JP3670763B2 - 不揮発性半導体メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体不揮発性メモリに関し、詳しくは、フラッシュEEPROM等のフローティングゲートに記録された、2値または3値以上の情報を読み出す方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、FRAM(Ferro-electric Random Access Memory)、EPROM(Erasable and Programmable Read Only Memory)、EEPROMなどの不揮発性半導体 メモリが注目されている。EPROMやEEPROMでは、浮遊ゲートに電荷を蓄積し、電荷の有無による閾値電圧の変化を制御ゲートによって検出することでデータの記憶を行わせるようになっている。また、EEPROMには、メモリチップ全体でデータの消去を行うかあるいは、メモリセルアレイを任意のブロックに分けてその各ブロック単位でデータの消去を行うフラッシュEEPROMがある。
【0003】
フラッシュEPROMを構成するメモリセルは、スプリットゲート型とスタックトゲート型に大きく分類される。
(スプリットゲート型)
スプリットゲート型のフラッシュEEPROMは、USP5029130
(G1 1C 11/40)に開示されている。
【0004】
図5に、同公報に記載されているスプリットゲート型メモリセル101の断面構造を示す。
P型単結晶シリコン基板102上にN型のソースS及びドレインDが形成されている。ソースSとドレインDに挟まれたチャネルCH上に第1の絶縁膜103を介して浮遊ゲートFGが形成されている。浮遊ゲートFG上に第2の絶縁膜104を介して制御ゲートCGが形成されている。制御ゲートCGの一部は、第1の絶縁膜103を介してチャネル上に配置され、選択ゲート105を構成している。
【0005】
図6に、同公報に記載されているスプリットゲート型メモリセル101を用いたフラッシュEEPROM121の全体構成を示す。
メモリセルアレイ122は、複数のメモリセル101がマトリックス上に配置されて構成されている。行(ロウ)方向に配列された各メモリセル101の制御ゲートCGは、共通のワード線WLa〜WLzに接続されている。列(カラム)方向に配列された各メモリセル101のドレインDは、共通のビット線BLa〜BLに接続されている。全てのメモリセル101のソースSは共通ソース線SLに接続され、その共通ソース線SLは接地されている。
【0006】
各ワード線WLa〜WLzはロウデコ−ダ123に接続され、各ビット線BLa〜BLzはカラムデコーダ124に接続されている。
外部から指定されたロウアドレス及びカラムアドレスは、アドレスパッド125に入力される。そのロウアドレス及びカラムアドレスは、アドレスパッド125からアドレスバッファ126を介してアドレスラッチ127へ転送される。アドレスラッチ127でラッチされた各アドレスのうち、ロウアドレスはロウデコーダ123へ転送され、カラムアドレスはカラムデコ−ダ124へ転送される。ロウデコ−ダ123は、そのロウアドレスに対応した1本のワード線WLa〜WLzを選択し、後記するように、その選択したワード線の電位を各動作モードに対応して制御する。カラムデコ−ダ124は、そのカラムアドレスに対応したビット線BLa〜BLzを選択し、後記するように、その選択したビット線の電位を各動作モードに対応して制御する。
【0007】
外部から指定されたデータは、データパッド128に入力される。そのデータは、データパッド128から入力バッファ129を介してカラムデコ−ダ124へ転送される。カラムデコ−ダ124は、前記のように選択したビット線BLa〜BLzの電位を、そのデータに対応して後記するように制御する。
任意のメモリセル101から読み出されたデータは、ビット線BLa〜BLzからカラムデコ−ダ124を介してセンスアンプ群130へ転送される。センスアンプ群130は、数個のセンスアンプ(図示略)から構成されている。カラムデコ−ダ124は、選択したビット線BLa〜BLzと各センスアンプとを接続する。後記するようにセンスアンプ群130で判別されたデータは出力バッファ131からデータパッド128を介して外部へ出力される。
【0008】
尚、上記各回路(123,124,126,127,129,130,131)の動作は制御コア回路132によって制御される。
次に、フラッシュEEPROM121の各動作モード(消去モード、書き込みモード、読み出しモード)について、図7aを参照して説明する。尚、いずれの動作モードにおいても、共通ソース線SLの電位はグランドレベル(=0V)に保持される。
【0009】
(a)消去モード
消去モードにおいて、全てのビット線BLa〜BLzの電位はグランドレベルに保持される。選択されたワード線WLmには15Vが供給され、それ以外のワード線(非選択のワード線)WLa〜WLl,WLn〜WLzの電位はグランドレベルにされる。そのため、選択されたワード線WLmに接続されている各メモリセル101の制御ゲートCGは15Vに持ち上げられる。
【0010】
ところで、浮遊ゲートFGとドレインDの間の静電容量と、制御ゲートCGと浮遊ゲートFGの間の静電容量とを比べると、前者の方が圧倒的に大きい。そのため、制御ゲートCGが15V、ドレインが0Vの場合、制御ゲートCGと浮遊ゲートFGの間には高電界が生じる。その結果、ファウラー-ノルドハイム・トンネル電流(Fowler-Nordheim Tunnel Current、以下、FNトンネル電流という)が流れ、浮遊ゲートFGの中の電子が制御ゲートCG側へ引き抜かれて、メモリセル101に記憶されたデータの消去が行われる。
【0011】
この消去動作は、選択されたワード線WLmに接続されている全てのメモリセル101に対して行われる。
尚、複数のワード線WLa〜WLzを同時に選択することにより、その各ワード線に接続されている全てのメモリセル101に対して消去動作を行うこともできる。このように、メモリセルアレイ122を複数組のワード線WLa〜WLz毎の任意のブロックに分けてその各ブロック単位でデータの消去を行う消去動作は、ブロック消去と呼ばれる。
