JP3642121B2 - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環形の蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、環形の蛍光ランプにおいては、例えば、特開平2−61956号公報または特開平6−203798号公報に記載されているように、管径が細い略C字形の2つの環状バルブ部を同一平面上に同心状に配置し、それら各環状バルブ部の一端間をブリッジ接続によって互いに連通し、1本の放電路を形成したバルブを有する蛍光ランプがある。
【0003】
バルブの放電路の両端部には一対の電極を封止し、この電極が封止されたバルブの放電路の両端部とバルブの放電路の中間部が近接されてそれら両端部と中間部を覆って口金を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の蛍光ランプでは、バルブの管径が細く、放電路長が長いため、点灯時の始動性が悪く、始動電圧が高くなる問題がある。
【0005】
また、従来の蛍光ランプでは、放電路の両端部の電極から最も離れた中間部のブリッジ接続部分が最冷部として構成され、この最冷部によりバルブ内の水銀蒸気圧が適性に保たれるが、電極が封止された放電路の両端部の近傍に放電路の中間部すなわち最冷部が位置するため、電極部分からの熱によって最冷部が温度上昇し、バルブ内の水銀蒸気圧が適性に保たれず、明るさが低下する問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、始動電圧を低減し、さらには、最冷部の温度上昇を抑制して明るさの低下を防止できる蛍光ランプおよび照明器具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の蛍光ランプは、内面に蛍光体が塗布され、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブと;バルブ内に封入された希ガスおよび水銀と;バルブの放電路の両端に封止された一対の電極と;バルブの放電路の中間部に設けられた近接導体と;バルブの放電路の両端部およびバルブの放電路の中間部にわたって設けられるとともに、バルブの放電路の両端部と中間部との間に遮熱部が設けられた口金とを具備しているものである。そして、始動時に一方の電極と近接導体との間で放電が誘発されるとともに、この近接導体から他方の電極まで放電が誘発され、この近接導体の放電誘発作用によって両電極間の放電を即すことにより、始動が容易になり、始動電圧を引き下げられる。さらに、遮熱部により、バルブの放電路の中間部すなわち最冷部の温度上昇を抑制して明るさの低下を防止する。
【0008】
請求項2記載の蛍光ランプは、請求項1記載の蛍光ランプにおいて、近接導体が口金に設けられているものであり、近接導体を容易に設けられる。
【0009】
請求項3記載の蛍光ランプは、請求項1または2記載の蛍光ランプにおいて、近接導体は電極に接続される導電線であり、特別な近接導体を用いず、導電線を兼用する。
【0010】
請求項4記載の蛍光ランプは、請求項1ないし3いずれか一記載の蛍光ランプにおいて、口金は透光性を有するものであり、口金で覆われるバルブ部分からの光の一部を放出し、光束の低下を抑制する。
【0011】
請求項5記載の蛍光ランプは、内面に蛍光体が塗布され、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブと;バルブ内に封入された希ガスおよび水銀と;バルブの放電路の両端に封止された一対の電極と;バルブの放電路の中間部に設けられた近接導体と;バルブの放電路の両端部およびバルブの放電路の中間部にわたって設けられた口金と;バルブの最冷部に設けられた放熱手段とを具備しているものである。そして、始動時に一方の電極と近接導体との間で放電が誘発されるとともに、この近接導体から他方の電極まで放電が誘発され、この近接導体の放電誘発作用によって両電極間の放電を即すことに より、始動が容易になり、始動電圧を引き下げられる。さらに、最冷部の温度上昇を抑制して明るさの低下を防止する。
【0012】
