JP3685865B2 - ポリオレフィン系樹脂成形品用塗装性改良剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂成形品用塗装性改良剤に関する。さらに詳しくは、自動車・家電部品などの成形品の塗装において、脱脂工程、プライマーを必ずしも必要とせず、静電塗装可能なポリオレフィン系樹脂成形品用塗装性改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムからなるポリマーブレンド物やオレフィン系熱可塑性エラストマーが、家電部品や自動車のインストルメントパネル、バンパー等の内装、外装材などに広く用いられてきている。
これらのポリオレフィン系樹脂から得られる成形品は、分子内に極性基を持たず、化学的に不活性であるため、極めて塗装性に劣り、塗装が必要な場合には何らかの表面改質を行う必要がある。一般に、これらの成形品塗装は、トリクロロエタン等の含ハロゲン系有機溶剤等の溶剤・蒸気洗浄処理による脱脂を行い、次にプライマーを塗り、さらに上塗り塗料を塗って焼付けする行程が取られている。しかし、含ハロゲン系有機溶剤は、オゾン層破壊等の環境破壊の要因となるため、含ハロゲン系有機溶剤を用いない材料が求められており、また、塗装工程の省力化・低コスト化のため、汎用エンプラ類と同じようにプライマーを必要としない材料が要請されてきている。
【0003】
通常、プライマーおよび上塗り塗料はエアスプレーで塗装されるが、塗着効率(スプレーした塗料の被塗物にのる割合)が低いため、塗着効率の良い静電塗装が望まれる。しかしながら、静電塗装するためには被塗物が導電体(表面抵抗値で1010Ω以下)である必要があり、プラスチックやガラス等の不導電体に静電塗装を行う場合はあらかじめ導電剤や導電プライマーを塗布または塗装して不導電体を導電状態にしてから静電塗装を行う必要がある。一般に導電プライマーとして使用される導電カーボンは高価な材料であるため、塗着効率を良くしたコストメリットは生まれず、現状では普及率は低い。
【0004】
これらの問題を解決する方法として、たとえば、特開平7−247376号公報には樹脂成形体の導電性改良方法として炭素数2〜6のアルキレンオキシド誘導体を樹脂成形体原料に練り込み、その混練物を成形し、得られた成形体の表面をコロナ放電処理する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では導電性改良剤に低分子量界面活性剤を使用しているため、塗装前の脱脂工程で水洗処理等を行うと洗い落ちてしまい目標の表面固有抵抗値は付与できない場合が多い。また、たとえ塗装できたとしても、塗装後、塗膜表面に帯電防止剤がブリードアウトするため、ブリスター(表面荒れ)の原因となり、実質的に使用困難である。
そこで、本発明では、上記問題点を解消し、脱脂工程、プライマーを必要とせず、成形後すぐに塗装でき、さらに、静電塗装可能なポリオレフィン系樹脂成形品用塗装性改良剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するポリエーテルエステルアミド、ポリアミドおよび/またはポリエステル樹脂および水酸基変性低分子量ポリオレフィンからなる樹脂組成物をポリオレフィン系樹脂に添加することによって達成できることを見い出した。
【0007】
すなわち本発明は、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量200〜5,000のポリアミド(a1)と数平均分子量300〜5,000のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物(a2)から誘導される芳香環含有ポリエーテルエステルアミド(A)を30〜90重量%、ポリアミド樹脂および/またはポリエステル樹脂(B)を5〜30重量%および数平均分子量800〜25,000であり、水酸基価5〜150の変性低分子量ポリオレフィン(C)を5〜40重量%含有するポリオレフィン系樹脂成形品用塗装性改良剤;並びに、該塗装性改良剤とポリオレフィン系樹脂(E)からなる塗装性の改良されたポリオレフィン系樹脂成形品を、静電塗装してなる塗装成形品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において芳香環含有ポリエーテルエステルアミド(A)を構成する両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1)は、(1)ラクタム開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体もしくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体であり、(1)のラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム等が挙げられる。(2)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸等が挙げられ、またジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。上記アミド形成性モノマーとして例示したものは二種以上使用してもよい。これらのうち好ましいものは、カプロラクタム、12−アミノドデカン酸、およびアジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ましいものは、カプロラクタムである。
