JP3685003B2 - スクリーン印刷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板にクリーム半田や導電性ペーストなどのペーストを印刷するスクリーン印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装工程において、基板上にクリーム半田や導電性ペーストなどのペーストを印刷する方法としてスクリーン印刷が用いられている。この方法は、印刷対象部位に応じてパターン孔が設けられたマスクプレートを基板に当接させ、マスクプレート上にペーストを供給してスキージを摺動させることにより、パターン孔を介して基板上にペーストを印刷するものである。
【0003】
印刷作業中には、マスクプレートの下面には基板上で印刷部位からはみ出したクリーム半田が付着したり、基板上に完全に転写されなかったクリーム半田がマスクプレートの開口部に残留するため、これらのクリーム半田を吸い取ったり拭き取ることにより除去するクリーニングを行う必要がある。このため従来よりスクリーン印刷装置には、基板を保持して位置決めする基板位置決め部の側方にクリーニングユニットが設けられ、クリーニング時にはこのクリーニングユニットをマスクプレートの下方に移動させてマスクプレート下面のクリーニングを行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来のスクリーン印刷方法では、クリーニング時にはマスクプレート下方にクリーニングユニットを移動させるため、印刷動作を一時停止する必要があった。このため、従来よりクリーニングを行う度に実際の生産を行わない無駄時間が発生し、生産性の向上が阻害されるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、クリーニング時に発生する無駄時間を排除して、生産性を向上させることができるスクリーン印刷方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のスクリーン印刷パターン孔が設けられたマスクプレートを基板に当接させ、マスクプレート上でスキージヘッドを摺動させることにより、前記パターン孔を介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷方法であって、前記マスクプレートの下方に可動に配設された基板位置決め部と、この基板位置決め部に一体的に設けられてこの基板位置決め部と一体的に移動する清掃手段と、基板位置決め部を挟んで清掃手段と反対側の上方に設けられて基板の位置認識を行うカメラとがあり、基板位置決め部に搬入された印刷対象の基板が前記カメラによる基板の撮像位置へ移動する際に、前記清掃手段によりマスクプレートの下面を清掃する。
請求項2記載のスクリーン印刷方法は、請求項1記載のスクリーン印刷方法において、前記カメラによる基板の撮像後に、前記基板が印刷位置まで復動する際にも、前記清掃手段により前記マスクプレートの下面を清掃する。
【0007】
本発明によれば、基板位置決め部に印刷対象となる新たな基板が搬入されて、その新たな基板の位置認識を行うためにその基板をカメラの下方の撮像位置へ移動させる際に、基板位置決め部と一体的に移動する清掃手段によって、マスクプレートの下面を清掃できるので、クリーニングのために印刷作業を一時停止する必要がなく、無駄時間を排除して生産性を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の側面図、図2は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置のクリーニングユニットの側面図、図3は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷におけるクリーニング動作の説明図である。
【0009】
まず図1を参照してスクリーン印刷装置の構造を説明する。図1において、スクリーン印刷装置は、基板位置決め部1の上方にスクリーン印刷部10を配設して構成されている。基板位置決め部1は、Y軸テーブル4、X軸テーブル5およびθ軸テーブル6を段積みし、更にその上にZ軸テーブル7を載置して構成されている。Z軸テーブル7上には基板9を保持する基板保持部8が設けられている。基板9は図示しない搬入コンベアによって搬入され、印刷後の基板9は図示しない搬出コンベアによって搬出される。また、基板位置決め部1にはクリーニングユニット2が一体的に設けられている。クリーニングユニット2はマスクプレート12の下面をクリーニングする。
【0010】
基板位置決め部1の上方に配設されたスクリーン印刷部10は、ホルダ枠11に展張されたマスクプレート12を備えている。マスクプレート12上にはスキージヘッド13が配設されており、スキージヘッド13は図示しない移動手段により図面に対して垂直の方向に移動する。スキージヘッド13はスキージ15を昇降させるスキージ昇降機構14が設けられており、スキージ昇降機構14を駆動することによりスキージ15はマスクプレート12の上面に当接する。基板9をマスクプレート12の下面に当接させた状態で、ペーストであるクリーム半田が供給されたマスクプレート12上でスキージ15を摺動させることにより、図示しないパターン孔を介して基板9にはクリーム半田が印刷される。
【0011】
スクリーン印刷部10の側方の、Y軸テーブル4の移動範囲の上方には、カメラ16が配設されている。図1において、クリーニングユニット2は基板位置決め部の左側に設けられており、またカメラ16は基板位置決め部の右側、すなわち基板位置決め部を挟んでクリーニングユニット2と反対側の上方に設けられている。カメラ16はカメラ移動テーブル17によって水平面内で移動可能となっている。基板位置決め部1に基板9を保持させた状態で、基板位置決め部1をY軸テーブル4に沿って移動させることにより、基板9をカメラ16の下方に位置させることができ、したがってカメラ16によって基板9を撮像し、基板9の位置認識を行うことができる。
【0012】
Y軸テーブル4の移動経路の上方には、さらに基板矯正ユニット18が配設されている。基板位置決め部1を基板矯正ユニット18の下方まで移動させた状態で、矯正治具19を下降させて基板9の上面から押圧することにより、基板9のたわみを矯正することができるようになっている。
