JP3132562B2 - 電球形蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents

電球形蛍光ランプおよび照明器具

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JP3132562B2
JP3132562B2 JP2000023232A JP2000023232A JP3132562B2 JP 3132562 B2 JP3132562 B2 JP 3132562B2 JP 2000023232 A JP2000023232 A JP 2000023232A JP 2000023232 A JP2000023232 A JP 2000023232A JP 3132562 B2 JP3132562 B2 JP 3132562B2
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電球形蛍光ランプ
および照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、一般照明用電球のソケッ
トに装着可能な口金を有するカバーを備え、このカバー
の内側に点灯回路を収納するとともに、発光管を屈曲な
どしてグローブに収納した電球形蛍光ランプが知られて
いる。
【0003】現在、市販されている主な電球形蛍光ラン
プの仕様は、口金を含む高さが130mm程度、外径が
70mm程度であり、発光管の管外径が12mm程度、
放電路長が280mm程度、肉厚が1.1mm以上、ラ
ンプ電力が13W程度である。しかしながら、このよう
な発光管を配置する蛍光ランプの構成では、一般照明用
電球に相当するように小形化することは困難であり、一
層の小形化が望まれている。
【0004】一方、例えば、特開昭62−12051号
公報に記載されているように、3本のU字状屈曲形バル
ブを有する発光管がほぼ正三角形の各辺になるように配
置した蛍光ランプが知られている。しかしながら、この
蛍光ランプでは、小形化に伴う発光管の寸法、形状およ
びランプ点灯条件についての詳細が検討されていないの
で、小形化に最適な構成を実現するには至っていない。
【0005】また、この特開昭62−12051号公報
に記載されている蛍光ランプは、発光管が、約90度屈
曲される角部を備えて略コの字状に形成されているが、
このように、発光管に角部を設けた構成では、発光管を
一般照明用電球と同様の小さなグローブに収納した際
に、角部がグローブに近接するため、輝度むらが生じる
などの問題を有している。
【0006】また、例えば、特開平9−69309号公
報に記載された蛍光ランプが知られている。この蛍光ラ
ンプでは、発光管は螺旋状などに屈曲され、一般照明用
電球と同様の形状、大きさの実現が図られている。しか
しながら、このように、発光管を螺旋状など複雑な形状
に屈曲する構成は、製造工程が煩雑になり、製造コスト
の低減が困難であるという問題を有している。そのた
め、このような発光管の採用は実質的に困難で、U字状
屈曲形バルブを有する発光管が一般的に採用されるが、
蛍光ランプの小形化にはU字状屈曲形バルブの形状、寸
法に種々の制約があるため、やはり実現には困難性が伴
う。
【0007】また、蛍光ランプを小形化すると、カバー
の内側に収納される点灯回路への発光管からの熱的影響
が懸念される。そこで、例えば、特開平8−27361
5号公報に記載された蛍光ランプのように、発光管の電
極側端部を避けた位置に点灯回路の部品を実装する回路
基板を配設した構成が知られている。しかしながら、蛍
光ランプの小形化に伴って、回路基板も小形化されるの
で、部品の実装スペースが少なくなる問題を有してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
蛍光ランプでは、一般照明用電球に比べて大きい外形寸
法を有しているため、一般照明用電球に置き換えて、一
般照明用電球を用いる照明器具に適用することができな
い問題を有している。
【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、一般照明用電球に相当する電球形蛍光ランプおよ
び照明器具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電球形蛍
光ランプは、管外径が8〜11mm、肉厚が0.7〜
1.0mmであって頂部が湾曲形を有する3本のU字状
屈曲形バルブを、これらU字状屈曲形バルブの6本の直
線部が円周上に沿って位置し、各U字状屈曲形バルブの
直線部の間隔w1と隣接するU字状屈曲形バルブの間隔
w2とがほぼ等しく、間隔w1および間隔w2が1〜5m
mの範囲内となるとともに、バルブ並設方向の最大幅が
32〜43mmで、連結管によって1本の放電路が形成
されるようにU字状屈曲形バルブの直線部同士を接続し
並設し、ランプ電力が7〜15Wで点灯したときの全
光束が700lm以上、ランプ効率が60lm/W以上とな
るように構成された発光管と;発光管が取り付けられる
とともに口金を有し、口金を含む高さが110〜125
mmであるカバーと;カバー内に収容される点灯回路
と;を具備しているものである。
【0011】この構成では、管外径が8〜11mm、肉
厚が0.7〜1.0mmであって頂部が湾曲形を有する
複数のU字状屈曲形バルブを、これらU字状屈曲形バル
ブの6本の直線部が円周上に沿って位置し、各U字状屈
曲形バルブの直線部の間隔w1と隣接するU字状屈曲形
バルブの間隔w2とがほぼ等しく、間隔w1および間隔w
2が1〜5mmの範囲内となるとともに、バルブ並設方
向の最大幅が32〜43mmで、1本の放電路が形成さ
れるように連結管によってU字状屈曲形バルブの直線部
同士を接続して並設し、ランプ電力が7〜15Wで点灯
したときの全光束が700lm以上、ランプ効率が60lm
/W以上となるように構成された発光管を備え、この発
光管が取り付けられる口金を含むカバーの高さを110
〜125mmとすることで、定格電力60W形相当の白
熱電球などの一般照明用電球の寸法および全光束に相当
させるための各構成の最適条件が規定される。なお、全
光束は電球形蛍光ランプとして放射される値であり、グ
ローブ付きのものはグローブを付けた状態で測定した値
であり、ランプ効率は点灯回路の消費電力分を除いたラ
ンプ電力から求められた値として定義される。
【0012】管外径が8〜11mm、肉厚が0.7〜
