JP3664869B2 - 送受信回路モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にコードレスホン、携帯電話等の無線通信機器における送受信共用の送受信回路モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
欧米向けのコードレスホンは、親機と子機が900MHz帯の周波数を用いて送受信を行う。また、日本国内においても、携帯電話に800MHz帯の周波数を用いるものがある。
【0003】
図9は、このような従来例の無線通信機器における送受信回路モジュール50の概略的構成を示すブロック図である。送受信回路モジュール50の受信回路は以下の構成より成る。アンテナ51で受信した受信高周波信号は、送受信共用アンテナ端子52より入力され、アンテナマッチング回路53でインピーダンス整合後、受信用バンドパスフイルタ(以下、BPFと略称する)54にて受信高周波信号成分のみがフイルタリング処理され、受信用増幅回路55にて増幅された後、第1ミキサ回路56に入力され、第1局部発振回路57からの第1局部発振信号と混合され、第1中間周波信号に変換される。この第1中間周波信号は、BPF59にて第1中間周波信号成分のみがフイルタリング処理された後、第2ミキサ回路60に入力され、第2局部発振回路61からの第2局部発振信号と混合され、第2中間周波信号に変換される。この第2中間周波信号は、検波回路62で検波された後、音声信号として受信信号出力端子63より出力される。また、送信用発振回路65及び第1局部発振回路57の発振周波数は、フェイズロックループ(以下、PLLと略称する)回路58により制御されており、このPLL回路58の基準周波数信号は、第2局部発振回路61より供給される。
【0004】
一方、送受信回路モジュール50の送信回路は以下の構成より成る。送信信号は送信信号入力端子64から入力される。送信用発振回路65は、送信用発振信号(搬送波信号)を発振すると共に、送信信号入力端子64から入力された送信信号(変調信号)で変調して送信高周波信号を生成する。生成された送信高周波信号は、送信用増幅回路66で増幅され、送信用BPF67にて、送信高周波信号成分のみがフイルタリング処理され、アンテナマッチング回路53でインピーダンス整合後、送受信共用アンテナ端子52より出力し、アンテナ51から送信される。
【0005】
また、上記のような無線通信機器の送受信回路モジュールの従来例として、特開平7−38271号公報、発明の名称:送受信回路モジュール、出願人:関西日本電気株式会社、があり、送受信回路モジュールの概略的構成を示すブロック回路図を図11に、その平面配置図を図10に示す。
【0006】
図11において、送受信回路モジュール100の送信回路は、シンセサイザ回路103で選局された送信用発振信号(搬送波信号)を発振すると共に、送信信号(変調信号)で変調してアンテナ102に送り出すための送信高周波信号を生成する送信用発振回路101と、この送信高周波信号を選択通過させるBPF104とから成る。
【0007】
また、送受信回路モジュール100の受信回路は、アンテナ102で受信した受信高周波信号を受信用BPF110にて受信高周波信号成分のみがフイルタリング処理された後、第1局部発振回路105からの第1局部発振信号と混合して第1中間周波信号を生成する第1ミキサ回路106と、中間周波信号成分をフイルタリング処理するBPF111と、この第1中間周波信号を第2局部発振回路107からの第2局部発振信号と混合して第2中間周波信号を生成する第2ミキサ回路108と、第2中間周波信号成分をフイルタリング処理するBPF112と、第2中間周波信号を検波して音声信号を取り出す検波回路109と、から成る。
【0008】
図10は、従来例の送受信回路モジュール100における基板上の各回路の配置を示す平面図である。前記図11に示したブロック回路図と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。この送受信回路モジュール100の基板113には、一方端に送受信信号入出力端子114が設置されると共に、他方端に前記図11に示したアンテナ102を接続するための送受信共用アンテナ端子115が設置されている。また、この基板113の外周部は、電磁シールドケース116によって覆われている。さらに、この基板113のほぼ中央部には、送受信信号入出力端子114の設置部付近から送受信共用アンテナ端子115の設置部付近にかけて電磁シールド板117が設けられている。これによって基板113上が電磁波的に2分され、下方側(図10における下方側)には送信回路が設けられると共に、上方側(図10における上方側)には受信回路が設けられている。
【0009】
前記基板113上における電磁シールド板117の一方側の送信回路は、基板113の表面側に送信用発振回路101と、この送信用発振回路101よりも送受信共用アンテナ端子115側(図10における左手側)にはBPF104が配設され、基板113の裏面側にシンセサイザ回路103が配設されている。
【0010】
