JP3666157B2 - 半導電性プラスチック無端転写ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機において、感光体上のトナーを写し取る転写中間体等に用いられる半導電性プラスチック無端転写ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フルカラー複写機等の電子写真複写機の実用化に伴って、感光体上に現像されたトナー像を複写紙に転写する際に、一旦トナーを転写中間体に写し取った後、複写紙に転写するというプロセスが採用されている。
【0003】
その一例を図4に示す。すなわち、このプロセスでは、感光ドラム1の表面が帯電ロール2により帯電された後、露光機構部3を介して原稿光像のスリット露光4が感光ドラム1表面に到達し、原稿像に対応した静電潜像が感光ドラム1表面に形成され、現像装置5によってトナー像が形成されるようになっている。また、上記感光ドラム1の下部には、転写中間体である無端ベルト6が、一次転写ローラ7に張架されて感光ドラム1に圧接されており、上記感光ドラム1上に現像されたトナー像が、上記無端ベルト6の順逆両方向の繰り返し走行により、この無端ベルト表面に各色順に転写されるようになっている。そして、この無端ベルト6の順方向(感光ドラム1と同じ方向)の走行により、上記トナー像は、この無端ベルト6と二次転写ローラ8との間に挟まれた複写紙9に転写される。なお、二次転写後に無端ベルト6の表面上に残留するトナーはクリーニングブレード10によって回収され、無端ベルト6はつぎの転写に備えるようになっている。また、一次転写後に感光ドラム1表面上に残留するトナーはクリーニング装置11によって回収され、その後、感光ドラム1表面はイレーザーランプ12により除電される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記無端ベルト6としては、従来から、ポリカーボネート(以下「PC」と略す)やポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略す)等に導電性フィラーを配合した半導電性熱可塑性樹脂が用いられている。しかしながら、上記PCは耐屈曲疲労性が劣るため、長期にわたって使用するとひび割れを生じるという問題がある。また、PCは極性が高いため、トナー離型性が悪く、経時的にトナーがベルト表面に固着する結果、画像に悪影響を与えたり、感光ドラム1やクリーニング装置11を損傷するという問題もある。一方、PETにおいても、トナー離型性の悪さが問題となっている。
【0005】
そこで、これら問題に応えるため、少なくとも表面層が、導電性フィラーを所定の割合で配合したフッ素樹脂で形成された導電性プラスチックベルト(特開平7−92825号公報)が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記導電性プラスチックベルトは、その表面層にフッ素樹脂が用いられているため、トナー離型性に関しては良好となっているものの、この表面層と、この表面層と隣接して設けられる層(通常、塩化ビニル、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等の材料で形成されている層)との密着性が悪い。その結果、この導電性プラスチックベルトを電子写真複写機に組み込んで用いると、外側ほど無端ベルトにかかる張力が大きいため、長期使用した場合、上記密着性の悪さゆえ、このフッ素樹脂製表面層と隣接層との間で層間剥離を起こしてしまうという問題を生じる。また、上記導電性プラスチックベルトは、ベルト自体の柔軟性に乏しいため、大きな張力(ベルトテンション)のもとでの使用や、ベルトのローラに対する応動等によって、ベルト端部(ローラとの接触部分)に応力が集中してしまうとベルトに亀裂を生じてしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、各層の間で剥離することなく、しかもベルト自体の耐久性にも優れた半導電性プラスチック無端転写ベルトの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、導電性フィラーを含有する層が少なくとも一層設けられている、内層,中間層および外層からなる三層ないし上記外層上に表面層を有する層構造の無端ベルトであって、上記層のうち外層が、厚みの大きい順に抽出された二層のうちの外側の層であり、かつ、フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂とを含有する材料で形成されてなる半導電性プラスチック無端転写ベルトを第1の要旨とし、導電性フィラーを含有する層が少なくとも一層設けられている、内層,中間層および外層からなる三層ないし上記外層上に表面層を有する層構造の無端ベルトであって、上記層のうち外層が、厚みの大きい順に抽出された二層のうちの外側の層であり、かつ、フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂と非フッ素化アクリレート系樹脂とを含有する材料で形成されてなる半導電性プラスチック無端転写ベルトを第2の要旨とする。
