JP3679459B2 - 発振回路 - Google Patents

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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、マルチバイブレータを使用した発振回路に関するもので、特に周囲温度の変化に対しても、一定の発振周波数を得ることのできる発振回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチバイブレータを使用した発振回路が知られている。マルチバイブレータを使用した発振回路では、発振子としてコンデンサだけを使用して構成できるので、発振回路をIC化するのに最適である。前記コンデンサの容量値程度であれば、ICに内蔵可能である。
【0003】
図2はそのようなマルチバイブレータを使用した発振回路を示す回路図で、コレクタが第1負荷(1)に接続されエミッタがコンデンサ(2)の一端に接続された第1トランジスタ(3)と、コレクタが第2負荷(4)に接続されエミッタが前記コンデンサ(2)の他端に接続された第2トランジスタ(5)と、コレクタが前記コンデンサ(2)の一端に接続され電流源を構成する第3トランジスタ(6)と、コレクタが前記コンデンサ(2)の他端に接続され電流源を構成する第4トランジスタ(7)と、前記第3又は第4トランジスタ(6)(7)に定電流を供給する第5トランジスタ(8)と、前記第1負荷(1)及び又は前記第2負荷(4)の出力信号に応じて、前記第1及び第4トランジスタ(3)(7)と、前記第2及び第3トランジスタ(5)(6)とを交互に導通させるようにバイアスを与えるバイアス回路(9)と、出力端子(10)(11)とを備えている。
【0004】
次に、発振原理について簡単に説明する。
今、図2の点Aが「H」レベルで、点Bが「L」レベルであったとする。すると、トランジスタ(12)のエミッタ側の電位が上昇して全体的に「H」レベルとなる。又、トランジスタ(13)のエミッタ側の電位が低下して全体的に「L」レベルとなる。
【0005】
その為、前記第1及び第4トランジスタ(3)(7)のベースには「L」レベルの電圧が印加され、前記第2及び第3トランジスタ(5)(6)のベースには「H」レベルの電圧が印加される。前記第2及び第3トランジスタ(5)(6)のベースに「H」レベルの電圧が印加されると、定電流を供給する第5トランジスタ(8)に流れる電流Iが両トランジスタを介して流れることとなる。
【0006】
すると、コンデンサ(2)には図示の方向の充電が行われ、第2トランジスタ(5)のエミッタ電圧が上昇する。第2トランジスタ(5)のエミッタ電圧が上昇すると第2トランジスタ(5)は、オフする。すると、点Bの電圧が「H」レベルとなり、トランジスタ(13)のエミッタ側の電位が上昇して全体的に「H」レベルとなる。
【0007】
すると、第1及び第4トランジスタ(3)(7)のベースには「H」レベルの電圧が印加され、第1及び第4トランジスタ(3)(7)がオンする。第1及び第4トランジスタ(3)(7)がオンすると、点Aの電圧が「L」レベルとなり、トランジスタ(12)のエミッタ側の電位が低下して全体的に「L」レベルとなる。
【0008】
その為、コンデンサ(2)には図示の方向と逆の方向の充電が行われ、同様の動作を繰り返すことになる。つまり、前記第1及び第4トランジスタ(3)(7)と、前記第2及び第3トランジスタ(5)(6)とを交互に導通させるようにバイアス回路(9)が動作し、その結果、出力端子(10)(11)に発振出力信号が得られる。
【0009】
出力端子(10)(11)に得られる発振出力信号の発振周波数Fは、
【0010】
【数2】
【0011】
となる。
但し、Iは前記第5トランジスタ(8)の定電流値、Cは前記コンデンサ(2)の容量値、Vは前記第1負荷(1)、前記第2負荷(4)に発生する信号の振幅である。
従って、図2の回路によれば、マルチバイブレータを使用した発振回路を構成することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2の発振回路をICした場合に周囲の温度が上昇すると、発振周波数Fが変動してしまう、という問題があった。
図2の回路において、温度により値が変動する素子としてはトランジスタやダイオードのPN接合電圧であるVBEと抵抗がある。それぞれの変動の割合は、1度毎に次のようになり、相対的に抵抗値の変化の方が影響が大きい。
【0013】
