JP4273558B2 - 不揮発性半導体記憶装置およびその消去ベリファイ方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置およびその消去ベリファイ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、不揮発性半導体記憶装置およびその消去ベリファイ方法に関し、特に、ローカルセルフブースト法を用いて多値並列書き込みを行うようにした多値型のNAND型フラッシュメモリに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種記録装置やハードディスク装置に比べて電気的特性に優れたフラッシュメモリが映像・音声機器や携帯用情報機器等における記録媒体として普及しつつある。フラッシュメモリは、電気的書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置であり、大別してそのメモリセルの接続関係および構造からNOR型とNAND型とに分けられる。
【0003】
NOR型フラッシュメモリは、各々のメモリセルがビット線に接続されており、サイズおよびコスト面で不利であるがランダムアクセスが可能とされている。一方、NAND型フラッシュメモリは、NANDストリングと称される直列接続された所定メモリセル毎に選択トランジスタを介してビット線と接続されている。
【0004】
図13に、NAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイの等価回路を示す。図13に示すように、NANDストリングは、例えば、選択トランジスタDSと、16個のメモリセルM1 〜M16と、選択トランジスタSSとにより構成されている。このNANDストリングにおいては、メモリセルM1 〜M16が直列に接続されている。そして、メモリセルM1 のドレインが選択トランジスタDSを介してビット線BLと接続されていると共に、メモリセルM16のソースが選択トランジスタSSを介してソース線SLと接続されている。メモリセルM1 〜M16は、スタックゲート型のnチャネルMOSトランジスタからなり、選択トランジスタDSおよび選択トランジスタSSはnチャネルMOSトランジスタからなる。これらのメモリセルM1 〜M16、選択トランジスタDSおよび選択トランジスタSSのうち、チャネル長方向に互いに隣接するもの同士は、ソース領域またはドレイン領域となるn+ 型拡散層を共有している。また、選択トランジスタSSのソース領域となるn+ 型拡散層はチャネル幅方向に延在しており、ソース線SLを構成している。これらのメモリセルM1 〜M16、選択トランジスタDSおよび選択トランジスタSSは、例えば、Si基板に設けられたpウェル101中に形成される。
【0005】
NANDストリングを構成するメモリセルM1 〜M16のコントロールゲートは、それぞれワード線WL1〜WL16と接続されている。また、選択トランジスタDSのゲートは選択ゲート線DSGと接続され、選択トランジスタSSのゲートは選択ゲート線SSGと接続されている。
【0006】
NAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイは、上述のように構成されたNANDストリングが行方向および列方向にマトリクス状に配列されて構成されている。このメモリセルアレイは、複数の行ブロック(以下、単にブロックと称する)に分割されている。各ブロック内においては、行方向に、ワード線および選択ゲート線を共有する所定数のNANDストリングが並列に配列されている。このブロックは、メモリセルに記憶されたデータを消去する際の消去単位となっている。
【0007】
このように、NAND型フラッシュメモリにおいては、直列接続された所定数のメモリセルからなるNANDストリング毎にビット線と接続されていることにより、NOR型フラッシュメモリに比べてビット当たりの占有面積が小さく、記憶容量の大容量化に適しているという特徴がある。さらに、近年では、フラッシュメモリチップの集積度の向上に加えて、記憶方式に関しても1つのメモリセルに複数ビットの情報を蓄えるようにした、いわゆる多値記憶方式が開発されており、NAND型フラッシュメモリの記憶容量は益々大容量化されている。
【0008】
図14は、1つのメモリセルに2ビットからなり4値をとるデータを記憶することが可能な4値型のNAND型フラッシュメモリにおける、メモリセルのしきい値電圧の分布と記憶データ内容との対応関係を示す。
【0009】
この場合、図14に示すように、メモリセルのしきい値電圧Vthは、データ”00”、”01”、”10”、”11”に対応した4状態をとる。すなわち、図14において、分布Aはデータ”00”が書き込まれて第3の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Bはデータ”01”が書き込まれて第2の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Cはデータ”10”が書き込まれて第1の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布である。また、分布Dはデータ”11”が書き込まれて負のしきい値電圧の消去状態とされるメモリセルの分布である。なお、図14においては、書き込みベリファイ動作時の各プログラム状態に対応する選択ワード線電圧がVVF1,VVF2,VVF3 で示され、読み出し動作時の各プログラム状態に対応する選択ワード線電圧がVRD1,VRD2,VRD3 で示されている。その大小関係は、VVF3 >VRD3 >VVF2 >VRD2 >VVF1 >VRD1 である。
【0010】
また、図15は、1つのメモリセルに3ビットからなり8値をとるデータを記憶することが可能な8値型のNAND型フラッシュメモリにおける、メモリセルのしきい値電圧の分布と記憶データ内容との対応関係を示す。
【0011】
この場合、図15に示すように、メモリセルのしきい値電圧Vthは、データ”000”、”001”、”010”、”011”、”100”、”101”、”110”、”111”に対応した8状態をとる。すなわち、図15において、分布Aはデータ”000”が書き込まれて第7の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Bはデータ”001”が書き込まれて第6の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Cはデータ”010”が書き込まれて第5の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Dはデータ”011”が書き込まれて第4の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Eはデータ”100”が書き込まれて第3の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Fはデータ”101”が書き込まれて第2の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Gはデータ”110”が書き込まれて第1の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布である。また、分布Hはデータ”111”が書き込まれて負のしきい値電圧の消去状態とされるメモリセルの分布である。なお、図15においては、書き込みベリファイ動作時の各プログラム状態に対応する選択ワード線電圧がVVF1,VVF2,VVF3,VVF4,VVF5,VVF6,VVF7 で示され、読み出し動作時の各プログラム状態に対応する選択ワード線電圧がVRD1,VRD2,VRD3,VRD4,VRD5,VRD6,VRD7 で示されている。その大小関係は、VVF7 >VRD7 >VVF6 >VRD6 >VVF5 >VRD5 >VVF4 >VRD4 >VVF3 >VRD3 >VVF2 >VRD2 >VVF1 >VRD1 である。
【0012】
多値型のNAND型フラッシュメモリにおいては、上述のようなメモリセルのしきい値電圧と記憶データとの対応関係に基づいて、データの書き込みおよび読み出しがなされる。
【0013】
このような多値型のNAND型フラッシュメモリにおいては、メモリセルにデータを書き込む際に、その書き込み速度向上のため、ビット線に書き込みデータに応じた複数レベルの電圧を与えて多値データを同時に書き込む、いわゆる多値並列書き込み方式が用いられる。
【0014】
また、1つのメモリセルが複数のプログラム状態を有する多値型のNAND型フラッシュメモリでは、書き込み時のディスターブによる誤動作を防ぐ必要がある。これを実現する手法として、例えば、セルフブースト(Self Boost)法やローカルセルフブースト(Local Self Boost)法が知られている。これらのセルフブースト法やローカルセルフブースト法は、書き込み対象のワード線(選択ワード線)上に存在する非書き込みセルのフローティングゲートへの電子注入を防ぐために、その非書き込みセルが含まれるNANDストリングを選択トランジスタの働きによりビット線から切り離し、非書き込みセルのチャネル電位をワード線との容量結合によって所定の書き込み禁止電位に昇圧させ、これによって、非書き込みセルへの書き込みを行わないようにする方法である。
【0015】
このとき、セルフブースト法やローカルセルフブースト法では、ビット線側の選択ゲート線(図13における選択ゲート線DSG)はVccレベルに設定されるため、ビット線を介してNANDストリング中のメモリセルのチャネルに供給できる電圧は、ビット線側の選択トランジスタ(図13における選択トランジスタDS)によってVcc−VthDSに制限される(ただし、VthDSはビット線側の選択トランジスタのしきい値電圧)。このため、書き込み時にビット線に印加できる電圧の上限は、Vcc−VthDSからマージンを見た電圧、例えば1.5V程度となる。
【0016】
多値並列書き込みを行う場合は、上述の点を考慮して、書き込みデータに応じたビット線電圧が設定される。具体的には、4値型のNAND型フラッシュメモリにおいては、例えば、書き込みデータが”00”の場合のビット線電圧は0V、書き込みデータが”01”の場合のビット線電圧は1.2V、書き込みデータが”10”の場合のビット線電圧は1.4V、書き込みデータが”11”の場合のビット線電圧はVccレベル(Vccは電源電圧)といった具合に、書き込みデータに応じてビット線電圧が設定される。また、8値型のNAND型フラッシュメモリにおいては、例えば、書き込みデータが”00x”(x:0または1)の場合のビット線電圧は0V、書き込みデータが”01x”(x:0または1)の場合のビット線電圧は1.2V、書き込みデータが”10x”(x:0または1)の場合のビット線電圧は1.4V、書き込みデータが”110”の場合のビット線電圧は1.4V、書き込みデータが”111”(データ非書き込み)の場合のビット線電圧はVccといった具合に、書き込みデータに応じてビット線電圧が設定される。
【0017】
以下に、特開平8−279297号公報に開示されているローカルセルフブースト法の動作原理について具体的に説明する。図16は、このローカルセルフブースト法の動作原理の説明に用いるNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイの等価回路図である。なお、図16において、NANDストリングA1,A2は、メモリセルアレイの同一ブロック内に配列されたものであり、それぞれ図13に示すNANDストリングと同様に構成されている。ここでは、ワード線WL1〜WL16のうちワード線WL6を選択ワード線とし、このワード線WL6上のメモリセルにページ単位で多値データを同時に書き込み、この際、ワード線WL6上の選択メモリセルのうち、ビット線BL1と接続されるNANDストリングA1中の選択メモリセルM6-1 に所定のデータを書き込むようにし、ビット線BL2と接続されるNANDストリングA2中の選択メモリセルM6-2 にはデータの書き込みを行わないものとして説明する。
【0018】
図16に示すように、ローカルセルフブースト法を用いて選択されたメモリセルにデータを書き込む場合は、ビット線BL1,BL2に書き込みデータに応じたビット線電圧が印加される。このとき、データ書き込み側のビット線BL1には0〜1.4Vが印加され、データ非書き込み側のビット線BL2にはVccが印加される。そして、選択ワード線であるワード線WL6に所定のプログラム電圧VPGM (例えば18V程度)が印加される。このとき、セルフブースト法においては、全ての非選択ワード線に書き込みパス電圧Vpass(<VPGM 、例えば10V程度)が印加されるのに対して、このローカルセルフブースト法においては、選択ワード線に隣接する非選択ワード線、すなわちワード線WL5,WL7に書き込みパス電圧Vpassより低い電圧(例えば0V)が印加され、残りの非選択ワード線、すなわちワード線WL1〜WL4,WL8〜WL16に書き込みパス電圧Vpassが印加される。また、選択トランジスタDS1,DS2のゲートと接続される選択ゲート線DSGにVccが印加され、選択トランジスタSS1,SS2のゲートと接続される選択ゲート線SSG、ソース線SLおよびNANDストリングA1,A2が設けられるpウェル101には0Vが印加される。
【0019】
これにより、選択ワード線であるワード線WL6上の選択メモリセルM6-1 、M6-2 のうち、データ書き込みとされる選択メモリセルM6-1 においては、そのコントロールゲートに印加されるプログラム電圧VPGM とチャネル電位との電界によってFNトンネリング現象が起こり、データの書き込みがなされる。一方、データ非書き込みとされる選択メモリセルM6-2 においては、チャネルがワード線との容量結合によって書き込み禁止電位に昇圧され、データの書き込みが行われない。
【0020】
この際、このローカルセルフブースト法においては、データ非書き込みとされる選択メモリセルM6-2 が含まれるNANDストリングA2のチャネル全体の電位が、ビット線BL2側からの充電によってVcc−VthDSレベルに達すると、そのNANDストリングA2中の選択トランジスタDS2がカットオフする。これにより、そのNANDストリングA2中のメモリセルのチャネルはビット線BL2から切り離され、選択ワード線および非選択ワード線との容量結合によって昇圧される。このとき、選択ワード線(WL6)に隣接する非選択ワード線(WL5,WL7)の印加電圧が0Vであることにより、その昇圧の途中で、選択メモリセルM6-2 の両側に隣接するメモリセルM5-2 、M7-2 がカットオフし、その後、選択メモリセルM6-2 のチャネルは選択ワード線(WL6)との容量結合によって昇圧される。その結果、この選択メモリセルM6-2 のチャネルは、セルフブースト法を用いた場合よりも高い書き込み禁止電位に昇圧される。
【0021】
このように、ローカルセルフブースト法は、セルフブースト法に比べて、データ非書き込みとされる選択メモリセルが書き込み時にディスターブ(VPGM ディスターブ)を受けにくいという利点がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の2値型のNAND型フラッシュメモリにおいては、特に消去ベリファイを行わず、消去動作時に十分に消去パルスを与えてメモリセルのデータ消去を行っていた。これは、消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布が、動作に対して特に問題となることが無かったためである。
【0023】
しかしながら、多値型のNAND型フラッシュメモリにおいては、上述のローカルセルフブースト法を用いて多値並列書き込みを行う場合、その動作上の制限として、消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布を所定の範囲内にする必要がある。この理由について具体的に説明する。
【0024】
すなわち、図16に示すように、多値並列書き込みを行う場合、ビット線BL1,BL2に書き込みデータに応じたビット線電圧が印加される。このとき、ローカルセルフブースト法を用いた場合は、選択ワード線(WL6)にプログラム電圧VPGM が印加され、選択ワード線に隣接する非選択ワード線(WL5,WL7)に0Vが印加され、残りの非選択ワード線(WL1〜WL4,WL8〜WL16)に書き込みパス電圧Vpassが印加される。
【0025】
ここで、NAND型フラッシュメモリにおいては、選択メモリセルM6-1 ,M6-2 よりもビット線BL1,BL2とのコンタクト部に近い側に存在するメモリセルM1-1 〜M5-1 、M1-2 〜M5-2 は、この時点では、通常、未書き込み状態で消去状態とされている。この場合、データ書き込み側のNANDストリングA1においては、選択メモリセルM6-1 よりもビット線BL1とのコンタクト部に近い側に存在する消去状態のメモリセルM5-1 のコントロールゲートに0Vが印加されることになる。このとき、メモリセルM5-1 のしきい値電圧がある値、例えば−1.5V以下になっていないと、NANDストリングA1のチャネル全体がある程度充電された時点でこのメモリセルM5-1 がカットオフ状態となるため、データの書き込みを行うべき選択メモリセルM6-1 のチャネルにビット線BL1からの電圧を伝えることができなくなり、多値データの書き込みを行うことができなくなるという問題が生じる。
