JPH11119452A - 正帯電用電子写真感光体 - Google Patents

正帯電用電子写真感光体

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JPH11119452A
JPH11119452A JP28045097A JP28045097A JPH11119452A JP H11119452 A JPH11119452 A JP H11119452A JP 28045097 A JP28045097 A JP 28045097A JP 28045097 A JP28045097 A JP 28045097A JP H11119452 A JPH11119452 A JP H11119452A
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裕文 早田
友子 ▲崎▼村
Tomoko Sakimura
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 繰り返して画像形成を行ったとき、電位安定
性に優れており、特に低温低湿環境下における繰り返し
ての画像形成時においても電位安定性に優れていて残留
電位の増大による地カブリを生ずることがなく、常に鮮
明な画像が得られる正帯電用電子写真感光体の提供。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を設けた正帯電
用電子写真感光体において、感光層に電荷発生物質と、
一般式(1)、(2)の構造から選択される1種の電子
輸送物質と、一般式(3)、(4)などの構造から選択
される1種の正孔輸送物質とを含有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光層表面に静電潜
像を形成し、該静電潜像を現像して画像形成を行うため
の正帯電用電子写真感光体に関する。詳しくは、電子輸
送物質及び正孔輸送物質を含有する感光層を有する正帯
電用電子写真感光体に関し、特にプリンタや複写機等に
有用な正帯電用電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体(以後単に感光体
ともいう)としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウ
ム、シリコン等の無機光導電性化合物を主成分とする感
光層を有する無機感光体が広く用いられてきた。しかし
ながら、これらは感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等に
おいて必ずしも満足し得るものでなく、また一部の無機
感光体では感光体中に人体に有害な物質を含むため、廃
棄に際して環境汚染の問題がある。
【0003】これらの無機感光体の持つ欠点を克服する
目的で様々な有機光導電性物質を主成分とする感光層を
有する有機感光体の研究、開発が近年盛んに行われてい
る。特に電荷発生機能を電荷発生物質に、電荷輸送機能
を電荷輸送物質にそれぞれ分担させた機能分離型の感光
体は、それぞれの材料を広い範囲から選択することがで
き、任意の性能を有する感光体を比較的容易に作製し得
ることから多くの研究開発がなされており、既に実用化
の段階にある。
【0004】上記有機感光体においては、該感光体に像
露光を行ったとき、感光層中の電荷発生物質から電子及
び正孔が発生し、これらの一方は感光体表面側に輸送さ
れて表面電荷を消去すると共に、他方は支持体側へ輸送
される。従って正帯電で長期に亘り繰り返して画像形成
を行ったとき、又は低温低湿で画像形成を行ったとき、
電位安定性に優れていて、良質の画像を安定して確保す
るためには、感光層中に電荷発生物質と共に電子輸送物
質及び正孔輸送物質を含有していることが望まれる。
【0005】しかしながら、上記電荷発生物質と正孔輸
送物質との組み合わせが主として研究開発され、輸送効
率の高い電子輸送物質の研究開発が遅れている。
【0006】従って、上記有機感光体としては、導電性
支持体上に電荷発生物質を含有する電荷発生層、その上
に正孔輸送物質を含有する電荷輸送層を設けた負帯電性
感光体が主流となっている。このため、従来無機感光体
に広く用いられてきた負帯電性の現像剤の利用ができな
いとか、有機感光体をコロナ放電により帯電させるとき
に生じるオゾンの発生量が無機感光体で行われる正帯電
に比べて著しく多いなどの欠点があり、特にオゾンの発
生量が多いことはそれに起因する感光体の劣化に加え、
人体、環境に与える影響の点でも問題である。
【0007】そこで、正帯電方式の有機感光体の研究開
発が進められており、該正帯電方式の感光体としては電
荷発生物質を含有する電荷発生層を上層とし、従来の正
孔輸送物質を用いた電荷輸送層を下層とした積層構成の
感光体又は電荷発生物質と従来の正孔輸送物質とを同一
層に含有する単層構成の感光体などが研究されている。
【0008】上記正帯電方式の感光体では表面層に電荷
発生物質を高濃度に含有する電荷発生層(単層構成の場
合は感光層)がくるため感光体の機械的及び化学的耐久
性が劣り、環境依存性が大きく、繰り返しての画像形成
の過程で疲労劣化して残留電位が増大して地カブリが発
生し、鮮明な画像が得られなくなるという問題が生ず
る。
【0009】そこで上記正帯電方式の感光体の特性改良
を図るため電子輸送機能に優れた電子輸送物質の研究開
発が行なわれている。上記電子輸送物質としては、現在
までに2,4,7−トリニトロフルオレノンが知られて
おり、その他、近年電子受容性構造に溶解性基を導入し