【0012】
(b)書き込みモード
書き込みモードにおいて、選択されたメモリセル101の制御ゲートCGに接続されているワード線WLmには1Vが供給され、それ以外のワード線(非選択のワード線)WLa〜WLl,WLn〜WLzの電位はグランドレベルにされる。選択されたメモリセル101のドレインDに接続されているビット線BLmには12Vが供給され、それ以外のビット線(非選択のビット線)BLa〜BLl,BLn〜BLzの電位はグランドレベルにされる。
【0013】
ところで、メモリセル101の閾値電圧Vthは0.5Vである。従って、選択されたメモリセル101では、制御ゲートCGが閾値電圧Vth付近になり、ソースS中の電子は弱反転のチャネルCH中へ移動する。一方、ドレインDに12Vが印加されるため、ドレインDと浮遊ゲートFGとの間の容量を介したカップリングにより、浮遊ゲートFGの電位が持ち上げられる。そのため、制御ゲートCGと浮遊ゲートFGの間には高電界が生じる。従って、チャネルCH中の電子は加速され、ホットエレクトロンとなって浮遊ゲートFGへ注入される。その結果、選択されたメモリセル101の浮遊ゲートFGには電荷が蓄積され、1ビットのデータが書き込まれて記憶される。
【0014】
この書き込み動作は、消去動作と異なり、選択されたメモリセル101毎に行うことができる。
(c)読み出しモード
読み出しモードにおいて、選択されたメモリセル101の制御ゲートCGに接続されているワード線WLmには5Vが供給され、それ以外のワード線(非選択のワード線)WLa〜WLl,WLn〜WLzの電位はグランドレベルにされる。選択されたメモリセル101のドレインDに接続されているビット線BLmには2.5Vが供給され、それ以外のビット線(非選択のビット線)BLa〜BLl,BLn〜BLzはグランドレベルにされる。
【0015】
前記したように、消去状態にあるメモリセル101の浮遊ゲートFG中からは電子が引き抜かれているため、浮遊ゲートFGはプラスに帯電している。また、書き込み状態にあるメモリセル101の浮遊ゲートFG中には電子が注入されているため、浮遊ゲートFGはマイナスに帯電している。従って、消去状態にあるメモリセル101の浮遊ゲートFG直下のチャネルCHはオンしており、書き込み状態にあるメモリセル101の浮遊ゲートFG直下のチャネルCHはオフしている。そのため、制御ゲートCGに5Vが印加されたときに、ドレインDからソースSへ流れる電流(セル電流)は消去状態のメモリセル101の方が書き込み状態のメモリセル101よりも大きくなる。
【0016】
この各メモリセル101間のセル電流の大小をセンスアンプ群130内の各センスアンプで判別することにより、メモリセル101に記憶されたデータの値を読み出すことができる。例えば、消去状態のメモリセル101のデータの値を「1」、書き込み状態のメモリセル101のデータの値を「0」として読み出しを行う。つまり、各メモリセル101に、消去状態のデータ値「1」と、書き込み状態のデータ値「0」の2値を記憶させることができる。
【0017】
この読み出し動作は、消去動作と異なり、選択されたメモリセル101毎に行うことができる。
ちなみに、スプリットゲート型メモリセル101において、ソースSをドレインと呼び、ドレインDをソースと呼ぶフラッシュEEPROMは、WO92/18980(G11C 13/00)に開示されている。図7bに、その場合の各動作モードにおける各部の電位を示す。
【0018】
ところで、近年、フラッシュEEPROMの集積度を向上させるため、メモリセルに消去状態と書き込み状態の2値(=1ビット)を記憶させるだけでなく、3値以上を記憶させるようにした多値メモリが提案されている。
図8に、スプリットゲート型メモリセル101における浮遊ゲートFGの電位Vfgとセル電流値Idの特性を示す。尚、浮遊ゲート電位VfgはソースSに対する浮遊ゲートFGの電位である。
【0019】
読み出しモードにおいて、制御ゲートCGには定電圧(=5V)が印加されているため、制御ゲートCGの直下のチャネルCHは定抵抗として機能する。よって、スプリットゲート型メモリセル101は、浮遊ゲートFGとソースSおよびドレインDとから構成されるトランジスタと、制御ゲートCGの直下のチャネルCHから成る定抵抗とを直列接続したものとみなすことができる。
【0020】
従って、浮遊ゲート電位Vfgが一定値(=3.5V)未満の領域では、トランジスタの特性が支配的となる。そのため、浮遊ゲート電位Vfgがメモリセル101の閾値電圧Vth(=0.5V)未満の領域では、セル電流値Idは零となる。そして、浮遊ゲート電位Vfgが閾値電圧Vthを越えると、セル電流値Idは右肩上がりの特性を示す。また、浮遊ゲート電位Vfgが3.5Vを越える領域では、制御ゲートCGの直下のチャネルCHからなる定抵抗の特性が支配的となり、セル電流Idは飽和する。
【0021】
ところで、浮遊ゲート電位Vfgは、書き込み動作において浮遊ゲートFGに蓄積された電荷によって生じる電位Vfgwと、ドレインDからのカップリングによって生じる電位Vfgcとの和である(Vfg=Vfgw+Vfgc)。読み出し動作において、電位Vfgcは一定であるため、セル電流値Idは電位Vfgwによって一義的に決定される。また、書き込み動作において、浮遊ゲートFGの電荷量は、その動作時間を調整することによって制御することができる。従って、書き込み動作において、その動作時間を調整して浮遊ゲートFGの電荷量を制御することで電位Vfgwを制御すれば、浮遊ゲート電位Vfgを制御することができる。その結果、読み出し動作におけるセル電流値Idを任意に設定することができる。
【0022】
そこで、図8に示すように、セル電流値Idが40μA未満の領域をデータ値「11」、40μA以上80μA未満の領域をデータ値「10」、80μA以上120μA未満の領域をデータ値「01」、120μA以上の領域をデータ値「00」に、それぞれ対応づける。そして、書き込み動作において、浮遊ゲート電位Vfg(=Va,Vb,Vc)が前記各セル電流値Id(=40,80,120μA)に対応した値になるように動作時間を調整する。このようにすれば、1個のメモリセル101に4値(=2ビット)のデータを記憶させることができる。
