JP3675857B2 - 微細気泡発生回路を備えた加熱循環風呂装置 - Google Patents

微細気泡発生回路を備えた加熱循環風呂装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、加熱循環風呂装置に関するもので、詳しくは、その流路に加熱循環回路と微細気泡発生回路の二つを備え、加熱循環回路を止めることなく同時に微細気泡発生回路を作動させることのできる風呂装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽の湯を循環させ、その流路において加熱、ろ過、活性化などを行い、いつでも入浴できるように湯を適温でしかも衛生的に保つ風呂装置としては、特開昭62−13453号が知られている。
また、循環過程において空気を混入し、微細気泡を生成して浴槽内に吹き出すための風呂装置としては、特開平5−9598号がある。
これらの提示した二つの従来技術に限らず、湯を循環させながら浄化を行う装置や微細気泡を発生させる装置には多種多様なものがあった。
【0003】
しかし、上記した従来例からも明らかなように、これまでの風呂装置においては、例えば、主に浄化と加熱を循環によって行うだけの装置、あるいは、浄化せずに加熱とジェットエア若しくは微細気泡発生を行う装置、さらには、ジェットエアだけを発生させる装置が提供されていた
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、加熱、ろ過、活性化などを行う加熱循環回路と微細気泡発生回路とが同時に働く一体的な風呂装置において、次の課題を解決したものである。
すなわち、湯を常時一定温度で衛生的に保つために、加熱器、ろ過槽などからなる加熱循環回路を長時間働かせてる必要があるが、入浴時に良好な微細気泡を同時に発生させようとすれば、加熱循環回路から生じる浴槽内への水流によって微細気泡を消失させない工夫が必要であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記した課題を解決するためこの発明による風呂装置は、浴槽側壁に湯の吸入口、微細気泡吐出口及び湯の吐出口をなすノズルを水密に取り付け、加熱循環回路は、湯の吸入口から流量制御弁を経て湯の吐出口までの間にろ過槽、、活性化槽を順次接続し、かつ、湯の吸入口から流量切替弁までの間に適宜加熱器、循環ポンプを繋げるように構成し、微細気泡発生回路は、加熱循環回路の途中から分岐して微細気泡用ポンプ、空気分離タンク、微細気泡用オリフィスを経て微細気泡吐出口に繋げるように構成し、加熱循環回路と微細気泡発生回路を同時に作動させるときに流量切替弁を作動させて加熱循環回路の湯量を絞るように構成し、浴槽側壁に湯の吸入口、微細気泡吐出口及び湯の吐出口を設けたノズルを水密に取り付け、微細気泡吐出口を下向きに、湯の吐出口を上向きに形成したものである。
【0006】
また、浴槽側壁に一の取付穴を設け、湯の吸入口、微細気泡吐出口及び湯の吐出口を一体に設けたノズルを水密に取り付け、微細気泡吐出口を下向きに、湯の吐出口を上向きに形成したことを特徴とするものである。
【0007】
【実施例】
以下図面に示す実施例に即してこの発明の内容を説明する。
図1はこの発明に係る微細気泡発生機構を備えた循環風呂の要部を示す概略図である。
浴槽Bの側壁に一の取付穴1を穿孔し、ここに湯の吸入口21、下向きの微細気泡吐出口22及び上向きの湯の吐出口23を設けてなるノズル2を水密に取り付けるようにし、加熱循環回路3と微細気泡発生回路4をノズル2に繋げるようにしてなるものである。湯の吸入口21は吐出口22、23の周縁から加熱循環回路3に向かって引き込まれるようにしてある。
【0008】
加熱循環回路3はノズル2の湯の吸入口21から湯の吐出口23の間に循環パイプ31をもって繋げるようにしてあり、途中に加熱器5、ろ過槽6、循環ポンプ7、活性化槽8、再度加熱器5を経て最後に流量切替弁9を順次接続してなり、ろ過槽6と循環ポンプ7の間に空気取入用電磁弁10を備えたオゾン発生機11により循環パイプ31にオゾンエアを注入するようにしてある。