1.0mmであって頂部が湾曲形を有する複数のU字状
屈曲形バルブを並設して構成することにより、定格電力
60W形相当の白熱電球などの一般照明用電球の寸法お
よび全光束に相当させるための管径が規定されるととも
に、この管径で管内表面を大きくしかつ強度を確保でき
る肉厚の条件が規定される。なお、この肉厚の範囲内で
U字状屈曲形バルブを形成するには頂部を湾曲したU字
状に形成する必要があり、つまり頂部が角状だと角部の
肉厚が薄くなって強度が保てないためである。
【0013】U字状屈曲形バルブの直線部の間隔w1と
隣接するU字状屈曲形バルブの間隔w2とがほぼ等し
く、間隔w1および間隔w2が1〜5mmの範囲内とする
ことにより、発光管を小形に配置可能となる。なお、間
隔w1および間隔w2が1〜5mmの範囲内であるが、2
〜3mmが製造上好ましく、また、5mmを越えると小
形化に寄与しないこともある。
【0014】請求項2記載の電球形蛍光ランプは、請求
項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、点灯回路は、入
力電源に対して互いに直列的に接続されたNチャンネル
のトランジスタおよびPチャンネルのトランジスタを少
なくとも一対有し、高周波電圧を発生する主スイッチン
グ素子としたハーフブリッジ型のインバータ主回路と、
インバータ主回路に接続された発光管を安定点灯するた
めのバラストチョークと、バラストチョークに磁気的に
接続されたNチャンネルおよびPチャンネルのトランジ
スタに共通の二次巻線を有し、二次巻線により各トラン
ジスタを駆動する制御手段とを有しているものである。
【0015】この構成により、制御手段によりNチャン
ネルのトランジスタおよびPチャンネルのトランジスタ
を動作させるので、1つの制御手段の出力でそれぞれを
異なる状態に制御し、回路構成を簡素化可能とする。そ
して、このような部品点数の少ない点灯回路を用いるこ
とにより、電球形蛍光ランプの小形化が一層促進され
る。
【0016】請求項3記載の照明器具は、請求項1また
は2記載の電球形蛍光ランプを備えているものである。
【0017】この構成では、一般照明用電球が用いられ
る照明器具の利用が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電球形蛍光ランプ
および照明器具の一実施の形態を図面を参照して説明す
る。
【0019】図1ないし図11に第1の実施の形態を示
し、図1は電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面
図、図2は電球形蛍光ランプのグローブを透視した底面
図、図3は電球形蛍光ランプの一部の断面図、図4は点
灯回路と発光管を示す説明図、図5はU字状屈曲形バル
ブの側面図、図6はU字状屈曲形バルブの一部の断面
図、図7は点灯回路と発光管の接続状態を示す説明図、
図8はU字状屈曲形バルブの管外径とランプ効率および
発光管の最大幅との関係を示すグラフ、図9はU字状屈
曲形バルブの配置関係を示す説明図、図10は電球形蛍
光ランプの配光図、図11は点灯回路の回路図である。
【0020】そして、図1ないし図3において、10は電
球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ランプ10は、口金12
を有するカバー14と、このカバー14に収納された点灯回
路16と、透光性を有するグローブ17と、このグローブ17
に収納された発光管18とを備えている。そして、グロー
ブ17とカバー14とから構成される外囲器は、定格電力6
0W形相当の白熱電球などの一般照明用電球の規格寸法
に近似する外形に形成されている。すなわち、口金12を
含む高さH1は110〜125mm程度、直径すなわち
グローブ17の外形D1が50〜60mm程度、カバー14
の外形D2が40mm程度に形成されている。なお、一
般照明用電球とはJIS C 7501に定義されるも
のである。そして、以下、口金12側を上側、グローブ17
側を下側として説明する。
【0021】そして、カバー14は、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成
されたカバー本体21を備えている。そして、このカバー
本体21は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部に、
E26型などの口金12が被せられ、接着剤またはかしめ
などにより固定されている。
【0022】また、グローブ17は、透明あるいは光拡散
性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂によ
り、定格電力60W形相当の一般照明用電球のガラス球
とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されているとと
もに、開口部の縁部には、カバー14の下端の開口部の内
側に嵌合する嵌合縁部17aが形成されている。なお、こ
のグローブ17は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝
度の均一性を向上することもできる。
【0023】そして、カバー14に収納される点灯回路16
は、図1、図3および図4に示すように、水平状、すな
わち発光管18の長手方向と垂直に配置される円板状の回
路基板24を備え、この回路基板24の両面すなわち口金12
側である上面および発光管18側である下面に、複数の部
品(電気部品)25,26が実装されて、高周波点灯を行な
うインバータ回路(高周波点灯回路)が構成されてい
る。
【0024】複数の部品25,26のうち、回路基板24の上
面には、比較的耐熱性の弱い電解コンデンサ、フィルム
コンデンサなどの部品25が実装され、回路基板24の下面
には、比較的耐熱性が強いとともに厚さ寸法が小さいチ
ップ状のREC(rectifier、整流素子、ダイオードブ
リッジ)、トランジスタ、抵抗などのパッケージの厚さ
寸法が2〜3mm程度に形成されている部品26が実装さ
れている。
【0025】回路基板24は、略円板状で、U字状屈曲形
バルブ31が並設された方向の最大幅D3の1.2倍以下
の直径(最大幅寸法)に形成されている。そして、この
回路基板24から、出力部となる2対すなわち4本の回路
側ワイヤー28が導出されている。なお、回路側ワイヤー