前記基板113上における電磁シールド板117の上方側(図10における上方側)に配設された受信回路は、基板113の表面側に、送受信共用アンテナ端子115に近い方から順に、BPF110a、110b、111a、111b、112と検波回路109が配設され、第1ミキサ回路106及び第2ミキサ回路108は、BPF110bとBPF111aとの間及びBPF111bとBPF112との間の基板113の裏面側にそれぞれ配設されている。さらに、検波回路109は、BPF112よりも送受信信号入出力端子114に近い側に配設されている。第1ミキサ回路106と第2ミキサ回路108付近の基板113上には、それぞれ受信回路分離用電磁シールド板118、118が設けられている。これら受信回路分離用電磁シールド板118、118は、一端が電磁シールド板117に達すると共に、他端が電磁シールドケース116に達し、受信回路の信号経路Bを区切るように配設されている。第1局部発振回路105と第2局部発振回路107は、前記送信用発振回路101と共に基板113上における電磁シールド板117の送信回路側に配設されている。第1局部発振回路105は、送信用発振回路101に隣接した位置に配設されている。これら送信用発振回路101及び第1局部発振回路105は、発振周波数が極めて高いためそれぞれ電磁シールドケース119、119で覆われている。また、第2局部発振回路107は、第1局部発振回路105に隣接して配設されているが、発振周波数が比較的低いため電磁シールドケースで覆うことはしていない。なお、送信用発振回路101に隣接して、第1局部発振周波数の周波数帯域のみを選択的に通過させるBPF120が設けられている。第1局部発振回路105が発振出力する第1局部発振信号は、このBPF120を介して第1ミキサ回路106に供給される。各回路に電源を供給する電源回路121は、基板113上における電磁シールド板117の送信回路側の隅部に配設されている。送信信号の経路をAで、受信信号の経路をBで示す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記送信回路と受信回路とを1枚の基板上に併設した従来例の送受信回路モジュールでは、図10に示されるように、受信回路を構成する回路の一部、即ち第1局部発振回路105と第2局部発振回路107とBPF120とが、送信回路と受信回路を分離する電磁シールド板117の送信側に配設されている。さらに第1局部発振回路105と送信用発振回路101、及び第2局部発振回路107はと第1局部発振回路105はそれぞれ隣接して配設されている。
【0012】
このように、送信回路側に一部の受信回路を配設したり、異なる発振周波数の発振回路を隣接して配設しているために、送信回路と受信回路間の高周波信号による干渉や異なる発振周波数の発振回路間の干渉が生じ易くなるという問題があった。また、上記問題を改善するために、送信用発振回路101及び第1局部発振回路105を、それぞれ電磁シールドケース119、119で覆う等を実施しているが、電磁シールド構造が複雑になるという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の送受信回路モジュールは、送信用発振信号を送信信号で変調して送信高周波信号を生成する送信用発振回路と、該送信高周波信号を増幅する送信用増幅回路と、増幅された送信高周波信号を選択通過させる送信用バンドパスフイルタとから成る送信回路と、受信高周波信号を選択通過させる受信用バンドパスフイルタと、通過した受信高周波信号を増幅し検波する受信回路と、を1枚の基板上に併設した送受信回路モジュールにおいて、前記送信用バンドパスフイルタと前記受信用バンドパスフイルタとが共通の一つのパッケージに収納された送受信用バンドパスフイルタで構成され、前記送信用バンドパスフイルタの入出力端子と、前記受信用バンドパスフイルタの入出力端子のそれぞれから空間に放射される高周波信号を遮断する電磁シールド板を前記送信用バンドパスフイルタの入出力端子と前記受信用バンドパスフイルタの入出力端子との間に備え、前記電磁シールド板が、前記送受信用バンドパスフィルタが備える送受信共通のグランド端子の上方に、前記送受信用バンドパスフィルタのパッケージ表面に略垂直に配設されたことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項2記載の送受信回路モジュールは、前記送受信用バンドパスフイルタのパッケージ表面に前記電磁シールド板を電気的に接続したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュールに関する図であり、図5〜図7は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュールのバンドパスフイルタ(BPF)の構成に関する図であり、図8は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュールのアンテナマッチング回路と送受信共用アンテナ端子との位置関係を示す略示的斜視図であり、以下図面に従って説明する。
【0016】