加熱器5は図2に示すような構造で、ニクロム線をモールドしてなるヒータ51をアルミダイキャスト製の熱交換器52に貫通させるようにし、この熱交換器52にステンレス製の循環パイプ31aを通すようにしてなるもので、循環する湯は熱交換後に35度から40度となるように設定しておく。循環パイプ31aを二度通すのは無駄なく熱交換するためである。
加熱器5はガス燃焼ヒータ、ジルコニア系セラミックを使用した電気ヒータなど適宜の手段を採用することができる。
【0009】
ろ過槽6は内部にポリウレタンなどのスポンジ状のろ過布61が複数層になるように構成してあり、ろ過布61によって人毛、垢、髪やゴミなどを物理的に捕捉しろ過された湯水が中央に直立されたパイプ62から下方に排出されるようになっている。
ろ過槽6と循環ポンプ7の間に循環パイプ31に接続するオゾン発生機11によってオゾンエアを循環する湯に供給し、ろ過された湯水の雑菌の殺菌、脂肪などの分解、脱臭を行う。図示の例ではオゾン発生機11により殺菌を行うようにしたが、紫外線殺菌装置であってもよく、また殺菌処理は加熱循環回路3の適宜の箇所でなせば良いので例えば湯の吐出口23や湯の吸入口21に近い箇所などに配置するようにしてもよい。
【0010】
活性化槽8はその内部に麦飯石、硫黄石、黒曜石、流紋岩、未風化真珠岩などの活性石81が一種又は二種以上混合し取扱便宜のためにネット82に充填しているもので、下部から湯水を導入し、上部から排出するようにして導入された湯が万遍なく活性石81に接触するようにしてある。この活性化槽8では石の表面に発生するバクテリアで生物的に浄化処理するもので、有機物、例えばアンモニアを分解し、生物学的に浄化するものである。同時に鉄、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、亜鉛などの有効成分が湯中に溶解し、水素イオン濃度は中性程度に中和されることになり無機化学的に処理される。
【0011】
流量切替弁9は、図示の例では、弁胴91内の循環パイプ31と接続する流路92と直交する弁室93を設け、弁室93の流路92側にダイアフラム94を配し、流路92にはオリフィス95を設けるとともに、ダイアフラム94の密着する側辺を備えた減流板96をはめ込むようにしたもので、加熱循環回路3をなす循環パイプ31の微細気泡用オリフィス14の手前からの分岐パイプ97を弁室93に接続するように構成してなるものである。そこで、加熱循環回路3のみを作動するとオリフィス95及びダイアフラム94と減流板96の間から湯の吐出口23に噴出することになるが、微細気泡発生回路4を作動させると湯が分岐パイプ97から弁室93に至りダイアフラム94を押圧して減流板96の側辺に密着してオリフィス95のみから浴槽Bに吐出されることになり流路92を絞ることになる。
このような構成の流量切替弁9を用いると加熱循環回路3を停止することなく湯量を絞って、同時に供給される微細気泡を攪拌して消滅させるのを防止することができる。
このような構成の流量切替弁9を用いると、構造が簡単で耐久性があり、作動が確実で簡単に修理を行える利点がある。しかし、従来より用いられている電磁弁を用いてもよい。
【0012】
このように、加熱器5により湯温が保たれ循環ポンプ7により循環される湯はろ過槽6による物理処理、オゾン発生機11による殺菌処理、活性化槽8による生物処理によって完全に清浄化処理されることになる。
このように処理された湯水は流量切替弁9を経て、湯の吐出口23から浴槽Bに戻される。
【0013】
微細気泡発生回路4は、加熱循環回路3のろ過槽6の出口に循環パイプ41を接続して微細気泡吐出口22に至るまで繋げるようにしてなるもので、循環パイプ41に順次微細気泡用ポンプ12、空気分離タンク13、微細気泡用オリフィス14を介在させ、微細気泡用ポンプ12の手前に空気取入用電磁弁15を接続するとともに、空気分離タンク13にて溶解しなかった空気を微細気泡用ポンプ12に再度供給するように戻りパイプ16を設けるようにしてある。
