JP3673583B2 - 転写材担持部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式を利用した画像形成装置に関し、詳しくは、像担持体上に形成したトナー像を転写材上に転写する際の使用する転写材担持部材の改良に関する。上記の画像形成装置としては、白黒、モノカラーあるいはフルカラーの電子写真複写機、プリンター、その他の種々の記録機器などがある。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置では、像担持体上に形成したトナー像を転写材上に転写して画像を得ている。
【0003】
例えば、帯電−露光−現像−転写−クリーニングといった一連の画像形成を行なう電子写真装置においては、像担持体としての感光体上に形成したトナー像を紙などの転写材上に転写するのに、図4及び図5に示すような転写ドラム10及び転写装置10Aを使用している。
【0004】
図4に示すように、転写ドラム10は、両端に配置されたシリンダ12及び13と、これらのシリンダを連結する連結部材14とから構成された支持体を有し、この支持体の外周面の開口域に転写材担持部材11を張設してなっている。連結部材14には、転写材供給装置から送給された転写材を把握するグリッパ15が設けられている。さらに転写ドラム10の内側及び外側には、図5に示すように、転写用放電器21、除電手段を構成する内側除電用放電器23及び外側除電用放電器22及び24が配置される。
【0005】
感光体上のトナー像形成と同期して転写ドラム10に送られた転写材は、その先端部をグリッパ15により把握されて転写ドラム10上に担持され、転写ドラム10の矢印a方向の回転にともない、感光体33と対向した転写部に繰り返し搬送される。そして、転写部の感光体33と当接する領域において、転写用放電器21によって転写ドラム10の転写材担持部材11の背面から、トナーと逆極性のコロナ放電が行なわれ、感光体33上のトナー像が転写材上に転写される。
【0006】
転写材は、必要な回数のトナー像の転写を受けた後、除電用放電器22、23及び24により除電を受け、分離爪28により、転写ドラム10からの剥離された後、定着器に搬送される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
得られる画像の高画質化を図るためには、感光体上のトナー像を転写材上に忠実に転写すること、即ち転写効率が高いことが重要である。
【0008】
転写効率を向上するためには、感光体上のトナーを転写材側に強く引きつけなければならないので、転写材及び転写材担持部材にかかる電界強度をできるだけ大きくすることが重要である。
【0009】
また、均一に転写するためには転写材担持部材の電気的にリークがないことが重要である。
【0010】
転写材担持部材の比誘電率を小さくすることは、上記条件を満たす上で有効である。しかしながら、転写材担持部材の誘電率が小さいだけでは、連続複写時に画像濃度が低下するという問題が生じ易かった。
【0011】
特に近年、画像のより一層の高画質化を実現するために、静電潜像の再現性を向上するべく、現像剤として粒径10μm以下、平均粒径8μm程度の小粒径トナーを使用するようになってきている。このようなトナーを用いると、上記問題はより顕著に生じ易かった。
【0012】
本発明の目的は、高い転写効率を有し、優れた耐電気的リーク性を有する転写材担持部材を提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、繰り返し使用しても長期にわたって高画質を維持することができる転写材担持部材を提供することにある。
【0014】
また、本発明の目的は、上記の転写材担持部材を有する画像形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、樹脂を含有する少なくとも2つの層を有し、そのうちの一方が表面層を構成している、画像形成装置に用いられる転写材担持部材において、
該表面層は、比誘電率(E1)が2.0以上10.5以下であり、体積抵抗率が5.3×10 14 〜1018Ω・cmであり、且つ膜厚が0.5μm以上50μm以下であり、
表面層以外の層は、導電剤としてカーボンブラックが分散されたポリカーボネート樹脂からなり、体積抵抗率が2.7×10 9 〜1017Ω・cmであり、且つ膜厚が50μm以上800μm以下であり、該表面層の比誘電率(E1)と該表面層以外の層の比誘電率(E2)の比が、下記式を満たすことを特徴とする転写材担持部材である:
0.02≦(E1/E2)≦0.7。
【0016】
また、本発明は、像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該転写手段が、上記の転写材担持部材を有していることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の転写材担持部材の一実施例の断面図を示す。図において11は本発明の転写材担持部材を示し、11aは表面層を、11bは該表面層以外の層を示す。なお、本発明における表面層とは像担持体側、即ち転写時に転写材側の表面の層をいう。また、該表面層以外の層11bは複数の層で構成されていてもよく、表面層以外の全ての層のことをいう。
【0018】