請求項6記載の照明器具は、請求項1ないし5いずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ランプを装着する器具本体とを具備しているものであり、始動電圧が低く、始動性がよい照明器具となる。
【0013】
請求項7記載の照明器具は、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブを有する蛍光ランプの口金が接続されるランプソケットと;ランプソケットに設けられ、蛍光ランプの放電路の中間部に近接される近接導体とを具備しているものである。そして、始動時に一方の電極と近接導体との間で放電が誘発されるとともに、この近接導体から他方の電極まで放電が誘発され、この近接導体の放電誘発作用によって両電極間の放電を即すことにより、始動が容易になり、始動電圧を引き下げられる。
【0014】
請求項8記載の照明器具は、請求項5記載の蛍光ランプと;蛍光ランプの放熱手段に接触するランプホルダを有する器具本体とを具備しているものであり、放熱手段の熱をランプホルダを介して器具本体側に放熱し、放熱性がより向上する。
【0015】
請求項9記載の照明器具は、請求項7または8記載の照明器具において、非導電性のランプホルダを具備しているものであり、ランプホルダに金属などの導電性の材料を使用すると、始動時に印加した電圧がバルブの中間部に至らずにランプホルダの部分で漏れて環状バルブ部の一方から他方に抜けて始動性が悪化するが、非導電性であれば、ランプホルダの部分での漏れをなくし、始動性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の蛍光ランプおよび照明器具の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1および図2に第1の実施の形態を示し、図1は蛍光ランプの底面図、図2は照明器具の断面図である。
【0018】
図1において、1は環状の蛍光ランプで、この蛍光ランプ1はバルブ2を有している。このバルブ2は、透光性を有する例えばガラス製で、径の異なる略C字形の2つの環状バルブ部3,4が同一平面上に同心円状に配設されるとともに、これら各環状バルブ部3,4の一方の端部間が細管5を介して連結されるとともに連通されて連続した1本の放電路6が形成されている。
【0019】
バルブ2の内面には蛍光体が塗布され、バルブ2内にはアルゴンガスなどの希ガスおよび水銀が封入されているとともに必要に応じてアマルガムが封入されている。環状バルブ部3,4の他方の端部すなわちバルブ2の放電路6の両端部7には一対の電極(フィラメント)8がそれぞれ封止されている。そして、バルブ2の放電路6の中間部9のブリッジ接続部分が最冷部10として構成される。
【0020】
環状バルブ部3,4の両端間すなわちバルブ2の両端部7と中間部9にわたって口金11が設けられている。この口金11は、絶縁性を有する合成樹脂製の口金ケース12を備え、この口金ケース12には、図示しないが、内径側に向けて突設される4本のランプピンを有し、これらランプピンには各電極8と接続されてバルブ2から導出された導電線がそれぞれ接続されている。口金11の内部には、バルブ2の両端部7と中間部9を仕切る場所でその中間部9に接触または近接して例えばアルミニウム板などの近接導体13が配設されている。
【0021】
図2において、21は天井面で、この天井面21には引掛シーリング22が設置され、この引掛シーリング22に対して天井直付形照明器具の器具体23が装着されている。器具体23は、器具本体24を有し、この器具本体24の中央部には引掛シーリング22に機械的に引掛け係止されるとともに電気的に接続されるアダプタ25が取り付けられ、器具本体24の下面にはホルダ取付部26が形成され、このホルダ取付部26に蛍光ランプ1が装着されたホルダ体27が着脱可能に取り付けられている。
【0022】
ホルダ体27の一端にはランプソケット28が一体的に形成されているとともに、他端にはランプホルダ29が取り付けられている。ランプソケット28は、口金11の内側部分に係合するホルダ部30を有し、このホルダ部30に口金11から突出するランプピンが挿入される図示しない4つの接続孔が形成され、各接続孔の内側に挿入されたランプピンと電気的に接続される図示しない接続端子が配設されている。ランプホルダ29は、非導電性の材料にて形成され、蛍光ランプ1の口金11とは円周方向に反対側でかつ内径側の環状バルブ部3の内側部分に係合するホルダ部31を有している。そして、ホルダ体27により器具体23に装着された蛍光ランプ1は、器具本体24の下側で2つの環状バルブ部3,4が略水平に並ぶ水平状態に支持されている。