【0009】
(a1)は、炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調整剤として使用し、これの存在下に上記アミド形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。炭素数4〜20のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウム、3−スルホイソフタル酸カリウム等の3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩が挙げられ、これらのうち好ましいものは脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩であり、特に好ましいものはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
【0010】
上記(a1)の数平均分子量は、200〜5,000、好ましくは500〜3,000である。(a1)の数平均分子量が200未満ではポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、5,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。
【0011】
(A)を構成するもう一方の成分であるビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物(a2)のビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが挙げられ、これらのうち特に好ましいものはビスフェノールAである。また(a2)のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−もしくは1,4−ブチレンオキシドおよびこれらの二種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはエチレンオキシドである。
【0012】
上記(a2)の数平均分子量は、通常300〜5,000、好ましくは1,000〜3,000、特に好ましくは1,600〜3,000である。数平均分子量が300未満では帯電防止性能が劣り、5,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。
【0013】
(A)中の(a2)の量は、前記(a1)と(a2)の合計重量に基づいて通常20〜80重量%、好ましくは25〜75重量%の範囲である。(a2)の量が20重量%未満では帯電防止性能が劣り、80重量%を超えると(A)自体の耐熱性が低下するために好ましくない。
【0014】
(A)の製法は特に限定されないが、例えば下記製法▲1▼または製法▲2▼を例示することができる。
製法▲1▼:アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸を反応させて(a1)を形成せしめ、これに(a2)を加えて、高温、減圧下で重合反応を行う方法。
製法▲2▼:アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸と(a2)を同時に反応槽に仕込み、水の存在下または非存在下に、高温で加圧反応させることによって中間体として(a1)を生成させ、その後減圧下で(a1)と(a2)との重合反応を行う方法。
【0015】
また、上記の重合反応には、通常、公知のエステル化触媒が使用される。該触媒としては、例えば三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブチルスズオキシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタネートなどのチタン系触媒、テトラブチルジルコネートなどのジルコニウム系触媒、酢酸亜鉛などの酢酸金属塩系触媒などが挙げられる。これらの使用量は、(a1)と(a2)の合計重量に対して通常0.1〜5重量%である。
【0016】
(A)の還元粘度(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)は特に制限はないが、通常0.5〜4.0、好ましくは0.6〜3.0である。還元粘度が0.5未満では耐熱性が悪く、4.0を超えると成形性が低下することがある。
【0017】
本発明の塗装性改良剤中の(A)の量は、通常30〜90重量%、好ましくは50〜90重量%である。30重量%未満では改良したポリオレフィン系樹脂成形品の表面固有抵抗が高くなるため、静電塗装性が低下し、90重量%を超えると機械的強度が低下する。
【0018】
本発明においてポリアミド樹脂および/またはポリエステル樹脂(B)としては、ラクタムの開環重合体、アミノカルボン酸の重縮合体もしくはジカルボン酸とジアミンの重縮合体、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル等が挙げられる。具体的な例としては、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン6/66/12などの共重合ポリアミド類、また、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸とメタキシレンジアミンまたは脂肪族ジアミンから得られる芳香族含有ポリアミド類、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等が挙げられる。これらのうち特に好ましいのはナイロン66、ナイロン6、ナイロン12およびポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートである。
