JP3674664B2 - 電球形蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電球形蛍光ランプおよび照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、一般照明用電球のソケットに装着可能な口金を有するカバーを備え、このカバーの内側に点灯回路を収納するとともに、発光管を屈曲などしてグローブに収納した電球形蛍光ランプが知られている。
【0003】
現在、市販されている主な電球形蛍光ランプの仕様は、口金を含む高さが130mm程度、外径が70mm程度であり、発光管の管外径が12mm程度、放電路長が280mm程度、肉厚が1.1mm以上、ランプ電力が13W程度である。しかしながら、このような発光管を配置する蛍光ランプの構成では、一般照明用電球に相当するように小形化することは困難であり、一層の小形化が望まれている。
【0004】
一方、例えば、特開昭62−12051号公報に記載されているように、3本のU字状屈曲形バルブを有する発光管がほぼ正三角形の各辺になるように配置した蛍光ランプが知られている。しかしながら、この蛍光ランプでは、小形化に伴う発光管の寸法、形状およびランプ点灯条件についての詳細が検討されていないので、小形化に最適な構成を実現するには至っていない。
【0005】
また、この特開昭62−12051号公報に記載されている蛍光ランプは、発光管が、約90度屈曲される角部を備えて略コの字状に形成されているが、このように、発光管に角部を設けた構成では、発光管を一般照明用電球と同様の小さなグローブに収納した際に、角部がグローブに近接するため、輝度むらが生じるなどの問題を有している。
【0006】
また、例えば、特開平9−69309号公報に記載された蛍光ランプが知られている。この蛍光ランプでは、発光管は螺旋状などに屈曲され、一般照明用電球と同様の形状、大きさの実現が図られている。しかしながら、このように、発光管を螺旋状など複雑な形状に屈曲する構成は、製造工程が煩雑になり、製造コストの低減が困難であるという問題を有している。そのため、このような発光管の採用は実質的に困難で、U字状屈曲形バルブを有する発光管が一般的に採用されるが、蛍光ランプの小形化にはU字状屈曲形バルブの形状、寸法に種々の制約があるため、やはり実現には困難性が伴う。
【0007】
また、蛍光ランプを小形化すると、カバーの内側に収納される点灯回路への発光管からの熱的影響が懸念される。そこで、例えば、特開平8−273615号公報に記載された蛍光ランプのように、発光管の電極側端部を避けた位置に点灯回路の部品を実装する回路基板を配設した構成が知られている。しかしながら、蛍光ランプの小形化に伴って、回路基板も小形化されるので、部品の実装スペースが少なくなる問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の蛍光ランプでは、一般照明用電球に比べて大きい外形寸法を有しているため、一般照明用電球に置き換えて、一般照明用電球を用いる照明器具に適用することができない問題を有している。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、一般照明用電球に相当する電球形蛍光ランプおよび照明器具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、管外径が8〜11mm、2〜4本のU字状屈曲形バルブを並設して構成され、U字状屈曲形バルブが並設された方向の最大幅が32〜43mmであり、U字状屈曲形バルブの直線部の間隔w1 と隣接するU字状屈曲形バルブの間隔w2 とがほぼ等しく、間隔w1 および間隔w2 が1〜5mmの範囲内にある発光管と;発光管が取り付けられる口金を有するカバーと;カバー内に収容される点灯回路と;最大外径が55〜60mmの範囲内であり、発光管の頂部との最小間隙をA1 、最大外径部と発光管との最小間隙をA2 、端部と発光管との最小間隙をA3 としたとき、A2 >A1 ≧A3 の関係を満たすように発光管を覆ってカバーに取り付けられたグローブと;を具備しているものである。
【0011】
この構成では、管外径が8〜11mm、2〜4本のU字状屈曲形バルブを並設して構成され、U字状屈曲形バルブが並設された方向の最大幅が32〜43mmである発光管を備え、かつ、最大外径が55〜60mmの範囲内であり、発光管の頂部との最小間隙をA1 、最大外径部と発光管との最小間隙をA2 、端部と発光管との最小間隙をA3 としたとき、A2 >A1 ≧A3 の関係を満たすように発光管を覆うグローブを備えるので、口金方向および頂部方向の配光が増加し、一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件が規定される。なお、U字状屈曲形バルブが並設された方向の最大幅の上限は、一般照明用電球の外観に近似させるとともにこの一般照明用電球を用いる照明器具への適合率を上げるために外径45mm以下にしなければならず、グローブまたはカバー内面と発光管の外周とのクリアランスを考慮して43mmとした。なお、グローブまたはカバーの口金側部位を45mm以下にすることによって、一般照明用電球を用いる照明器具に装着したときに照明器具との空間が大きくなり、放熱が良好に行なえるという利点もある。
【0012】
さらに、U字状屈曲形バルブの直線部の間隔w1 と隣接するU字状屈曲形バルブの間隔w2 とがほぼ等しく、間隔w1 および間隔w2 が1〜5mmの範囲内とするので、発光管を小形に配置可能となる。なお、間隔w1 および間隔w2 が1〜5mmの範囲内であるが、2〜3mmが製造上好ましく、また、5mmを越えると小形化に寄与しないこともある。
【0013】
