JP3685758B2 - モノフィラメント糸及びその製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称する。)モノフィラメント糸、その製造方法及び該モノフィラメント糸を用いたブラシに関する。
背景技術
従来、歯ブラシ、化粧用ブラシ、ヘアーブラシ、各種工業用ブラシ等のブラシ毛用素材としては、ナイロン等の熱可塑性樹脂を原料とするモノフィラメントが多く用いられている。例えば、歯ブラシ用としては、使用感がソフトで歯や歯茎を痛めにくいことや弾性回復性が比較的良好なことから、ナイロン612がブラシ毛として多く使用されている。しかし、ナイロンは吸湿性が高く、かつ吸湿すると物性や弾性回復性が低下したり寸法が大きく変化するため、ブラシとして継続使用すると、毛開きしやすく耐久性に問題があった。また、樹脂の原料コストが高いという問題もあった。
一方、PTT繊維は古くから知られており、衣料用のマルチフィラメント糸は、特開昭52−5320号公報、特開昭58−104216号公報などに記載されている。また、PPTモノフィラメント糸は、(A)特開平5−262862号公報、(B)特開平8−120521号公報、(C)特開平11−48631号公報などに記載されており、PTTモノフィラメント糸を使用した歯ブラシは、(D)特開平8−173244号公報、(E)WO99/05936号公開パンフレットに記載されている。
上記文献(A)にはテニスラケットのガットに適したPTTモノフィラメント糸が記載されており、その実施例5には、PTTの極限粘度が1.05dl/g、繊度が657デニール(730dtex)のテニスガット用のモノフィラメント糸が開示されている。
文献(B)には沙紙用キャンバスに適したPTTモノフィラメント糸が開示されている。文献(B)に開示されているPTTモノフィラメント糸の特徴は、末端カルボキシル基濃度が小さいことであり、その効果として高い耐加水分解性(耐湿熱性)を有することが記載されている。そして実施例1には、極限粘度0.95dl/g、直径0.4mm(繊度1716dtex)のPTTモノフィラメント糸が記載されている。
文献(C)にはPTTモノフィラメント糸を使用した印刷用スクリーン紗が開示されている。文献(C)に記載されているスクリーン紗用PTTモノフィラメント糸は、繊度8〜55dtex(7〜50デニール)が好ましいと記載されている。そして実施例1には、極限粘度0.89dl/g、繊度17dtex、破断伸度45%のPTTモノフィラメント糸が記載されている。
しかし、文献(A)、(B)、(C)のいずれにも、PTTモノフィラメント糸のブラシ毛への適性については記載も示唆もされていない。
文献(D)、(E)には、PTTモノフィラメント糸を使用したブラシが開示されている。そして文献(E)の実施例には、歯ブラシ用として直径0.175mm(繊度約325dtex)及び0.208mm(繊度約460dtex)のPTTモノフィラメント糸が記載されている。しかしながら、本発明者等の研究によれば、歯ブラシ用として、単にPTTモノフィラメント糸を適用するだけでは、屈曲回復性や寸法安定性において満足できる歯ブラシは得られない。
文献(D)には、PTTモノフィラメント糸の極限粘度は0.5dl/g以上が好ましいと記載されており、その実施例1には、極限粘度0.70dl/gのPTT樹脂を用いて、紡糸、冷却、加熱延伸を行った後に、140℃で10分の条件で定長熱セットを行って得られた、直径0.22mm(繊度約515dtex)のPTTモノフィラメント糸を植毛した歯ブラシが記載されている。しかし、この条件で得られたPTTモノフィラメント糸は、極限粘度が低い(すなわち重合度が低い)ために、タフネスが低く弾性回復性も低い。そのためブラシ毛に使用した場合、短時間の使用で、ブラシ毛のささくれや摩耗、へたりによる毛開きが発生する。
また、文献(D)の実施例では、延伸工程後の熱セット条件が不適切であるため、残留熱収縮率が高い。そのため、歯ブラシの植毛工程において、毛先のトリミング(毛先を揃える)やエンドラウンディング(毛先を丸める)を行う際に発生する熱によって、ブラシ毛が曲がったり毛先が開いたりする等、ブラシ毛の立毛性(直線性)が悪くなる。更に、ブラシ形成後の高温滅菌処理等の熱処理によっても、ブラシ毛の変形やよじれ、毛開きが発生する等の問題があり、ブラシ毛として満足できるものではなかった。
発明の開示
本発明は、柔軟性、屈曲回復性あるいは長期間の使用に対する耐久性に優れたモノフィラメント糸、及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は下記の通りである。
