JP3676160B2 - クリーンブース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置内にベッドなどを設置して、感染症患者や免疫減弱者の治療を行うのに使用し、あるいは、装置内に医療実験用の動物などを飼育するなどに使用する、装置の内部を外気に対して空気遮蔽することの可能なクリーンブースに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、医療分野においては、感染症患者や免疫減弱患者の治療は、外部からの菌の侵入による感染から患者を保護するため、クリーンブース内にベッドを設置し、当該クリーンブース内で行われる。すなわち、病院ベッド用クリーンブース内には清浄空気を供給して装置の内部を外部に対して空気的に遮蔽し、もって、装置内の免疫減弱患者の感染症への感染を防止している。
【0003】
従来、かかるクリーンブースでは、ベッドのヘッドフレーム側に本体ケースを配置し、この本体ケースに形成された空気吹き出し口からベッド側に向け、清浄空気を供給する構造としている。また、ベッドの両側面はビニルカーテン或いはアクリル板からなるアクセスカーテンが設けられ、これにより外気から仕切られている。また、内部の患者は、このアクセスカーテンに設けられたグローブを介して、医師による治療を受けることが出来る。
【0004】
このように、クリーンブースは、装置内部のベッド上の患者の周囲雰囲気を清浄な空間に保つことから、特に、HIV患者や抗癌剤投与患者、さらには、免疫抑制剤投与患者の空気感染による感染防止に利用されており、あるいは、ここでは詳述しないが、医療実験用の動物の飼育などにも使用されている。
【0005】
さらに、上記した従来技術について、添付の図面を使用して詳述する。まず、クリーンブースは、図9に示すように、本体ケース2の正面には吹き出し口3を設け、この本体ケースからクリーンブース1内のベッド7側に向けて、清浄空気を吹き出している。なお、この本体ケースにより供給される清浄空気としては、例えば、JIS B 9920による清浄度クラス分類において、クラス5(米国、FED.ST.209E規格、クラス100相当)の空気を供給している。そして、このクラス5の清浄空気をベッド全面に供給するために、ベッド両側面をビニールカーテンやアクリル板から成るアクセスカーテン8で囲っている。
【0006】
かかるクリーンブースの構成によれば、ベッド7の周辺はクリーンブース1の内部を外気に対して陽圧構造とすることができ、すなわち、内部を外気から遮蔽することが可能となる。なお、アクセスカーテン8にはアクセスグローブ9、ヘッドポート10などが取付けられており、これらのアクセスグローブ9やヘッドポート10を介して、医師はクリーンブース1内の患者に治療を施すこととなる。なお、特に、免疫減弱患者を治療する場合は、患者から空気感染する細菌やウイルスが出る可能性が無いため、上記の陽圧構造のクリーンブース1を例えば一般病棟内に設置して用いることとなる。
【0007】
一方、例えば、結核、水痘などの空気感染する感染症の患者を治療する場合には、上記したクリーンブース1を用い、さらに、添付の図10に示すようなシステムが構成されている。すなわち、病室の建屋内にクリーンブース1を設置すると共に、病室からの空気に外部への漏洩を防止することが必要となる。
【0008】
具体的には、病院内の病室に、空調機16、空調機用送風機15、HEPAフィルタ14などの高性能フィルタを設置して、感染症処置室を構成する。かかる感染症処置室では、上記のクリーンブース1から吹き出される吹き出し空気21には、上記した感染症患者からの細菌やウイルスが混入しているため、この病室内の空気を循環回数20回/時間で循環し、 HEPAフィルタ14により病室の清浄度を、JIS B 9920による清浄度クラス分類におけるクラス8(米国、FED.ST.209E規格、クラス100,000相当)程度に保持し、病室中の細菌数を減らして空気感染を防止している。
【0009】