VBE=−2.0mV/℃
R=+0.15%/℃
図2の基準電源(14)の電圧をVB、PN接合電圧をVBE、抵抗(15)の抵抗値をR3とすると、第5トランジスタ(8)の定電流値Iは、
【0014】
【数3】
【0015】
となる。式(3)において、電圧VBEの変化の方が抵抗R3の変化より大きいので、温度が上昇すると、式(3)の値は大きくなる。
そのため、前記第5トランジスタ(8)の定電流値Iは、増大する。
一方、式(2)の第2負荷(4)に発生する信号の振幅VPPは、第2負荷(4)に流れる電流により定まり、次のようになる。
【0016】
【数4】
【0017】
但し、R5は、第2負荷(4)の抵抗値である。
式(4)において、温度が上昇すると電圧VBEが小さくなるので振幅VPPは大きくなる。
例として、VBE=0.7V、R3=R5=500オームを、式(4)に代入すると、100度の温度変化があった場合、その変化は次のようになる。
【0018】
その結果、電流Iよりも振幅VPPの増加率の方が大きいので、発振周波数Fは、温度があがると小さくなってしまう。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、コレクタが第1負荷に接続されエミッタがコンデンサの一端に接続された第1トランジスタと、コレクタが第2負荷に接続されエミッタが前記コンデンサの他端に接続された第2トランジスタと、コレクタが前記コンデンサの一端に接続され電流源を構成する第3トランジスタと、コレクタが前記コンデンサの他端に接続され電流源を構成する第4トランジスタと、前記第2及び第3トランジスタのベースにバイアス電圧を加え前記第1負荷の一端に発生する電圧に応じて前記第2及び第3トランジスタを同時にオン又はオフさせ前記コンデンサに電流を供給もしくは遮断する第1のバイアス部と、前記第1及び第4トランジスタのベースにバイアス電圧を加え前記第2負荷の一端に発生する電圧に応じて前記第1及び第4トランジスタを同時にオフ又はオンさせ前記コンデンサに電流を遮断もしくは供給する第2のバイアス部と、前記第3及び第4トランジスタのエミッタに接続され前記コンデンサに流れる電流を供給する定電流トランジスタとを備え、前記コンデンサに交互の方向で電流が流れるようにする発振回路において、 該定電流トランジスタと電流ミラー接続された電流ミラートランジスタと、該電流ミラートランジスタのエミッタに接続された第1抵抗と、該電流ミラートランジスタのコレクタに直列接続されたダイオード及び第2抵抗と、該ダイオード及び第2抵抗の前記電流ミラートランジスタ側の一端に発生する電圧を出力する出力トランジスタとを備える第3のバイアス部を設け、前記第3のバイアス部の内部のPN接合素子から生ずる電圧と前記第1及び第2抵抗の抵抗比との積に応じた電圧を前記出力トランジスタのエミッタから前記第1及び第2負荷の一端に印加し、前記第1及び第2負荷の一端の出力信号レベルを制限し、前記第1及び第2抵抗の抵抗比を調整して前記第1及び第2トランジスタのコレクタから得られる発振出力信号の周波数が温度変化によらず一定となるようにしたことを特徴とする。
【0020】
【作用】
本発明によれば、マルチバイブレータ型の発振回路において、第1及び第2負荷に発生する出力信号レベルを制限するリミッタを設け、発振出力信号の振幅が温度変化に応じて変化するようにしている。
そのため、前記発振回路の発振周波数を定める電流値Iが温度により変動しても、前記発振出力信号の振幅Vがその変化を押さえるように働くので、全体として、前記発振回路の発振周波数は、一定となる。
【0021】
【実施例】
図1は、本発明の発振回路を示すもので、(20)は、抵抗(21)(22)、トランジスタ(23)乃至(25)及びダイオード(26)からなり、点A及び点Bの電圧のレベルを制限するリミッタである。
尚、図1において、図2と同一の回路素子については同一の符号を付し説明を省略する。
【0022】
トランジスタ(23)のエミッタに流れる電流I1は、抵抗(21)の値をR1とし、トランジスタやダイオードのPN接合電圧をVBEとすると、
【0023】
【数5】
【0024】
となる。そして、抵抗(22)の値をR2、電源電圧をVCCとすると、トランジスタ(24)(25)のエミッタに生ずるリミッタ電圧VLは、
【0025】
【数6】
【0026】
となり、該電圧以下に点A及び点Bの電圧が下がることはない。
点A及び点Bの電圧が式(6)のように表せると、第1負荷(1)及び第2負荷(4)に発生する発振信号の振幅VPPLは、