【0009】
すなわち、本発明者らは、各層の間で剥離せず、しかもベルト自体の耐久性に優れた半導電性プラスチック無端転写ベルト(以下、「半導電性プラスチック無端ベルト」と示す)を得るため、一連の研究を重ねた。その結果、フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂とを混合し、これを、所定の層構造を有する無端ベルトにおける所定の層(厚みの大きい順から抽出した二層のうち外側の層)の形成材料として用いることにより、所期の目的を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
【0010】
また、上記フッ素変性アクリレート系樹脂およびフッ素化オレフィン系樹脂に加えて、非フッ素変性アクリレート系樹脂を用いることにより、これを用いて形成した層に隣接する層との密着性がより一層優れたものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の半導電性プラスチック無端ベルトは、例えば、図1に示すように、内層14と、これに隣接する中間層15と、この中間層15に隣接する外層16の三層構造を有している。そして、上記各層の厚みは、外層16が最も大きく、つぎに内層14が大きく、中間層15が一番小さく設定されている。このような多層からなる半導電性プラスチック無端ベルト13において、上記多層のうち厚みの大きい順に二層を抽出すると、外層16と内層14とが抽出される。
【0013】
上記内層14の形成材料としては、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」と略す)等があげられる。なかでも、内層14を形成する際、結晶化が起こりにくい塩化ビニル系樹脂が好適に用いられる。なお、上記フッ素樹脂は、すでに述べたように、無端ベルト12の表層に用いた場合は、隣接層との間で層間剥離を起こし問題となるが、内側に用いた場合は、外側のように大きな張力が比較的かからず、上記問題が生じない。
【0014】
上記塩化ビニル系樹脂としては、数平均分子量4000〜40000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等があげられ、その市販品としては、例えばソリューションビニル樹脂VAGH(ユニオン・カーバイド社製)、デンカラック(電気化学工業社製)等が知られている。
【0015】
そして、上記塩化ビニル系樹脂の溶剤としては、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、アセトン、トルエン、メチルイソブチルケトン等が用いられる。そして、これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。なかでも、アセトン/トルエン混合溶剤(アセトン/トルエン=3/1)が好適である。
【0016】
上記フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体〔以下「Poly(VdF−TFE)」と略す〕、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFE)等が用いられる。なかでも、溶剤可溶性のものとして、Poly(VdF−TFE)が好適である。すなわち、製法的に有利だからである。
【0017】
そして、上記溶剤可溶性フッ素樹脂の溶剤としては、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略す)、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等が用いられる。なかでも、Poly(VdF−TFE)とアセトンの組合わせが好適である。
【0018】