すなわち、上記した感染症処置室には、上記空調機16とは別に、さらに、排気用送風機15、HEPAフィルタ14が設置され、これらの設置された排気用送風機15やHEPAフィルタ14により、感染症菌を含んだ病室内の空気を清浄化し、病室外へ排気している。また、感染症処置室は、この排気用送風機15の働きにより感染症処置室を外気に対して陰圧に保っており、これにより、室内を外気から遮蔽している。なお、この感染症処置室の循環回数、排気風量は、日本病院設備協会規格「病院空調設備の設計・管理指針」(HEAS-02-1998)によれば、循環回数20回/時間、排気回数6回/時間と規定されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、前記従来技術になるクリーンブースでは、特に、これを感染症処置に使用する場合には、クリーンブースを外気に対して陰圧で囲う必要があるため、感染症処置のための前記のような特殊な病室が必要となる。
【0011】
具体的に述べると、上述ように、前記従来技術におけるクリーンブースでは、上記免疫減弱患者の治療など、患者から空気感染する細菌やウイルスが出る可能性が無い場合には問題はないが、しかしながら、特に、これを利用して空気感染する感染症の患者を治療する場合には、クリーンブースを上記のような感染症処置室内に配置すると共に、当該病室の空気循環回数を一般病室のそれよりも多くする必要があり、そのため、特に、病院施設内における空調負荷が大きくなってしまうという問題が有った。
【0012】
また、前記従来技術になるクリーンブースでは、特に、これを感染症処置室のシステムに利用した場合、そのクリーンブース1内を病室内よりも陽圧になるように構成して感染症菌を含んだ空気をクリーンブース1外へ排出するようにしているため、感染症処置室には、さらに、排気用送風機15とHEPAフィルタ14を設けることにより病室を外気に対して陰圧にすることにより、感染症菌がこの病室外へ漏洩することを防止している。しかしながら、上述のように、かかる感染症処置室のシステムでは、治療を施す医師は、感染症菌の浮遊する雰囲気中(病室)に入る必要があるため、医師が感染症に感染する可能性が有るという問題点は解消されていない。
【0013】
また、上述のように、クリーンブースはHIV患者や抗癌剤投与患者、免疫抑制剤投与患者の治療にも用いられるが、この場合には、外部の看護人が空気感染する可能性がないため、クリーンブースの周囲を陰圧で囲う必要が無いことから、上述のような問題はない。しかしながら、一般的には、前記免疫減弱患者は感染症に感染する可能性が高く、そのたあめ、この免疫減弱患者が感染症に感染した場合には、急遽、患者を内部に収容するクリーンブースから感染症菌を含んだ空気が外部へ漏洩しないようにするため、その周囲を陰圧で包囲するための前記感染症処置室システムが必要になる。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上述の従来技術における問題点に鑑み、その内部空間を外部に対して陰圧に保持することにより、内部の細菌やウィルスを外部に漏出することなく、かつ、外部との遮蔽が可能なクリーンブースを提供することにある。
【0015】
特に、本発明のクリーンブースは、非感染症患者は勿論のこと、感染症患者の治療にも使用が可能となり、また、その場合にも、空調負荷の少ない病室でも治療が可能なクリーンブースを提供することにある。
【0016】
すなわち、本発明の目的は、従来のようにクリーンブースを更に陰圧で包囲する感染症処置室などの特別な部屋や装置を用いなくとも、感染症患者の治療など、クリーンブースの内部の外気から陰圧によって遮蔽することが可能なクリーンブースを提供することにある。
【0017】
