JP3146088B2 - 可変リアクタンス回路 - Google Patents

可変リアクタンス回路

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JP3146088B2
JP3146088B2 JP08724593A JP8724593A JP3146088B2 JP 3146088 B2 JP3146088 B2 JP 3146088B2 JP 08724593 A JP08724593 A JP 08724593A JP 8724593 A JP8724593 A JP 8724593A JP 3146088 B2 JP3146088 B2 JP 3146088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの制御電流の増減
によって帰還量を変えて入力インピーダンスを変化させ
る可変リアクタンス回路に関するもので、特に電圧制御
発振器(VCO)の周波数の制御用に使用されるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の可変リアクタンス回路の構成を図
4に示す。この従来の可変リアクタンス回路は、3組の
差動対トランジスタQ、Q、及びQ、Q並びに
、Qと、コンデンサCと、ダイオードD、D
と、定電流源2、4、10と、可変電流源6、8と、
抵抗Rとを備えている。差動対トランジスタQ、Q
のエミッタは各々定電流源2、4に接続されるととも
にコンデンサCを介して接続されている。又トランジ
スタQ、Qのコレクタは各々ダイオードD、D
を介して電源Vccに接続される。そしてトランジスタQ
のベースは可変リアクタンス回路の入力端子INを介し
て図示しない電圧制御発振器(以下、VCOともいう)
の出力端に接続される。一方トランジスタQのベース
は交流的に接地されている。すなわち、2電源Vcc、G
ND間に設けられる、抵抗Rおよび定電流源10から
なる直列回路の、抵抗Rと定電流源10との共通接続
点にトランジスタQのベースが接続されている。これ
は、トランジスタQ、Qのエミッタが定電流源2、
4で駆動されるとともにエミッタ間がコンデンサC
介して接続されているので、トランジスタQ、コンデ
ンサC、及びトランジスタQからなる差動型V−i
変換の基準側のトランジスタQのベースバイアスにつ
いては、トランジスタQのべース電位とは独立に比較
的自由に決めることができるためである。
【0003】トランジスタQとQのコレクタは共に
電源Vccに接続され、トランジスタQとQのコレク
タは共にトランジスタQのベースに接続されている。
トランジスタQとQのベースは共にトランジスタQ
1のコレクタに接続され、トランジスタQとQのベ
ースはトランジスタQのコレクタに接続されている。
そしてトランジスタQとQ4のエミッタは共通に接続
されて可変電流源6を介して接地電源GNDに接続さ
れ、トランジスタQとQのエミッタは共通に接続さ
れて可変定電流源8を介して接地電源GNDに接続され
ている。
【0004】このような可変リアクタンス回路において
は、可変電流源6、8を制御してこれらの電流源の電流
、Iを変えることによって、入力端子INへの帰
還量を変え、これにより入力インピーダンスZinを変化
される。この入力インピーダンスZinは次のようにして
求められる。まず、入力端子INに印加される電位を
v、トランジスタQ、Qの抵抗をr、コンデンサ
の容量をC、トランジスタQ、コンデンサ
、トランジスタQを流れる電流をi’、トランジ
スタQのベースからトランジスタQ、Qのコレク
タに流れる電流をiとすると、電流i’は、
【0005】
【数1】 となる。なお、kをボルツマン定数、Tをトランジスタ
の絶対温度、qを電荷素量、Iを定電流源2、4によ
る電流とすると、抵抗rは、r=V/Iと表わ
され、ここでV=kT/qである。
【0006】すると、入力端子INから見た可変リアク
タンス回路の入力インピンダンスZinは、i/i’=A
とすると、
【0007】
【数2】 となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の可変
リアクタンス回路のインピーダンスZinは(3) 式で表わ
せるが、可変電流6、8を制御してその電流I、I
を変えて入力インピーダンスZinを変えた場合、これら