【0019】
ポリアミド樹脂の還元粘度(ηSP/C、97%硫酸、濃度1g/100ml、30℃)は通常0.8〜5、好ましくは1〜4である。0.8未満では耐熱性が悪く、5を超えると成形性が低下することがある。
【0020】
ポリエステル樹脂の固有粘度( [η] 、オルトクロロフェノール0.5%溶液中、25℃)は特に制限はないが、通常0.1〜4である。
【0021】
本発明の塗装性改良剤中の(B)の量は、通常5〜30重量%、好ましくは10〜30重量%である。(B)の量が5重量%未満では改良したポリオレフィン系樹脂成形品の帯電防止性が不十分となり、30重量%を超えるとポリオレフィンとの相溶性が悪くなるため、機械的強度が低下する。
【0022】
本発明において、変性低分子量ポリオレフィン(C)は、数平均分子量800〜25,000、水酸基価5〜150の変性低分子量ポリオレフィンであり、具体的な例としては、水酸基含有ポリプロピレン、水酸基含有ポリエチレン、水酸基含有水素添加ポリブタジエン、水酸基含有水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
【0023】
本発明における変性低分子量ポリオレフィン(C)のうち、特に好ましいものは、熱減成法によって得られる数平均分子量700〜20,000の低分子量ポリオレフィンと、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその無水物を、必要により有機パーオキサイドの存在下、溶液法または溶融法のいずれかの方法で反応させて得られる不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン(C1)に、
一般式 H2N−R−OH
(式中Rは炭素数18以下のアルキレン基、アリレーン基またはアラルキレン基を示す。)にて表されるアミノアルコールを反応させた水酸基変性ポリオレフィンである。低分子量ポリオレフィンのうち、変性のしやすさから、熱減成法によって得られる低分子量ポリプロピレンが好ましい。熱減成法による低分子量ポリプロピレンは、例えば特開平3−62804号公報記載の方法に準じて得ることができる。
【0024】
ここで不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン(C1)に使用されるα,β−不飽和カルボン酸および/またはその無水物としては、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸および無水シトラコン酸等が挙げられる。これらのうち好ましいものは(無水)マレイン酸である。変性時に使用するこれらの量は、低分子量ポリプロピレンの重量に基づき通常1〜25重量%、好ましくは3〜20重量%である。上記の方法によって得られる不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン(C1)の数平均分子量は、通常800〜25,000、好ましくは1,000〜20,000である。数平均分子量が800未満では耐熱性が悪く、25,000を超えると相溶化剤としての効果が乏しくなり、改良したポリオレフィン系樹脂成形品の機械特性が低下する。また、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン(C1)の酸価は、通常5〜150、好ましくは10〜100である。酸価が5未満では相溶化剤としての効果が乏しく、150を超えると色相が悪化するため、成形品の着色の原因となる。
【0025】
ついで、この不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン(C1)に、一般式
H2N−R−OH
(式中Rは炭素数18以下のアルキレン基、アリレーン基またはアラルキレン基を示す。)にて表されるアミノアルコールを反応させることにより、水酸基変性ポリオレフィンを得ることができる。
アミノアルコールとしては、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、アミノフェノール、アミノクレゾール、アミノベンジルアルコール、アミノフェニルエチルアルコール、アミノナフトール等が挙げられる。(C)の水酸基価は、5〜150、好ましくは10〜100である。
【0026】
本発明の塗装性改良剤中の(C)の量は、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。(C)の量が5重量%未満では表面改質効果が不充分で、良好な塗装性は発現せず、40重量%を超えると塗装性は良好であるが成形品の機械的強度が低下する。
【0027】