【0027】
【数7】
【0028】
となる。式(7)においては、抵抗R1を6Kオーム、抵抗R2を700オームに設定している。すると、電圧VBEには正の係数がかかるようになる。又、式(7)の抵抗R1及びR2の温度変化に起因する変動は相殺されるので、式(7)の変動要因は、電圧VBEだけである。
これらの条件から、温度が上昇すると振幅VPPLは小さくなる。振幅VPPLが小さくなると、式(2)の出力端子(10)(11)に得られる発振出力信号の発振周波数Fは、大きくなる。
【0029】
従って、発振周波数Fは一定となる。
この際の、前記電圧VBEの変化の大きさは、抵抗R1及びR2の比により任意に変えられる。具体的には、式(7)の値を式(2)に代入し、温度について微分を行い、その一定となるような抵抗R1及びR2の比を設定すればよい。
尚、式(7)において、抵抗R2を抵抗R1に比べて大きく設定すれば電圧VBEには負の係数がかかるようになる。このようにすれば、温度が上昇すると振幅VPPLを大きくすることも可能となる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、マルチバイブレータ型の発振回路において、第1及び第2負荷に発生する出力信号レベルを制限するリミッタを設け、発振出力信号の振幅が温度変化に応じて変化するようにしているので、発振回路の発振周波数を定める電流値Iが温度により変動しても、発振出力信号の振幅Vがその変化を押さえるように働くので、全体として、発振回路の発振周波数は、一定となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発振回路を示す回路図である。
【図2】従来の発振回路を示す回路図である。
【符号の説明】
(3) 第1トランジスタ
(5) 第2トランジスタ
(6) 第3トランジスタ
(7) 第4トランジスタ
(9) バイアス回路

Claims (2)

  1. コレクタが第1負荷に接続されエミッタがコンデンサの一端に接続された第1トランジスタと、コレクタが第2負荷に接続されエミッタが前記コンデンサの他端に接続された第2トランジスタと、コレクタが前記コンデンサの一端に接続され電流源を構成する第3トランジスタと、コレクタが前記コンデンサの他端に接続され電流源を構成する第4トランジスタと、前記第2及び第3トランジスタのベースにバイアス電圧を加え前記第1負荷の一端に発生する電圧に応じて前記第2及び第3トランジスタを同時にオン又はオフさせ前記コンデンサに電流を供給もしくは遮断する第1のバイアス部と、前記第1及び第4トランジスタのベースにバイアス電圧を加え前記第2負荷の一端に発生する電圧に応じて前記第1及び第4トランジスタを同時にオフ又はオンさせ前記コンデンサに電流を遮断もしくは供給する第2のバイアス部と、前記第3及び第4トランジスタのエミッタに接続され前記コンデンサに流れる電流を供給する定電流トランジスタとを備え、前記コンデンサに交互の方向で電流が流れるようにする発振回路において、
    該定電流トランジスタと電流ミラー接続された電流ミラートランジスタと、該電流ミラートランジスタのエミッタに接続された第1抵抗と、該電流ミラートランジスタのコレクタに直列接続されたダイオード及び第2抵抗と、該ダイオード及び第2抵抗の前記電流ミラートランジスタ側の一端に発生する電圧を出力する出力トランジスタとを備える第3のバイアス部を設け、
    前記第3のバイアス部の内部のPN接合素子から生ずる電圧と前記第1及び第2抵抗の抵抗比との積に応じた電圧を前記出力トランジスタのエミッタから前記第1及び第2負荷の一端に印加し、前記第1及び第2負荷の一端の出力信号レベルを制限し、前記第1及び第2抵抗の抵抗比を調整して前記第1及び第2トランジスタのコレクタから得られる発振出力信号の周波数が温度変化によらず一定となるようにしたことを特徴とする発振回路。
  2. 前記発振回路は発振周波数Fが
    F=I/(4CV)
    (但し、Iは前記コンデンサに流れる電流値、Cは前記コンデンサの容量値、Vは前記第1負荷及び又は前記第2負荷に発生する信号の振幅である)で定まり周囲の温度上昇に応じて前記電流値Iが変化した時に前記第3のバイアス部により前記振幅Vを変化させて前記発振周波数Fが一定となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の発振回路。
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