請求項2記載の電球形蛍光ランプは、請求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、点灯回路は、入力電源に対して互いに直列的に接続されたNチャンネルのトランジスタおよびPチャンネルのトランジスタを少なくとも一対有し、高周波電圧を発生する主スイッチング素子としたハーフブリッジ型のインバータ主回路と、インバータ主回路に接続された発光管を安定点灯するためのバラストチョークと、バラストチョークに磁気的に接続されたNチャンネルおよびPチャンネルのトランジスタに共通の二次巻線を有し、二次巻線により各トランジスタを駆動する制御手段とを有しているものである。
【0014】
この構成により、制御手段によりNチャンネルのトランジスタおよびPチャンネルのトランジスタを動作させるので、1つの制御手段の出力でそれぞれを異なる状態に制御し、回路構成を簡素化可能とする。そして、このような部品点数の少ない点灯回路を用いることにより、電球形蛍光ランプの小形化が一層促進される。
【0015】
請求項3記載の照明器具は、請求項1または2記載の電球形蛍光ランプを備えているものである。
【0016】
この構成では、一般照明用電球が用いられる照明器具の利用が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電球形蛍光ランプおよび照明器具の一実施の形態を図面を参照して説明する。但し、実施の形態には、3本のU字状屈曲形バルブを並設した例を前提として説明する。
図1ないし図11に第1の実施の形態を示し、図1は電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面図、図2は電球形蛍光ランプのグローブを透視した底面図、図3は電球形蛍光ランプの一部の断面図、図4は点灯回路と発光管を示す説明図、図5はU字状屈曲形バルブの側面図、図6はU字状屈曲形バルブの一部の断面図、図7は点灯回路と発光管の接続状態を示す説明図、図8はU字状屈曲形バルブの管外径とランプ効率および発光管の最大幅との関係を示すグラフ、図9はU字状屈曲形バルブの配置関係を示す説明図、図10は電球形蛍光ランプの配光図、図11は点灯回路の回路図である。
【0018】
そして、図1ないし図3において、10は電球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ランプ10は、口金12を有するカバー14と、このカバー14に収納された点灯回路16と、透光性を有するグローブ17と、このグローブ17に収納された発光管18とを備えている。そして、グローブ17とカバー14とから構成される外囲器は、定格電力60W形相当の白熱電球などの一般照明用電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金12を含む高さH1 は110〜125mm程度、直径すなわちグローブ17の外形D1 が50〜60mm程度、カバー14の外形D2 が40mm程度に形成されている。なお、一般照明用電球とはJIS C 7501に定義されるものである。そして、以下、口金12側を上側、グローブ17側を下側として説明する。
【0019】
そして、カバー14は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体21を備えている。そして、このカバー本体21は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部に、E26型などの口金12が被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0020】
また、グローブ17は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、定格電力60W形相当の一般照明用電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されているとともに、開口部の縁部には、カバー14の下端の開口部の内側に嵌合する嵌合縁部17a が形成されている。なお、このグローブ17は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上することもできる。
【0021】
そして、カバー14に収納される点灯回路16は、図1、図3および図4に示すように、水平状、すなわち発光管18の長手方向と垂直に配置される円板状の回路基板24を備え、この回路基板24の両面すなわち口金12側である上面および発光管18側である下面に、複数の部品(電気部品)25,26が実装されて、高周波点灯を行なうインバータ回路(高周波点灯回路)が構成されている。
【0022】
複数の部品25,26のうち、回路基板24の上面には、比較的耐熱性の弱い電界コンデンサ、フィルムコンデンサなどの部品25が実装され、回路基板24の下面には、比較的耐熱性が強いとともに厚さ寸法が小さいチップ状のREC(rectifier 、整流素子、ダイオードブリッジ)、トランジスタ、抵抗などのパッケージの厚さ寸法が2〜3mm程度に形成されている部品26が実装されている。
【0023】
回路基板24は、略円板状で、U字状屈曲形バルブ31が並設された方向の最大幅D3 の1.2倍以下の直径(最大幅寸法)に形成されている。そして、この回路基板24から、出力部となる2対すなわち4本の回路側ワイヤー28が導出されている。なお、回路側ワイヤー28に代えて回路基板24にラッピングピンを植設するようにしてもよい。
【0024】
また、グローブ17に収納される発光管18は、図1ないし図6に示すように、略同形状の3本のU字状屈曲形バルブ31を所定の位置に配置し、連通管32で順次接続して、1本の放電路が形成されている。
【0025】
そして、各U字状屈曲形バルブ31は、内面に蛍光体膜を形成するとともに、内部にアルゴンなどの希ガスおよび水銀が封入されている。そして、各U字状屈曲形バルブ31は、管外径d1 が8〜11mm、管内径d2 が6〜9mm、肉厚が0.7〜1.0mmのガラス製の円筒状のバルブであり、110〜130mm程度のバルブを中間部で滑らかに湾曲させ頂部Pを備えた略U字状に形成されている。すなわち、各U字状屈曲形バルブ31は、滑らかに反転する屈曲部31a と、この屈曲部31a に連続する互いに平行な一対の直線部31b とを備えている。そして、発光管18は、バルブの高さH2 が50〜60mm、放電路長が200〜300mm、バルブ並設方向の最大幅D3 が32〜43mmに形成されている。
