JP3687361B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電潜像を形成させるための電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く用いられてきた。しかし、これらは感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得るものでなく、また一部の無機感光体では感光体中に人体に有害な物質を含むため、廃棄に際しての問題がある。
【0003】
これらの無機感光体の持つ欠点を克服する目的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する有機感光体の研究、開発が近年盛んに行われている。たとえば、米国特許第3,871,882号には、電荷発生物質としてペリレン誘導体、電荷輸送物質としてオキサジアゾール誘導体が開示されている。また、特開昭55−84943号には、電荷発生物質としてジスチリルベンゼン系ビスアゾ化合物、電荷輸送物質としてヒドラゾン化合物を用いることが開示されている。
【0004】
このように電荷輸送能を有する物質としては、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルアミン誘導体のような化合物が知られている。これらは何れも電荷輸送能を有する物質であり、電荷発生物質を含む層を下層とし電荷輸送物質を含む層を上層とした機能分離型の感光体の場合、感光体の表面を負に帯電させる方式をとる必要がある。このため、従来無機感光体に広く用いられてきた負帯電性の現像剤の利用が出来ない。また感光体をコロナ放電により帯電させるときに生じるオゾンの発生量が無機感光体で行われる正帯電の場合に比べて多いなどの欠点がある。特にオゾンの発生量が多い事はそれに起因する感光体の劣化に加え、人体・環境に与える影響の点でも問題である。
【0005】
有機化合物を用いた正帯電方式の感光体としては、従来の電荷輸送物質を用いて電荷発生層を上層とし電荷輸送層を下層とした逆層構成の感光体、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層に含有する単層構成の感光体などが研究されている。しかし、耐久性、環境特性などの点に於いて一部の低速機への対応を除いて十分な性能を有する感光体が得られていない。
【0006】
そこで上記のような問題を解決するために、適当な電子受容性物質を電荷輸送層に適用する事が知られている。例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノンが電子受容性物質として知られているが、この物質は溶媒やバインダー樹脂との溶解性、相溶性が充分でなく、また発ガン性を有する等の問題点がある。
【0007】
近年、特開平1−206349号記載のジフェノキノン系化合物、同2−135362号記載のフルオレノン系化合物、同2−214866号記載のアンスラキノン系化合物、同3−290666号記載のスチルベンキノン系化合物、“Japan Hard Copy ’92”論文集,173頁(1992)に記載のN−トリニトロフルオレニリデン−アニリン系化合物等溶媒やバインダー樹脂との溶解性、相溶性を向上させたいくつかの電子受容性化合物ならびに電荷輸送物質が提案されている。
【0008】
しかしながら、何れの化合物に於いても既存の電荷発生物質との組み合わせに於いて感度、電位特性が充分でないという問題点があった。
【0009】
また、特開平5−241358号にはキノン化合物を電荷輸送物質として使用することが開示されているが、電子受容性化合物として従来の電荷輸送物質と併用して使用した場合には、繰り返し使用時の残留電位が大きくなる問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、残留電位が小さく、繰り返し使用しても帯電性、残留電位の特性変化が少ない耐久性に優れた電子写真感光体を提供する事にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の目的は、下記の項目により達成された。
【0012】
1.導電性支持体上に感光層を設けた電子写真感光体において、該感光層に下記一般式(A)で表される化合物とヒンダードフェノール化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0013】
【化2】
Figure 0003687361
【0014】
式中、Ar1、Ar2は各々、アリール基または複素環基を表す。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
Ar1及びAr2で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0017】
Ar1及びAr2で表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
【0018】
前記Ar1及びAr2で表されるアリール基及び複素環基は各々、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、ニトロ基等によって置換されていても良い。これらの基は、さらに上記した置換基等によって置換されていてもよい。
【0019】
以下に、本発明に用いられる前記一般式(A)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0020】
【化3】
Figure 0003687361
【0021】
本発明に用いられる前記一般式(A)で表される化合物(以下、本発明に用いられる電子受容性化合物ともいう。)は、これをバインダー中に分散した感光層を導電性支持体上に設ける事により電子写真感光体中において、電子受容性化合物として利用される。
【0022】
たとえば、電荷発生層を下層として本発明の電子受容性化合物を含有する電荷輸送層を上層とする積層型正帯電感光体とすることも出来る。また、本発明の電子受容性化合物と電荷発生物質、電荷輸送物質、他の添加剤を混合分散して単層型感光体とすることもできる。下層に電荷輸送物質を含み、上層に電荷発生物質、本発明に用いられる電子受容性化合物を含む感光体とする事も可能である。いずれの層構成に於いても、支持体と感光層の間にバリア機能と接着性を持つ下引き層(中間層)を設けても良く、感光層の上に保護層を設けても良い。