【0023】
器具本体24には図示しないインバータ回路などを有する点灯装置が配設され、この点灯装置によりホルダ体27のランプソケット28に接続された蛍光ランプ1が高周波点灯される。
【0024】
器具本体24の下面を覆って透光性を有するセード32が装着されている。器具本体24の周縁部には、セード32を着脱可能に取り付けるセード取付機構33が配設されている。
【0025】
そして、同心円状の2つの環状バルブ部3,4が連通されて1本の放電路6が設けられた蛍光ランプ1において、バルブ2の管径が細く、放電路6の長さが長いと、点灯時の始動性が悪く、始動電圧が高くなるが、バルブ2の中間部9に近接導体13を設けているので、始動時に一方の電極8と近接導体13との間で放電が誘発されるとともに、この近接導体13から他方の電極8まで放電が誘発され、この近接導体13の放電誘発作用によって両電極8間の放電を即すことにより、始動が容易になり、始動電圧を引き下げることができる。
【0026】
このように始動電圧を引き下げることより、雰囲気温度の低温時でも始動を容易に行なえ、耐電圧容量の小さい小形の点灯部品を用いて点灯装置の小形化を図れる。
【0027】
また、ランプホルダ29に金属などの導電性の材料を使用すると、始動時に印加した電圧がバルブ2の中間部9に至らずにランプホルダ29の部分で漏れて環状バルブ部3,4の一方から他方に抜けてしまうため、始動性が悪化するが、ランプホルダ29に非導電性の材料にて形成することにより、ランプホルダ29の部分での漏れをなくし、始動性の悪化を防止できる。
【0028】
次に、図3に第2の実施の形態を示し、図3は蛍光ランプの底面図である。
【0029】
電極8に接続されてバルブ2の外部に導出された一部の導電線(ワイヤ)41を近接導体13として用い、この導電線41がバルブ2の中間部9の細管5に引っ掛けるようにして係合される。
【0030】
そして、このようにバルブ2の中間部9に係合された導電線41によっても放電誘発作用を得ることができ、第1の実施の形態の近接導体13と同様に、導電線41の放電誘発作用によって両電極8間の放電を即すことにより、始動が容易になり、始動電圧を引き下げることができる。しかも、導電線41を利用することにより、近接導体13として代用することができる。
【0031】
次に、図4に第3の実施の形態を示し、図4は蛍光ランプの底面図である。
【0032】
口金11の口金ケース12に、バルブ2の両端部7と中間部9の間を仕切って壁状の遮熱部42が形成される。
【0033】
そして、遮熱部42により、点灯時に電極8が封止されたバルブ2の両端部7の熱がバルブ2の中間部9すなわち最冷部10に伝わるのを低減できる。これにより、最冷部10が温度上昇するのを抑制でき、バルブ2内の水銀蒸気圧を適性に保ち、明るさの低下を抑制できる。
【0034】
なお、この蛍光ランプ1に、第1の実施の形態の近接導体13、または第2の実施の形態の導電線41を適用すれば、各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0035】
次に、図5に第4の実施の形態を示し、図5はランプソケットの斜視図である。
【0036】
ランプソケット28のホルダ部30の一側近傍、すなわちホルダ部30に接続される口金11においてバルブ2の中間部9側に対応する一側近傍に近接導体43が設けられる。
【0037】
そして、蛍光ランプ1の口金11をランプソケット28のホルダ部30に接続すると、ホルダ部30に設けられた近接導体43がバルブ2の中間部9に近接し、放電誘発作用を発生させることができ、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0038】
この場合の蛍光ランプ1としては、図4に示す第3の実施の形態のように近接導体を有していない蛍光ランプ1に対して特に有効であるが、図1に示す第1の実施の形態および図3に示す第2の実施の形態のように近接導体13または導電線41を有する蛍光ランプ1に対しても有効である。
【0039】