また、他の目的は、医師等が感染症菌の浮遊する雰囲気中に入らなくとも感染症患者の治療が可能なクリーンブースを、また、陽圧構造のクリーンブースを容易に陰圧構造にすることが可能なクリーンブースを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、所定の空間を少なくともアクセスカーテンにより取り囲み、当該空間内に清浄空気を供給する送風手段と、清浄空気を前記空間内に供給する際に空気を濾過する供給空気濾過手段とを備えたクリーンブースにおいて、前記アクセスカーテンにより取り囲んで形成された空間内に前記供給された清浄空気の吸い込み口を設け、前記吸い込み口には、前記送風機から供給される清浄空気に対応した空気の排気能力を持つ排気手段と排気空気の濾過手段とを設け、前記排気空気濾過手段により濾過された空気を前記クリーンブースの外部に排気し、前記クリーンブースの一部にはエアカーテン形成流路が設けられ、該エアカーテン形成流路は前記排気手段に接続され、前記エアカーテン形成流路は、前記アクセスカーテンの下端近傍に配置されているクリーンブースが提供される。
【0019】
また、本発明では、上記クリーンブースにおいて、前記排気手段の排気能力は、前記送風手段の送風能力と等しく、又は、それよりも大きくなっている。また、上記クリーンブースにおいて、前記排気手段の排気能力は、前記送風手段の送風能力と互いに連動している。
【0020】
また、本発明では、上記クリーンブースにおいて、前記排気手段の排気能力と前記送風手段の送風能力とを互いに連動しながら可変する制御手段を設けた
【0021】
また、本発明では、上記クリーンブースにおいて、前記エアカーテン形成流路は、前記クリーンブースの長手方向に配置され、その開口断面積が前記排気手段からの距離に対応して変わっている。さらに、上記クリーンブースにおいて、前記エアカーテン形成流路内に補助ファンを設けた
【0022】
また、本発明では、上記クリーンブースにおいて、前記排気手段と前記排気空気の濾過手段は一体に構成され、かっ、前記クリーンブースから着脱可能としている
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図1〜図8により詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明になるクリーンブースの第1の実施の形態を示す装置の外観斜視図であり、また、図2は、上記クリーンブースの他方向からの装置外観斜視図である。
【0025】
図からも明らかなように、クリーンブースは、所定の空間をアクセスグローブ9等により取り囲んで形成されており、本例では、上記空間の一方の端面を形成する本体ケース2には、空気の吹き出し口3が設けられており、この吹き出し口3からクリーンブース内に清浄空気が吹き出される。そして、この吹き出された清浄空気は、クリーンブースの空間において、上記本体ケース2に対向する端面を形成する排気ユニット11に設けられた排気ユニット吸い込み口12により吸込まれる。
【0026】
なお、本実施の形態では、上記本体ケース2と排気ユニット11との間には、棒状の枠体25が、上記ケースとユニットの上端角部に固定されており、クリーンブースの空間を形成するアクセスカーテン8や天井板23が、この枠体を利用して取り付けられ、クリーンブース内の所定の空間を区切っている。なお、天井板23は、透明あるいは半透明なビニルカーテンやアクリル板等の材料からなることは、上記の従来技術と同様である。
【0027】
そして、本実施の形態では、クリーンブースを病院用のベッド用に利用した例を示しており、ここでは、上記の本体ケース2と排気ユニット11の間に形成される空間内にはベッド7が配置されている。これにより、その上に非感染症の菌や感染症菌による患者が載せられベッド7が、その側面のアクセスカーテン8及び天井板23により、周囲(外部)から遮断される。なお、このアクセスカーテン7には、例えば、アクセスグローブ9が取付けられており、医師はこのアクセスグローブ9より、クリーンブース内の患者に治療を施すこととなる。
【0028】
また、アクセスカーテン8には、さらに、例えば、透明な視認性の良好な板状の部材、あるいは、かかる部材を内部に向けて湾曲して形成した、所謂ヘッドポート10が取り付けられており、これにより内部の視界を確保している。なお、これらのアクセスカーテン8も、上記天井板23と同様に、透明あるいは半透明のビニールカーテン或いはアクリル板から成り、かつ、簡単に取り外しが可能になっている。