【0023】
次に本発明において用いられるヒンダードフェノール化合物について説明する。
【0024】
ヒンダードフェノール化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0025】
【化4】
Figure 0003687361
【0026】
式中、R1は水素原子または置換基を表し、置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、オクチル基、sec−オクチル基、カルボキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等)、アラルキル基(例えば、o−スルホベンジル基等)、アリル基(例えば、アリル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、p−メタンスルホニルアミノフェニル基、ナフチル基等)、アルキニル基(例えば、1−プロピニル等の基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−メトキシエトキシ基、ベンジルオキシ基等の各基)、アルキルメルカプト基(例えば、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基等の各基)、シアノ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピペリジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基等)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基等)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ基等)、複素環アミノ基(例えば、トリアジニルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、カルボキシ基等が挙げられる。
【0027】
上記記載の置換基は、更に、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−テトラメチレンカルバモイル基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピペリジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−3−オキサペンタメチレンアミノスルホニル基等)、メタンスルホニル基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)等の置換基を有しても良い。
【0028】
2、R3は、各々、水素原子またはアルキル基を表す。該アルキル基としては、炭素原子数が3〜9のアルキル基(例えば、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、sec−オクチル基、ノニル基等)が好ましく用いられる。但し、R2及びR3が同時に水素原子にはならない。
【0029】
また、上記記載の置換基は、更に、置換基を有していても良い。
【0030】
本発明においては、上記のR2、R3が各々、同時に炭素原子数が3〜9のアルキル基であることが更に好ましく、R2及びR3が各々、t−ブチル基であることが特に好ましい。
【0031】
更に、本発明において更に、好ましく用いられるヒンダードフェノール化合物は下記の一般式(A1)または一般式〔1A〕で表され、本発明において、最も好ましく用いられるのは前記一般式〔1A〕で表されるヒンダードフェノール化合物である。
【0032】
【化5】
Figure 0003687361
【0033】
式中、R11は、上記一般式(B)で示される残基を表し、R12は上記一般式(B)で示される残基、水素原子または炭素数1〜9のアルキル基を表す。但し、一般式(B)中、Rは炭素数1〜9のアルキル基を表す。
【0034】
上記一般式(A1)中、R12の炭素数1〜9のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等を挙げることが出来る。
【0035】
上記一般式(B)中、Rの炭素数1〜9のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等を挙げることが出来るが、特にt−ブチル基が好ましい。
【0036】
【化6】
Figure 0003687361
【0037】
式中、R13は水素原子または置換基を表し、置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、オクチル基、sec−オクチル基、カルボキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等)、アラルキル基(例えば、o−スルホベンジル基等)、アリル基(例えば、アリル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、p−メタンスルホニルアミノフェニル基、ナフチル基等)、アルキニル基(例えば、1−プロピニル等の基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−メトキシエトキシ基、ベンジルオキシ基等の各基)、アルキルメルカプト基(例えば、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基等の各基)、シアノ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピペリジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基等)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基等)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ基等)、複素環アミノ基(例えば、トリアジニルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、カルボキシ基等が挙げられる。
【0038】