図4は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の概略的構成を示すブロック回路図である。送受信回路モジュール10は送信回路と受信回路に大別される。送受信回路モジュール10の送信回路は、送信信号入力端子27、送信高周波信号発生部28、送信用BPF31、アンテナマッチング回路13、とから成る。送信高周波信号発生部28は送信用発振回路29と送信用増幅回路30とから成る。送信用発振回路29は、送信用発振信号(搬送波信号)を発振すると共に、送信信号入力端子27から入力された送信信号(変調信号)で変調して、送信高周波信号を生成し、生成された送信高周波信号は、送信用増幅回路30で増幅される。増幅された送信高周波信号は、送信用BPF31にて、送信高周波信号成分のみがフイルタリング処理され、アンテナマッチング回路13でインピーダンス整合後、送受信共用アンテナ端子12より出力し、アンテナ11から送信される。
【0017】
一方、送受信回路モジュール10の受信回路は以下のように構成される。アンテナ11で受信した受信高周波信号は、送受信共用アンテナ端子12より入力され、アンテナマッチング回路13でインピーダンス整合後、受信用BPF15にて受信高周波信号成分のみがフイルタリング処理され、受信用増幅回路16にて増幅された後、第1ミキサ回路17に入力され、第1局部発振回路19からの第1局部発振信号と混合され、第1中間周波信号に変換される。この第1中間周波信号は、BPF21にて第1中間周波信号成分のみがフイルタリング処理された後、第2ミキサ回路23に入力され、第2局部発振回路24からの第2局部発振信号と混合され、第2中間周波信号に変換される。この第2中間周波信号は、検波回路25で検波された後、音声信号として受信信号出力端子26より出力される。
【0018】
受信用BPF15と受信用増幅回路16と第1ミキサ回路17とから成る回路は第1周波数変換部14と呼ばれ、第1局部発振回路19とPLL回路20とから成る回路は第1局部周波数発振部18と呼ばれ、第2ミキサ回路23と第2局部発振回路24と検波回路25とから成る回路は第2周波数変換検波部22と呼ばれる。
【0019】
前記送信用発振回路29及び第1局部発振回路19の発振周波数は、PLL回路20により制御されており、このPLL回路20の基準周波数信号は、第2局部発振回路24より供給される。
【0020】
図3は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の電磁シールドケースを回路基板に取り付ける様子を説明する図であり、図3(a)は電磁シールドケース40の略示的斜視図であり、図3(b)は送信信号入力端子側及び受信信号出力端子側から見た回路基板の略示的斜視図である。
【0021】
図3(a)において、図2も参照しつつ説明すると、電磁シールドケース40は電磁シールド板41、42、43、44との一体化構造となっている。電磁シールド板41は電磁シールドケース40と共に、送信高周波信号発生部28(送信用発振回路29と送信用増幅回路30)を電磁シールドする作用を為し、電磁シールド板42は電磁シールド板43と共に、第1周波数変換部14(受信用BPF15と受信用増幅回路16と第1ミキサ回路17)とアンテナマッチング回路13と受信用BPF15と送信用BPF31を電磁シールドする作用を為し、電磁シールド板41と電磁シールド板43と電磁シールド板44は電磁シールドケース40と共に、第1局部発振回路19とPLL回路20とを電磁シールドする作用を為し、また、電磁シールド板44は電磁シールドケース40と共に、第2周波数変換検波部22(第2ミキサ回路23と第2局部発振回路24と検波回路25)を電磁シールドする作用を為している。また、電磁シールド板41は電磁シールドケース40と共に、受信用のアンテナマッチング回路13と受信用BPF15とを電磁シールドする作用を為している。このように、複数の電磁ブロックに分割して、それぞれを電磁シールドする作用を為している。
【0022】
図3(b)において、基板45裏面上の一方端に送信信号入力端子27及び受信信号出力端子26が設けられており、基板45裏面上の他方端に、図示していないが、送受信共用アンテナ端子12が設けられている。電磁シールドケース40及び電磁シールド板41、42、43、44は、基板45の表側より取り付けられる。
【0023】
図2は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の電磁シールドケース40を回路基板に実装した様子を説明する図であり、送信信号入力端子及び受信信号出力端子側から見た電磁シールドケース及び電磁シールド板を基板45に取り付けられた送受信回路モジュールの略示的斜視図である。前記図4に示した送受信回路モジュール10の概略的構成を示すブロック回路図と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。送受信用BPF32は、送信用BPF31と受信用BPF15とが共通の一つのパッケージに収納されたものを指す。図2の電磁シールドの作用については、図3について説明した所と同じである。
【0024】
