JP3846520B2 - 電球形蛍光ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、口金を有する電球形蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、一端に白熱電球などの一般照明用電球のソケットに装着可能な口金を有し他端が開口されたカバーを備え、このカバー内に点灯回路を収納し、かつ、カバーの開口部に発光管を固定した仕切体を取り付けるとともに発光管を収容するグローブを取り付けた電球形蛍光ランプが知られている。
【0003】
このような電球形蛍光ランプでは、一般照明用電球に比べて大きい外形状に形成されているために一層の小形化が望まれている。
【0004】
しかし、電球形蛍光ランプを小形化すると、発光管のバルブの細径化によって発熱量が大きくなるとともに、カバーの内側に収納される点灯回路と発光管との間隔が小さくなるため、点灯回路への発光管からの熱的影響が懸念される。従来の電球形蛍光ランプでは、小形化に伴う点灯回路への発光管からの熱的影響についての詳細が検討されていないので、小形化に最適な構成を実現するには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の電球形蛍光ランプでは、小形化に伴う点灯回路への発光管からの熱的影響についての詳細が検討されておらず、小形化に対応できない問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、点灯回路への熱的影響と小形化との最適な条件を規定できる電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、口金を有するカバーと;基板部および基板部の周縁に設けられた取付片部を有し、カバーに取り付けられた仕切体と;仕切体の基板部に取り付けられ、管外径が8〜11mm、最大幅が32〜43 mm であって、ランプ電力が7〜15Wで点灯されるように構成された発光管と;略円板状の回路基板を有し、仕切板の取付 片部に取り付けられ、カバーに覆われる点灯回路と;カバー内で発光管と点灯回路との間に仕切板の基板部および取付片部と回路基板とに囲まれて形成された15〜30cm3の空気断熱層と;を具備しているものである。
【0008】
そして、管外径が8〜11mm、最大幅が32〜43 mm であって、ランプ電力が7〜15Wで点灯されるように構成された発光管を備えていても、カバー内の発光管と点灯回路との間に仕切板の基板部および取付片部と回路基板とに囲まれて15〜30cm3の空気断熱層を形成したので、点灯回路への熱的影響と小形化との最適な条件を規定し、点灯回路への熱的影響を低減し、小形化可能とする。空気断熱層が15cm3以下では十分な断熱効果が得られず、30cm3以上では大形化する。
【0009】
請求項2記載の電球形蛍光ランプは、請求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、開口縁部を有するグローブを備え、このグローブの開口縁部が仕切体に取り付けられているものである。
【0010】
そして、発光管を収容するグローブを備えていても、15〜30cm3の空気断熱層により、点灯回路への熱的影響を低減し、小形化可能とする。
【0011】
請求項3記載の電球形蛍光ランプは、請求項2記載の電球形蛍光ランプにおいて、カバー、仕切体およびグローブが接着剤で互いに接着されているものである。
【0012】
そして、カバー、仕切体およびグローブが接着剤で互いに接着されていても、15〜30cm33の空気断熱層により、点灯回路への熱的影響を低減し、小形化可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電球形蛍光ランプの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は電球形蛍光ランプの一部の断面図、図2は電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面図、図3は電球形蛍光ランプのグローブを透視した底面図である。
【0015】
図において、10は電球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ランプ10は、口金12を有するカバー14と、このカバー14に収納された点灯回路16と、透光性を有するグローブ17と、このグローブ17に収納された発光管18とを備えている。そして、グローブ17とカバー14とから構成される外囲器は、定格電力60W形相当の白熱電球などの一般照明用電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金12を含む高さH1 は110〜125mm程度、直径すなわちグローブ17の外形D1 が50〜60mm程度、カバー14の外形D2 が40mm程度に形成されている。なお、一般照明用電球とはJIS C 7501に定義されるものである。そして、以下、口金12側を上側、グローブ17側を下側として説明する。
【0016】
そして、カバー14は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体21を備えている。そして、このカバー本体21は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部に、E26形などの口金12が被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0017】