28に代えて回路基板24にラッピングピンを植設するよう
にしてもよい。
【0026】また、グローブ17に収納される発光管18
は、図1ないし図6に示すように、略同形状の3本のU
字状屈曲形バルブ31を所定の位置に配置し、連通管32で
順次接続して、1本の放電路が形成されている。
【0027】そして、各U字状屈曲形バルブ31は、内面
に蛍光体膜を形成するとともに、内部にアルゴンなどの
希ガスおよび水銀が封入されている。そして、各U字状
屈曲形バルブ31は、管外径d1が8〜11mm、管内径
d2が6〜9mm、肉厚が0.7〜1.0mmのガラス
製の円筒状のバルブであり、110〜130mm程度の
バルブを中間部で滑らかに湾曲させ頂部Pを備えた略U
字状に形成されている。すなわち、各U字状屈曲形バル
ブ31は、滑らかに反転する屈曲部31aと、この屈曲部31a
に連続する互いに平行な一対の直線部31bとを備えてい
る。そして、発光管18は、バルブの高さH2が50〜6
0mm、放電路長が200〜300mm、バルブ並設方
向の最大幅D3が32〜43mmに形成されている。
【0028】そして、この発光管18は、蛍光ランプ固定
部材でありまた点灯回路固定部材である支持部材として
の仕切板33に取り付けられ、この仕切板33がカバー14に
固定されている。すなわち、仕切板33は、円板状をなす
基板部34を備え、この基板部34に形成された取付孔34a
に、各U字状屈曲形バルブ31の端部を挿入したうえ接着
剤にて接着などして、発光管18が仕切板33に固定されて
いる。また、基板部34の外周部からは、上側に向かいさ
らに外側に向かう嵌合段部35が形成されている。そし
て、この嵌合段部35をカバー14の内側に嵌合し、さら
に、この嵌合段部35とカバー14との間にグローブ17の嵌
合縁部17aを嵌合した状態で、嵌合段部35とカバー14と
の間に接着剤37を充填することにより、これらの部材が
互いに固定されている。また、嵌合段部35の上側には、
円筒状などをなす取付片部38が突設され、この取付片部
38に、嵌合あるいは接着などして、点灯回路16の回路基
板24が取り付けられている。
【0029】また、このように電球形蛍光ランプ10が組
み付けられた状態で、発光管18は、グローブ17内の所定
の位置に収納されている。すなわち、この状態で、各U
字状屈曲形バルブ31の頂部Pは、この電球形蛍光ランプ
10の上下方向を長手方向とする中心軸を中心とする1つ
の円周上に等間隔で位置し、また、各U字状屈曲形バル
ブ31の各直線部31bも、ランプの中心軸を中心とする所
定の円周上に略等間隔で位置するようになっている。つ
まり、図9に示すように、発光管18の3つのU字状屈曲
形バルブ31の直線部31bの管軸が正六角形の頂点Pにほ
ぼ位置するようにしている。U字状屈曲形バルブ31の直
線部31bの間隔w1と隣接するU字状屈曲形バルブ31の間
隔w2とがほぼ等しく、この間隔w(w1,w2)が1〜
5mmの範囲内に規定されている。なお、間隔w(w
1,w2)が1〜5mmの範囲内であるが、2〜3mmが
製造上好ましく、また、5mmを越えると小形化に寄与
しないこともある。
【0030】そして、図8および図9を参照して、上述
した発光管18の最大幅aが32〜43mm、U字状屈曲
形バルブ31の管外径d1が8〜11mmである数値の意
味について説明する。
【0031】なお、図8には、発光管18の肉厚が0.8
mm、ガス圧が400Pa、放電路長が250mm、ラ
ンプ電流が0.2Aの場合において、ランプ効率を示す
とともに、間隔wが5mmの例と2mmの例について管
外径d1と最大幅aとの関係を示す。
【0032】一般照明用電球の外観に近似させるととも
にこの一般照明用電球を用いる照明器具への適合率を上
げるためにはグローブ17の外径を45mm以下(好まし
くは40mm程度である)にしなければならず、このグ
ローブ17またはカバー14の内面と発光管18の外周とのク
リアランスを考慮して発光管18の最大幅aの上限は43
mmとした。
【0033】管外径d1の下限は、相対ランプ効率が9
7%以上となる8mmとした。
【0034】管外径d1の上限は、発光管18の最大幅a
の上限43mmから、a=3d1+2wの式に基づいて
規定した。このとき、発光管18の3つのU字状屈曲形バ
ルブ31の直線部31bの管軸が正六角形の頂点にほぼ位置
するようにしている(w1,w2はほぼ均等である)。し
たがって、a=3d1+2wの式に、最大時の数値
(a:43、w:5)を当てはめて、43=3d1+2
×5からd1の値を求めることにより、管外径d1の上限
は11mmとした。
【0035】発光管18の最大幅aの下限は、a=3d1
+2wの式、最小時の数値(d1:8、w:2)を当て
はめて、a=3×8+2×2からaの値を求めることに
より、28mmとした。
【0036】なお、管内径の下限を6mmとしたのは、
6mm以下では始動電圧が高くなり、実用的ではないた
めである。
【0037】さらに、肉厚1.1mm以上では、U字状
に屈曲した屈曲部31aの内側にガラスの肉溜まりが発生
し、屈曲部31aの内側からクラックが発生し易いが、肉
厚を0.7〜1.0mmにすることで、屈曲部31aの内
側にガラスの肉溜まりが発生するのを抑制できる。
【0038】また、グローブ17と発光管18の頂部Pとの
最小間隙をA1、グローブ17の最大外径部と発光管18と
の最小間隙をA2、グローブ17の端部と発光管18との最
小間隙をA3としたとき、A2>A1≧A3の関係に規定さ
れている。A1は2〜8mm程度、A2は3〜13mm程
度、A3は2〜8mm程度である。
【0039】そして、図10において、A2>A1≧A3
の関係を有する電球形蛍光ランプ10の配光S1と、外囲
器が円筒状でA2=A3の関係を有する従来の電球形蛍光
ランプの配光S2とを示す。なお、0゜方向が発光管18
の頂部方向、180゜方向が口金12方向、90゜方向が
発光管18の側面方向に対応している。
【0040】A2>A1≧A3の場合の配光S1は、A2=
A3の場合の配光S2に比べて、口金12方向の配光が増加
し、一般照明用電球の配光に近似する。すなわち、A2
がA3より大きいので、グローブ17の側面から口金12方
向に拡散する光が多くなり、口金12方向の配光照度が大
きくなる。しかも、A1をA2>A1≧A3の関係、つまり
2mm>A1>8mmの関係とすることで、発光管18の
頂部方向への配光を強くできる。したがって、電球形蛍