【0029】
さらに、上記の本体ケース2のクリーンブース空間内部側に接する側面には、空気の吹出し口3が形成され、また、そのクリーンブース空間外部に接する側面には、外部空気の吸込み口4が形成され、その入口には、所謂プレフィルター5が取り付けられている。また、外部に接する側面には、図示のように、クリーンブースの操作を行うための操作部6が設けられている。
【0030】
一方、クリーンブース空間を介して上記本体ケース2に対向する排気ユニット11の側面には、吸込み口12が形成されており、これにより、クリーンブース空間内において、上記本体ケース2の吹出し口3から吹き出された清浄な空気は、上記排気ユニット11の吸込み口12から吸込まれ、その後、排気ユニット11の上面に形成された排気口111から排出される。
【0031】
そして、本実施の形態では、上記排気ユニット11の吸込み口12に加えて、特に、クリーンブースのアクセスカーテン8がビニールカーテンにより形成されている場合には、その下部に床との間の隙間に沿って、排気ユニット11と連結されたエアカーテン吸い込み口19を配置される。これは、アクセスカーテンとしてビニールカーテンを使用した場合には、その下部と床との間には、ビニールカーテンの可撓性により、隙間が生じ易いためであり、その場合にもこの隙間からクリーンブース内の空気が外部に漏れ出すことを防止するためである。
【0032】
次に、図3には、上記にその概観を説明した本発明になるクリーンブース、すなわち、その第1の実施の形態における内部装置構成を示すための断面図である。この断面図からも明らかなように、上記本体ケース2の内部には送風機15が設けられており、これにより、図1に示す吸込み口4を介してクリーンブース外部の空気を吸い込む。なお、上述のように、この吸込み口4には、吸い込み空気の前処理用にプレフィルタ5が取り付けており、これにより濾過の前処理が行われ、さらにその後、この空気は、送風機15によって本体ケース2から吹き出される前にも、HEPAフィルタ(High Efficiency Particle Filter:高効率微粒子フィルタ)14を通り、これにより、外気に含まれる菌やウィルスなどが濾過された清浄な空気として、クリーンブース内に供給される。
【0033】
また、図示のように、上記本体ケース2に対向して配置された排気ユニット11にも、やはり、排気ファン13と排気用のHEPAフィルタ14とが設けられている。これにより、上記本体ケース2からクリーンブース内に供給された空気が吸い込まれ、その際、ブース内のベッド上の患者から空気中に放出される感染症の菌やウイルスは、この排気用HEPAフィルタ14により濾過されて取り除かれる。そのため、この排気ユニット11からの排出空気22は、感染症菌やウイルスを含まないため、外気への放出が可能となる。
【0034】
また、上記したビニール製のアクセスカーテン8の開口部(すなわち、その下部と床との間の隙間)に沿って設けた上記エアカーテン吸い込み口19に連結したエアカーテン形成流路18からもブース内の空気が吸い込まれ、やはり上記と同様に、排気ユニット11の排気ファン13と排気用のHEPAフィルタ14によって感染症菌やウイルスを濾過して処理した後、排出空気22として外部に排出される。このように、エアカーテン形成流路18(エアカーテン吸い込み口19)も排気ユニット11に連結されて排気されることにより、いわゆる、エアカーテン17を形成し、もって、ビニール製のアクセスカーテン8であっても、その開口部(下部と床との間の隙間)からのブース内空気の外部への漏洩を防止する。
【0035】
ここで、本発明によれば、本体ケース2の吹出し風量、すなわち、送風機15の送風量に対して、排気ユニット11の排気風量、すなわち、排気ファン13の排気量は、これらはほぼ等しく、あるいは、後者が前者よりも大きくなるように設定されている。
【0036】