1.90モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位及び10モル%以下のその他のエステル繰り返し単位からなるPTTで構成され、単糸繊度が50dtex以上であり、極限粘度が0.8〜1.3dl/g、沸水収縮率が2%以下であることを特徴とするPTTモノフィラメント糸。
2.沸水収縮率が0〜1.5%であることを特徴とする上記1記載のPTTモノフィラメント糸。
3.力学的損失正接のピーク温度が100〜120℃であることを特徴とする請求項1または2記載のPTTモノフィラメント糸。
4.平均粒子径0.01〜5μmの粒子を0.01〜5wt%含有していることを特徴とする上記1、2または3記載のPTTモノフィラメント糸。
5.上記1、2、3または4に記載のPTTモノフィラメント糸を植毛してなることを特徴とするブラシ。
6.単糸繊度が50dtex以上であるPTTモノフィラメント糸を紡糸、延伸後、弛緩率−10〜+15%、熱処理温度100〜180℃で弛緩熱処理することを特徴とするPTTモノフィラメント糸の製造方法。
7.弛緩率が1〜15%であることを特徴とする上記6記載のPTTモノフィラメント糸の製造方法。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のPTTモノフィラメント糸の製造方法の一例を示す概略図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明者等は前記目的を達成するために鋭意研究した結果、PTT樹脂の極限粘度を適正化すると同時に、未延伸糸を延伸後、特定の条件で熱処理を行って熱収縮性を特定の範囲にすることにより、柔軟性、屈曲回復性あるいは耐久性に優れたPTTモノフィラメント糸が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明のモノフィラメント糸は種々の用途に適用することができるが、なかでもブラシ毛に適しており、ブラシを製造するときの加工性が良好で、立毛性が高く、使用感がソフトで、長期間の使用でも毛のへたりによる毛開きがなく、熱処理したときの形態安定性に優れる等の特長を少なくとも一つ以上有する。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、単糸繊度が50dtex以上である。PTTモノフィラメント糸は、ヤング率が低いため非常にソフトであり、かつ弾性回復性が優れているという特徴を有している。単糸繊度が50dtex以上であると、強力、屈曲回復性が共に十分であり、目的とする用途における要求性能を満たすことができる。単糸繊度のより好ましい範囲は56dtexよりも大、さらに好ましくは100〜80000dtexであり、用途に応じて適宜設定すればよい。
本発明において、PTTとは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルをいい、トリメチレンテレフタレート単位を90モル%以上含有するものをいう。従って第三成分として、他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が10モル%以下の範囲で含有されたPTTを包含する。
PTTは、テレフタル酸、又は例えばテレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸の機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に縮合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する。)等のPTT以外のポリエステルやナイロンと、PTTとをブレンドしたり、複合紡糸(紡糸時に複合化して、鞘芯、サイドバイサイド等の断面構造の糸とする等)してもよい。
複合紡糸に関しては、特公昭43−19108号公報、特公平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報に例示されるような、第一成分としてのPTTと、第二成分としてのPTT、PET、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等とを、並列的あるいは偏芯的に配置したサイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものが挙げられる。特に、PTTと共重合PTTの組み合わせや、極限粘度の異なる二種類のPTTの組み合わせが好ましい。なかでも、特開2000−239927号公報に例示されるような、極限粘度の異なる二種類のPTTを用い、低粘度側が高粘度側を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するものであり、特に好ましい。
