JP3666829B2 - 密閉中空容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品、飲料水、化粧品、医薬品等の収納に用いられる密閉容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品、飲料水、化粧品、医薬品等の収納に用いられる異物の混入を防止した密閉中空容器の製造方法としては、次に説明する(イ)または(ロ)の方法がある。
【0003】
(イ) 図6の(a)に示すように、胴部102および胴部102に連設された外周面に雄ねじ部103aを有する口部103からなる中空容器本体101と、口部103に連設されたドーム状の頭部104と、頭部104に細管部106を介して連設された袋状部105との外面を規制するためのキャビティを有する分割形式の金型111,112を用い、型開きした前記金型111,112の間に溶融したパリスンを配置したのち型閉じして前記パリスンを挟持し、ついで、吹込ノズル113を前記袋状部105の側壁から突き刺して加圧流体を導入することによってブロー成形を行なったのち、図6の(b)に示すように前記細管部106と前記頭部104の境界部を加熱刃114で切断すると同時に溶着する方法(特開昭61−63431号公報参照)。
【0004】
(ロ) 図7の(a)および(b)に示すように、胴部202および口部203からなる中空容器本体201と、口部203に連設された頭部204と、頭部204に連設された細管部205の外面を規制するキャビティ211a,211bを備えた分割形式の金型211,212を用い、前記金型211,212を型開きするとともにそのキャビティのうちの前記頭部204の外面を規制する部分に先端が達するようにブローノズル215を押出ヘッド214から突出させたのち、押出ヘッドよ214りブローノズル215をとり囲むように溶融したパリスン216を押出して型開きされた金型211,212間に配置し、ついで型閉じを行なってブローノズル215とキャビティ211a,212aの中の細管部205の外面を規制する部分との間で前記パリスン216を挟圧して細管部205を形成したのち、ブローノズル215より無菌エアーをパリスン216内に吹き込んでブロー成形を行ない、ついで、ブローノズル215を引き抜いたのち、細管部205をシール金具で挟圧して溶着密封すると同時に切り離す方法(特開昭63−221027号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術のうちの(イ)の方法は、吹込ノズルを突き刺すための袋状部を設けて吹込ノズルによって突き破られたパリスンの小片を該袋状部内で捕捉することによって中空容器内へ前記パリスンの小片が侵入するのを防止したものであるが、前記袋状部は密閉中空容器としては不用なバリであり、このため、バリの発生量が多くなってコスト高を招くという問題点がある。
【0006】
他方、(ロ)の方法は、外径の細いブローノズルとキャビティのうちの細管部を形成する部分との間でパリスンを挟圧するため、両者の位置が正常位置からずれた場合には前記ブローノズルが折損するおそれがあるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、バリの発生量を低減することができるとともにブローノズルが折損するおそれがない密閉中空容器の製造方法を実現することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の密閉中空容器の製造方法は、胴部および前記胴部に連設された口部からなる中空容器本体と、前記口部に連設された頭部と、前記頭部に連設された筒状部とを有し、前記筒状部の開口部が閉塞部で密閉された密閉中空容器の製造方法において、前記胴部および前記胴部に連設された口部からなる中空容器本体と、前記口部に連設された頭部と、前記頭部に連設された筒状部との外面を規制するキャビティを有する分割形式の金型を用い、型開きした前記金型間に溶融したパリスンを配置したのち型閉じを行なって前記パリスンを挟持すると同時に前記筒状部を形成し、ついで前記筒状部の開口部にブローノズルの本体の先端から突出する該本体よりも外径の小さい小径部を有するブローノズルの該小径部を挿入するとともに前記ブローノズルの肩部で前記筒状部の開口部を密封したのち、前記ブローノズルを介して加圧流体を前記パリスン内へ導入してブロー成形し、ついで前記ブローノズルの小径部を前記筒状部より引き抜いたのち、前記筒状部を溶着手段により両側から挟圧してその対向壁同士を溶着することによって前記閉塞部を形成することを特徴とする。
【0010】
【作用】
型閉じによりパリスンを挟持すると同時に筒状部を形成し、前記筒状部の開口部にブローノズルの本体の先端から突出する該本体よりも外径の小さいブローノズルの小径部を嵌挿するため、ポリ屑が発生することがない。また、ブローノズルの肩部で筒状部の開口部が密封されるため、ブローノズルに金型の型閉じによる大きな外力がかかることがなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
先ず、本発明の密閉中空容器の製造方法によって製造された密閉中空容器の一例について説明する。
【0013】
図1に示すように、密閉中空容器Pは、胴部2および胴部2に連設された外周面に雄ねじ部3aを有する口部3からなる中空容器本体1と、口部3に連設されたドーム状の頭部4と、頭部4に連設された筒状部5とを備え、筒状部5の開口部が閉塞部6で密閉されたものであって、使用時において、口部3と頭部4との境界部である切断部7で頭部4側を切り離して使用する。
【0014】
次に、本発明の密閉中空容器の製造方法の工程について、図1に示した密閉中空容器Pを製造する場合を例に挙げ、図2ないし図5を参照しつつ説明する。
【0015】
▲1▼ 胴部2および胴部2に連設された口部3とからなる中空容器本体1と、口部3に連設された頭部4と、頭部4に連設された筒状部5との外面を規制するためのキャビティ12を備えた分割形式の金型11を型開きする。
【0016】
