JP3687197B2 - 遠隔保守システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客の電子計算機システムと、これを遠隔から保守する複数の保守センタとからなり、該顧客の電子計算機システムには、例えば、サービスプロセッサ(SVP)が搭載されており、該サービスプロセッサ(SVP)には、複数の保守センタからなる遠隔保守センタと接続するための遠隔保守支援システムが装備され、上記複数の保守センタと接続するための接続番号セットアップ手段と、該セットアップされた接続番号に基づいて、対応する保守センタと接続できる手段とを備えた遠隔保守システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の遠隔保守システムを説明する図である。従来の遠隔保守システムでは、例えば、本図に示されているように、保守センタ 2は、ハードウェア保守センタ/ソフトウェア保守センタが共存化されており、該保守センタ 2は、単一のセンタシステムとしてしか存在しないものであった。
【0003】
即ち、従来は、顧客の電子計算機システムの数が少なかったこと、又、該顧客の電子計算機システムのハードウェア/ソフトウェア構成も、比較的に単純であり、オンライン化も未熟であり、該顧客の電子計算機システムで障害が発生した場合、顧客の保守者が電話回線で、障害情報を、保守センタ 2に通知し、保守センタ 2からの指示に基づいて、或いは、メーカから専門の保守者が顧客に出向いて障害処理を行うと言ったレベルの保守で対応しており、積極的に通信回線で接続して遠隔保守を行う必要性がなかった。
【0004】
又、保守センタ 2に接続されている顧客に対応した監視端末装置 3においては、障害情報を表示するのみで、顧客の電子計算機システムのハードウェア構成を表示すると言ったビジュアルな表示は行っていなかった。従って、保守者は、表示されている障害情報に基づいて、マニュアルを見て、障害箇所を特定する必要があった。
【0005】
又、類似の遠隔保守システムの技術として、特開平2−302840号公報「情報処理システムの保守診断装置」があり、該公報には、「障害情報にハードウェア障害とソフトウェア障害とを区別する情報を付加して保守センタに送信して、保守センタでは、該ハードウェア障害とソフトウェア障害とを区別する情報を判定して、該障害情報の種別に対応する通信制御手段に入力する」ことが示されており、ハードウェア用保守/ソフトウェア用保守を切り替えて遠隔保守することが示唆されており、ハードウェア用/ソフトウェア用の遠隔保守を区別する技術は存在していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、最近の顧客の電子計算機システムの大規模化と、多様化、複雑化と、オンライン化の普及と、該電子計算機システムの数の増大化に伴い、下記の問題が大きくなってきた。
【0007】
(1) 1か所の保守センタに対する回線設備の集中・増大化、障害箇所を特定する為の診断に、保守センタのデータベースを使用することから、上記一つの保守センタに回線が集中してくると、該データベースのアクセスの圧迫が起こり、保全性が欠如する。
(2) 保守センタ、監視端末装置でのハードウェア構成、ソフトウェア部品と障害箇所との対応関係の非ビジュアル化から、多様化、複雑化した電子計算機システムでの障害箇所の特定に時間が掛かり(例えば、マニュアル参照が必要等)、結果的に障害修復の遅延となる。
【0008】
従って、通信回線で障害情報を送信し、保守センタ、監視端末装置で、障害箇所がハードウェア構成中、ソフトウェア部品中の何処に存在するか等をビジュアルに表示する等して、タイムリーな保守ができることが要求されるようになってきた。
【0009】
本発明は上記従来の欠点に鑑み、保守センタ当たりの回線設備を縮小化し、データベースへのアクセスの圧迫を防止し、障害通報の確実性と保守性の向上化することができる遠隔保守システムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1〜図8は、本発明の一実施例を示した図であり、図1は、予め、選択されている保守センタに接続できないとき、他の保守センタに接続先の切り替える場合を示し、図2は、各保守センタに定期保守用の回線と、障害保守用の回線とを用意しておき、一つの回線に接続できないとき、他の回線に切り替える場合を示し、図3,図4は、ハードウェア障害が発生したとき、障害箇所をハードウェア構成図中にビジュアル表示する場合を示し、図5,図6は、ソフトウェア障害が発生したとき、障害プログラムを、ユーザの電子計算機システムにインストールされているプログラム一覧表中に、障害の発生したプログラムを表示する場合を示し、図7は、ソフトウェアの障害が発生し、ソフトウェア用保守センタで、ハードウェア障害に起因する障害であることが検知されたとき、ユーザの電子計算機システムにコールバック接続して、ハードウェアに起因した障害であることを通知する場合を示し、図8は、ハードウェア障害とソフトウェア障害が同時に発生した場合、ハードウェア保守センタとソフトウェア保守センタに、対応する障害情報を送信する場合を示している。上記の問題点は下記の如くに構成した遠隔保守システムによって解決される。