光ランプ10のA2>A1≧A3の関係を規定することによ
り、一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件を規
定できる。
【0041】このように規定された電球形蛍光ランプ10
を、一般照明用電球の照明器具に用いた場合、電球形蛍
光ランプ10の配光が一般照明用電球の配光に近似するこ
とで、照明器具内に配設されたソケット近傍の反射体へ
の光照射量が十分に確保され、反射体の光学設計どおり
の器具特性を得ることができる。しかも、電球スタンド
のように、内部光源のイメージが布製などの光拡散性カ
バーに映し出される照明器具であっても、電球形蛍光ラ
ンプ10の配光が一般照明用電球の配光に近似すること
で、違和感なく使用できる。
【0042】なお、グローブ17の表面輝度を株式会社ト
プコン製の輝度計BM−8によって測定したところ38
0cd/m2であった。また、全光束は810lmであっ
た。
【0043】一方、各U字状屈曲形バルブ31は、マウン
トを用いたラインシール、あるいはマウントを用いない
ピンチシールなどにより、一端部が封着されているとと
もに、他端部には排気管とも呼ばれる細管41が溶着さ
れ、排気を行ない、あるいは必要に応じてアマルガム42
を備えるようになっている。また、発光管18の両端部に
位置する各U字状屈曲形バルブ31の端部には、マウント
を用いたラインシールなどにより、フィラメントコイル
44が、一対のウエルズ(導入線)45に支持されて配置さ
れている。そして、各ウエルズ45は、U字状屈曲形バル
ブ31の端部のガラスに封着されたジュメット線46を介し
て、U字状屈曲形バルブ31の外部に導出されたランプ側
ワイヤー48に接続されている。なお、一方のウエルズ45
には、必要に応じて補助アマルガム49が設けられてい
る。
【0044】そして、発光管18から導出された2対すな
わち4本のランプ側ワイヤー48は、図3、図4、および
図7に示すように、点灯回路16から導出された回路側ワ
イヤー28と捩じり合わされて、電気的および機械的に接
続されている。また、各ワイヤー28,48は、仕切板33の
リブ状の取付片部38に形成した溝部に挿入され、案内さ
れている。そこで、点灯回路16にコネクタを設けランプ
側ワイヤー48を差し込んで接続する構成や、点灯回路16
から突設した柱状のピンにランプ側ワイヤー48を巻き付
けて接続する構成に比べて、大きな空間を占めることも
なく、小形化できるとともに、専用部品の必要もないた
め、安価で容易かつ確実に結線することができる。ま
た、この時、回路側ワイヤー28とランプ側ワイヤー48と
の径寸法が大きく異なると、捩じり合わせる作業が困難
になる。そこで、回路側ワイヤー28の径寸法D28と、ラ
ンプ側ワイヤー48の径寸法D48との関係について、
(0.9×D28)<D48<(1.1×D28)とすること
により、容易かつ確実に捩じり合わせにより接続でき
る。さらに、捩じり回数は3ターン以上とすることによ
り、電気的および機械的に確実に接続できる。なお、例
えば仕切板33から上側に柱状の部位を突設し、各ワイヤ
ー28,48をこの部位を中心として捩じり接続することも
できる。
【0045】また、各U字状屈曲形バルブ31の排気を行
なう細管41については、管内径d3がU字状屈曲形バル
ブ31の管内径d2に対して小さいと、排気効率が悪く、
排気時間を長くする必要がある一方、細管41の径が大き
くなると、細管41と同時に封着するウエルズ45につい
て、細管41の外面あるいはU字状屈曲形バルブ31の内面
との間隔を確保できなくなり、封着不具合を生じるなど
して、発光管18の品質低下を生じるおそれがある。特
に、従来は、U字状屈曲形バルブの管内径が細管の管内
径の3倍以上あり、排気を行なう細管は、発光管の長手
方向の一端部に位置する場合が多いため、排気効率の向
上が困難であった。この点、本実施の形態では、細管41
の管内径d3を、U字状屈曲形バルブ31の管内径d2に対
して、2.0<(d2/d3)<2.8の範囲内にしてお
り、細管41の管内径d3を大きくすることによる排気効
率の向上を実現できるとともに、封着性を確保し、発光
管18の品質を向上できる。なお、排気管となる細管41
は、発光管18の長手方向の中間部に設けることにより、
排気効率を向上することもできる。
【0046】そして、このように構成された電球形蛍光
ランプ10は、入力電力定格14Wで、発光管18には、1
2.5Wの電力の高周波で加わり、ランプ電流は280
mA、ランプ電圧は65Vとなり、3波長発光形蛍光体
の使用により全光束810lmとなっている。
【0047】図11は点灯回路16の構成を説明する回路
図である。点灯回路16は、まず入力電源装置Eを有す
る。入力電源装置Eは、商用交流電源eにヒューズF1を
介してフィルタを構成するコンデンサC1が接続され、こ
のコンデンサC1にはフィルタを構成するインダクタL1を
介して全波整流器101の入力端子が接続されている。ま
た、この全波整流器101の出力端子には抵抗R1を介して
平滑用のコンデンサC2が接続され、このコンデンサC2に
はハーフブリッジ型のインバータ主回路102が接続され
ている。
【0048】インバータ主回路102は、コンデンサC2に
対して並列に、スイッチング素子であるMOS型のNチ
ャンネルのトランジスタとしての電界効果トランジスタ
Q1およびMOS型のPチャンネルのトランジスタとして
の電界効果トランジスタQ2が直列回路が接続されてい
る。Nチャンネルの電界効果トランジスタQ1およびPチ
ャンネルの電界効果トランジスタQ2は互いのソースが接
続されている。
【0049】電界効果トランジスタQ2のドレイン、ソー
ス間には、バラストチョークL2(本実施の形態では共振
作用も兼用)および直流カット用のコンデンサC3を介し
て、発光管18の両端のフィラメントコイル44,44の一端
がそれぞれ接続され、一方のフィラメントコイル44の一
端と他方のフィラメントコイル44との他端間には、始動
用のコンデンサC4が接続されている。
【0050】抵抗R1およびコンデンサC2の接続点と電界
効果トランジスタQ1のゲートおよび電界効果トランジス
タQ2のゲートとの間には、起動回路103を構成する起動
用の抵抗R2が接続され、これら電界効果トランジスタQ1
のゲートおよび電界効果トランジスタQ2のゲートと電界
効果トランジスタQ1および電界効果トランジスタQ2のソ