なお、図中44は蛍光ランプ1のランプピンが挿入される接続孔である。
【0040】
次に、図6に第5の実施の形態を示し、図6は蛍光ランプの底面図である。
【0041】
蛍光ランプ1のバルブ2の内側の環状バルブ部3は略C字形に形成され、外側の環状バルブ部4は略半環状の一対のバルブ部分4aに分割形成され、内側の環状バルブ部3の各端部と各バルブ部分4aの一端の間が細管5を介して連結されるとともに連通されて連続した1本の放電路6が形成される。
【0042】
各バルブ部分4aの他端すなわちバルブ2の放電路6の両端部7には電極8が封入されるとともに、その両端部7にわたって口金11が設けられる。口金11の内側には内側の環状バルブ部3の中間部すなわちバルブ2の放電路6の中間部9に近接または接触する近接導体13が設けられる。
【0043】
そして、このようにバルブ2の中間部9に設けられた近接導体13によって放電誘発作用を得ることができ、第1の実施の形態と同様に、近接導体13の放電誘発作用によって両電極8間の放電を即すことにより、始動が容易になり、始動電圧を引き下げることができる。
【0044】
なお、この蛍光ランプ1では、口金11と最も離れたバルブ2の環状バルブ部3,4の各ブリッジ接続部分が最冷部10として構成される。
【0045】
次に、図7に第6の実施の形態を示し、図7は蛍光ランプの底面図である。
【0046】
電極8に接続されてバルブ2の外部に導出された一部の導電線41を近接導体13として用い、この導電線41がバルブ2の内側の環状バルブ部3の中間部9に引っ掛けるようにして係合される。口金11はバルブ2の両端部7および中間部9にわたって設けられ、口金11の内側に導電線41が配置される。
【0047】
そして、このようにバルブ2の中間部9に係合された導電線41によっても放電誘発作用を得ることができ、第5の実施の形態の近接導体13と同様に、導電線41の放電誘発作用によって両電極8間の放電を即すことにより、始動が容易になり、始動電圧を引き下げることができる。しかも、導電線41を利用することにより、近接導体13として代用することができる。
【0048】
次に、図8に第7の実施の形態を示し、図8は蛍光ランプの底面図である。
【0049】
口金11の口金ケース12は、例えば乳白色や半透明などの透光性を有する材料にて形成され、バルブ2の両端部7および中間部9にわたって設けられる。バルブ2の環状バルブ部3,4の各ブリッジ接続部分すなわち最冷部10間にわたって放熱手段としての放熱部45が設けられている。放熱部45は、バルブ2の材料のガラスより放熱性が高い例えばシリコンなどの放熱材料が用いられる。
【0050】
そして、放熱部45により、点灯時における最冷部10の放熱を助長し、最冷部10が温度上昇するのを抑制でき、バルブ2内の水銀蒸気圧を適性に保ち、明るさの低下を抑制できる。しかも、バルブ2の遊端部である最冷部10間を放熱部45により固定でき、剛性を向上できる。
【0051】
さらに、口金11は透光性を有するため、口金11でバルブ2の中間部9を覆っていても、その覆われた部分の光の一部を放出させることができ、光束の低下を抑制できる。
【0052】
なお、この蛍光ランプ1に、第5の実施の形態の近接導体13、または第6の実施の形態の導電線41を適用すれば、各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0053】
次に、図9に第8の実施の形態を示し、図9はランプソケットの斜視図である。
【0054】
ランプソケット28のホルダ部30の一端近傍、すなわちホルダ部30に接続される口金11部分においてバルブ2の中間部9側に対応する一端近傍に近接導体43が設けられる。
【0055】
そして、蛍光ランプ1の口金11をランプソケット28のホルダ部30に接続すると、ホルダ部30に設けられた近接導体43がバルブ2の中間部9に近接し、放電誘発作用を発生させることができ、第5の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0056】
この場合の蛍光ランプ1としては、図8に示す第7の実施の形態のように近接導体を有していない蛍光ランプ1に対して特に有効であるが、図6に示す第5の実施の形態および図7に示す第6の実施の形態のように近接導体13または導電線41を有する蛍光ランプ1に対しても有効である。