つぎに、上記内層14の外周に沿って形成される中間層15の形成材料としては、ポリアミド樹脂等があげられる。そして、上記ポリアミド樹脂としては、N−メトキシメチル化ナイロン(以下「ナイロン8」と略す)、ナイロン12、共重合ナイロン等が用いられる。なかでも、上記内層14と外層16との密着強度を向上させ、しかもその二層が混ざらないようにするために、ナイロン8を用いることが好適である。
【0019】
また、上記ポリアミド樹脂の溶剤としては、メタノール、エタノール等の単独溶剤またはそれら単独溶剤に水、トルエン等を混合させた混合溶剤、1−プロパノール、2−プロパノール等が用いられる。なかでも、ナイロン8とメタノール/水混合溶剤(メタノール/水=3/1)との組合わせが好適である。
【0020】
上記厚みの大きい順に抽出された二層のうち、外側の層である外層16の形成材料としては、上記フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂とを含有する材料で形成される。
【0021】
上記フッ素変性アクリレート系樹脂としては、特開平7−228820号公報に開示されているように、アクリレート樹脂の側鎖に、炭素数が1〜20のパーフルオロアルキル基または部分フッ素化アルキル基等のフッ素化有機基を、適当な有機連結基を介してもしくは介することなく、導入することにより得られるものがあげられる。具体的には、上記フッ素化有機基を、有機連結基で連結したアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル等からなるフッ素化アクリレートと、それ以外のアクリレートとを重合させて得られるもの等があげられる。なお、トナー離型性を向上させる目的で、上記フッ素変性アクリレート系樹脂にポリシロキサン基を導入してもよい。
【0022】
上記フッ素変性アクリレート系樹脂とともに用いられるフッ素化オレフィン系樹脂としては、フッ素化オレフィンモノマ、例えば、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニルエーテル等を重合または共重合して得られるものである。なかでも、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好適に用いられる。なかでも、上記フッ素変性アクリレート系樹脂との相溶性、溶剤に対する溶解性等の加工性およびトナー離型性等の点から、フッ化ビニリデン系重合体が好適に用いられる。
【0023】
上記フッ素変性アクリレート系樹脂(A)とフッ素化オレフィン系樹脂(B)との重量基準配合比(A/B)は、A/B=2/98〜70/30が好ましい。より好ましくは、A/B=20/80〜50/50である。すなわち、上記フッ素変性アクリレート系樹脂(A)の重量基準配合比が2未満であると、フッ素変性アクリレート系樹脂(A)の量が少なくなりすぎるとともにフッ素化オレフィン系樹脂(B)の量が多くなりすぎ、これらの材料を用いて作製した層と隣接する層との密着性を低下させるおそれがある。一方、フッ素変性アクリレート系樹脂(A)の重量基準配合比が70を超えると、フッ素変性アクリレート系樹脂(A)の量が多くなりすぎて、ベルト自体に柔軟性がなくなり曲げに対して脆くなり割れを生じるおそれがあるとともに、フッ素化オレフィン系樹脂の量が少なくなり、これらの材料を用いて作製した層が表面層である場合、トナー離型性に支障を来すおそれがあるからである。なお、上記重量基準配合比の合計比は、100である。
【0024】
上記フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂とを含有する材料の溶剤としては、フッ素変性アクリレート系樹脂およびフッ素化オレフィン系樹脂を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、さらにパーフルオロオクタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類があげられる。なかでも、安価で、粘度調整を行いやすいアセトンが好ましい。
【0025】
なお、上記内層14、中間層15、外層16の少なくとも一層に、導電性フィラーを含有させてもよい。上記導電性フィラーとしては、アルミニウム粉末、ステンレス粉末等の金属粉末、c−ZnO、c−TiO2 、c−Fe3 O4 、c−SnO2 等の導電性金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック等の導電性粉末、四級アンモニウム塩、リン酸エステル、スルホン酸塩、脂肪族多価アルコール、脂肪族アルコールサルフェート塩等のイオン性導電剤等があげられる。これら導電性フィラーは、単独でもしくは二種以上を併せて用いられる。これら導電性フィラーのなかでも、分散性の点から、c−TiO2 およびc−SnO2 が好ましい。なお、上記「c−」とは、導電性を有するという意味である。