ースとの間に、コンデンサC5およびコンデンサC6の直列
回路が接続され、これらコンデンサC5および制御手段と
しての制御回路104のコンデンサC6の直列回路に対して
並列に電界効果トランジスタQ1および電界効果トランジ
スタQ2のゲート保護のためのツェナダイオードZD1およ
びツェナダイオードZD2の直列回路が接続されている。
また、バラストチョークL2には、二次巻線L3が磁気的に
結合して設けられ、この二次巻線L3にはインダクタL4お
よびコンデンサC6の共振回路106が接続されている。さ
らに、コンデンサC5およびインダクタL4の直列回路に対
して並列に、起動回路103の抵抗R3が接続されている。
【0051】電界効果トランジスタQ2のドレイン、ソー
ス間には、起動回路103の抵抗R4およびスイッチング改
善用のコンデンサC7の並列回路が接続されている。
【0052】なお、電界効果トランジスタQ1,Q2は、バ
イポーラ形であってもよい。また、インバータ主回路10
2は互いに直列的に接続されたスイッチング素子を二対
以上有する例えばフルブリッジ形のものでもよい。さら
に、発光管18は両方のフィラメントコイル44が予熱され
る形式のものでも、両方のフィラメントコイル44が予熱
されない形式のものでもよい。
【0053】そして、点灯回路16に電源が投入される
と、商用交流電源eの電圧を、全波整流器101で全波整
流し、コンデンサC2で平滑する。
【0054】まず、抵抗R2を介してNチャンネルの電界
効果トランジスタQ1のゲートに電圧が印加され、電界効
果トランジスタQ1がオンする。電界効果トランジスタQ1
のオンによりバラストチョークL2、コンデンサC3、コン
デンサC4の回路に電圧が印加され、バラストチョークL2
およびコンデンサC4は共振する。そして、バラストチョ
ークL2の二次巻線L3に電圧が誘起され、制御回路104の
インダクタL4およびコンデンサC6が固有共振して電界効
果トランジスタQ1をオンさせ、電界効果トランジスタQ2
をオフさせる電圧を発生する。ついで、バラストチョー
クL2およびコンデンサC4の共振電圧が反転すると二次巻
線L3には前回と逆の電圧が発生し、制御回路104は電界
効果トランジスタQ1をオフさせ、電界効果トランジスタ
Q2をオンさせる電圧を発生する。さらに、バラストチョ
ークL2およびコンデンサC4の共振電圧が反転すると、電
界効果トランジスタQ1がオンと、電界効果トランジスタ
Q2がオフする。以後、同様に、電界効果トランジスタQ1
および電界効果トランジスタQ2が交互にオン、オフし
て、共振電圧が発生し、コンデンサC4に並列接続された
発光管18は一方のフィラメントコイル44を予熱されつつ
始動電圧を印加されて、始動、点灯する。
【0055】ツェナダイオードZD1およびツェナダイオ
ードZD2により、電界効果トランジスタQ1および電界効
果トランジスタQ2のゲート電圧を一定化するとともに、
ゲートを過大な電圧から保護している。
【0056】したがって、NチャネルおよびPチャネル
の電界効果トランジスタQ1,Q2を用い、かつ、Nチャネ
ルの電界効果トランジスタQ1を高電位側に接続したの
で、1つの制御回路104によりNチャネルおよびPチャ
ネルの電界効果トランジスタQ1,Q2を制御できる。ま
た、制御回路104に共振回路(インダクタL4およびコン
デンサC6)を設けたので、二次巻線L3の巻数を少なくし
て小形化を図ることができるとともに、無負荷時および
負荷時における制御回路104の出力電圧の変化幅を小さ
くできる。すなわち、インダクタL4およびコンデンサC6
の共振回路を設けないで、単に二次巻線L3の出力電圧を
出力するようにした場合には、発光管18の始動電圧およ
びランプ電圧の関係にもよるが、二次巻線L3の出力電圧
は無負荷時と負荷時とでほぼ10倍またはそれ以上の差
が生じ、ツェナダイオードではゲート電圧の一定化、保
護が困難か、高価なツェナダイオードを必要とすること
がある。
【0057】そして、本実施の形態によれば、管内径6
〜9mmの複数のU字状のU字状屈曲形バルブ31を並設
してバルブの高さH2が50〜60mm、放電路長が2
00〜300mmであり、ランプ電力が7〜15Wで点
灯したときの全光束が700lm以上となるように構成さ
れた発光管18を備え、この発光管18が取り付けられる口
金12を含むカバー14の高さH1を110〜125mmと
することで、定格電力60W形相当の一般照明用電球の
寸法および全光束に相当させるための各構成の最適条件
を規定できる。なお、管内径の下限を6mmとしたの
は、6mm以下では始動電圧が高くなり、実用的ではな
いためである。
【0058】また、管外径が8〜11mm、肉厚0.7
〜1.0mmであって頂部Pが湾曲形を有する複数のU
字状屈曲形バルブ31を並設して構成された発光管18を備
えるので、定格電力60W形相当の一般照明用電球の寸
法および全光束に相当させるための管径を規定できると
ともに、この管外径で管内表面を大きくしかつ強度を確
保できる肉厚の条件を規定できる。なお、肉厚1.1m
m以上では、管外径に対する管内径が相対的に小さくな
るので、管内表面積を大きくすることができないととも
に、U字状に屈曲した屈曲部31aの内側にガラスの肉溜
まりが発生し、屈曲部31aの内側からクラックが発生し
易いが、肉厚を0.7〜1.0mmにすることで、屈曲
部31aの内側にガラスの肉溜まりが発生するのを抑制で
きる。
【0059】また、回路基板24を発光管18のU字状屈曲
形バルブ31が並設された方向の最大幅の1.2倍以下の
最大幅寸法とし、発光管18と対向する側の回路基板24の
面に比較的耐熱性の高い部品26を実装するとともにその
反対の面に比較的耐熱性の低い部品25を実装したので、
回路基板24に実装される部品25,26の熱的影響を抑えな
がら回路基板24を小形化でき、回路基板24を収容するカ
バー14の部分を一般照明用電球に相当する寸法に小形化
できる。なお、回路基板24の発光管18に対向する面に実
装される部品26は、発光管18の電極から離間した位置に
配置することにより、電極からの発熱による部品26への
熱的影響を抑制できる。また、回路基板24は実装スペー
スを効率的に確保できるので円形状が好ましいが、四角
形状などの多角形状、楕円形状であってもよい。
【0060】また、発光管18は滑らかに湾曲した頂部P
が設けられ順次接続された3本以上のU字状屈曲形バル
ブ31を備え、各頂部Pをグローブ17の内面に対向する同