【0023】
ところが、セル電流値Idにデータの各値を対応させると、浮遊ゲート電位Vfgの変化に対してセル電流値Idの変化が小さい領域については、セル電流値Idによって浮遊ゲート電位Vfgが一義的に決定されず、多値化ができないことになる。つまり浮遊ゲート電位Vfgが0.5〜2.5Vの領域については、浮遊ゲート電位Vfgの変化に対してセル電流値Idの変化が大きいため、セル電流値Idに対して浮遊ゲート電位Vfgが一義的に決定され、セル電流値Idに複数のデータ値を対応させることができる。しかし、浮遊ゲート電位Vfgが0.5V未満や3.5V以上の領域については浮遊ゲート電位Vfgの変化に対してセル電流値Idが変化しないため、セル電流値Idに対して浮遊ゲート電位Vfgが一義的に決定されず、セル電流値Idに複数のデータ値を対応させることができない。
【0024】
このように、スプリットゲート型メモリセル101を用いたフラッシュEEPROMでは、多値化に際して、浮遊ゲート電位Vfgの変化に対してセル電流値Idの変化が多きな領域しか利用することができない。
(スタックトゲート型)
図9に、スタックトゲート型メモリセル201の断面構造を示す。
【0025】
P型単結晶シリコン基板上にN型ソースS及びドレインDが形成されている。ソースSとドレインDに挟まれたチャネルCH上に、第1の絶縁膜203を介して浮遊ゲートFGが形成されている。浮遊ゲートFG上に第2の絶縁膜204を介して制御ゲートCGが形成されている。浮遊ゲートFGと制御ゲートCGとは相互にずれること無く積み重ねられている。従って、ソースS及びドレインDは、各ゲートFG,CG及びチャネルCHに対して対称構造をとる。
【0026】
図10に、スタックトゲート型メモリセル201を用いたフラッシュEEPROM221の全体構成を示す。
フラッシュEEPROM221において、図6に示したスプリットゲート型メモリセル101を用いたフラッシュEEPROM121と異なるのは、以下の点である。
【0027】
(1)メモリセルアレイ122は、複数のメモリセル201がマトリックス状に配置されている。
(2)列方向に配列された各メモリセル201のソースSは、共通のビット線BLa〜BLzに接続されている。
(3)全てのメモリセル201のドレインDは、共通ドレイン線DLに接続されている。共通ドレイン線DLは共通ドレイン線バイアス回路222に接続されている。共通ドレイン線バイアス回路222は、後記するように、共通ドレイン線DLの電位を各動作モードに対応して制御する。共通ドレイン線バイアス回路222の動作は制御コア回路132によって制御される。
【0028】
ところで、本明細書において、スプリットゲート型メモリセル101及びスタックトゲート型メモリセル201におけるソースS及びドレインDの呼称は読み出し動作を基本に決定し、読み出し動作において電位の高いほうをドレイン、電位の低い方をソースと呼ぶことにする。そして、書き込み動作や消去動作においても、ソースS及びドレインDの呼称については読み出し動作におけるそれと同じにする。
【0029】
次に、フラッシュEEPROM221の各動作モード(消去モード、書き込みモード、読み出しモード)について、図11を参照して説明する。
(a)消去モード
消去モードにおいて、全てのビット線BLa〜BLzはオープン状態にされ、全てのワード線WLmの電位はグランドレベルにされる。共通ドレイン線バイアス回路222は、共通ドレイン線DLを介して、全てのメモリセル201のドレインDに12Vを印加する。
【0030】
その結果、FNトンネル電流が流れ、浮遊ゲートFG中の電子がドレインD側へ引き抜かれて、メモリセル201に記載されたデータの消去が行われる。
この消去動作は、選択されたワード線WLmに接続されている全てのメモリセル201に対して行われる。
尚、複数のワード線WLa〜WLzを同時に選択することにより、その各ワード線に接続されている全てのメモリセル201に大して消去動作(ブロック消去)を行うこともできる。
【0031】
(b)書き込みモード
書き込みモードにおいて、選択されたメモリセル201の制御ゲートCGに接続されているワード線WLmには12Vが供給され、それ以外のワード線(非選択のワード線)WLa〜WLl,WLn〜WLzの電位はグランドレベルにされる。選択されたメモリセル201のソースSに接続されているビット線BLmには5Vが供給され、それ以外のビット線(非選択のビット線)BLa〜BLl,BLn〜BLzの電位はグランドレベルにされる。共通ドレイン線バイアス回路222は、共通ドレイン線DLを介して、全てのメモリセル201のドレインDをグランドレベルに保持する。
【0032】
すると、制御ゲートCGからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位が持ち上げられ、ソースSの近傍で発生したホットエレクトロンが浮遊ゲートFGへ注入される。その結果、選択されたメモリセル201の浮遊ゲートFGには電荷が蓄積され、1ビットのデータが書き込まれて記憶される。
(c)読み出しモード
読み出しモードにおいて、選択されたメモリセル201の制御ゲートCGに接続されているワード線WLmには5Vが供給され、それ以外のワード線(非選択のワード線)WLa〜WLl,WLn〜WLzの電位はグランドレベルにされる。全てのビット線BLa〜BLzの電位はグランドレベルにされる。共通ドレイン線バイアス回路222は、共通ドレイン線DLを介して、全てのメモリセル201のドレインDに5Vを印加する。
【0033】
その結果、スプリットゲート型メモリセル101の場合と同様に、ドレインDからソースSへ流れる電流(セル電流)は、消去状態のメモリセル201の方が書き込み状態のメモリセル201よりも大きくなる。従って、各メモリセル201に、消去状態のデータ値「1」と、書き込み状態のデータ値「0」の2値を記憶させることができる。