この送受信回路モジュール10における基板45裏面側には、一方端に送信信号入力端子26及び受信信号出力端子27が設置されると共に、他方端に、前記図4に示したアンテナ11を接続するための、図示していないが、送受信共用アンテナ端子12が設置されている。また、この基板45の外周部は、電磁シールドケース40によって覆われている。さらに、この基板45上の表面側は、電磁シールド板41、42、43、44が設けられ、これらによって基板45上の表面側は、次ぎのように分離されている。本発明の送受信回路モジュール10における送信回路において、送信高周波信号発生部28は、送信用発振回路29と送信用増幅回路30とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板41、44により分離される。送受信回路モジュール10における受信回路において、第1周波数変換部14は、受信用BPF15と受信用増幅回路16と第1ミキサ回路17とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板42、43により分離される。また、第1局部周波数発振部18は、第1局部発振回路19とPLL回路20とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板41、43、44により分離される。また、第2周波数変換検波部22は、第2ミキサ回路23と第2局部発振回路24と検波回路25とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板44により分離される。送受信用BPF32を電磁シールド板42により分離することに関しては、後で図5、図6、図7に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の基板上の各回路の配設を示す平面図である。前記図4に示したブロック回路図と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。送受信用BPF32は、送信用BPF31と受信用BPF15とが共通の一つのパッケージに収納されたものである。この送受信回路モジュール10における基板45の裏面側には、一方端に送信信号入力端子27及び受信信号出力端子26が設置されると共に、他方端に、前記図4に示したアンテナ11を接続するための送受信共用アンテナ端子12が設置されている。また、この基板45の外周部は、電磁シールドケース40によって覆われている。さらに、この基板45上の表面側は、電磁シールド板41、42、43、44が設けられ、これらによって基板45上の表面側は、次ぎのように分離されている。
【0026】
送受信回路モジュール10における送信回路において、送信高周波信号発生部28は、送信用発振回路29と送信用増幅回路30とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板41、44で分離される。この送受信回路モジュール10における受信回路において、第1周波数変換部14は、受信用BPF15と受信用増幅回路16と第1ミキサ回路17とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板42、43で分離される。また、第1局部周波数発振部18は、第1局部発振回路19とPLL回路20とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板41、43、44で分離される。また、第2周波数変換検波部22は、第2ミキサ回路23と第2局部発振回路24と検波回路25とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板44で分離される。また、BPF21は第1局部周波数発振部18の基板45裏面側に配設されている。また、アンテナマッチング回路13は、基板45を挟んで、送受信共用アンテナ端子12(裏面)と同位置の表面に設置されている。アンテナマッチング回路13(表面)及び送受信共用アンテナ端子12(裏面)との配設に関しては、後で図8に基づいて説明する。さらにまた、送受信用BPF32を電磁シールド板42で分離することに関しては、後で図5、図6、図7に基づいて説明する。
【0027】
次に、送信信号の経路をST 、受信信号の経路をSR で示し、これらの送受信信号の経路について説明する。送信信号の経路STは、PLL回路20を基板45のほぼ中央に配設し、送信信号の経路ST は、図1のPLL回路20の上側を右側から左側に向かって、送信信号入力端子27(裏面)、送信用発振回路29、送信用増幅回路30、送信用BPF31、アンテナマッチング回路13、送受信共用アンテナ端子12(裏面)の順にたどる。
【0028】
一方、受信信号の経路SR は、図1のPLL回路20の下側を左側から右側に向かって、送受信共用アンテナ端子12(裏面)、アンテナマッチング回路13、受信用BPF15、受信用増幅回路16、第1ミキサ回路17、BPF21(裏面)、第2ミキサ回路23、検波回路25、受信信号出力端子26(裏面)の順にたどる。
【0029】
このように、送信回路と受信回路とが、基板45のほぼ中央に配設されたPLL回路20を挟んで、基板上の両側方に分離配設され、それぞれ独立分離した経路をたどるよう配慮されている。
