JP3680961B2 - 絶縁電力ケーブルの接続部処理方法およびこれに用いる金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は,扇形導体を有する絶縁電力ケーブルに関し,特に,この絶縁電力ケーブルの中間接続部あるいは終端接続部を組み立てる際において,扇形導体の露出先端部に接続スリーブや端子または導体引出棒等のスリーブ部を取り付ける(圧縮固定する)方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は絶縁電力ケーブル(図示例はCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル))1の段剥ぎされた口出し部を示すもので,この絶縁電力ケーブル1は,導体2の外側に内部半導電層4,架橋ポリエチレン絶縁体5,外部半導電層6,銅テープ7,PVCシース8の順に被覆を持つ構造である。この絶縁電力ケーブル1どうしを接続する場合,図示のような口出しを行い,導体2の露出先端部を接続スリーブ3の孔部(すなわち接続用孔)3aに挿入し圧縮して固定する。導体2の露出先端部の接続スリーブ3の孔部(接続用孔)3aに挿入される領域(接続用孔挿入領域と呼ぶ)をL,残りの領域をMで示す。
【0003】
ところで,扇形導体を有するコンパクト形の絶縁電力ケーブルの場合,その中間接続部や終端接続部では扇形導体の露出先端部を接続スリーブや導体引出棒のスリーブ部内に挿入し圧縮固定することになるが,通常の接続スリーブや導体引出棒のスリーブ部は一般に円形導体に合わせた円形断面の挿入孔を有するので,導体が扇形断面の導体である場合,そのままでは使用できない。扇形導体の露出先端部を接続スリーブや導体引出棒のスリーブ部に挿入圧縮固定するためには,扇形導体の形状に合わせた扇形断面の挿入孔を有する接続スリーブや導体引出棒を用いるか,または,扇形導体の露出先端部の断面形状を円形に矯正する必要がある。
後者を採用する場合,従来は,図10(イ),(ロ),(ハ)に示すように,扇形導体2’の露出先端部の接続スリーブ3の孔部3aに挿入される部分(接続用孔挿入領域L)を通常の円筒孔型の金型で単に円形断面に圧縮成形する矯正を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者のように,扇形導体の形状に合わせた扇形断面の挿入孔を有する接続スリーブや導体引出棒を用いる方法では,専用の接続スリーブや導体引出棒を製作用意しなければならないので,煩雑であり,コストが高くなる。
一方,後者のように扇形導体2’の露出先端部の接続用孔挿入領域L部分を円形断面に矯正する方法では,円形断面の挿入孔を有する通常の接続スリーブや導体引出棒を用いることができる点で有利であるが,扇形導体2’の露出先端部の扇形断面の部分Mと矯正された円形断面の部分Lとの境界に段差9が生じる。扇形導体2’が例えば500mm2 とすると,例えば口出し寸法(扇形導体2’の露出先端部の長さ寸法)100mmのうちの接続用孔挿入領域L(例えば75mm)は27mmφの円形断面となり,残りの領域M(例えば25mm)は扇形断面のままであり,前述の通りその境界に段差9が生じる。このように段差9が発生すると,この段差9部分で導体2’の素線の断線が発生する場合がある。また,段差が存在すること自体についても,使用時にこの段差9部分において電界集中が生じ電気的破壊を招き易い,という問題がある。
【0005】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので,円形断面の挿入孔を有する通常の接続スリーブや導体引出棒を用いることができるとともに,その接続スリーブや導体引出棒を絶縁電力ケーブルの扇形導体に圧縮固定した時に導体素線の断線や無用な電界集中の問題を生じることのない絶縁電力ケーブルの接続部処理方法およびこれに用いる金型を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、直角二方向の径寸法に長短がある扇形導体の露出先端部をスリーブの接続用孔に挿入圧縮固定する絶縁電力ケーブルの接続部処理方法であって、
当該絶縁電力ケーブルにおける扇形導体の露出先端部を、その先端側の接続用孔挿入領域Lが、扇形導体の長径寸法と短径寸法との中間の寸法の長手方向に均一な円形断面であって、残りの領域Mが前記円形断面から当該扇形導体と同じ扇形断面に漸変するテーパ状外形となるように金型で圧縮成形し、この扇形導体の露出先端部の前記円形断面に圧縮成形された接続用孔挿入領域Lをスリーブの長手方向に均一な円形断面の接続用孔に挿入圧縮固定することを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1における扇形導体の露出先端部を圧縮成形するための金型であって、
前記扇形導体の露出先端部の接続用孔挿入領域Lに対応する所定長さ部分L’が、扇形導体の長径寸法と短径寸法との中間の寸法の長手方向に均一な円形断面であって、残りの部分M’が前記円形断面から当該扇形導体と同じ扇形断面に漸変するテーパ状断面である孔型を有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に示す実施例を参照して説明する。
この実施例で対象とする絶縁電力ケーブル11は扇形導体12を持つCVケーブルであり、扇形導体12の外側の被覆の構成は図9で説明したものと同じである。図1、図2、図6〜図8では被覆は内部半導電層4のみを示す。この扇形導体12のもともとの断面形状は図1(ロ)に示す通りであり、従来のもの(図10(ロ))と同じである。なお、ここで扇形導体とは、複数本の素線からなる撚線を圧縮成形して全体として断面形状をほぼ扇形にしたものをいうが、厳格に扇形断面のものをいうものではなく、直角二方向の径寸法に長短があって概ね扇形をなした非円形断面の導体であればよい。