【0011】
(1) 顧客の電子計算機システムの保守支援装置{例えば、サービスプロセッサ(SVP) }1 に、複数の保守センタと接続できる手段(複数の保守センタの回線番号のセットアップ手段と、接続手段)10,11 と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2にハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、
前記ハードウェア用、又は、ソフトウェア用の、それぞれの複数の保守センタの何れかに選択的に接続する手段と、前記複数の保守センタの、予め、定められている保守センタに接続できないとき、他の保守センタに接続先を切り替える手段 (処理ステップ 100,101, 〜、201,202,〜) を備えるように構成する。(図1参照)
(2) 顧客の電子計算機システムの保守支援装置(SVP) 1 に、複数の保守センタと接続できる手段 10,11と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2にハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、
前記ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に、複数の定期保守用の回線▲1▼と、障害保守用の回線▲2▼との接続端子を備え、上記接続要因に基づいて、障害保守用の回線▲2▼→定期保守用の回線▲1▼→障害保守用の回線▲2▼に、巡回的に接続先を切り替える手段を備えるように構成する。(図2参照)
(3) 顧客の電子計算機システムの保守支援装置(SVP) 1 に、複数の保守センタと接続できる手段 10,11と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2にハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、
顧客の電子計算機システムにハードウェア障害が発生したとき、ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜に接続して、ハードウェアの障害情報▲3▼と、ハードウェアの構成情報▲4▼とを送信し、該ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜では、該ハードウェア用保守センタに接続されている顧客別の専用のハードウェア用保守監視端末装置 30 に、前記ハードウェアの障害情報▲3▼と、ハードウェアの構成情報▲4▼とを送信し、顧客の電子計算機システムのハードウェア構成図と障害箇所を、前記ハードウェア保守センタ 20,21, 〜と、前記ハードウェア用保守監視端末装置 30 で視覚的に表示する手段を備えるように構成する。(図3,図4参照)
(4) 顧客の電子計算機システムの保守支援装置(SVP) 1 に、複数の保守センタと接続できる手段 10,11と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2にハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、
顧客の電子計算機システムにソフトウェア障害が発生したとき、ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に接続して、ソフトウェアの障害情報▲5▼と、ソフトウェアの構成情報▲6▼とを、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に送信し、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜では、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に接続されている顧客別の専用のソフトウェア用保守監視端末装置 31 に、前記ソフトウェアの障害情報▲5▼と、ソフトウェアの構成情報▲6▼とを送信し、顧客の電子計算機システムのソフトウェア構成品と障害箇所を、前記ソフトウェア保守センタ 25,26, 〜と、前記ソフトウェア用保守監視端末装置 31 で視覚的に表示する手段を備えるように構成する。(図5,図6参照)