本発明においては、E1/E2が0.02以上、0.7以下であるが、特には0.05以上、0.5以下であるが好ましく、更には0.05以上、0.4以下であることが好ましい。E1/E2が0.7よりも大きい場合、画像抜けの原因となる。一方、E1/E2が0.02よりも小さい場合、トナー像が転写されにくくなる。
【0019】
本発明における表面層11aの比誘電率E1は、2.0以上、10.5以下である。E1が2.0より小さい場合、転写時に放電される電流により転写材担持部材11に電荷が蓄積され易く、繰り返し複写を行なうと、トナー像が転写されにくくなる現象が生じ易くなる。一方、E1が20より大きい場合、転写電流リークにより、像担持体及び転写材担持部材上に損傷をきたすことがある。
【0020】
また、表面層11aの膜厚は0.5μm以上、50μm以下であり、特には1μm以上、30μm以下であることが好ましい。表面層の膜厚が0.5μmよりも薄いと、転写材担持部材と像担持体との電界強度が小さくなり易く、良好な転写画像が得られにくくなる。また、表面層の膜厚が50μmよりも厚いと、転写時に放電される電流により転写材担持部材に電荷が蓄積され易く、繰り返し複写を行なうと、トナー像が転写されにくくなる。
【0021】
また、表面層11aの体積抵抗率は5.3×10 14 以上、1×1018Ω・cm以下である。表面層の体積抵抗率は1×1010Ω・cmに満たないと、電荷が横流れし易くなるので転写不良が生じ易くなる。一方、1×1018Ω・cmを超えると転写材担持部材に電荷が蓄積され易く、繰り返し使用すると転写不良が生じ易くなる。
【0022】
表面層11aが含有する樹脂はいずれのものでもよいが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂や、ナイロン66などのポリアミド樹脂、溶剤可溶性ポリイミド樹脂、高密度ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエンなどの共重合体樹脂が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、一般の熱可塑性樹脂のなかでも耐摩耗性が高い性質を有し、高画質画像を長期にわたって提供するのに有利である。しかし、表面層の樹脂として熱硬化性の樹脂を用いることを妨げるものではない。
【0023】
また、本発明の表面層11aの耐摩耗性は摩耗量で7.0mg/1000回転以下であることが好ましい。この摩耗量はJIS規格K7204に準じ、摩耗輪による摩耗試験を行ない、酸化アルミニウム(アルミナ)含有のラッピングテープに対する摩耗重量(g)を測定することにより評価した。
【0024】
表面層以外の層11bの比誘電率E2は、2.5以上、150以下であることが好ましく、特には7以上、100以下であることが好ましい。
【0025】
また表面層以外の層11bの膜厚は50μm以上、800μm以下である。50μmよりも薄いと、機械的強度が低下し易くなり、また、比誘電率が大きい場合に電荷の保持をよりしにくくなる。一方、800μmよりも厚いと、比誘電率が小さい場合に電荷がより蓄積され易くなる。
【0026】
また、表面層以外の層11bの体積抵抗率は2.7×10 9 Ω・cm以上、1×1017Ω・cm以下である。1×105Ω・cmに満たないと、電荷が横流れしやすくなるので転写不良が生じ易くなる。
【0027】
一方、1×1017Ω・cmを超えると電荷が蓄積され易くなる。
【0028】
表面層以外の層が含有する樹脂はポリカーボネートである。
【0029】
本発明においては、所望に応じて、上記各層に従来公知の種々の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、補強剤、酸化防止剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤、あるいは対衝撃性改良用のエストラマーなどが挙げられる。例えば安定剤としては、特に亜リン酸、またはホスファイトが好適である。離型剤としては、飽和脂肪酸のモノマーあるいは多価アルコールのエステルが挙げられ、ステアリルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサオクトエートなどが好適なものとして例示される。さらに、通常のポリカーボネード、ポリエステルカーボネート、ポリアリレートとの樹脂類も当然、目的に応じて適宜好適に用いることができる。
【0030】
また、本発明においては、転写電流を制御するために、上記表面層に1種または2種以上の導電剤を分散させることができる。また上記表面層以外の層には導電剤として導電性カーボンブラックを分散させる。
【0031】
本発明の転写材担持部材11は、樹脂の押出成型、射出成型などの方法により得ることができる。転写材担持部材としての体積抵抗率は、1×108〜1×1017Ω・cm程度であることが好ましく、比誘電率Eは3.0以上であることが好ましい。転写材担持部材は、シート状、あるいはシートの端部を熱融着、超音波融着あるいは接着剤により接着するなどして、エンドレスベルト状として用いられるが、転写材担持部材を適用する転写装置にあわせて選択される。また、転写材担持部材の総膜厚は、体積抵抗や比誘電率によって異なるが、50〜800μmであることが好ましく、特には70〜300μmであることが好ましい。