ろ過槽6から分岐させるようにすれば微細気泡発生回路4に垢や人毛などが入り込んで故障の原因となることを防ぐことができる。
【0014】
微細気泡用ポンプ12で湯を吸引すると空気取入用電磁弁15が解放されるようにし、空気が循環パイプ41内に巻き込まれて吸入され、空気が混入された状態で微細気泡用ポンプ12に至りポンプ12内部で加圧され、この加圧によって湯水に空気が溶解されることになり、微細気泡用オリフィス14を通過することによって加圧状態から一気に圧力が解放されるとともにオリフィスにより流速が早くなるなどして流速が変化することにより湯水に溶け込んでいた空気は放出され、この空気によって微細な気泡が生じることになる。この微細気泡は、気泡の直径が10μ程度で非常に細かいものであるために浮上速度が遅く、浴槽の湯水中に数分間滞留して湯水を乳白色に染めることになる。
【0015】
微細気泡用ポンプ12と微細気泡用オリフィス14の間に空気分離タンク13を設けて溶解しなかった余剰空気を分離し、微細気泡発生回路4に戻して新規の空気とともに微細気泡用ポンプ12に供給するようにしてある。この空気分離タンク13を設けないと微細気泡吐出口22から大きな気泡となって排出されることになってしまう。なお、余剰空気をそのまま大気に放出するように構成することもできる。
この微細気泡は入浴者の体の表面を包み込むことになり、湯の体感温度を実際よりも数度低くすることになり、入浴時の血圧上昇を抑えるばかりでなく、身体の表面に付着した汚れや垢を包み込んで取り除くことになるのである。
17、17は加熱循環回路3及び微細気泡発生回路4に設けた逆止弁である。
【0016】
加熱循環回路3は湯の浄化作用と温度を保つものであるため、24時間連続して作動させるようにしてもよいが、夜間の入浴する可能性のない時間帯は、湯の温度検知(図示せず)によって断続的に作動するようにしてもよい。
入浴直前又は入浴するときに微細気泡発生回路4を作動させると同時に流量切替弁9により加熱循環回路3により浴槽の湯水に還流される湯水を絞って、吸入口21から吸引された湯を加熱循環回路3と微細気泡発生回路4のそれぞれに好適に分配し、湯の吐出口23からの湯量を減少させ微細気泡の浴槽内での滞留時間を伸ばすようにするのである。
また、微細気泡吐出口22を下向きに、湯の吐出口23を上向きにというように吐出方向を変えているので、より一層微細気泡の滞留時間を伸ばすことができることになる。
加熱循環回路3の湯の吐出口23の近くに図示しない電気式の流量切替弁を設けて、微細気泡用ポンプ12を作動させたときに流量を絞るように構成してもよいが、実施例のように構成すると部品点数が減少して構成が簡単となるばかりか、作動が確実であるという点で優れるものといえる。
【0017】
図3は別の実施例を示すもので、微細気泡発生回路4をなす循環パイプ41を湯の吸入口21と加熱器5の間から分岐させるように形成したほかは同一の構成からなるものである。このような構成を採用する場合は微細気泡用ポンプ12の手前に図示しないフィルターを設けるようにしてポンプ12や微細気泡用オリフィス14の目詰まりを防止することが望ましい。
【0018】
図4は、主として、加熱循環回路3を構成する装置部品の配列順序を変えた他の実施例を示すもので、ろ過槽6、循環ポンプ7、加熱器5、活性化槽8、流量切替弁9を湯の吸入口21から湯の吐出口23に至るまで配置したものである。また、流量切替弁9を電気式のものとして分岐パイプ97を備えないようにした。更に、図3までの実施例では浴槽Bに一の取付穴1を設けて湯の吸入口21、湯の吐出口23及び微細気泡吐出口22を設けたノズル2を取り付けるように構成しているが、これらの吐出口22、23や吸入口21を構成するノズルを別途浴槽Bに取り付けたり、あるいは、湯の吸入口21と湯の吐出口23を一のノズルにて構成し、微細気泡吐出口22を別のノズルにて構成するようにしてもよい。しかし、湯の吐出口23と微細気泡吐出口22は吐出された湯が交叉しない程度に離すよう構成することが望ましい。このとき、微細気泡吐出口22は浴槽Bの底に近い箇所でなるべく底に向かわせて微細気泡の上昇を遅らせかつ速やかに浴槽の湯全体に行き渡るようにすることが望ましい。