たいくつかの電子輸送物質が提案されている。例えば特
開平1−206349号、同2−135362号、同2
−214866号、同3−290666号、同8−15
878号、同8−278647号等の各号公報及び“J
apan Hard Copy ’92”論文集,17
3頁(1992)等に記載される電子輸送物質を挙げる
ことができる。
【0010】そこで、上記正帯電方式の感光体として、
電荷発生物質を含有した電荷発生層を上層とし、従来の
正孔輸送物質を含有する電荷輸送層を下層とした積層構
成の感光層を有する感光体の場合は、該電荷発生層中に
電子輸送物質及び正孔輸送物質を含有させ、また電荷発
生物質と従来の正孔輸送物質とを同一層中に含有する単
層構成の感光層を有する感光体の場合は、該感光層中に
さらに電子輸送物質を含有させることにより、上記電荷
発生層(又は感光層)中の電荷発生物質の含有量を低く
押さえることができ、機械的強度の向上が期待され、
又、電子の移動性向上により繰り返しての画像形成の際
の疲労劣化を防止し、かつ残留電位の上昇を防止でき、
正帯電性感光体としての電子写真性能の改良が期待され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら感光層中
に電荷発生物質と共に電子輸送物質及び正孔輸送物質を
含有させて正帯電用感光体を作製した場合、該電子輸送
物質及び正孔輸送物質の組み合わせの如何によっては、
繰り返し使用時の電位安定性が悪く、特に低温低湿時の
残留電位の上昇によりカブリが発生し、鮮明な画像が得
られない場合も認められる。
【0012】本発明は上記実情に鑑みて提案されたもの
であり、その目的とするところは、正帯電方式により繰
り返して画像形成を行うとき、電位安定性に優れてお
り、特に低温低湿環境下における繰り返しての画像形成
時においても電位安定性に優れていて残留電位の増大に
よる地カブリを生ずることがなく、常に鮮明な画像が安
定して得られる感光体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成される。
【0014】1.導電性支持体上に感光層を設けた正帯
電用電子写真感光体において、該感光層に電荷発生物質
と、一般式(1)、(2)の構造から選択される少なく
とも1種の電子輸送物質と、一般式(3)、(4)、
(5)、(6)、(7)の構造から選択される少なくと
も1種の正孔輸送物質とを含有することを特徴とする正
帯電用電子写真感光体。
【0015】
【化8】
【0016】(式中、Ar、Ar′は各々置換、無置換
のアリール基又は芳香族複素環基を表し、Zは=C(C
N)2、=C(CO2R)CO2R′、=C(CN)CO2
R、=C(CN)COR、=N(CN)の各基を表し、
R、R′は各々置換、無置換のアルキル基又はアリール
基を表す。)
【0017】
【化9】
【0018】(式中、Ar″は置換、無置換のアリール
基を表す。Xは水素原子、置換、無置換のアルキル基、
置換、無置換のアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、ニトロ基、ハロゲン原子を表し、nは0、1、2、
3又は4を表す。)
【0019】
【化10】
【0020】(式中、Yは1〜3価の置換、無置換の芳
香族炭化水素基又はアルキル基を表し、Ar1、Ar2
各々置換、無置換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環
基を表し、lは1〜3の整数を表す。)
【0021】
【化11】
【0022】(式中、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6は各
々置換、無置換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基
を表し、R1は水素原子、置換、無置換のアルキル基、
芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、Ar6
1は他の原子と共に環を形成してもよい。nは1又は
2の整数を表す。)
【0023】
【化12】
【0024】(式中、R2、R3は置換、無置換のアルキ
ル基、アリール基又は芳香族複素環基を表し、R2とR3
は窒素原子と共に環を形成してもよい。R4は水素原
子、置換、無置換のアルキル基、アリール基又は芳香族
複素環基を表し、Ar7は置換、無置換のアリール基又
は芳香族複素環基を表す。)
【0025】
【化13】
【0026】(式中、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11
各々置換、無置換のアリール基又は芳香族複素環基を表
す。)
【0027】
【化14】
【0028】(式中、R5、R6、R7、R8は置換、無置
換のアルキル基、アリール基又は芳香族複素環基を表
し、R9は水素原子、置換、無置換のアルキル基、アリ
ール基又は芳香族複素環基を表す。) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0029】〈一般式(1)の説明〉上記一般式(1)
中、Ar、Ar′は各々置換、無置換の例えばフェニル
基、ナフチル基等のアリール基又は例えばフリル基、チ
エニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表し、Zは
=C(CN)2、=C(CO2R)CO2R′、=C(C
N)CO2R、=C(CN)COR、=N(CN)の各