但し、異なる二種のポリマーを並列的あるいは偏芯的に配置した複合糸は、自発的にコイル状の捲縮が発現する場合があるので、モノフィラメント糸の直線性があまり要求されないような用途又は分野に用いることが適切である。
PTTに含有させることができる第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も、重合体が実質的に線状である範囲内で用いることもできる。
PTTモノフィラメント糸には、酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、抗菌剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等の改質添加剤が含有されていてもよい。
モノフィラメント糸の製造時には平滑性が要求されることから、本発明のPTTモノフィラメント糸は、平均粒子径0.01〜5μm、好ましくは0.01〜2μmの粒子を0.01〜5wt%含有するのが好ましい。平均粒子径0.01〜5μmの粒子を0.01〜5wt%含有することにより、平滑性が高く、紡糸性に優れ、充分な強度を有するPTTモノフィラメント糸が得られる。
含有する粒子は酸化チタンや顔料が好ましい。例えば、歯ブラシ等のようにブラシ毛の白度が要求される用途には、酸化チタンを0.50〜5wt%含有するのが好ましい。PTTモノフィラメント糸は、PETモノフィラメント糸よりも透明度が高いため、PETモノフィラメント糸と同レベルの白度を達成するためには、酸化チタンをやや多めに含有するのが好ましい。また、着色したモノフィラメント糸を得るためには、紡糸後に染色することもできるが、歯ブラシ等の用途では顔料を含有させた着色ポリマーを紡糸するのが好ましい。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、極限粘度が0.8〜1.3dl/gであり、好ましくは0.8〜1.1dl/gである。極限粘度が0.8dl/g以上であると、得られるPTTモノフィラメント糸のタフネスが大きく、弾性回復性も高いため、例えばブラシ毛に使用した場合に、長時間の使用によってもブラシ毛のささくれや摩耗、へたりによる毛開きが発生しない。また、極限粘度が1.3dl/g以下であると、熱処理工程でのモノフィラメント糸のそりがないため、例えばブラシ毛に使用した場合には、ブラシ毛の直線性が保持されるのでブラシへの加工が容易である。即ち、極限粘度を0.8〜1.3dl/gとすることによって、直線性が良く、タフネスと屈曲回復性に優れたPTTモノフィラメント糸を得ることが出来る。
なお、極限粘度〔η〕は、オストワルド粘度管を用い、35℃、o−クロロフェノールを用いて、比粘度ηspと濃度C(g/100ミリリットル)の比(ηsp/C)を濃度ゼロに外挿し、以下の式に従って求めた。
Figure 0003685758
本発明のPTTモノフィラメント糸は、沸水収縮率が2%以下であり、好ましくは2%未満、さらに好ましくは0〜1.5%である。PTTモノフィラメント糸は、ナイロンモノフィラメント糸やPETモノフィラメント糸と比較すると、伸長弾性回復性に優れた糸であるが、一方で熱収縮性が高いという特性を有している。沸水収縮率が2%以下であると、ブラシ等の製品の加工時や使用時に熱が加わっても熱収縮が起こりにくく、モノフィラメント糸の寸法変化や変形、よじれ等が起きにくい。例えば、歯ブラシの製造工程においては、所定の長さにカットしたモノフィラメント糸の束を、歯ブラシの柄に開けた穴に押し込んだ後、トリミング(毛先を揃える)とエンドラウンディング(毛先を丸める)を行うのが一般的であるが、この際、高速回転する砥石等で毛先を研磨するために熱が発生する。このような場合でも、沸水収縮率が2%以下であると、発生する熱によるブラシ毛の変形やよじれが生じることがなく、また、毛先が開いたりして立毛性(直線性)が損なわれることがない。
更に、モノフィラメント糸が使用される用途(例えばブラシ毛や立体構造布帛の連結糸等)では、曲げ変形に対する高い回復性が要求される場合が多いが、本発明者らの研究によれば、熱収縮性が小さい程、曲げ変形に対する回復性も著しく向上することが判った。