【0026】
そして、この発光管18は、蛍光ランプ固定部材でありまた点灯回路固定部材である支持部材としての仕切板33に取り付けられ、この仕切板33がカバー14に固定されている。すなわち、仕切板33は、円板状をなす基板部34を備え、この基板部34に形成された取付孔34a に、各U字状屈曲形バルブ31の端部を挿入したうえ接着剤にて接着などして、発光管18が仕切板33に固定されている。また、基板部34の外周部からは、上側に向かいさらに外側に向かう嵌合段部35が形成されている。そして、この嵌合段部35をカバー14の内側に嵌合し、さらに、この嵌合段部35とカバー14との間にグローブ17の嵌合縁部17a を嵌合した状態で、嵌合段部35とカバー14との間に接着剤37を充填することにより、これらの部材が互いに固定されている。また、嵌合段部35の上側には、円筒状などをなす取付片部38が突設され、この取付片部38に、嵌合あるいは接着などして、点灯回路16の回路基板24が取り付けられている。
【0027】
また、このように電球形蛍光ランプ10が組み付けられた状態で、発光管18は、グローブ17内の所定の位置に収納されている。すなわち、この状態で、各U字状屈曲形バルブ31の頂部Pは、この電球形蛍光ランプ10の上下方向を長手方向とする中心軸を中心とする1つの円周上に等間隔で位置し、また、各U字状屈曲形バルブ31の各直線部31b も、ランプの中心軸を中心とする所定の円周上に略等間隔で位置するようになっている。つまり、図9に示すように、発光管18の3つのU字状屈曲形バルブ31の直線部31b の管軸が正六角形の頂点Pにほぼ位置するようにしている。U字状屈曲形バルブ31の直線部31b の間隔w1 と隣接するU字状屈曲形バルブ31の間隔w2 とがほぼ等しく、この間隔w(w1 ,w2 )が1〜5mmの範囲内に規定されている。なお、間隔w(w1 ,w2 )が1〜5mmの範囲内であるが、2〜3mmが製造上好ましく、また、5mmを越えると小形化に寄与しないこともある。
【0028】
そして、図8および図9を参照して、上述した発光管18の最大幅aが32〜43mm、U字状屈曲形バルブ31の管外径d1 が8〜11mmである数値の意味について説明する。
【0029】
なお、図8には、発光管18の肉厚が0.8mm、ガス圧が400Pa 、放電路長が250mm、ランプ電流が0.2Aの場合において、ランプ効率を示すとともに、間隔wが5mmの例と2mmの例について管外径d1 と最大幅aとの関係を示す。
【0030】
一般照明用電球の外観に近似させるとともにこの一般照明用電球を用いる照明器具への適合率を上げるためにはグローブ17の外径を45mm以下(好ましくは40mm程度である)にしなければならず、このグローブ17またはカバー14の内面と発光管18の外周とのクリアランスを考慮して発光管18の最大幅aの上限は43mmとした。
【0031】
管外径d1 の下限は、相対ランプ効率が97%以上となる8mmとした。
【0032】
管外径d1 の上限は、発光管18の最大幅aの上限43mmから、a=3d1 +2wの式に基づいて規定した。このとき、発光管18の3つのU字状屈曲形バルブ31の直線部31b の管軸が正六角形の頂点にほぼ位置するようにしている(w1 ,w2 はほぼ均等である)。したがって、a=3d1 +2wの式に、最大時の数値(a:43、w:5)を当てはめて、43=3d1 +2×5からd1 の値を求めることにより、管外径d1 の上限は11mmとした。
【0033】
発光管18の最大幅aの下限は、a=3d1 +2wの式、最小時の数値(d1 :8、w:2)を当てはめて、a=3×8+2×2からaの値を求めることにより、28mmとした。
【0034】
なお、管内径の下限を6mmとしたのは、6mm以下では始動電圧が高くなり、実用的ではないためである。
【0035】
さらに、肉厚1.1mm以上では、U字状に屈曲した屈曲部31a の内側にガラスの肉溜まりが発生し、屈曲部31a の内側からクラックが発生し易いが、肉厚を0.7〜1.0mmにすることで、屈曲部31a の内側にガラスの肉溜まりが発生するのを抑制できる。
【0036】
また、グローブ17と発光管18の頂部Pとの最小間隙をA1 、グローブ17の最大外径部と発光管18との最小間隙をA2 、グローブ17の端部と発光管18との最小間隙をA3 としたとき、A2 >A1 ≧A3 の関係に規定されている。A1 は2〜8mm程度、A2 は3〜13mm程度、A3 は2〜8mm程度である。
【0037】
そして、図10において、A2 >A1 ≧A3 の関係を有する電球形蛍光ランプ10の配光S1 と、外囲器が円筒状でA2 =A3 の関係を有する従来の電球形蛍光ランプの配光S2 とを示す。なお、0゜方向が発光管18の頂部方向、180゜方向が口金12方向、90゜方向が発光管18の側面方向に対応している。
【0038】
A2 >A1 ≧A3 の場合の配光S1 は、A2 =A3 の場合の配光S2 に比べて、口金12方向の配光が増加し、一般照明用電球の配光に近似する。すなわち、A2 がA3 より大きいので、グローブ17の側面から口金12方向に拡散する光が多くなり、口金12方向の配光照度が大きくなる。しかも、A1 をA2 >A1 ≧A3 の関係、つまり2mm>A1 >8mmの関係とすることで、発光管18の頂部方向への配光を強くできる。したがって、電球形蛍光ランプ10のA2 >A1 ≧A3 の関係を規定することにより、一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件を規定できる。
【0039】