【0034】
ところで、スタックトゲート型メモリセル201を用いたフラッシュEEPROMでも、多値メモリが提案されている。
図12に、スタックトゲート型メモリセル201における浮遊ゲートFGの電位Vfgとセル電流値Idの特性を示す。尚、浮遊ゲート電位VfgはソースSに対する浮遊ゲートFGの電位である。
【0035】
スタックトゲ−ト型メモリセル201では、浮遊ゲートFGと制御ゲートCGとが相互にずれること無く積み重ねられているため、スプリットゲート型メモリセル101のように制御ゲートCGの直下のチャネルCHが定抵抗として機能せず、トランジスタの機能だけを有する。そのため、浮遊ゲート電位Vfgがメモリセル201の閾値電圧Vth(=1V)未満の領域では、セル電流値Idは零となる。そして、浮遊ゲート電位Vfgが閾値電圧Vthを越えると、セル電流値Idは浮遊ゲート電位Vfgに比例して大きくなる。
【0036】
従って、スタックトゲート型メモリセル201でも、書き込み動作において、その動作時間を調整して浮遊ゲートFGの電荷量を制御することで電位Vfgwを制御すれば、浮遊ゲート電位Vfgを制御することができる。その結果、読み出し動作におけるセル電流値Idを任意に設定することができる。
そこで、図12に示すように、セル電流値Idが40μA未満の領域をデータ値「11」、40μA以上80μA未満の領域をデータ値「10」、80μA以上120μA未満の領域をデータ値「01」、120μA以上160μA未満の領域をデータ値「00」に、それぞれ対応づける。そして、書き込み動作において、浮遊ゲート電位Vfg(=Va,Vb,Vc,Vd)が前記各セル電流値Id(=40,80,120,160μA)に対応した値になるように動作時間を調整する。このようにすれば、1個のメモリセル201に4値(=2ビット)のデータを記憶させることができる。
【0037】
ところが、スタックトゲート型メモリセル201では、消去動作において浮遊ゲートFGから電荷を引き抜く際、電荷を過剰に抜き過ぎると、メモリせる201をオフ状態にするための所定の電圧(=0V)を制御ゲートCGに印加したときでも、チャネルCHがオンしてしまう。その結果、メモリセル201が常にオン状態になり、各動作モード(消去モード、書き込みモード、読み出しモード)を行わないスタンバイ状態でもセル電流が流れて、ビット線を共通とするメモリ−セルの正しいデータ値がすべて読めなくなる、いわゆる過剰消去の問題が起こる。従って、過剰消去の領域をデータの記憶に利用するのは望ましくない。
【0038】
読み出し動作においても、浮遊ゲートFGの電位を決めるのは、制御ゲートCGとのカップリングによって生じる電位Vfgcと、浮遊ゲートFGに蓄積された電荷によって生じる電位Vfgwとの和である(Vfg=Vfgc+Vfgw)。即ち、読み出し動作において、制御ゲートCGからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位が5Vに持ち上げられる状態(Vfgc=5V)では、浮遊ゲート電位VfgからVfgcを差し引いた値が、閾値電圧Vthを越える領域(Vfg−Vfgc=Vfgw>Vth)が過剰消去となる。つまりVfgcが5Vの場合、浮遊ゲート電位Vfgが6V以上の領域が過剰消去となる。
【0039】
また、セル電流値Idにデータの各値を対応させると、浮遊ゲート電位Vfgの変化に対してセル電流値Idの変化が小さい領域については、セル電流値Idによって浮遊ゲート電位Vfgが一義的に決定されず、多値化ができない。つまり、浮遊ゲート電位Vfgが1V未満の領域については浮遊ゲート電位Vfgの変化に大してセル電流値Idが変化しないため、セル電流値Idに対して浮遊ゲート電位Vfgが一義的に決定されず、セル電流値Idに複数のデータ値を対応させることができない。
【0040】
このように、スタックトゲート型メモリセル201を用いたフラッシュEEPROMでは、多値化に際して、浮遊ゲート電位Vfgの変化に倒してセル電流値Idの変化が大きな領域で、且つ、過剰消去でない領域しか利用することができない。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】
単位面積当りのメモリ素子の集積度を上げるためには、多値化は有力な手段の一つであり、近年注目されつつある。
フラッシュEEPROMでは、多値セルデータを読み出す際には、
参照電流値と、読み出しセルのセル電流を比較し、メモリセルに記録されたデータ値(0,1,2,3 等)を判別する。
【0042】
しかしながら、この参照電流とセル電流とを比較して、記録データ値を判別している間には、1セル当り100μA前後の電流を流し続けることが必要であり、消費電力の増加は免れない。
また、メモリセルを多値化すればするほど、記録されている各値と比較するための、参照電流値を多数用意しなければならず、しかも、参照電流値との比較回数が増え、セルあたりの読み出し時間が長くなり、高速化に対応できない問題がある。
【0043】
一方、データの書き込み読み出しを正確に安定に実施するには、誤書き込み、誤読み出しを防止するために、多値の各データ値に対応する浮遊ゲート電位Vfgの範囲、およびセル電流値Idの範囲に、十分なマージン(広い許容範囲)を設けるのが望ましい。
しかし、前記したように、従来タイプのフラッシュEEPROMでは、多値化に際して、浮遊ゲート電位Vfgの変化に対してセル電流値Idの変化が大きな領域しか利用することができない。そのため、多値の各データ値に対応する浮遊ゲート電位Vfgおよびセル電流値Idの範囲に十分なマージンをとるのが難しい。
【0044】
例えば、図8に示すスプリットゲート型メモリセル101では、各データ値に対応するセル電流値Idの範囲は40μAであり、データ値「10」に対応する浮遊ゲート電位Vfgの範囲は0.5V、データ値「01」に対応する浮遊ゲート電位Vfgの範囲は1Vである。
また、図12に示すスタックトゲート型メモリセル201では、各データ値に対応するセル電流値Idの範囲は40μAであり、浮遊ゲート電位Vfgの範囲は1.25Vである。