本発明の塗装性改良剤中の(D)は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属塩であり、帯電防止性をさらに向上させる目的で加えられる。(D)としては、有機酸、無機酸、ハロゲン化物などのアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属塩などがあり、酢酸リチウム、酢酸カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、過塩素酸カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、チオシアン酸カリウムなどを挙げることができる。これらのうち好ましいものは塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび酢酸カリウムである。
【0028】
(D)の使用量は、(A)に対して通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。0.01重量%未満では効果が発現せず、5重量%を超えると塗装後、ブリスターの原因となり、成形品の外観を損ねることがあり好ましくない。
【0029】
(D)を添加する方法については特に限定はないが、塗装性改良剤中への効果的な分散のさせ易さから、ポリエーテルエステルアミド(A)中に予め分散させておくことが好ましい。(A)中へ(D)を分散させる場合、(A)の重合時に(D)を予め添加し分散させておく方法が特に好ましい。
【0030】
本発明においてポリオレフィン系樹脂(E)としては、特に制限されることはないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、プロピレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/プロピレン/α−オレフィン共重合体等が挙げられる。具体例として、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体およびそれらの混合物が挙げられる。
非共役ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等を挙げることができる。
(E)のメルトフローレート(MFR)は、特に限定されないが、通常0.5〜150、好ましくは1〜100である。メルトフローレートは、JIS K6758(温度230℃、荷重2.16kgf)に準じて測定することができる。ここで、各成分の含量は、赤外吸収スペクトル分析や核磁気共鳴スペクトル分析などにより測定される値である。
【0031】
本発明の塗装性改良剤は樹脂成形品の塗装性及び成形品の機械的強度の観点から、ポリオレフィン系樹脂成形品100重量%に対して、(A)が5〜40重量%、(B)が1〜20重量%、(C)が1〜20重量%含有するのが好ましい。
【0032】
本発明の塗装性改良剤にブリスターを引き起こさない程度で公知の非イオン性、アニオン性、カチオン性もしくは両性の界面活性剤(F)を含有させ、帯電防止性を一層向上させてもよい。これらのうち好ましいものはアニオン性界面活性剤であり、特に好ましいものは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類である。
【0033】
(F)の使用量は、(A)〜(E)の合計重量に対して通常0.1〜5重量%、好ましくは0.4〜2重量%である。5重量%を超えると塗装後、ブリスターの原因となり、成形品の外観を損ねたり、機械的強度が低下したりするので好ましくない。
【0034】
(F)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂成形品中へ効果的に分散させるためには、(A)中または(E)中に予め分散させておくことが好ましい。
【0035】
本発明の塗装性改良剤により塗装性の改良されたポリオレフィン系樹脂成形品の成形加工法については特に限定されず、通常は公知の各種混合機を用いて各成分を混練した後、射出成形、押出成形、真空成形、ブロー成形、プレス成形などの公知の成形法によって得ることができる。混合機としては例えば一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ニーダーおよびバンバリーミキサーなどが挙げられる。
【0036】
混練時の各成分の添加順序については特に限定はないが、例えば、▲1▼(A)〜(E)を一括でブレンドし混練する方法、▲2▼少量の(E)と、(A)〜(D)をブレンド、混練した後、残りの(E)を混練する方法、▲3▼(A)〜(D)を予めブレンド、混練した後、(E)を混練する方法等が挙げられる。上記▲2▼および▲3▼の方法ははマスターバッチまたはマスターペレットと呼ばれる方法である。これらのうちでは、分散性が良く、機械的強度に優れる樹脂成形品が得られる点で▲2▼の方法が特に好ましい。
【0037】
本発明の樹脂改質剤および/または改良された樹脂成形品には必要に応じ、該成形品の特性を阻害しない範囲で公知の他の樹脂用添加剤を任意に添加することができる。該添加剤としては、顔料、染料、充填剤、核剤、ガラス繊維、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0038】
本発明の塗装性改良剤により塗装性の改良されたポリオレフィン系樹脂成形品の用途としては自動車内外装部品、家電加飾部品、雑貨加飾部品等が挙げられる。自動車内外装部品としては、バンパー、マッドフラップ、スプラッシュシールド、エアダムスカート、サイドモール、ウェザーストリップ、インストルメントパネル、セーフティーパッド、ピラー類、コンソールボックス、ホーンパッド、アシストグリップ、ラジオパネル、ハンドル等に使用できる。これらの部品において、既存塗装工程のうち、含ハロゲン系有機溶剤等による脱脂処理、塗装性改良のためのプライマー処理を省いて、すぐに塗装でき、さらに静電塗装可能であるとともに、機械的強度に優れたポリオレフィン系樹脂成形品を提供することができる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の「部」は重量部、「%」は重量%を示す。最終的に得られた組成物は射出成形法によって成形した後、下記の試験法に基づいて諸物性を測定した。