一円周上に配置し、各U字状屈曲形バルブ31を互いに外
径寸法以下の間隔を介して配置するので、一般照明用電
球と略同一形状に小形化されたグローブ17に発光管18を
収納することができるとともに、このような小形化され
たグローブ17に発光管18を収納する場合であっても、輝
度むらを低減でき、照明効果を向上できる。
【0061】また、発光管18は、複雑な形状に屈曲して
形成する必要がなく、略同一形状をなすU字状屈曲形バ
ルブ31を3本形成して接続すれば良いため、製造コスト
を低減できる。
【0062】また、管外径が8〜11mmの複数のU字
状のU字状屈曲形バルブ31を並設して構成され、U字状
屈曲形バルブ31が並設された方向の最大幅が32〜43
mmである発光管18を備え、かつ、最大外径が55〜6
0mmの範囲内であり、発光管18の頂部Pとの最小間隙
をA1、最大外径部と発光管18との最小間隙をA2、端部
と発光管18との最小間隙をA3としたとき、A2>A1≧
A3の関係を満たすように発光管18を覆うグローブ17を
備えるので、口金方向および頂部方向の配光が増加し、
一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件を規定で
きる。そして、A1が2〜8mm、A2が3〜13mm、
A3が2〜8mmとすれば、一般照明用電球に近似した
配光特性の最適条件が規定される。
【0063】また、仕切板33、発光管18およびグローブ
17を互いに接着剤で接着するので、発光管18の熱がグロ
ーブ17を通して効率良く放熱されるとともに、構造を簡
略化し、製造コストを低減できる。
【0064】また、発光管18のU字状屈曲形バルブ31を
断面三角形状に並設するので、発光管18を小形に配置で
きる。
【0065】また、U字状屈曲形バルブ31の直線部31b
の間隔w1と隣接するU字状屈曲形バルブ31の間隔w2と
がほぼ等しく、間隔w1および間隔w2が1〜5mmの範
囲内とするので、発光管18を小形に配置できる。
【0066】また、点灯回路16は、制御回路104により
Nチャンネルの電界効果トランジスタQ1およびPチャン
ネルの電界効果トランジスタQ2を動作させるので、1つ
の制御回路104の出力でそれぞれを異なる状態に制御
し、回路構成を簡素化でき、このような部品点数の少な
い点灯回路16を用いることにより、電球形蛍光ランプ10
の小形化が一層促進される。
【0067】このようにして、定格電力60W形相当の
一般照明用電球に近似する外形を実現できるため、一般
照明用電球を用いる照明器具に広く装着することが可能
になり、汎用性を向上できるとともに、装着時の違和感
もなくなり、外観を向上できる。
【0068】なお、上記の実施の形態では、図3に示す
ように、嵌合段部35とカバー14との間にできる溝に接着
剤37を注入し、グローブ17の嵌合縁部17aを固定してい
たが、各部材は、種々の方法により固定することができ
る。
【0069】図12は第2の実施の形態を示す電球形蛍
光ランプの一部の断面図、図13は第3の実施の形態を
示す電球形蛍光ランプの一部の断面図、図14は同上
(第3の実施の形態)電球形蛍光ランプの一部の斜視図
である。
【0070】すなわち、図12に示すように、発光管18
を固定する仕切板33の外周部に沿って、溝部51を形成
し、この溝部51にグローブ17の嵌合縁部17aを嵌合する
とともにシリコン系などの接着剤37を注入し、グローブ
17を固定する。また、カバー14に係合部53を設けるとと
もに、仕切板33には係合受部54を形成し、カバー14の内
側に仕切板33を挿入することにより、あるいは、カバー
14の内側に仕切板33を挿入して所定方向に回転させるこ
とにより、これら係合部53と係合受部54とを係合し、仕
切板33とカバー14とを固定している。
【0071】そして、この図12に示す構成では、グロ
ーブ17を仕切板33のみに固定しているため、発光管18と
点灯回路16とを仕切板33に組み込みカバー14を取り付け
た状態でグローブ17を固定する構成に比べて、発光管18
側の部材と点灯回路16側の部材とを容易に分離回収する
ことができる。さらに、この構成では、外部に露出する
部分の構造が簡略化され、外観を良好にできるととも
に、例えば、グローブ17を用いない構成にも対応するこ
とができる。
【0072】また、図13および図14に示すように、
仕切板33の嵌合段部35などのグローブ17および発光管18
と近接する部分に、切り込み部57あるいは溝部を形成す
るなどして、カバー14とグローブ17と仕切板33とを接着
するシリコン系などの接着剤37により、さらに、発光管
18を一体的に接着して固定することもできる。そして、
この構成では、カバー14とグローブ17と仕切板33とを接
着し別工程で仕切板33に発光管18を接着して固定する構
成に比べて、製造工程および構造を簡略化し、製造コス
トを低減でき、また、発光管18をグローブ17側に強固に
固定できるとともに、発光管18の熱を接着剤37を介して
グローブ17に伝え、このグローブ17を通して効率良く放
熱できる。そこで、光束の劣化を抑制できるとともに、
点灯回路16の温度の上昇も抑制でき、回路の信頼性を向
上できる。
【0073】また、上記の実施の形態では、点灯回路16
は、1枚の回路基板24を水平に、すなわち口金12の挿入
方向に対して垂直に配置したが、回路基板24は、複数枚
設けても良く、また、水平のほか、垂直すなわち口金12
の挿入方向と平行状などに配置することもできる。
【0074】図15は第4の実施の形態を示す電球形蛍
光ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【0075】そして、図15に示すように、この実施の
形態では、第1の回路基板61と第2の回路基板62とが上
下に水平状に配置されている。また、上側に位置する第
1の回路基板61は上面に部品25が実装されているととも
に、下側に位置する第2の回路基板62は下面に部品25が
実装され、第1の回路基板61と第2の回路基板62とは互
いに半田面を向かい合わせて配置されている。そして、
口金12側に位置する第1の回路基板61には、比較的熱に
弱い電解コンデンサ、フィルムコンデンサなどの部品25
が配置され、第2の回路基板62には、比較的熱に強く、
また、高さ寸法の小さい部品25、例えば、抵抗あるいは
整流用などのチップ部品が多く配置されている。さら