【0045】
このように、各データ値に対応する浮遊ゲート電位Vfgの範囲が狭いと、書き込み動作において、マージンが少なく、浮遊ゲート電位Vfgを正確に許容範囲内に設定するのが難しくなり、読み出し動作においてもマージンが少ないために、誤読み出しが起きやすい。
この問題は多値化が進むにつれてより顕著に現れ、8値や16値では、4値の場合に比べて、多値の各データ値に対応する浮遊ゲート電位Vfgの範囲およびセル電流値Idの範囲が狭くなる分だけ、書き込み読み出し動作のマージン確保がさらに難しくなる。
【0046】
一方、マージンを確保することだけを目的に電源電圧を上げ、Vfgの上限を上げて、セル電流値の上限を上げれば、読み出しの際に、さらに多くの電流を流しながら、センスアンプでセルのデータ値を検出することになり、前述の消費電力増加の問題をさらに助長することになる。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、読み出し動作において、電力消費が小さく、且つ十分な読み出しマージンを確保することが可能な、不揮発性半導体メモリを提供することにある。
【0047】
【課題を解決するための手段】
請求項1の不揮発性半導体メモリにあっては、浮遊ゲートFGと制御ゲートCGとソースSとドレインDとチャネルCHとから成るメモリセルを有するものであって、浮遊ゲートFGに記録されているデータを読み出す際、参照セルの制御ゲートCGに電圧を印加し、この参照セルがセル電流を流し始めてから前記メモリセルがセル電流を流し始めるまでの時間を計数し、この計数値の大小によって記録データ値を判別するものである。
【0050】
すなわち、データの読み出しは、浮遊ゲートFGに電圧が印加され始めてから、参照セルの浮遊ゲートFGの電位が上昇し、参照セルがセル電流を流し始めてから、参照セルと制御ゲートCGを共通にするメモリセルがセル電流を流し始めるまでの時間を計数する。
こうすることにより、ゲート加工等の、プロセスばらつきに起因するチャネル生成に要する時間変動を、効果的にデータ検出の誤差から除くことができる。
【0051】
そして、この計数値が、例えば、50ns未満を0、50ns以上100ns未満を1、100ns以上150ns未満を2、150ns以上、200ns未満を3とすれば、計数された時間の大小によって記録データ値を判別することができる。
また、請求項2の不揮発性半導体メモリにあっては、前記浮遊ゲートFGに蓄積される電荷の量を制御することで、前記メモリセルに多値データを記録させ、データの読み出しの際には、定電流電源で制御ゲートCGに電圧を印加し、制御ゲートCGからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御するものである。
【0052】
すなわち、読み出しモードにおいて、定電流電源から制御ゲートCGに流れ込む電流の量を調整して、制御ゲートCGの時間当りの電位上昇率が小さくなるように制御する。
また、請求項3の不揮発性半導体メモリにあっては、前記浮遊ゲートFGに蓄積される電荷の量を制御することで、前記メモリセルに多値データを記録させ、データの読み出しの際には、時定数が大きい回路を通して制御ゲートCGに電圧を印加し、制御ゲートCGからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御するものである。
【0053】
すなわち、読み出しモードにおいて、大きな抵抗を持った、時定数が1000ns程度かそれ以上の回路を通して、電圧印加をすることによって、制御ゲートCGの時間当りの電位上昇率が小さくなるように制御する。
また、請求項4の不揮発性半導体メモリにあっては、請求項2又は3に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、時定電流電源で制御ゲートCGに電圧を印加することに代えて、定電流源でドレインD又はソースSに電圧を印加し、ドレインD又はソースSからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御するものである。
【0054】
また、請求項5の不揮発性半導体メモリにあっては、請求項2又は3に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、時定数が大きい回路を通して制御ゲートCGに電圧を印加することに代えて、時定数が大きい回路を通してドレインD又はソースSに電圧を印加し、ドレインD又はソースSからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御するものである。
【0055】
また、請求項6の不揮発性半導体メモリにあっては、クロックによって時間を計数する時間計数器を設けたものである。
また、請求項7の不揮発性半導体メモリにあっては、計数時間の大小によって記録データ値を判別する制御回路を設けたものである。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
本発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に本実施形態のスプリットゲート型メモリセル101を用いたフラッシュEEPROMの全体構成を示す。本実施形態においては、1個のメモリセル101に4値(=2ビット)以上のデータを記憶させることができる。
【0057】
図1において、フラッシュEEPROM1が図6に示す従来のフラッシュEEPROM121と異なるのは読み出しに関する以下の点であり。消去モ−ド、書き込みモードに関する部分については従来例と差がない。
(1)読み出しモードにおいて、カラムデコ−ダでドレインDに電圧を印加する際には、定電流電源2を用いて行う。他のモードでは、この定電流電源2はバイパスされて電圧印加が行われる。
【0058】
(2)読み出しモードにおいて、出力バッファとして時間計数器3が用いられる。これは、ビット線毎に、2ビット以上の計数器を設けておき、共通クロック4によって電圧を印加した時刻と読み出しメモリセルが電流を流し始める時刻との時間差を計数する。