の電流I、Iの変化の影響は入力インピーダンスZ
inの抵抗成分2r/Aに現われる。この抵抗成分2r
/Aの影響について図5を参照して説明する。図5に
おいて、破線からA側の成分が発振回路であってB側の
部分が可変リアクタンス回路である。A側の発振回路の
発振周波数はセラミック共振子Cを含めた入力端子I
Nから見たインピーダンスZで決定され、このインピー
ダンスZは抵抗R3インピーダンスZce、および入力イ
ンピーダンスZinを並列接続した場合の値となる。ここ
で抵抗RはトランジスタQのコレクタと電源Vcc
の間に設けられた抵抗であり、Zceはセラミック共振子
のインピーダンスであって各々一定値となる。一
方、入力インピーダンスZinは、電流I、Iの値及
び大小関係によって符号と大きさが変わる。このことに
ついて説明する。電流I、Iの値及び大きさには次
の3つの場合、 IとIがほぼ零に等しい場合 Iのみがほぼ零に等しい場合 Iのみがほぼ零に等しい場合 が考えられる。
【0009】の場合 説明を簡単にするためI=I=0とすると、トラン
ジスタQ、Q、Q、Qは全てOFFしており、
帰還電流iは流れない。したがって、(3) 式から入力イ
ンピーダンスZinは無限大となる。
【0010】の場合 説明を簡単にするため、I=0とすると、トランジス
タQ、QはOFFする。電流i’によるダイオード
、Dの各々のアノードとカソード間に生じる電圧
変化ΔVBE(D)、ΔVBE(D)によって、トラン
ジスタQのベース電位がトランジスタQのベース電
位よりも低くなるので、帰還電流iは図5の矢印の向き
に流される。なお、電流iの大きさは可変電流源6の電
流値Iによって決まる。したがって入力インピーダン
スZinは(3) 式で表わされる。但し、Aの値は正とな
る。
【0011】の場合 説明を簡単にするため、I=0とすると、トランジス
タQ、QはOFFする。電流i’による電圧変化Δ
BE(Q)、ΔVBE(Q)によってトランジスタQ
のベース電位がトランジスタQのベース電位よりも高
くなるので帰還電流iは図5の矢印と逆向に流れる。し
たがって入力インピーダンスZinはの場合と同様に
(3) 式で表わされるが、Aの値はの場合と異なり、負
となる。
【0012】このように電流I、Iを制御すること
によって、入力インピーダンスZinが変化し、その抵抗
成分2r/Aとリアクタンス成分1/wcAの値も大
きさと符号が異なることになる。これにより、インピー
ダンスZが変わり、発振周波数を変えることができる。
例えば、Aが負に変化する時(発振周波数が高くなる
時)は、入力インピーダンスZinの中の抵抗成分は負性
抵抗となるので発振回路のインピーダンスの抵抗成分が
大きくなり、発振振幅が大きくなる。一方、Aが正に変
化する時(発振周波数が低くなる時)は、入力インピー
ダンスZinの抵抗成分によってインピーダンスZの抵抗
成分が小さくなるため、発振振幅が小さくなる。
【0013】このように、従来の可変リアクタンス回路
においては、可変電流源6、8を制御して電流I、I
を変えることによってその影響が入力インピーダンス
の抵抗成分に現われ、これにより発振回路の発振振幅
が、その発振周波数によって変動するという問題があっ
た。
【0014】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、電流I、Iを変化させてもその影響が入
力インピーダンスの抵抗成分に現れるのを可及的に防止
することのできる可変リアクタンス回路を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による可変リアク
タンス回路は、各々のコレクタにダイオートが接続さ
れ、各々のエミッタに定電流源が接続されるとともに、
エミッタ間がコンデンサによって接続される第1及び第
2のトランジスタを有し、第1のトランジスタのベース
に入力信号が入力され、第2のトランジスタのベースが
第1のトランジスタのコレクタに接続される差動増幅回
路と、第1及び第2のトランジスタのコレクタに接続さ
れたダイオードによる差動出力を検出する差動対トラン
ジスタを有し、この差動対トランジスタのエミッタに接
続される可変電流源を流れる電流に応じた帰還量を第1
のトランジスタのベースに送出する帰還回路と、を備え
ていることを特徴とする。
【0016】
【作用】このように構成された本発明の可変リアクタン