【0026】
また、上記内層14、中間層15、外層16に必要に応じ、帯電防止剤、架橋剤等、適宜の充填剤を含有してもよい。
【0027】
上記半導電性プラスチック無端ベルト13は、例えばつぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、各層14〜16の形成材料およびその溶剤を、それぞれ適宜に配合し、ボールミル等で混練し、ついで攪拌し、各コーティング液を調製する。そして、このようにして調製されたコーティング液の濃度は、層の厚みに応じて適宜に設定される。すなわち、層の厚みはコーティング液の粘度調整が大きな要因となり、この粘度調整によって設定され、上記粘度はコーティング液の濃度に決定される。
【0028】
ついで、上記各コーティング液を、図2に示すようにそれぞれ槽17、槽18、槽19に収容する。一方、金属製の軸体(例えばアルミニウム、ステンレス等)20を準備し、この軸体20を垂直に立てて、まず槽17に収容されているコーティング液中に繰り返し浸漬する。そして、所定の回数浸漬を繰り返した後、コーティング液中から軸体20を引き上げる。ついで、同様の操作を行い、三層構造を形成する。つぎに、乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(例えば60〜150℃×60分間)を行い、上記軸体20を抜き取ると、図1に示す半導電性プラスチック無端ベルト13が得られる。
【0029】
なお、上記製法以外に、多層押出成形法、スプレーコーティング法、インフレーション法等の方法により、半導電性プラスチック無端ベルト13を得ることができる。
【0030】
このようにして得られた半導電性プラスチック無端ベルト13は、外層16が、フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂とを含有する材料で形成されているため、これと隣接する中間層15の形成材料との密着性に優れ、外層16と中間層15とが層間剥離を起こすことがない。また、上記材料に由来して、無端ベルト13全体が柔軟性に富むようになるため、ローラに張架して用い、その際ベルト端部(ローラとの接触部)に応力が集中しても、無端ベルトに亀裂を生じる等の不具合を生じることがなく、長期にわたって良好に使用することができる。そして、このような三層構造の場合、フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂とを含有する材料からなる外層16が表面層となるため、優れたトナー離型性を発揮する無端ベルト13となる。したがって、この無端ベルトを用いた電子写真複写機の複写画像は、良好なものとなる。
【0031】
なお、上記半導電性プラスチック無端ベルト13において、内層14、中間層15および外層16の合計厚みは、50〜250μmであることが好ましい。より好ましくは、100〜200μmである。すなわち、厚みが50μm未満であると強度が不足するおそれがあり、逆に厚みが250μmを超えると耐屈曲疲労性に劣るおそれがあるからである。
【0032】
また、上記半導電性プラスチック無端ベルト13は、内周長が90〜600mmで、長さが100〜500mm程度のものが好ましい。すなわち、上記範囲内程度の形状であると、電子写真複写機に組み込んで用いるのに適当な大きさとなるからである。
【0033】
そして、半導電性プラスチック無端ベルト13全体の特性として、その体積抵抗率が106 〜1014Ω・cmに設定されていることが好ましい。より好ましくは、108 〜1012Ω・cmである。すなわち、106 Ω・cm未満であると電荷の減衰が早すぎ電源の容量を大きくする必要が生ずるおそれがあり、1014Ω・cmを超えると電荷の減衰が遅すぎ、除電のシステムを必要とするおそれがあるからである。また、上記半導電性プラスチック無端ベルト13の表面抵抗率が106 〜1014Ω/□に設定されていることが好ましい。より好ましくは、108 〜1014Ω/□である。すなわち、106 Ω/□未満であると電荷の減衰が早すぎ電源の容量を大きくする必要が生ずるおそれがあり、1014Ω/□を超えると電荷の減衰が遅すぎ、除電のシステムを必要とするおそれがあるからである。
【0034】