▲2▼ 上記▲1▼ののち、図2に示すように、型開きされた分割形式の金型11間に溶融したパリスン13を配置したのち型閉じしてパリスン13を挟持すると同時にキャビティ12のうちの筒状部5の外面を規制する部分である筒状部形成用凹所12aで所定の寸法の内径を有する筒状部5を形成する。
【0017】
▲3▼ 上記▲2▼の工程ののち、ブローノズルの本体の先端から突出する該本体よりも外径の小さい小径部14aを備えたブローノズル14の前記小径部14aを前記筒状部5の開口部に嵌挿するとともに、前記ブローノズル14の肩部14bと前記金型11のテーパー状のブローノズル挿入孔11aの壁面間で挟圧することによって前記筒状部5の開口部を密封する。
【0018】
▲4▼ 上記▲3▼ののち、ブローノズル14より加圧流体をパリスン13内へ導入することによってブロー成形し、上述した、胴部2および胴部2に連接された口部3からなる中空容器本体1と、口部3に連設された頭部4と、頭部4に連設された筒状部5を形成する。
【0019】
▲5▼ 上記▲4▼ののち、金型中で冷却し、ついでブローノズル14の小径部14aを筒状部5から引き抜いて内部の加圧流体を排出させたのち、筒状部5の開口部を両側から溶着手段15で挟圧してその対向壁同士を溶着することによって閉塞部6(図1参照)を形成し、密閉中空容器Pを得る。
【0020】
本発明の効果を確認するための本発明に係る実験例と比較例に対する実験結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
表1から明らかなように、筒状部の内径d1 がブローノズルの小径部の外径d2 よりも大きいことが望ましく、筒状部の内径d1 がブローノズルの小径部の外径d2 より小さいと、ポリ屑の発生するおそれがある。
【0022】
因みに、筒状部の内径d1 は、2.5〜13mmの範囲以内が望ましく、2.5mmより小さいと排気に時間がかかり、逆に13mmより大きいと筒状部の開口部の密閉が難しくなる。
【0023】
また、筒状部の外径Dは、5〜15mmの範囲以内が望ましく、5mmより小さいと吹込みおよび排気を効率良くできなくなり、逆に15mmより大きいと筒状部の開口部を閉塞することが難しくなる。
【0024】
さらに、ブローノズルの小径部の外径d2 は、2〜12mmの範囲以内が望ましく、2mmより小さいと排気に時間がかかる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
【0026】
ブローノズルの小径部を筒状部の開口部に嵌挿するため、上述した従来の技術の如くブローノズルによって突き破られたパリスンの小片が発生せず、したがって、このようなパリスンの小片を捕捉するための膨出部等を設ける必要がない。その結果、バリの発生量が少なくなり製造コストを低減することができる。また、ブローノズルの小径部に金型の型閉じ時における型締力が加わらないので金型との位置がずれたとしてもブローノズルが折損するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉中空容器の製造方法によって製造された密閉中空容器の一例を示し、一部を断面で示す正面図である。
【図2】本発明の密閉中空容器の製造方法における、分割形式の金型によりパリスンを挟持して筒状部を形成する工程を示す金型主要部の模式部分断面図である。
【図3】図2に示す工程ののち、ブローノズルの小径部を筒状部に嵌挿してその開放部を密封する工程を示す金型主要部の模式部分断面図である。
【図4】図3に示す工程ののち、ブローノズルにより加圧流体をパリスン内へ導入してブロー成形する工程を示す金型主要部の模式部分断面図である。
【図5】図4に示す工程ののち、筒状部5を溶着手段により挟圧して閉塞部を形成する工程を示す説明図である。
【図6】従来の密閉中空容器の製造方法の一例を示し、(a)は吹込ノズルを突き刺して加圧流体を導入してブロー成形する工程を示す金型主要部の模式部分断面図、(b)は(a)に示す工程ののち頭部の開口部を密封する工程を示す説明図である。
【図7】従来の密閉中空容器の製造方法の他の例を示し、(a)は型開きされた金型間にパリスンを配置する工程の説明図、(b)は(a)の工程ののちブローノズルよりエアーを導入してブロー成形する工程の説明図である。
【符号の説明】
1 中空容器本体
2 胴部
3 口部
3a 雄ねじ部
4 頭部
5 筒状部
6 閉塞部
7 切断部
11 金型
11a ブローノズル挿入孔
12 キャビティ
12a 筒状部形成用凹所
13 パリスン
13a バリ
14 ブローノズル
14a 小径部
14b 肩部
Claims (1)
- 胴部および前記胴部に連設された口部からなる中空容器本体と、前記口部に連設された頭部と、前記頭部に連設された筒状部とを有し、前記筒状部の開口部が閉塞部で密閉された密閉中空容器の製造方法において、
前記胴部および前記胴部に連設された口部からなる中空容器本体と、前記口部に連設された頭部と、前記頭部に連設された筒状部との外面を規制するキャビティを有する分割形式の金型を用い、型開きした前記金型間に溶融したパリスンを配置したのち型閉じを行なって前記パリスンを挟持すると同時に前記筒状部を形成し、ついで前記筒状部の開口部にブローノズルの本体の先端から突出する該本体よりも外径の小さい小径部を有するブローノズルの該小径部を挿入するとともに前記ブローノズルの肩部で前記筒状部の開口部を密封したのち、前記ブローノズルを介して加圧流体を前記パリスン内へ導入してブロー成形し、ついで前記ブローノズルの小径部を前記筒状部より引き抜いたのち、前記筒状部を溶着手段により両側から挟圧してその対向壁同士を溶着することによって前記閉塞部を形成することを特徴とする密閉中空容器の製造方法。
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1996
- 1996-03-29 JP JP10404096A patent/JP3666829B2/ja not_active Expired - Lifetime
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