【0019】
図5は、更に他の実施例の加熱循環風呂装置の回路図を示すものであるが、同一の箇所は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
これら図4、図5に示す実施例から明らかなように加熱循環回路3において、ろ過槽6、活性化槽8、流量切替弁9の順序は変えることはできないが、循環ポンプ7及び加熱器5の配置は変えることができ、図1に示す実施例のように加熱器5に二回循環させるよう構成することもできる。
【0020】
【発明の効果】
この発明は以上のような構成からなるもので、加熱循環回路と微細気泡発生回路を組み合わせ、通常は加熱循環回路を作動させておき、入浴者の好みによって微細気泡発生回路を同時に作動させるというように様々な入浴スタイルを取ることができるのである。
これは、微細気泡発生回路を作動させるときに加熱循環回路の流量を絞る流量切替弁を採用したので微細気泡を消滅させることがないようにすることができたからである。
【0021】
加えて、ノズルの微細気泡吐出口を下向きに、湯の吐出口を上向きに設けたので、浴槽内の湯に吐出する湯と微細気泡がただちに攪拌されることなく、かつ微細気泡が浴槽の底部に向かって噴出されるので速やかに浴槽内の全部の湯水が乳白色に染まることになるのである。
更に、微細気泡によって入浴者の身体から微細気泡とともに浮上した垢や汚れなどが湯の表面に向かう噴流によって湯面にさざなみが立ち、目立たなくなるばかりでなく、湯の中に巻き込み湯の吸入口からろ過槽に導くことができるのである
【0022】
浴槽に一の取付穴を設け、ここに、湯の吐出穴、微細気泡吐出穴及び湯の吸入口を備えたノズルを配置することにより循環浴槽付微細気泡浴槽を提供できるものであり、浴槽に必要最小限の加工をすれば足りるので、加工の手間が掛からないばかりでなく、浴槽内壁の美観を損なうことがないのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る加熱循環風呂装置の要部を示す概略図である。
【図2】 加熱器を示す斜視図である。
【図3】 別の実施例の加熱循環風呂装置の要部を示す概略図である。
【図4】 他の実施例の加熱循環風呂装置の回路図を示すものである。
【図5】 更に他の実施例の加熱循環風呂装置の回路図を示すものである。
【符号の説明】
B 浴槽
1 取付穴
2 ノズル
3 加熱循環回路
4 微細気泡発生回路
9 流量切替弁

Claims (2)

  1. 浴槽側壁に湯の吸入口、微細気泡吐出口及び湯の吐出口をなすノズルを水密に取り付け、
    加熱循環回路は、湯の吸入口から流量切替弁を経て湯の吐出口までの間にろ過槽、活性化槽を順次接続し、かつ、湯の吸入口から流量切替弁までの間に適宜加熱器、循環ポンプを繋げるように構成し、
    微細気泡発生回路は、加熱循環回路の途中から分岐して微細気泡用ポンプ、空気分離タンク、微細気泡用オリフィスを経て微細気泡吐出口に繋げるように構成し、
    加熱循環回路と微細気泡発生回路を同時に作動させるときに流量切替弁を作動させて加熱循環回路の湯量を絞るように構成し,
    浴槽側壁に湯の吸入口、微細気泡吐出口及び湯の吐出口を設けたノズルを水密に取り付け、微細気泡吐出口を下向きに、湯の吐出口を上向きに形成したことを特徴とする微細気泡発生回路を備えた加熱循環風呂装置。
  2. 浴槽側壁に一の取付穴を設け、湯の吸入口、微細気泡吐出口及び湯の吐出口を一体に設けたノズルを水密に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の微細気泡発生回路を備えた加熱循環風呂装置。
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