ス回路によれば、差動増幅回路の第2のトランジスタの
ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続されてい
る。これにより、可変電流源を流れる電流を変化させて
もその影響が入力インピーダンスの抵抗成分に現れるの
を可及的に防止することができる。
【0017】
【実施例】本発明による可変リアクタンス回路の第1の
実施例の構成を図1に示す。この実施例のリアクタンス
回路は、3組の差動対トランジスタQ、Q及び
、Q並びQ、Qと、コンデンサCと、ダイ
オードD、Dと、定電流源2.4と、可変電流源
6.8とを備えている。差動対トランジスタQ、Q
コレクタは各々、ダイオードD、Dを介して駆動電
源Vccに接続されている。又、トランジスタQ、Q
のエミッタは各々、定電流源2、4に接続されるととも
にコンデンサCを介して接続されている。そしてトラ
ンジスタのベータには可変リアクタンス回路の入力端子
INを介して電圧制御発振器(以下、VCOともいう)
の出力が印加されている。一方、トランジスタQのベ
ースはトランジスタQのコレクタに接続されている。
【0018】トランジスタQとQのコレクタは共に
駆動電源Vccに接続され、トランジスタQとQのコ
レクタは共にトランジスタQのベースに接続されてい
る。トランジスタQとQのベースは共にトランジス
タQのコレクタに接続され、トランジスタQとQ
のベースはトランジスタDのコレクタに接続されてい
る。そして、トランジスタQとQのエミッタは共通
に接続されて可変電流源6を介して接地電源GNDに接
続され、トランジスタQとQのエミッタは共通に接
続されて可変電流源8を介して接地電源GNDに接続さ
れている。
【0019】このように構成された本実施例の可変リア
クタンス回路においては、基準側のトランジスタQ
ベースが入力側のトランジスタQのコレクタに接続さ
れている。これによりトランジスタQのベースには、
v−i可変された電流i’によって発生したダイオード
のアノードとカソード間の電圧変化分ΔV
BE(D)が加わることになる。したがって、入力端子
INに印加される電位をv、トランジスタQ、Q
抵抗をr、コンデンサCの容積をC、トランジス
タQのベースからトランジスタQ、Qのコレクタ
に流れる電流(帰還電流)をiとすると、電流i’は、
【0020】
【数3】 を満足する。ここでΔVBE(D)はi’によるダイオ
ードDのVBEの変化分であるから
【0021】
【数4】 となる。ここでVは、ボルツマン定数をk、ダイオー
ドDの絶体温度をT、電荷素量qとするとV=kT
/qであり、Iはコレクタ電流、IはPN接合の逆
方向飽和電流である。また、ΔI=i’であるからΔ
BE(D)はΔVBE(D)=r・i’となる。こ
れを(4) 式に代入すると、
【0022】
【数5】 となる。したがって、入力端子INから見た可変リアク
タンス回路の入力インピーダンスZinは、i/i’=A
とすると、
【0023】
【数6】 となる。これにより入力インピーダンスZinの抵抗成分
を従来の場合に比べて半分にすることが可能となり、可
変電流源6、8の電流I、Iを変化しても、入力イ
ンピーダンスの抵抗成分に現れる影響を従来の場合に比
べて半分にすることができる。
【0024】次に本発明による可変リアクタンス回路の
第2の実施例の構成を図2に示す。この実施例の可変リ
アクタンス回路は、図1に示す第1の実施例の可変リア
クタンス回路において、ダイオードD、Dと、トラ
ンジスタQ、Qと、定電流源12、14とを新たに
設けたものである。ダイオードD、Dは駆動電源V
ccとダイオードD、Dの間に設けられている。一方
トランジスタQのコレクタは駆動電源VCCに接続さ
れ、祖のベースはダイオードDとDの接続点に接続
され、そのエミッタは定電流源12を介して接地電源に
接続されている。又トランジスタQのコレクタは駆動
電源VCCに接続され、そのベースはダイオードDとD
の接続点に接続され、そのエミッタは定電流源14を
介して接地電源GNDに接続されている。なお、第1の
実地例と異なり、第2の実地例においては、トランジス
タQとQのベースはトランジスタQのコレクタに
接続される代わりにトランジスタQのエミッタに接続
され、トランジスタQとQのベースはトランジスタ
のコレクタに接続される代わりにトランジスタQ
のエミッタに接続されている。したがって、トランジス
タQ、Qおよび定電流源12、14はエミッタフォ