基を表し、R、R′は各々置換、無置換の例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基又
は例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表
す。
【0030】上記一般式(1)で表される電子輸送物質
の具体的化合物例としては以下のものを挙げることがで
きる。
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】
【0040】〈一般式(2)の説明〉上記一般式(2)
中、Ar″は置換、無置換の例えばフェニル基、ナフチ
ル基等のアリール基を表す。Xは水素原子、置換、無置
換の例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等のアルキル基、置換、無置換の例えばフェニル基、ナ
フチル基等のアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、ニトロ基、ハロゲン原子を表し、nは0、1、2、
3又は4を表す。
【0041】上記一般式(2)で表される電子輸送物質
の具体的化合物例としては以下のものを挙げることがで
きる。
【0042】
【化24】
【0043】
【化25】
【0044】〈一般式(3)の説明〉上記一般式(3)
中、Yは1〜3価の置換、無置換の芳香族炭化水素基又
は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等
のアルキル基を表し、Ar1、Ar2は各々置換、無置換
の例えばフェニル基等の芳香族炭化水素基又は芳香族複
素環基を表し、lは1〜3の整数を表す。
【0045】上記一般式(3)で表される正孔輸送物質
の具体的化合物例としては以下のものを挙げることがで
きる。
【0046】
【化26】
【0047】
【化27】
【0048】
【化28】
【0049】〈一般式(4)の説明〉上記一般式(4)
中、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6は各々置換、無置換の
例えばフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基又
は芳香族複素環基を表し、R1は水素原子、置換、無置
換の例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等のアルキル基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基
を表し、Ar6とR1は他の原子と共に環を形成してもよ
い。nは1又は2の整数を表す。
【0050】上記一般式(4)で表される正孔輸送物質
の具体的化合物例としては以下のものを挙げることがで
きる。
【0051】
【化29】
【0052】
【化30】
【0053】
【化31】
【0054】
【化32】
【0055】
【化33】
【0056】〈一般式(5)の説明〉上記一般式(5)
中、R2、R3は置換、無置換の例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、例えばフェ
ニル基、ナフチル基等のアリール基又は例えばフリル
基、チエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表
し、R2とR3は窒素原子と共に環を形成してもよい。R
4は水素原子、置換、無置換の例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、例えばフェ
ニル基、ナフチル基等のアリール基又は例えばフリル
基、チエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表
し、Ar7は置換、無置換の例えばフェニル基、ナフチ
ル基等のアリール基又は例えばフリル基、チエニル基、
ピリジル基等の芳香族複素環基を表す。
【0057】上記一般式(5)で表される正孔輸送物質
の具体的化合物例としては以下のものを挙げることがで
きる。
【0058】
【化34】
【0059】
【化35】
【0060】〈一般式(6)の説明〉上記一般式(6)
中、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11は各々置換、無置換
の例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール基又は芳
香族複素環基を表し、該アリール基又は芳香族複素環基
の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、メトキシ基、ジアルキルアミノ基、ジ
アリールアミノ基等が挙げられる。
【0061】上記一般式(6)で表される正孔輸送物質
の具体的化合物例としては以下のものを挙げることがで
きる。
【0062】
【化36】
【0063】〈一般式(7)の説明〉上記一般式(7)
中、R5、R6、R7、R8は置換、無置換の例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、
例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール基又は芳香
族複素環基を表し、R9は水素原子、置換、無置換の例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のア
ルキル基、例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール
基又は芳香族複素環基を表す。