沸水収縮率を2%以下にすることにより、曲げ変形に対して高い回復性を有するPTTモノフィラメント糸が得られ、例えばブラシ毛に適用した場合は、長期間の使用でもへたりによる毛開きが発生しにくい、耐毛開き性の極めて優れたブラシ毛が得られる。
沸水収縮率を適正な範囲に設定するためには、例えば、紡糸、延伸後のPTTモノフィラメント糸を適当な条件で熱処理する。熱処理は、紡糸、延伸に引き続いて連続で行ってもよいが、一旦、PTTモノフィラメント糸を巻き取った後、熱処理を行う方法が好ましい。
沸水収縮率が本発明の範囲を満たす限り、熱処理は、弛緩熱処理、定長熱処理、緊張熱処理のいずれであってもよいが、次の式で計算される弛緩率が−10〜+15%の範囲で熱処理することが好ましい。ここで、弛緩率とは、熱処理前のモノフィラメント糸の長さをL0、熱処理中の拘束長さをL1としたときに、次式で計算される。
弛緩率(%)={(L0−L1)/L0}×100
弛緩熱処理とは、弛緩率が0よりも大きい場合であり、モノフィラメント糸が自由に収縮できる状態、あるいは熱処理前の長さよりも一定比率で収縮可能なように規制した状態で熱処理することを言う。PTTモノフィラメント糸に弛緩熱処理を行う場合、熱処理を行う温度における熱収縮率と同じか、やや小さめの弛緩率で弛緩熱処理を行う方法が、熱処理後にモノフィラメント糸が直線状に保持されているため最も好ましく、具体的には弛緩率は1〜15%であることが好ましく、5〜12%であることがより好ましい。弛緩率が15%を越える過度に弛緩された状態での熱処理、すなわち熱処理後もモノフィラメント糸が弛んでいる状態であると、モノフィラメント糸の直線性が損なわれる傾向がある。
定長熱処理とは、弛緩率が0の場合であり、熱処理中にモノフィラメント糸の長さが熱処理前と変化しないように規制した状態で熱処理することを言う。緊張熱処理とは、弛緩率が0よりも小さい場合であり、熱処理前の長さから一定比率で伸長した状態で熱処理することを言う。PTTモノフィラメント糸を定長熱処理または緊張熱処理を行う場合は、弛緩率が−10〜0%であることが好ましい。但し、定長熱処理や緊張熱処理では、沸水収縮率を2%以下にするためには、高い温度で熱処理をする必要があり、温度が高すぎると熱処理時にPTTモノフィラメント糸が切れたり、強度が低下する場合がある。
PTTモノフィラメント糸の熱処理温度は100〜180℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。熱処理温度が100℃以上であると、過度の弛緩状態で熱処理をしなくとも沸水収縮率を2%以下まで下げることができるので、モノフィラメント糸の直線性が損なわれることがない。また、熱処理温度が180℃以下であると、熱処理時に切れ糸が生じたり強度が低下することがない。
熱処理時間は、熱処理するモノフィラメント糸の集束状態によって適宜設定すればよい。例えば、直径0.2mm(繊度が約430dtex)程度のPTTモノフィラメント糸を200〜400本程度、綛状に束ねたものを熱処理する場合には、内部のモノフィラメント糸まで充分に熱処理を行うために、熱処理時間は20分以上が好ましく、30分以上がより好ましい。熱処理時間が短すぎる場合は、沸水収縮率を2%以下まで下げることが難しいばかりでなく、モノフィラメント糸間、あるいはモノフィラメント糸の長さ方向に熱セット斑が発生するため、熱収縮性にばらつきが生じる。そのため、例えばブラシ毛に用いる場合は、ブラシの加工時に熱が加わったり、ブラシに形成した後に高温滅菌処理等の熱処理を行うと、毛の変形やよじれが発生したり毛先が開いたりする傾向がある。
一方、延伸後のPTTモノフィラメント糸を束ねずに、すなわちモノフィラメント糸同士を密着させずに連続的に熱処理する場合は、モノフィラメント糸の1本1本まで熱が伝わりやすいため熱処理時間は短くてもよく、本発明の要件を満足する限りにおいて、例えば1分以下でもよい。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、動的粘弾性測定から求められる力学的損失正接のピーク温度(以下、Tmaxという。)が100〜120℃であることが好ましく、105〜114℃がより好ましい。Tmaxをこの範囲にするためには、例えば、紡糸、延伸後のPTTモノフィラメント糸を適当な条件で熱処理するという方法が挙げられる。Tmaxがこの範囲内であると、沸水収縮率が2%以下となり曲げ変形に対する回復性が優れ、直線性の優れたモノフィラメント糸が得られる。