本実施形態におけるスプリットゲート型メモリセルの断面構造は図5に示したものと同様である。読み出しの際は、ドレインDに定電流源2を接続し、ドレインDの電位を時間とともに上昇させる。この時、ドレインDからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgも時間と共に上昇する。浮遊ゲートの電位Vfgがメモリセルの閾値電圧Vthを越えると、浮遊ゲートの下にチャネルCHが生成され、セル電流が流れ始める。
【0059】
本実施形態では、制御ゲートCGと浮遊ゲートFGとの容量Ccfは、ドレインDと浮遊ゲートFGとの容量、及び、浮遊ゲートFGと基板との容量に比べて非常に小さいので、これを無視して以下に説明を続ける。
ドレインDと読み出しメモリセルの浮遊ゲートFGとの間の容量をCdf,浮遊ゲートFGと基板との間の容量(チャネル生成直前)をCfsとし、ドレインDとのカップリングによって、容量Cdf,Cfsに蓄積された正電荷をそれぞれQdf,Qfsとし、ドレインDの電位をVd,浮遊ゲートの電位をVfg,浮遊ゲートと基板との電位差をVfsとすれば、浮遊ゲートFGの電位Vfgが、下記(1)式のようにVthと等しくなったときに、チャネルが生成される。
【0060】
Vfg=Vth=Vfs=Vd−Vdf −−−(1)
本発明ではこれに要した時間tを測定し、書き込まれたデータ値を判別する。
即ち、データの書き込みによって、浮遊ゲートFGに電子(負電荷)−Qwが蓄積された状態で、チャネルが生成される場合は、
Vdf=(Qw+Qdf)/Cdf
Vfs=Vth=Vfg=Qfs/Cfs
Qdf=Qfs
従って、
Vd=Vdf+Vth=(Qw+Qdf)/Cdf+Qfs/Cfs
となり、浮遊ゲートCGに電荷の蓄積が無い場合に比べて、制御ゲートCGに
Qw/Cdfだけ大きな電位を与えないとチャネル生成が起こらず、この分だけチャネル生成に時間を要する。このため、定電流電源2を用い、時間に比例してドレインDに正電荷を与え、制御ゲートCGの電位を上げていけば、データ書き込みによって蓄積された電子の量は、チャネル生成に要する時間によって、一義的に検出される。
【0061】
例えば、4値のデータを判別する場合、時間 t<a の場合が「00」、
a<t<b の場合が「01」、b<t<c の場合が「10」、t>b の場合が「11」(a<b<c<d)、というようにあらかじめ規定しておき、制御コア回路132で比較判定する。
(第2実施形態)
本発明を具体化した第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0062】
本実施形態において、第1実施形態と異なるのは、読み出しに関する以下の点であり。その他の部分については、第1実施形態と同様である。
(1)読み出しモードにおいて、カラムデコ−ダ124でドレインDに電圧を印加する際に、定電流電源2に代えて、図2に示すように、時定数の大きな回路5を通して、通常の定電圧電源6を用いて行う。他のモードでは、この時定数の大きな回路5はバイパスされて電圧印加が行われる。
【0063】
即ち、定電圧電源の出力電圧を V0、回路5の時定数を τ とすれば、読み出しモードにおける、ドレイン電圧Vdは
Vcg = V0[1-exp(-t/τ)]
(τ は時定数,t は時間,V0 は電源電圧)
となる。時定数の大きな回路5には大きな抵抗Rと容量Cが入っており、時定数は1000nsかそれ以上になっている。このように、大きな時定数を持った回路を通してドレインDに電圧を印加すると、時間当りの電圧上昇を小さくでき時間の経過とともに、次第に大きな電圧がドレインDに印加される。このように時定数の大きな回路5を使うことで、時間当りのドレインDの電圧上昇率を小さくでき、この際には第1実施形態と同様に浮遊ゲートにデータ書き込みによって蓄積された電子が多いほど、読み出しメモリセルが閾値電圧に到達するまでに時間が多くかかり、この時間を計数することで書き込まれたデータ値を判別することができる。
(第3実施形態)
本発明を具体化した第3の実施形態を以下に説明する。
【0064】
本実施形態において、第1実施形態と異なるのは、読み出しに関する以下の点であり。その他の部分については、第1実施形態と同様である。
(1)読み出しモードにおいて、出力バッファとなる時間計数器3には、同時に読み出すセルの個数だけ、2ビット以上の計数器を設けておき、共通のクロック4の信号を利用して、読み出しメモリセルのドレインDに電圧を印加した時刻と、読み出しメモリセルが電流を流し始める時刻との時間差を計数する。
【0065】
従って、計数器の個数はデータの入出力線の本数だけ用意すれば足り、全てのビット線に計数器を付けなくて済むために、回路を省略、小規模にできる。
(第4実施形態)
本発明を具体化した第4の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態において、第1実施形態と異なるのは、読み出しに関する以下の点であり。その他の部分については、第1実施形態と同様である。
【0066】
(1)図1において、各ワ−ド線ごとに、参照信号を検出するための参照セルREFa〜REFzを1つずつ設ける。例えば、ビット線BLzにつながっているセルを参照セルREFa〜REFzとする。このセルがセル電流を流し始めた時刻から、読み出しメモリセルがセル電流を流し始める時刻までの時間差を、クロック4の信号を利用して、時間計数器5で計数する。
【0067】
こうすると、データの読み出しは、ドレインDからのカップリングによって、浮遊ゲートFGに電圧が印加され、参照セルの浮遊ゲートFGの電位が上昇し、参照セルが、セル電流を流し始めた信号でクロックによる計数を開始し、参照セルと制御ゲートCGを共通にする、読み出しメモリセルがセル電流を流し始めた信号でクロックによる計数を止め、この2種類の時間差を測定、記録する。こうして、ゲート加工等の、プロセスばらつきがあっても、これに起因する、チャネル生成に要する時間変動を、効果的にデータ検出の誤差から除くことができる。