このように規定された電球形蛍光ランプ10を、一般照明用電球の照明器具に用いた場合、電球形蛍光ランプ10の配光が一般照明用電球の配光に近似することで、照明器具内に配設されたソケット近傍の反射体への光照射量が十分に確保され、反射体の光学設計どおりの器具特性を得ることができる。しかも、電球スタンドのように、内部光源のイメージが布製などの光拡散性カバーに映し出される照明器具であっても、電球形蛍光ランプ10の配光が一般照明用電球の配光に近似することで、違和感なく使用できる。
【0040】
なお、グローブ17の表面輝度を株式会社トプコン製の輝度計BM−8によって測定したところ380cd/m2であった。また、全光束は810lmであった。
【0041】
一方、各U字状屈曲形バルブ31は、マウントを用いたラインシール、あるいはマウントを用いないピンチシールなどにより、一端部が封着されているとともに、他端部には排気管とも呼ばれる細管41が溶着され、排気を行ない、あるいは必要に応じてアマルガム42を備えるようになっている。また、発光管18の両端部に位置する各U字状屈曲形バルブ31の端部には、マウントを用いたラインシールなどにより、フィラメントコイル44が、一対のウエルズ(導入線)45に支持されて配置されている。そして、各ウエルズ45は、U字状屈曲形バルブ31の端部のガラスに封着されたジュメット線46を介して、U字状屈曲形バルブ31の外部に導出されたランプ側ワイヤー48に接続されている。なお、一方のウエルズ45には、必要に応じて補助アマルガム49が設けられている。
【0042】
そして、発光管18から導出された2対すなわち4本のランプ側ワイヤー48は、図3、図4、および図7に示すように、点灯回路16から導出された回路側ワイヤー28と捩じり合わされて、電気的および機械的に接続されている。また、各ワイヤー28,48は、仕切板33のリブ状の取付片部38に形成した溝部に挿入され、案内されている。そこで、点灯回路16にコネクタを設けランプ側ワイヤー48を差し込んで接続する構成や、点灯回路16から突設した柱状のピンにランプ側ワイヤー48を巻き付けて接続する構成に比べて、大きな空間を占めることもなく、小形化できるとともに、専用部品の必要もないため、安価で容易かつ確実に結線することができる。また、この時、回路側ワイヤー28とランプ側ワイヤー48との径寸法が大きく異なると、捩じり合わせる作業が困難になる。そこで、回路側ワイヤー28の径寸法D28と、ランプ側ワイヤー48の径寸法D48との関係について、(0.9×D28)<D48<(1.1×D28)とすることにより、容易かつ確実に捩じり合わせにより接続できる。さらに、捩じり回数は3ターン以上とすることにより、電気的および機械的に確実に接続できる。なお、例えば仕切板33から上側に柱状の部位を突設し、各ワイヤー28,48をこの部位を中心として捩じり接続することもできる。
【0043】
また、各U字状屈曲形バルブ31の排気を行なう細管41については、管内径d3 がU字状屈曲形バルブ31の管内径d2 に対して小さいと、排気効率が悪く、排気時間を長くする必要がある一方、細管41の径が大きくなると、細管41と同時に封着するウエルズ45について、細管41の外面あるいはU字状屈曲形バルブ31の内面との間隔を確保できなくなり、封着不具合を生じるなどして、発光管18の品質低下を生じるおそれがある。特に、従来は、U字状屈曲形バルブの管内径が細管の管内径の3倍以上あり、排気を行なう細管は、発光管の長手方向の一端部に位置する場合が多いため、排気効率の向上が困難であった。この点、本実施の形態では、細管41の管内径d3 を、U字状屈曲形バルブ31の管内径d2 に対して、2.0<(d2 /d3 )<2.8の範囲内にしており、細管41の管内径d3 を大きくすることによる排気効率の向上を実現できるとともに、封着性を確保し、発光管18の品質を向上できる。なお、排気管となる細管41は、発光管18の長手方向の中間部に設けることにより、排気効率を向上することもできる。
【0044】
そして、このように構成された電球形蛍光ランプ10は、入力電力定格14Wで、発光管18には、12.5Wの電力の高周波で加わり、ランプ電流は280mA、ランプ電圧は65Vとなり、3波長発光形蛍光体の使用により全光束810lmとなっている。
【0045】
図11は点灯回路16の構成を説明する回路図である。点灯回路16は、まず入力電源装置Eを有する。入力電源装置Eは、商用交流電源eにヒューズF1を介してフィルタを構成するコンデンサC1が接続され、このコンデンサC1にはフィルタを構成するインダクタL1を介して全波整流器101 の入力端子が接続されている。また、この全波整流器101 の出力端子には抵抗R1を介して平滑用のコンデンサC2が接続され、このコンデンサC2にはハーフブリッジ型のインバータ主回路102 が接続されている。
【0046】
インバータ主回路102 は、コンデンサC2に対して並列に、スイッチング素子であるMOS型のNチャンネルのトランジスタとしての電界効果トランジスタQ1およびMOS型のPチャンネルのトランジスタとしての電界効果トランジスタQ2が直列回路が接続されている。Nチャンネルの電界効果トランジスタQ1およびPチャンネルの電界効果トランジスタQ2は互いのソースが接続されている。
【0047】
電界効果トランジスタQ2のドレイン、ソース間には、バラストチョークL2(本実施の形態では共振作用も兼用)および直流カット用のコンデンサC3を介して、発光管18の両端のフィラメントコイル44,44の一端がそれぞれ接続され、一方のフィラメントコイル44の一端と他方のフィラメントコイル44との他端間には、始動用のコンデンサC4が接続されている。
【0048】