なお、これら送風機15の送風量と排気ユニット11の排気風量、すなわち、これらを回転駆動する電動モータの回転数は、本体ケース2の側面の一部に設けられた操作部6により行われる。すなわち、この操作部6には、図示しないが、これら送風機の風量を切り換えるためのスイッチあるいはボリュームが設けられており、これらは互いに同期あるいは連動しており、上記の関係(本体ケース2の風量と排気ユニット11の風量がほぼ等しく、あるいは、後者が前者よりも大)が常に満たされるように構成される。あるいは、本体ケース2の風量と排気ユニット11の風量を検出するためのセンサー等をそれぞれ設け、例えばマイクロコンピュータなどにより構成する制御装置により、これら検出した風量に基づいて上記の関係(本体ケース2の風量と排気ユニット11の風量がほぼ等しく、あるいは、後者が前者よりも大)を常に満たすように制御してもよい。
【0037】
また、上記操作部6により行われる風量の操作は、例えば、患者の安静時と処置時での風速の切換えを行うためである。これは、清浄空気は上記本体ケース2の吹出し口3よりクリーンブース内部へ供給されるため、クリーンブース内のベッド上の患者には、この吹出し口3より送風音が聞こえる。すなわち、特に上記の例では、患者は吹出し口3の正面で寝ているため、騒音が気になる場合がある。ところで、就寝している安静時は、クリーンブース内部での患者の動きが少ないため、吹出し口3からの清浄空気の風速を落としても、クリーンブース内部の気流の乱れは少なく、風量は比較的小さくてもよい。これに対して、患者に治療を施す処置時は、クリーンブース内部での患者の動きが大きいため、内部の気流も乱れる。かかる場合には、清浄空気の吹き出し風速を大きくし、クリーンブース内の清浄度を確保する必要がある。
【0038】
また、本発明になるクリーンブースによれば、上述のように、本体ケース2の送風機15よりも排気ファン13の処理風量が大きく設定されているため、クリーンブース内は外部に対して陰圧の状態となる。また、ビニール製のアクセスカーテン8のようにブースの一部に開口部が形成される場合であっても、かかる開口部に近接して、上記のエアカーテン吸い込み口19を設けることにより、クリーンブース1内と外気との間の遮断を確保する。すなわち、上記の構成により、常に内部を陰圧にして、クリーンブース1内の清浄度を保ちつつ(特に、免疫衰弱患者に有効)、また、エアカーテン17の働きにより、クリーンブース1内と外気を遮断している(特に、感染症患者に有効)。
【0039】
次に、添付の図4は、上記本発明の第1実施の形態になるクリーンブースを利用し、これを一般の処置室に設置して、より高度な清浄度の空間を確保するためのシステムを示す構成図である。
【0040】
図からも明らかなように、このシステムでは、上記したクリーンブース1の排気ユニット11から排出される排気空気22は、例えば、クリーンブース1内の感染症患者から飛散する感染症菌やウイルスを処理した後の空気であるため、病室への放出が可能になる。また、この病室には、送風機15、空調機16、HEPAフィルタ14からなる室内の空気循環装置が、例えば、その天井面に取り付けらている。
【0041】
ところで、一般の処置室を、ICU病室(清浄度クラス8(米国、FED.ST.209E規格、クラス100,000相当))にするためには、循環回数10回/時間で室内を換気する必要がある。なお、この循環回数は日本病院設備協会規格「病院空調設備の設計・管理指針」(HEAS-02-1998)で規定している。なお、実際に、室内を清浄度クラス8(米国、FED.ST.209E規格、クラス100,000相当)にするには、循環回数10〜20回/時間で室内空気を循環しながら上記HEPAフィルタ14により塵埃を除去するが、感染症処置室では循環回数20回/時間が必要であるのに対し、一般の処置室での循環回数は10回/時間である。
【0042】
上記のシステムでも、処置室内の空気は、送風機15により吸気され、空調機16により温度が調整され、さらに、HEPAフィルタ14を通ることにより、空調及び塵埃の処理が行われる。しかしながら、この循環回数が多くなると、空気循環装置、特に、空調機16の負荷が大きくなってしまう。しかしながら、本発明のクリーンブース1を使用することによれば、その排気空気22には、感染症菌やウイルスを含んでいないため、一般の処置室での感染症患者の治療が可能になる。従って、比較的空調負荷の小さな処置室でも、感染症患者の治療が可能となる。