(第5実施形態)
本発明を具体化した第5の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0068】
図3に本実施形態のスタックトゲート型メモリセル201を用いたフラッシュEEPROMの全体構成を示す。本実施形態においては、1個のメモリセル201に4値(=2ビット)以上のデータを記憶させることができる。
図3において、フラッシュEEPROM2が図10に示す従来のフラッシュEEPROM221と異なるのは読み出しに関する以下の点であり。消去モ−ド、書き込みモードに関する部分については従来例と同様である。
【0069】
(1)読み出しモードにおいて、ロウデコ−ダ123で制御ゲートに電圧を印加する際には、定電流電源2を用いて行う。他のモードでは、この定電流電源2はバイパスされて電圧印加が行われる。
(2)読み出しモードにおいて、出力バッファとして時間計数器3が用いられる。これは、ビット線毎に、2ビット以上の計数器を設けておき、共通クロック4によって電圧を印加した時刻と読み出しメモリセルが電流を流し始める時刻との時間差を計数する。
【0070】
本実施形態におけるスタックトゲート型メモリセルの断面構造は図9に示したものと同様である。読み出しの際は、制御ゲートCGに定電流電源151を繋ぎ、制御ゲートCGの電位を時間とともに上昇させる。この時、制御ゲートCGからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgも時間と共に上昇する。浮遊ゲートの電位Vfgがメモリセル201の閾値電圧Vthを越えるとチャネルCHが生成され、セル電流が流れ始める。
【0071】
制御ゲートCGと読み出しメモリセルの浮遊ゲートFGとの間の容量をCcf,浮遊ゲートFGと基板との間の容量(チャネル生成直前)をCfsとし、制御ゲートCGとのカップリングによって、容量Ccf,Cfsに蓄積された正電荷をそれぞれQcf,Qfsとし、制御ゲートの電位をVcg,浮遊ゲートの電位をVfg,制御ゲートと浮遊ゲートとの電位差をVcf,浮遊ゲートと基板との電位差をVfsとすれば、浮遊ゲートFGの電位Vfgが、下記(2)式のようにVthと等しくなったときに、チャネルが生成される。
【0072】
Vfg=Vth=Vfs=Vcg−Vcf −−−(2)
本発明ではこれに要した時間tを測定し、書き込まれたデータ値を判別する。
即ち、データの書き込みによって、浮遊ゲートCGに電子(負電荷)−Qwが蓄積された状態で、チャネルが生成される場合は、
Vcf=(Qw+Qcf)/Ccf
Vfs=Vth=Vfg=Qfs/Cfs
Qcf=Qfs
従って、
Vcg=Vcf+Vth=(Qw+Qcf)/Ccf+Qfs/Cfs
となり、浮遊ゲートCGに電荷の蓄積が無い場合に比べて、制御ゲートCGにQw/Ccfだけ大きな電位を与えないとチャネル生成が起こらず、この分だけチャネル生成に時間を要する。このため、定電流電源2を用い、時間に比例して制御ゲートCGに正電荷を与え、制御ゲートCGの電位を上げていけば、データ書き込みによって蓄積された電子の量は、チャネル生成に要する時間によって、一義的に検出される。
【0073】
例えば、4値のデータを判別する場合、時間 t<a の場合が「00」、
a<t<b の場合が「01」、b<t<c の場合が「10」、t>b の場合が「11」(a<b<c<d)、というようにあらかじめ規定しておき、制御コア回路132で比較判定する。
(第6実施形態)
本発明を具体化した第6の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0074】
本実施形態において、第5実施形態と異なるのは、読み出しに関する以下の点であり。その他の部分については、第5実施形態と同様である。
(1)読み出しモードにおいて、ロウデコ−ダ123で制御ゲートFGに電圧を印加する際には、図4に示した時定数の大きな回路5を通して、通常の定電圧電源6を用いて行う。他のモードでは、この時定数の大きな回路5はバイパスされて電圧印加が行われる。
【0075】
即ち、定電圧電源の出力電圧をV0、回路5の時定数をτとすれば、読み出し モードにおける制御ゲート電圧Vcgは
Vcg = V0[1-exp(-t/τ)]
(τ は時定数,t は時間,V0 は電源電圧)
となる。時定数の大きな回路5には大きな抵抗Rと容量Cが入っており、時定数は1000nsかそれ以上になっている。このように、大きな時定数を持った回路を通してドレインDに電圧を印加すると、時間当りの電圧上昇を小さくでき時間の経過とともに、次第に大きな電圧がドレインDに印加される。このように時定数の大きな回路5を使うことで、時間当りのドレインDの電圧上昇率を小さくでき、この際には第5実施形態と同様に浮遊ゲートにデータ書き込みによって蓄積された電子が多いほど、読み出しメモリセルが閾値電圧に到達するまでに時間が多くかかり、この時間を計数することで書き込まれたデータ値を判別することができる。
(第7実施形態)
本発明を具体化した第7の実施形態を以下に説明する。
【0076】
本実施形態において、第5実施形態と異なるのは、読み出しに関する以下の点であり。その他の部分については、第5実施形態と同様である。
(1)読み出しモードにおいて、出力バファとなる時間計数器3には、同時に読み出すセルの個数だけ、2ビット以上の計数器を設けておき、共通のクロック4の信号を利用して、読み出しメモリセルの制御ゲートCGに電圧を印加した時刻と、読み出しメモリセルが電流を流し始める時刻との時間差を計数する。
【0077】
従って、計数器の個数はデータの入出力線の本数だけ用意すれば足り、全てのビット線に計数器を付けなくて済むために、回路を省略して、小規模にできる。
(第8実施形態)
本発明を具体化した第8の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態において、第5実施形態と異なるのは、読み出しに関する以下の点であり。その他の部分については、第5実施形態と同様である。