抵抗R1およびコンデンサC2の接続点と電界効果トランジスタQ1のゲートおよび電界効果トランジスタQ2のゲートとの間には、起動回路103 を構成する起動用の抵抗R2が接続され、これら電界効果トランジスタQ1のゲートおよび電界効果トランジスタQ2のゲートと電界効果トランジスタQ1および電界効果トランジスタQ2のソースとの間に、コンデンサC5およびコンデンサC6の直列回路が接続され、これらコンデンサC5および制御手段としての制御回路104 のコンデンサC6の直列回路に対して並列に電界効果トランジスタQ1および電界効果トランジスタQ2のゲート保護のためのツェナダイオードZD1 およびツェナダイオードZD2 の直列回路が接続されている。また、バラストチョークL2には、二次巻線L3が磁気的に結合して設けられ、この二次巻線L3にはインダクタL4およびコンデンサC6の共振回路106 が接続されている。さらに、コンデンサC5およびインダクタL4の直列回路に対して並列に、起動回路103 の抵抗R3が接続されている。
【0049】
電界効果トランジスタQ2のドレイン、ソース間には、起動回路103 の抵抗R4およびスイッチング改善用のコンデンサC7の並列回路が接続されている。
【0050】
なお、電界効果トランジスタQ1,Q2は、バイポーラ形であってもよい。また、インバータ主回路102 は互いに直列的に接続されたスイッチング素子を二対以上有する例えばフルブリッジ形のものでもよい。さらに、発光管18は両方のフィラメントコイル44が予熱される形式のものでも、両方のフィラメントコイル44が予熱されない形式のものでもよい。
【0051】
そして、点灯回路16に電源が投入されると、商用交流電源eの電圧を、全波整流器101 で全波整流し、コンデンサC2で平滑する。
【0052】
まず、抵抗R2を介してNチャンネルの電界効果トランジスタQ1のゲートに電圧が印加され、電界効果トランジスタQ1がオンする。電界効果トランジスタQ1のオンによりバラストチョークL2、コンデンサC3、コンデンサC4の回路に電圧が印加され、バラストチョークL2およびコンデンサC4は共振する。そして、バラストチョークL2の二次巻線L3に電圧が誘起され、制御回路104 のインダクタL4およびコンデンサC6が固有共振して電界効果トランジスタQ1をオンさせ、電界効果トランジスタQ2をオフさせる電圧を発生する。ついで、バラストチョークL2およびコンデンサC4の共振電圧が反転すると二次巻線L3には前回と逆の電圧が発生し、制御回路104 は電界効果トランジスタQ1をオフさせ、電界効果トランジスタQ2をオンさせる電圧を発生する。さらに、バラストチョークL2およびコンデンサC4の共振電圧が反転すると、電界効果トランジスタQ1がオンと、電界効果トランジスタQ2がオフする。以後、同様に、電界効果トランジスタQ1および電界効果トランジスタQ2が交互にオン、オフして、共振電圧が発生し、コンデンサC4に並列接続された発光管18は一方のフィラメントコイル44を予熱されつつ始動電圧を印加されて、始動、点灯する。
【0053】
ツェナダイオードZD1 およびツェナダイオードZD2 により、電界効果トランジスタQ1および電界効果トランジスタQ2のゲート電圧を一定化するとともに、ゲートを過大な電圧から保護している。
【0054】
したがって、NチャネルおよびPチャネルの電界効果トランジスタQ1,Q2を用い、かつ、Nチャネルの電界効果トランジスタQ1を高電位側に接続したので、1つの制御回路104 によりNチャネルおよびPチャネルの電界効果トランジスタQ1,Q2を制御できる。また、制御回路104 に共振回路(インダクタL4およびコンデンサC6)を設けたので、二次巻線L3の巻数を少なくして小形化を図ることができるとともに、無負荷時および負荷時における制御回路104 の出力電圧の変化幅を小さくできる。すなわち、インダクタL4およびコンデンサC6の共振回路を設けないで、単に二次巻線L3の出力電圧を出力するようにした場合には、発光管18の始動電圧およびランプ電圧の関係にもよるが、二次巻線L3の出力電圧は無負荷時と負荷時とでほぼ10倍またはそれ以上の差が生じ、ツェナダイオードではゲート電圧の一定化、保護が困難か、高価なツェナダイオードを必要とすることがある。
【0055】
そして、本実施の形態によれば、管内径6〜9mmの複数のU字状のU字状屈曲形バルブ31を並設してバルブの高さH2 が50〜60mm、放電路長が200〜300mmであり、ランプ電力が7〜15Wで点灯したときの全光束が700lm以上となるように構成された発光管18を備え、この発光管18が取り付けられる口金12を含むカバー14の高さH1 を110〜125mmとすることで、定格電力60W形相当の一般照明用電球の寸法および全光束に相当させるための各構成の最適条件を規定できる。なお、管内径の下限を6mmとしたのは、6mm以下では始動電圧が高くなり、実用的ではないためである。
【0056】
また、管外径が8〜11mm、肉厚0.7〜1.0mmであって頂部Pが湾曲形を有する複数のU字状屈曲形バルブ31を並設して構成された発光管18を備えるので、定格電力60W形相当の一般照明用電球の寸法および全光束に相当させるための管径を規定できるとともに、この管外径で管内表面を大きくしかつ強度を確保できる肉厚の条件を規定できる。なお、肉厚1.1mm以上では、管外径に対する管内径が相対的に小さくなるので、管内表面積を大きくすることができないとともに、U字状に屈曲した屈曲部31a の内側にガラスの肉溜まりが発生し、屈曲部31a の内側からクラックが発生し易いが、肉厚を0.7〜1.0mmにすることで、屈曲部31a の内側にガラスの肉溜まりが発生するのを抑制できる。
【0057】
また、回路基板24を発光管18のU字状屈曲形バルブ31が並設された方向の最大幅の1.2倍以下の最大幅寸法とし、発光管18と対向する側の回路基板24の面に比較的耐熱性の高い部品26を実装するとともにその反対の面に比較的耐熱性の低い部品25を実装したので、回路基板24に実装される部品25,26の熱的影響を抑えながら回路基板24を小形化でき、回路基板24を収容するカバー14の部分を一般照明用電球に相当する寸法に小形化できる。なお、回路基板24の発光管18に対向する面に実装される部品26は、発光管18の電極から離間した位置に配置することにより、電極からの発熱による部品26への熱的影響を抑制できる。また、回路基板24は実装スペースを効率的に確保できるので円形状が好ましいが、四角形状などの多角形状、楕円形状であってもよい。