【0032】
本発明における比誘電率は横河ヒュレットパッカード社製のインピーダンスアナライザー(4192ALF)を用い、試料の表と裏にφ50mm金電極を蒸着したものについて、ピーク間電圧1V、10kHz(23℃、55%RH)の条件下で測定される。
【0033】
また、膜厚はミツトヨ社製のダイヤルゲージ(2109−10)を用いて測定される。
【0034】
また、体積抵抗率はアドバンテスト社製のデジタル超高抵抗計(R8340A)を用い、比誘電率を測定する際に用いたものと同様のサンプルに500Vの直流電圧を印加し、1分間経過した後に測定される。
【0035】
本発明の画像形成装置は像担持体、帯電手段、現像手段及び上記転写材担持部材を有する転写手段を有する。
【0036】
かかる像担持体、帯電手段及び現像手段は特に限定されるものではなく、公知のいずれのものを用いてもよい。
【0037】
また、転写材も紙やOHP用シートなど様々なものを用いることができる。
【0038】
以下、本発明の画像形成装置について説明する。図2は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。本画像形成装置は、転写装置10Aに転写ドラム10を備えた多色電子写真装置であり、この転写ドラム10に本発明の転写材担持部材11が使用されている。
【0039】
本実施例において、多色電子写真装置は、回転自在に軸支され、矢印a方向に回転する像担持体として感光体33を有し、その外周部に画像形成手段が配置されている。この画像形成手段は任意の手段とすることができるが、本例では、感光体33を均一に帯電する一次帯電器34と、色分解された光像Eまたはこれに相当する光像を照射し、感光体33上に静電潜像を形成する。例えばレーザビーム露光装置等からなる露光手段32と、感光体33上の静電潜像を現像する回転式現像装置31とを具備する。
【0040】
回転式現像装置31は、イエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤及びブラック色現像剤を収納した4個の現像器31Y、31M、31C、31Kと、これらの現像器31Y〜31Kを保持した、回転する略円柱状の筐体31aとを有している。現像装置31は、筐体31aの回転によって所望の現像器を感光体33の外周面と対向した現像位置に搬送し、感光体33上の潜像の現像を行い、4色分のカラー現像ができるように構成されている。
【0041】
感光体33を一次帯電器34により帯電し、露光手段32により光像Eを照射して潜像を形成し、その潜像を現像装置31により現像して、感光体33上に樹脂を主体とした平均粒径8〜12μmのトナーによるトナー像が形成される。これを、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色分について繰り返す。
【0042】
一方、感光体33上の画像形成と同期して、転写材Pがレジストローラ36により転写装置10Aの転写ドラム10へ送られる。転写材Pは、転写ドラム10のグリッパ15などによりその先端部が把持され、転写ドラム10の矢印b方向の回転にともない、感光体33と対向した転写部に搬送される。そして、転写材Pが転写部に搬送されると、感光体33と当接する領域において、転写用放電器21によって転写ドラム10の転写材担持部材11の背面から、トナーと逆極性のコロナ放電が行われ、これにより感光体33上のトナー像が転写材P上に転写され、転写材Pは、転写ドラム10による搬送を繰り返され、各色のトナー像が形成されるたびに、転写部においてトナー像の転写が行われ、かくして、転写材P上にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー像を重ね合わせたカラーが像が得られる。
【0043】
その後、転写材Pは、除電用放電器22、23及び24により除電を受けつつ分離爪28の作用により、転写ドラム10から剥離された後、搬送ベルト38により定着器39に搬送され、そこで熱による定着を受けてフルカラーの永久画像とされた後、電子写真装置の機外に排出される。
【0044】
他方、感光体33は、表面の残留トナーをクリーニング装置37により清掃された後、つぎの画像形成に備えられる。また、転写ドラム10の転写材担持部材11の表面も、同様に、ブレードやファーブラシなどからなるクリーニング装置35a及びクリーニング補助手段35bの作用により清掃された後、再度、つぎの画像形成に供される。
【0045】
本発明においては、転写用コロナ放電器21には、図5に示すように、転写ドラム10の回転方向(矢印bの方向)の下流側のシールド板、例えばポリカーボネート樹脂板などのような絶縁性部材26を設けて、放出された転写コロナのうちの感光体33方向に向かうコロナ量を多くすることが好ましい。
【0046】
また、転写用コロナ放電器21のところに、転写材担持部材11の導入側からその移動方向下流側に向けて伸びて、転写材担持部材11を裏面側から押圧する、弾性を有した押圧部材27を設けてもよい。この押圧部材27は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル及びポリエチレンテレフタレートなどの、好ましくは体積抵抗率が1010Ω・cm以上、特に好ましくは1010Ω・cm以上の樹脂フィルムで構成し、転写部の全域にわたって配置される。
