JP3666242B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ装置等のように電子写真方式を用いて画像の形成を行う画像形成装置に係わり、特にトナー画像を一時的に担持する中間転写体を有した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、例えば図3(a)に示すように、無端ベルト状の中間転写体を有したものが知られている。この画像形成装置では、記録用紙上への画像出力を行うのにあたって、潜像の書き込みを行うレーザROS(Raster Output Scanner)1およびトナー像の現像を行う現像器2を用いて感光体ドラム3上にトナー画像を形成した後に、その感光体ドラム3上のトナー画像を、中間転写体として機能する中間転写体ベルト4上に転写する。このとき、カラー画像の出力を行うのであれば、中間転写体ベルト4が1回転する毎にY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色のトナー画像を転写して、中間転写体ベルト4上で4色のトナー画像を合成する。そして、中間転写体ベルト4がトナー画像を一旦担持すると、その後に、その中間転写体ベルト4上のトナー画像を記録用紙上に転写して、記録用紙上への画像出力を行う。
【0003】
また、近年では、上述したような感光体ドラム3が一つのいわゆるシングルドラム方式の画像形成装置とは別に、例えば図3(b)に示すように、Y,M,C,Kの各色に対応した複数の感光体ドラム3を備えたいわゆるタンデム方式のものもある。タンデム方式の画像形成装置では、各感光体ドラム3から中間転写体ベルト4への転写を順に行うようになっているので、中間転写体ベルト4が1回転すれば、その中間転写体ベルト4上にY,M,C,Kの各色のトナー画像が合成されることとなり、シングルドラム方式のものに比べてカラー画像出力の高速化が図れるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した画像形成装置(シングルドラム方式およびタンデム方式)において、中間転写体ベルト4は、無端ベルト状に形成されているとともに、これを支持するロール4aによって回転駆動されるようになっている。
【0005】
一方、感光体ドラム3は、画質向上のために安定した回転特性を得る必要があるので、慣性モーメントが大きくなるように、その直径が大きく形成され、しかもフライホイールを有している。また、感光体ドラム3には、トナー画像転写後の残留トナーを除去するために、クリーニング手段としてのブレード5が常に画像形成面に摺接している。このブレード5は、例えばウレタンなどの比較的摩擦係数の大きい材料によって形成されているため、感光体ドラム3にとっては、大きな駆動負荷となる。
【0006】
そのために、感光体ドラム3は、比較的直径の小さいロール4aによって回転駆動され駆動開始の指示に即座に反応する中間転写体ベルト4に比べて、回転の立ち上がりおよび立ち下がりに遅れが生じることとなる。例えば、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との双方に同時に駆動開始の指示を与えた場合、感光体ドラム3のみがその指示から一定時間を経過した後に回転し始めることとなる。これは、感光体ドラム3を駆動する駆動源(モータ等)が回転すると、感光体ドラム3までの間の駆動系が撓み、その駆動系に感光体ドラム3の回転負荷トルクに相当する弾性エネルギーが蓄えられた後に、感光体ドラム3が回転し始めるからである。
【0007】
つまり、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間では、同時に駆動開始の指示を与えると、それぞれが回転し始める立ち上がりの瞬間(駆動開始時)と、それぞれが回転を終了する停止直前(駆動終了時)とにおいて、最も大きな速度(周速)の差が生じてしまう。
【0008】
このような周速の差は、以下に述べる理由により、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間における傷の発生要因となってしまう。通常、中間転写体ベルト4は、感光体ドラム3からのトナー画像の転写のために、常に感光体ドラム3のトナー画像形成面に接触している。そのうえ、感光体ドラム3に比べてその剛性が低いので、トナー画像の転写の安定化を図るために、何らかのアシスト手段により感光体ドラム3の画像形成面に付勢されている。したがって、この状態で感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間に周速の差が生じると、これらの間で磨耗が起き、その磨耗によって、いずれか柔らかい部材によるもの、例えば感光体ドラム3表面に傷が発生してしまうこととなる。
【0009】
この傷は、画像形成処理を繰り返す毎に大きくなり得るもので、画像出力を行う際における画像上での白抜けや黒筋となって現れ、出力画像の画質を著しく損なってしまうおそれのあるものである。そのため、画像形成装置のユーザまたは保守員は、このような画質欠陥の発生を防ぐために、感光体ドラム3等のメンテナンスを頻繁に行わなければならず、結果として画像形成装置の部品信頼性の低下やランニングコスト高に繋がってしまう。