【0058】
また、発光管18は滑らかに湾曲した頂部Pが設けられ順次接続された3本以上のU字状屈曲形バルブ31を備え、各頂部Pをグローブ17の内面に対向する同一円周上に配置し、各U字状屈曲形バルブ31を互いに外径寸法以下の間隔を介して配置するので、一般照明用電球と略同一形状に小形化されたグローブ17に発光管18を収納することができるとともに、このような小形化されたグローブ17に発光管18を収納する場合であっても、輝度むらを低減でき、照明効果を向上できる。
【0059】
また、発光管18は、複雑な形状に屈曲して形成する必要がなく、略同一形状をなすU字状屈曲形バルブ31を3本形成して接続すれば良いため、製造コストを低減できる。
【0060】
また、管外径が8〜11mmの複数のU字状のU字状屈曲形バルブ31を並設して構成され、U字状屈曲形バルブ31が並設された方向の最大幅が32〜43mmである発光管18を備え、かつ、最大外径が55〜60mmの範囲内であり、発光管18の頂部Pとの最小間隙をA1 、最大外径部と発光管18との最小間隙をA2 、端部と発光管18との最小間隙をA3 としたとき、A2 >A1 ≧A3 の関係を満たすように発光管18を覆うグローブ17を備えるので、口金方向および頂部方向の配光が増加し、一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件を規定できる。そして、A1 が2〜8mm、A2 が3〜13mm、A3 が2〜8mmとすれば、一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件が規定される。
【0061】
また、仕切板33、発光管18およびグローブ17を互いに接着剤で接着するので、発光管18の熱がグローブ17を通して効率良く放熱されるとともに、構造を簡略化し、製造コストを低減できる。
【0062】
また、発光管18のU字状屈曲形バルブ31を断面三角形状に並設するので、発光管18を小形に配置できる。
【0063】
また、U字状屈曲形バルブ31の直線部31b の間隔w1 と隣接するU字状屈曲形バルブ31の間隔w2 とがほぼ等しく、間隔w1 ,間隔w2 が1〜5mmの範囲内とするので、発光管18を小形に配置できる。
【0064】
また、点灯回路16は、制御回路104 によりNチャンネルの電界効果トランジスタQ1およびPチャンネルの電界効果トランジスタQ2を動作させるので、1つの制御回路104 の出力でそれぞれを異なる状態に制御し、回路構成を簡素化でき、このような部品点数の少ない点灯回路16を用いることにより、電球形蛍光ランプ10の小形化が一層促進される。
【0065】
このようにして、定格電力60W形相当の一般照明用電球に近似する外形を実現できるため、一般照明用電球を用いる照明器具に広く装着することが可能になり、汎用性を向上できるとともに、装着時の違和感もなくなり、外観を向上できる。
【0066】
なお、上記の実施の形態では、図3に示すように、嵌合段部35とカバー14との間にできる溝に接着剤37を注入し、グローブ17の嵌合縁部17a を固定していたが、各部材は、種々の方法により固定することができる。
【0067】
図12は第2の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部の断面図、図13は第3の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部の断面図、図14は同上(第3の実施の形態)電球形蛍光ランプの一部の斜視図である。
【0068】
すなわち、図12に示すように、発光管18を固定する仕切板33の外周部に沿って、溝部51を形成し、この溝部51にグローブ17の嵌合縁部17a を嵌合するとともにシリコン系などの接着剤37を注入し、グローブ17を固定する。また、カバー14に係合部53を設けるとともに、仕切板33には係合受部54を形成し、カバー14の内側に仕切板33を挿入することにより、あるいは、カバー14の内側に仕切板33を挿入して所定方向に回転させることにより、これら係合部53と係合受部54とを係合し、仕切板33とカバー14とを固定している。
【0069】
そして、この図12に示す構成では、グローブ17を仕切板33のみに固定しているため、発光管18と点灯回路16とを仕切板33に組み込みカバー14を取り付けた状態でグローブ17を固定する構成に比べて、発光管18側の部材と点灯回路16側の部材とを容易に分離回収することができる。さらに、この構成では、外部に露出する部分の構造が簡略化され、外観を良好にできるとともに、例えば、グローブ17を用いない構成にも対応することができる。
【0070】
また、図13および図14に示すように、仕切板33の嵌合段部35などのグローブ17および発光管18と近接する部分に、切り込み部57あるいは溝部を形成するなどして、カバー14とグローブ17と仕切板33とを接着するシリコン系などの接着剤37により、さらに、発光管18を一体的に接着して固定することもできる。そして、この構成では、カバー14とグローブ17と仕切板33とを接着し別工程で仕切板33に発光管18を接着して固定する構成に比べて、製造工程および構造を簡略化し、製造コストを低減でき、また、発光管18をグローブ17側に強固に固定できるとともに、発光管18の熱を接着剤37を介してグローブ17に伝え、このグローブ17を通して効率良く放熱できる。そこで、光束の劣化を抑制できるとともに、点灯回路16の温度の上昇も抑制でき、回路の信頼性を向上できる。
【0071】
また、上記の実施の形態では、点灯回路16は、1枚の回路基板24を水平に、すなわち口金12の挿入方向に対して垂直に配置したが、回路基板24は、複数枚設けても良く、また、水平のほか、垂直すなわち口金12の挿入方向と平行状などに配置することもできる。
【0072】
図15は第4の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【0073】