また、本発明のPTTモノフィラメント糸は、結晶配向度が90〜95%であることが好ましい。結晶配向度95%はPTTモノフィラメント糸の取り得る最大値であり、結晶配向度が90〜95%であると、タフネスや屈曲回復性に優れたPTTモノフィラメント糸となる。
本発明のPTTモノフィラメント糸の破断伸度は35〜65%が好ましく、35〜55%がより好ましい。破断伸度がこの範囲であると、モノフィラメント糸は強靭であり、例えばブラシ毛に用いた場合、長時間の使用によってもブラシ毛のささくれが起こることがなく、また、モノフィラメント糸の糸長方向の太さに斑が無く均一で、商品価値が高い。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、破断強度が2.2cN/dtex以上であることが好ましい。破断強度が2.2cN/dtex以上であると、強度が十分で、例えばブラシ毛に用いた場合に長時間の使用によってもブラシ毛のささくれや摩耗が発生しない。
本発明のPTTモノフィラメント糸の繊度は、用途に応じて適宜設定すればよい。例えば歯ブラシ用途には200〜600dtexが好ましく、より好ましくは250〜550dtexである。繊度がこの範囲であると、歯ブラシの硬さが適度であるので、歯茎を痛めることなく歯の汚れを十分に除去することができ、且つブラシ毛が歯の隙間に引っかかることがない。
また、表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物において、本発明のPTTモノフィラメント糸を該連結糸に用いる場合は、繊度は50dtex以上、1200dtex以下であることが好ましく、より好ましくは560dtex以下、更に好ましくは280dtex以下である。
本発明のPTTモノフィラメント糸をテニスやバドミントン等のラケット用のガットに用いる場合は、繊度は7000〜22000dtexが好ましく、ギター等の楽器用弦に用いる場合には、繊度は2000〜14000dtexが好ましく、また、椅子張り用の織編物に用いる場合は、繊度は50〜2500dtexが好ましい。
また、本発明のPTTモノフィラメント糸は、複数のモノフィラメント糸を合糸したり撚糸して用いてもよい。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、用途によっては、長さ方向に均一なものや太細のあるものや捲縮を付与したものでもよい。また、糸の断面形状は、丸型、三角型、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
また、ブラシ用途等では、PTTモノフィラメント糸の自由端を丸くしたり、先細となるようにテーパー化したりしてもよいし、自由端または糸表面にクレーターや微細な凹凸をつけてもよい。このようにPTTモノフィラメント糸の自由端または表面の形態を変化させる方法としては特に限定されないが、例えばアルカリ減量加工等を行う方法が挙げられる。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、紡糸、延伸までは公知の製造方法で得る事ができ、例えば以下の方法で製造される。
図1において、乾燥機(1)中でPTTペレットを乾燥し、次いでペレットを押出機(2)に供給し、PTTの溶融体とする。PTT溶融体はベンド(3)を経てスピンヘッド(4)に送られ、その中に装着されるギヤポンプ(5)で計量され、紡糸口金(6)より紡出される。紡出されたPTT溶融体はフィラメント状(7)となり、冷却水浴(8)中に導かれて冷却されつつ、一定速度で回転している第1ロール群(9)によって引っ張られて所定の繊度まで細化され未延伸モノフィラメント糸となる。次いで、未延伸モノフィラメント糸は、所定の温度の温水浴(10)中で一定速度で回転する第2ロール群(11)により引っ張られて第1段の延伸が施される。その後モノフィラメント糸は所定の温度のスチーム浴(12)中で定長又は弛緩熱処理を受け、第3ロール群(13)を経た後、巻き取り機(14)で巻き取られる。
なお、温水浴中の延伸は、1段延伸に限らず、複数回に分けて延伸してもよい。また、PTTモノフィラメント糸の沸水収縮率は、熱処理時の温度、時間、弛緩率または伸長率等により調節することが出来る。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、後工程の工程通過性を良くするために摩擦抵抗を下げたり、制電性を付与する等の機能を有する仕上げ剤を付与するのが好ましい。更に、要求される機能に応じて撥水剤や吸水剤等を付与してもよい。仕上げ剤を付与するのは、スチーム浴(12)と第3ロール群(13)の間で付与するのが好ましい。
