JP2558715Y2 - 加熱式の風呂水クリーナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、風呂水をいちいち取
り替えなくても清浄にろ過しながら、加熱して常に適温
に維持できるようにした加熱式の風呂水クリーナに関
し、水流マッサージ器の機能を付加したものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来技術に実公平２−２８３６
５号公報がある。そこでは本体ケース内に風呂水を強制
的に循環させるポンプと、水循環路に配されるフィルタ
と電熱式のヒータとをそれぞれ設け、これらで風呂水の
浄化と加熱とを行い、本体ケース外にあって浴槽の内底
に設置される１個のケースに水循環路の吸入口と吐出口
とをひとまとめに設けたものとなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】かかる風呂水クリーナ
は浴槽内の湯水を取り替えなくてもよく、かつ湯水が何
時でも入浴できる適温下にあることを狙っている。そこ
ではポンプで加圧された湯水が浴槽内へ噴出される。従
って、吐出口から噴出する水流を身体のマッサージに利
用することが考えられない訳ではない。

【０００４】しかし風呂水クリーナには、水循環路中に
フィルタやヒータが設けられており、これらが水の流れ
を防げる。それにクリーナ本体が浴槽外に設置される関
係上、水循環路の全長が長くなり全体の通水抵抗も大き
い。そのため、実際には従来の水流マッサージ器とほぼ
同じ容量のポンプを用いておりながら、吐出口から噴出
される水流の勢いが弱いために、十分なマッサージ効果
が得られない。ポンプ容量を増強すると噴出水流の勢い
を増やせるが、水循環系に設けた全ての部材の水圧負担
が増加するので、全体が大形化して製造コストも高く付
く。とくに、水循環路中に生化学的なフィルタが用いら
れている場合には、フィルタ内部の環境を微生物の繁殖
に適した状態に維持する必要があるため、水圧や流速を
大きくすることに限界があり、通水条件が不適切である
と微生物による浄化作用が十分に得られず、クリーナ本
来の機能を有効に発揮できなくなる。

【０００５】そこで本考案の目的は、風呂水の浄化およ
び加熱機能を損なうことなく持っておりながらも、本来
のポンプ容量のままで水流マッサージ器としても利用で
きる風呂水クリーナを得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、本体ケース１
の内部に送水ポンプ２を有し、このポンプ２の吐水口２
ｂに連なる処理水路７に、フィルタ３・４と電熱式のヒ
ータ６とが介在しており、前記処理水路７に連通する吐
水管１５と、送水ポンプ２の吸水口２ａに連通する吸水
管１４とが、それぞれ本体ケース１外に導出されている
加熱式の風呂水クリーナを前提とする。かくして請求項
１記載の本考案では、送水ポンプ２の吐水口２ｂの近傍
の処理水路７から分岐したバイパス路３９が、本体ケー
ス１外に備えたマッサージノズル４０に接続されている
こと、送水ポンプ２の吐水口２ｂからの水流を処理水路
７とバイパス路３９とに切り換えて送るための切換弁３
８が設けられていることを要件とする。前記マッサージ
ノズル４０はその内部に空気混合器４２を組み込むこと
ができる。上記の前提構成からなる風呂水クリーナにお
いて、請求項３記載の本考案は、吐水管１５の導出端に
ノズル４６を有するノズルユニット４７が接続されてい
ること、送水ポンプ２の吐水口２ｂの近傍の処理水路７
から分岐したバイパス路３９が、前記吐水管１５に接続
されていること、送水ポンプ２の吐水口２ｂからの水流
を処理水路７とバイパス路３９とに切り換えて送るため
の切換弁３８が設けられていることを要件とする。前記
ノズルユニット４７はその内部に空気混合器４２を組み
込むことができる。

【０００７】

【作用】通常は吸水管１４を経て送水ポンプ２に至った
湯水が処理水路７に流れ、フィルタ３・４およびヒータ
６を経て吐水管１５に流れ、この循環作用で湯水の浄化
と加熱による適温の維持を図る。上の状態から切換弁３
８を切り換えると、送水ポンプ２からの水流がバイパス
路３９を介してそのままマッサージノズル４０に至り、
ここから噴出する。マッサージノズル４０は本体ケース
１外にあり、これから出る噴出水流を身体に当てること
により、マッサージ効果を得ることができる。前記バイ
パス路３９を吐水管１５につなぎ変え、吐水管１５の導
出端にノズルユニット４７が接続されているときは、該
ノズノユニット４７から噴出する水流をマッサージ用に
供し得る。