【0078】
(1)図3において、各ワード線ごとに、参照信号を検出するための参照セルREFa〜REFzを1つずつ設ける。例えば、ビット線BLzにつながっているセルを参照セルREFa〜REFzとする。このセルがセル電流を流し始めた時刻から、読み出しメモリセルがセル電流を流し始める時刻までの時間差を、クロック4の信号を利用して、時間計数器5で計数する。
【0079】
こうすると、データの読み出しは、制御ゲートCGからのカップリングによって、浮遊ゲートFGに電圧が印加され、参照セルの浮遊ゲートFGの電位が上昇し、参照セルが、セル電流を流し始めた信号でクロックによる計数を開始し、参照セルと制御ゲートCGを共通にする、読み出しメモリセルがセル電流を流し始めた信号でクロックによる計数を止め、この2種類の時間差を測定、記録する。こうして、ゲート加工等の、プロセスばらつきがあっても、これに起因する、チャネル生成に要する時間変動を、効果的にデータ検出の誤差から除くことができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明の不揮発性半導体メモリにあっては、2値または3値以上の多値データを記憶させたメモリセルのデータの読みだし動作において、十分な読み出しマージンを確保することが可能であるので、データの読み出しを正確に行うことができる。
【0081】
また、セル電流をほとんど流さずに多値データを判別できるので、消費電力の少ない、不揮発性半導体メモリを供給することが可能である。しかも、消費電力が少ないことによって、多数のセルを一括読み出しができ、データ読み出し速度の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるスプリットゲート型メモリセルを用いたフラッシュEEPROMの全体構成図である。
【図2】時定数の大きな回路及び定電圧電源を示す図である。
【図3】本発明の実施形態におけるスタックトゲ−ト型メモリセルを用いたフラッシュEEPROMの全体構成図である。
【図4】時定数の大きな回路及び定電圧電源を示す図である。
【図5】スプリットゲート型メモリセルの断面構造である。
【図6】従来のスプリットゲート型メモリセルを用いたフラッシュEEPROMの全体構成図である。
【図7】従来のフラッシュEEPROMにおける各動作モードの説明図である。
【図8】スプリットゲート型メモリセルにおける浮遊ゲートFGの電位Vfgとセル電流値Idの特性を示す図である。
【図9】スタックトゲート型メモリセルの断面構造を示す図である。
【図10】従来のスタックトゲート型メモリセルを用いたフラッシュEEPROMの全体構成図である。
【図11】従来のフラッシュEEPROMにおける各動作モードの説明図である。
【図12】スタックトゲート型メモリセルにおける浮遊ゲートFGの電位Vfgとセル電流値Idの特性を示す図である。
【符号の説明】
2 定電流電源
3 時間計数器
4 クロック
5 時定数の大きな回路
6 定電圧電源
101、201 メモリセル
132 制御コア回路
Claims (7)
- 浮遊ゲートFGと制御ゲートCGとソースSとドレインDとチャネルCHとから成るメモリセルを有する不揮発性半導体メモリにおいて、
浮遊ゲートFGに記録されているデータを読み出す際、参照セルの制御ゲートCGに電圧を印加し、この参照セルがセル電流を流し始めてから前記メモリセルがセル電流を流し始めるまでの時間を計数し、この計数値の大小によって記録データ値を判別することを特徴とした不揮発性半導体メモリ。 - 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、前記浮遊ゲートFGに蓄積される電荷の量を制御することで、前記メモリセルに多値データを記録させ、データの読み出しの際には、定電流電源で制御ゲートCGに電圧を印加し、制御ゲートCGからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御することを特徴とした不揮発性半導体メモリ。
- 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、前記浮遊ゲートFGに蓄積される電荷の量を制御することで、前記メモリセルに多値データを記録させ、データの読み出しの際には、時定数が大きい回路を通して制御ゲートCGに電圧を印加し、制御ゲートCGからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御することを特徴とした不揮発性半導体メモリ。
- 請求項2又は3に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、定電流電源で制御ゲートCGに電圧を印加することに代えて、定電流源でドレインD又はソースSに電圧を印加し、ドレインD又はソースSからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御することを特徴とした不揮発性半導体メモリ。
- 請求項2又は3に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、時定数が大きい回路を通して制御ゲートCGに電圧を印加することに代えて、時定数が大きい回路を通してドレインD又はソースSに電圧を印加し、ドレインD又はソースSからのカップリングによって浮遊ゲートFGの電位Vfgを制御することを特徴とした不揮発性半導体メモリ。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、クロックによって時間を計数する時間計数器を有することを特徴とした不揮発性半導体メモリ。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の不揮発性半導体メモリにおいて、計数時間の大小によって記録データ値を判別する制御回路を設けたことを特徴とする不揮発性半導体メモリ。
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