【0030】
従って、基板上での送信回路と受信回路の間隔をPLL回路を挟んで配設する分広げることにより、送信回路と受信回路間の高周波信号による干渉をより改善することができる。
【0031】
さらに、送信回路側の送信用発振回路29と受信回路側の第1局部発振回路19とは、PLL回路20を挟んで正反対側に配設されている。送信用発振回路29とPLL回路20間の信号配線経路をPT で、第1局部発振回路19とPLL回路20間の信号配線経路をPRで示す。
【0032】
従って、送信用発振回路29と第1局部発振回路19の間隔をPLL回路20分広げることで、異なる発振周波数の発振回路間の干渉をより改善することができる。さらに、送信用発振回路29とPLL回路20間、及び第1局部発振回路19とPLL回路20間それぞれの配線経路PT 、PR における配線の長さを短く、しかも正反対方向に配線することにより、異なる発振周波数信号配線間における信号の干渉をより改善することができる。
【0033】
さらにまた、第2局部発振回路24を、第2ミキサ回路23及びPLL回路20と隣接し、かつ基板45の隅部に配設している。第2局部発振回路24と第2ミキサ回路23、及び第2局部発振回路24とPLL回路20間それぞれの配線経路をXで示す。
【0034】
従って、第2局部発振回路24を基板45の隅部に配設することで、第2局部発振出力信号が他の回路に及ぼす影響を少なくし、かつ第2局部発振回路24を、第2ミキサ回路23及びPLL回路20と隣接して配設し、配線経路Xの長さを短くすることにより、第2局部発振出力信号が他の回路に及ぼす影響を少なくできる。
【0035】
前記送受信回路モジュール10における送信回路において、送信高周波信号発生部28は、送信用発振回路29と送信用増幅回路30とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板41、44で分離される。この送受信回路モジュール10における受信回路において、第1周波数変換部14は、受信用BPF15と受信用増幅回路16と第1ミキサ回路17とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板42、43で分離される。また、第1局部周波数発振部18は、第1局部発振回路19とPLL回路20とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板41、43、44で分離される。また、第2周波数変換検波部22は、第2ミキサ回路23と第2局部発振回路24と検波回路25とから成り、電磁シールドケース40及び電磁シールド板44で分離される。
【0036】
従って、送信用発振回路29と送信増幅回路30を基板上で電磁シールド板により分離配設することにより、送信回路と受信回路間の高周波信号による干渉及び送信回路側の送信用発振回路29が受信回路側に与える影響をより改善することができる。さらに、受信用BPF15と受信用増幅回路16と第1ミキサ回路17、及び第2局部発振回路24と第2ミキサ回路23と検波回路25、及び第1局部発振回路19とPLL回路20をそれぞれ基板45上で電磁シールド板により分離配設することにより、受信回路側において、第1局部発振回路19及び第2局部発振回路24それぞれの発振出力信号が初段の受信回路に与える影響をより改善することができる。さらにまた、第1局部発振回路19及び第2局部発振回路24の異なる発振周波数の発振回路間の干渉をより改善することができる。
【0037】
図8は、本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の送受信共用アンテナ端子側から見たアンテナマッチング回路と送受信共用アンテナ端子との位置関係を示す略示的斜視図である。前記図4に示した送受信回路モジュール10の概略的構成を示すブロック回路図と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。送受信用BPF32は、送信用BPF31と受信用BPF15とが共通の一つのパッケージに収納されたものである。
【0038】
この基板45裏面側には、一方端に前記図4に示したアンテナ11を接続するための送受信共用アンテナ端子12が設置されると共に、他方端に送信信号入力端子26及び受信信号出力端子27が設置されている。さらに、この基板45の表面側は、送信回路において、送信用発振回路29、送信用増幅回路30が配設され、受信回路において、受信用増幅回路16、第1ミキサ回路17、第1局部発振回路19、PLL回路20、第2ミキサ回路23、第2局部発振回路24、検波回路25が配設され、さらに送受信用BPF32とアンテナマッチング回路13が配設されている。
【0039】
前記送受信共用アンテナ端子12は、面実装タイプのものであり、送受信共用アンテナ端子12とアンテナマッチング回路13は、基板45を挟んで送受信共用アンテナ端子12(裏面)の反対面位置にアンテナマッチング回路13(表面)の全部又は一部を配設している。従って、送受信共用アンテナ端子12とアンテナマッチング回路13間の配線の長さを短くすることにより、送受信回路モジュール内部発振回路等からの高周波ノイズの影響をより改善することができる。