【0013】
次に図2を参照してクリーニングユニット2について説明する。クリーニングユニット2にはクリーニングテープ23の供給リール24および巻き取りリール25を備えている。供給リール24から送給されたクリーニングテープ23は、本体部20の上面に上下動自在に設けられたクリーニングヘッド26の上面を周回して巻き取りリール25に巻き取られる。クリーニングユニット2をマスクプレート12の下方に位置させてクリーニングヘッド26を上昇させることにより、クリーニングテープ23は清掃対象部であるマスクプレート12の下面に押し当てられる。
【0014】
この状態で基板位置決め部1を水平移動させることにより、クリーニングユニット2も水平方向に移動する。これによりマスクプレート12の下面のクリーニングが行われる。また、クリーニングヘッド26に吸引部を設けることにより、印刷時に基板に転写されずマスクプレート12のパターン孔内に残量したクリーム半田を吸引して除去することができる。
【0015】
このスクリーン印刷装置は上記のように構成され、以下動作について図3を参照して説明する。図3(a)は、所定のスクリーン印刷作業を終了した後に、新たな印刷対象の基板9が基板位置決め部1上に搬入され保持された状態を示している。この後基板位置決め部1は新たな基板をカメラによって認識するために、印刷位置の側方の撮像位置までY軸テーブル4によって移動する。この基板位置決め部1の移動に先立って、クリーニングユニット2のクリーニングヘッド26を上昇させて、クリーニングテープ23(図2)をマスクプレート12の下面に摺接させる。
【0016】
そしてこの状態で図3(b)で示すように、基板位置決め部1は撮像位置すなわちカメラ16の下方位置へ向かって矢印a方向へ移動する。この基板位置決め部1の移動によりクリーニングユニット2も一体的に移動し、マスクプレート12の下面に当接したクリーニングヘッド26が移動する。これにより、マスクプレート12の下面の付着物はクリーニングテープ23によって拭き取られ、クリーニングが行われる。
【0017】
この後基板位置決め部1は、図3(c)に示すようにカメラ16の下方まで移動し、ここでカメラ16による基板9の撮像が行われる。そして撮像後に基板位置決め部1が再び矢印b方向に印刷位置まで復動する際にも、クリーニングヘッド26をマスクプレート12の下面に摺接させた状態で基板位置決め部1が移動する。これにより、同様にマスクプレート12の下面のクリーニングが行われる。そして基板位置決め部1が印刷位置に戻ったならば、ここで印刷動作が行われる。
【0018】
このように、本実施の形態に示すスクリーン印刷においては、マスクプレート12の下方に可動に配設された基板位置決め部1と一体的に移動するクリーニングユニット2によって、基板位置決め部1の所定の水平移動動作、すなわち撮像位置への往復動作の度にマスクプレート12の下面を清掃するものである。
【0019】
これにより、クリーニングユニット2に可動機構を設ける必要がなく、機構簡略化が実現できるとともに、マスクプレート12のクリーニングの目的で印刷動作を中断する必要がない。したがって、スクリーン印刷装置の実質稼働率を改善して生産性を向上させることができる。
【0020】
また、上記実施の形態ではクリーニング動作を基板9の撮像動作の度に行うようにしていることから、従来の印刷動作を中断してクリーニングを行う場合の頻度と比較して、はるかに高い頻度でクリーニングを行う形態となっている。このため、1クリーニング動作において求められるクリーニング品質は低くてよく、従来のクリーニング方法と比較して少ないクリーニングコストで、マスクプレートを必要な清浄度でクリーニングすることができるという効果を有する。
【0021】
なお、上記実施の形態ではスキージヘッドの種類として板状のスキージ15を備えた開放型のスキージヘッドの例を示しているが、これに限定されず、内部にクリーム半田を貯溜してこのクリーム半田を加圧しながらマスクプレート上で摺動してパターン孔内にクリーム半田を充填する密閉型のスキージヘッドを用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、基板位置決め部に印刷対象となる新たな基板が搬入されて、その新たな基板の位置認識を行うためにその基板をカメラの下方の撮像位置へ移動させる際に、基板位置決め部と一体的に移動する清掃手段によって、マスクプレートの下面を清掃できるので、クリーニングのために印刷作業を一時停止する必要がなく、無駄時間を排除して生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の側面図
【図2】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置のクリーニングユニットの側面図
【図3】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷におけるクリーニング動作の説明図
【符号の説明】
1 基板位置決め部
2 クリーニングユニット
9 基板
10 スクリーン印刷部
12 マスクプレート
15 スキージ
16 カメラ
26 クリーニングヘッド
Claims (2)
- パターン孔が設けられたマスクプレートを基板に当接させ、マスクプレート上でスキージヘッドを摺動させることにより、前記パターン孔を介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷方法であって、前記マスクプレートの下方に可動に配設された基板位置決め部と、この基板位置決め部に一体的に設けられてこの基板位置決め部と一体的に移動する清掃手段と、基板位置決め部を挟んで清掃手段と反対側の上方に設けられて基板の位置認識を行うカメラとがあり、
基板位置決め部に搬入された印刷対象の基板が前記カメラによる基板の撮像位置へ移動する際に、前記清掃手段によりマスクプレートの下面を清掃することを特徴とするスクリーン印刷方法。 - 前記カメラによる基板の撮像後に、前記基板が印刷位置まで復動する際にも、前記清掃手段により前記マスクプレートの下面を清掃することを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷方法。
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