JP3664674B2 - 印刷装置の封筒印刷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクリボンを用いた熱転写方式により封筒を印刷する際に用いて好適な印刷装置の封筒印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、名刺やはがき等の専用紙に印刷を行う印刷装置は知られており、既に本出願人もこの種の専用紙を印刷する際に用いて好適な印刷装置を、特開2001−80810号公報等により提案した。
【0003】
この印刷装置は、装置本体の前面部に配設して用紙を供給する給紙機構と、給紙機構から供給される用紙を装置本体の後面部側へ搬送する前段搬送機構と、この前段搬送機構により搬送される用紙に対して熱転写方式により印字を行う印字機構と、この印字機構により印字された用紙を横U形の搬送路によりUターン搬送する後段搬送機構と、装置本体の上面部であって後段搬送機構に囲まれる位置に配設することにより後段搬送機構から排出される用紙を受け取る排紙トレイ機構とを具備し、前段搬送機構により搬送される用紙を、印字機構に備える上方に配したプラテンローラと下方に配したインクリボン及び印字ヘッド(サーマルヘッド)により挟んで印字するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した印刷装置では、名刺やはがき等の平滑度の低い用紙(被印刷物)の印刷品質を高める場合、用紙に対する印字ヘッドの加圧力(ヘッド加圧力)を大きくし、かつプラテンローラの硬度(プラテン硬度)を大きくすればよいが、反面、薄い用紙の場合にはカール(反り)や皺が生じてしまう。
【0005】
特に、被印刷物が封筒の場合には、複数の紙が重なっていること、貼付による段差があること、フラップ部を開いた際には複数の紙が重なった部位に加えて一枚の紙の部位が存在すること等の、厚紙を用いた名刺やはがきとは異なる状態になるとともに、インクリボンを用いた熱転写方式の場合には、インクリボンの節約を図る観点から、通常、印字処理が終了したなら速やかに印字ヘッド及びインクリボンを、プラテンローラから離間させるリリース処理を行うため、封筒の印刷に際しては、印刷品質を確保し、かつカールや皺の発生を回避することが容易でない問題があった。
【0006】
本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、特に、封筒を印刷する際の十分な印刷品質を確保できると同時に、封筒のカール,皺及び汚れの発生を回避できる印刷装置の封筒印刷方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明に係る印刷装置Mの封筒印刷方法は、搬送される封筒Peを、一方に配したプラテンローラ2と他方に配したインクリボン3及び印字ヘッド4により挟み、熱転写方式により印字を行うに際し、封筒Peを、フラップ部Feを開いた状態にしてフラップ部Feの無い側から搬送するとともに、印字処理が終了した後、封筒Peにおけるフラップ部Feの搬送方向前端Fesから後方における0〜8mm以内の所定範囲Zに設定したリリース部位Xrが印字ヘッド4に達したなら、印字ヘッド4とプラテンローラ2を離間させるリリース処理を行うことを特徴とする。
【0008】
この場合、好適な実施の態様により、リリース部位Xrは、封筒Peの種類に対応して前後方向に調整することができる。
【0009】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
まず、本発明の理解を容易にするため、印刷装置Mを含む印刷システムSの概要について、図6及び図7を参照して説明する。
【0011】
図6は、印刷システムSの全体構成であり、接続ケーブル51を介して接続した印刷装置MとコンピュータCを備える。コンピュータCは、汎用パーソナルコンピュータを使用でき、CPU等を含む処理部52、ハードディスク,ROM,RAM等を含むメモリ53、双方向パラレルポート54等を備え、各部はバスライン55により接続される。また、コンピュータCには、アプリケーションソフトウェアによりインストールしたプリンタドライバ56を備え、このプリンタドライバ56により印刷装置Mを動作させる各種印刷条件を設定できる。
【0012】
一方、印刷装置Mは、図6に示すコントローラ57を備える。コントローラ57は、処理部58、メモリ59、双方向パラレルポート60等を備え、各部はバスライン61により接続される。なお、接続ケーブル51によりコンピュータC側の双方向パラレルポート54と印刷装置M側の双方向パラレルポート60が接続される。これにより、コンピュータCから印字データを印刷装置Mに転送するとともに、コンピュータCのプリンタドライバ56により印刷装置Mを制御して印刷を行う印刷システムSが構成される。
【0013】
