JP3679623B2 - ポール支持装置 - Google Patents

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敬二 根岸
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、標識を支持するポールを道路の側壁に設置するポール支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路のメンテナンスを行う場合には、そのメンテナンスの状況に応じた標識を支持するポールを道路の路肩に設置されているガードレール等に固定し、自動車の運転手に注意を喚起することが行われている。この場合に用いられる標識は恒久的なものではなく、メンテナンス終了後は標識を撤去する必要がある。このため、従来は標識支持用のポールを取付金具によりガードレールに固定することが行われている。その一例としては、例えば実公平1−18656号公報に記載されたものがある。
【0003】
一方、高速道路においてはガードレールが設置されていないので、標識支持用のポールを他の手段により設置しなくてはならない。また、標識の設置作業が長くなることは、特に高速道路では非常に危険を伴うので、速やかに標識を設置できることが要求される。そこで、高速道路の道路側壁の上下方向に所定の間隔をもって平行にアームを常設し、アームの先端に設けられた保持金具により標識が固定されたポールを保持することが従来から行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、標識が固定されたポールを保持する保持金具を有するアームを道路側壁に常設する方法では、道路のメンテナンスが終了し標識を撤去した後においても、アームが道路側に突出しているため邪魔である。また、高価なアームを道路進行方向に一定間隔(実際には100m間隔)で道路側壁に常設しておくことは経済的に大きなロスとなる。
【0005】
したがって、標識を撤去した後に道路の往来の邪魔となるような突起物を残さず、しかも、道路全体における設備費用が安価であるポール支持装置が要望されている。
【0006】
本発明は、標識の撤去後に邪魔になることなく、しかも、道路全体における設備費用が安価であるポール支持装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、断面が略L字形状の複数の屈曲片により一方に開口したレールガイド部を備えて道路側壁の上下方向に所定の間隔をおいて配置される複数の固定金具と、前記レールガイド部に一方向から挿入されて保持される板状部材を備えて前記固定金具に着脱自在に装着される複数の支持金具と、支持金具の一端に設けられ標識が固定されたポールを保持するポール保持手段とを具備する。したがって、道路側壁の上下方向に配置される複数の固定金具に、複数の支持金具を設置し、これらの支持金具に設けられたポール保持手段でポールを保持する。また、標識の設置不要後は、支持金具を固定金具から取り外すことにより撤去する。
【0008】
請求項2記載の発明は、固定金具は道路側壁の傾斜角度に応じたテーパ角度を有するテーパ座金を具備する。したがって、固定金具は、テーパ座金を具備することにより道路側壁の傾斜角度に拘らず、固定金具の支持金具を支持する面を鉛直方向と平行に設置される。
【0009】
請求項3記載の発明は、支持金具は、長手方向に伸縮自在である。したがって、支持金具は、道路側壁の傾斜角度に応じて少なくとも1つの支持金具の長さを調節することで、標識が固定されたポールを鉛直方向に保持する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。図1は道路の片側を断面にして標識支持用のポールの支持状態を示す全体図である。本実施の形態のポール支持装置は、道路側壁1の上下方向に設けられる一対の固定金具2に、標識(図示せず)を支持するポール3を着脱自在に支持する一対の支持金具としての、上部アーム4,下部アーム5が着脱自在に装着されることにより構成されている。
【0011】
次に、図1及び図2を参照して、固定金具2について説明する。一対の固定金具2は、道路側壁1の垂直方向に所定の間隔をおいて取り付けられている。これら固定金具2は、道路側壁1の鉛直方向に対する傾斜角度と略一致したテーパ角度を有するクサビ形状のテーパ座金6と、上部アーム4,下部アーム5を着脱自在に支持するための取付プレート7とにより構成されている。テーパ座金6は、一方の面を道路側壁1と接し、その道路側壁1と接する面と所定の角度をなす他方の面で取付プレート7を受けることにより、固定金具2が上部アーム4,下部アーム5を水平方向と平行に支持できるように構成されている。また、図2に示すように、取付プレート7は、板状部材8に断面が略Lの字形状の3つの屈曲片9を配設することにより形成された、レールガイド部10を備えている。このようなレールガイド部10は、後述する上部アーム4,下部アーム5の板状部材11が差し込まれることにより、上部アーム4,下部アーム5を支持する構造となっている。