に、これら第1および第2の回路基板61,62同士は、2
本あるいは3本など複数本のスズメッキ電線によるジャ
ンパー線65、あるいはフィルム状の柔軟なケーブルなど
により電気的に接続されており、これら第1および第2
の回路基板61,62は、組み込み時に、このジャンパー線
65を折り曲げ2枚の第1および第2の回路基板61,62の
半田面が向かい合う形で実装される。また、これら第1
および第2の回路基板61,62の半田面同士の間には、絶
縁性、および耐熱性を有し、断熱性が良好なシリコン系
のフィルムなどである厚さ1mm程度の絶縁シート64が
配置され、半田面同士が絶縁されるとともに、発光管18
から第1の回路基板61に熱が伝わることが抑制される。
【0076】そして、この図15に示す構成では、回路
構成部品を分割して2枚基板とすることにより、点灯回
路16の平面上での寸法を小さくして、回路実装構造の小
形化を図り、一般照明用電球相当のランプ形状を実現で
きるとともに、熱に弱い部品25を容易に保護することが
でき、信頼性、量産性を向上できる。
【0077】なお、この図15に示す構成において、熱
に弱いフィルムコンデンサ、発熱が多いバラストチョー
クなどについては、シリコン接着剤を載せるいわゆるシ
リコンポッティングを行ない、また、第2の回路基板62
と仕切板33との間の空気層68にシリコン系の樹脂ラバー
を介装することもできる。そして、これらシリコンポッ
ティングや樹脂ラバーを用いることにより、部品25の放
熱が促進されるとともに、発光管18からの熱が部品25に
伝わりにくくなり、部品25の温度を下げることができ
る。
【0078】また、上記の実施の形態では、発光管18の
端部は、マウントを用いたラインシールにより封止した
が、マウントを用いないピンチシールにより封止し、マ
ウント製造工程を簡略化し、製造コストを低減すること
ができる。
【0079】図16は第5の実施の形態を示す発光管の
一部の断面図、図17は第6の実施の形態を示す発光管
の一部の断面図である。
【0080】例えば、図16に示す実施の形態のよう
に、治具を用いたピンチングにより、発光管18の端部を
封止できる。この時、従来は、ビードガラス(マウント
ビート)に固定した2本のウエルズ45にフィラメントコ
イル44をクランプして支持しているため、マウント製造
工程は複雑になり、ビードガラスの位置や傾きによって
は発光管18の内面に塗布している蛍光膜を傷つけ、発光
管18の品質低下を起こすおそれを有している。本実施の
形態では、熱陰極蛍光ランプの両端に使用するマウント
について、2本のウエルズ45で直にフィラメントコイル
44をクランプするとともに、クランプ幅は7mm以下と
することにより、ビードガラスを用いた際に要求される
位置や傾きの高度な管理が不要になり、発光管18の製造
工程を簡略化して製造コストを低減できるとともに、発
光管18の品質を向上できる。なお、この実施の形態にお
いても、片側のウエルズ45には、補助アマルガム49が設
けられている。
【0081】また、ピンチングによる封着の際には、従
来は、ウエルズ45のジュメット線46を直接に発光管18で
ピンチングし封着していたため、金属であるジュメット
線46と発光管18のガラスとを十分に密着させる時間や温
度などの加熱条件の設定が難しく、高度な製造技術が必
要で、製造コストの低減が困難であるとともに、封着に
不具合を起こすと、発光管18の品質の低下を招く問題点
を有している。そこで、図17に示すように、ウエルズ
45のジュメット線(ジュメット部分)46にガラスを事前
に溶着させた状態で、このジュメット線46を発光管18と
ピンチングにより封着するすることにより、発光管18の
封着性を容易に向上し、発光管18の品質を向上すること
ができるとともに、歩留まりを改善し、製造コストを低
減することができる。なお、この図17に示す構成で
は、2本のウエルズ45を支持するビードガラスを用いる
こともできる。
【0082】また、上記実施の形態では、電球形蛍光ラ
ンプは、定格電力60W形相当の一般照明用電球のガラ
ス球の形状に相当するグローブ17を備えていたが、グロ
ーブ17の形状は一般照明用電球のガラス球に限られず各
種の形状を適用でき、あるいはグローブ17を用いなくて
もよい。
【0083】図18は第7の実施の形態を示す電球形蛍
光ランプの一部を切り欠いた側面図、図19は第8の実
施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた側
面図である。
【0084】すなわち、図18に示す実施の形態では、
グローブ17を用いず、カバー14から発光管18が露出して
配置されている。この構成により、一層小形化された電
球形蛍光ランプが実現でき、一般照明用電球を用いる照
明器具への適合率をより高めることができるとともに、
全光束を向上することができる。
【0085】さらに、図19に示す実施の形態では、グ
ローブ17をボール形とすることで、一般照明用電球のボ
ール形のガラス球に近似させた形状に構成できる。
【0086】また、上記の各実施の形態では、乳白色な
どのグローブ17を設けたが、透明(クリアタイプ)のグ
ローブを設けてもよい。
【0087】そして、上記各構成の電球形蛍光ランプ10
を一般照明用電球に用いるソケットを備えた器具本体に
装着することにより、照明器具が構成される。そして、
この構成では、輝度むらが低減され、照明効果が向上す
るとともに、製造コストが低減されるなど、上記の各効
果を備えた照明器具を構成できる。
【0088】なお、上記の各実施の形態では、U字状の
U字状屈曲形バルブ31を3本接続して発光管18を構成し
たが、発光管18の形状はこれに限らず、例えばU字状あ
るいはH字状のU字状屈曲形バルブを2本、3本、ある
いは4本など並列させて、すなわち長手方向に沿って4
軸、6軸、あるいは8軸の放電路を形成し、ランプ長の
短縮を図ることもできる。
【0089】
【発明の効果】請求項1記載の電球形蛍光ランプによれ
ば、管外径が8〜11mm、肉厚が0.7〜1.0mm
であって頂部が湾曲形を有する複数のU字状屈曲形バル
ブを、これらU字状屈曲形バルブの6本の直線部が円周
上に沿って位置し、各U字状屈曲形バルブの直線部の間
隔w1と隣接するU字状屈曲形バルブの間隔w2とがほぼ
等しく、間隔w1および間隔w2が1〜5mmの範囲内と
なるとともに、バルブ並設方向の最大幅が32〜43m