そして、図15に示すように、この実施の形態では、第1の回路基板61と第2の回路基板62とが上下に水平状に配置されている。また、上側に位置する第1の回路基板61は上面に部品25が実装されているとともに、下側に位置する第2の回路基板62は下面に部品25が実装され、第1の回路基板61と第2の回路基板62とは互いに半田面を向かい合わせて配置されている。そして、口金12側に位置する第1の回路基板61には、比較的熱に弱い電界コンデンサ、フィルムコンデンサなどの部品25が配置され、第2の回路基板62には、比較的熱に強く、また、高さ寸法の小さい部品25、例えば、抵抗あるいは整流用などのチップ部品が多く配置されている。さらに、これら第1および第2の回路基板61,62同士は、2本あるいは3本など複数本のスズメッキ電線によるジャンパー線65、あるいはフィルム状の柔軟なケーブルなどにより電気的に接続されており、これら第1および第2の回路基板61,62は、組み込み時に、このジャンパー線65を折り曲げ2枚の第1および第2の回路基板61,62の半田面が向かい合う形で実装される。また、これら第1および第2の回路基板61,62の半田面同士の間には、絶縁性、および耐熱性を有し、断熱性が良好なシリコン系のフィルムなどである厚さ1mm程度の絶縁シート64が配置され、半田面同士が絶縁されるとともに、発光管18から第1の回路基板61に熱が伝わることが抑制される。
【0074】
そして、この図15に示す構成では、回路構成部品を分割して2枚基板とすることにより、点灯回路16の平面上での寸法を小さくして、回路実装構造の小形化を図り、一般照明用電球相当のランプ形状を実現できるとともに、熱に弱い部品25を容易に保護することができ、信頼性、量産性を向上できる。
【0075】
なお、この図15に示す構成において、熱に弱いフィルムコンデンサ、発熱が多いバラストチョークなどについては、シリコン接着剤を載せるいわゆるシリコンポッティングを行ない、また、第2の回路基板62と仕切板33との間の空気層68にシリコン系の樹脂ラバーを介装することもできる。そして、これらシリコンポッティングや樹脂ラバーを用いることにより、部品25の放熱が促進されるとともに、発光管18からの熱が部品25に伝わりにくくなり、部品25の温度を下げることができる。
【0076】
また、上記の実施の形態では、発光管18の端部は、マウントを用いたラインシールにより封止したが、マウントを用いないピンチシールにより封止し、マウント製造工程を簡略化し、製造コストを低減することができる。
【0077】
図16は第5の実施の形態を示す発光管の一部の断面図、図17は第6の実施の形態を示す発光管の一部の断面図である。
【0078】
例えば、図16に示す実施の形態のように、治具を用いたピンチングにより、発光管18の端部を封止できる。この時、従来は、ビードガラス(マウントビート)に固定した2本のウエルズ45にフィラメントコイル44をクランプして支持しているため、マウント製造工程は複雑になり、ビードガラスの位置や傾きによっては発光管18の内面に塗布している蛍光膜を傷つけ、発光管18の品質低下を起こすおそれを有している。本実施の形態では、熱陰極蛍光ランプの両端に使用するマウントについて、2本のウエルズ45で直にフィラメントコイル44をクランプするとともに、クランプ幅は7mm以下とすることにより、ビードガラスを用いた際に要求される位置や傾きの高度な管理が不要になり、発光管18の製造工程を簡略化して製造コストを低減できるとともに、発光管18の品質を向上できる。なお、この実施の形態においても、片側のウエルズ45には、補助アマルガム49が設けられている。
【0079】
また、ピンチングによる封着の際には、従来は、ウエルズ45のジュメット線46を直接に発光管18でピンチングし封着していたため、金属であるジュメット線46と発光管18のガラスとを十分に密着させる時間や温度などの加熱条件の設定が難しく、高度な製造技術が必要で、製造コストの低減が困難であるとともに、封着に不具合を起こすと、発光管18の品質の低下を招く問題点を有している。そこで、図17に示すように、ウエルズ45のジュメット線(ジュメット部分)46にガラスを事前に溶着させた状態で、このジュメット線46を発光管18とピンチングにより封着することにより、発光管18の封着性を容易に向上し、発光管18の品質を向上することができるとともに、歩留まりを改善し、製造コストを低減することができる。なお、この図17に示す構成では、2本のウエルズ45を支持するビードガラスを用いることもできる。
【0080】
また、上記実施の形態では、電球形蛍光ランプは、定格電力60W形相当の一般照明用電球のガラス球の形状に相当するグローブ17を備えていたが、グローブ17の形状は一般照明用電球のガラス球に限られず各種の形状を適用でき、あるいはグローブ17を用いなくてもよい。
【0081】
図18は第7の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図、図19は第8の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【0082】
すなわち、図18に示す実施の形態では、グローブ17を用いず、カバー14から発光管18が露出して配置されている。この構成により、一層小形化された電球形蛍光ランプが実現でき、一般照明用電球を用いる照明器具への適合率をより高めることができるとともに、全光束を向上することができる。
【0083】
さらに、図19に示す実施の形態では、グローブ17をボール形とすることで、一般照明用電球のボール形のガラス球に近似させた形状に構成できる。
【0084】
また、上記の各実施の形態では、乳白色などのグローブ17を設けたが、透明(クリアタイプ)のグローブを設けてもよい。
【0085】
そして、上記各構成の電球形蛍光ランプ10を一般照明用電球に用いるソケットを備えた器具本体に装着することにより、照明器具が構成される。そして、この構成では、輝度むらが低減され、照明効果が向上するとともに、製造コストが低減されるなど、上記の各効果を備えた照明器具を構成できる。