ロア回路を形成し、トランジスタQ、Qとコンデン
サCからなる差動構成の出力は上記エミッタフォロア
回路によってレベルシフトされ、差動対Q、Q、Q
、Qからなる増幅回路に送られることになる。な
お、定電流源12と14を流れる電流は同一な値I
ある。
【0025】この第2の実施例の可変リアクタンス回路
においては、トランジスタQのベースには、電流i’
によるダイオードD、DのVBE変化分ΔV
BE(D)、ΔVBE(D)が加わることになる。した
がって、
【0026】
【数7】 ここで、 ΔVBE(D)=ΔVBE=r・i’ であるから、これを(9) 式に代入して電源i’を求める
と、
【0027】
【数8】 となる。したがってi/i’=Aとすれば入力インピー
ダンスZinは、
【0028】
【数9】 となり、入力インピーダンスZinの抵抗成分を零にする
ことができる。これにより、可変電流源6、8の電流I
2、I3を変化させても、入力インピーダンスZinの抵
抗成分に現れる影響を無くすることができる。
【0029】次に本発明による可変リアクタンス回路の
第3の実施例の構成を図3に示す。この第3の実施例の
可変リアクタンス回路は図2に示す第2の実施例におい
て、トランジスタQ、Qおよび定電流源12、14
からなるエミッタフォロア回路を取り除いてトランジス
タQとQのベースをトランジスタQのコレクタに
接続するとともにトランジスタQとQのベースヲト
ランジスタQのコレクタに接続し、かつダイオードD
、D、D、Dを新たに設けて、トランジスタQ
、QのエミッタをダイオードD、Dを介して共
通接続してこの共通接続点を可変電流源6を介して接地
電源GNDに接続するとともに、トランジスタQ、Q
のエミッタをダイオードD、Dを介して共通接続
し、この共通接続点を可変電流源8を介して接地電源G
NDに接続したものである。
【0030】この第3の実施例の可変リアクタンス回路
は、ダイオードD、D、D、Dを差動対トラン
ジスタQ、Q、Q、Qのエミッタに接続したこ
とにより、ダイオードD、Dの交流変化分ΔV
BE(D)、ΔVBE(D)を打ち消すようにしたもの
であり、入力インピーダンスZinは第2の実施例の場合
と同様に(11)式であたえられている。したがってこの第
3の実施例も第2の実施例と同様の効果を有することは
言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、可変
電流源の電流を変化させても、その影響が入力インピー
ダンスの抵抗成分に現れるのを可及的に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す回路図。
【図2】本発明の第2の実施例の構成を示す回路図。
【図3】本発明の第3の実施例の構成を示す回路図。
【図4】従来の可変リアクタンス回路の構成を示す回路
図。
【図5】従来の可変リアクタンス回路の動作を説明する
ための回路図。
【符号の説明】
Qi(i=1、…6) NPN型トランジスタ D、D ダイオード 2、4 定電流源 6,8 可変電流源 C コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/48 H03F 3/45 H03H 11/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々のコレクタにダイオートが接続され、
    各々のエミッタに定電流源が接続されるとともに、前記
    エミッタ間がコンデンサによって接続される第1及び第
    2のトランジスタを有し、前記第1のトランジスタのベ
    ースに入力信号が入力され、前記第2のトランジスタの
    ベースが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され
    る差動増幅回路と、 前記第1及び第2のトランジスタのコレクタに接続され
    たダイオードによる差動出力を検出する差動対トランジ
    スタを有し、この差動対トランジスタのエミッタに接続
    される可変電流源を流れる電流に応じた帰還量を前記第
    1のトランジスタのベースに送出する帰還回路と、 とを備えていることを特徴とする可変リアクタンス回
    路。
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