【０００８】

【考案の効果】本考案の風呂水クリーナは、切換弁３８
を切り換え操作することにより、吐水口２ｂの近傍の処
理水路７から分岐したバイパス路３９を介して、送水ポ
ンプ２で加圧された水流を直接に取り出せるので、本来
の浄化および加熱機能に加えて、専用の水流マッサージ
器と比べても遜色のないマッサージ機能を兼ね備えたも
のにできる。また、送水ポンプ２で加圧された水流を、
バイパス路３９を介して吐水管１５に直接に流し、吐水
管１５の導出端に設けたノズルユニット４７から浴槽Ｔ
内に水流を噴出する形態では、浄化加熱された湯水を浴
槽Ｔへ戻すための吐水管１５およびノズルユニット４７
をマッサージ水流供給用の通路に利用しているので、そ
の分だけ構造を簡素化でき、同時に浴槽Ｔ内における管
系を簡素化して、これらが入浴の邪魔になることを避け
られる利点をも有する。

【０００９】

【実施例】（第１実施例） 図１ないし図５は本考案に係る風呂水クリーナの第１実
施例を示す。図１において、風呂水クリーナは本体ケー
ス１の内部に送水ポンプ２と、生化学的フィルタ３と、
物理的フィルタ４と、水流センサ５と、電熱式のヒータ
６とを収容し、これらの各機器を記載順に処理水路７で
接続してある。送水ポンプ２は、遠心型のポンプとこれ
を駆動するモータを筒状のケース内に密封したものであ
り、その上端中央に吸水口２ａを有し、上端周面に吐水
口２ｂを有する。この本体ケース１は浴槽Ｔの壁際の上
面隅部にこれを跨ぐ状態で載置して使用することを予想
しているが、浴槽外の洗い場に設置する使用形態でもよ
い。

【００１０】図２において、各フィルタ３・４は、それ
ぞれ本体ケース１の上面壁に固定された筒状のフィルタ
ケース３ａ・４ａと、カートリッジ化されたエレメント
３ｂ・４ｂと、フィルタケース３ａ・４ａの出入口にね
じ込まれるキャップ３ｃ・４ｃとからなる。各フィルタ
ケース３ａ・４ａは本体ケース１の上面壁で開口してお
り、各エレメント３ｂ・４ｂは掃除その他に際して上面
壁の外側から出し入れできる。

【００１１】生化学的フィルタ３のエレメント３ｂは、
粒状の担体に固定された土壌微生物や酵素などの微生物
を主なろ過要素としており、風呂水に含まれる汗や蛋白
質などを微生物が分解することで浄化を行う。物理的フ
ィルタ４のエレメント４ｂは、無水ケイ酸およびアルミ
ナを主成分とし、これに酸化第二鉄、酸化カルシウム等
を添加して焼結した多孔質のセラミックボールをろ過要
素としており、セラミックボールの吸着作用とろ過作用
とによって、風呂水を浄化し消臭する。セラミックボー
ルは前記微生物の繁殖場所にもなる両フィルタ３・４を
通過する間に、風呂水にはミネラル分が溶出する。

【００１２】水流センサ５は、送水ポンプ２とヒータ６
とを動作制御するために設けられており、送水ポンプ２
の運転開始から一定時間（数分間）が経過したとき、水
流センサ５が作動しない（水が流れていない）と、ヒー
タ６および送水ポンプ２への通電が停止される。ヒータ
６は中空のヒータボックス６ａ内に管形状のセラミック
ヒータ６ｂを挿入したものであり、フィルタ４を介して
送られてきた風呂水を加熱して一定範囲内の温度にコン
トロールする。ヒータ６への通電は独立して停止でき
る。

【００１３】図２において、本体ケース１はそれぞれプ
ラスチック成形された上ケース９および下ケース１０
と、上下ケース９・１０間に固定された中間ケース１１
とからなる。下ケース１０に設けた底壁の３個所に継手
１２・１３・１６を内外貫通状に一体成形してある。図
２でみると、本体ケース内において左端の継手１２は送
水ポンプ２に、中央の継手１３はヒータ６にそれぞれホ
ースを介して接続されており、ケース外面において左端
の継手１２に吸水管１４を、中央の継手１３に吐水管１
５をそれぞれ接続してある。右端の継手１６については
後述する。

【００１４】吸水管１４および吐水管１５は、屈曲自在
な可撓性を有する部材からなり、それぞれの導出端が吸
吐水ユニット１８に接続されている。図４において吸吐
水ユニット１８は、主ケース１９とこれの下半部前面に
着脱自在に装着した蓋２０とで外郭壁を構成しており、
ケース内下部にプレフィルタ２１とサクションケース２
２を収容し、ケース内上部に噴出水流中に空気を混入す
るための空気混合器２３と、気泡混じりの水流をケース
外に噴出するノズル２４とを備えている。サクションケ
ース２２は水流を緩和するために設けられており、その
上面の継手に吸水管１４が接続される。プレフィルタ２
１は空孔率が大小に異なる二種類の発泡体を接着して一
体化したものであって、空孔率の大きい側が吸込口２５
に面している。吸込口２５は蓋２０の下隅に開口してい
る。吸吐水ユニット１８の全体を浴槽Ｔ内に着脱自在に
保持するために、主ケース１９の背壁に吸盤２６を備え
ている。