【0040】
図5は、送受信用BPFの送信側と受信側とを、電磁シールド板にて分離した様子を示し、図5(a)は平面図、図5(b)及び図5(c)は側面図である。
【0041】
図5(a)において、送受信用BPF32は、送信用BPF31と受信用BPF15とが共通の一つのパッケージに収納されたものである。送受信用BPF32は、送信用BPF31の入出力端子32a、32b、及び受信用BPF15の入出力端子32e、32f、送受信共通のグランド端子32c、32dを備えている。電磁シールド板42は、送受信共通のグランド端子32c、32dの上部で送受信用BPF32のパッケージ表面に垂直に配設されている。
【0042】
図5(b)及び図5(c)において、電磁シールド板42が、送受信共通のグランド端子32c、32dの上部で送受信用BPF32のパッケージ表面に垂直に配設されていることを示している。ここでは、説明上垂直として説明しているが、何もこれに限定するものではない。従って、送信用BPF31の入出力端子32a、32bと、受信用BPF15の入出力端子32e、32fのそれぞれから空間に放射される高周波信号が、電磁シールド板42により遮断されるため、送受信間の相互干渉を減少させることができる。
【0043】
図6は、前記送受信用BPFのパッケージと、この送受信用BPFの送信側と受信側を分離した前記電磁シールド板とを電気的に接続した第1の例として、送受信用BPFのパッケージと電磁シールド板とを半田付けした様子を示す図であり、図6(a)は平面図、図6(b)及び図6(c)は側面図である。
【0044】
図6(a)において、送受信用BPF32は、送信用BPF31と受信用BPF15とが共通の一つのパッケージに収納されたものである。送受信用BPF32は、送信用BPF31の入出力端子32a、32b、及び受信用BPF15の入出力端子32e、32f、送受信共通のグランド端子32c、32dを備えている。電磁シールド板42は、送受信共通のグランド端子32c、32dの上部で送受信用BPF32のパッケージ表面に垂直(ここでは、説明上垂直として説明しているが、何もこれに限定するものではない。)に配設され、さらに、送受信用BPF32のパッケージと電磁シールド板42とは、半田46で半田付けすることで、電気的に接続されている。図6(b)、図6(c)において、電磁シールド板42が、送受信共通のグランド端子32c、32dの上部で送受信用BPF32のパッケージ表面に垂直に配設され、さらに、送受信用BPF32のパッケージと電磁シールド板42とは、半田46で半田付けすることで、電気的に接続されていることを示している。
【0045】
従って、送信用BPF31の入出力端子32a、32bと、受信用BPF15の入出力端子32e、32fのそれぞれから空間に放射される高周波信号が、電磁シールド板42により遮断され、加えて送受信用BPF32のパッケージと電磁シールド板42とを、半田46で半田付けし、電気的に接続することで、送受信間の相互干渉をさらに減少させることができる。
【0046】
図7は、前記送受信用BPFのパッケージと、この送受信用BPFの送信側と受信側を分離した前記電磁シールド板とを電気的に接続した第2の例として、電磁シールド板の一部でバネを形成し、この電磁シールド板のバネが、送受信用BPFのパッケージに接触するように配設することで、送受信用BPFのパッケージと電磁シールド板とを電気的に接続した様子を示した図であり、図7(a)は平面図、図7(b)及び図7(c)は側面図である。
【0047】
図7(a)において、送受信用BPF32は、送信用BPF31と受信用BPF15とが共通の一つのパッケージに収納されたものである。送受信用BPF32は、送信用BPF31の入出力端子32a、32b、及び受信用BPF15の入出力端子32e、32f、送受信共通のグランド端子32c、32dを備えている。電磁シールド板42は、送受信共通のグランド端子32c、32dの上部で送受信用BPF32のパッケージ表面に垂直(ここで、説明上垂直としているが、これに限定しない)に配設され、さらに、送受信用BPF32のパッケージと電磁シールド板42とは、電磁シールド板42に設けられたバネ42aで、電気的に接続されている。
【0048】
図7(b)、図7(c)において、電磁シールド板42が、送受信共通のグランド端子32c、32dの上部で送受信用BPF32のパッケージ表面に垂直に配設され、さらに、送受信用BPF32のパッケージと電磁シールド板42とは、電磁シールド板42に設けられたバネ42aで、電気的に接続されていることを示している。
【0049】
従って、送信用BPF31の入出力端子32a、32bと、受信用BPF15の入出力端子32e、32fのそれぞれから空間に放射される高周波信号が、電磁シールド板42により遮断され、加えて送受信用BPF32のパッケージと電磁シールド板42とを、電磁シールド板42に設けられたバネ42aで、電気的に接続することで、送受信間の相互干渉をさらに減少させることができる。
【0050】