また、グローブ17は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、定格電力60W形相当の一般照明用電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されているとともに、一端にはカバー14の下端の開口部の内側に嵌合される開口縁部17a が形成されている。なお、このグローブ17は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上することもできる。
【0018】
また、点灯回路16は、水平状、すなわち発光管18の長手方向と垂直に配置される円板状の回路基板24を備え、この回路基板24の両面すなわち口金12側である上面および発光管18側である下面に、複数の部品(電気部品)25,26が実装されて、高周波点灯を行なうインバータ回路(高周波点灯回路)が構成されている。
【0019】
回路基板24は、略円板状で、発光管18の最大幅D3 の1.2倍以下の直径(最大幅寸法)に形成されている。
【0020】
複数の部品25,26のうち、回路基板24の上面には、比較的耐熱性の弱い電解コンデンサ、フィルムコンデンサなどの部品25が実装され、回路基板24の下面には、比較的耐熱性が強いとともに厚さ寸法が小さいチップ状のREC(rectifier 、整流素子、ダイオードブリッジ)、トランジスタ、抵抗などのパッケージの厚さ寸法が2〜3mm程度に形成されている部品26が実装されている。回路基板24の下面に実装される部品26は、発光管18のバルブ31の各端部、特に、後述する細管41に対して位置をずらして配置されているとともに、後述するフィラメントコイル44から離れた位置に配置されている。
【0021】
そして、点灯回路16は、7〜15Wのランプ電力により発光管18内を点灯させるように構成されている。
【0022】
また、発光管18は、略同形状の3本のU字状屈曲形のバルブ31を所定の位置に配置し、連通管32で順次接続して、1本の放電路が形成されている。
【0023】
各バルブ31は、管外径が8〜11mm、管内径が6〜9mm、肉厚が0.7〜1.0mmのガラス製の円筒状の管体であり、110〜130mm程度の直管状のバルブ31を中間部で滑らかに湾曲させ頂部Pを備えた略U字状に形成されている。すなわち、各バルブ31は、滑らかに反転する屈曲部31a と、この屈曲部31a に連続する互いに平行な一対の直線部31b とを備えている。そして、発光管18は、バルブの高さH2 が50〜60mm、放電路長が200〜300mm、バルブ並設方向の最大幅D3 が32〜43mmに形成されている。発光管18のバルブ31の内面には蛍光体が形成されているとともに、バルブ31内にはアルゴンガスなどの希ガスや水銀などが封入されている。
【0024】
この発光管18は、蛍光ランプ固定部材でありまた点灯回路固定部材である支持部材としての仕切体33に取り付けられ、この仕切体33がカバー14に固定されている。すなわち、仕切体33は、円板状をなす基板部34を備え、この基板部34に形成された取付孔34a に、各バルブ31の端部を挿入したうえ接着剤にて接着などして、発光管18が仕切体33に固定されている。また、基板部34の外周部からは、上側に向かいさらに外側に向かう嵌合段部35が形成されている。そして、この嵌合段部35をカバー14の内側に嵌合し、さらに、この嵌合段部35とカバー14との間にグローブ17の開口縁部17a を嵌合した状態で、嵌合段部35とカバー14との間に接着剤37を充填することにより、これらの部材が互いに固定されている。また、嵌合段部35の上側には、円筒状などをなす取付片部38が突設され、この取付片部38に、嵌合あるいは接着などして、点灯回路16の回路基板24が取り付けられている。
【0025】
そして、仕切体33の基板部34および取付片部38と点灯回路16とで囲まれる内側間には、15〜30cm3の空気断熱層Vが形成されている。この空気断熱層Vが15cm33以下では十分な断熱効果が得られず、30cm3以上では十分な小形化が得られない。
【0026】
また、このように電球形蛍光ランプ10が組み付けられた状態で、発光管18は、グローブ17内の所定の位置に収納されている。すなわち、この状態で、各バルブ31の頂部Pは、この電球形蛍光ランプ10の上下方向を長手方向とする中心軸を中心とする1つの円周上に等間隔で位置し、また、各バルブ31の各直線部31b も、ランプの中心軸を中心とする所定の円周上に略等間隔で位置するようになっている。
【0027】
また、グローブ17と発光管18の頂部Pとの最小間隙をA1 、グローブ17の最大外径部と発光管18との最小間隙をA2 、グローブ17の端部と発光管18との最小間隙をA3 としたとき、A2 >A1 ≧A3 の関係に規定されている。A1 は2〜8mm程度、A2 は3〜13mm程度、A3 は2〜8mm程度である。
【0028】
A2 >A1 ≧A3 の場合の配光は、例えばA2 =A3 の場合の配光に比べて、口金12方向の配光が増加し、一般照明用電球の配光に近似する。すなわち、A2 がA3 より大きいので、グローブ17の側面から口金12方向に拡散する光が多くなり、口金12方向の配光照度が大きくなる。しかも、A1 をA2 >A1 ≧A3 の関係、つまり2mm>A1 >8mmの関係とすることで、発光管18の頂部P方向への配光を強くできる。したがって、電球形蛍光ランプ10のA2 >A1 ≧A3 の関係を規定することにより、一般照明用電球に近似した配光特性の最適条件を規定できる。
【0029】
このように規定された電球形蛍光ランプ10を、一般照明用電球の照明器具に用いた場合、電球形蛍光ランプ10の配光が一般照明用電球の配光に近似することで、照明器具内に配設されたソケット近傍の反射体への光照射量が十分に確保され、反射体の光学設計どおりの器具特性を得ることができる。しかも、電球スタンドのように、内部光源のイメージが布製などの光拡散性カバーに映し出される照明器具であっても、電球形蛍光ランプ10の配光が一般照明用電球の配光に近似することで、違和感なく使用できる。