(5) 顧客の電子計算機システムの保守支援装置(SVP) 1 に、複数の保守センタと接続できる手段 10,11と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2にハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、
顧客の電子計算機システムにソフトウェアの障害が発生し、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に通知され、該通知された障害情報から、該ソフトウェア障害が、ハードウェアの障害に起因する障害と検知されたとき、顧客の電子計算機システムへコールバック接続▲7▼して、該顧客の電子計算機に、ハードウェアに起因した障害であることを通知する手段 (処理ステップ 300,301) を備え、
該顧客の電子計算機システムに、ハードウェア用保守センタ 20,21への接続指示と、障害に関する情報の転送▲8▼を行う手段を備えるように構成する。(図7参照)
(6) 顧客の電子計算機システムの保守支援装置(SVP) 1 に、複数の保守センタと接続できる手段 10,11と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2にハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、
顧客の電子計算機システムで、ハードウェア障害とソフトウェア障害の同時発生が検知されたとき、ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜に接続して、該ハードウェアの障害情報▲3▼とソフトウェアの障害情報▲5▼とを送信し、該ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜では、ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜への接続を行い、ソフトウェアの障害情報▲5▼を該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に転送する手段▲9▼を備えるように構成する。(図8参照)
即ち、本発明の遠隔保守システムでは、保守センタをハードウェア用とソフトウェア用に2分化されており、かつ、各保守センタには、例えば、サブセンタを設けて多重化する。これによって顧客の電子計算機システムに異常が発生した時、予め、定められている保守センタに接続するかを判断し、該指定のセンタに接続ができる。そして、例えば、メインの保守センタに接続ができない場合は、サブに切り替えて接続ができるようにしたものである。
又、保守センタ、各顧客に対応した保守監視端末装置については、その異常箇所がビジュアルに表示されることで瞬時の対応が可能となる。
【0012】
従って、1)ハードウェア用/ソフトウェア用に分割された保守センタを、多重化することで、一遠隔保守センタ当たりの回線設備を縮小化でき、該各保守センタ内に構築されているデータベースへのデータアクセスの圧迫を防止することができる。
【0013】
又、2)多重化されたサブセンタの設置と、各サブセンタへの切り替え手段を設けることで、障害通報の確実性、保全性の向上を図ることができるようになる。又、3)各顧客に対応した保守監視端末装置での障害箇所のビジュアル化、即ち、ハードウェア構成図中に、障害箇所を表示するとか、ソフトウェア部品の一覧表中に、障害の発生したソフトウェア部品を表示することで、障害に対するタイムリーな対応、保守者でのマニュアルレス化を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面によって詳述する。前述の図1〜図8が、本発明の一実施例を示した図である。
【0015】
