JP3679605B2 - 人工歯の製作方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陶材を用いて技巧サイドにて人工歯を製作する際の、精巧な陶材の焼成を可能とする陶材固定技術に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
発明者は、先にコアに陶材粉末泥を流し込んで凍結させ、凍結状態で成形された陶材を乾燥して焼成する技術を開示している(特願平9−134406号)。これは、精巧な人工歯を製作するための技術であって、凍結状態の形状を崩すことなく乾燥することができれば、コアの内側形状に極めて忠実な人工歯を得ることができるという視点に立ったものである。
【0003】
ところで、本発明におけるコア材の理想的な物性としては、精度が高いことはもちろんのこと、表面が滑沢で冷凍後の陶材との分離がよく、陶材泥のフローがよく、陶材の中に不純物が巻き込まれず、冷凍した陶材塊の抜けがよく、さらに繰り返し使用することができる程度の強度を持つことが好ましい。さらに、作業性がよく、コア材自体の硬化が速く安価であることが好ましい。現状のコア材としては、シリコンラバーの印象材が最適である。そして、コアの構造としては、一般的に利用されているように、模型、メタルフレームあるいはベースコアなどの土台との位置関係が変化しないようにしっかりと固定する。
【0004】
このようなコアを用いた場合であっても、上記凍結手段によって人工歯を得るには、コアに対してどれだけ精度が高い陶材塊を確保することができるかという点が非常に重要である。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するものであり、陶材の凍結という手段を採用しながら、高精度の人工歯を製作することができる技術を開示することを目的とする。
【0006】
本発明では、上記目的を達成するために、人工歯用のコアに対して陶材粉末泥を流し込み、この陶材粉末泥に対して加圧して締め固めると共に、加圧によって浮き出した水分に対してさらに陶材粉末を添加して陶材粉末泥とした後に上記コアと共に凍結し、凍結完了後に上記コアから陶材を離型するという手段を用いた。人工歯を形成する陶材は、いかに短時間で高い密度の均一な塊を得ることができるかという課題を解決することは重要である。上述した先の出願において、発明者は凍結手段を開示しているが、凍結過程によって形態の付与は短時間で行うことができるが、高密度あるいは均一性という課題は完全に解決できない。本発明では加圧工程を加えることによって余分な水分を浮き出させ、これを除去することなく、この水分を積極的に利用して陶材泥を追加することになる。一般に、陶材泥は締め硬めに寄って体積が小さくなるので、十分に加圧すれば組織は緻密になる反面、コア内陶材の体積は徐々に小さくなる。また、陶材は焼成することによって収縮してしまうので、焼成後にさらに陶材を追加築盛する必要がある。本手段では、加圧して陶材を追加することにより、緻密かつコアに忠実な体積を維持することになるので、収縮後の体積は比較的大きいままを維持でき、追加築盛を少なくすることができる。加圧を複数回繰り返すことによって、体積は大きいままで保持しながら、さらに緻密な陶材塊を得ることになる。なお、この方法は人工歯の形成だけでなく、水で錬和して成型し、焼成するタイプのセラミックの加工に通ずるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。先ず、コアに対して陶材泥を流し込む工程について説明すると、陶材泥の注入は、単色泥を注入する手段と多色泥を積層する手段があるが、何れの場合でも陶材を水を主とした練和液で練和するが、十分に脱泡する必要がある。陶材については、発明者の先の出願に開示したように細かく、かつ均一な粒径の粉末を用いることが好ましいが、従来から公知の陶材粉末を用いることを否定するものではない。なお、コアの素材としては今回はシリコンラバー印象材を使用した。この印象材は柔軟であり、離型が容易であり、かつ加圧に対しても変形することがなかった。そして、このコアに対して最初の注入は、コアの開口からの流し込みにて行う。この状態で次工程の加圧工程に移行する。なお、加圧工程に先立ってコアに対して振動を与え、締め固めの前処理を行うこともある。
【0009】
加圧工程としては、2つの方法が可能である。1つは加圧釜にコアを収納して全面から均等に加圧する方法、もう1つはプレスによってコアの開口面(陶材の注入口)を一方向から加圧する方法である。これらの方法の何れを採用するかということは、コアの印象形状や注入口の広さなどによって適宜決定される。先ず第1の方法については、陶材泥の性質上、注入口は大き目に設定する必要がある。また、注入不足が生じ易い部分や空気が溜まりやすい部分、あるいは加圧によって締め固めた場合に浮き出る水分の放出ができない部分には、予めベントを付与しておく。ベントは凍結後、コアから離型するときにコアが割れることがないようにある程度の太さを確保しておく。コアの形状として、全体が密閉されて注入口が小さいものや、型が厚く形成されている場合には釜内で圧力が均一にかかりやすいが、開放部分が大きかったり型が複雑で薄い部分がある場合には圧力がかかりにくい。従って、加圧釜による加圧の場合には、製作するものはある程度限定されるであろう。ただし、加圧釜による加圧はそれほど高くないので(約7kg/平方cmまで)、コア作成や陶材泥の注入についての制約は多くなく、操作性は良好である。なお、本実施形態では1回だけの加圧を説明したが、複数回加圧する場合であっても、上記工程を所望の回数だけ繰り返すことになるのはいうまでもない。