【0012】
次に、支持金具としての上部アーム4及び下部アーム5について説明する。図2に示すように、上部アーム4,下部アーム5は、それぞれ固定金具2に着脱自在に装着されることにより、標識(図示せず)を支持するためのポール3を鉛直方向に保持できる構造となっている。また、これら上部アーム4,下部アーム5は、前述した板状部材11と、伸縮自在に形成された支柱部材12と、支柱部材12の一端に設けられポール3を着脱自在に保持するためのポール保持部材13,13aとにより構成されている。そして、板状部材11は、固定金具2に形成されたレールガイド部10の開放部に抜き差し自在に挿入されることで、上部アーム4,下部アーム5が固定金具2に着脱自在に支持される構造をなしている。
【0013】
ここで、支柱部材12の伸縮自在な構造について説明する。図2に示すように、支柱部材12は、板状部材11に固定された外筒14に内筒15が摺動自在に挿入されることで伸縮自在な構造となっている。そして、外筒14に対して摺動自在の内筒15は、ロック機構によって位置固定されるように構成されている。
【0014】
また、図3ないし図6に基づいて、ロック機構について説明する。このロック機構は、外筒14の所定の位置に設けられた1つの位置決め孔16と、内筒15の摺動方向に1列に並ぶ位置決め孔17と、外筒14と紛失防止チェーン18で連結された位置決めピン19とで構成されている。そして、このロック機構は、支柱部材12を伸縮して外筒14の位置決め孔16と内筒15の選択された位置決め孔17とに位置決めピン19を通すことにより、内筒15を外筒14に対して固定する構造となっている。
【0015】
次に、標識(図示せず)を支持するためのポール3を、着脱自在に保持する構造について詳細に説明する。まず、図2ないし図4に基づいて、上部アーム4のポール保持部材13の構成について説明する。上部アーム4のポール保持部材13は、半円形状の二つの板状部材20,21の一端をヒンジ22により回動自在に連結し円形状を形成することで、標識(図示せず)を支持するためのポール3の外周を包囲するように構成されている。また、上部アーム4のポール保持部材13は、板状部材20,21の開放部に設けられた対向する平坦部23,24の間隙を狭めることにより、ポール3を板状部材20,21で締付けできる構造となっている。
【0016】
更に、ポール3を固定するための構成を詳細に説明する。図7は、図3において、上部アーム4のポール保持部材13の板状部材21をヒンジ22の回りに閉じた状態から90度開放方向に回動させたとき、図3中の矢印Aの方向から視たものを示した図である。図7に示すように、平坦部23には、アイボルト25が略コの字形状に形成された板部材26を貫通するピン27によって回動自在に設けられ、そのねじ部にハンドル28が螺合されている。また、平坦部24には、板状部材21を閉じる方向に回動させて平坦部23,24が対向された状態で、アイボルト25がピン27の回りに回動できるように所定の幅を有する溝29が設けられている。
【0017】
したがって、上部アーム4のポール保持部材13は、ハンドル28を所定の位置まで戻すことでアイボルト25が溝29の間を待避方向に回動することができ、板状部材21がヒンジ22により回動できる構造となっている。また、板状部材21を閉じる方向に回動することで板状部材20,21がポール3を包囲し、その状態で平坦部24の溝29を通してアイボルト25をピン27の回りに回動することができる。そして、上部アーム4のポール保持部材13は、平坦部23,24がハンドル28を締付け方向に回すことで板状部材20,21が形成する円形状を圧縮することにより、ポール3を締付けできる構造となっている。
【0018】
また、下部アーム5のポール保持部材13aは、図2及び図5,図6に示すように、円筒形状体30により形成され、標識(図示せず)を支持するためのポール3が挿入されることにより、ポール3を非固定状態で支持する構造となっている。
【0019】
このような構成において、一対の固定金具2に形成されたレールガイド部10に、上部アーム4,下部アーム5の板状部材11を上方よりスライドさせることで、上部アーム4,下部アーム5を固定金具2に着脱自在に装着することができる。したがって、上部アーム4,下部アーム5を必要に応じて速やかに装着及び撤去できるとともに、その撤去後は道路上に作業等の妨げとなるような突出物を無くすことができる。また、高価なアームを路線上に常設しておく必要がないので、アームの数を減らすことができ道路全体に係るポール支持装置の設備費用が安価で済む。
【0020】
また、上部アーム4,下部アーム5をアーム長手方向に伸縮させることで、一対のポール保持部材13,13aがポール3を保持するときのそれぞれのポール保持軸を鉛直直線上で略一致することができる。したがって、傾斜した道路側壁1に上部アーム4,下部アーム5を装着するときに、少なくとも一方のアームを伸縮させることで、ポール3を常に鉛直方向に保持することができる。これにより、図1に示すように、傾斜した道路側壁1に対してそれぞれ占有のアームを用意する必要がなく共用することができるので、全体の在庫を少なくすることができ設備費用が安価で済む。