本実施形態においては、顧客の電子計算機システムの保守支援装置{例えば、サービスプロセッサ(SVP) }1 に、複数の保守センタと接続できる手段(複数の保守センタの回線番号のセットアップ手段と、接続手段)10,11 を備え、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2にハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因(障害の発生)に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、前記ハードウェア用、又は、ソフトウェア用の、それぞれの複数の保守センタの何れかに選択的に接続する手段と、前記複数の保守センタの、予め、選択されている保守センタに接続できないとき、他の保守センタに接続先を切り替える手段、前記ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜とソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に、複数の定期保守用の回線▲1▼と、障害保守用の回線▲2▼との接続端子を備え、上記接続要因に基づいて、障害保守回線→定期保守回線→障害保守回線に、巡回的に接続先を切り替える手段、顧客の電子計算機システムにハードウェア障害が発生したとき、ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜に接続して、ハードウェアの障害情報▲3▼と、ハードウェアの構成情報▲4▼とを送信し、該ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜では、該ハードウェア用保守センタに接続されている顧客別の専用のハードウェア用保守監視端末装置 30 に、前記ハードウェアの障害情報▲3▼と、ハードウェアの構成情報▲4▼とを送信し、顧客の電子計算機システムのハードウェア構成図と障害箇所を、前記ハードウェア保守センタ 20,21, 〜と、前記ハードウェア用保守監視端末装置 30 で視覚的に表示する手段、顧客の電子計算機システムにソフトウェア障害が発生したとき、ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に接続して、ソフトウェアの障害情報▲5▼と、ソフトウェアの構成情報▲6▼とを、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に送信し、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜では、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に接続されている顧客別の専用のソフトウェア用保守監視端末装置 31 に、前記ソフトウェアの障害情報▲5▼と、ソフトウェアの構成情報▲6▼とを送信し、顧客の電子計算機システムのソフトウェア構成品と障害箇所を、前記ソフトウェア保守センタ 25,26, 〜と、前記ソフトウェア用保守監視端末装置 31 で視覚的に表示する手段、顧客の電子計算機システムにソフトウェアの障害が発生し、該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に通知され、該通知された障害情報から、該ソフトウェア障害が、ハードウェアの障害に起因する障害と検知されたとき、顧客の電子計算機システムへコールバック接続▲7▼して、該顧客の電子計算機に、ハードウェアに起因した障害であることを通知する手段、更に、顧客の電子計算機システムで、ハードウェア障害とソフトウェア障害の同時発生が検知されたとき、ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜に接続して、該ハードウェアの障害情報▲3▼、ハードウェアの構成情報▲4▼とソフトウェアの障害情報▲5▼、ソフトウェアの構成情報▲6▼とを送信し、該ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜では、ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜への接続を行い、ソフトウェアの障害情報▲5▼、ソフトウェアの構成情報▲6▼を該ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜に転送する手段▲9▼が、本実施形態に必要な手段である。尚、全図を通して同じ符号は同じ対象物を示している。
【0016】
以下、図1〜図8によって、本発明の遠隔保守システムの構成と動作を説明する。本実施形態では、ハードウェア用保守センタ,ソフトウェア用保守センタとして、主センタと副センタに二重化した例で説明するが、二重化に限定されるものではなく、一般的には、多重化して、各センタに、顧客の電子計算機システムを選択的に割り当てておいて、通常は、該割り当てられている保守センタと接続するようにしておき、該割り当てられている保守センタへの接続ができなかったとき、他の保守センタへ接続先を切り替えるようにしても良いことは言うまでもないことである。
【0017】