(1)アイゾット衝撃強度 :ASTM D256に準拠。
(2)曲げ弾性率 :ASTM D790に準拠。
(3)表面固有抵抗値:射出成形した厚さ3mmの円盤状試験片を用い、超絶縁計(アドバンテスト製)により23℃、湿度50%RH雰囲気下で測定した。
(4)相溶性 :成形品を折り曲げ、その破断面を観察することによって評価した。
評価基準 ○;良好、×;相溶性悪く層状剥離
(5)塗装試験 :試験片をアースし、空気流併用静電霧化静電塗装機(日本ランズバーグ(株)製ターボニア−Gミニベル型自動静電塗装装置)で静電塗装を行った(印加電圧=−90KV、吐出量=100cc/分、回転数=24,000rpm、霧化頭径=70mm、2液硬化型アクリルウレタン樹脂塗料を使用)。塗装板を80℃で2時間、焼き付け処理した後、以下の試験を行った。
一次密着性;塗装板の塗膜面についてJIS K5400のゴバン目セロテープ試験を行った。
耐水性;塗装板を50℃の温水に240時間浸漬後、ゴバン目セロテープ試験を行った。
180°剥離強度;試験片を2cmの幅に切断して引張り試験機で測定した。
塗着効率;以下の式に従って求めた。
塗着効率(%)=(試験片の塗装後重量−試験片の塗装前重量)×100÷(吐出した塗料の絶乾重量)
【0040】
[芳香環含有ポリエーテルエステルアミド(A)の製造]
製造例1
3Lステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム83.5部、数平均分子量2,000のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物192部、テレフタル酸16.5部、「イルガノックス1010」(酸化防止剤 チバガイキー社製)0.3部、酢酸ジルコニル0.5部、水7部および塩化カリウム2部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱攪拌し均質溶液とした後、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレタイズすることによってポリエーテルエステルアミドを得た。このものの還元粘度(ηSP/C、m−クレゾール溶媒、25℃、C=0.5重量%、以下同様)は2.10であった。このポリエーテルエステルアミドを以下[A−1]と略記する。
【0041】
[比較のポリエーテルエステルアミドの製造]
製造例2
3Lステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム105部、アジピン酸17.1部、「イルガノックス1010」0.3部および水6部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱攪拌し、両末端にカルボキシル基を有する酸価110のポリアミドオリゴマーを117部得た。次に数平均分子量1,500のポリオキシエチレングリコール175部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘稠なポリマーを得た。
以下、製造例1と同様な操作を行い、ポリエーテルエステルアミドを得た。このものの相対粘度は2.30であった。このポリエーテルエステルアミドを以下[A−2]と略記する。
【0042】
[変性低分子量ポリオレフィンの製造]
製造例3
熱減成して得られた数平均分子量12,000、密度0.89の低分子量ポリプロピレン95部と無水マレイン酸5部を窒素気流下180℃で溶融し、ついでこれにジクミルパーオキサイド1.5部を溶かしたキシレン50%溶液を15分かけて滴下し、その後1時間反応を行った後、溶剤を留去して酸変性低分子量ポリプロピレンを得た。このものの酸価は25.7、数平均分子量は15,000であった。この変性物を以下[C−12]と略記する。
【0043】
製造例4
製造例3で得られた酸変性低分子量ポリプロピレン[C−12]95部をキシレン100部に窒素気流下120℃で溶解し、ついでこれにモノエタノールアミン5部を15分かけて滴下し、その後1時間反応を行った後、溶剤および未反応のモノエタノールアミンを留去して水酸基を有する変性低分子量ポリプロピレンを得た。このものの水酸基価は25.2であり、数平均分子量は16,000であった。この変性物を以下[C−11]と略記する。
【0044】
製造例5
製造例3で得られた酸変性低分子量ポリプロピレン[C−12]95部とラウリルアルコールのエチレンオキサイド24モル付加物50部を窒素気流下180℃で溶融し、ついで10mmHgの減圧下で5時間エステル化反応を行って、ポリオキシアルキレン変性低分子量ポリプロピレンを得た。このものの水酸基価は0.5であり、数平均分子量は18,000であった。またNMRによる分析から、エステル化反応が定量的に行えていることを確認した。この変性物を以下[C−13]と略記する。
【0045】
製造例6