【0057】
次に、図10ないし図12に第9の実施の形態を示し、図10(a)は蛍光ランプの一部の斜視図、図10(b)は口金の断面図、図11は照明器具の一部の側面図、図12は雰囲気温度に対する効率の特性を示す説明図である。
【0058】
図10において、蛍光ランプ1は、例えば、図6に示す第5の実施の形態の蛍光ランプ1の外側の環状バルブ部4に口金11を設けるのに代えて、内側の環状バルブ部3に口金11を設けた構造とする。口金11の口金ケース12は、バルブ2の管軸方向に対して直交する上下方向に2分割形成され、上側に絶縁性を有する例えば合成樹脂製のケース部51が配設され、下側にケース部51より熱伝導性および放熱性の高い例えばアルミニウムまたは樹脂などの放熱手段としてのケース部52が配設される。両ケース部51,52は、バルブ2の両端部7を挟み込み、下側のケース部52から挿通したねじ53を上側のケース部51に螺着して結合固定される。上側のケース部51にはランプピン54が突設される。
【0059】
図11において、器具体23のランプソケット28には、ホルダ部30に接続された口金11の下側のケース部52に接触するランプホルダ55が取り付けられている。このランプホルダ55は、例えば金属製の板ばねにて形成されている。
【0060】
そして、蛍光ランプ1の口金11をランプソケット28のホルダ部30に接続すると、ランプホルダ55が口金11の下側のケース部52に接触する。蛍光ランプ1の点灯時には、バルブ2の管壁の熱が口金11に伝わり、特に熱伝導性および放熱性の高いケース部52から空気中に良好に放熱されるとともに、ケース部52に接触するランプホルダ55を介して器具体23側に良好に放熱される。
【0061】
図12は雰囲気温度に対する効率の特性を示し、図中aが付された曲線は本実施の形態の場合で、図中bが付された曲線は熱伝導性および放熱性の高いケース部52およびランプホルダ55を備えない場合を示す。曲線aでは雰囲気温度が25℃前後のときに効率が最も高く、曲線bでは雰囲気温度が15℃前後のときに最も効率が高くなる。照明器具が設置される室内の温度は一般に適温とされる25℃前後に空調設備によって保たれるため、本実施の形態の蛍光ランプ1は、室内の雰囲気温度に適して、最も効率の高い状態で点灯できる。
【0062】
また、ランプホルダ55がランプソケット28のホルダ部30よりも口金11の下側域に回り込むため、蛍光ランプの口金11をランプソケット28に接続した際の安定性を向上させることができる。
【0063】
次に、図13は第10の実施の形態を示し、図13は蛍光ランプの一部の斜視図である。
【0064】
蛍光ランプ1は、例えば、図1に示す第1の実施の形態の蛍光ランプ1と同様の構造である。口金11の口金ケース12は、バルブ2の管軸方向に2分割形成され、バルブ2の両端部7側に絶縁性を有する例えば合成樹脂製のケース部61が配設され、中間部9側にケース部61より熱伝導性および放熱性の高い例えばアルミニウムまたは樹脂などの放熱手段としてのケース部62が配設される。
【0065】
そして、この蛍光ランプ1の点灯時には、バルブ2の管壁の熱が口金11に伝わって放熱される。特に、熱伝導性および放熱性の高いケース部62からは空気中に良好に放熱され、このケース部62が接触するバルブ2の中間部9すなわち最冷部10の熱が良好に放熱される。そのため、最冷部10が温度上昇するのを抑制でき、バルブ2内の水銀蒸気圧を適性に保ち、明るさの低下を抑制できる。
【0066】
なお、第9の実施の形態と同様にランプソケット28にランプホルダ55を設けた器具体23に、ケース部62を有する蛍光ランプ1を接続することにより、ケース部62に接触するランプホルダ55を介して器具体23側に良好に放熱させることができる。
【0067】
なお、図5に示す第4の実施の形態または図9に示す第8の実施の形態のように、ランプソケット28に近接導体43を備える場合、蛍光ランプ1の始動時のみ始動を補助する電流を流すことにより、始動性をより向上させることができる。
【0068】
また、ランプホルダ29は、蛍光ランプ1の内側の環状バルブ部3に係合して支持するが、外側の環状バルブ部4、または環状バルブ部3,4の両方に係合して支持するようにしてもよい。
【0069】