仕上げ剤の種類は特に限定されないが、脂肪族エステル、鉱物油、ポリエーテル、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤等を組成成分として、適当な割合で混合した仕上げ剤を用いるのが好ましい。
仕上げ剤の付着量は、0.01〜0.3wt%であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定されるものではない。
なお、測定方法、評価方法等は以下の通りである。
(1)破断強度、破断伸度、沸水収縮率
JIS−L−1013、引張強さ及び伸び率、熱水収縮率B法(フィラメント収縮率)に従って、破断強度、破断伸度、沸水収縮率を測定し、各10回の測定値の平均値を算出した。
(2)力学的損失正接のピーク温度
東洋ボールドウイン社製レオバイブロンDDV−EIIA型動的粘弾性測定装置を用い、試料約0.1mg、測定周波数110Hz、昇温速度5℃/分にて、乾燥空気中で各温度における力学的損失正接(tanδ)−温度曲線から、tanδがピークを示す温度(Tmax)を求める。
(3)結晶配向度
X線回折装置を用い、試料の厚みを約0.5mmとして、以下の条件で回折角2θが7度から35度までの回折強度曲線を描いた。
測定条件は、30kV、80A、スキャンニング速度を1度/分、チャート速度10mm/分、タイムコンスタント1秒、レシービングスリット0.3mmとした。
2θ=16度及び22度に描かれる反射を各々(010)、(110)とする。更に、(010)面を−180度〜+180度方位角方向に回折強度曲線を描く。±180度で得られる回折強度曲線の平均値をとり、水平線を引きベースラインとする。ピークの頂点からベースラインに垂線をおろし、その高さの中点を求める。中点を通る水平線を引き、これと回折強度曲線との2つの交点間の距離を測定し、この値を角度に換算した値を配向角Hとする。
結晶配向度は次式で与えられる。
結晶配向度(%)={(180−H)/180}×100
(4)屈曲回復率(耐毛開き性)
JIS−S−3016、毛の屈曲回復率試験の方法に従って、屈曲回復率を測定し、10回の測定値の平均値を算出した。なお、荷重を掛けて熱処理する時の温水の温度は、60±2℃と、35±2℃の2水準で測定を行った。
(5)立毛性
ブラシ毛の長さを7.00±0.15mmに水平に切りそろえた歯ブラシを作成し、ブラシ毛の立毛性(直線性)を目視で判定し、以下の基準で3段階評価を行った。
○:ブラシ毛の変形やよじれが全くない。
△:ブラシ毛の変形やよじれが少し見られる。
×:ブラシ毛の変形やよじれが大きい。
(6)耐毛開き性
作成した歯ブラシを実際に10人のモニターに1週間使用してもらい、10本の歯ブラシの平均的な毛開きの程度を、以下の基準で判定した。
○:ほとんど毛開きしていない。
△:毛開きしているのが判る。
×:毛開きが著しい。
(7)毛の損傷
作成した歯ブラシを実際に10人のモニターに1週間使用してもらい、10本の歯ブラシの平均的な損傷の程度を、以下の基準で判定した。
○:毛先のささくれや摩耗が全くない。
△:毛先のささくれや摩耗が少し見られる。
×:毛先のささくれや摩耗がはっきりと判る。
(8)銅板摩擦試験(歯や歯茎への傷付け性)
作成した歯ブラシを、表面が滑らかな銅板にブラシ毛が直角に当たるように接触させ、単位植毛面積当たり70N/cm2の荷重を掛けたまま、ストローク長さ1cm、ストローク速度120ストローク/分の条件で銅板の表面を10秒間研磨し、銅板表面の傷付きの程度を目視で判定した。以下の基準で5段階評価を行い、10回の測定の平均値を算出した。
5:傷が全く見られない。
4:見る角度によってわずかに傷が見える。
3:どの角度からでも傷が見える。
2:大きな傷がはっきりと見える。
1:著しく傷付いている。
(9)使用感
作成した歯ブラシを実際に10人のモニターに1週間使用してもらい、以下の基準で使用感の官能評価を行い、10人の平均値を算出した。
5:極めてソフト
4:ややソフト
3:ふつう
2:硬い
1:極めて硬い
〔実施例1〕
極限粘度〔η〕が0.92dl/g、酸化チタン含有率が0.1wt%のPTTポリマーを用いて、以下の製造条件でPTTモノフィラメント糸を製造した。
ポリマー吐出量 :2.52g/分
紡糸温度 :260℃
冷却浴水温 :40℃
引き取りロール(第1ロール)周速:15.8m/分
延伸浴水温 :55℃
延伸ロール(第2ロール)周速 :79.2m/分
熱処理浴スチーム温度 :120℃
第3ロール周速 :72m/分
巻き取り速度 :72m/分