また、本発明の送受信回路モジュールによれば、送信用発振信号を送信信号で変調して送信高周波信号を生成する送信用発振回路と、該送信高周波信号を増幅する送信用増幅回路と、増幅された送信高周波信号を選択通過させる送信用バンドパスフイルタとから成る送信回路と、受信高周波信号を選択通過させる受信用バンドパスフイルタと、通過した受信高周波信号を増幅する受信用増幅回路と、増幅された受信高周波信号に第1局部発振回路出力信号を混合して第1中間周波信号を生成する第1ミキサ回路と、第1中間周波信号に第2局部発振回路出力信号を混合して第2中間周波信号を生成する第2ミキサ回路と、第2中間周波信号を検波する検波回路とから成る受信回路と、該送信用発振回路と該第1局部発振回路の発振周波数を制御するためのフェイズロックループ回路と、を1枚の基板上に併設した送受信回路モジュールにおいて、該基板上の一方端に送信信号入力端子と受信信号出力端子が設置されると共に、該基板上の他方端に送受信共用アンテナ端子が設置され、該基板上のほぼ中央にフェイズロックループ回路が配設され、送信回路と受信回路とが該フェイズロックループ回路を挟んで該基板上の両側方に分離配設されたことを特徴とするものである。従って、基板上での送信回路と受信回路の間隔をPLL回路を挟んで配設する分広げることにより、送信回路と受信回路間の高周波信号による干渉をより改善することができる。さらに、送信回路側の送信用発振回路と受信回路側の第1局部発振回路とをPLL回路を挟んで正反対側に配設することにより、送信用発振回路と第1局部発振回路の間隔をPLL回路分広げることで、異なる発振周波数の発振回路間の干渉をより改善することができる。さらに、送信回路側の送信用発振回路とPLL回路間、及び受信回路側の第1局部発振回路とPLL回路間それぞれの配線の長さを短く、しかも正反対方向に配線することにより、異なる発振周波数信号配線間における信号の干渉をより改善することができる。
【0051】
また、本発明の送受信回路モジュールによれば、前記送信用発振回路と前記送信増幅回路と、前記受信用バンドパスフイルタと前記受信用増幅回路と前記第1ミキサ回路と、前記第2局部発振回路と前記第2ミキサ回路と前記検波回路と、前記第1局部発振回路と前記フェイズロックループ回路と、と基板上で、それぞれを、電磁シールドケース及び電磁シールド板により電磁的に分離配設したことを特徴とするものである。従って、送信用発振回路と送信増幅回路を基板上で電磁シールド板により分離配設することにより、送信回路と受信回路間の高周波信号による干渉及び送信回路側の送信用発振回路が受信回路側に与える影響をより改善することができる。さらに、受信用BPFと受信用増幅回路と第1ミキサ回路、及び第2局部発振回路と第2ミキサ回路と検波回路、及び第1局部発振回路とPLL回路をそれぞれ基板上で電磁シールド板により分離配設することにより、受信回路側において、第1局部発振回路及び第2局部発振回路それぞれの発振出力信号が初段の受信回路に与える影響をより改善することができる。さらにまた、第1局部発振回路及び第2局部発振回路の異なる発振周波数の発振回路間の干渉をより改善することができる。
【0052】
また、本発明の送受信回路モジュールによれば、前記送受信共用アンテナ端子とアンテナマッチング回路とは、回路基板を挟んで送受信共用アンテナ端子の裏面にアンテナマッチング回路の全部又は一部を配設された関係にあることを特徴とするものである。従って、送受信共用アンテナ端子とアンテナマッチング回路間の配線の長さを短くすることにより、送受信回路モジュール内部発振回路等からの高周波ノイズの影響をより改善することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の送受信回路モジュールによれば、送信用発振信号を送信信号で変調して送信高周波信号を生成する送信用発振回路と、該送信高周波信号を増幅する送信用増幅回路と、増幅された送信高周波信号を選択通過させる送信用バンドパスフイルタとから成る送信回路と、受信高周波信号を選択通過させる受信用バンドパスフイルタと、通過した受信高周波信号を増幅し検波する受信回路と、を1枚の基板上に併設した送受信回路モジュールにおいて、前記送信用バンドパスフイルタと前記受信用バンドパスフイルタとが共通の一つのパッケージに収納された送受信用バンドパスフイルタで構成され、前記送信用バンドパスフイルタの入出力端子と、前記受信用バンドパスフイルタの入出力端子のそれぞれから空間に放射される高周波信号を遮断する電磁シールド板を前記送信用バンドパスフイルタの入出力端子と前記受信用バンドパスフイルタの入出力端子との間に備え、前記電磁シールド板は、前記送受信用バンドパスフィルタが備える送受信共通のグランド端子の上方に、前記送受信用バンドパスフィルタのパッケージ表面に略垂直に配設されたことを特徴とするものである。従って、送信回路と受信回路間の高周波信号による干渉をより改善することができる。
【0054】