なお、上記の例において、半導電性プラスチック無端ベルト13の外層16の形成材料として、フッ素変性アクリレート系樹脂およびフッ素化オレフィン系樹脂の二成分に加えて、非フッ素変性アクリレート系樹脂を含有する材料を用いてもよい。
【0035】
上記フッ素変性アクリレート系樹脂およびフッ素化オレフィン系樹脂とともに用いられる非フッ素化アクリレート系樹脂としては、フッ素変性されていないアクリレートを重合して得られるものであって、通常、アクリル系樹脂と称される。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル等のアルキルエステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類、グリシジルエステル等の、通常のアクリレート系モノマの重合体または共重合体であり、好ましくはメチルメタクリレートの単独またはそれを主成分とする共重合体が、有利に用いられる。なお、これらの重合体は、未架橋のものであってもよいし、他の材料との密着性をより向上させる目的で、架橋剤を加えて架橋させたものであってもよい。
【0036】
上記フッ素変性アクリレート系樹脂(A)とフッ素化オレフィン系樹脂(B)と非フッ素化アクリレート系樹脂(C)との重合基準配合比〔(A)/(B)/(C)〕は、(A)/(B)/(C)=(2〜10)/(40〜90)/(8〜50)が好ましい。より好ましくは、(A)/(B)/(C)=(3〜5)/(70〜83)/(14〜25)である。すなわち、上記非フッ素化アクリレート系樹脂(C)を上記範囲内で配合することにより、フッ素変性アクリレート系樹脂(A)およびフッ素化オレフィン系樹脂(B)の二成分の場合に得られる効果よりも、密着性の点で一層良好な効果が得られるからである。なお、上記重量基準配合比の合計比は、100である。
【0037】
上記フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂と非フッ素変性アクリレート系樹脂とを含有する材料の溶剤としては、これら全てを溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、前記フッ素変性アクリレート系樹脂およびフッ素化オレフィン系樹脂の溶剤と同様のものが用いられる。
【0038】
なお、本発明の半導電性プラスチック無端ベルトは、上記三層構造に限定されるものではなく、上記外層16の表面に、トナー離型性をさらに向上させる目的で、シリコーン樹脂を含有する材料で表面層を設けてもよい。
【0039】
そして、本発明の半導電性プラスチック無端ベルトは、上記フルカラー複写機等の電子写真複写機の転写ベルトとしての用途に限定されるものではなく、フルカラーではない、単色の電子写真複写機等の転写ベルトにも使用できる。さらに、本発明の半導電性プラスチック無端ベルトは、ローラに張架された場合に生じる不具合を解消できるため、その用途は、ローラに張架される転写ベルト全てに使用できる。
【0040】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0041】
まず、実施例および比較例に先立って、内層および中間層のコーティング液を調製する。
【0042】
〔内層用コーティング液の調製〕
すなわち、Poly(VdF−TFE)(ネオフロンVT−100、ダイキン工業社製)100重量部と、導電剤であるc−TiO2 (チタンブラック13M、三菱マテリアル社製)36重量部と、アセトン400重量部とを、ボールミルで混練し、ついで攪拌することにより、粘度250cps(B型粘度計)の内層用コーティング液を調製した。
【0043】
〔中間層用コーティング液の調製〕
つづいて、ナイロン8(トレジンEF−30T、帝国化学産業社製)100重量部と、導電剤であるc−SnO2 (導電性酸化スズT−1、三菱マテリアル社製)64重量部と、メタノール/水混合溶剤(メタノール/水=3/1)480重量部とを、ボールミルで混練し、ついで攪拌することにより、粘度100cps(B型粘度計)の中間層用コーティング液を調製した。
【0044】
【実施例1〜5、比較例1、2】