【0026】
また、データ書き込み側のNANDストリングA1においては、ビット線BL1側の選択トランジスタDSがオン状態であることにより、このNANDストリングA1のチャネルはビット線BL1と同電位(0〜1.4V)となっている。この場合、コントロールゲートに書き込みパス電圧Vpassが印加されるメモリセルM1-1 〜M4-1 、M8-1 〜M16-1においては、Vpassとチャネル電位との電界により弱いFNトンネリング現象が起こり、ディスターブ(Vpassディスターブ)を受ける。このとき、書き込み開始前(消去状態)の選択メモリセルM6-1 のしきい値電圧が極端に低く、例えば−8V以下であると、この選択メモリセルM6-1 が所望のプログラム状態とされるまでに必要な書き込み回数(書き込み時間)が増加するため、メモリセルM1-1 〜M4-1 、M8-1 〜M16-1のディスターブ耐性が低下するという問題が生じる。
【0027】
このように、多値型のNAND型フラッシュメモリにおいて、ローカルセルフブースト法を用いて多値並列書き込みを行う場合は、多値並列書き込みを実現する観点から消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の上限を例えば−1.5Vとする必要があり、書き込み時のディスターブ耐性の向上を図る観点から消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の下限を例えば−8V程度とする必要がある。したがって、多値型のNAND型フラッシュメモリメモリにおいては、信頼性の向上を図るために、書き込み時に書き込みベリファイを行うようにしているのと同様に、消去時にも消去ベリファイを行う必要がある。この際、回路規模の増大を抑制する観点から、書き込みベリファイ時のしきい値電圧の判定と、消去ベリファイ時のしきい値電圧の判定とを同一のセンスアンプ回路を用いて行うのが現実的である。
【0028】
しかしながら、現状のNAND型フラッシュメモリでは、書き込みベリファイ時に使用しているセンスアンプ回路を用いて消去ベリファイを行おうとすると、必要とされるしきい値電圧の判定ができないという問題がある。
【0029】
すなわち、書き込みベリファイ時のしきい値電圧の判定は、ビット線側の選択ゲート線、ソース線側の選択ゲート線および非選択ワード線に所定のハイレベルの電圧、P5V(読み出し時のパス電圧で例えば6V程度)を印加した状態で、選択ワード線に所定の電圧を印加してNANDストリング中の選択メモリセルに対して読み出しを実行し、セル電流の有無をセンスアンプ回路で検出することにより行われる。このとき、ソース線およびNANDストリングが設けられるpウェルには、それぞれ0Vが印加される。
【0030】
この書き込みベリファイの場合、セル電流が所定の判定電流以下であれば、選択メモリセルのしきい値電圧が所望のプログラム状態に達している(書き込み十分)と判定され、セル電流が所定の判定電流以上であれば、選択メモリセルのしきい値電圧が所望のプログラム状態に達していない(書き込み不十分)と判定される。ここで、この書き込みベリファイ時の判定電流は、読み出しを行う際に誤動作を引き起こすAGL(Array Ground Line )ノイズの影響を無くすために、通常、1μA程度とされている。
【0031】
一方、消去ベイリファ時のしきい値電圧の判定は、ビット線側の選択ゲート線およびソース線側の選択ゲート線にP5Vを印加した状態で、全ワード線に0Vを印加してNANDストリング中の全メモリセルに対して読み出しを実行し、セル電流の有無をセンスアンプ回路で検出することにより行うことが可能である。このとき、書き込みベリファイ時と同様に、ソース線およびNANDストリングが設けられるpウェルには、それぞれ0Vが印加される。
【0032】
この消去ベリファイの場合、セル電流が所定の判定電流以上であれば、そのNANDストリング中の全メモリセルのしきい値電圧が所望の消去状態に達している(消去十分)と判定され、セル電流が所定の判定電流以下であれば、そのNANDストリング中にしきい値電圧が所望の消去状態に達していないメモリセルが含まれる(消去不十分)と判定される。ここで、図17に、消去状態のメモリセルに対してワード線に0Vを印加して読み出しを実行した時の、メモリセルのしきい値電圧とセル電流との関係を示す。図17より、しきい値電圧が−1.5Vのメモリセルに対してワード線に0Vを印加して読み出しを実行した場合、2.8μAのセル電流が流れることがわかる。言い換えれば、消去ベリファイ時に、メモリセルのしきい値電圧が−1.5V以下であるかを判定するためには、2.8μAの判定電流が必要であり、書き込みベリファイ時と同じ1μAの判定電流では、本来必要とされるしきい値電圧の判定を行うことができないことがわかる。
【0033】
このように、現状のNAND型フラッシュメモリにおいては、書き込みベリファイ時と消去ベリファイ時とで必要とされる判定電流に大きな開きがあるため、何らかの改善が必要となっている。
【0034】
したがって、この発明の目的は、消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルを所望のしきい値電圧にするために必要なメモリセルのしきい値電圧の判定を、書き込みベリファイ動作時にメモリセルのしきい値電圧を判定する際に用いる判定電流と同一の判定電流で行うことができる不揮発性半導体記憶装置およびその消去ベリファイ方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の発明は、
第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数のメモリセルによってストリングが構成されていると共に、ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによってしきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置であって、
メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し用電圧を印加してメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、ソース線に所定の逆方向電圧を印加するようにしたソース線電圧制御手段と、
セル電流および判定電流に基づきメモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路と
を有し、
ソース線に逆方向電圧を印加することにより消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
センスアンプ回路は、メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の電圧を印加してメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、消去ベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧を判定するようにしたことを特徴とするものである。
【0036】
この発明の第2の発明は、
第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数のメモリセルによってストリングが構成されていると共に、ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによってしきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置であって、
メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し用電圧を印加してメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、第1導電型の半導体領域に所定の逆方向電圧を印加するようにした基板電圧制御手段と、
セル電流および判定電流に基づきメモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路と
を有し、
第1導電型の半導体領域に逆方向電圧を印加することにより消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
センスアンプ回路は、メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の電圧を印加してメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、消去ベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧を判定するようにしたことを特徴とするものである。
【0037】
この発明の第3の発明は、
第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数のメモリセルによってストリングが構成されていると共に、ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによってしきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法であって、
メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し用電圧を印加してメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、ソース線に所定の逆方向電圧を印加し、
ソース線に逆方向電圧を印加することにより消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
セル電流および判定電流に基づきメモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路により、メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の電圧を印加してメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、消去ベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧を判定するようにしたことを特徴とするものである。
【0038】
この発明の第4の発明は、
第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数のメモリセルによってストリングが構成されていると共に、ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによってしきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法あって、
メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し電圧を与えてメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、第1導電型の半導体領域に所定の逆方向電圧を印加し、
第1導電型の半導体領域に逆方向電圧を印加することにより消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
セル電流および判定電流に基づきメモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路により、メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の電圧を印加してメモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、消去ベリファイ動作時のメモリセルのしきい値電圧を判定するようにしたことを特徴とするものである。
【0039】
この発明において、消去ベリファイ動作時のしきい値電圧の判定は、書き込みベリファイ動作時のしきい値電圧の判定に用いるセンスアンプ回路と同一のものを用いて行われる。また、メモリセルは、nビット(ただしnは自然数)のデータを記憶するために、2n −1個のプログラム状態と、消去状態とを有する。
【0040】
この発明において、典型的には、第1導電型の半導体領域はp型半導体領域であり、メモリセルを構成する第2導電型チャネルの電界効果トランジスタはnチャネル電界効果トランジスタであり、ソース線を構成する第2導電型の拡散層はn型拡散層である。この場合、消去状態とは、メモリセルが所定の負のしきい値電圧とされる状態に対応し、プログラム状態とは、メモリセルが所定の正のしきい値電圧とされる状態に対応する。また、消去ベリファイ動作時には、例えば、ワード線に0Vを印加した状態でメモリセルに対して読み出しを実行し、セル電流の有無を検出することにより、メモリセルのしきい値電圧の判定を行う。
【0041】
この発明において、ストリングおよびソース線が設けられる第1導電型の半導体領域は、好適には、第1導電型の半導体基板に設けられた第2導電型の半導体領域中に設けられる。
【0042】
この発明の第1の発明および第3の発明において、第1導電型の半導体領域がp型半導体領域であり、メモリセルを構成する第2導電型チャネルの電界効果トランジスタがnチャネル電界効果トランジスタであり、ソース線を構成する第2導電型の拡散層がn型拡散層である場合、消去ベリファイ動作時にソース線に正の電圧を印加し、メモリセルの見かけ上のしきい値電圧を上昇させることで、セル電流を低減させるようにして、メモリセルのしきい値電圧を判定する。
【0043】
この発明の第2の発明および第4の発明において、第1導電型の半導体領域がp型半導体領域であり、メモリセルを構成する第2導電型チャネルの電界効果トランジスタがnチャネル電界効果トランジスタであり、ソース線を構成する第2導電型の拡散層がn型拡散層である場合、消去ベリファイ動作時に第1導電型の半導体領域に負の電圧を印加し、メモリセルの見かけ上のしきい値電圧を上昇させることで、セル電流を低減させるようにして、メモリセルのしきい値電圧を判定する。
【0044】
この発明において、消去ベリファイ動作時には、好適には、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限および/または下限に対応するしきい値電圧の判定を行う。
【0045】
この発明の第1の発明および第3の発明においては、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合と、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧の下限に対応するしきい値電圧の判定を行うを場合とでソース線に印加する逆方向電圧を変化させる。具体的には、第1導電型の半導体領域がp型半導体領域であり、メモリセルを構成する第2導電型チャネルの電界効果トランジスタがnチャネル電界効果トランジスタであり、ソース線を構成する第2導電型の拡散層がn型拡散層である場合、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧の上限に対応するしきい値電圧を判定するときにはソース線に第1の正の電圧を印加し、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧の下限に対応するしきい値電圧を判定するときにはソース線に第1の正の電圧より高い第2の正の電圧を印加する。
【0046】
この発明の第2の発明および第4の発明においては、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧の上限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合と、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧の下限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合とで第1導電型の半導体領域に印加する逆方向電圧を変化させる。具体的には、第1導電型の半導体領域がp型半導体領域であり、メモリセルを構成する第2導電型チャネルの電界効果トランジスタがnチャネル電界効果トランジスタであり、ソース線を構成する第2導電型の拡散層がn型拡散層である場合、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧の上限に対応するしきい値電圧を判定するときには第1導電型の半導体領域に第1の負の電圧を印加し、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧の下限に対応するしきい値電圧を判定するときには第1導電型の半導体領域に第1の負の電圧より低い第2の負の電圧を印加する。
【0047】
この発明において、不揮発性半導体記憶装置は、典型的には、メモリセルに2ビット以上の多値データを記憶するようにしたものである。この場合、書き込み速度の向上を図る観点から、書き込み動作時には、書き込みデータに応じてビット線電圧を変化させることにより、メモリセルに多値データを同時に書き込む。また、この発明において、不揮発性半導体記憶装置は、書き込み時のディスターブ耐性の向上を図る観点から、書き込み動作時には、ローカルセルフブースト法を用いてメモリセルにデータを書き込む。