先ず、図1に示されているように、各顧客の電子計算機システムには、図示されているサービスプロセッサ(以下、SVPと言うことがある)1 が搭載されており、複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2との接続は、該SVP 1との間で行われるものとする。又、該複数の保守センタからなる遠隔保守センタ 2として、本実施形態では、前述のように、ハードウェア用保守センタ 20,21, 〜と、ソフトウェア用保守センタ 25,26, 〜とがあり、それぞれに、主センタ 20,25と副センタ 21,26とがあり、各顧客のSVP 1では、ハードウェア用保守センタ 20,21と、ソフトウェア用保守センタ 25,26の主センタと副センタとに接続することができるように、それぞれの接続先の接続番号 (通信回線番号/電話番号)をセットアップすることができるセットアップ手段 10 と、該接続先への接続手段 11 が備えられている。
【0018】
又、図2に示されているように、ハードウェア用保守センタ 20,21と、ソフトウェア用保守センタ 25,26の主センタ 20,25と副センタ 21,26には、定期保守用の回線▲1▼と、障害保守用の回線▲2▼の接続先番号を備えており、各顧客のSVP 1では、該定期保守用の回線▲1▼と、障害保守用の回線▲2▼の接続先番号をセットアップすることができる。
【0019】
又、図3(b) 、図5(b) に示されているように、各顧客の電子計算機システムで発生した障害情報として、例えば、16バイト(16桁)からなるハードウェアの障害情報▲3▼と、ソフトウェアの障害情報▲5▼とがあり、ハードウェアの障害情報▲3▼は、取り替え単位である機番番号と、エラーコード等からなり、ソフトウェアの障害情報▲5▼は、障害の発生したプログラムの種別情報 (ジョブ名) と、エラーメッセージと、エラーコード等からなり、該エラーコードには、ハードウェアのエラーを示すコードと、ソフトウェアのエラーを示すコードとからなっており、顧客のSVP 1や、各保守センタ 20,21, 〜,25,26, 〜で実行される診断プログラム等で、該障害情報を解析することで、該障害の元となる要因が、ハードウェア障害かソフトウェア障害を判別することができる。
【0020】
又、図3、図5に示されているように、各顧客からの障害情報等は、接続先の保守センタから、該顧客に対応したハードウェア用保守監視端末装置 30,ソフトウェア用保守監視端末装置 31 に送信できるように構成されており、各顧客専用の保守者に該障害情報等を表示することができる。
【0021】
上記の如くに構成されている本実施形態の遠隔保守システムでは、以下の動作を行う。
(1) 請求項1に対応する実施形態:
先ず、図1により説明すると、顧客の電子計算機システムのSVP 1で、ハードウェア用保守センタ 20,21とソフトウェア用保守センタ 25,26の接続先番号 (電話番号など) のセットアップ 10 を行い、顧客の電子計算機システムで接続要因(ハード要因とソフト要因)が発生した時、SVP 1はその接続要因をチェックし、ハードウェア用保守センタ 20,21、またはソフトウェア用保守センタ 25,26へ接続する。{図1の処理ステップ 100〜104,201 〜204 参照}
また、各ハードウェア用/ソフトウェア用の保守センタには、副センタ 21,26が存在し、主センタ 20,25が接続できない場合(例えば、システム停止、回線ビジーなど)、副センタ 21,26へ切り替えて接続する。このように主/副(更には、多重化)センタで構成することで、各保守センタ当たりの通信回線数を削減することができると共に、該主/副センタの何れかに接続して、接続できなかったとき、他の保守センタに接続先を切り替えることで、障害情報の通知の確実性、保守性の向上を図ることができる。
【0022】
(2) 請求項2に対応する実施形態:
図2により説明すると、ハードウェア用/ソフトウェア用の各保守センタには、定期接続(時刻による接続など)用の定期保守用の回線▲1▼と、障害保守用の回線▲2▼を用意し、SVP 1には、その回線情報のセットアップ 10 を可能とし、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因を認識することで、接続先を決定し、接続する。もしも、主センタ 20,25への接続が失敗した場合、その接続要因に該当する他の保守センタへ接続を切り替える。このとき、図2(b1),(b2) に示したような巡回的な切り替え制御を行う。
【0023】
即ち、図2(b1)では、定期保守の場合を示しており、主センタ 20 の定期保守用の回線▲1▼に接続要求を行い、接続できなかった場合には、n分(n=1〜4)のインターバル期間をとって、副センタ 21 の定期保守用の回線▲1▼に接続替えを行い、ここでも、接続できなかったときには、直ちに、主センタ 20 の定期保守用の回線▲1▼に接続要求を行うように、巡回的な接続先の切り替えを行う。