【0010】
この傷の発生要因となる感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間の周速の差は、既に説明したように駆動開始時および駆動終了時において最大となる。そこで、感光体ドラム3に係る駆動系の剛性を上げて駆動源の駆動に対する追従性を改善し、駆動開始時または駆動終了時における中間転写体ベルト4との周速の差を抑えることも考えられる。しかしながら、この場合には、駆動系の剛性向上により装置コストの上昇を招いてしまうので、コストの観点から得策ではない。さらには、高周波振動を拾いやすくなり、別な画質欠陥を発生させてしまうという欠点がある。
【0011】
また、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間でフィードバック制御を行うことにより、これらの周速を一致させることも考えられる。具体的には、例えば特開昭64−72176号公報に開示されているように、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間において、一方の速度をエンコーダ等を用いて検知するとともに、その検知結果に基づいて他方の駆動源をON/OFFすることにより、一方の速度を他方に追従させることが考えられる。ところが、この場合は、一方の速度を他方に追従させるために、駆動源のON/OFFにより他方の速度を補正するようになっているので、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との位置関係は常に一定保たれるものの、速度補正時には瞬間的にこれらの間の速度差が大きなものとなってしまうので、結果として傷の発生領域が増えてしまうことが容易に類推される。
【0012】
さらに、この傷の発生は、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との位置関係が同一である場合に駆動開始または駆動終了を繰り返すと、その度合いが最も顕著になる。よって、例えば、感光体ドラム3の停止位置が同一箇所にならないようにすることも考えられるが、これは周速の差に起因する磨耗の発生を解消するものではないため、傷の発生に至る時間を延ばしているだけにすぎず、本質的な解決手段とはならない。
【0013】
そこで、本発明は、駆動系の剛性アップ等あるいはセンサやエンコーダを用いたフィードバック制御等を必要とせずに、駆動開始時または駆動終了時における感光体と中間転写体との間の速度差が生じてしまうのを防ぐことができ、その速度差に起因する傷の発生を抑えることを可能にする画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1記載の画像形成装置は、トナー像が形成される感光体と、前記感光体を回転駆動する第一駆動手段と、前記感光体上のトナー像形成面と接触し、その接触箇所にて前記トナー像が転写されるとともに、前記感光体とは異なる回転抵抗を有する中間転写体と、前記中間転写体を回転駆動する第二駆動手段と、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段による駆動の開始に際し、それぞれの間における駆動開始タイミングを所定時間相違させるタイミング制御手段と、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段との双方が駆動を開始すると、その時点から前記接触箇所における前記感光体と前記中間転写体との周速が一致するように、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段の駆動速度を制御する駆動速度制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0015】
このように構成された画像形成装置では、第一および第二駆動手段が駆動を開始するのにあたって、タイミング制御手段がこれらの間における駆動開始タイミングを相違させるようになっている。よって、感光体と中間転写体との回転抵抗が異なっていても、その回転抵抗の小さいほうの駆動開始タイミングを所定時間遅らせることができるので、回転抵抗の大きいほうの回転立ち上げの遅れによる速度差が生じてしまうことがない。しかも、第一および第二駆動手段による駆動開始後は、駆動速度制御手段がこれらの駆動速度を制御する。よって、これらの間の駆動開始タイミングが相違していても、双方の駆動開始後は、感光体と中間転写体との間の接触箇所におけるそれぞれの周速が一致するようになる。
【0016】