【0048】
上述のように構成されたこの発明によれば、メモリセルの記憶データを消去する消去動作後にメモリセルのしきい値電圧を判定する消去ベリファイ動作時に、ソース線または第1導電型の半導体領域に所定の逆方向電圧を印加するようにしていることにより、セル電流を減らすようにしてメモリセルのしきい値電圧を判定することができる。これにより、消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルを所望のしきい値電圧にするために必要なメモリセルのしきい値電圧の判定を、書き込みベリファイ動作時にメモリセルのしきい値電圧を判定する際に用いる判定電流と同一の判定電流で行うことができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。ここでは、この発明を、1つのメモリセルに2ビットからなり4値をとるデータを記憶することが可能な4値型のNAND型フラッシュメモリに適用した場合について説明する。
【0050】
図1は、この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの構成例を示す略線図である。図1に示すように、このNAND型フラッシュメモリは、メモリセルアレイ1、ロウデコーダ2、データラッチ/センスアンプ回路3、ソース線ドライバ4、基板電位設定回路5、制御回路6などを有する。
【0051】
メモリセルアレイ1は、行方向および列方向にマトリクス状に配列された複数のNANDストリングと、これらのNANDストリングと接続されたワード線、ビット線、選択ゲート線、ソース線などにより構成されている。このメモリセルアレイ1は、列方向に複数のブロック(ブロック(1)〜(K))に分割されている。各ブロック内においては、行方向に、ワード線および選択ゲート線を共有する所定数のNANDストリングが並列に配列されている。このブロックは、メモリセルの記憶データを消去する際の消去単位となっている。
【0052】
図2および図3は、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイ1の1つのNANDストリングを示す平面図および断面図である。なお、図3においては、図2のIII−III線に沿った断面が示されている。
【0053】
図2および図3に示すように、このNAND型フラッシュメモリにおいては、基板として例えばp型シリコン(Si)基板11が用いられる。p型Si基板11の一主面にはnウェル12が設けられ、さらに、このnウェル12中にpウェル13が設けられている。pウェル13およびnウェル12は電気的に接続されている。メモリセルアレイ1は、このpウェル13中に設けられている。
【0054】
pウェル13におけるp型Si基板11の表面には、例えばSiO2 からなるフィールド絶縁膜14が選択的に設けられ、これにより素子間分離が行われている。また、フィールド絶縁膜14で囲まれた活性領域の表面には、例えばSiO2 からなるトンネル絶縁膜15が設けられている。
【0055】
NANDストリングを構成するメモリセルM1 〜M16のチャネル領域上にはトンネル絶縁膜15を介して、例えばリン(P)のようなn型不純物が高濃度にドープされた多結晶SiからなるフローティングゲートFGが設けられている。フローティングゲートFGは、メモリセルM1 〜M16のチャネル幅方向における両側のフィールド絶縁膜14上に延在するように所定形状にパターニングされている。選択トランジスタDSおよび選択トランジスタSSのチャネル領域上には、トンネル絶縁膜15を介してフローティングゲートFGと同一層の材料からなる第1ゲート電極16がチャネル幅方向に延在して設けられている。
【0056】
フィールド絶縁膜14で囲まれた活性領域中には、フローティングゲートFGおよび第1ゲート電極16に対して自己整合的に、n+ 型領域17、18、19が設けられている。n+ 型領域17は、メモリセルM1 〜M16のソース領域およびドレイン領域、選択トランジスタDSのソース領域、選択トランジスタSSのドレイン領域となる拡散層である。これらのn+ 型領域17は、チャネル長方向に互いに隣接するトランジスタによって共有される。n+ 型領域18は、選択トランジスタDSのドレイン領域となる拡散層である。このn+ 型領域18は、NANDストリングとビット線BLとの接続点に対応する。n+ 型領域19は、選択トランジスタSSのソース領域となる拡散層である。このn+ 型領域19は、チャネル長方向に延在し、ソース線SLを構成している。
【0057】
フローティングゲートFG上には、層間絶縁膜(カップリング絶縁膜)20を介してコントロールゲートCGが、フローティングゲートFGの真上を通るようにチャネル幅方向に延在して設けられている。これらのコントロールゲートCGは、例えばPのようなn型不純物が高濃度にドープされた多結晶Siからなる。これらのコントロールゲートCGはワード線WL1〜WL16を構成する。第1ゲート電極16上には、コントロールゲートCGと同一層の材料からなる第2ゲート電極21が、第1ゲート電極15の真上を通るようにチャネル幅方向に延在して設けられている。第2ゲート電極21は、層間絶縁膜20に設けられた開口部を通じて第1ゲート電極16と接続されている。これらの第1ゲート電極16および第2ゲート電極20は、選択ゲート線DSGおよび選択ゲート線SSGを構成する。
【0058】
コントロールゲートCGおよび第2ゲート電極21上には、層間絶縁膜22を介してビット線BLがチャネル長方向に延在して設けられている。ビット線BLは、層間絶縁膜22に設けられたコンタクトホールCを通じてn+ 型領域18と接続されている。また、図示は省略するが、ソース線SLを構成するn+ 型領域19は、ソース線ドライバ4から導出されるソース線電圧供給線と接続され、メモリセルアレイ1が設けられるpウェル13は基板電位設定回路5から導出されるウェル電圧供給線と接続されている。
【0059】
図4に、上述のように構成されたメモリセルアレイ1の等価回路を示す。図4に示すように、メモリセルアレイ1においては、ビット線BL1〜BLnが並列に配列されている。なお、図4においては、ビット線BL5以降が図示省略されている。
【0060】
ビット線BL1〜BLnは、それぞれNANDストリングA1〜Anと接続されている。NANDストリングA1は、選択トランジスタDS1、メモリセルM1-1 〜M16-1および選択トランジスタSS1により構成されている。NANDストリングA2は、選択トランジスタDS2、メモリセルM1-2 〜M16-2および選択トランジスタSS2により構成されている。NANDストリングA3は、選択トランジスタDS3、メモリセルM1-3 〜M16-3および選択トランジスタSS3により構成されている。NANDストリングA4は、選択トランジスタDS4、メモリセルM1-4 〜M16-4および選択トランジスタSS4により構成されている。図示省略したNANDストリングA5以降のNANDストリングも、同様に構成されている。
【0061】
これらのNANDストリングA1〜Anは、メモリセルアレイ1の同一ブロック内に配列されたNANDストリングであり、ワード線および選択ゲート線を共有している。すなわち、NANDストリングAk(k=1〜n)においては、メモリセルM1-k のドレインが選択トランジスタDSkを介してビット線BLkと接続され、メモリセルM15-kのソースが選択トランジスタSSkを介してソース線SLと接続されている。メモリセルM1-k 〜M16-kは、スタックゲート型のnチャネルMOSトランジスタからなり、各々2ビットのメモリセルとして機能する。これらのメモリセルM1-k 〜M16-kのコントロールゲートは、それぞれワード線WL1〜WL16と接続されている。選択トランジスタGSkのゲートは選択ゲート線DSGと接続され、選択トランジスタSSkのゲートは選択ゲート線SSGと接続されている。
【0062】
上述のように構成されたメモリセルアレイ1の各メモリセルには、それぞれ、2ビットからなり4値をとるデータを記憶することが可能である。ここで、図5に、メモリセルのしきい値電圧と記憶データ内容との対応関係を示す。図5において、グラフの縦軸はメモリセルのしきい値電圧Vthを示し、グラフの横軸はメモリセルの分布頻度を示す。
【0063】
この場合、図5に示すように、メモリセルのしきい値電圧Vthは、データ”00”、”01”、”10”、”11”に対応した4状態をとる。すなわち、図5において、分布Aはデータ”00”が書き込まれて第3の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Bはデータ”01”が書き込まれて第2の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布であり、分布Cはデータ”10”が書き込まれて第1の正のしきい値電圧のプログラム状態とされるメモリセルの分布である。また、分布Dはデータ”11”が書き込まれて負のしきい値電圧の消去状態とされるメモリセルの分布である。なお、図5においては、書き込みベリファイ動作時に選択ワード線に印加する読み出し用電圧がVVF1,VVF2,VVF3 で示され、読み出し動作時に選択ワード線に印加する読み出し用電圧がVRD1,VRD2,VRD3 で示され、さらに、消去ベリファイ動作時にワード線に印加する読み出し用電圧がVERSVF で示されている。その大小関係は、VVF3 >VRD3 >VVF2 >VRD2 >VVF1 >VRD1 =VERSVF である。これらの各電圧の一例を挙げると、VVF3 =3.5V、VRD3 =3.0V、VVF2 =2.0V、VRD2 =1.5V、VVF1 =0.5V、VRD1 =VERSVF =0Vである。
【0064】
ロウデコーダ2は、メモリセルアレイ1のワード線および選択ゲート線に対して接続され、アドレスデコーダ、レベル変換回路、ワード線および選択ゲート線のトランスファゲートを含んでいる。このロウデコーダ2は、アドレスデコード信号に従って、メモリセルアレイ1の選択ブロック内のトランスファゲートのみをオンさせワード線および選択ゲート線をドライブする。
【0065】
データラッチ/センスアンプ回路3は、メモリセルアレイ1のビット線に対して接続される。ここで、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリにおいては、データラッチ/センスアンプ回路3をビット線数本分のピッチに配置する必要があることから、例えば、1つのデータラッチ/センスアンプ回路3に対して2本のビット線が接続された構成とされる。図6に、このデータラッチ/センスアンプ回路3の構成例を示す。
【0066】
図6に示すように、データラッチ/センスアンプ回路3は、例えば、ビット線選択回路3a、ビット線電圧設定回路3b、ラッチ回路3c、ベリファイ/リード制御回路3d、ベリファイ判定回路3eにより構成されている。なお、図6において、ビット線BLm ,BLm+1 は、共通のデータラッチ/センスアンプ回路3に接続される2つのビット線を示す。ビット線BLm は図4中のBL1,BL3,・・・に対応するビット線であり、ビット線BLm+1 は図4中のBL2,BL4,・・・に対応するビット線である。
【0067】
データラッチ/センスアンプ回路3のビット線選択回路3aは、例えば、高耐圧のnチャネルMOSトランジスタからなるトランジスタH1〜H4と、pチャネルMOSトランジスタからなるトランジスタP1と、nチャネルMOSトランジスタからなるトランジスタN1とにより構成されている。
【0068】
このビット線選択回路3aにおいては、ビット線BLm とノードSAとの間に、トランジスタH1およびH3が直列に接続されている。また、ビット線BLm+1 とノードSAとの間に、トランジスタH2およびH4が直列に接続されている。トランジスタH1,H2のゲートに共通の制御信号TRNが供給される。トランジスタH3のゲートに制御信号AnBが供給され、トランジスタH4のゲートに制御信号AnNが供給される。
【0069】
また、ノードSAと電源電圧Vcc(Vccは例えば3.3V)の供給ラインとの間にトランジスタP1が接続され、ノードSAと接地ラインとの間にトランジスタN1が接続されている。トランジスタP1のゲートには制御信号Vref が供給され、トランジスタN1のゲートには制御信号DISが供給される。
【0070】
データラッチ/センスアンプ回路3のビット線電圧設定回路3bは、例えばnチャネルMOSトランジスタからなるトランジスタN2〜N9により構成されている。
【0071】
このビット線電圧設定回路3bにおいては、トランジスタN2のドレインがノードSAと接続されている。トランジスタN2のゲートには制御信号PGMが供給される。そして、トランジスタN2のソースがトランジスタN3,N5、N7のドレインと接続されている。
【0072】
トランジスタN2のソースと接地ライン(0Vのビット線電圧VB0の供給ライン)との間に、直列接続されたトランジスタN3,N4が挿入されている。トランジスタN2のソースとビット線電圧供給ラインVBL1との間に、直列接続されたトランジスタN5,N6が挿入されている。トランジスタN2のソースとビット線電圧供給ラインVBL2との間に、直列接続されたトランジスタN7,N8が挿入されている。ここで、ビット線電圧供給ラインVBL1,VBL2は、それぞれビット線電圧VB1(例えば1.2V),VB2(例えば1.4V)を供給するためのものであり、図示省略したビット線電圧発生回路から導出されている。
【0073】
データラッチ/センスアンプ回路3のラッチ回路3cは、例えば、インバータU1およびインバータU2からなるラッチ回路LQ1と、インバータU3およびインバータU4からなるラッチ回路LQ0とにより構成されている。
【0074】
このラッチ回路3cにおいて、ラッチ回路LQ1は、2ビットデータのうちの上位ビットのデータを格納するためのものであり、この場合、インバータU1の出力端子とインバータU2の入力端子との共通接続点が記憶ノードQ1とされ、インバータU1の入力端子とインバータU2の出力端子との共通接続点が反転記憶ノード/Q1とされている。ラッチ回路LQ0は、2ビットデータのうちの下位ビットのデータを格納するためのものであり、この場合、インバータU3の出力端子とインバータU4の入力端子との共通接続点が記憶ノードQ0とされ、インバータU3の入力端子とインバータU4の出力端子との共通接続点が反転記憶ノード/Q0とされている。ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1および反転記憶ノード/Q1ならびにラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0および反転記憶ノード/Q0は、それぞれデータバス線と接続される。
【0075】
ラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1がトランジスタN4,N6のゲートと接続され、記憶ノードQ1がトランジスタN8のゲートと接続されている。ラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0がトランジスタN3,N7のゲートと接続され、記憶ノードQ0がトランジスタN5のゲートと接続されている。
【0076】
データラッチ/センスアンプ回路3のベリファイ/リード制御回路3dは、例えば、nチャネルMOSトランジスタからなるトランジスタN9〜N19により構成されている。
【0077】
このベリファイ/リード制御回路3dにおいては、トランジスタN9,N10のゲートがノードSAと接続されている。トランジスタN9のドレインがラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1と接続され、トランジスタN10のドレインがラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0と接続されている。また、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1と接地ラインとの間にトランジスタN11が接続され、ラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0と接地ラインとの間にトランジスタN12が接続されている。トランジスタN11,N12のゲートには制御信号RSTが供給される。
【0078】
トランジスタN9のソースと接地ラインとの間に、直列接続されたトランジスタN13,N14が挿入されている。トランジスタN9のソースとトランジスタN14のドレインとの間に、トランジスタN15がトランジスタN13と並列に接続されている。トランジスタN10のソースと接地ラインとの間に、直列接続されたトランジスタN16,N17が挿入されていると共に、これらと並列的に、直列接続されたトランジスタN18,N19が挿入されている。
【0079】