次に、図14に第11の実施の形態を示し、図14は蛍光ランプおよび点灯装置の一部の説明図である。
【0070】
蛍光ランプ1の近接導体13に、内側の環状バルブ部3の電極8に接続された導電線41が電気的に接続される。
【0071】
この蛍光ランプ1が接続される点灯装置71では、交流電源に図示しない整流回路が接続され、この整流回路の出力端子間に平滑コンデンサC1が接続され、この平滑コンデンサC1に対して並列にハーフブリッジ型のインバータ回路72が接続される。インバータ回路72は、トランジスタQ1,Q2の直列回路などで構成され、これらトランジスタQ1,Q2のゲートに図示しない駆動回路が接続される。トランジスタQ2の両端子間には、バラストチョークL、蛍光ランプ1の両電極8が直列に接続され、これら両電極8間には始動用コンデンサC2が接続される。なお、バルブ2の中間部9と近接導体13との間には遊動容量が存在する。
【0072】
そして、インバータ回路72のトランジスタQ1,Q2が交互にオンオフして高周波を発生させ、蛍光ランプ1を始動、点灯させる。
【0073】
このとき、蛍光ランプ1の近接導体13は高電位側の電極8に接続されているため、バルブ2の中間部9の電位が高くなり、アース面への漏れ電流が増加し、始動性が向上する。
【0074】
【発明の効果】
請求項1記載の蛍光ランプによれば、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブを有する蛍光ランプにおいて、バルブの放電路の中間部に近接導体を設けたため、近接導体の放電誘発作用によって始動電圧を低減し、始動性を向上できる。さらに、口金に配置されるバルブの放電路の両端部と中間部との間に遮熱部を設けるため、バルブの放電路の中間部すなわち最冷部の温度上昇を抑制して明るさの低下を防止できる。
【0075】
請求項2記載の蛍光ランプによれば、請求項1記載の蛍光ランプの効果に加えて、バルブの放電路の両端部にわたって設けられる口金に近接導体を設けるため、近接導体を容易に設けることができる。
【0076】
請求項3記載の蛍光ランプによれば、請求項1または2記載の蛍光ランプの効果に加えて、近接導体として電極に接続される導電線を兼用できる。
【0077】
請求項4記載の蛍光ランプによれば、請求項1ないし3いずれか一記載の蛍光ランプの効果に加えて、口金は透光性を有し、口金で覆われるバルブ部分からの光の一部を放出でき、光束の低下を抑制できる。
【0078】
請求項5記載の蛍光ランプによれば、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同 心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブを有する蛍光ランプにおいて、バルブの放電路の中間部に近接導体を設けたため、近接導体の放電誘発作用によって始動電圧を低減し、始動性を向上できる。さらに、バルブの最冷部に設けられた放熱手段により、最冷部の温度上昇を抑制して明るさの低下を防止できる。
【0079】
請求項6記載の照明器具によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の蛍光ランプを装着するため、始動電圧が低く、始動性がよい照明器具を提供できる。
【0080】
請求項7記載の照明器具によれば、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブを有する蛍光ランプを使用する照明器具において、ランプソケットに蛍光ランプの放電路の中間部に近接される近接導体を設けたため、近接導体の放電誘発作用によって始動電圧を低減し、始動性を向上できる。
【0081】
請求項8記載の照明器具によれば、請求項5記載の蛍光ランプの放熱手段に接触するランプホルダを有するため、放熱手段の熱をランプホルダを介して器具本体側に放熱させることができ、放熱性をより向上できる。
【0082】
請求項9記載の照明器具によれば、請求項7または8記載の照明器具の効果に加えて、非導電性のランプホルダを具備しているため、始動時に印加した電圧がランプホルダの部分で漏れるのをなくし、始動性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す蛍光ランプの底面図である。