上記記載の置換基は、更に、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−テトラメチレンカルバモイル基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピペリジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−3−オキサペンタメチレンアミノスルホニル基等)、メタンスルホニル基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)等の置換基を有しても良い。Lは、−O−C(=O)−(CH2n−を表し、nは、0〜2の整数を表す。
【0039】
以下に本発明に用いられるヒンダードフェノール化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0040】
【化7】
Figure 0003687361
【0041】
【化8】
Figure 0003687361
【0042】
【化9】
Figure 0003687361
【0043】
【化10】
Figure 0003687361
【0044】
【化11】
Figure 0003687361
【0045】
【化12】
Figure 0003687361
【0046】
【化13】
Figure 0003687361
【0047】
本発明に用いられる電荷発生物質としては公知のどのようなものでも使用できるが、例えばセレン系の無機半導体、種々のフタロシアニン化合物、アゾ化合物、ピリリウム化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、スクアリウム化合物、多環キノン化合物が使用できる。
【0048】
感光層の形成において、電荷発生層は、電荷発生物質を単独もしくはバインダや添加剤ともに適当な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布するか、あるいは電荷発生物質を真空蒸着する方法が有効である。前者の場合、分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサー等の分散装置が使用できる。また、電荷輸送層は、本発明に用いられる電子受容性化合物を単独で、もしくはバインダや添加剤とともに溶解させた溶液をアプリケーター、バーコーター、ディップコーター等を用いて塗布、乾燥して形成する事ができる。
【0049】
電荷発生層、電荷輸送層、中間層、保護層に用いるバインダとして有用なポリマーとしては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂ならびに、これらの繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。またこれらの絶縁性樹脂の他、ポリビニル−N−カルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0050】
電荷発生物質、電荷輸送物質の分散媒としては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びその誘導体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等の窒素化合物;その他脂肪酸及びフェノール類;二硫化炭素や燐酸トリエチル等の硫黄、燐化合物等の1種または2種以上を用いる事ができる。
【0051】
バインダに対する電荷発生物質の割合は、バインダ100重量部に対し電荷発生物質1〜600重量部が望ましい。バインダに対する電荷輸送物質の割合はバインダ100重量部に対し、電荷輸送物質10〜500重量部が好ましい。電荷発生層の厚さは0.01〜20μmが好ましい。
【0052】
電荷輸送層の厚みは1〜100μmであるが、さらには5〜50μmが好ましい。また、単層型の電子写真感光体の場合、バインダ:電子受容性物質:電荷発生物質、電荷輸送物質の割合は100:1〜200:1〜200:1〜200が好ましく、形成される感光層の膜厚は5〜50μmが好ましい。
【0053】
導電性支持体としては、金属板、金属ドラムが用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるものを用いることができる。
【0054】
また本発明に用いられる感光層に於いては、酸化防止剤を添加する事が出来る。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン類、パラフェニレンジアミン類、ヒドロキノン類、有機燐化合物類等を用いることが出来る。
【0055】
ヒンダードアミンとしては、下記の一般式(2)で表されるヒンダードアミン化合物が本発明において好ましく用いられる。
【0056】
【化14】
Figure 0003687361
【0057】
式中、R4、R9は、各々、水素原子または置換基を表し、置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、オクチル基、sec−オクチル基、カルボキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)、アラルキル基(例えば、o−スルホベンジル基等)、アリル基(例えば、アリル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、p−メタンスルホニルアミノフェニル基等)、アルキニル基(例えば、1−プロピニル等の基)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−メトキシエトキシ基、ベンジルオキシ基等の各基)、アルキルメルカプト基(例えば、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基等の各基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基等)、アルキルカルボニルオキシ基(例えば、メチルカルボニルオキシ基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、フェニルカルボニルオキシ基等)が挙げられる。
【0058】
5、R6、R7、R8は、各々、水素原子または炭素原子数が1〜9のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、sec−オクチル基、ノニル基等)を表す。
【0059】
本発明においては、上記のR5、R6、R7、R8が各々、同時に炭素原子数が1〜9のアルキル基であることが好ましく、R5、R6、R7及びR8が各々、メチル基であることが特に好ましい。