【0021】
そして、下部アーム5の円筒形状体30にポール3を挿入することにより、ポール3は非固定状態で支持される。更に、上部アーム4の板状部材20,21でポール3を包囲し、アイボルト25を溝29の間を通すことで回動させ、ハンドル28を締付け方向に回すことにより板状部材20,21がポール3を締め付けるとともに締着固定する。したがって、上部アーム4と下部アーム5とのポール保持部材13,13aにより、標識が固定されたポール3を、工具等を用いることなく速やかに装着及び撤去することができる。これにより、非常に危険な高速道路上における作業時間を短縮することができる。
【0022】
本実施の形態において、標識(図示せず)を支持するためのポール3を、上部アーム4及び下部アーム5の一対の支持金具により支持したが、3本以上の支持金具でポール3を支持し、望ましくは最上部の支持金具にポール固定手段を設けることにより構成してもよい。
【0023】
なお、図8に示すように、道路側壁1が水平面に対して垂直である場合、テーパ座金6を介さずに、取付プレート7を道路側壁1に固定することにより固定金具2を構成することで、標識が固定されたポール3を鉛直方向に保持することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、断面が略L字形状の複数の屈曲片により一方に開口したレールガイド部を備えて道路側壁の上下方向に所定の間隔をおいて配置される複数の固定金具と、前記レールガイド部に一方向から挿入されて保持される板状部材を備えて前記固定金具に着脱自在に装着される複数の支持金具と、支持金具の一端に設けられ標識が固定されたポールを保持するポール保持手段とを具備するので、支持金具は、レールガイド部に対する板状部材の挿脱のみで必要に応じて固定金具に装着及び撤去することができ、その撤去後は道路上に作業等の妨げとなるような突出物を無くすことができる。また、高価な支持金具を路線上に常設しておく必要がないので、支持金具の数を減らすことができ道路全体に係るポール支持装置の設備費用が安価で済む。
【0025】
請求項2記載の発明は、固定金具は道路側壁の傾斜角度に応じたテーパ角度を有するテーパ座金を具備する。したがって、テーパ座金は、一方の面を道路側壁に接するように設置されることで、その道路側壁に接する面と所定の角度をなす他方の面が鉛直方向と平行になる。これにより、固定金具は、道路側壁の傾斜角度に応じたテーパ座金を備えて道路側壁に設置されることで、固定金具の支持金具を支持する面を鉛直方向と平行にすることができる。したがって、固定金具は、支持金具を水平面に対しても平行に設置することができる。
【0026】
請求項3記載の発明は、支持金具は、長手方向に伸縮自在である。したがって、少なくとも1つの支持金具を伸縮させることで、標識が固定されたポールを保持するポール保持軸が鉛直直線上で一致され、支持金具は、ポールを鉛直方向に保持することができる。
【0027】
これにより、支持金具は、異なった傾斜角度の道路側壁において共用することができるので、高価な支持金具の在庫量を減らすことにより道路全体の設備費用を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のポール支持装置における、標識が固定されたポールの支持状態を側面から示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態において、一対の固定金具と一対の支持金具との構成を示す斜視図である。
【図3】固定金具に装着された上部アームの平面図である。
【図4】図3における側面の断面図である。
【図5】固定金具に装着された下部アームの平面図である。
【図6】図5における側面の断面図である。
【図7】上部アームにおけるポール保持部材の正面図である。
【図8】図1において道路側壁が水平面に対して垂直である場合を示す説明図である。
【符号の説明】
1 道路側壁
2 固定金具
3 ポール
4 支持金具
5 支持金具
6 テーパ座金
13,13a ポール保持部材

Claims (3)

  1. 断面が略L字形状の複数の屈曲片により一方に開口したレールガイド部を備えて道路側壁の上下方向に所定の間隔をおいて配置される複数の固定金具と、
    前記レールガイド部に一方向から挿入されて保持される板状部材を備えて前記固定金具に着脱自在に装着される複数の支持金具と、
    前記支持金具の一端に設けられ標識が固定されたポールを保持するポール保持手段と、
    を具備するポール支持装置。
  2. 前記固定金具は、道路側壁の傾斜角度に応じたテーパ角度を有するテーパ座金を具備する請求項1記載のポール支持装置。
  3. 前記支持金具は、長手方向に伸縮自在である請求項2記載のポール支持装置。
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