【0024】
図2(b2)は、障害保守の場合を示しており、例えば、主センタ 20 の障害保守用の回線▲2▼に接続要求を行い、接続できなかった場合には、n分のインターバル期間をとって、主センタ 20 の定期保守用の回線▲1▼に接続替えを行い、ここでも、接続できなかったときには、副センタ 21 の障害保守用の回線▲2▼に接続要求を行い、更に、接続できなかった場合には、n分のインターバル期間をとって、副センタ 21 の定期保守用の回線▲1▼に接続替えを行い、ここでも、接続できなかった場合には、即、主センタ 20 の障害保守用の回線▲2▼への接続替えを行うように、巡回的な接続先の切り替えを行う。
【0025】
このように構成することで、定期保守/障害保守の何れの場合でも、遠隔保守センタ 2への障害情報の通知の確実性が向上し、保守性の向上を図ることができる。
【0026】
(3) 請求項3に対応する実施形態:
図3, 図4により説明すると、先ず、図3(a) に示されているように、Aユーザでハードウェア障害が発生した時、AユーザのSVP 1はハードウェア用保守センタ 20 に接続し、ハードウェアエラー情報▲3▼とハードウェアの構成情報▲4▼を、ハードウェア用保守センタ 20 へ送信する。
【0027】
次に、ハードウェア用保守センタ 20 は、Aユーザのハードウェア保守員が監視するハードウェア用保守監視端末装置 30 へハードウェアエラー情報▲3▼とハードウェアの構成情報▲4▼を送信する。このときの上記ハードウェアエラー情報▲3▼は、図3(b) に示されたようなフォーマットで構成されているので、上記ハードウェアの構成情報▲4▼に基づいて、図4に示されているように表示されたAユーザのハードウェア構成図において、取り替え単位である機番情報に対応したハードウェアを指示 (塗り潰し三角形で示す) することができる。
【0028】
即ち、該ハードウェア用保守監視端末装置 30 はハードウェアエラー情報▲3▼とハードウェアの構成情報▲4▼から、図4の例のようなハード構成図の表示とエラー箇所(上記塗り潰し三角形で示した箇所)を、例えば、高輝度および点滅表示を行い、Aユーザの保守員に対して、ハードウェア障害が発生した旨を報告する。このような、ハードウェア用保守監視端末装置 30 での障害情報のジュアル表示を行うことで、Aユーザの保守者は、従来のように、マニュアルを見ることなく、即、障害を起こしている取り替え単位を認識することができ、障害に対する早急な対応を図ることができるようになる。
【0029】
(4) 請求項4に対応する実施形態:
図5,図6により説明すると、先ず、図5(a) に示されているように、Aユーザでソフトウェア障害が発生した時、AユーザのSVP 1は、ソフトウェア用保守センタ 25 に接続し、ソフトウェアの障害情報▲5▼とソフトウェアの構成情報▲6▼をソフトウェア用保守センタ 25 へ送信する。このときの上記ソフトウェアの障害情報▲5▼は、図5(b) に示されたようなフォーマットで構成されているので、上記ソフトウェアの構成情報▲4▼に基づいて、図6に示されているように表示されたAユーザのソフトウェア構成一覧表において、障害の発生したソフトウェアの位置、相互関連 (分岐、結合) を指示(図示の★印で示す)することができる。
【0030】
次に、ソフトウェア用保守センタ 25 は、Aユーザのソフトウェア保守員が監視するソフトウェア用保守監視端末装置 31 へ、上記ソフトウェアの障害情報▲5▼とソフトウェアの構成情報▲6▼を送信し、図6の例のようにエラーの発生したソフトウェア名と版数を表示するとともに、Aユーザにインストールされているプログラム名とその版数およびプログラム間の関連性の有無を表示することができる。これによって、ソフトウェア障害の発生が、プログラムの単一の問題か、複合的な問題かを認識することができる。図6では、★印で示したプログラムが相互に関連したプログラムであることを示している。
【0031】
(5) 請求項5に対応する実施形態:
図7により説明すると、Aユーザで間欠的なハードウェア障害により、ソフトウェアの「APPL−1」が異常状態となった場合、オペレーティングシステム(OS)がSVP 1に対して、ソフトウェア異常を報告する。SVP 1はソフトウェア用保守センタ 25 へ接続し、ソフトウェアの障害に関する情報を送信した後に、回線を切断する。次にソフトウェア用保守センタ 25 は、送信されてきた障害に関する情報を解析して、ハードウェア起因による障害かどうかをチェックし、ハードウェア起因によるものと判定した時、Aユーザに対してコールバック接続▲7▼し、AユーザのSVP 1にハードウェア用保守センタ 20 へ接続するように指示を出し、回線を切断する。次にSVP 1はハードウェア用保守センタ 20 へ接続し、ハードウェアエラー情報▲3▼、ハードウェアの構成情報▲4▼を転送▲8▼する。