トランジスタN15のゲートがラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0と接続されている。トランジスタN16のゲートがラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1と接続されている。トランジスタN18のゲートがラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1と接続されている。トランジスタN19のゲートに制御信号φLAT1が供給され、トランジスタN17のゲートに制御信号φLAT2が供給され、トランジスタN14のゲートに制御信号φLAT3が供給され、トランジスタN13のゲートに制御信号φLAT4が供給される。
【0080】
ベリファイ判定回路3eは、例えば、nチャネルMOSトランジスタからなるトランジスタN20,N21により構成されている。この書き込みベリファイ判定回路3eにおいては、信号線CHKと接地ラインとの間にトランジスタN20,N21が並列に挿入されており、トランジスタN20のゲートがラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1と接続され、トランジスタN21のゲートがラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0と接続されている。信号線CHKの一端は、その入力端子が接地されたインバータU5の出力端子と接続され、他端は判定回路31と接続されている。判定回路31は、書き込み時に、選択ページ内のメモリセルへの書き込みが完了したかどうかを信号線CHKの電位で判定する。
【0081】
具体的には、メモリセルに書き込みが十分になされている場合は、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチ回路LQ1,LQ0の記憶ノードQ1,Q0が共にハイレベル(Vccレベル)となり、ベリファイ判定回路3eにおいては、トランジスタN20,N21のゲートがローレベルとなるため、これらのトランジスタN20,N21がオフ状態となる。したがって、選択ページ内の全メモリセルに書き込みが十分になされている場合は、信号線CHKの電位がハイレベルとなる。このことにより、選択ページ内のメモリセルへの書き込みが完了したと判定される。一方、メモリセルに書き込みが十分になされていない場合は、ラッチ回路LQ1,LQ0の記憶ノードQ1,Q0の少なくとも一方がローレベルとなり、ベリファイ判定回路3eにおいては、トランジスタN20,N21の少なくとも一方がオン状態となる。したがって、選択ページ内に書き込みが十分になされていないメモリセルが1つでも含まれる場合は、信号線CHKの電位がローレベルとなる。このことにより、選択ページ内のメモリセルへの書き込みが完了していないと判定される。
【0082】
ソース線ドライバ4は、メモリセルアレイ1のソース線SLに対して所定のソース線電圧を供給し、動作モードに応じてそのソース線電圧を制御する。具体的には、このソース線ドライバ4は、書き込み動作時、書き込みベリファイ動作時および読み出し動作時にはソース線SLに0Vを印加し、消去動作時にはソース線SLをフローティング状態にし、消去ベリファイ動作時にはソース線SLに所定の正の電圧を印加する。また、このソース線ドライバ4は、消去ベリファイ動作時にソース線SLに印加する正の電圧を、必要に応じて変化させることが可能である。
【0083】
基板電位設定回路5は、メモリセルアレイ1が設けられるpウェル13、nウェル12およびp型Si基板11に所定のウェル電圧(基板電圧)を供給し、動作モードに応じてその電圧を制御する。具体的には、この基板電位設定回路13は、書き込み動作時、書き込みベリファイ動作時、読み出し動作時および消去ベリファイ動作時にはpウェル13に0Vの電圧を印加し、消去動作時にはpウェル13に所定の高電圧、例えば20V程度を印加する。
【0084】
制御回路6は、このNAND型フラッシュメモリの各回路ブロックの動作を制御するためのものである。この制御回路6からは、ロウデコーダ2、データラッチ/センスアンプ回路3、ソース線ドライバ4、基板電位制御回路5などに対して制御信号を供給するための信号線が導出されている。
【0085】
上述のように構成されたこの一実施形態によるNAND型フラッシュメモリは、消去ベリファイ動作時にソース線SLに所定の正の電圧を印加するようにしたソース線ドライバ4を有するのが特徴的である。
【0086】
すなわち、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリにおいては、書き込み動作時に、ローカルセルフブースト法を用いて多値並列書き込みを行うようにしているため、多値並列書き込みを実現する観点から、消去状態のメモリセルのしきい値電圧を例えば−1.5V以下にする必要があり、さらに、書き込み時のディスターブ(Vpassディスターブ)耐性を向上させる観点から、消去状態のメモリセルのしきい値電圧を例えば−8V以上とすることが望ましい。したがって、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリにおいては、メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の上限および下限を決めるために、消去ベリファイを行う必要がある。
【0087】
しかしながら、ソース線およびpウェルに0Vを印加した状態でワード線に0Vを印加して消去ベリファイを行う従来技術の場合、メモリセルのしきい値電圧が−1.5Vのとき2.8μAのセル電流が流れるため、書き込みベリファイ時に用いる1μAの判定電流では、必要とされるしきい値電圧の判定ができない。そこで、この一実施形態においては、消去ベリファイ動作時に、ソース線SLに正の電圧を印加することにより、メモリセルのソース−基板間に逆方向電圧が印加された状態とし、MOSFETの基板バイアス効果を利用してメモリセルの見かけ上のしきい値電圧を上昇させることでセル電流を低減し、このことによって、消去ベリファイ動作時に必要とされるしきい値電圧の判定、すなわち消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の上限を−1.5Vに決めるためのしきい値電圧の判定を、書き込みベリファイ動作時と同一の判定電流で行うことを可能にしているのである。
【0088】
図7に、ソース線に正の電圧を印加した状態で、消去状態のメモリセルに対してワード線に0Vを印加して読み出しを実行したときの、メモリセルのしきい値電圧とセル電流との関係を示す。図7より、ソース線に印加する正の電圧を大きくするほどセル電流が減少し、判定可能なしきい値電圧が低くなることがわかるしたがって、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリにおいては、消去ベリファイ動作時に、ソース線ドライバ4からソース線SLに供給する正の電圧を変化させることにより、書き込みベリファイ動作時と同一の1μAの判定電流で、消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の上限に対応するしきい値電圧の判定を行うことも、消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の下限に対応するしきい値電圧の判定を行うことも可能である。具体的には、図7より、消去ベリファイ動作時に、メモリセルのしきい値電圧が−0.5V(消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の上限に対応する電圧)以下であるかを判定するためには、ソース線に例えば0.5V程度の正の電圧を印加すればよいことがわかり、消去ベリファイ動作時に、メモリセルのしきい値電圧が−8V(消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の下限に対応する電圧)以上であるかを判定するためには、ソース線に例えば1.1V程度の正の電圧を印加すればよいことがわかる。
【0089】
次に、上述のように構成されたこの一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの書き込み動作、書き込みベリファイ動作、読み出し動作、消去動作および消去ベリファイ動作について説明する。
【0090】
まず、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの書き込み動作および書き込みベリファイ動作について説明する。図8は、書き込み動作を説明するための略線図であり、図9は、書き込みベリファイ動作を説明するための略線図である。
【0091】
このNAND型フラッシュメモリにおいては、ワード線電圧を所定の初期電圧から所定のステップ幅で段階的に増加させるISPP方式により、選択されたメモリセルにページ単位でデータの書き込みがなされ、ページ単位の書き込みが完了するまで、書き込み動作と書き込みベリファイ動作とが繰り返し行われる。このとき、1回目の書き込み動作は、選択ページ内の全メモリセルが消去状態とされている状態から開始される。また、このNAND型フラッシュメモリにおいては、書き込み動作時に、ローカルセルフブースト法を用いて多値並列書き込みが行われる。
【0092】
図8に示すように、書き込み動作が起動される前、制御信号PGMがローレベル(GNDレベル)に設定され、トランジスタN2がオフ状態とされている。これにより、ビット線BLm ,BLm+1 はデータラッチ/センスアンプ回路3のビット線電圧設定回路3bから切り離されている。また、制御信号TRNおよび制御信号AnB,AnNが(Vcc−Vth)レベルに設定され、トランジスタH1〜H4およびトランジスタN1がオン状態とされていると共に、制御信号DISおよび制御信号Vref がハイレベル(Vccレベル)に設定され、トランジスタN1がオン状態に、トランジスタP1がオフ状態にされている。これにより、ビット線BLm ,BLm+1 は、いずれも接地ラインと接続されている。
【0093】
また、1回目の書き込み動作に先立って、書き込みデータがデータバスを介してデータラッチ/センスアンプ回路3のラッチ回路3cに供給される。これにより、メモリセルに書き込むべき2ビットデータのうち、上位ビットのデータがラッチ回路LD1の記憶ノードD1にセットされ、下位ビットのデータがラッチ回路LD0の記憶ノードD0にセットされる。
【0094】
この状態で書き込みが起動されると、制御信号DISがローレベル(GNDレベル)に切り換えられ、ビット線BLm ,BLm+1 が接地ラインから切り離される。そして、制御信号TRNおよび制御信号AnB,AnNがVcc以上の所定のハイレベル、例えばP5V(6V程度)に設定されると共に、制御信号Vref がローレベル(GNDレベル)に設定される。これにより、ビット線BLm ,BLm+1 はVccレベルに充電される。このとき、制御信号PGMおよび制御信号φLAT1〜φLAT4は、ラッチデータに影響がないようにローレベルとされ、トランジスタN1,N13,N14,N17,N19はオフ状態とされている。また、選択ゲート線DSGにVccが印加され、選択ゲート線SSG、ソース線SLおよびpウェル13に0Vが印加される。これにより、NANDストリングAm ,Am+1 中のメモリセルのチャネルは、Vcc−VthDSに充電される。ただし、VthDSは選択トランジスタDS1,DS2のしきい値電圧である。
【0095】
その後、制御信号AnB,AnNで書き込み対象とされるNANDストリングが選択される。ここでは、例えば、ビット線BLm と接続されるNANDストリングAm が書き込み対象として選択される場合について説明する。この場合、制御信号AnNがローレベル(GNDレベル)に設定され、非選択側のビット線BLm+1 はVccレベルに充電された状態でフローティング状態に保持され、このビット線BLm+1 と接続されるNANDストリングAm+1 のメモリセルのチャネルはVcc−VthDSレベルに保持される。また、制御信号AnBがP5Vレベルに保持され、制御信号Vref がビット線BLm などのリーク電流を補償するだけの電流をトランジスタP1が流すことが可能な所定レベルの電圧(例えば2V)に設定される。これにより、選択側のビット線BLm は、書き込みデータ(ラッチデータ)に応じて、次のような接続状態とされる。
【0096】
すなわち、書き込みデータが”00”の場合には、トランジスタN3,N4がオン状態となり、ビット線BLm は接地ラインと接続される。したがって、ビット線BLm およびNANDストリングAm 中のメモリセルのチャネルはGNDレベル(=0V)に設定される。
【0097】
書き込みデータが”01”の場合には、トランジスタN5,N6がオン状態となり、ビット線BLm はビット線電圧供給ラインVBL1と接続される。したがって、ビット線BLm およびNANDストリングAm 中のメモリセルのチャネルは電圧VB1(=1.2V)に設定される。
【0098】
書き込みデータが”10”の場合には、トランジスタN7,N8がオン状態となり、ビット線BLm はビット線電圧供給ラインVBL2と接続される。したがって、ビット線BLm およびNANDストリングAm 中のメモリセルのチャネルは電圧VB2(=1.4V)に設定される。
【0099】
なお、書き込みデータが”11”の場合には、ビット線BLm は、接地ラインおよびビット線供給ラインVBL1,VBL2のいずれにも接続されない。したがって、ビット線BLm はVccレベルに充電された状態でフローティング状態にされ、NANDストリングAm 中のメモリセルのチャネルはVcc−VthDSレベルに保持される。
【0100】
上述したように選択側のビット線BLm が書き込みデータに応じた電圧に設定され、非選択側のビット線BLm+1 がVccレベルに充電された状態でフローティング状態に設定された後、ワード線WL1〜WL16のうち、書き込み対象ページとされる選択ワード線に書き込み電圧VPGM (例えば16V程度)が印加される。これと共に、選択ワード線に隣接する非選択ワード線に0Vの電圧が印加され、残りの非選択ワード線が書き込みパス電圧Vpass(<VPGM 、例えば10V程度)が印加される。
【0101】
このとき、選択側のNANDストリングAm に着目すると、書き込みデータが”11”以外の場合は、プログラム電圧VPGM とチャネル電位との電界によりFN(Fowler-Nordheim )トンネリング現象が起こり、選択メモリセルに対してデータの書き込みがなされる。また、書き込みデータが”11”の場合は、選択トランジスタDS1がカットオフ状態となり、NANDストリングAm 中のメモリセルのチャネルは、ビット線BLm から切り離されワード線との容量結合によって昇圧される。そして、選択メモリセルに隣接するメモリセルがカットオフすると、その後、選択メモリセルのチャネルは選択ワード線との容量結合により所定の書き込み禁止電位にブーストされ、選択メモリセルに対するデータの書き込みが禁止される。また、非選択側のNANDストリングAm+1 のチャネルも同様に書き込み禁止電位にブーストされ、書き込み禁止とされる。
【0102】
このようにして選択ワード線に所定のパルス幅(例えば数10μs程度)のプログラム電圧VPGM を与えて選択メモリセルにデータの書き込みがなされた後、全ワード線の電圧がGNDレベルに設定されると共に、選択ゲート線DSGの電圧が0Vに切り換えられ、書き込み動作が終了する。
【0103】
書き込み動作が終了すると、制御信号PGMがVccレベルからGNDレベルに切り換えられ、ビット線BLm がビット線電圧設定回路3bから切り離される。そして、制御信号Vref がVccレベルに設定されると共に、制御信号DISがVccレベルに設定され、さらに、制御信号AnNがP5Vレベルに設定されると共に、制御信号AnBおよび制御信号TRNが書き込み時のままP5Vレベルに保持され、この間に、ビット線BLm ,BLm+1 が接地される。そして、一定時間経過後、制御信号TRNがGNDレベルに設定され、さらに、一定時間経過した後、制御信号DISがGNDレベルに切り換えられ、ビット線BLm ,BLm+1 が接地ラインから切り離される。その後、書き込みベリファイ動作が実行される。
【0104】
書き込みベリファイ動作が起動されると、制御信号AnB,AnNで書き込みベリファイ対象とされるNANDストリングが選択される。ここでは、上述の書き込み動作に引き続いて、ビット線BLm と接続されたNANDストリングAm が書き込みベリファイ対象として選択される。この場合、制御信号TRNがVcc−Vthレベルに設定されると共に、制御信号AnBがP5Vレベルに保持され、制御信号AnNがGNDレベルに設定される。これにより、選択側のビット線BLm がノードSAと接続され、非選択側のビット線BLm+1 がフローティング状態とされる。
【0105】
この書き込みベリファイ動作では、1回の書き込み動作が終了する毎に、データ”00”,”01”,”10”の各プログラム状態に対応するしきい値電圧の判定が行われる。この判定は、制御信号DISがGNDレベルに切り換えられた後、選択ゲート線DSG、選択ゲート線SSGおよび非選択ワード線に所定のハイレベルの電圧、例えばP5V(例えば6V程度)が印加された状態で、選択ワード線に印加する電圧を例えばVVF3 →VVF2 →VVF1 の順序で段階的に下げながらなされる。このとき、ソース線SLおよびpウェル13には0Vが印加される。
【0106】