表1に示す割合の(A)〜(C)および(E)をヘンシェルミキサーにて3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、230℃、30rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練しマスターバッチ(M−1)、(M−2)を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
(注)
[B−1]:ナイロン6(UBEナイロン6 1013B、宇部興産(株)製)
[B−2]:ポリブチレンテレフタレート(ジュラネックス2000、ポリプラスチックス(株)製)
[E−1]:ポリプロピレン(UBEポリプロCJ207、宇部興産(株)製)
【0048】
製造例7〜9
製造例6で得たマスターバッチ(M−1)、(M−2)とポリオレフィン系樹脂[E−1]を製造例6と同様の条件でブレンド、混練した。該マスターバッチを経由した組成物の(A)〜(E)各成分の最終割合を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
(注)[D−1]:塩化カリウム(ポリエーテルエステルアミド製造時に添加)
(金属塩(D)の割合は(A)に対する割合)
【0051】
製造例10〜17
表3に示す割合の(A)〜(E)を、製造例6と同様の条件でブレンド、混練し、塗装性改良剤含有ポリオレフィン系樹脂組成物および比較の組成物を得た。
【0052】
【表3】
【0053】
製造例18〜19
表4に示す割合の(A)〜(F)を、製造例6と同様の条件でブレンド、混練し、塗装性改良剤含有ポリオレフィン系樹脂組成物および比較の組成物を得た。
【0054】
【表4】
【0055】
(注)[F−1]:ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(ブレンド時に添加)
[F−2]:モノステアリン酸グリセリン(混練時に添加)
(界面活性剤(F)の割合は(A)〜(E)の合計重量に対する割合)
【0056】
実施例1〜5、比較例1〜8
性能試験
製造例7〜10、18および11〜17、19の組成物を射出成形機を用い、シリンダー温度230℃、金型温度60℃で成形して(実施例1〜5および比較例1〜8)試験片を作成し、機械特性、帯電防止性および塗装性を評価した。その結果を表5に示す。
なお、表面固有抵抗値は、以下の処理の後、測定した。
(a)試験片をそのまま23℃、湿度50%RH雰囲気下に24時間放置。
(b)試験片を洗剤(ママレモン;ライオン(株)製)水溶液で洗浄処理し、次いでイオン交換水で充分洗ったのち、表面の水分を乾燥除去してから23℃、湿度50%RH雰囲気下に24時間放置。
【0057】
【表5】
【0058】
表5から明らかなように、本発明の塗装性改良剤により塗装性の改良されたポリオレフィン系樹脂成形品(実施例1〜5)は、比較例1〜8に比べ機械特性、塗装性に優れ、さらに静電塗装可能なレベルの帯電防止性を有する。
【0059】
【発明の効果】
上記効果を奏することから、本発明により、含ハロゲン系有機溶剤等による脱脂処理、塗装性改良のためのプライマー処理を必要とせず、すぐに塗装でき、さらに静電塗装可能であるとともに、機械的強度に優れたポリオレフィン系樹脂成形品を提供することができる。
本発明の塗装性改良剤により塗装性の改良されたポリオレフィン系樹脂成形品は、特に自動車内外装部品・家電加飾部品・雑貨加飾部品等の塗装用途において、優れた効果を発する。
Claims (7)
- 下記(A)、(B)および(C)からなり、(A)を30〜90重量%、(B)を5〜30重量%、(C)を5〜40重量%含有するポリオレフィン系樹脂成形品用塗装性改良剤。
(A):両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量200〜5,000のポリアミド(a1)と数平均分子量300〜5,000のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物(a2)から誘導される芳香環含有ポリエーテルエステルアミド
(B):ポリアミド樹脂および/またはポリエステル樹脂
(C):数平均分子量800〜25,000であり、水酸基価5〜150の変性低分子量ポリオレフィン - (C)が、不飽和カルボン酸変性低分子量ポリオレフィンに、一般式
H2N−R−OH
(式中Rは炭素数18以下のアルキレン基、アリレーン基またはアラルキレン基を示す。)にて表されるアミノアルコールを反応させて得られる化合物である請求項1記載の塗装性改良剤。 - (A)中に(A)に対して0.01〜5重量%のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属塩(D)が含有されてなる請求項1または2記載の塗装性改良剤。
- 請求項1〜3のいずれか記載の塗装性改良剤とポリオレフィン系樹脂(E)からなる塗装性の改良されたポリオレフィン系樹脂成形品を、静電塗装してなる塗装成形品。
- (E)が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体およびエチレン/酢酸ビニル共重合体の群より選ばれる少なくとも一種の樹脂である請求項4記載の塗装成形品。
- (A)が5〜40重量%、(B)が1〜20重量%、(C)が1〜20重量%含有されてなる請求項4または5記載の塗装成形品。
- 静電塗装成形品用である、請求項1〜3のいずれか記載の塗装性改良剤とポリオレフィン系樹脂(E)からなる塗装性の改良されたポリオレフィン系樹脂成形品。
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