【0064】上記一般式(7)で表される正孔輸送物質
の具体的化合物例としては以下のものを挙げることがで
きる。
【0065】
【化37】
【0066】本発明の正帯電用感光体の感光層には上記
各一般式で表される特定の電子輸送物質及び正孔輸送物
質が組み合わせて含有されるが、さらに必要により上記
以外の電荷輸送物質、例えばオキサゾール、オキサジア
ゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、
等に代表される含窒素複素環核及びその縮合環核を有す
る化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピラゾリ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールアミン
系化合物、スチリル系化合物、スチリルトリフェニルア
ミン系化合物、β−フェニルスチリルトリフェニルアミ
ン系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサトリエン系化
合物、カルバゾール系化合物、縮合多環系化合物等を含
有してもよい。
【0067】また、本発明の正帯電用感光体の感光層に
含有される電荷発生物質としては、例えばフタロシアニ
ン顔料、アゾ顔料、アントラキノン顔料、スクエアリウ
ム顔料等が挙げられる。
【0068】本発明の正帯電用感光体は従来公知の種々
の形態をとることができるが、積層型もしくは単層型の
機能分離型感光体とするのが望ましい。図1は感光体の
層構成を表す断面図であり、通常は図1(a)〜(d)
のような構成となる。図1(a)に示す層構成は、導電
性支持体1上に正孔輸送物質を含有する電荷輸送層3を
形成し、この上に電荷発生物質6、電子輸送物質及び正
孔輸送物質を含有する電荷発生層2を積層して感光層4
を形成したものであり、図1(b)は図1(a)の層構
成の感光層4と導電性支持体1との間に中間層5を設け
たものである。図1(c)は導電性支持体1上に電荷発
生物質6、電子輸送物質及び正孔輸送物質を含有する単
層構成の感光層4′を設けたものであり、図1(d)は
図1(c)の層構成の感光層4′と導電性支持体1との
間に中間層5を設けたものである。なお、図1(a)〜
(d)の構成において、最表層にさらに保護層を設ける
ことができる。
【0069】上記感光層4又は感光層4′の形成におい
ては、電荷発生物質、電子輸送物質及び正孔輸送物質
を、必要によりバインダ樹脂や添加剤とともに溶剤に溶
解させた溶液を塗布する方法が有効である。しかしなが
ら、該感光層4又は感光層4′は、一般に電荷発生物質
の溶解度が低いため、該電荷発生物質を超音波分散機、
ボールミル、サンドミル、ホモミキサ等の分散装置を用
いて適当な分散媒中に微粒子分散させた分散液に上記電
子輸送物質、正孔輸送物質、バインダ樹脂その他添加剤
を溶解したものを塗布液として用い、例えばバーコート
塗布、スピンコート塗布、アプリケーター塗布、スプレ
ー塗布、ディップ塗布等によって塗布加工して得られ
る。
【0070】上記感光層の形成に使用される溶剤或は分
散媒としては広く任意のものを用いることができる。例
えば、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
オキソラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソル
ブ、エチルセルソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフエノン、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリクロル
エチン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。
【0071】電荷発生層2、電荷輸送層3又は感光層
4′等の形成にバインダ樹脂を用いる場合に、該バイン
ダ樹脂として任意のものを選ぶことができるが、特に疎
水性でかつフィルム形成能を有する高分子重合体樹脂が
望ましい。このような重合体樹脂としては例えば次のも
のを挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。ポリカーボネート(特にポリカーボネートZ樹
脂が好ましい)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニル
アセタール、ポリビニルカルバゾール、スチレン−アル
キッド樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド
樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂。
【0072】図1(a)及び(b)の感光層4における
電荷発生層2中のバインダ樹脂、電荷発生物質6、電子
輸送物質及び正孔輸送物質の含有割合は、バインダ樹脂
100重量部当たり、電荷発生物質6を5〜100重量
部、電子輸送物質を10〜100重量部及び正孔輸送物
質を10〜100重量部とするのが好ましく、また、電
荷輸送層3中のバインダ樹脂及び正孔輸送物質の含有割
合は、バインダ樹脂100重量部当たり、正孔輸送物質
を20〜200重量部とするのが好ましい。
【0073】また、図1(c)及び(d)の感光層4′
中のバインダ樹脂、電荷発生物質6、電子輸送物質及び
正孔輸送物質の含有割合は、バインダ樹脂100重量部
当たり電荷発生物質6を5〜100重量部、電子輸送物
質を10〜100重量部及び正孔輸送物質を10〜10