また、請求項2記載の画像形成装置は、トナー像が形成される感光体と、前記感光体を回転駆動する第一駆動手段と、前記感光体上のトナー像形成面と接触し、その接触箇所にて前記トナー像が転写されるとともに、前記感光体とは異なる回転慣性を有する中間転写体と、前記中間転写体を回転駆動する第二駆動手段と、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段による駆動の終了に際し、それぞれの間における駆動終了タイミングを所定時間相違させるタイミング制御手段と、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段とのいずれか一方が駆動を終了しても、前記感光体と前記中間転写体との双方が回転を停止するまでは、前記接触箇所における前記感光体と前記中間転写体との周速が一致するように、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段の駆動速度を制御する駆動速度制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
このように構成された画像形成装置では、第一および第二駆動手段が駆動を終了するのにあたって、タイミング制御手段がこれらの間における駆動終了タイミングを相違させるようになっている。よって、感光体と中間転写体との回転慣性が異なっていても、その回転慣性の小さいほうの駆動終了タイミングを所定時間遅らせることができるので、回転慣性の大きいほうの停止の遅れによる速度差が生じてしまうことがない。しかも、感光体と中間転写体との双方が回転を停止するまでは、駆動速度制御手段が第一および第二駆動手段の駆動速度を制御する。よって、第一および第二駆動手段の駆動終了タイミングが相違していても、これらによって駆動される感光体と中間転写体との双方が回転を停止するまでは、これらの間の接触箇所におけるそれぞれの周速が一致するようになる。
【0018】
また、請求項3記載の画像形成装置は、トナー像が形成される感光体と、前記感光体を回転駆動する第一駆動手段と、前記感光体上のトナー像形成面と接触し、その接触箇所にて前記トナー像が転写されるとともに、前記感光体とは異なる回転抵抗および回転慣性を有する中間転写体と、前記中間転写体を回転駆動する第二駆動手段と、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段との間における駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングをそれぞれ所定時間相違させるタイミング制御手段と、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段との双方が駆動を開始すると、その時点から前記感光体と前記中間転写体との双方が回転を停止するまでは、前記接触箇所における前記感光体と前記中間転写体との周速が一致するように、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段の駆動速度を制御する駆動速度制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0019】
このように構成された画像形成装置では、第一および第二駆動手段が駆動を開始するのにあたって、タイミング制御手段がこれらの間における駆動開始タイミングを相違させるようになっている。よって、感光体と中間転写体との回転抵抗が異なっていても、その回転抵抗の小さいほうの駆動開始タイミングを所定時間遅らせることができるので、回転抵抗の大きいほうの回転立ち上げの遅れによる速度差が生じてしまうことがない。さらには、第一および第二駆動手段が駆動を終了するのにあたって、タイミング制御手段がこれらの間における駆動終了タイミングを相違させるようになっている。よって、感光体と中間転写体との回転慣性が異なっていても、その回転慣性の小さいほうの駆動終了タイミングを所定時間遅らせることができるので、回転慣性の大きいほうの停止の遅れによる速度差が生じてしまうことがない。しかも、この画像形成装置では、駆動速度制御手段が第一および第二駆動手段の駆動速度を制御する。よって、第一および第二駆動手段の駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングが相違していても、これらによる感光体および中間転写体の駆動開始後からその回転が停止するまでは、これらの間の接触箇所におけるそれぞれの周速が一致するようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係わる画像形成装置について説明する。
図1は、本発明を、いわゆるシングルドラム方式の画像形成装置に適用した場合の概略構成図である。なお、図1中において、上述した従来の画像形成装置(図3参照)と同一の構成要素については、同一の符号を与えるものとする。
【0021】
本実施の形態の画像形成装置は、図1に示すように、潜像を書き込むためのレーザROS1と、その潜像を顕像化するための現像器2と、これらレーザROS1および現像器2によってトナー像が形成される感光体ドラム3と、その感光体ドラム3のトナー像形成面と接触しその接触箇所にてトナー画像が転写される中間転写体ベルト4と、転写後の感光体ドラム3上の残留トナーを除去するためのブレード(クリーナ)5と、を備えており、中間転写体ベルト4がトナー画像を担持すると、そのトナー画像を記録用紙上に転写して画像出力を行うように構成されたものである。
【0022】
