JP3671361B2 - クローラ式ディストリビュータの接続用配管装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダム工事等に用いられるクローラ式ディストリビュータのコンクリート輸送管をコンクリートポンプに接続するための接続用配管装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、80mm骨材の入ったダム用低スランプコンクリートの打設工事用の機械として、クローラクレーンをベースとしたディストリビュータがある。
【0003】
かかるクローラ式ディストリビュータは、図3にその一例の概略を示す如く、口径200mm程度の配管をコンクリートの輸送管1として用い、該輸送管1を、クローラクレーンをベースとしたディストリビュータ本体2の上部旋回体3から各段のブーム4に順次沿わせて支持させるように配し、上段ブーム4の先端に臨ませた輸送管1の先端に先端ホース5を接続し、且つ上記輸送管1の基端部1aと、別置きのコンクリートポンプ7の供給配管8の先端部8aとをゴムホース6により接続するようにしてある。
【0004】
上記クローラ式ディストリビュータでは、別置きのコンクリートポンプ7から吐出されたコンクリートを供給配管8、ゴムホース6及び輸送管1を通し先端ホース5まで導き、先端ホース5から目的の場所へ打設するようにさせるが、この際、上部旋回体3によるブーム4の旋回操作に伴う輸送管1の基端部1aとコンクリートポンプ7の供給配管8の先端部8aとの間の位置ずれを、ゴムホース6の撓みで吸収させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来では、上記ブーム4の旋回操作時にゴムホース6の動きを助けるために、クレーン等の別の揚重機を用いてゴムホース6を吊り上げる必要があり、又、上記ゴムホース6の可動範囲によってブーム4の旋回範囲が限定されるため、供給配管8の段取替えを頻繁に行う必要があり、更に、上記ゴムホース6は、摩耗し易いので頻繁に交換を行う必要があるが、高価であるためランニングコストが高くなる、等の問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、ブームの旋回操作に伴うコンクリート供給配管との位置ずれの問題を、揚重機によるゴムホースの吊り上げや、コンクリート供給用配管の段取替えを行うことなく巧みに解決し、打設作業の合理化及びランニングコストの低減化を図ることができるようなクローラ式ディストリビュータの接続用配管装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、コンクリートポンプから供給配管内に吐出されたコンクリートを、ディストリビュータ本体に有する上部旋回体及びブームに沿わせた輸送管を通して打設するようにしてあるクローラ式ディストリビュータにおける上記ディストリビュータ本体の後方位置に、架台を設置し、該架台の上面部中心位置に、先端部を水平方向へ張り出させるようにしたアームの基端部を水平方向へ回動自在に支持させて、該アーム上に、接続用配管を保持させ、又、上記ディストリビュータ本体と架台との間に移動台を配置して、該移動台上に接続用配管を保持させ、且つ該移動台上の接続用配管の先端部をディストリビュータ本体の輸送管の基端部に、又、移動台上の接続用配管の基端部をアーム上の接続用配管の先端部に、それぞれ水平方向へ回動自在に連結し、更に、上記アーム上の接続用配管の基端部を、アームの回動中心上の位置にて供給配管の先端部に、水平方向へ回動自在に連結した構成とする。
【0008】
上部旋回体を介してブームを旋回操作すると、アームと移動台の変位を介してアーム上の接続用配管と移動台上の接続用配管が追従変位させられるため、コンクリートポンプの供給配管と輸送管との間の位置ずれが吸収される。
【0009】
又、架台の上面部に円形のレールを設け、且つ該レールの上面に係合させるライナ又は転動体をアームの中間部に取り付けた構成とすることにより、アームの回動変位が円滑且つ安定して行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1及び図2は本発明の実施の一形態を示すもので、別置きのコンクリートポンプ7から供給配管8内に吐出されたコンクリートを輸送して、ディストリビュータ本体2の上部旋回体3からブーム4に沿わせた輸送管1を通し、輸送管1の先端ホース5よりコンクリートを打設できるようにしてあるクローラ式ディストリビュータにおいて、上記ディストリビュータ本体2を、ブーム4の旋回操作に伴うコンクリート供給配管8との位置ずれを吸収できるようにした接続用配管装置9を介してコンクリート供給配管8に接続させるようにする。
【0012】
上記接続用配管装置9について詳述すると、ディストリビュータ本体2の後方位置に、上面部外周に円形のレール10を備えた架台11を設置して、該架台11の上面部中心位置に設けた回転支軸12に、先端部が架台11より水平方向外方へ張り出すように配置したアーム13の基端部を、水平方向へ回動自在に支持させ、且つ該アーム13の中間部下面に取り付けたライナ18を、上記レール10の上面に当接配置して、アーム13の水平方向の回動をガイドさせるようにし、更に、上記アーム13の上に、該アーム13に沿わせて接続用配管14aを保持させて、該接続用配管14aの先端部を下向きに湾曲させて配置すると共に、基端部を、下向きに湾曲させて上記回転支軸12を通しコンクリート供給配管8の先端部8aに、回転継手15により水平方向へ回動自在に連結し、接続用配管14aをアーム13と一体に変位させられるようにする。
【0013】
又、上記ディストリビュータ本体2と架台11との間の位置に、下面に適数個の自在キャスター16を備えてなる細長い移動台17を配置し、該移動台17上に、移動台17に沿わせて接続用配管14bを保持させ、該接続用配管14bの先端部となる一端部を上向きに湾曲させて、輸送管1の下向きに湾曲させた基端部1aに、回転継手15により水平方向へ回動自在に連結し、且つ上記接続用配管14bの基端部となる他端部を上向きに湾曲させて、上記接続用配管14aの先端部に、回転継手15により水平方向へ回動自在に連結し、接続用配管14bをブーム4の変位に追従させられるようにする。
【0014】