また、VVF3 〜VVF1 の各電圧での実際のしきい値電圧の判定の前処理として、一定時間、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、選択側のビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ある程度時間が経過すると、ビット線BLm の電圧が上昇し、トランジスタH1のゲート−ソース間の電位差がVth´(Vth´はトランジスタH1のしきい値電圧)以下となるとき自動的にトランジスタH1,H3がオフする。したがって、ビット線BLm は(Vcc−Vth−Vth´)レベル(例えば1.5V程度)に充電され、ノードSAはVccレベルとなる。
【0107】
この状態で選択ワード線に印加する電圧を所定値とすると共に、ラッチ回路LQ1,LQ0の記憶ノードQ1,Q0が所定データに設定された状態で、セル電流の有無をビット線BLm およびノードSAの電圧に反映させてしきい値電圧の判定がなされる。つまり、選択メモリセルのしきい値電圧以上の電圧がそのコントロールゲートに供給されて、所定の判定電流(例えば1μA)以上のセル電流が流れる場合には、ビット線BLm の電圧が降下し、トランジスタH1,H3がオン状態となる。したがって、ノードSAは、ビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ等しい電圧まで降下する。また、選択メモリセルのしきい値電圧未満の電圧がそのコントロールゲートに供給される場合には、セル電流が流れず、ビット線BLm の電圧が降下することがないため、ノードSAの電圧はそのままVccレベルに保持される。この関係に基づいてメモリセルのしきい値電圧の判定がなされる。
【0108】
すなわち、図9に示すように、制御信号DISがGNDレベルに切り換えられた後、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ビット線BLm の充電が完了すると、制御信号Vref が所定レベルの電圧(例えば、2V)に設定される。
【0109】
まず、選択ワード線にVVF3 が印加された状態で選択メモリセルに対して読み出しが実行され、データ”00”のプログラム状態に対応したしきい値電圧の判定がなされる。ここで、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF3 より大きい場合には、セル電流が流れないことにより、ビット線BLm の電圧は変化せず、ノードSAはVccレベルに保持される。このとき、トランジスタN9、N10がオン状態となる。
【0110】
そして、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT3,φLAT4がハイレベルに設定される。
【0111】
制御信号φLAT3およびφLAT4がハイレベルに設定されると、トランジスタN14,N13がオン状態となる。このときトランジスタN9がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1がローレベルに設定されて記憶ノードQ1がローレベルからハイレベルに反転する。このとき、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1と接続されたトランジスタN18のゲートがハイレベルになり、トランジスタN18がオン状態となる。
【0112】
さらに、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT1がハイレベルに設定される。
【0113】
制御信号φLAT1がハイレベルに設定されると、トランジスタN19がオン状態となる。このときトランジスタN18およびトランジスタN10がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0がローレベルに設定されて記憶ノードQ0がローレベルからハイレベルに反転する。
【0114】
以上により、書き込みデータが”00”の選択メモリセルで、そのしきい値電圧VthがVVF3 より大きい場合、ラッチ回路LQ1、LQ0のラッチデータが”11”に反転し、書き込み禁止状態とされる。
【0115】
一方、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF3 より小さく、判定電流以上のセル電流が流れる場合、ノードSAの電圧が降下してトランジスタH1,H3がオンし、ビット線BLm の容量CBLとノードSAの容量CSA(<<CBL)との間で電荷の再分配が起こり、ノードSAの電圧がビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルとなる。このため、制御信号φLAT3,φLAT4およびφLAT6によりトランジスタN14,N13およびN19がオン状態となっても、トランジスタN9,N10のゲートがローレベルとなっているため、トランジスタN9,N10のドレイン−ソース間が高抵抗な状態とされ、ラッチ回路LQ1,LQ0の記憶ノードQ1,Q0を反転させるのに必要な電流を流すことができず、結果として設定状態が保持される。
【0116】
選択ワード線にVVF3 が印加された状態でのしきい値電圧の判定が完了すると、再度、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ビット線BLm の充電が完了すると、制御信号Vref が所定レベルの電圧(例えば、2V)に設定される。
【0117】
次に、選択ワード線にVVF2 が印加された状態で選択メモリセルに対して読み出しが実行され、データ”01”のプログラム状態に対応したしきい値電圧の判定がなされる。ここで、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF2 より大きい場合には、セル電流が流れないことにより、ビット線BLm の電圧は変化せず、ノードSAはVccレベルに保持される。このとき、トランジスタN9,N10がオン状態となる。
【0118】
そして、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT3がハイレベルに設定される。
【0119】
制御信号φLAT3がハイレベルに設定されると、トランジスタN14がオン状態となる。このとき、書き込みデータが”01”である場合は、トランジスタN15がオン状態であり(ラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0がハイレベルであるため)、さらに、トランジスタN9がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1がローレベルに設定されて記憶ノードQ1がローレベルからハイレベルに反転する。なお、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVth>VVF3 >VVF2 である場合には、選択ワード線にVVF3 が印加された状態でのしきい値電圧の判定において、すでにラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1がローレベルからハイレベルに反転されているため、ここでは変化しない。また、書き込みデータが”00”で、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF3 >Vth>VVF2 である場合には、ラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0がローレベルであることによりトランジスタN15がオフ状態とされているため、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1は変化しない。
【0120】
以上により、書き込みデータが”01”の選択メモリセルで、そのしきい値電圧VthがVVF2 より大きい場合、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータが”11”に反転し、書き込み禁止状態とされる。
【0121】
一方、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF2 より小さく、判定電流以上のセル電流が流れる場合、ノードSAの電圧が降下してトランジスタH1,H3がオンし、ビット線BLm の容量CBLとノードSAの容量CSA(<<CBL)との間で電荷の再分配が起こり、ノードSAの電圧がビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルとなる。このため、制御信号φLAT3によりトランジスタN14がオン状態となっても、トランジスタN9のゲートがローレベルとなっているため、トランジスタN9のドレイン−ソース間が高抵抗な状態とされ、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1を反転させるのに必要な電流を流すことができず、結果として設定状態が保持される。
【0122】
選択ワード線にVVF2 が印加された状態でのしきい値電圧の判定が完了すると、再度、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオンされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ビット線BLm の充電が完了すると、制御信号Vref が所定レベルの電圧(例えば、2V)に設定される。
【0123】
次に、選択ワード線にVVF1 が印加された状態で選択メモリセルに対して読み出しが実行され、データ”10”のプログラム状態に対応したしきい値電圧の判定がなされる。ここで、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF1 より大きい場合には、セル電流が流れないことにより、ビット線BLm の電圧は変化せず、ノードSAはVccレベルに保持される。このとき、トランジスタN9,N10がオン状態となる。
【0124】
そして、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT1がハイレベルに設定される。
【0125】
制御信号φLAT1がハイレベルに設定されると、トランジスタN19がオン状態となる。このとき、書き込みデータが”10”である場合は、トランジスタN18がオン状態であり(ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1がハイレベルであるため)、さらに、トランジスタN10がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0がローレベルに設定されて記憶ノードQ0がローレベルからハイレベルに反転する。なお、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVth>VVF3 >VVF1 である場合には、選択ワード線にVVF3 が印加された状態でのしきい値電圧の判定において、すでにラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0がローレベルからハイレベルに反転されているため、ここでは変化しない。また、書き込みデータが”00”または”01”で、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF2 >Vth>VVF1 である場合には、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1がローレベルであることによりトランジスタN18がオフ状態であるため、ラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0は変化しない。
【0126】
以上により、書き込みデータが”10”の選択メモリセルで、そのしきい値電圧VthがVVF1 より大きい場合、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータは”11”に反転し、書き込み禁止状態とされる。
【0127】
一方、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVVF1 より小さく、判定電流以上のセル電流が流れる場合、ノードSAの電圧が降下してトランジスタH1,H3がオンし、ビット線BLm の容量CBLとノードSAの容量CSA(<<CBL)との間で電荷の再分配が起こり、ノードSAの電圧がビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルとなる。このため、制御信号φLAT1によりトランジスタN18がオンしても、トランジスタN10のゲートがローレベルとなっているため、トランジスタN10のドレイン−ソース間が高抵抗な状態とされ、ラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0を反転させるのに必要な電流を流すことができず、結果として設定状態が保持される。
【0128】
このようにして書き込みベリファイ動作がなされ、ラッチ回路LQ1,LQ0にメモリセルのしきい値電圧の確認結果に応じたデータが保持される。このとき、書き込み十分である場合には、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータが”11”となり、書き込み不十分である場合には、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータの少なくとも一方が”0”となる。したがって、ベリファイ判定回路3eの信号線CHKの電位を監視することで、全てのメモリセルに対して書き込みが十分になされて完了したかどうかの判定がなされ、書き込みが十分でないと判定される場合には、再度書き込み動作と書き込みベリファイ動作とが繰り返しなされる。そして、選択ページ内の全てのメモリセルが書き込み十分と判定された段階で一連の動作が終了する。
【0129】
次に、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの読み出し動作について説明する。図10は、読み出し動作を説明するための略線図である。
【0130】
このNAND型フラッシュメモリにおいては、選択されたメモリセルからページ単位でデータの読み出しがなされる。また、メモリセルには、しきい値電圧の分布と記憶データ内容とが図5に示すような対応関係となるように、データの書き込みがなされているものとする。
【0131】
読み出し動作が起動される前、制御信号PGMがGNDレベルに設定され、トランジスタN2がオフ状態とされている。これにより、ビット線BLm ,BLm+1 は、データラッチ/センスアンプ回路3のビット線電圧設定回路3bから切り離されている。また、また、制御信号TRNおよび制御信号AnB,AnNがVcc−Vthレベルに設定され、トランジスタH1〜H4がオン状態とされていると共に、制御信号DISおよび制御信号Vref がVccレベルに設定され、トランジスタN1がオン状態、トランジスタP1がオフ状態とされている。これにより、ビット線BLm ,BLm+1 は、いずれも接地ラインと接続されている。
【0132】
この状態で読み出し動作が起動されると、図10に示すように、その動作に先立ってリセット信号RSTが一定期間ハイレベル(Vccレベル)に設定され、ラッチ回路LQ1,LQ0に保持されているラッチデータが全てローレベルにリセットされる。
【0133】
そして、制御信号AnB,AnNで読み出し対象とされるNANDストリングが選択される。ここでは、例えば、ビット線BLm と接続されるNANDストリングAm が読み出し対象として選択されている場合について説明する。この場合、制御信号AnBが所定のハイレベルの電圧、例えばP5V(例えば6V程度)に設定され、制御信号AnNがローレベル(GNDレベル)に設定される。これにより、選択側のビット線BLm がノードSAと接続され、非選択側のビット線BLm+1 がフローティング状態とされる。
【0134】
読み出し動作は、ラッチ回路LQ1,LQ0のリセット完了後、すなわち、制御信号DISおよびリセット信号RSTが共にGNDレベルに切り換えられた後、選択ゲート線DSG、選択ゲート線SSGおよび非選択ワード線に所定のハイレベルの電圧、例えばP5V(例えば6V程度)が印加された状態で、選択ワード線に印加する電圧を例えばVRD3 →VRD2 →VRD1 の順序で段階的に下げながらなされる。なお、このとき、ソース線SLおよびpウェル13には0Vが印加される。
【0135】
また、VRD3 〜VRD1 の各電圧での実際のしきい値電圧の判定の前処理として制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ある程度時間が経過すると、ビット線BLm の電圧が上昇し、トランジスタH1のゲート−ソース間の電位差がVth´(Vth´はトランジスタH1のしきい値電圧)以下となるとき自動的にトランジスタH1,H3がカットオフ状態となる。したがって、ビット線BLm は(Vcc−Vth−Vth´)レベル(例えば1.5V程度)に充電され、ノードSAはVccレベルとなる。
【0136】