これらのうち、感光体ドラム3は、例えば直径が84mmで駆動負荷が5kgfcmに形成されている。一方、複数のロールに支持される無端ベルト状の中間転写体ベルト4は、例えば直径30mmのロール4aに駆動され、しかも駆動負荷が1.5kgfcmとなっている。したがって、これらを比べると、感光体ドラム3のほうが、大きな慣性モーメントおよび駆動負荷を有しており、その回転抵抗および回転慣性が大きなものとなっている。なお、ここでいう回転抵抗とは、駆動開始時における回転の立ち上がり難さに相当するものであり、また回転慣性とは、駆動終了時における回転の立ち下がり難さに相当するものである。
【0023】
また、感光体ドラム3は、ドラム駆動モータ11とギア等の駆動系を介して接続しており、このドラム駆動モータ11によって回転駆動されるようになっている。ドラム駆動モータ11は、ステッピングモータまたはサーボモータ等からなるもので、このドラム駆動モータ11と接続するコントローラ13からのパルス信号に従って動作するものである。
【0024】
これに対して、中間転写体ベルト4は、この中間転写体ベルト4を支持するロール4aとギア等の駆動系を介して接続しているベルト駆動モータ12によって回転駆動されるようになっている。このベルト駆動モータ12も、ドラム駆動モータ11と同様に、ステッピングモータまたはサーボモータ等からなり、このベルト駆動モータ12と接続するコントローラ13からのパルス信号に従って動作するようになっている。
【0025】
つまり、ドラム駆動モータ11およびベルト駆動モータ12は、本発明における第一駆動手段および第二駆動手段として機能するものであり、それぞれが共に、コントローラ13から与えられるパルス信号によってその動作が制御されるようになっている。
【0026】
ここで、コントローラ13によるドラム駆動モータ11およびベルト駆動モータ12の駆動制御について、図2を参照しながら詳しく説明する。
【0027】
コントローラ13は、ドラム駆動モータ11およびベルト駆動モータ12の駆動を開始するのにあたって、先ず、ドラム駆動モータ11のみにパルス信号を与える。これにより、ドラム駆動モータ11は、感光体ドラム3の回転駆動を開始することとなる。
【0028】
ところが、このとき、感光体ドラム3は、ドラム駆動モータ11から感光体ドラム3までの間の駆動系が撓み、その駆動系に感光体ドラム3の回転負荷トルクに相当する弾性エネルギーが蓄えられた後に、回転し始める。つまり、感光体ドラム3は、ドラム駆動モータ11による駆動開始から一定時間(図中におけるA)を経過した後に回転し始めることとなる。この遅れ量は、感光体ドラム3の回転抵抗、すなわち慣性モーメントや駆動負荷から事前に導き出せる固定値であり、具体的には15msec程度となるものである。そして、回転を始めた後、感光体ドラム3では、その周速が、時間の経過に伴って上昇する(図中におけるB)。これは、コントローラ13がドラム駆動モータ11に指数関数型のパルスを与えるためである。
【0029】
このようにドラム駆動モータ11の駆動を開始すると、次いで、コントローラ13は、所定時間経過後に(図中におけるC)、ベルト駆動モータ12にパルス信号を与える。すなわち、コントローラ13は、ベルト駆動モータ12に対するパルス信号の発生タイミングを、ドラム駆動モータ11に対するものよりも所定時間遅らせる。この所定時間は、感光体ドラム3の回転開始時における立ち上がりの遅れ量(固定値)に相当するものであり、事前に設定し得るものである。
【0030】
さらに、コントローラ13は、ベルト駆動モータ12にパルス信号を与えるのにあたって、その駆動開始時点から感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間の接触箇所におけるそれぞれの周速が一致するようにする。詳しくは、コントローラ13では、ベルト駆動モータ12を速度「0」から立ち上げるのではなく、立ち上げ当初からその駆動速度が所定速度となるパルス数のパルス信号を与え(図中におけるD)、その後もそれぞれの周速が一致するパルス数のパルス信号を与える(図中におけるE)。このときのパルス数は、ドラム駆動モータ11に与えるパルス信号のパルス数(指数関数型パルス)と、上述したパルス信号の発生タイミングの相違量(所定時間)とから、事前に決定し得るものである。
【0031】
つまり、コントローラ13は、ドラム駆動モータ11およびベルト駆動モータ12の駆動開始に際し、予めされたプログラミングに従って、それぞれの間における駆動開始タイミングを所定時間相違させるとともに、双方の駆動開始後はその時点から感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との接触箇所における周速が一致するように、それぞれに与えるパルス数(駆動速度)を制御する。これにより、駆動開始時における感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との周速プロファイル(周速の変化)は、それぞれが一致することとなる。
【0032】
その後、ドラム駆動モータ11およびベルト駆動モータ12の駆動を終了する場合に、コントローラ13は、これらの双方に対して指数関数型のパルス信号を与え、感光体ドラム3および中間転写体ベルト4の周速を、時間の経過と共に減少させる(図中におけるF)。ただし、感光体ドラム3および中間転写体ベルト4の停止直前において、コントローラ13は、ベルト駆動モータ12に対するパルス信号の終了タイミングを、ドラム駆動モータ11に対するものよりも所定時間遅らせる(図中におけるG)。この所定時間は、感光体ドラム3の回転終了時における立ち下がりの遅れ量(固定値)に相当するものであり、事前に設定し得るものである。