【0047】
図3は、本発明の画像形成装置の他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の画像形成装置は、本発明にかかる転写材担持部材として、エンドレス状に成形した転写ベルト40を備えている。
【0048】
本画像形成装置は、水平方向に直線状に配列された感光体41a、41b、41c及び41dを有し、その感光体41a、41b、41c、41dの周囲に、一次帯電器42a、42b、42c及び42d;露光手段43a、43b、43c及び43d;現像器44a、44b、44c及び44d;転写用放電器45a、45b、45c及び45d;除電用放電器46a、46b、46c、46d、47a、47b、47c及び47d;及びクリーニング装置48a、48b、48c、及び48dが配置されて、4色分の画像形成ユニットが構成されている。
【0049】
各ユニットでは、感光体41a〜41d上に、それぞれ1色のトナー像が形成される。トナー像の形成方法は、前述したものと同様である。
【0050】
本発明はエンドレス状に形成された転写材担持部材、即ち転写ベルト40は、これらのユニットを感光体41a〜41dの下方で貫通する態様にて配置されている。転写ベルト40の下側の軌道の近くには、ウレタンブレード49を有するベルト用クリーニング装置50が配置されている。
【0051】
転写材Pは、供給ローラにより転写ベルト40上に供給された後、転写ベルト40の回動により、感光体41a〜41dと対向した各ユニットの転写部に順次搬送され、そこで感光体41a〜41d上に形成された各色のトナー像が重ね合わせて転写される。
【0052】
以下、本発明の具体例について示すが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0053】
【実施例】
実施例1
ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製ユーピロンS−2000、粘度平均分子量25000)に、カーボンブラック8重量%をタンブラーで混合し、ベント付き二軸押出機を用いてペレット化した。得られたペレットとポリエチレンテレフタレートをそれぞ240℃で溶解し、共押出成型法により、表面層として膜厚8μmのポリエチレンテレフタレート層と、それ以外の層として膜厚150μmのポリカーボネート及びカーボンブラックとを含有する層の2層構成の転写材担持部材を得た。
【0054】
この転写材担持部材、表面層及び表面層以外の層の比誘電率(E1、E2及びE)及び体積抵抗率を測定した。
【0055】
得られた転写材担持部材を、図4に示されるように、転写ドラムの支持体の開口域に張設し、転写材担持部材11の両端部をアルミニウムシリンダ12及び13を連結する連結部14上に固定することによって、転写ドラム10を作製した。転写ドラム10の直径は160mmとした。
【0056】
この転写ドラム10を図2の画像形成装置に組込み、表面の回転速度160mm/秒として、感光体33上のトナー像の転写材上への転写に使用した。転写用コロナ放電器21の開口部は19mm、放電ワイヤー25と感光体33の外周面との距離は10.5mm、放電ワイヤー25と転写用コロナ放電器21のシールド板底面との距離は16mmにそれぞれ設定した。押圧部材27には、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた。
【0057】
感光体33への画像形成は、マイナス極性に帯電された感光体33に静電潜像を形成し、平均粒径8μmのトナーを用いて反転現像することにより行った。トナーは、樹脂、色剤、帯電制御性や潤滑性を向上させるための微量の添加剤その他により構成され、現像器中でキャリア粒子との摩擦帯電でマイナス極性に帯電するものであった。
【0058】
4色のトナー像の転写終了後、転写材は転写ドラム10から分離して、定着器で定着した。また、転写材担持部材11の表面は、ウレタンブレードを有するクリーニング装置35a及びクリーニング補助手段35bによりクリーニングした。
【0059】
上記の装置を用いて、100,000枚の連続画像形成を行い、得られた画像を目視にて評価した。その結果を表1に示す。表1に示されるように、初期画像について、転写抜けのない高画質画像が得られたのは勿論、100,000枚後にも初期と同様な高画質画像を安定して得ることができた。なお、表中◎は優、○は良、△は可、×は不可を示す。
【0060】
また、転写材担持部材の摩耗量も前述の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0061】
実施例2
実施例1のポリエチレンテレフタレートをポリブチレンテレフタレートとし、膜厚を1.5μmにした以外は、実施例1と同様にして2層構成の転写材担持部材を作成し、評価した。結果は表1に示すように実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0062】
実施例3
実施例1における表面層以外の層の表面に、160℃で溶解させた高密度ポリエチレンを圧着することによって、2層構成の転写材担持部材を作成した。この転写材担持部材を実施例1と同様にして評価したところ、表1に示すように、実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0063】