【0086】
なお、上記の各実施の形態では、U字状のU字状屈曲形バルブ31を3本接続して発光管18を構成したが、発光管18の形状はこれに限らず、例えばU字状あるいはH字状のU字状屈曲形バルブを2本、3本、あるいは4本など並列させて、すなわち長手方向に沿って4軸、6軸、あるいは8軸の放電路を形成し、ランプ長の短縮を図ることもできる。
【0087】
【発明の効果】
請求項1記載の電球形蛍光ランプによれば、管外径が8〜11mm、2〜4本のU字状屈曲形バルブを並設して構成され、U字状屈曲形バルブが並設された方向の最大幅が32〜43mmである発光管を備え、かつ、最大外径が55〜60mmの範囲内であり、発光管の頂部との最小間隙をA1 、最大外径部と発光管との最小間隙をA2 、端部と発光管との最小間隙をA3 としたとき、A2 >A1 ≧A3 の関係を満たすように発光管を覆うグローブを備えるので、口金方向および頂部方向の配光が増加し、一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件を規定できる。さらに、U字状屈曲形バルブの直線部の間隔w1 と隣接するU字状屈曲形バルブの間隔w2 とがほぼ等しく、間隔w1 および間隔w2 が1〜5mmの範囲内とするので、発光管を小形に配置できる。
【0088】
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、制御手段によりNチャンネルのトランジスタおよびPチャンネルのトランジスタを動作させるので、1つの制御手段の出力でそれぞれを異なる状態に制御し、回路構成を簡素化でき、このような部品点数の少ない点灯回路を用いることにより、電球形蛍光ランプの小形化が一層促進される。
【0089】
請求項3記載の照明器具によれば、請求項1または2記載の電球形蛍光ランプを備えたため、一般照明用電球が用いられる照明器具の利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面図である。
【図2】 同上電球形蛍光ランプのグローブを透視した底面図である。
【図3】 同上電球形蛍光ランプの一部の断面図である。
【図4】 同上点灯回路と発光管を示す説明図である。
【図5】 同上U字状屈曲形バルブの側面図である。
【図6】 同上U字状屈曲形バルブの一部の断面図である。
【図7】 同上点灯回路と発光管の接続状態を示す説明図である。
【図8】 同上U字状屈曲形バルブの管外径とランプ効率および発光管の最大幅との関係を示すグラフである。
【図9】 同上U字状屈曲形バルブの配置関係を示す説明図である。
【図10】 同上電球形蛍光ランプの配光図である。
【図11】 同上点灯回路の回路図である。
【図12】 本発明の第2の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部の断面図である。
【図13】 本発明の第3の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部の断面図である。
【図14】 同上電球形蛍光ランプの一部の斜視図である。
【図15】 本発明の第4の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【図16】 本発明の第5の実施の形態を示す発光管の一部の断面図である。
【図17】 本発明の第6の実施の形態を示す発光管の一部の断面図である。
【図18】 本発明の第7の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【図19】 本発明の第8の実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【符号の説明】
10 電球形蛍光ランプ
12 口金
14 カバー
16 点灯回路
17 グローブ
18 発光管
31 U字状屈曲形バルブ
31b 直線部
102 インバータ主回路
104 制御手段としての制御回路
Q1 Nチャンネルのトランジスタとしての電界効果トランジスタ
Q2 Pチャンネルのトランジスタとしての電界効果トランジスタ
L2 バラストチョーク
L3 二次巻線
Claims (3)
- 管外径が8〜11mm、2〜4本のU字状屈曲形バルブを並設して構成され、U字状屈曲形バルブが並設された方向の最大幅が32〜43mmであり、U字状屈曲形バルブの直線部の間隔w1 と隣接するU字状屈曲形バルブの間隔w2 とがほぼ等しく、間隔w1 および間隔w2 が1〜5mmの範囲内にある発光管と;
発光管が取り付けられる口金を有するカバーと;
カバー内に収容される点灯回路と;
最大外径が55〜60mmの範囲内であり、発光管の頂部との最小間隙をA1 、最大外径部と発光管との最小間隙をA2 、端部と発光管との最小間隙をA3 としたとき、A2 >A1 ≧A3 の関係を満たすように発光管を覆ってカバーに取り付けられたグローブと;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。 - 点灯回路は、入力電源に対して互いに直列的に接続されたNチャンネルのトランジスタおよびPチャンネルのトランジスタを少なくとも一対有し、高周波電圧を発生する主スイッチング素子としたハーフブリッジ型のインバータ主回路と、インバータ主回路に接続された発光管を安定点灯するためのバラストチョークと、バラストチョークに磁気的に接続されたNチャンネルおよびPチャンネルのトランジスタに共通の二次巻線を有し、二次巻線により各トランジスタを駆動する制御手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
- 請求項1または2記載の電球形蛍光ランプを備えていることを特徴とする照明器具。
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