【0060】
上記記載の置換基は、また更に、置換基を有していても良い。
【0061】
以下に本発明に用いられるヒンダードアミン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0062】
【化15】
Figure 0003687361
【0063】
【化16】
Figure 0003687361
【0064】
また本発明の電子写真感光体には、その他、必要により感光層を保護する目的で紫外線吸収剤また感色補正の染料を含有しても良い。
【0065】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されない。なお、本実施例に於いて「部」とは「重量部」を表す。
【0066】
実施例1
《本発明の感光体1(単一感光層)の作製》
円筒形アルミニウム基体上にポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−200:三菱ガス化学社製)600部、x型無金属フタロシアニン60部、電子受容性化合物A−11を20部、電荷輸送物質CTM−1を200部、ヒンダードフェノール化合物1−8を10部、1,2−ジクロロエタン3000部をサンドミルを用いて20時間分散した液をスライドホッパーを用いて、上記記載の円筒形アルミニウム基体上に塗布し、膜厚約25μmの電荷発生層を形成し本発明の感光体1を作製した。
【0067】
【化17】
Figure 0003687361
【0068】
《比較の感光体2、3及び4(単一感光層)の作製》
電子受容性化合物A−11を用いない以外は、本発明の感光体1の作製方法と同様にして、比較の感光体2を作製した。
【0069】
電子受容性化合物A−11及びヒンダードフェノール化合物1−8を用いない以外は、本発明の感光体1の作製方法と同様にして、比較の感光体3を作製した。
【0070】
ヒンダードフェノール化合物1−8を用いない以外は、本発明の感光体1の作製方法と同様にして、比較の感光体4を作製した。
【0071】
《本発明の感光体5(単一感光層)の作製》
ヒンダードフェノール化合物1−8の代わりに、1−10を用いた以外は、本発明の感光体1の作製方法と同様にして、本発明の感光体5を作製した。
【0072】
《比較の感光体6及び7(単一感光層)の作製》
電子受容性化合物A−11を30部用いる事以外は、上記比較の感光体4と同様にして、比較の感光体6を作製した。
【0073】
ヒンダードフェノール化合物を50部用いること以外は、上記記載の比較の感光体2と同様にして、比較の感光体7を作製した。
【0074】
《本発明の感光体8(積層型感光体)の作製》
電荷輸送物質CTM−1を100部、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−200:三菱ガス化学社製)300部を1,2−ジクロロエタン1000部に溶解して、CTL層(電荷輸送層)作製用の塗布液を作製した。
【0075】
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−200:三菱ガス化学社製)300部、x型無金属フタロシアニン40部、電子受容性化合物A−11を20部、電荷輸送物質CTM−1を100部、ヒンダードフェノール化合物1−8を10部、1,2−ジクロロエタン2000部をサンドミルを用いて20時間分散し、CGL層(電荷発生層)作製用の塗布液を作製した。
【0076】
円筒形アルミニウム基体上に、スライドホッパーを用いて、CTL層、次いでCGL層の順に上記記載の塗布液を塗布し、本発明の感光体8を作製した。
【0077】
《比較の感光体9、10(積層型感光体)の作製》
電子受容性化合物A−11を用いない以外は、本発明の感光体8と同様にして、比較の感光体9を作製した。
【0078】
次いで、電子受容性化合物A−11及びヒンダードフェノール化合物1−8を用いない以外は、本発明の感光体8と同様にして、比較の感光体10を作製した。
【0079】
《感光体の評価方法》
上記記載の感光体1〜10について、Konica−1015(帯電極性:正、反転現像)改造機を用いて電子写真プロセスを5,000回繰り返した場合の電位安定性を評価した。
【0080】
本発明の感光体1、比較の感光体2〜4、本発明の感光体5、比較の感光体6及び7、本発明の感光体8、比較の感光体9及び10の各々について、10,000コピー後のカブリとベタ黒をマクベス濃度計(RD918:マクベス社製)を用いて測定し、下記に示すように評価した。
【0081】
カブリ:0.01以上でNG(不良)である。
【0082】
ベタ黒:1.1以下でNG(不良)である。
【0083】
得られた結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 0003687361
【0085】
表1から明らかなように、電子受容性化合物A−11及びヒンダードフェノール化合物1−8を併用している本発明の感光体1(単一感光層)及び本発明の感光体8(CGL層、CTL層別層)は各々、比較用の単一感光層感光体、積層型感光体に比べて、10,000コピー後においても、カブリが小さく、また、ベタ黒の濃度が高濃度であることがわかる。
【0086】
また、電子受容性化合物A−11とヒンダードフェノール化合物1−10を併用した本発明の感光体5(単一感光層)も良好なカブリ特性とベタ黒特性を示すことがわかる。
【0087】
比較の感光体6のように、単に電子受容性化合物を増量しても、ベタ黒濃度は不良であり、また、比較の感光体7のように、単にヒンダードフェノール化合物を増量しても、カブリを抑制することは出来ず、また、ベタ黒濃度も不良である事が明らかである。
【0088】
【発明の効果】
本発明により、残留電位が小さく、繰り返し使用しても帯電性、残留電位の特性変化が少ない耐久性に優れた電子写真感光体を提供する事が出来た。

Claims (1)

  1. 導電性支持体上に感光層を設けた電子写真感光体において、該感光層に下記一般式(A)で表される化合物とヒンダードフェノール化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003687361
    〔式中、Ar1、Ar2は各々、アリール基または複素環基を表す。〕
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