【００１５】空気混合器２３はエゼクタ作用を利用して
空気を水流中に混入するものであって、気室２８と水室
２９を前後に隣接して設け、水室２９から気室２８へ向
って噴出口３０を突設し、主ケース１９内において吐水
管１５の端を水室２９に接続し、気室２８に給気管３１
を接続する。給気管３１は吐水管１５に沿って主ケース
１９から導出され、その上端が水面上に突出している。
給気管３１の上端を風呂水に浸漬すると、気泡の噴出を
停止できる。

【００１６】ノズル２４は、ベンチュリ管状に絞ぼられ
た内部通路を有し、この通路の後端が前記噴出口３０の
前端外面に被さる状態で配置する。ノズル２４は気室２
８の前端に球面座３２を介して押えリング３３で取り付
けてあり、必要に応じてその向きを変更することができ
る。

【００１７】図４において吸水管１４の途中には、使用
初期に送水ポンプ２が空回りしないよう呼び水を送水ポ
ンプ２へ送り込むハンドポンプ３４を有する。このハン
ドポンプ３４はゴム製の可撓性ポンプ膜３５と、その上
下端に設けた逆止弁３６・３６とからなり、両逆止弁３
６・３６は吸吐水ユニット１８から送水ポンプ２へ向う
風呂水の流動のみを許すように配されている。

【００１８】送水ポンプ２からの加圧水を利用して水流
マッサージを行うために、図２に示すごとく送水ポンプ
２の吐水口２ｂに切換弁３８を装着し、その一方の出口
からバイパス路３９を導出している。このバイパス路３
９は、本体ケース１内においてその底壁に設けた前記継
手１６と切換弁３８との間を接続するホース３９ａと、
継手１６の外面側に接続された可撓性のマッサージホー
ス３９ｂとからなり、後者のホース３９ｂの導出端にマ
ッサージノズル４０を接続してなる。切換弁３８は電磁
式の三方切換弁であり、図３に示すごとく処理水路７と
バイパス路３９のいずれか一方を択一的に吐水口２ｂに
連通する。この切換弁３８を切り換え操作するための操
作部材は、本体ケース１の外面に設けられている。

【００１９】図５はマッサージノズル４０を示してお
り、これは本体ケース１外にあって中空のケース４１内
に空気混合器４２とノズル４３とが配置されている。空
気混合器４２およびノズル４３は、吸吐水ユニット１８
に適用された空気混合器２３およびノズル２４と実質的
に同じである。従って、同一部材には同一符号を符して
その説明を省略した。このマッサージノズル４０は、ケ
ース背面の吸盤２６で全体を浴槽Ｔ内の任意位置に着脱
自在に装着できるし、ケース４１を直に手で持って使用
できる。以上のように構成した風呂水クリーナは、切換
弁３８の操作で送水ポンプ２から吐出される加圧水を処
理水路７側へ送給して浄化および加熱を行う形態と、前
記加圧水の全てをバイパス路３９を介してマッサージノ
ズル４０にダイレクトに送り、ここから噴出する水流を
マッサージ用に供する形態とに切り換えることができ
る。

【００２０】（第２実施例） 図６および図７は本本考案に係る風呂水クリーナの第２
実施例を示しており、本体ケース１の底壁から吸水管１
４と吐水管１５とを導出し、吸水管１４の導出端に吸水
ユニット４５を、吐水管１５の導出端にノズル４６を有
するノズルユニット４７をそれぞれ接続し、両ユニット
４５・４７を個別的に取り扱えるようにした。送水ホン
プ２の吐水口２ｂの近傍の処理水路７からバイパス路３
９を分岐し、バイパス路３９の導出端を吐水管１５に継
手１３を介して接続した。バイパス路３９の分岐部に第
１実施例と同様の切換弁３８が設けられており、これを
切り換え操作すると吐水口２ｂから吐出される加圧水を
処理水路７とバイパス路３９のいずれか一方へ送給でき
る。図示例では前記継手１３よりヒータ６側の処理通路
７にヒータ６へ流入しようとする水流を止める逆止弁４
９を設けてある。