【0033】
しかも、コントローラ13は、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との双方が停止するまでは、これらの間の接触箇所におけるそれぞれの周速が一致するようにする。詳しくは、コントローラ13は、感光体ドラム3の回転立ち下がりの遅れ量および上述したパルス信号の終了タイミングの相違量(所定時間)に基づいて、ドラム駆動モータ11の駆動停止後、ベルト駆動モータ12へのパルス信号のパルス数を指数関数的に減少させる。
【0034】
つまり、コントローラ13は、ドラム駆動モータ11およびベルト駆動モータ12による駆動の終了に際し、予めされたプログラミングに従って、それぞれの間における駆動終了タイミングを所定時間相違させるとともに、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との双方が回転停止するまでは、これらの間の接触箇所における周速が一致するように、それぞれに与えるパルス数(駆動速度)を制御する。これにより、駆動終了時における感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との周速プロファイルは、それぞれが一致することとなる。
【0035】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置では、コントローラ13が本発明におけるタイミング制御手段および駆動速度制御手段としての機能を有しており、ドラム駆動モータ11とベルト駆動モータ12との間における駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングをそれぞれ所定時間相違させるとともに、これら双方の駆動開始から感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との双方が回転を停止するまでは、これらの間の接触箇所における周速が一致するように、ドラム駆動モータ11およびベルト駆動モータ12に対するパルス信号のパルス数を制御するようになっている。
【0036】
そのため、この画像形成装置では、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との回転抵抗または回転慣性が異なっていても、その回転抵抗の小さいほうの駆動開始タイミングまたはその回転慣性の小さいほうの駆動終了タイミングを所定時間遅らせることができるので、駆動開始時または駆動終了時にこれらの間での速度差が生じてしまうことがない。しかも、ドラム駆動モータ11とベルト駆動モータ12とで駆動開始タイミングまたは駆動終了タイミングが相違していても、これらによる感光体ドラム3および中間転写体ベルト4の駆動開始後からその回転が停止するまでは、これらの間の接触箇所におけるそれぞれの周速が一致するようになる。
【0037】
したがって、この画像形成装置では、感光体ドラム3と中間転写体ベルト4との間において、周速の相違に起因する傷の発生、特に駆動開始時または駆動終了時における傷の発生を抑えることができるようになる。
【0038】
具体的には、この画像形成装置を用いれば、傷の発生に伴う画質欠陥の発生率を以下のように抑えることができる。例えば、従来のもの(図3参照)では、感光体ドラム3が1万回回転した後は画像形成処理を行ったうちの約10%、感光体ドラム3が10万回回転した後は画像形成処理を行ったうちの約50%に、それぞれ傷の発生に伴う画質欠陥が生じていたのに対して、この画像形成装置では、感光体ドラム3の1万回回転後でも約1%、10万回回転後でも約5%に画質欠陥の発生率を抑えることができるようになる。
【0039】
故に、この画像形成装置を用いて画像形成処理を行えば、上述した傷の発生による画像上での白抜けや黒筋等のために出力画像の画質が損なわれてしまうことがなくなる。また、傷の発生による画像欠陥を従来よりも抑えることができるので、ユーザや保守員等が感光体ドラム3等を頻繁にメンテナンスする必要もなく、画像形成装置の部品信頼性の低下やランニングコスト高を招いてしまうこともない。しかも、この画像形成装置では、これらをコントローラ13による制御によって達成しているので、感光体ドラム3に係る駆動系の剛性アップや、センサやエンコーダを用いたフィードバック制御等を必要とすることがなく、装置コストの向上等を招くこともない。
【0040】
なお、本実施の形態では、シングルドラム方式の画像形成装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トナー画像を一時的に担持する中間転写体を有しているものであれば、例えばタンデム方式の画像形成装置であっても同様に適用可能である。
【0041】