【0043】
また、その際にも、処置室内の空気は、上述のように、患者から放出される感染症菌等は既に処理されているため、医師は感染症菌の浮遊する雰囲気に入らなくとも、患者の治療を施すことが可能になる。
【0044】
さらに、図5は、上記本発明のクリーンブースを、上記図4に示した送風機15、空調機16、HEPAフィルタ14からなる空気循環装置に加え、その天井面に、室内の空気を外部へ排出する排気用送風機15とフィルタ14を備えた処置室に適用したシステムの構成の例を示している。
【0045】
かかるシステムでは、既述のように、処置室内を陰圧として構成する場合には、上記排気用送風機15により排気回数を6回/時間で排気する。そして、室内空気の排出の際には、HEPAフィルタ14により空気を濾過し、排出してもよいが、上記本発明のクリーンブース1からの排気空気22は、細菌やウイルス処理後の空気であるため、これに代えて中程度の性能フィルタ等、比較的に塵埃処理能力の低いフィルタの使用が可能になる。
【0046】
続いて、添付の図6は、本発明のクリーンブースの第2実施の形態を示す装置の概略図である。
この図の矢印からも明らかなように、この第2実施の形態になるクリーンブースでは、本体ケース2からの吹き出し空気21に分布を持たせるように構成されている。なお、吹き出し空気21に分布は、具体的には、例えば、上記図1の吹き出し口3の開口径や形成密度を変化させることにより達成することが出来る。
【0047】
これによりば、上記にも述べたように、通常、本発明のクリーンブースでは、患者は本体ケース2側を頭にしてベッド7に寝ることとなるが、この時、本体ケース2から供給される吹き出し空気21が直接頭に当たることにより、患者は不快感を覚えることを考慮したものである。
【0048】
具体的には、本体ケース2下方側(例えば、最下段)の吹き出し風速を0.15m/sと、比較的遅く、他方、その上部側(例えば、最上段)での風速を0.4m/sと比較的速くして、クリーンブース1内に清浄空気を送っている。これによれば、ベッド付近の風速は0.15m/s程度と遅いため、吹き出し空気が頭に当たる不快感を防止することができる。
【0049】
なお、本例では、上記最下段から最上段までの風速を徐々に上昇させた例を示しているが、しかしながら、単に下段と上段、さらには、中段を含む3段階程度に分割して、上方での風速が下方のそれよりも大きくなるようにしてもよい。
【0050】
さらに、添付の図7は、本発明のクリーンブースの第3実施の形態を示す装置構成の上面図である。
【0051】
ところで、医療用に用いるベッドはJIS T 9205に規定されているように、本体の長さは、2100mmから2300mmである。そこで、本発明のクリーンブースも、その性質上、かかる寸法の病院用ベエアカーテン形成流路ッドの周囲を囲わなければならないため、特に、上記の18が長くなってしまう。そして、このエアカーテン形成流路が長い場合には、その流路内での圧力損失等により、排気ユニット11から遠い部分でのエアカーテンを形成する吸い込み圧力が低くなり、場合によっては、部分的にクリーンブース内部と外部との遮蔽が不十分になる等の不都合を生じる。
【0052】
そこで、この第3の実施の形態では、図示のように、上記エアカーテンを形成するエアカーテン形成流路18の開口部、すなわち、吸い込み口の断面を、排気ユニット11側では小さく、他方、排気ユニット11から遠い本体ケース2側では大きくしている。かかるエアカーテン吸い込み口19の大きさの分布によれば、排気ユニット11に近いエアカーテン吸い込み口19は吸い込み難く、他方、排気ユニット11に遠いエアカーテン吸い込み口19は吸い込み易くなり、そのため、病院用ベッドを包囲する横に長いクリーンブースにおいても、流路内での圧力損失等を解消して、本体ケース2側から排気ユニット11側まで、均一した風速のエアカーテンを形成することが可能となり、もって、部分的にクリーンブース内外の遮蔽が不十分になる等の不都合を解消する。