0重量部とするのが好ましい。
【0074】また、図1(a)及び(b)の感光層4に
おける電荷発生層2の膜厚は2〜20μmが好ましく、
電荷輸送層3の膜厚は5〜30μmが好ましい。また、
図1(c)及び(d)の感光層4′の膜厚は10〜40
μmが好ましい。なお、中間層5の膜厚は好ましくは
0.1〜5μmである。
【0075】又、上記感光層4又は感光層4′中には保
存性、耐久性、耐環境依存性を向上させる目的で酸化防
止剤や光安定剤等の劣化防止剤を含有させることができ
る。そのような目的に用いられる化合物としては例え
ば、トコフェロール等のクロマール誘導体及びそのエー
テル化化合物もしくはエステル化化合物、ポリアリール
アルカン化合物、ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及
びジエーテル化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾ
トリアゾール誘導体、チオエーテル化合物、ホスホン酸
エステル、亜燐酸エステル、フェニレンジアミン誘導
体、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、
直鎖アミン化合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミ
ン化合物、などが有効である。特に有効な化合物の具体
例としては、「IRGANOX 1010」、[IRG
ANOX 565」(チバ・ガイギー(株)社製)、
「スミライザー BHT」、「スミライザー MDP」
(住友化学工業(株)社製)等のヒンダードフェノール
化合物、「サノール LS−2626」、「サノール
LS−622LD」(三共(株)社製)等のヒンダード
アミン化合物が挙げられる。
【0076】中間層5及び必要により設けられる保護層
等に用いられるバインダ樹脂としては、上記の電荷発生
層、電荷輸送層、感光層用に挙げたものを用いることが
できるが、その他にポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル−メタクリル酸共重合体樹脂等のエチレン系樹脂、ポ
リビニルアルコール、セルロース誘導体等が有効であ
る。又、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート
樹脂等の熱硬化型或は化学的硬化型のバインダ樹脂を用
いることができる。
【0077】導電性支持体としては、金属板、金属ドラ
ムが用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等
の導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等
の金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により
紙やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなる
ものを用いることができる。
【0078】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の実施態様はこれにより限定されるもので
はない。尚、実施例、比較例において「部」とは「重量
部」を表す。
【0079】実施例1〜10 アルミニウムを蒸着したPETフィルム上に、ポリアミ
ド樹脂「CM8000」(東レ(株)社製)からなる厚
さ0.5μmの中間層を設けた。その上にX型無金属フ
タロシアニン10部、ポリカーボネート樹脂「ユーピロ
ンZ−200」(三菱瓦斯化学(株)社製)100部、
分散溶媒テトラハイドロフラン1000部、正孔輸送物
質75部、電子輸送物質50部を超音波分散した塗布液
をドクターブレードを用いて塗布して膜厚約20μmの
感光層を形成して単層構成の感光体を製造する製造方法
を用い、該正孔輸送物質及び電子輸送物質をそれぞれ表
1の如く10種類に変化して実施例1〜10の10種類
の正帯電用感光体を得た。
【0080】比較例1〜10 電子輸送物質を除いた他は実施例1〜10と同様にして
比較例1〜10の10種類の正帯電用感光体を得た。
【0081】比較例11 電子輸送物質を比較化合物1とし、正孔輸送物質を比較
化合物2とした他は実施例1と同様にして比較例11の
正帯電用感光体を得た。
【0082】実施例11〜20 アルミニウムを蒸着したPETフィルム上に、ポリアミ
ド樹脂「CM8000」(東レ(株)社製)からなる厚
さ0.5μmの中間層を設けた。その上に正孔輸送物質
75部、ポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ−20
0」(三菱瓦斯化学(株)社製)100部をジクロロエ
タン1000部に溶解した塗布液をドクターブレードを
用いて塗布して膜厚約15μmの電荷輸送層を形成し、
さらにこの上にX型無金属フタロシアニン10部、ポリ
カーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱瓦斯
化学(株)社製)100部、分散溶媒テトラハイドロフ
ラン1000部、正孔輸送物質50部、電子輸送物質5
0部を超音波分散した塗布液をドクターブレードを用い
て5μm厚に塗布し、合計膜厚約20μmの感光層を形
成して積層構成の感光体を製造する製造方法を用い、該
正孔輸送物質及び電子輸送物質をそれぞれ表2の如く1
0種類に変化して実施例11〜20の10種類の正帯電
用感光体を得た。