この状態で選択ワード線に印加する電圧を所定値とし、セル電流の有無をビット線BLm およびノードSAの電圧に反映させてしきい値電圧の判定がなされる。つまり、選択メモリセルのしきい値電圧以上の電圧がそのゲートに供給されてセル電流が流れる場合には、ビット線BLm の電圧が降下し、トランジスタH1,H3がオン状態となる。したがって、ノードSAの電圧は、ほぼビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルまで降下する。また、選択メモリセルのしきい値電圧未満の電圧がそのゲートに供給される場合には、セル電流が流れず、ビット線BLm の電圧が降下することがないため、ノードSAの電圧はそのままVccレベルに保持される。この関係に基づいてしきい値電圧の判定がなされる。
【0137】
すなわち、図9に示すように、リセット信号RSTおよび制御信号DISがGNDレベルに切り換えられた後、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ビット線BLm の充電が完了すると、制御信号Vref が所定レベルの電圧(例えば、2V)に設定される。
【0138】
まず、選択ワード線にVRD3 が印加された状態で選択メモリセルに対して読み出しが実行され、データ”00”のプログラム状態に対応したしきい値電圧の判定がなされる。ここで、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD3 より大きい場合、セル電流が流れないことにより、ノードSAはVccレベルに保持される。このとき、トランジスタN9,N10がオン状態となる。
【0139】
そして、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT3,φLAT4がハイレベルに設定される。
【0140】
制御信号φLAT3,φLAT4がハイレベルに設定されると、トランジスタN14,N13がオン状態となる。このときトランジスタN9がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1がローレベルに設定されて記憶ノードQ1がローレベルからハイレベルに反転する。このとき、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1と接続されたトランジスタN18のゲートがハイレベルになり、トランジスタN18がオン状態となる。
【0141】
さらに一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT1がハイレベルに設定される。
【0142】
制御信号φLAT1がハイレベルに設定されると、トランジスタN19がオン状態となる。このときトランジスタN18およびトランジスタN10がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0がローレベルに設定されて記憶ノードQ0がローレベルからハイレベルに反転する。
【0143】
以上により、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD3 より大きい場合、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータが”11”に反転する。
【0144】
一方、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD3 より小さい場合、リーク補償電流より大きいセル電流が流れ、ノードSAの電圧が降下してトランジスタHN1,HN3がオンし、ビット線BLm の容量CBLとノードSAの容量CSA(<<CBL)との間で電荷の再分配が起こり、ノードSAの電圧がビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルとなる。このため、制御信号φLAT3,φLAT4,およびφLAT1によりトランジスタN14,N13,N19がオン状態となっても、トランジスタN9,N10のゲートがローレベルとなっているため、トランジスタN9,N10のドレイン−ソース間が高抵抗な状態とされ、ラッチ回路LQ1,LQ0の記憶ノードQ1,Q0を反転させるのに必要な電流を流すことができず、結果としてリセットのままのローレベルな状態が保持される。
【0145】
選択ワード線にVRD3 が印加された状態でのしきい値電圧の判定が完了すると、再度、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態され、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ビット線BLm の充電が完了すると、制御信号Vref が所定レベルの電圧(例えば、2V)に設定される。
【0146】
次に、選択ワード線にVRD2 が印加された状態で選択メモリセルに対して読み出しが実行され、データ”01”のプログラム状態に対応したしきい値電圧の判定がなされる。ここで、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD2 より大きい場合、セル電流が流れないことにより、ノードSAはVccレベルに保持される。このとき、トランジスタN9,N10がオン状態となる。
【0147】
そして、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT3,φLAT4がハイレベルに設定される。
【0148】
制御信号φLAT3,φLAT4がハイレベルに設定されると、トランジスタN14,N13がオン状態となる。このときトランジスタN9がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1がローレベルに設定されて記憶ノードQ1がローレベルからハイレベルに反転する。なお、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVth>VRD3 >VRD2 の場合は、選択ワード線にVRD3 が印加された状態でのしきい値電圧の判定において、すでにラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1がハイレベルに反転されているため、ここでは変化しない。
【0149】
以上により、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD2 より大きくVRD3 より小さい場合、ラッチ回路LQ1、LQ0のラッチデータが”10”に変化する。
【0150】
一方、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD2 より小さい場合、リーク補償電流より大きいセル電流が流れ、ノードSAの電圧が(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルとなる。このため、制御信号φLAT3,φLAT4によりトランジスタN14,N13がオン状態となっても、トランジスタN9のゲートがローレベルとなっているため、トランジスタN9のそれぞれのドレイン−ソース間が高抵抗な状態とされ、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1を反転させるのに必要な電流を流すことができず、結果としてリセットのままのローレベルな状態が保持される。
【0151】
選択ワード線にVRD2 が印加された状態でのしきい値電圧の判定が完了すると、再度、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ビット線BLm の充電が完了すると、制御信号Vref が所定レベルの電圧(例えば、2V)に設定される。
【0152】
次に、選択ワード線にVRD1 が印加された状態で選択メモリセルに対して読み出しが実行され、データ”10”のプログラム状態に対応したしきい値電圧の判定がなされる。ここで、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD1 より大きい場合、セル電流が流れないことにより、ノードSAはVccレベルに保持される。このとき、トランジスタN9,N10がオン状態となる。
【0153】
そして、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT2がハイレベルに設定される。
【0154】
制御信号φLAT2がハイレベルに設定されると、トランジスタN17がオン状態となる。このとき、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVRD2 >Vth>VRD1 である場合は、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1がリセット状態のままのローレベルであり、反転記憶ノード/Q1がハイレベルであることにより、トランジスタN16がオン状態であり、さらに、トランジスタN10がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0がローレベルに設定されて記憶ノードQ0がローレベルからハイレベルに反転する。なお、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVth>VRD2 >VRD1 である場合は、選択ワード線にVRD3 またはVRD2 が印加された状態でのしきい値電圧の判定において、すでにラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1がハイレベルに反転され、反転記憶ノード/Q1がローレベルに設定されていることによりトランジスタN16がオン状態とならない。このため、選択メモリセルのしきい値電圧VthがVth>VRD2 >VRD1 である場合は、ラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0は変化しない。
【0155】
以上により、メモリセルのしきい値電圧VthがVRD1 より大きくVRD2 より小さい場合、ラッチ回路LQ1、LQ0のラッチデータが”01”に変化する。
【0156】
一方、メモリセルのしきい値電圧VthがVRD1 より小さい場合、リーク補償電流より大きいセル電流が流れ、ノードSAの電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルとなる。このため、制御信号φLAT2によりトランジスタN16がオン状態となっても、トランジスタN10のゲートがローレベルとなっているため、トランジスタN10のそれぞれのドレイン−ソース間が高抵抗な状態とされ、ラッチ回路LQ0の記憶ノードQ0を反転させるのに必要な電流を流すことができず、結果としてリセットのままのローレベルな状態が保持される。
【0157】
このようにして読み出し動作がなされ、読み出し動作完了時には、ラッチ回路LQ1,LQ0の記憶ノードQ1,Q0のそれぞれにメモリセルのしきい値電圧Vthに応じた出力が保持される。つまり、選択メモリセルのしきい値電圧Vthがデータ”00”に対応するプログラム状態(分布A)にある場合は(Q1,Q0)=(1,1)となり、データ”01”に対応するプログラム状態(分布B)にある場合は(Q1,Q0)=(1,0)となり、データ”10”に対応するプログラム状態(分布C)にある場合は(Q1,Q0)=(0,1)となり、データ”11”に対応する消去状態(分布D)にある場合は(Q1,Q0)=(0,0)となる。そして、これらの反転出力が読み出しデータとして取り出される。
【0158】
ここで、表1に、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの書き込み動作、書き込みベリファイ動作および読み出し動作時の各部の電圧の設定例を示す。なお、表1においては、書き込み対象および読み出し対象として、ワード線WL6上のメモリセルが選択されているものとする。
【0159】
【表1】
Figure 0004273558
【0160】
次に、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの消去動作および消去ベリファイ動作について説明する。図11は、消去動作を説明するための略線図、図12は、消去ベリファイ動作を説明するための略線図である。
【0161】
このNAND型フラッシュメモリにおいては、メモリセルアレイ1が設けられるpウェル13(およびnウェル12)に所定の高電圧(例えば20V程度)の消去電圧VERS を印加すると共にp型Si基板11に0Vを印加し、メモリセルのフローティングゲートからFNトンネリング現象を用いて電子を引き抜くことにより、メモリセルに記憶されている記憶データが消去される。これにより、メモリセルは、負のしきい値電圧の消去状態とされる。消去ベリファイ動作は、消去動作完了後に、メモリセルの記憶データが十分に消去されたかを確認するために行われる。
【0162】
図11に示すように、消去動作が起動される前、制御信号PGMがGNDレベルに設定され、トランジスタN2がオフ状態とされている。これにより、ビット線BLm ,BLm+1 は、データラッチ/センスアンプ回路3のビット線電圧設定回路3bから切り離されている。また、制御信号TRNおよび制御信号AnB,AnNがVcc−Vthレベルに設定され、トランジスタH1〜H4がオン状態にされていると共に、制御信号DISおよび制御信号Vref がVccレベルに設定され、トランジスタN1がオン状態、トランジスタP1がオフ状態にされている。これにより、ビット線BLm ,BLm+1 はいずれも接地ラインと接続されている。
【0163】
この状態で消去動作が起動されると、制御信号DISがGNDレベルに切り換えられ、ビット線BLm ,BLm+1 は接地ラインから切り離されてフローティング状態とされる。このとき、選択ゲート線DSGおよび選択ゲート線SSGはロウデコーダ2から切り離されてフローティング状態とされ、ソース線SLはソース線ドライバ4から切り離されてフローティング状態とされる。また、メモリセルアレイ1が設けられるpウェル13に所定の高電圧、例えば20V程度の消去電圧VERS が印加される。このとき、NANDストリングAm ,Am+1 においては、メモリセルのソース領域またはドレイン領域となるn+ 型拡散層17がフローティング状態とされ、また、pウェル13がハイレベルであることにより、n+ 型拡散層17がpウェル13とほぼ同電位までブーストされる。ビット線BLm ,BLm+1 、ソース線SL、選択ゲート線DSGおよび選択ゲート線SSGもまたフローティング状態であることにより、pウェル13とほぼ同電位までブーストされる。そして、この状態で、消去対象とされる選択ブロック内の全ワード線に0Vが印加され、非選択ブロック内の全ワード線がフローティング状態とされる。
【0164】
このとき、選択ブロック内のNANDストリングAm ,Am+1 においては、ワード線(コントロールゲートCG)の電圧が0Vに設定されていることにより、フローティングゲートFGの電位がワード線とのカップリングによってチャネル電位より低くなり、チャネルとフローティングゲートFGとの間に10V以上の電位差が生じる。この電界によりFNトンネリング現象が起こり、フローティングゲートFGの電子がチャネル(基板)に引き抜かれ、フローティングゲートFGが正電荷で満たされる。これにより、NANDストリングAm ,Am+1 中の全メモリセルの記憶データが消去され、これらのメモリセルのしきい値電圧が負電圧となる。一方、非選択ブロック内のNANDストリングにおいては、ワード線(コントロールゲートCG)がフローティング状態であることにより、これらのワード線がpウェル13との容量結合によりpウェル13とほぼ同電位までブーストされ、消去禁止とされる。
【0165】
このようにしてメモリセルに記憶されている記憶データを消去した後、pウェル13(およびnウェル12,p型Si基板11)に印加されるウェル電圧が0Vに切り換えられる。また、選択ゲート線DSGおよび選択ゲート線SSGがロウデコーダ2と接続され、これらの選択ゲート線DSGおよび選択ゲート線SSGに0Vが印加されると共に、ソース線SLがソース線ドライバ4と接続され、このソース線SLに0Vが印加される。これにより、消去動作が完了する。
【0166】
消去動作が完了すると、制御信号DISがVccレベルに設定され、この間に、ビット線BLm ,BLm+1 が接地される。一定時間経過した後、制御信号DISがGNDレベルに切り換えられ、ビット線BLm ,BLm+1 が接地ラインから切り離される。その後、消去ベリファイ動作が実行される。
【0167】
消去ベリファイ動作が起動されると、図12に示すように、その動作に先立ってリセット信号RSTが一定期間ハイレベル(Vccレベル)に設定され、ラッチ回路LQ1,LQ0に保持されているラッチデータが全てローレベルにリセットされる。
【0168】
そして、制御信号AnB,AnNで消去ベリファイ対象とされるNANDストリングが選択される。ここでは、まず、ビット線BLm と接続されるNANDストリングAm が消去ベリファイ対象として選択される。この場合、制御信号AnBがP5Vレベルに設定され、制御信号AnNがGNDレベルに設定される。これにより、選択側のビット線BLm がノードSAと接続され、非選択側のビット線BLm+1 がフローティング状態とされる。
【0169】