mで、1本の放電路が形成されるように連結管によって
U字状屈曲形バルブの直線部同士を接続して並設し、ラ
ンプ電力が7〜15Wで点灯したときの全光束が700
lm以上、ランプ効率が60lm/W以上となるように構成
された発光管を備え、この発光管が取り付けられる口金
を含むカバーの高さを110〜125mmとすること
で、定格電力60W形相当の一般照明用電球の寸法およ
び全光束に相当させるための各構成の最適条件を規定で
きる。
【0090】請求項2記載の電球形蛍光ランプによれ
ば、請求項1記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、
制御手段によりNチャンネルのトランジスタおよびPチ
ャンネルのトランジスタを動作させるので、1つの制御
手段の出力でそれぞれを異なる状態に制御し、回路構成
を簡素化でき、このような部品点数の少ない点灯回路を
用いることにより、電球形蛍光ランプの小形化が一層促
進される。
【0091】請求項3記載の照明器具によれば、請求項
1または2記載の電球形蛍光ランプを備えたため、一般
照明用電球が用いられる照明器具の利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す電球形蛍光ラ
ンプのグローブを透視した側面図である。
【図2】同上電球形蛍光ランプのグローブを透視した底
面図である。
【図3】同上電球形蛍光ランプの一部の断面図である。
【図4】同上点灯回路と発光管を示す説明図である。
【図5】同上U字状屈曲形バルブの側面図である。
【図6】同上U字状屈曲形バルブの一部の断面図であ
る。
【図7】同上点灯回路と発光管の接続状態を示す説明図
である。
【図8】同上U字状屈曲形バルブの管外径とランプ効率
および発光管の最大幅との関係を示すグラフである。
【図9】同上U字状屈曲形バルブの配置関係を示す説明
図である。
【図10】同上電球形蛍光ランプの配光図である。
【図11】同上点灯回路の回路図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示す電球形蛍光
ランプの一部の断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態を示す電球形蛍光
ランプの一部の断面図である。
【図14】同上電球形蛍光ランプの一部の斜視図であ
る。
【図15】本発明の第4の実施の形態を示す電球形蛍光
ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態を示す発光管の一
部の断面図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態を示す発光管の一
部の断面図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態を示す電球形蛍光
ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【図19】本発明の第8の実施の形態を示す電球形蛍光
ランプの一部を切り欠いた側面図である。
【符号の説明】
10 電球形蛍光ランプ 12 口金 14 カバー 16 点灯回路 18 発光管 31 U字状屈曲形バルブ 31b 直線部 102 インバータ主回路 104 制御手段としての制御回路 P 頂部 Q1 Nチャンネルのトランジスタとしての電界効果ト
ランジスタ Q2 Pチャンネルのトランジスタとしての電界効果ト
ランジスタ L2 バラストチョーク L3 二次巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 孝之 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東 芝ライテック株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−69309(JP,A) 特開 平9−153341(JP,A) 特開 昭62−12048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/30 H01J 61/32 H01J 61/56 H05B 41/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管外径が8〜11mm、肉厚が0.7〜
    1.0mmであって頂部が湾曲形を有する3本のU字状
    屈曲形バルブを、これらU字状屈曲形バルブの6本の直
    線部が円周上に沿って位置し、各U字状屈曲形バルブの
    直線部の間隔w1と隣接するU字状屈曲形バルブの間隔
    w2とがほぼ等しく、間隔w1および間隔w2が1〜5m
    mの範囲内となるとともに、バルブ並設方向の最大幅が
    32〜43mmで、連結管によって1本の放電路が形成
    されるようにU字状屈曲形バルブの直線部同士を接続し
    並設し、ランプ電力が7〜15Wで点灯したときの全
    光束が700lm以上、ランプ効率が60lm/W以上とな
    るように構成された発光管と; 発光管が取り付けられるとともに口金を有し、口金を含
    む高さが110〜125mmであるカバーと; カバー内に収容される点灯回路と; を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 点灯回路は、入力電源に対して互いに直
    列的に接続されたNチャンネルのトランジスタおよびP
    チャンネルのトランジスタを少なくとも一対有し、高周
    波電圧を発生する主スイッチング素子としたハーフブリ
    ッジ型のインバータ主回路と、インバータ主回路に接続
    された発光管を安定点灯するためのバラストチョーク
    と、バラストチョークに磁気的に接続されたNチャンネ
    ルおよびPチャンネルのトランジスタに共通の二次巻線
    を有し、二次巻線により各トランジスタを駆動する制御
    手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の電
    球形蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電球形蛍光ラン
    プを備えていることを特徴とする照明器具。
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