【0083】比較例12〜21 電子輸送物質を除いた他は実施例11〜20と同様にし
て比較例12〜21の10種類の正帯電用感光体を得
た。
【0084】比較例22 電子輸送物質を比較化合物1とし、正孔輸送物質を比較
化合物2とした他は実施例11と同様にして比較例22
の正帯電用感光体を得た。
【0085】
【化38】
【0086】評価方法 実施例1〜20、比較例1〜22の42種類の感光体を
円筒形アルミニウム上にアースを取って貼り付けた感光
体ドラムを、コニカ(株)社製複写機「Konica−
U1015」を正帯電用に改造した改造機に順次装着
し、帯電−像露光の1000回の繰り返し後の残留電位
Vr(V)及び初期から1000回目迄に上昇した残留
電位の上昇分ΔVr(V)を測定し、その結果を以下の
表1、2に示した。なお、上記測定は10℃、RH30
%の低温、低湿環境下で行われた。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】表1、2から本発明の感光体は繰り返して
画像形成を行う過程で残留電位の上昇が少なく、カブリ
のない鮮明な画像が安定して得られるが、比較例の感光
体は繰り返して画像形成を行う過程で残留電位の上昇が
大であり、カブリが多く鮮明な画像が得られず、実用性
に乏しいことが解る。
【0090】
【発明の効果】本発明の正帯電用感光体によれば、繰り
返して画像形成を行ったとき、電位安定性に優れてお
り、特に低温低湿環境下における繰り返しての画像形成
時においても電位安定性に優れていて残留電位の増大に
よる地カブリを生ずることがなく、常に鮮明な画像が得
られる等、優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体の層構成を表す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4,4′ 感光層 5 中間層 6 電荷発生物質

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を設けた正帯電
    用電子写真感光体において、該感光層に電荷発生物質
    と、一般式(1)、(2)の構造から選択される少なく
    とも1種の電子輸送物質と、一般式(3)、(4)、
    (5)、(6)、(7)の構造から選択される少なくと
    も1種の正孔輸送物質とを含有することを特徴とする正
    帯電用電子写真感光体。 【化1】 (式中、Ar、Ar′は各々置換、無置換のアリール基
    又は芳香族複素環基を表し、Zは=C(CN)2、=C
    (CO2R)CO2R′、=C(CN)CO2R、=C
    (CN)COR、=N(CN)の各基を表し、R、R′
    は各々置換、無置換のアルキル基又はアリール基を表
    す。) 【化2】 (式中、Ar″は置換、無置換のアリール基を表す。X
    は水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無置換
    のアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子を表し、nは0、1、2、3又は4を
    表す。) 【化3】 (式中、Yは1〜3価の置換、無置換の芳香族炭化水素
    基又はアルキル基を表し、Ar1、Ar2は各々置換、無
    置換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、l
    は1〜3の整数を表す。) 【化4】 (式中、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6は各々置換、無置
    換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、R1
    は水素原子、置換、無置換のアルキル基、芳香族炭化水
    素基又は芳香族複素環基を表し、Ar6とR1は他の原子
    と共に環を形成してもよい。nは1又は2の整数を表
    す。) 【化5】 (式中、R2、R3は置換、無置換のアルキル基、アリー
    ル基又は芳香族複素環基を表し、R2とR3は窒素原子と
    共に環を形成してもよい。R4は水素原子、置換、無置
    換のアルキル基、アリール基又は芳香族複素環基を表
    し、Ar7は置換、無置換のアリール基又は芳香族複素
    環基を表す。) 【化6】 (式中、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11は各々置換、無
    置換のアリール基又は芳香族複素環基を表す。) 【化7】 (式中、R5、R6、R7、R8は置換、無置換のアルキル
    基、アリール基又は芳香族複素環基を表し、R9は水素
    原子、置換、無置換のアルキル基、アリール基又は芳香
    族複素環基を表す。)
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JP2004252066A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Minolta Co Ltd 有機感光体
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WO2017187847A1 (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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