このNANDストリングAm に対する消去ベリファイ動作では、メモリセルのしきい値電圧が−1.5V以下であるかが判定される。ここで、−1.5Vのしきい値電圧は、ローカルセルフブースト法を用いて多値並列書き込みを行う場合に、多値並列書き込みを実現する上で必要な消去状態のメモリセルのしきい値電圧の上限に対応する。この判定は、ラッチ回路LQ1,LQ0のリセット完了後、すなわち、制御信号DISおよびリセット信号RSTが共にGNDレベルに切り換えられた後、選択ゲート線DSG、選択ゲート線SSGに所定のハイレベルの電圧、例えばP5V(例えば6V程度)が印加された状態で、全ワード線にVERSVF =0Vを印加してNANDストリングAm 中の全メモリセルに対して読み出しを実行することによりなされる。なお、このとき、ソース線SLには0.5Vが印加され、pウェル13には0Vが印加される。
【0170】
また、実際のしきい値電圧の判定の前処理として制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ある程度時間が経過すると、ビット線BLm の電圧が上昇し、トランジスタH1のゲート−ソース間の電位差がVth´(Vth´はトランジスタH1のしきい値電圧)以下となるとき自動的にトランジスタH1,H3がオフする。したがって、ビット線BLm は(Vcc−Vth−Vth´)レベル(例えば1.5V程度)に充電され、ノードSAはVccレベルとなる。
【0171】
この状態で、全ワード線にVERSVF が印加され、セル電流の有無をビット線BLm およびノードSAの電圧に反映させてしきい値電圧の判定がなされる。つまり、NANDストリングAm 中にしきい値電圧が−1.5V以上のメモリセルが存在し、1μA以上のセル電流が流れる場合には、ビット線BLm の電圧が降下し、トランジスタH1,H3がオン状態となる。したがって、ノードSAは、ビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ等しい電圧まで降下する。また、NANDストリングAm 中の全メモリセルのしきい値電圧が−1.5V以下の場合には、セル電流が1μA以下となり、ビット線BLm の電圧が降下することがないため、ノードSAの電圧はそのままVccレベルに保持される。この関係に基づいてしきい値電圧の判定がなされる。
【0172】
すなわち、図12に示すように、リセット信号RSTおよび制御信号DISがGNDレベルに切り換えられ、NANDストリングAm に対する消去ベリファイ動作が起動されると、制御信号Vref がGNDレベルに設定されてトランジスタP1がオン状態とされ、ビット線BLm に対して電源電圧Vccでの充電がなされる。ビット線BLm の充電が完了すると、制御信号Vref が所定レベルの電圧(例えば、2V)に設定される。
【0173】
そして、全ワード線にVERSVF が印加された状態でNANDストリングAm の全メモリセルに対して読み出しが実行され、消去状態のしきい値電圧分布の上限の判定がなされる。ここで、NANDストリングAm 中にしきい値電圧Vthが−1.5Vより大きいメモリセルが1つでも含まれる場合、セル電流が1μA以下となることにより、ノードSAはVccレベルに保持される。このとき、トランジスタN9,N10がオン状態となる。
【0174】
そして、一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT3,φLAT4がハイレベルに設定される。
【0175】
制御信号φLAT3,φLAT4がハイレベルに設定されると、トランジスタN14,N13がオン状態となる。このときトランジスタN9がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ1の反転記憶ノード/Q1がローレベルに設定されて記憶ノードQ1がローレベルからハイレベルに反転する。このとき、ラッチ回路LQ1の記憶ノードQ1と接続されたトランジスタN18のゲートがハイレベルになり、トランジスタN18がオン状態となる。
【0176】
さらに一定時間経過後、パルス状の信号である制御信号φLAT1がハイレベルに設定される。
【0177】
制御信号φLAT1がハイレベルに設定されると、トランジスタN19がオン状態となる。このときトランジスタN18およびトランジスタN10がオン状態であることにより、ラッチ回路LQ0の反転記憶ノード/Q0がローレベルに設定されて記憶ノードQ0がローレベルからハイレベルに反転する。
【0178】
以上により、NANDストリングAm 中にしきい値電圧Vthが−1.5Vより大きいメモリセルが一つでも含まれる場合、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータが”11”に反転する。
【0179】
一方、NANDストリングAm 中の全メモリセルのしきい値電圧Vthが−1.5V以下の場合、1μA以上のセル電流が流れ、ノードSAの電圧が降下してトランジスタH1,H3がオンし、ビット線BLm の容量CBLとノードSAの容量CSA(<<CBL)との間で電荷の再分配が起こり、ノードSAの電圧がビット線BLm の電圧(Vcc−Vth−Vth´)とほぼ同程度のローレベルとなる。このため、制御信号φLAT3,φLAT4,およびφLAT1によりトランジスタN14,N13,N19がオン状態となっても、トランジスタN9,N10のゲートがローレベルとなっているため、トランジスタN9,N10のドレイン−ソース間が高抵抗な状態とされ、ラッチ回路LQ1,LQ0の記憶ノードQ1,Q0を反転させるのに必要な電流を流すことができず、結果としてリセットのままのローレベルな状態が保持される。
【0180】
このようにしてNANDストリングAm に対する消去ベリファイ動作がなされると、ラッチ回路LQ1,LQ0にメモリセルのしきい値電圧の確認結果に応じたデータが保持される。その後、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータが、各データラッチ/センスアンプ回路3毎に順次読み出され、その結果、ラッチデータが全て”00”となっていれば消去十分と判定され、ラッチデータに1つでも”1”があれば消去不十分と判定される。この1回目の消去ベリファイ動作後の消去状態の確認結果は他の制御回路に供給され、記憶される。
【0181】
NANDストリングAm に対する消去ベリファイ動作が終了すると、選択ゲート線DSGおよび選択ゲート線SSGの電圧がP5Vレベルから0Vに切り換えられ、ソース線SLの電圧が0.5Vから0Vに切り換えられる。そして、制御信号AnBがGNDレベルに設定される。一定時間経過後、制御信号AnBおよび制御信号AnNがVcc−Vthに設定されると共に、制御信号DISがVccレベルに設定され、この間にビット線BLm ,BLm+1 が接地される。その後、NANDストリングAm+1 に対する消去ベリファイ動作が起動される。
【0182】
NANDストリングAm+1 に対する消去ベリファイが起動されると、その動作に先立ってリセット信号RSTが一定期間ハイレベルに設定され、ラッチ回路LQ1,LQ0に保持されているラッチデータが全てローレベルにリセットされる。そして、制御信号AnBがGNDレベルに設定され、制御信号AnNがP5Vに設定される。これにより、選択側のビット線BLm+1 がノードSAと接続され、非選択側のビット線BLm がフローティング状態とされる。以降は、NANDストリングAm に対する消去ベリファイの場合と同様であるので、説明を省略する。
【0183】
NANDストリングAm に対する消去ベリファイ動作終了後、同様に、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータが、各データラッチ/センスアンプ回路3毎に順次読み出され、その結果、ラッチデータが全て”00”となっていれば消去十分と判定され、ラッチデータに1つでも”1”があれば消去不十分と判定される。そして、1回目の消去ベリファイ動作後の消去状態の確認結果と、2回目の消去ベリファイ動作後の消去状態の確認結果とが参照され、少なくとも一方において消去不十分と判定されていれば、再度、消去動作および消去ベリファイ動作が実行される。そして、選択ブロック内の全てのメモリセルが消去十分と判定された段階で一連の動作が終了する。
【0184】
ここで、表2に、この一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの消去動作時および消去ベリファイ動作時の各部の電圧の設定例を示す。なお、表2においては、比較のために、この発明が適用される以前の消去ベリファイ動作時の電圧の設定例が併記されている。
【0185】
【表2】
Figure 0004273558
【0186】
以上、この一実施形態によれば、消去ベリファイ動作時に、ソース線SLに所定の正の電圧を印加するようにしていることにより、見かけ上、メモリセルのしきい値電圧を上昇させるようにして、言い換えれば、セル電流を減らすようにしてメモリセルのしきい値電圧を判定することができるので、消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧をローカルセルフブースト法を用いた多値並列書き込みを実現する上で必要な−1.5V以下にするために行うメモリセルのしきい値電圧の判定を、書き込みベリファイ動作時にメモリセルのしきい値電圧を判定する際に用いる判定電流、具体的には1μAの判定電流で行うことができる。この際、消去ベリファイ動作時におけるメモリセルのしきい値電圧の判定とは、書き込みベリファイ動作時におけるメモリセルのしきい値電圧の判定とは、同一のデータラッチ/センスアンプ回路3を用いて、しかも、その設計を特に変更することなく行うことができる。
【0187】
また、この一実施形態によれば、上述のような消去ベリファイを行うことにより、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧を−1.5V以下にすることができるので、書き込み時のディスターブの影響の少ないローカルセルフブースト法を用いて、信頼性の高い多値並列書き込みを行うことができる。
【0188】
以上この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた構成、数値、動作タイミングなどは一例にすぎず、必要に応じてこれらと異なる構成、数値、動作タイミングとしてもよい。具体的には、上述の一実施形態において挙げたNAND型フラッシュメモリの全体構成、メモリセルアレイ1、データラッチ/センスアンプ回路3などの構成は一例に過ぎず、例示したものと異なる構成であってもよい。また、上述の一実施形態においては、メモリセルアレイ1を、いわゆるウェル・イン・ウェル(Well In Well)構造の同一pウェル13内に形成するようにしているが、これは、n型Si基板に設けられたpウェル内に形成するようにしてもよい。
【0189】
また、上述の一実施形態においては、選択ブロック内の全てのメモリセルが消去十分と判定された後に、ソース線SLに例えば1.1V程度の正の電圧を印加して、消去ベリファイ動作を実行することにより、消去状態のメモリセルのしきい値電圧が−8V以上であるかを判定するようにしてもよい。ここで、−8Vのしきい値電圧は、消去状態のメモリセルのしきい値電圧分布の下限に対応する電圧である。この判定は、選択ゲート線DSG、選択ゲート線SSGおよび非選択ワード線にP5Vが印加された状態で、選択ワード線にVERSVF を印加して選択メモリセルに対して読み出しを実行することによりなされる。このとき、選択メモリセルのしきい値電圧が−8V以上である場合、セル電流が1μA以下となり、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータが”11”に反転し、選択メモリセルのしきい値電圧が−8V以下の場合、1μA以上のセル電流が流れ、ラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータがリセット状態のままのローレベルな状態に保持される。
【0190】
また、上述の一実施形態においては、ブロック単位で消去動作を行った後、ブロック単位で消去ベリファイ動作を行うようにしているが、これは、チップ一括で消去動作を行った後、ブロック単位で消去ベリファイを行うようにしてもよい。また、上述の一実施形態においては、消去ベリファイ動作時にラッチ回路LQ1,LQ0のラッチデータを反転させるようにしているが、これは、ラッチ回路LQ1,LQ0の何れか一方を反転させるようにしてもよい。
【0191】
また、上述の一実施形態においては、消去ベリファイ動作時にソース線SLに正の電圧を印加してセル電流を低減するようにしているが、これは、pウェル13に負の電圧を印加してセル電流を低減するようにしてもよい。
【0192】
また、上述の一実施形態においては、この発明を1つのメモリセルに2ビットのデータを記憶することが可能な4値型のNAND型フラッシュメモリに適用した場合について説明したが、この発明は、1つのメモリセルに3ビットのデータを記憶することが可能な8値型のNAND型フラッシュメモリは勿論のこと、1つのメモリセルに4ビット以上のデータを記憶することが可能な多値型のNAND型フラッシュメモリに適用することも可能である。また、この発明は、多値型のNAND型フラッシュメモリに適用した場合に特に顕著な効果を奏するものであるが、この発明は、2値型のNAND型フラッシュメモリに適用することも可能である。
【0193】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、メモリセルの記憶データを消去する消去動作後にメモリセルのしきい値電圧を判定する消去ベリファイ動作時に、ソース線または第1導電型の半導体領域に所定の逆方向電圧を印加するようにしていることにより、セル電流を減らすようにしてメモリセルのしきい値電圧を判定することができるので、消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルを所望のしきい値電圧にするために必要なメモリセルのしきい値電圧の判定を、書き込みベリファイ動作時にメモリセルのしきい値電圧を判定する際に用いる判定電流と同一の判定電流で行うことができるという効果がある。
【0194】
また、この発明によれば、消去ベリファイ動作を行うことによって、データ消去後のメモリセルにおいて所望のしきい値電圧状態を実現することができ、具体的には、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧を、例えば、ローカルセルフブースト法を用いて多値並列書き込みを行う上で必要な条件を満たすように設定することができる。これにより、多値型の不揮発性半導体記憶装置において、書き込み時に、ディスターブの影響の少ないローカルセルフブースト法を用いることができ、信頼性の高い多値並列書き込みを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの構成例を示す略線図である。
【図2】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイにおける1つのNANDストリングの平面図である。
【図3】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイにおける1つのNANDストリングの断面図である。
【図4】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイの等価回路図である。
【図5】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリにおけるいメモリセルのしきい値電圧分布と記憶データ内容との対応関係を示す略線図である。
【図6】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイのデータラッチ/センスアンプ回路の構成例を示す略線図である。
【図7】 ソース線に正の電圧を印加した状態で、消去状態のメモリセルに対してワード線に0Vを印加して読み出しを実行したときの、メモリセルのしきい値電圧とセル電流との関係を示すグラフである。
【図8】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの書き込み動作を説明するための略線図である。
【図9】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの書き込みベリファイ動作を説明するための略線図である。
【図10】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの読み出し動作を説明するための略線図である。
【図11】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの消去動作を説明するための略線図である。
【図12】 この発明の一実施形態によるNAND型フラッシュメモリの消去ベリファイ動作を説明するための略線図である。
【図13】 NAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイ構造を説明するための等価回路図である。
【図14】 1つのメモリセルに2ビットからなり4値をとるデータを記憶することが可能な4値型のNAND型フラッシュメモリにおけるメモリセルのしきい値電圧分布と記憶データ内容との対応関係を示す略線図である。
【図15】 1つのメモリセルに3ビットからなり8値をとるデータを記憶することが可能な8値型のNAND型フラッシュメモリにおけるメモリセルのしきい値電圧分布と記憶データ内容との対応関係を示す略線図である。