なお、19は接続用配管保持部材、20はアーム13のカウンターウエイトを示す。
【0015】
ディストリビュータ本体2のブーム4を前方へ向けているときは、上部旋回体3の後端部と架台11との間の距離が最も短く、図2において実線で示す如く、接続用配管14aと14bは適宜の角度に折り曲げられている。
【0016】
上記の状態から上部旋回体3を介してブーム4を旋回させると、輸送管1の基端部1aは図2の実線の位置から、たとえば、二点鎖線で示す如き位置へと水平に変位させられる。この場合、輸送管1の基端部1aの位置は架台11から離れることになるが、接続用配管14aを保持するアーム13は回転支軸12を支点に水平方向へ回動することができ、且つ接続用配管14bを保持する移動台17は自由に動けるため、折り曲げられていた接続用配管14a,14bは長手方向に展張されるように追従変位させられる。この際、アーム13の荷重は、中間部下面に取り付けたライナ18を介して架台11上面のレール10で受けられているため、アーム13の回動は安定して行われる。
【0017】
一方、アーム4が一点鎖線で示すように逆方向へ旋回した場合にも、上記の場合と同様に、接続用配管14a,14bはブーム4の旋回変位に追従して変位させられる。
【0018】
このように、接続用配管装置9の採用により、ディストリビュータ本体2のブーム4の旋回操作に伴う輸送管1の基端部1aとコンクリートポンプ7の供給配管8の先端部8aとの間の位置ずれを、ゴムホース及び揚重機の使用や供給配管8の段取替えを行うことなく、接続用配管14a,14b自体の展張、折り曲げ変位で吸収することができる。したがって、ブーム4を自由に旋回させることができるので、打設作業の合理化を図ることができると共に、ランニングコストを低減することができる。因に、アーム13の長さや移動台17の長さ等にも依るが、図2において輸送管1の基端部1aを二点鎖線と一点鎖線で示す如く、ブーム4の旋回角度を180°程度までは無理なく設定することができる。
【0019】
なお、上記実施の形態では、アーム13の荷重を支持して回動を安定して行わせるために、アーム13の下面に、レール10の上面に当接させるようにライナ18を取り付けた場合を示したが、ライナ18に代えて車輪の如き転動体を取り付けるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0020】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のクローラ式ディストリビュータの接続用配管装置によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1) コンクリートポンプから供給配管内に吐出されたコンクリートを、ディストリビュータ本体に有する上部旋回体及びブームに沿わせた輸送管を通して打設するようにしてあるクローラ式ディストリビュータにおける上記ディストリビュータ本体の後方位置に、架台を設置し、該架台の上面部中心位置に、先端部を水平方向へ張り出させるようにしたアームの基端部を水平方向へ回動自在に支持させて、該アーム上に、接続用配管を保持させ、又、上記ディストリビュータ本体と架台との間に移動台を配置して、該移動台上に接続用配管を保持させ、且つ該移動台上の接続用配管の先端部をディストリビュータ本体の輸送管の基端部に、又、移動台上の接続用配管の基端部をアーム上の接続用配管の先端部に、それぞれ水平方向へ回動自在に連結し、更に、上記アーム上の接続用配管の基端部を、アームの回動中心上の位置にて供給配管の先端部に、水平方向へ回動自在に連結した構成としてあるので、上部旋回体によるブームの旋回操作に伴い、揚重機の使用や配管の段取替えを行うことなく、接続用配管を追従変位させることができて、輸送管とコンクリートポンプの供給配管との位置ずれを吸収させることができ、これにより、ブームの旋回操作性を向上させることができて、コンクリート打設作業の合理化を図ることができる。
(2) 高価で且つ頻繁に交換の必要がある接続用のゴムホースを使用しないことから、ランニングコストを低減することができる。
(3) 架台の上面部に円形のレールを設け、且つ該レールに係合させるようにするライナ又は転動体をアームの中間部に取り付けた構成とすることにより、アームを安定して回動変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクローラ式ディストリビュータの接続用配管装置の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】クローラ式ディストリビュータの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 輸送管
1a 基端部
2 ディストリビュータ本体
3 上部旋回体
4 ブーム
7 コンクリートポンプ
8 供給配管
8a 先端部
10 レール
11 架台
13 アーム
14a,14b 接続用配管
15 回転継手
17 移動台
18 ライナ
Claims (2)
- コンクリートポンプから供給配管内に吐出されたコンクリートを、ディストリビュータ本体に有する上部旋回体及びブームに沿わせた輸送管を通して打設するようにしてあるクローラ式ディストリビュータにおける上記ディストリビュータ本体の後方位置に、架台を設置し、該架台の上面部中心位置に、先端部を水平方向へ張り出させるようにしたアームの基端部を水平方向へ回動自在に支持させて、該アーム上に、接続用配管を保持させ、又、上記ディストリビュータ本体と架台との間に移動台を配置して、該移動台上に接続用配管を保持させ、且つ該移動台上の接続用配管の先端部をディストリビュータ本体の輸送管の基端部に、又、移動台上の接続用配管の基端部をアーム上の接続用配管の先端部に、それぞれ水平方向へ回動自在に連結し、更に、上記アーム上の接続用配管の基端部を、アームの回動中心上の位置にて供給配管の先端部に、水平方向へ回動自在に連結した構成を有することを特徴とするクローラ式ディストリビュータの接続用配管装置。
- 架台の上面部に円形のレールを設け、且つ該レールの上面に係合させるライナ又は転動体をアームの中間部に取り付けた請求項1記載のクローラ式ディストリビュータの接続用配管装置。
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