【0010】
次に、プレスによる加圧については、全面にわたって強い力で締め固めることができるので、高精度の緻密化が可能となる。プレスによる加圧では、プレス機で直線方向に締め付けることを想定しており、このためにコアは加圧方向に2分割することになる。そして、分割された下側コアに陶材泥を注入した後、上側コアを被せてプレス機で締め付ける。この締め付け圧力(加圧)はプレス機の能力に依存するが、非常に高い加圧も可能となる。この加圧を行うことによって、余剰の水分や陶材泥は必然的に外部に放出されることになる。なお、プレス機で締め付けながら振動を与えることも有効である。プレスによる加圧では、コア自体が加圧に耐えうる強度を有することが必要である。従って、頑丈なコアを製作するための時間とコストが従来に比べると多少増える。また、陶材泥のフローが悪いので、コアを再構成して加圧した場合、元の位置に正確に納まりにくい点を考慮して、精度の高いコアを製作する必要がある。なお、加圧釜の場合と同様に、複数回の加圧については、陶材泥を追加した後に同じ工程を繰り返すことになるのは当然である。
【0011】
水分の除去については、加圧後に表面に浮き出た水を吸水パッドなどで吸い取る方法が有効であるが、この手段に限定されることはない。必要なことは、加圧によって表面に顕在化した余剰水を陶材塊から分離することにあり、これを達成することができる方法であればどのような方法でも本発明の水分除去に該当するものである。なお、上記実施形態では余剰水を除去する構成を説明したが、これに代えて追加で陶材粉末を添加することがある。この場合には、浮き出た水分量に見合っただけの陶材粉末を投入して軽く練和し、再度加圧を行うことになるが、コアの条件、注入条件および加圧条件については水分を除去する手段と何ら変わるところはない。
【0012】
続いて、加圧によって陶材を締め固めた状態で凍結を行う。凍結条件については特に限定するものではないが、一般的には冷凍庫にて凍結を行うことになろう。ただし、凍結後の陶材をコアから離型し、焼成前に十分に乾燥させるなど、焼成までに一定の作業が必要となるが、離型時に簡単に解凍してしまわないようにするためには、凍結温度は低いほうが好ましい。このためには、低温冷凍庫で凍結させたり、より低い温度が必要な場合には液体窒素などの超低温液体に浸漬することも有効な手段である。そして、本発明では焼成前に凍結状態の陶材塊を得ることができるので、これを整形するためにカーバイドバーなどで削合し、軟毛ブラシで平滑化した後にコットンパフなどで調整することも可能である。このようにすれば、より高い精度の人工歯を焼成することができる。
【0013】
ところで、陶材は焼成によって収縮するので、印象通りの人工歯を得るためには収縮した分だけ追加で補正する必要がある。この補正は一般に築盛やコアに対する再度の追加注入によって行われることになる。ここで、コアに対する追加注入の場合には注入の方向や注入口の設定場所に注意を要する。即ち、陶材泥は上から下へ流れるものなので、図1のように当初の注入口から追加注入しても陶材泥が十分にコア内に回り込むような場合には問題はない。図中、1はコア、2は焼成収縮した人工歯、3は注入口である。しかし、図2のように第1回目の注入を金属フレーム4側から行う形状であれば、追加注入を同じ側から行った場合には陶材泥が回り込めない場所Aが必然的に存在することになる。従って、このような注入を行った場合には粗悪品が出現してしまう。これを避けるため、本実施形態では追加注入専用の注入口5を形成した。この注入口5は、コア1を作製するときに同時に作製する方法がある。即ち、注入口5に見合った形状の別のコア6(斜線で示した構造)を作製し、1回目の注入の際にはコア1に嵌め込んで一体構造としておき、2回目の補正のための注入に際して始めてコア6を除去し、注入口5を露呈させてコア全体を上下逆向きとし、注入する。このようにすれば場所Aにも陶材泥が十分回り込むようになる。ただし、この方法に限らず、コア1の加工が容易である場合には、2回目の注入直前にコア1を加工して注入口5を設けることも可能である。
【0014】
【発明の効果】
本発明では、上記目的を達成するために、人工歯用のコアに対して陶材粉末泥を流し込み、この陶材粉末泥に対して加圧して締め固めると共に、加圧によって浮き出した水分に対してさらに陶材粉末を添加して陶材粉末泥とした後に上記コアと共に凍結し、凍結完了後に上記コアから陶材を離型する方法を採用しているので、非常に緻密な構造を持つ陶材塊を得ることができる。また、浮き出た水分に対して陶材粉末を添加して注ぎ足すこととしているので、陶材のコアに対する充填率が高くなり、焼成・収縮後の補正も再度の陶材の注入量を少なくすることができる。また、加圧を複数回繰り返すことによって、陶材塊の密度はさらに高くなり、これに比例して制度の高い人工歯を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における陶材泥の注入工程の一例を示す模式図
【図2】同、別例を示す模式図
【符号の説明】
1 コア
2 人工歯
3 注入口
4 金属フレーム
5 注入口
6 コア

Claims (2)

  1. 人工歯用のコアに対して陶材粉末泥を流し込み、この陶材粉末泥に対して加圧して締め固めると共に、加圧によって浮き出した水分に対してさらに陶材粉末を添加して陶材粉末泥とした後に上記コアと共に凍結し、凍結完了後に上記コアから陶材を離型することを特徴とする人工歯の製作方法
  2. 加圧は複数回繰り返す請求項1記載の人工歯の製作方法。
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