【００２１】吸水ユニット４５は、第１実施例で説明し
たプレフィルタ２１と同じフィルタを内蔵しており、外
面の蓋５０を開けることにより、その清掃や交換を行え
る。ノズルユニット４７は第１実施例で説明したマッサ
ージノズル４０と同一仕様であるから、同一部材には同
じ符号を符してその説明を省略する。上記のように第２
実施例では、風呂水循環用のノズルユニット４７および
吐水管１５を水流マッサージ用の送水部材として利用す
る点に特徴を有し、図７に示すごとく本体ケース１は浴
槽Ｔの上面隅部に設置して使用できる。図７において、
符号５１は本体ケース１を支持するチェン、５２はフッ
クである。

【００２２】（第３実施例） 図８は本考案に係る風呂水クリーナの第３実施例を示し
ており、第２実施例と同様のバイパス路３９を処理水路
７から分岐し、その導出端を継手１３を介して吐水管１
５に接続し、その他の構成は専用のマッサージノズル４
０を省略した点を除いて実質的に第１実施例と同様にし
た。なお、前記フィルタ３・４はいずれか一方のみが有
ればよく、処理水路７中の水流の流れ方向の上手側にヒ
ータ６を、下手側に該フィルタ３・４を配してあっても
よい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る風呂水クリーナの第１実施例を原
理的に示す正面図である。

【図２】第１実施例の本体ケースの縦断正面図である。

【図３】第１実施例の切換弁の断面図である。

【図４】第１実施例の吸吐水ユニットの縦断側面図であ
る。

【図５】第１実施例のマッサージノズルの縦断側面図で
ある。

【図６】本考案に係る風呂水クリーナの第２実施例を示
す透視図である。

【図７】第２実施例の使用状態での斜視図である。

【図８】本考案に係る風呂水クリーナの第３実施例を原
理的に示す正面図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 送水ポンプ ２ａ 吸水口 ２ｂ 吐水口 ３ フィルタ ４ フィルタ ６ ヒータ ７ 処理水路 １４ 吸水管 １５ 吐水管 ３８ 切換弁 ３９ バイパス路 ４０ マッサージノズル ４２ 空気混合器 ４６ ノズル ４７ ノズルユニット

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケース１の内部に送水ポンプ２を有
   し、このポンプ２の吐水口２ｂに連なる処理水路７に、
   フィルタ３・４と電熱式のヒータ６とが介在しており、 前記処理水路７に連通する吐水管１５と、送水ポンプ２
   の吸水口２ａに連通する吸水管１４とが、それぞれ本体
   ケース１外に導出されている加熱式の風呂水クリーナに
   おいて、 送水ポンプ２の吐水口２ｂの近傍の処理水路７から分岐
   したバイパス路３９が、本体ケース１外に備えたマッサ
   ージノズル４０に接続されており、 送水ポンプ２の吐水口２ｂからの水流を処理水路７とバ
   イパス路３９とに切り換えて送るための切換弁３８が設
   けられており、 吸水管１４の途中には、使用初期に送水ポンプ２が空回
   りしないよう呼び水を送水ポンプ２へ送り込むハンドポ
   ンプ３４が設けられており、 ハンドポンプ３４は、送水ポンプ２へ向かう風呂水の流
   動のみを許すように配置された一対の逆止弁３６・３６
   を有する 加熱式の風呂水クリーナ。
2. 【請求項２】 マッサージノズル４０の内部に、空気混
   合器４２が組み込まれている請求項１記載の加熱式の風
   呂水クリーナ。
3. 【請求項３】 本体ケース１の内部に送水ポンプ２を有
   し、このポンプ２の吐水口２ｂに連なる処理水路７に、
   フィルタ３・４と電熱式のヒータ６とが介在しており、 前記処理水路７に連通する吐水管１５と、送水ポンプ２
   の吸水口２ａに連通する吸水管１４とが、それぞれ本体
   ケース１外に導出されている加熱式の風呂水クリーナに
   おいて、 吐水管１５の導出端にノズル４６を有するノズルユニッ
   ト４７が接続されており、 送水ポンプ２の吐水口２ｂの近傍の処理水路７から分岐
   したバイパス路３９が、前記吐水管１５に接続されてお
   り、 送水ポンプ２の吐水口２ｂからの水流を処理水路７とバ
   イパス路３９とに切り換えて送るための切換弁３８が設
   けられており、 吸水管１４の途中には、使用初期に送水ポンプ２が空回
   りしないよう呼び水を送水ポンプ２へ送り込むハンドポ
   ンプ３４が設けられており、 ハンドポンプ３４は、送水ポンプ２へ向かう風呂水の流
   動のみを許すように配置された一対の逆止弁３６・３６
   を有する 加熱式の風呂水クリーナ。
4. 【請求項４】 ノズルユニット４７の内部に、空気混合
   器４２が組み込まれている請求項３記載の加熱式の風呂
   水クリーナ。