実施例4
実施例1における表面層以外の層の表面に、ポリメチルメタクリレートとポリスチレン共重合体樹脂のトルエン10%溶液を塗布し、乾燥することによって、2層構成の転写材担持部材を作成した。この転写材担持部材を実施例1と同様にして評価したところ、表1に示すように、実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0064】
実施例5
実施例1における表面層以外の層の表面に、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂のトルエン10%溶液を塗布し、乾燥することによって、2層構成の転写材担持部材を作成した。この転写材担持部材を実施例1と同様にして評価したところ、表1に示すように、実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0065】
実施例6
実施例1における表面層以外の層の表面に、N−メチルピロリドンにポリイミドを溶解した溶液を塗布し、120℃で焼成することによって、2層構成の転写材担持部材を作成した。この転写材担持部材を実施例1と同様にして評価したところ、表1に示すように、実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0066】
実施例7
実施例1における表面層以外の層の表面に、エポキシ樹脂のメチルセロソルブ35%を塗布し、乾燥し、その上に更にポリエチレンテレフタレートフィルムを120℃、2時間で熱圧着し、3層構成の転写材担持部材を作成した。この転写材担持部材を実施例1と同様にして評価したところ、実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0067】
実施例8
カーボンブラックの量を15重量%に代えた以外は、実施例1と同様にして転写材担持部材を作成し、評価した。結果を表1に示す。
【0068】
実施例9
カーボンブラックの量を10重量%とし、表面層以外の膜厚を200μmとし、表面層を膜厚10μmのポリフッ化ビニリデン層にした以外は、実施例1と同様にして転写材担持部材を作成し、評価した。結果を表1に示す。
【0069】
参考例1
表面層の膜厚を60μmにした以外は、実施例1と同様にして転写材担持部材を作成し、評価した。結果を表1に示す。
【0070】
参考例2
表面層の膜厚を0.3μmにした以外は、実施例1と同様にして転写材担持部材を作成し、評価した。結果を表1に示す。
【0071】
比較例1
表面層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして転写材担持部材を作成し、評価し、結果を表1に示す。
【0072】
表1に示されるように、連続画像形成60000枚で転写材担持部材の表面に多数のキズが発生し、また画像上に部分的な画像抜けが発生した。
【0073】
比較例2
カーボンブラックの量を25重量%とし、表面層以外の層の膜厚を120μmに代えた以外は、実施例1と同様にして転写材担持部材を作成し、評価した。結果を表1に示す。
【0074】
比較例3
表面層をポリフッ化ビニリデン層にした以外は、実施例1と同様にして転写材担持部材を作成し、評価した。結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高い転写効率及び優れた耐電気的リーク性を有し、繰り返し使用しても長期にわたって高画質を維持することができる転写材担持部材、及び該転写材担持部材を有する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写材担持部材の一実施例の断面を示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一実施例の構成を示す図である。
【図3】本発明の画像形成装置の他の実施例の構成を示す図である。
【図4】画像形成装置の転写装置に用いられる転写ドラムの斜視図である。
【図5】転写装置の転写部の断面を示す図である。
【符号の説明】
10 転写材担持部材を有する転写ドラム
11 転写材担持部材
11a 表面層
11b 表面層以外の層
31 回転式現像装置
33 感光体
40 転写ベルト(転写材担持部材)
Claims (1)
- 樹脂を含有する少なくとも2つの層を有し、そのうちの一方が表面層を構成している、画像形成装置に用いられる転写材担持部材において、
該表面層は、比誘電率(E1)が2.0以上10.5以下であり、体積抵抗率が5.3×10 14 〜1018Ω・cmであり、且つ膜厚が0.5μm以上50μm以下であり、
表面層以外の層は、導電剤としてカーボンブラックが分散されたポリカーボネート樹脂からなり、体積抵抗率が2.7×10 9 〜1017Ω・cmであり、且つ膜厚が50μm以上800μm以下であり、該表面層の比誘電率(E1)と該表面層以外の層の比誘電率(E2)の比が、下記式を満たすことを特徴とする転写材担持部材:
0.02≦(E1/E2)≦0.7。
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