上記の製造条件で得られたPTTモノフィラメント糸の物性は以下の通りであった。
極限粘度 :0.90dl/g
直径 :0.18mm
繊度 :355dtex
破断強度 :3.0cN/dtex
破断伸度 :48.1%
沸水収縮率 :6.4%
製造されたPTTモノフィラメント糸を、かせに巻いて400本の束にした後、以下の条件で熱処理を行った。
熱処理温度 :120℃
熱処理時間 :60分
弛緩率 :5%
得られたPTTモノフィラメント糸を通常の歯ブラシ製造工程に供給し、歯ブラシを製造した。
得られたPTTモノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び歯ブラシの評価結果を表1に示す。
〔実施例2〜6〕
表1に示す熱処理条件で熱処理を行った以外は実施例1と同様にして、PTTモノフィラメント糸及び歯ブラシを得た。得られたPTTモノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び歯ブラシの評価結果を表1に示す。
〔実施例7〕
極限粘度〔η〕が1.13dl/g、酸化チタン含有率が0.1wt%のPTTポリマーを用い、実施例1と同様の製造条件でPTTモノフィラメント糸を製造し、実施例3と同様の熱処理条件で熱処理を行いPTTモノフィラメント糸を得た。得られたモノフィラメント糸を用いて実施例1と同様に歯ブラシを製造した。
得られたPTTモノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び歯ブラシの評価結果を表1に示す。
〔実施例8〜10〕
酸化チタン含有率を、それぞれ0wt%(実施例8)、3wt%(実施例9)、6wt%(実施例10)とした以外は実施例1と同様の製造条件でPTTモノフィラメント糸を製造し、実施例3と同様の熱処理条件で熱処理を行いPTTモノフィラメント糸を得た。得られたモノフィラメント糸を用いて実施例1と同様に歯ブラシを製造した。
得られたPTTモノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び歯ブラシの評価結果を表1に示す。
〔比較例1〜3〕
表2に示す熱処理条件で熱処理を行った以外は実施例1と同様にして、PTTモノフィラメント糸及び歯ブラシを得た。得られたPTTモノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び歯ブラシの評価結果を表2に示す。
〔比較例4〕
極限粘度〔η〕が0.70dl/g、酸化チタン含有率が0.1wt%のPTTポリマーを用い、実施例1と同様の製造条件でPTTモノフィラメント糸を製造し、実施例3と同様の熱処理条件で熱処理を行いPTTモノフィラメント糸を得た。得られたモノフィラメント糸と用いて実施例1と同様に歯ブラシを製造した。
得られたPTTモノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び歯ブラシの評価結果を表2に示す。
〔比較例5〕
熱処理後の繊度を44dtexとした以外は実施例1と同様の製造条件、及び実施例3と同様の熱処理条件でPTTモノフィラメント糸を得た。得られたモノフィラメント糸を用いて実施例1と同様に歯ブラシを製造した。
得られたPTTモノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び歯ブラシの評価結果を表2に示す。
〔比較例6〕
ナイロン612(以下、N612と略称する。)モノフィラメント糸を用い、表2に示す熱処理条件で熱処理を行い、実施例1と同様に歯ブラシを得た。モノフィラメント糸の物性、屈曲回復性、及び得られた歯ブラシの評価結果を表2に示す。
Figure 0003685758
Figure 0003685758
以上の結果から、次のようなことが判明した。
実施例1〜10では、PTTモノフィラメント糸はいずれも沸水収縮率が適正で、得られた歯ブラシはブラシ毛の変形やよじれが全くなく、毛の立毛性は良好であった。また、屈曲回復率が高く、実際の使用試験においても耐毛開き性が良好で毛の損傷もほとんど見られず、耐久性の高いものであった。銅板摩擦試験においても銅板表面への傷付きの程度は極めて小さく、使用感も極めてソフトであり、優れた歯ブラシであった。
比較例1は、モノフィラメント糸の沸水収縮率が高過ぎるため、得られた歯ブラシはブラシ毛の変形やよじれが見られ、立毛性が悪いものであった。また、屈曲回復率が低く、歯ブラシの使用試験では毛開きが大きかった。