そして、下記の表1に示す配合割合で、外層の形成材料およびその溶剤を配合し、そしてボールミル等で混練し、ついで攪拌することにより、外層用コーティング液を調製した。なお、外層用コーティング液の粘度をB型粘度計で測定し、同じく表1に示した。ついで、上記のようにして調整された各層のコーティング液を、それぞれ別々の槽に収容した(図2参照)。そして、前述の方法に従い、アルミニウム製の軸体の周囲に順次、内層、中間層、外層となる層を積層形成し、乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(60〜150℃×60分間)を行うことにより各層を形成した。ついで、上記アルミニウム製の軸体を抜き取って、目的とする半導電性プラスチック無端ベルトを得た。このようにして得られた半導電性プラスチック無端ベルトについて、各層および全体の厚み、体積抵抗率、表面抵抗率、耐久性、トナー離型性、各層の密着性、複写画像の画質を調べ、その結果を下記の表2に示した。なお、各測定方法は以下の通りである。
【0045】
〔厚み〕
マイクロメータを用いて測定した。
【0046】
〔体積抵抗率および表面抵抗率〕
JIS K 6911の抵抗率試験法に準じて、印加電圧100V時の体積抵抗率および表面抵抗率を算出した。
【0047】
〔耐久性〕
▲1▼ベルト架張力大
単位幅あたり300gf/cmの荷重をかけた状態でフルカラー複写機2万枚分に相当するだけ無端ベルトを駆動(20cm/sec)させて評価した。そして、無端ベルトに亀裂を生じないものには○、すこし亀裂を生じるものには△、完全に割れてしまうのには×をつけた。
▲2▼ベルト架張力小
単位幅あたり180gf/cmの荷重をかけた状態でフルカラー複写機2万枚分に相当するだけ無端ベルトを駆動(20cm/sec)させて評価した。そして、無端ベルトに亀裂を生じないものには○をつけ、すこし亀裂を生じるものには△をつけ、完全に割れてしまうのには×をつけた。
【0048】
〔トナー離型性〕
図3に示すように、無端ベルト21の外層22の表面にトナー23を散布した。ついで、上記トナー散布面にゴムシート24をのせ、このゴムシート24に10g/cm2 の荷重(W)をかけた状態で80℃×30分間放置した。その後、ゴムシート24を剥がした時、無端ベルト21表面にトナー23が付着していないものには○をつけ、トナー23が付着しているものには×をつけた。
【0049】
〔密着性〕
JIS K 6301の加硫ゴム物理試験方法のなかの剥離試験(短冊状試験片)に準じて測定した。そして、この測定値が、2.0N/25mmを超えるものには◎をつけ、0.5N/25mm〜2.0N/25mmのものには○をつけ、0.5N/25mm未満のものには△をつけた。
【0050】
〔複写画像の画質評価〕
得られたプラスチック無端ベルト(転写ベルト)を電子写真複写機(プリテール500、リコー社製)に組み込んで用い、得られる複写画像の評価を行った。そして、複写画像に乱れが確認されなかったものを○、乱れが確認できたものを×として表した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
上記の結果から、実施例1品〜5品は全て、ベルト自体の耐久性に優れており、しかも層間剥離を生じず密着性に優れていることがわかる。さらに、トナー離型性にも優れていることがわかる。したがって、これらの無端ベルトを電子写真複写機に組み込んで得た複写画像の画質は、非常に良好なものとなっている。これに対して、比較例1品は、耐久性および密着性に劣り、良好な画質の複写画像が得られない。また比較例2品は、耐久性に劣り、そのため良好な画質の複写画像が得られない。
【0054】
【実施例6〜9、比較例3】
下記の表3に示す配合割合で、外層の形成材料およびその溶剤を配合し、そしてボールミル等で混練し、ついで攪拌することにより、外層用コーティング液を調製した。なお、外層用コーティング液の粘度を、同じく表3に示した。また、内層用コーティング液および中間層用コーティング液については、実施例1と同様にして調製した。ついで、上記のようにして調製された各コーティング液を、それぞれ別々の槽に収容した(図2参照)。そして、前述の方法に従い、アルミニウム製の軸体の周囲に順次、内層、中間層、外層となる層を積層形成し、乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(60〜150℃×60分間)を行うことにより各層を形成した。ついで、上記アルミニウム製の軸体を抜き取って、目的とする半導電性プラスチック無端ベルトを得た。このようにして得られた半導電性プラスチック無端ベルトについて、上記実施例1と同様にして、各層および全体の厚み、体積抵抗率、表面抵抗率、耐久性、トナー離型性、各層の密着性、複写画像の画質を調べ、その結果を下記の表4に示した。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