また、本実施の形態では、感光体ドラム3がドラム状に形成され、かつ、中間転写体ベルト4が無端ベルト状に形成された場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、感光体と中間転写体とがそれぞれ独立した駆動源によって駆動され、しかもこれらの間における回転抵抗または回転慣性が異なっているものであれば、例えば中間転写体がドラム状に形成されたものに本発明を適用しても、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の画像形成装置は、感光体と中間転写体との回転抵抗または回転慣性が異なっていても、それぞれの駆動開始タイミングまたは駆動終了タイミングを所定時間相違させることができるので、駆動開始時または駆動終了時にこれらの間での速度差が生じてしまうことがない。しかも、駆動開始タイミングまたは駆動終了タイミングが相違していても、第1および第二駆動手段に対する速度制御により、感光体および中間転写体の駆動開始後からこれら双方の回転が停止するまでは、これらの間の接触箇所におけるそれぞれの周速が一致する。
【0043】
したがって、この画像形成装置では、駆動系の剛性アップやフィードバック制御等を必要とすることなく、駆動開始時または駆動終了時における周速の相違に起因する傷の発生を抑えることができる。つまり、この画像形成装置を用いて画像形成処理を行えば、傷の発生による画像欠陥を従来よりも抑えることができるようになり、画像形成装置の部品信頼性の低下やランニングコスト高を招いてしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる画像形成装置の実施の形態の一例を示す概略構成図である。
【図2】 図1の画像形成装置での駆動開始時および駆動終了時における駆動制御の具体例を示す説明図である。
【図3】 従来の画像形成装置の概略構成図であり、(a)はシングルドラム方式の画像形成装置を示す図、(b)はタンデム方式の画像形成装置を示す図である。
【符号の説明】
3…感光体ドラム、4…中間転写体ベルト、11…ドラム駆動モータ、12…ベルト駆動モータ、13…コントローラ
Claims (3)
- トナー像が形成される感光体と、
前記感光体を回転駆動する第一駆動手段と、
前記感光体上のトナー像形成面と接触し、その接触箇所にて前記トナー像が転写されるとともに、前記感光体とは異なる回転抵抗を有する中間転写体と、
前記中間転写体を回転駆動する第二駆動手段と、
前記第一駆動手段および前記第二駆動手段による駆動の開始に際し、それぞれの間における駆動開始タイミングを所定時間相違させるタイミング制御手段と、
前記第一駆動手段と前記第二駆動手段との双方が駆動を開始すると、その時点から前記接触箇所における前記感光体と前記中間転写体との周速が一致するように、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段の駆動速度を制御する駆動速度制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - トナー像が形成される感光体と、
前記感光体を回転駆動する第一駆動手段と、
前記感光体上のトナー像形成面と接触し、その接触箇所にて前記トナー像が転写されるとともに、前記感光体とは異なる回転慣性を有する中間転写体と、
前記中間転写体を回転駆動する第二駆動手段と、
前記第一駆動手段および前記第二駆動手段による駆動の終了に際し、それぞれの間における駆動終了タイミングを所定時間相違させるタイミング制御手段と、
前記第一駆動手段と前記第二駆動手段とのいずれか一方が駆動を終了しても、前記感光体と前記中間転写体との双方が回転を停止するまでは、前記接触箇所における前記感光体と前記中間転写体との周速が一致するように、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段の駆動速度を制御する駆動速度制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - トナー像が形成される感光体と、
前記感光体を回転駆動する第一駆動手段と、
前記感光体上のトナー像形成面と接触し、その接触箇所にて前記トナー像が転写されるとともに、前記感光体とは異なる回転抵抗および回転慣性を有する中間転写体と、
前記中間転写体を回転駆動する第二駆動手段と、
前記第一駆動手段と前記第二駆動手段との間における駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングをそれぞれ所定時間相違させるタイミング制御手段と、
前記第一駆動手段と前記第二駆動手段との双方が駆動を開始すると、その時点から前記感光体と前記中間転写体との双方が回転を停止するまでは、前記接触箇所における前記感光体と前記中間転写体との周速が一致するように、前記第一駆動手段および前記第二駆動手段の駆動速度を制御する駆動速度制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP12550498A JP3666242B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 画像形成装置 |
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