【0009】
本発明では図3〜図5に示す金型(ダイス)13を用いて、図1、図2に示すように、当該絶縁電力ケーブル11の扇形導体12の露出先端部を、先端側の接続用孔挿入領域Lの長さ部分が図1(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、扇形導体の長径寸法と短径寸法との中間の寸法の長手方向に均一な円形断面で、残りの領域Mの長さ部分が前記円形断面から当該扇形導体12と同じ扇形断面(すなわち図1(ロ)の断面形状)に漸変するテーパ状外形となるように圧縮成形する。図3〜図5に示すように、金型13は上金型13aと下金型13bとからなる。この金型13の円筒孔型の部分を13c、断面がテーパ状に漸変する孔型部分を13dで示す。
【0010】
上記のように圧縮成形して矯正された絶縁電力ケーブル11における扇形導体12の露出先端部は、図6に示すように、絶縁電力ケーブル11どうしを接続する中間接続部として、扇形導体12の露出先端部の円形に矯正した部分(すなわち接続用孔挿入領域L)のみを接続スリーブ3の内部(接続用孔3a)に挿入し(テーパ状外形の部分Mは挿入しない)圧縮して固定する場合に適用できる。なお、接続スリーブ3の場合は、内部がそのまま接続用孔である。
【0011】
また,図7に示すように,絶縁電力ケーブル11の終端接続部として,扇形導体12の露出先端部の円形に矯正した部分(接続用孔挿入領域L)を導体引出棒14のスリーブ部の孔14aに挿入し圧縮して固定する場合,あるいは,図8に示すように,同じく終端接続部として端子15のスリーブ部の孔15aに挿入し圧縮して固定する場合等に適用される。
【0012】
上記の説明ではCVケーブルについて説明したが,本発明はそれ以外の絶縁電力ケーブルにも当然適用可能である。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、スリーブの接続用孔に挿入される部分は長手方向に均一な円形断面となるから、専用の接続スリーブや導体引出棒を必要とせず円形導体用の通常の接続スリーブや導体引出棒を用いることが可能である。
【0014】
また,スリーブに挿入される円形断面の部分から奥端側にかけてテーパ状に漸次変形して本来の扇形断面となるので,段差は発生せず,したがって,素線断線のおそれはない。また,電界集中の問題が発生するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の絶縁電力ケーブルを示すもので,(イ)は金型により圧縮成形して矯正された扇形導体の露出先端部の平面図,(ロ)は同図(イ)のC−C切断端面図,(ハ)は同図(イ)のD−D切断端面図である。
【図2】図1(イ)の正面図である。
【図3】図1の矯正された扇形導体の露出先端部を得るための金型の部分切り欠き平面図である。
【図4】図3の金型の右側面図である。
【図5】図3のE−E断面図である。
【図6】図1の絶縁電力ケーブルどうしを接続するために,各扇形導体の矯正された露出先端部を接続スリーブに挿入して圧縮固定した状態を示す図である。
【図7】図1の絶縁電力ケーブルにおける扇形導体の矯正された露出先端部を導体引出棒のスリーブ部に挿入して圧縮固定した状態を示す図である。
【図8】図1の絶縁電力ケーブルにおける扇形導体の矯正された露出先端部を端子のスリーブ部に挿入して圧縮固定した状態を示す図である。
【図9】絶縁電力ケーブル(CVケーブル)の段剥ぎされた口出し部を示す説明図である。
【図10】従来の絶縁電力ケーブルの接続部処理方法を示すもので,(イ)は絶縁電力ケーブルにおける扇形導体の露出先端部を従来方法により矯正した場合の平面図,(ロ)は(イ)のA−A切断端面図,(ハ)は(イ)のB−B切断端面図である。
【符号の説明】
3 接続スリーブ
3a 接続スリーブの挿入孔(接続用孔)
11 絶縁電力ケーブル
12 扇形導体
14 導体引出棒
14a スリーブ部の孔
15 端子
15a スリーブ部の孔
L 接続用孔挿入領域
M 残りの領域(断面が漸変するテーパ状外形の部分)
Claims (2)
- 直角二方向の径寸法に長短がある扇形導体の露出先端部をスリーブの接続用孔に挿入圧縮固定する絶縁電力ケーブルの接続部処理方法であって、
当該絶縁電力ケーブルにおける扇形導体の露出先端部を、その先端側の接続用孔挿入領域Lが、扇形導体の長径寸法と短径寸法との中間の寸法の長手方向に均一な円形断面であって、残りの領域Mが前記円形断面から当該扇形導体と同じ扇形断面に漸変するテーパ状外形となるように金型で圧縮成形し、この扇形導体の露出先端部の前記円形断面に圧縮成形された接続用孔挿入領域Lをスリーブの長手方向に均一な円形断面の接続用孔に挿入圧縮固定することを特徴とする絶縁電力ケーブルの接続部処理方法。 - 請求項1における扇形導体の露出先端部を圧縮成形するための金型であって、
前記扇形導体の露出先端部の接続用孔挿入領域Lに対応する所定長さ部分L’が、扇形導体の長径寸法と短径寸法との中間の寸法の長手方向に均一な円形断面であって、残りの部分M’が前記円形断面から当該扇形導体と同じ扇形断面に漸変するテーパ状断面である孔型を有することを特徴とする金型。
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JP14670596A JP3680961B2 (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 絶縁電力ケーブルの接続部処理方法およびこれに用いる金型 |
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JPH09306627A JPH09306627A (ja) | 1997-11-28 |
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