上記の結果から、実施例6品〜9品は全て、ベルト自体の耐久性に優れており、しかも層間剥離を生じず密着性に優れていることがわかる。さらに、トナー離型性にも優れていることがわかる。したがって、これらの無端ベルトを電子写真複写機に組み込んで得た複写画像の画質は、非常に良好なものとなっている。これに対して、比較例3品は、耐久性や密着性については実施例品と同様であるものの、トナー離型性が悪くなっている。そのため、良好な画質の複写画像が得られない。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導電性プラスチック無端ベルトは、内層,中間層および外層からなる三層ないし上記外層上に表面層を有する層構造の無端ベルトであって、上記層のうち外層が、厚みの大きい順に抽出された二層のうちの外側の層であり、かつ、特定の二成分〔フッ素変性アクリレート系樹脂(A)およびフッ素化オレフィン系樹脂(B)〕を含有する材料で形成されていることにより、この層と隣接する層との間で層間剥離を起こすことがない。さらに、この二成分を含有する材料の作用により、無端ベルト自体が耐久性を備えるため、これをローラに張架して用いてもローラとの接触部において、亀裂等を生じてしまうことがない。さらに、上記二成分を含有する材料を無端ベルトの表面層として用いた場合、トナーが固着してしまうことがない。したがって、上記無端ベルトを用いた電子写真複写機の複写画像は、良好な画像となる。
【0059】
特に、上記フッ素変性アクリレート系樹脂(A)とフッ素化オレフィン(B)との重量基準配合比を特定の範囲に設定することにより、これを用いて形成した層と隣接する層との密着性がより優れたものとなる。また、ベルト自体の耐久性も、より向上する。
【0060】
また、厚みの大きい順に抽出される二層のうち外側の層(外層)の形成材料として、上記二成分に加えて、非フッ素化アクリレート系樹脂(C)を含有させた材料を用いることにより、上記二成分によって得られる効果に加えて、より密着性に優れた無端ベルトとなる。
【0061】
さらに、上記フッ素変性アクリレート系樹脂(A)とフッ素化オレフィン(B)と非フッ素化アクリレート系樹脂(C)との重量基準配合比を特定の範囲に設定することにより、これを用いて形成した層と隣接する層との密着性がより一層優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導電性プラスチック無端ベルトの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の半導電性プラスチック無端ベルトの製法の一例を示す説明図である。
【図3】トナー離型性の測定評価方法を示す説明図である。
【図4】電子写真複写機の複写機構を示す構成図である。
【符号の説明】
13 半導電性プラスチック無端ベルト
14 内層
15 中間層
16 外層
Claims (4)
- 導電性フィラーを含有する層が少なくとも一層設けられている、内層,中間層および外層からなる三層ないし上記外層上に表面層を有する層構造の無端ベルトであって、上記層のうち外層が、厚みの大きい順に抽出された二層のうちの外側の層であり、かつ、フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂とを含有する材料で形成されてなることを特徴とする半導電性プラスチック無端転写ベルト。
- 上記フッ素変性アクリレート系樹脂(A)とフッ素化オレフィン系樹脂(B)との重量基準配合比(A/B)が、A/B=2/98〜70/30を満たすよう設定されている請求項1記載の半導電性プラスチック無端転写ベルト。
- 導電性フィラーを含有する層が少なくとも一層設けられている、内層,中間層および外層からなる三層ないし上記外層上に表面層を有する層構造の無端ベルトであって、上記層のうち外層が、厚みの大きい順に抽出された二層のうちの外側の層であり、かつ、フッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂と非フッ素化アクリレート系樹脂とを含有する材料で形成されてなることを特徴とする半導電性プラスチック無端転写ベルト。
- 上記フッ素変性アクリレート系樹脂(A)とフッ素化オレフィン系樹脂(B)と非フッ素化アクリレート系樹脂(C)との重量基準配合比〔(A)/(B)/(C)〕が、(A)/(B)/(C)=(2〜10)/(40〜90)/(8〜50)を満たすよう設定されている請求項3記載の半導電性プラスチック無端転写ベルト。
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