【図16】 ローカルセルフブースト法の動作原理を説明するために用いるNAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイの等価回路図である。
【図17】 消去状態のメモリセルに対してワード線に0Vを印加して読み出しを実行したときの、メモリセルのしきい値電圧とセル電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・メモリセルアレイ、2・・・カラム回路、3・・・データラッチ/センスアンプ回路、3a・・・ビット線選択回路、3b・・・ビット線電圧設定回路、3c・・・ラッチ回路、3d・・・ラッチ制御回路、3e・・・ベリファイ判定回路、4・・・ソース線ドライバ、5・・・基板電圧設定回路、6・・・制御回路、11・・・p型Si基板、12・・・nウェル、13・・・pウェル、17〜19・・・n+ 型拡散層、FG・・・フローティングゲート、CG・・・コントロールゲート、BLm 〜BL4・・・ビット線、WL1〜WL16・・・ワード線、SL・・・ソース線、Am 〜A4・・・NANDストリング、M1-1 〜M16-1,M1-2 〜M16-2,M1-3 〜M16-3,M1-4 〜M16-4・・・メモリセル

Claims (24)

  1. 第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数の上記メモリセルによってストリングが構成されていると共に、上記ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および上記第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
    上記メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによって上記しきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置であって、
    上記メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し用電圧を印加して上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、上記ソース線に所定の逆方向電圧を印加するようにしたソース線電圧制御手段と、
    セル電流および判定電流に基づき上記メモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路と
    を有し、
    上記ソース線に上記逆方向電圧を印加することにより上記消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
    上記センスアンプ回路は、上記メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の電圧を印加して上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、上記消去ベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした不揮発性半導体記憶装置。
  2. 上記第1導電型の半導体領域はp型半導体領域であり、上記メモリセルを構成する上記第2導電型チャネルの電界効果トランジスタはnチャネル電界効果トランジスタであり、上記ソース線を構成する上記第2導電型の拡散層はn型拡散層であり、かつ、上記消去ベリファイ動作時に上記ソース線に印加する上記逆方向電圧は正の電圧であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 上記消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限および/または下限に対応するしきい値電の判定を行うことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 上記ソース線電圧制御手段は、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合と、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の下限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合とで、上記ソース線に印加する上記逆方向電圧を変化させることを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 上記不揮発性半導体記憶装置は、上記メモリセルに2ビット以上の多値データを記憶するようにしたものであり、書き込み動作時に、書き込みデータに応じてビット線電圧を変化させることにより、上記メモリセルに上記多値データを同時に書き込むことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 上記不揮発性半導体記憶装置は、書き込み動作時に、ローカルセルフブースト法を用いて上記メモリセルにデータを書き込むことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数の上記メモリセルによってストリングが構成されていると共に、上記ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および上記第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
    上記メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによって上記しきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置であって、
    上記メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し用電圧を印加して上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、上記第1導電型の半導体領域に所定の逆方向電圧を印加するようにした基板電圧制御手段と、
    セル電流および判定電流に基づき上記メモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路と
    を有し、
    上記第1導電型の半導体領域に上記逆方向電圧を印加することにより上記消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
    上記センスアンプ回路は、上記メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の電圧を印加して上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、上記消去ベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした不揮発性半導体記憶装置。
  8. 上記第1導電型の半導体領域はp型半導体領域であり、上記メモリセルを構成する上記第2導電型チャネルの電界効果トランジスタはnチャネル電界効果トランジスタであり、上記ソース線を構成する上記第2導電型の拡散層はn型拡散層であり、かつ、上記消去ベリファイ動作時に上記第1導電型の半導体領域に印加する上記逆方向電圧は負の電圧であることを特徴とする請求項7記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 上記消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限および/または下限に対応するしきい値電の判定を行うことを特徴とする請求項7記載の不揮発性半導体記憶装置。
  10. 上記ソース線電圧制御手段は、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合と、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の下限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合とで、上記第1導電型の半導体領域に印加する上記逆方向電圧を変化させることを特徴とする請求項9記載の不揮発性半導体記憶装置。
  11. 上記不揮発性半導体記憶装置は、上記メモリセルに2ビット以上の多値データを記憶するようにしたものであり、書き込み動作時に、書き込みデータに応じてビット線電圧を変化させることにより、上記メモリセルに上記多値データを同時に書き込むことを特徴とする請求項7記載の不揮発性半導体記憶装置。
  12. 上記不揮発性半導体記憶装置は、書き込み動作時に、ローカルセルフブースト法を用いて上記メモリセルにデータを書き込むことを特徴とする請求項7記載の不揮発性半導体記憶装置。
  13. 第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数の上記メモリセルによってストリングが構成されていると共に、上記ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および上記第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
    上記メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによって上記しきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法であって、
    上記メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し用電圧を印加して上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、上記ソース線に所定の逆方向電圧を印加し、
    上記ソース線に上記逆方向電圧を印加することにより上記消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
    セル電流および判定電流に基づき上記メモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路により、上記メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の 電圧を印加して上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、上記消去ベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  14. 上記第1導電型の半導体領域はp型半導体領域であり、上記メモリセルを構成する上記第2導電型チャネルの電界効果トランジスタはnチャネル電界効果トランジスタであり、上記ソース線を構成する上記第2導電型の拡散層はn型拡散層であり、かつ、上記消去ベリファイ動作時に上記ソース線に印加する上記逆方向電圧は正の電圧であることを特徴とする請求項13記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  15. 上記消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限および/または下限に対応するしきい値電の判定を行うことを特徴とする請求項13記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  16. 上記ソース線電圧制御手段は、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合と、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の下限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合とで、上記ソース線に印加する上記逆方向電圧を変化させることを特徴とする請求項15記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  17. 上記不揮発性半導体記憶装置は、上記メモリセルに2ビット以上の多値データを記憶するようにしたものであり、書き込み動作時に、書き込みデータに応じてビット線電圧を変化させることにより、上記メモリセルに上記多値データを同時に書き込むことを特徴とする請求項13記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  18. 上記不揮発性半導体記憶装置は、書き込み動作時に、ローカルセルフブースト法を用いて上記メモリセルにデータを書き込むことを特徴とする請求項13記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  19. 第1導電型の半導体領域中に、第2導電型チャネルの電界効果トランジスタからなるメモリセルが設けられ、直列接続された所定数の上記メモリセルによってストリングが構成されていると共に、上記ストリングの一端および他端が、それぞれビット線および上記第1導電型の半導体領域中に設けられた第2導電型の拡散層からなるソース線と接続され、
    上記メモリセルは、ワード線およびビット線への印加電圧に応じて電荷蓄積部に蓄積された電荷量が変化し、その変化に応じてしきい値電圧が変化することによって上記しきい値電圧に応じた値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法あって、
    上記メモリセルの記憶データを消去する消去動作後に、ワード線に所定の読み出し電圧を与えて上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした消去ベリファイ動作時に、上記第1導電型の半導体領域に所定の逆方向電圧を印加し、
    上記第1導電型の半導体領域に上記逆方向電圧を印加することにより上記消去ベリファイ動作時に流れるセル電流が低減され、
    セル電流および判定電流に基づき上記メモリセルのしきい値電圧を判定するセンスアンプ回路により、上記メモリセルにデータを書き込む書き込み動作後に、ワード線に所定の電圧を印加して上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした書き込みベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧の判定に用いる判定電流と同一の判定電流を用いて、上記消去ベリファイ動作時の上記メモリセルのしきい値電圧を判定するようにした不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  20. 上記第1導電型の半導体領域はp型半導体領域であり、上記メモリセルを構成する上記第2導電型チャネルの電界効果トランジスタはnチャネル電界効果トランジスタであり、上記ソース線を構成する上記第2導電型の拡散層はn型拡散層であり、かつ、上記消去ベリファイ動作時に上記第1導電型の半導体領域に印加する上記逆方向電圧は負の電圧であることを特徴とする請求項19記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  21. 上記消去ベリファイ動作時に、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限および/または下限に対応するしきい値電の判定を行うことを特徴とする請求項19記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  22. 上記ソース線電圧制御手段は、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の上限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合と、データ消去後のメモリセルのしきい値電圧分布の下限に対応するしきい値電圧の判定を行う場合とで、上記第1導電型の半導体領域に印加する上記逆方向電圧を変化させることを特徴とする請求項21記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  23. 上記不揮発性半導体記憶装置は、上記メモリセルに2ビット以上の多値データを記憶するようにしたものであり、書き込み動作時に、書き込みデータに応じてビット線電圧を変化させることにより、上記メモリセルに上記多値データを同時に書き込むことを特徴とする請求項19記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
  24. 上記不揮発性半導体記憶装置は、書き込み動作時に、ローカルセルフブースト法を用いて上記メモリセルにデータを書き込むことを特徴とする請求項19記載の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ方法。
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