【図2】 同上実施の形態の照明器具の断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を示す蛍光ランプの底面図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態を示す蛍光ランプの底面図である。
【図5】 本発明の第4の実施の形態を示すランプソケットの斜視図である。
【図6】 本発明の第5の実施の形態を示す蛍光ランプの底面図である。
【図7】 本発明の第6の実施の形態を示す蛍光ランプの底面図である。
【図8】 本発明の第7の実施の形態を示す蛍光ランプの底面図である。
【図9】 本発明の第8の実施の形態を示すランプソケットの斜視図である。
【図10】 本発明の第9の実施の形態の蛍光ランプを示し、(a)は蛍光ランプの一部の斜視図、(b)は口金の断面図である。
【図11】 同上実施の形態の照明器具の一部の側面図である。
【図12】 同上実施の形態の雰囲気温度に対する効率の特性を示す説明図である。
【図13】 本発明の第10の実施の形態を示す蛍光ランプの一部の斜視図である。
【図14】 本発明の第11の実施の形態を示す蛍光ランプおよび点灯装置の一部の説明図である。
【符号の説明】
1 蛍光ランプ
2 バルブ
3,4 環状バルブ部
6 放電路
8 電極
10 最冷部
11 口金
13 近接導体
24 器具本体
28 ランプソケット
41 導電線
42 遮熱部
43 近接導体
45 放熱手段としての放熱部
52 放熱手段としてのケース部
55 ランプホルダ
62 放熱手段としてのケース部
Claims (9)
- 内面に蛍光体が塗布され、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブと;
バルブ内に封入された希ガスおよび水銀と;
バルブの放電路の両端に封止された一対の電極と;
バルブの放電路の中間部に設けられた近接導体と;
バルブの放電路の両端部およびバルブの放電路の中間部にわたって設けられるとともに、バルブの放電路の両端部と中間部との間に遮熱部が設けられた口金と;
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。 - 近接導体が口金に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。 - 近接導体は電極に接続される導電線である
ことを特徴とする請求項1または2記載の蛍光ランプ。 - 口金は透光性を有する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の蛍光ランプ。 - 内面に蛍光体が塗布され、径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブと;
バルブ内に封入された希ガスおよび水銀と;
バルブの放電路の両端に封止された一対の電極と;
バルブの放電路の中間部に設けられた近接導体と;
バルブの放電路の両端部およびバルブの放電路の中間部にわたって設けられた口金と;
バルブの最冷部に設けられた放熱手段と;
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。 - 請求項1ないし5いずれか一記載の蛍光ランプと;
蛍光ランプを装着する器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。 - 径の異なる複数の環状バルブ部が同一平面上に同心状に設けられるとともにこれら複数の環状バルブ部が連通されて1本の放電路が設けられたバルブを有する蛍光ランプの口金が接続されるランプソケットと;
ランプソケットに設けられ、蛍光ランプの放電路の中間部に近接される近接導体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。 - 請求項5記載の蛍光ランプと;
蛍光ランプの放熱手段に接触するランプホルダを有する器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。 - 非導電性のランプホルダを具備している
ことを特徴とする請求項7または8記載の照明器具。
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