具31と天井側取付金具33の対向部分の間には、金属板である質量金具35が配設されている。そして、床側取付金具31と質量金具35の間、及び天井側取付金具33と質量金具35の間は、加硫成形によりゴム弾性体36,37が形成されており、ゴム弾性体36によって床側取付金具31と質量金具35が、ゴム弾性体37によって質量金具35と天井側取付金具33間が弾性的に連結されている。
この防振装置は、床側取付金具31によって階上の梁24に固定され、天井側取付金具33によって天井材26側を支持するようになっている。
【0015】
以上のように構成した第2の実施形態においては、床側取付金具31と、天井側取付金具33との間に加硫接着されて両者間を弾性的連結するゴム弾性体36,37が設けられると共に、両ゴム弾性体間に質量金具35が設けられていることにより、この質量金具35の調整により、振動源である床材21で発生する重量衝撃音の固有振動数、または音輻射側の天井材26の固有振動数に応じて、質量金具35を含むゴム弾性体36,37を適正な共振周波数に合わせることができる。その結果、床材21側から天井材26側に伝播する重量衝撃音を効果的に減衰させることができる。
【0016】
なお、上記実施形態においては、質量金具35は、ゴム弾性体36,37からとびだしているが、ゴム弾性体内に埋設されてもよい。また、質量金具については、板材に限るものではなく、立体形状であってもよい。さらに、質量金具については、金属の代わりに、樹脂、セラミック等の他の材料で形成することもできる。なお、上記各実施形態に示した吊り天井用防振支持装置の具体的な形状等については、一例であり本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更実施することができる。
【0017】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、質量部材を含むゴム弾性体製の本体の固有振動と階上の床面で発生した重量衝撃音振動との共振作用により、天井材への振動の伝播を効果的に抑制することができるので、階上で発生する衝撃音を気にしなくてもよい快適な住空間を実現できる。また、この防振支持装置は、量産性に優れており、製造コストを安価にすることができる。
また、床側取付金具と天井側取付金具に加硫接着されて両者間を弾性的に連結するゴム弾性体と、ゴム弾性体に固着された質量部材とによっても、同様の階上の床面で発生した重量衝撃音振動を低減する効果が得られる(請求項2の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である吊り天井用防振支持装置を概略的に示す正面図である。
【図2】同防振支持装置の図1に示すII−II線方向の断面図である。
【図3】同防振支持装置の使用状態を示す斜視図である。
【図4】 第2の実施形態である吊り天井用防振支持装置を示す斜視図である。
【図5】同防振支持装置の使用状態を示す斜視図である。
【図6】従来例である吊り天井用防振支持装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10…本体、11…環状部、12,13…支持部、14,15…取付孔、16,17…質量金具、21…床材、24…梁、25…床材側吊り金具、26…天井材、28…天井側吊り金具、31…床側取付金具、33…天井側取付金具、35…質量金具、36,37…ゴム弾性体。
Claims (2)
- 環状のゴム弾性体製の本体と、該本体の軸心を挟んで互いに対向する2箇所にて該本体を軸方向に貫通する一対の取付孔と、該本体の一対の取付孔に対して直交する径方向の互いに対向する2箇所にて該本体に固着された質量部材とを備えてなり、前記一対の取付孔の一方にて、階上の床材側に固定されて垂下した床側吊り金具に固定されると共に、前記一対の取付孔の他方にて、前記床材の下方に所定間隔を隔てて配設される天井材側に固定されて上方に延出した天井側吊り金具に固定されることを特徴とする吊り天井用防振支持装置。
- 階上の床材側に固定される床側取付金具と、床材の下方に所定間隔を隔てて配設される天井材側に固定される天井側取付金具と、該床側取付金具と天井側取付金具に加硫接着されて両者間を弾性的に連結するゴム弾性体と、該ゴム弾性体に固着された質量部材とを設けたことを特徴とする吊り天井用防振支持装置。
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