比較例2は、熱処理時間が短く、熱処理条件が適正でないため、モノフィラメント糸の沸水収縮率が大きく、かつ沸水収縮率のばらつきが見られ、得られた歯ブラシは部分的にブラシ毛の変形やよじれが見られ、立毛性が悪いものであった。また、歯ブラシの使用試験中に煮沸消毒処理を行うと、ブラシ毛の変形やよじれが一層大きくなった。また、屈曲回復率が低く、歯ブラシの使用試験では毛開きがやや大きかった。
比較例3は、熱処理温度が高すぎるために、熱処理時に糸切れが発生した。得られたモノフィラメント糸の沸水収縮率が低く強度が小さいため、歯ブラシの使用試験でブラシ毛のささくれや摩耗が若干発生し、また使用感もやや硬いものであった。
比較例4は、モノフィラメント糸の極限粘度が低すぎるために、破断強度、屈曲回復率がともに低く、歯ブラシの使用試験でブラシ毛のささくれや摩耗が発生し、耐毛開き性も悪い結果であった。
比較例5は、モノフィラメント糸の繊度が細すぎるため、モノフィラメント糸1本あたりの絶対強度が充分でなく、また、屈曲回復率が低いため、歯ブラシの使用試験ではブラシ毛のささくれや摩耗が少し見られ、毛開きがやや大きかった。
比較例6では、N612のモノフィラメント糸は、屈曲回復率が低く、歯ブラシの使用試験では耐毛開き性が悪く、ブラシ毛のささくれや摩耗が見られた。また、銅板表面への傷付きの程度もやや大きく、使用感も硬いものであった。
産業上の利用の可能性
本発明のPTTモノフィラメント糸は、ヤング率が低くてソフトなため、例えばブラシに適用した場合は、ブラシを作るときの加工性が良く、ブラシの使用感が極めてソフトであり、歯ブラシに使用したときも歯や歯茎を痛めることがない。また、熱収縮性が低いため、ブラシ毛の立毛性(直線性)に優れた高品質なブラシが得られ、熱湯消毒等の熱処理によっても毛の変形やよじれがない。更に、タフネス、伸長回復性、あるいは屈曲回復性に優れているため、長期間の使用でも毛の損傷や摩耗、へたりによる毛開き等がなく、耐久性に優れている。
本発明のPTTモノフィラメント糸は、歯ブラシをはじめ、化粧用ブラシ、ヘアーブラシ、各種工業用ブラシ等のブラシ毛に有用である。また、魚網、テグス、人工芝、ジップファスナー、マジックファスナー、ガット、楽器用の弦、立体編物の連結糸、椅子張り用の織編物、製紙用カンバス、抄紙網、スクリーン、フィルター、ベルト、工業用縫い糸、紐等にも有用である。

Claims (7)

  1. 90モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位及び10モル%以下のその他のエステル繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートで構成され、単糸繊度が50dtex以上であり、極限粘度が0.8〜1.3dl/g、沸水収縮率が2%以下であることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸。
  2. 沸水収縮率が0〜1.5%であることを特徴とする請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸。
  3. 力学的損失正接のピーク温度が100〜120℃であることを特徴とする請求項1または2記載のポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸。
  4. 平均粒子径0.01〜5μmの粒子を0.01〜5wt%含有していることを特徴とする請求項1、2または3記載のポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸。
  5. 請求項1、2、3または4に記載のポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸を植毛してなることを特徴とするブラシ。
  6. 単糸繊度が50dtex以上であるポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸を紡糸、延伸後、弛緩率−10〜+15%、熱処理温度100〜180℃で弛緩熱処理することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸の製造方法。
  7. 弛緩率が1〜15%であることを特徴とする請求項6記載のポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸の製造方法。
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