【0032】
このように構成することで、一見してソフトウェア障害に見える場合でも、ハードウェア障害が起因していることが検出された場合には、即、ハードウェア用保守センタ 20 に接続替えを行うことができ、Aユーザに対応した保守者に、適切な障害情報を表示することができ、保守性の向上を図ることができる。
【0033】
(6) 請求項6に対応する実施形態:
図8により説明すると、Aユーザでハードウェア障害とソフトウェア障害が同時に発生した時、SVP 1はハードウェア用保守センタ 20 へ接続し、ハードウェアの障害情報▲3▼、ハードウェアの構成情報▲4▼とソフトウェアの障害情報▲5▼、ソフトウェアの構成情報▲6▼を送信する。ハードウェア用保守センタ 20 は、ハードウェアの障害情報▲3▼、ハードウェアの構成情報▲4▼を受信すると自センタに登録し、ソフトウェアの障害情報▲5▼、ソフトウェアの構成情報▲6▼を受信した時は、ソフトウェア保守センタ 25 へ接続し、上記ソフトウェア障害に関する情報(ソフトウェアの障害情報▲5▼、ソフトウェアの構成情報▲6▼)を転送▲9▼する。
【0034】
このように構成することで、対応した保守センタに、適切な障害情報を送信し、対応したAユーザのハードウェア用の保守監視端末装置 30,ソフトウェア用の保守監視端末装置 31 に、該障害情報を表示することができ、保守性の向上を図ることができる。
【0035】
このように、本発明による遠隔保守システムは、顧客の電子計算機システムの保守支援装置(SVP)に、複数の保守センタと接続できる手段と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタにハードウェア用保守センタとソフトウェア用保守センタとを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、前記ハードウェア用、又は、ソフトウェア用の、それぞれの複数の保守センタの何れかに選択的に接続する手段と、前記複数の保守センタの、予め、選択されている保守センタに接続できないとき、他の保守センタに接続先を切り替える手段を備える。又、前記それぞれの保守センタに、定期保守用の回線▲1▼と、障害保守用の回線▲2▼との接続端子を備え、上記接続要因に基づいて、障害保守用の回線▲2▼→定期保守用の回線▲1▼に、巡回的に接続先を切り替える手段を備える。又、顧客の電子計算機システムにハードウェア障害が発生したとき、ハードウェア用保守センタに接続して、ハードウェアの障害情報▲3▼と、ハードウェアの構成情報▲4▼とを送信し、ハードウェア用保守センタでは、該ハードウェア用保守センタに接続されている顧客別の専用のハードウェア用保守監視端末装置に、上記ハードウェアの障害情報▲3▼と、ハードウェアの構成情報▲4▼とを送信し、顧客の電子計算機システムの構成図と障害箇所を視覚的に表示する。又、ソフトウェア障害情報▲5▼を解析して、ハードウェア障害に起因していることが検知されたときには、ソフトウェア用保守センタは、SVPにコールバック接続▲7▼して、ハードウェア用保守センタにハードウェア障害情報▲3▼、ハードウェアの構成情報▲4▼を転送して、ハードウェア障害をビジュアルに表示する。更に、ハードウェア障害とソフトウェア障害とが同時に発生したときには、ハードウェア用保守センタが受信した障害情報を切り分けて、ハードウェアの障害情報▲3▼、ハードウェアの構成情報▲4▼は、ハードウェア用保守センタに登録し、ソフトウェアの障害情報▲5▼、ソフトウェアの構成情報▲6▼は、ソフトウェア用保守センタに転送するようにしたところに特徴がある。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、1)複数の保守センタからなる遠隔保守センタにおいて、ハードウェア用/ソフトウェア用に分割された保守センタを、多重化することで、一保守センタ当たりの回線設備を縮小化でき、該保守センタ内に構築されているデータベースへのデータアクセスの圧迫を防止することができる。
【0037】
又、2)多重化されたサブセンタの設置と、各サブセンタへの切り替え手段を設けることで、障害通報の確実性、保全性の向上を図ることができるようになる。又、3)各顧客に対応した保守監視端末装置でのビジュアル化、即ち、ハードウェア構成図中に、障害箇所を表示するとか、ソフトウェア部品の一覧表中に、障害の発生したソフトウェア部品を表示することで、障害に対するタイムリーな対応、保守者でのマニュアルレス化を図ることができる。