また、本発明の請求項2記載の送受信回路モジュールによれば、前記送受信用バンドパスフイルタのパッケージ表面に前記電磁シールド板を電気的に接続したことを特徴とするものである。従って、送信回路と受信回路間の高周波信号による干渉をより改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュールの基板上の各回路の配設を示す平面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の電磁シールドケース40を回路基板に実装した様子を説明する図であり、送信信号入力端子及び受信信号出力端子側から見た電磁シールドケース及び電磁シールド板を基板45に取り付けられた送受信回路モジュールの略示的斜視図である。
【図3】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の電磁シールドケースを回路基板に取り付ける様子を説明する図であり、(a)は電磁シールドケース40の略示的斜視図であり、(b)は送信信号入力端子側及び受信信号出力端子側から見た回路基板45の略示的斜視図である。
【図4】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の概略的構成を示すブロック回路図である。
【図5】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の送受信用BPF32の送信側と受信側とを、電磁シールド板42にて分離した様子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は入出力端子32e、32f側から見た側面図、(c)は入出力端子32b、32f側から見た側面図である。
【図6】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の送受信用BPF32のパッケージと、電磁シールド板42とを半田付けすることで電気的に接続したした様子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は入出力端子32e、32f側から見た側面図、(c)は入出力端子32b、32f側から見た側面図である。
【図7】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10の送受信BPF32のパッケージと、電磁シールド板42とを電磁シールド板のばね42aで電気的に接続した様子を示した図であり、(a)は平面図、(b)は入出力端子32e、32f側から見た側面図、(c)は入出力端子32b、32f側から見た側面図である。
【図8】 本発明の一実施の形態よりなる送受信回路モジュール10のアンテナマッチング回路13と送受信共用アンテナ端子12との位置関係を示す略示的斜視図である。
【図9】 従来例の送受信回路モジュールの概略的構成を示すブロック回路図である。
【図10】 従来例の他の送受信回路モジュールの基板上の各回路の配設を示す平面図である。
【図11】 従来例の他の送受信回路モジュールの基板上の各概略的構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
10 送受信回路モジュール
12 送受信共用アンテナ端子
13 アンテナマッチング回路
14 第1周波数変換部
15 受信用BPF
16 受信用増幅回路
17 第1ミキサ回路
18 第1局部周波数発振部
19 第1局部発振回路
20 PLL回路
21 BPF
22 第2周波数変換検波部
23 第2ミキサ回路
24 第2局部発振回路
25 検波回路
26 受信信号出力端子
27 送信信号入力端子
28 送信高周波信号発生部
29 送信用発振回路
30 送信用増幅回路
31 送信用BPF
32 送受信用BPF
40 電磁シールドケース
41 電磁シールド板
42 電磁シールド板
43 電磁シールド板
44 電磁シールド板
45 回路基板
Claims (2)
- 送信用発振信号を送信信号で変調して送信高周波信号を生成する送信用発振回路と、該送信高周波信号を増幅する送信用増幅回路と、増幅された送信高周波信号を選択通過させる送信用バンドパスフイルタとから成る送信回路と、受信高周波信号を選択通過させる受信用バンドパスフイルタと、通過した受信高周波信号を増幅し検波する受信回路と、を1枚の基板上に併設した送受信回路モジュールにおいて、前記送信用バンドパスフイルタと前記受信用バンドパスフイルタとが共通の一つのパッケージに収納された送受信用バンドパスフイルタで構成され、前記送信用バンドパスフイルタの入出力端子と、前記受信用バンドパスフイルタの入出力端子のそれぞれから空間に放射される高周波信号を遮断する電磁シールド板を前記送信用バンドパスフイルタの入出力端子と前記受信用バンドパスフイルタの入出力端子との間に備えるとともに、
前記電磁シールド板は、前記送受信用バンドパスフィルタが備える送受信共通のグランド端子の上方に、前記送受信用バンドパスフィルタのパッケージ表面に略垂直に配設されたことを特徴とする送受信回路モジュール。 - 請求項1記載の送受信回路モジュールにおいて、前記送受信用バンドパスフイルタのパッケージ表面に前記電磁シールド板を電気的に接続したことを特徴とする送受信回路モジュール。
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