【0053】
なお、上記の実施の形態では、エアカーテン吸い込み口の大きさは、本体ケース2側から排気ユニット11側まで徐々に減少するようにすることが好ましいが、しかしながら、これに代え、単に複数の領域に分割して、本体ケース2側での開口断面積が排気ユニット11側でのそれよりも大きくなるように設定してもよい。
【0054】
加えて、添付の図8は、本発明になるクリーンブースの第4実施の形態の装置構成の概略を示す側面図である。
なお、この第4実施の形態でも、上記図7と同様、エアカーテン形成流路18が長い場合に対する対策が施されたものであり、具体的には、上記エアカーテン形成流路の途中に、補助ファン20を設けている。
【0055】
すなわち、この補助ファン20は、長い流路における圧力損失を補助するために設けられ、これにより、排気ユニット11から遠い位置のエアカーテン吸い込み口19でも十分な吸込み圧力が得られことから、十分なエアカーテン17を形成することが出来るものである。
【0056】
ここで、上記の図3に示した本発明になるクリーンブースでは、その排気ユニット11及びエアカーテン形成流路18は、クリーンブース1に、すなわち、本体ケース2に固定されているものとして説明したが、本発明はかかる構成のみに限定されることなく、例えば、これら排気ユニット11及びエアカーテン形成流路18を本体ケース2から取り外し可能とし、すなわち、クリーンブース1に脱着可能とすることも可能である。なお、これは、上記図1や図2に示した枠体25に対し、排気ユニット11をボルトとナット、あるいは、嵌め込み固定構造とすることにより達成される。また、エアカーテン形成流路18も、やはり、嵌め込み固定構造等により、排気ユニット11に対して着脱自在とすることも可能である。
【0057】
かかる着脱可能な排気ユニット11及びエアカーテン形成流路18によれば、例えば、上記図1や図2で示したクリーンブースから上記の排気ユニット11やエアカーテン形成流路18を取り外し、これに代えて、やはりビニルカーテンやアクリル板等の材料からなるアクセスカーテン8を取り付けることにより、例えば上記図9に示すような従来の陽圧構造のクリーンブースとしての使用も可能になる。なお、かかる陽圧構造のクリーンブースとした場合には、上述したように、HIV患者や抗癌剤投与患者、免疫抑制剤投与患者に治療に用いられる。
【0058】
なお、前記のような患者からは、感染症菌やウイルスが飛散しないため、クリーンブース内を陰圧に保つ必要はない。しかしながら、やはり上記にも述べたように、前記患者は免疫力が弱いため、感染症に感染する可能性が高く、そこで、患者が感染症に感染した場合には、急遽、上記図10に示す感染症患者処置室が必要になるが、かかる場合には、本発明の排気ユニット11をクリーンブース1(本体ケース2に枠体25を介して)に取付けることにより、感染症患者の治療も可能になる。
【0059】
なお、上記においては、本発明のクリーンブースを病院用のベッド用に利用した例についてのみ説明したが、このクリーンブースを、その他、例えば上述した医療実験用の動物などを飼育するなどに使用するなど、装置の内部を外気に対して空気遮蔽するために使用した場合にも、上記と同様な効果が得られることは、当業者であれば明らかであろう。
【0060】
【発明の効果】
以上の詳細な説明からも明らかなように、本発明になるクリーンブースによれば、クリーンブースを外部に対して陰圧に保持しながら内部に清浄な空気を供給することから、ブース内を外部からより確実に遮蔽することが出来、かつ、ブース内の空気が、例えば、感染症の菌やウィルス等によって汚染された場合においても、感染症処置室のような特別な設備を設ける必要もなく、実用的にも機能的にも優れたクリーンブースを提供する。
【0061】