【0038】
又、ハードウェア/ソフトウェア障害情報を、きり分けて、対応した保守センタに転送されるので、各保守監視監視端末装置に、適切な障害情報を表示することができ、保守性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した図(その1)
【図2】本発明の一実施例を示した図(その2)
【図3】本発明の一実施例を示した図(その3)
【図4】本発明の一実施例を示した図(その4)
【図5】本発明の一実施例を示した図(その5)
【図6】本発明の一実施例を示した図(その6)
【図7】本発明の一実施例を示した図(その7)
【図8】本発明の一実施例を示した図(その8)
【図9】従来の遠隔保守システムを説明する図
【符号の説明】
1 サービスプロセッサ(SVP) 、保守支援装置(SVP)
10 セットアップ手段、セットアップ
11 接続手段
2 遠隔保守センタ、保守センタ
20,21,〜 ハードウェア用保守センタ
25,26,〜 ソフトウェア用保守センタ
20,25 主センタ 21,26 副センタ
3 保守監視端末装置
30 ハードウェア用保守監視端末装置
31 ソフトウェア用保守監視端末装置
▲1▼ 定期保守用の回線
▲2▼ 障害保守用の回線
▲3▼ ハードウェアエラー情報、ハードウェアの障害情報
▲4▼ ハードウェアの構成情報
▲5▼ ソフトウェアエラー情報、ソフトウェアの障害情報
▲6▼ ソフトウェアの構成情報
▲7▼ コールバック接続
▲8▼ ハードウェア用保守センタへの接続と転送する手段
▲9▼ ソフトウェア用保守センタへの接続と転送する手段
100 〜104,201 〜 204,300,301 処理ステップ

Claims (3)

  1. 顧客の電子計算機システムの保守支援装置に、複数の保守センタと接続出来る手段と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタにハードウェア用保守センタとソフトウェア用保守センタとを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて、ハードウェア用保守センタかソフトウェア用保守センタかいずれかの接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、
    前記複数のハードウェア用保守センタと複数のソフトウェア用保守センタは、それぞれ定期保守用の回線と、障害保守用の回線との接続端子を備え、
    上記接続要因に基づいて、選択的に切り替えられたハードウェア用保守センタかソフトウェア用保守センタいずれかの前記複数の障害保守回線と前記複数の定期保守回線への接続を巡回的に切り替える手段を備えたことを特徴とする遠隔保守システム。
  2. 顧客の電子計算機システムの保守支援装置に、複数の保守センタと接続出来る手段と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタにハードウェア用保守センタとソフトウェア用保守センタとを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、 顧客の電子計算機システムにソフトウェアの障害が発生し、該ソフトウェア用保守センタに通知され、該通知された障害情報から、該ソフトウェア障害がハードウェアの障害に起因する障害と検知されたとき、顧客の電子計算機システムへコールバック接続して、該顧客の電子計算機に、ハードウェアに起因した障害であることを通知する手段を備え、
    該顧客の電子計算機システムに、ハードウェア用保守センタへの接続指示を行う手段を備えたことを特徴とする遠隔保守システム。
  3. 顧客の電子計算機システムの保守支援装置に、複数の保守センタと接続出来る手段と、複数の保守センタからなる遠隔保守センタにハードウェア用保守センタとソフトウェア用保守センタとを備え、顧客の電子計算機システムで発生した接続要因に基づいて接続先を選択的に切り替える手段を備えた遠隔保守システムであって、 顧客の電子計算機システムで、ハードウェア障害とソフトウェア障害の同時発生が検知されたとき、ハードウェア用保守センタに接続して、該ハードウェア障害情報とソフトウェア障害情報とを送信し、該ハードウェア用保守センタでは、ソフトウェア用保守センタへの接続を行い、ソフトウェア障害情報を該ソフトウェア用保守センタに送信する手段を備えたことを特徴とする遠隔保守システム。
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