【0030】
なお、グローブ17の表面輝度を株式会社トプコン製の輝度計BM−8によって測定したところ2.8cd/cm2であった。また、全光束は810lmであった。
【0031】
また、各バルブ31は、マウントを用いたラインシール、あるいはマウントを用いないピンチシールなどにより、一端部が封着されているとともに、他端部には排気管とも呼ばれる細管41が溶着され、排気を行ない、あるいは必要に応じてアマルガムを備えるようになっている。
【0032】
発光管18の両端部に位置する各バルブ31の端部には、マウントを用いたラインシールなどにより、電極としてのフィラメントコイル44が、一対のウエルズ(導入線)に支持されて配置されている。そして、各ウエルズは、バルブ31の端部のガラスに封着されたジュメット線を介して、バルブ31の外部に導出されたランプ側ワイヤーに接続されている。そして、発光管18から導出された2対すなわち4本のランプ側ワイヤーは、点灯回路16に電気的に接続されている。
【0033】
このように構成された電球形蛍光ランプ10は、入力電力定格14Wで、発光管18には、12.5Wの電力の高周波で加わり、ランプ電流は280mA、ランプ電圧は65Vとなり、3波長発光形蛍光体の使用により全光束810lmとなっている。
【0034】
そして、本実施の形態によれば、カバー14内の発光管18と点灯回路16との間に15〜30cm3の空気断熱層Vを形成したので、点灯回路16への熱的影響と小形化との最適な条件を規定でき、点灯回路16への熱的影響を低減し、小形化できる。
【0035】
管外径が8〜11mm、放電路長が200〜300mmであって、ランプ電力が7〜15Wで点灯されるように構成された発光管を備えていても、また、空気断熱層Vが、仕切体33の基板部34および取付片部38と点灯回路16とで囲まれる内側間に形成されていても、また、一端に有する開口縁部17a が仕切体33に取り付けられ、発光管18を収容するグローブ17を備えていても、また、カバー14、仕切体33およびグローブ17が接着剤37で互いに接着されていても、15〜30cm3の空気断熱層Vにより、点灯回路16への熱的影響を低減し、小形化できる。
【0036】
このようにして、定格電力60W形相当の一般照明用電球に近似する外形を実現できるため、一般照明用電球を用いる照明器具に広く装着することが可能になり、汎用性を向上できるとともに、装着時の違和感もなくなり、外観を向上できる。
【0037】
なお、上記の各実施の形態では、U字状のバルブ31を3本接続して発光管18を構成したが、発光管18の形状はこれに限らず、例えばU字状あるいはH字状のバルブを2本、3本、あるいは4本など並列させて、すなわち長手方向に沿って4軸、6軸、あるいは8軸の放電路を形成し、ランプ長の短縮を図ることもできる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の電球形蛍光ランプによれば、管外径が8〜11mm、最大幅が32〜43 mm であって、ランプ電力が7〜15Wで点灯されるように構成された発光管を備えていても、カバー内の発光管と点灯回路との間に仕切板の基板部および取付片部と回路基板とに囲まれて15〜30cm3の空気断熱層を形成したので、点灯回路への熱的影響と小形化との最適な条件を規定でき、点灯回路への熱的影響を低減し、小形化できる。
【0039】
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、発光管を収容するグローブを備えていても、15〜30cm3の空気断熱層により、点灯回路への熱的影響を低減し、小形化できる。
【0040】
請求項3記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項2記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、カバー、仕切体およびグローブが接着剤で互いに接着されていても、15〜30cm3の空気断熱層により、点灯回路への熱的影響を低減し、小形化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す電球形蛍光ランプの一部の断面図である。
【図2】 同上電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面図である。
【図3】 同上電球形蛍光ランプのグローブを透視した底面図である。
【符号の説明】
10 電球形蛍光ランプ
12 口金
14 カバー
16 点灯回路
17 グローブ
17a 開口縁部
18 発光管
33 仕切体
34 基板部
37 接着剤
38 取付片部
V 空気断熱層
Claims (3)
- 口金を有するカバーと;
基板部および基板部の周縁に設けられた取付片部を有し、カバーに取り付けられた仕切体と;
仕切体の基板部に取り付けられ、管外径が8〜11mm、最大幅が32〜43 mm であって、ランプ電力が7〜15Wで点灯されるように構成された発光管と;
略円板状の回路基板を有し、仕切板の取付片部に取り付けられ、カバーに覆われる点灯回路と;
カバー内で発光管と点灯回路との間に仕切板の基板部および取付片部と回路基板とに囲まれて形成された15〜30cm3の空気断熱層と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。 - 開口縁部を有するグローブを備え、このグローブの開口縁部が仕切体に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。 - カバー、仕切体およびグローブが接着剤で互いに接着されている
ことを特徴とする請求項2記載の電球形蛍光ランプ。
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