本発明のクリーンブースを病院ベッド用に使用することによれば、特に、感染症患者の治療をも可能にし、また、医師が感染症菌の浮遊する雰囲気中に入らなくとも感染症患者の治療が可能になり、クリーンブースの利用範囲を拡大することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態になるクリーンブースを示す装置外観を示す斜視図である。
【図2】上記本発明になるクリーンブースの他方向からの装置外観図を示す斜視図である。
【図3】上記本発明のクリーンブースの内部構成を示す側面断面図である。
【図4】上記本発明のクリーンブースを利用してより高度な清浄度の空間を確保するためのシステムの構成図である。
【図5】上記本発明のクリーンブースを利用してより高度な清浄度の空間を確保するための他のシステムの構成図である。
【図6】本発明の第2実施の形態になるクリーンブースの装置構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第3実施の形態になるクリーンブースの装置構成を示す、一部拡大図を含む上面図である。
【図8】さらに、本発明の第4実施の形態になるクリーンブースの装置構成を示す、一部拡大図を含む側面断面図である。
【図9】従来技術によるクリーンブースの一例の外観を示す斜視図である。
【図10】上記従来技術のクリーンブースの使用形態を示すためのシステム構成図である。
【符号の説明】
1…クリーンブース
2…本体ケース
3…吹き出し口
4…吸い込み口
5…プレフィルタ
6…操作部
7…ベッド
8…アクセスカーテン
9…アクセスグローブ
11…排気ユニット
12…排気ユニット吸い込み口
13…排気ファン
14…HEPAフィルタ
15…送風機
17…エアカーテン
18…エアカーテン形成流路
19…エアカーテン吸い込み口
20…補助ファン
21…吹き出し空気
22…排気空気
23…天井板

Claims (7)

  1. 所定の空間を少なくともアクセスカーテンにより取り囲み、当該空間内に清浄空気を供給する送風手段と、清浄空気を前記空間内に供給する際に空気を濾過する供給空気濾過手段とを備えたクリーンブースにおいて、
    前記アクセスカーテンにより取り囲んで形成された空間内に前記供給された清浄空気の吸い込み口を設け、
    前記吸い込み口には、前記送風機から供給される清浄空気に対応した空気の排気能力を持つ排気手段と排気空気の濾過手段とを設け、前記排気空気濾過手段により濾過された空気を前記クリーンブースの外部に排気し、
    前記クリーンブースの一部にはエアカーテン形成流路が設けられ、該エアカーテン形成流路は前記排気手段に接続され、
    前記エアカーテン形成流路は、前記アクセスカーテンの下端近傍に配置されていることを特徴とするクリーンブース。
  2. 前記請求項1に記載したクリーンブースにおいて、
    前記排気手段の排気能力は、前記送風手段の送風能力と等しく、又は、それよりも大きくなっていることを特徴とするクリーンブース。
  3. 前記請求項2に記載したクリーンブースにおいて、
    前記排気手段の排気能力は、前記送風手段の送風能力と互いに連動していることを特徴とするクリーンブース。
  4. 前記請求項3に記載したクリーンブースにおいて、
    前記排気手段の排気能力と前記送風手段の送風能力とを互いに連動しながら可変する制御手段を設けたことを特徴とするクリーンブース。
  5. 前記請求項4に記載したクリーンブースにおいて、
    前記エアカーテン形成流路は、前記クリーンブースの長手方向に配置され、その開口断面積が前記排気手段からの距離に対応して変わっていることを特徹とするクリーンブース。
  6. 前記請求項5に記載したクリーンブースにおいて、
    前記エアカーテン形成流路内に補助ファンを設けたことを特徴とするクリーンブース。
  7. 前記請求項1に記載したクリーンブースにおいて、
    前記排気手段と前記排気空気の濾過手段は一体に構成され、かつ、前記クリーンブースから着脱可能としたことを特徴とするクリーンブース。
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