また、図7には、印刷装置Mにおける機械系の概略構成を示す。印刷装置Mは、同図の右側が給紙側,左側が排紙側となり、右側の側面部には給紙機構71を配設するとともに、左側の側面部にはスタッカ機構72を配設する。そして、給紙機構71とスタッカ機構72間には、給紙機構71側から、前段搬送機構73,印字機構74,後段搬送機構75を順次配設する。なお、57はコントローラであり、前述した処理部58,メモリ59等を備える。
【0014】
給紙機構71は、多数の被印刷物Pを装置する給紙ガイド機構81と、この給紙ガイド機構81に装置された多数の被印刷物Pから一枚ずつ被印刷物Pを送り出す給紙ローラ機構82を備える。給紙ガイド機構81は、給紙エレベータ機構83により上昇する給紙トレイ84を備え、この給紙トレイ84上に多数の被印刷物Pが積み重ねられる。装填できる被印刷物Pには、名刺,はがき,招待状等の単紙類をはじめ、社用封筒,和封筒,洋封筒等の非単紙類が含まれる。なお、被印刷物Pの最上面に当接するピックアップローラ85の高さは不図示のセンサにより検出され、給紙エレベータ機構83が駆動制御されることにより、被印刷物Pの最上面位置が、常に一定の高さに維持される。図7中、仮想線で示す給紙トレイ84が上昇途中の状態を示している。一方、給紙ローラ機構82は、給紙トレイ84上に装填された被印刷物Pを搬送方向前方へ送り出すピックアップローラ85,このピックアップローラ85の搬送方向前方に配したフィードローラ86,このフィードローラ86の下方に配したリタードローラ87を備え、このフィードローラ86とリタードローラ87により分離された被印刷物Pが一枚ずつ前方に送り出される。
【0015】
前段搬送機構73は、テイクアウェイローラ機構91,プリレジストローラ機構92及びレジストローラ機構93を順次水平方向に配設して構成し、給紙ローラ機構82から送り出された被印刷物Pを印字機構74まで搬送する機能を有する。なお、各ローラ機構91〜93の間隔は、搬送する被印刷物Pの最小サイズよりも短い間隔に設定される。特に、プリレジストローラ機構92とレジストローラ機構93は、回転動作の制御により、搬送する被印刷物Pの角度(向き)を一定に揃えるスキュー修正機能を備えている。
【0016】
印字機構74は、搬送される被印刷物Pの下側にプラテンローラ2を配するとともに、上側にインクリボン3及びサーマルヘッドを用いた印字ヘッド4を配して構成し、熱転写方式により印字する機能を有する。なお、インクリボン3は、リボンカセットにより装填し、ロール状に巻かれたインクリボン3は供給リール98から繰り出されるとともに、巻取リール99により巻取られる。
【0017】
後段搬送機構75は、順次配設した第一トランスローラ機構101,第二トランスローラ機構102及び排出ローラ機構103により構成し、印字機構74により印字された被印刷物Pをスタッカ機構72まで搬送する機能を有する。なお、各ローラ機構101〜103の間隔は、搬送する被印刷物Pの最小サイズよりも短い間隔に設定される。
【0018】
スタッカ機構72は、スタッカ105を有し、排出ローラ機構103から排出された被印刷物Pは、印刷面が上を向いた状態でスタッカ105上に順次積み重ねられる。また、スタッカ105は、不図示の弾性支持機構により支持され、積み重ねられる被印刷物Pの枚数が多くなるに従って下降変位する。図7中、仮想線で示すスタッカ105が下降した状態を示している。その他、図7中、111はフィードアウトセンサ、112はレジストセンサ、113は頭出センサ、114は排紙センサをそれぞれ示す。
【0019】
次に、本実施例に係る封筒印刷方法を実施できる印字機構74の具体的構成について、図4及び図5を参照して説明する。
【0020】
図4中、18は制御機能部であり、この制御機能部18には、前述した印刷装置Mに備えるコントローラ57とコンピュータCに備えるプリンタドライバ56が含まれる。一方、31はヘッド支持フレームであり、左右一対の支持アーム34…を介して昇降自在に支持される。ヘッド支持フレーム31は、上フレーム31uと下フレーム31dを有し、上フレーム31uの下部と下フレーム31dの上部をシャフト31sにより回動自在に連結する。そして、印字ヘッド4は、下フレーム31dの下端面に支持される。印字ヘッド4は、名刺やはがき等の厚手或いは硬い被印刷物Pに対しても確実に印字できるように、C端面タイプのサーマルヘッドを使用する。また、下フレーム31dの左右両端には、下方に折曲した一対の位置決めプレート部32…を設ける。各位置決めプレート部32…の下端辺にはU形の位置決め用切欠部32s…を有し、この位置決め用切欠部32s…は、後述するプラテンローラ2a(又は2b)の軸部の左右に取付けた一対のベアリング33a(又は33b)にそれぞれ係合する。これにより、印字ヘッド4とプラテンローラ2間の前後方向の位置決めが行われる。
【0021】
さらに、ヘッド支持フレーム31には、リリース機構部35を付設する。リリース機構部35は、各支持アーム34…に、それぞれ回動自在に取付けた係合ローラ36…を備えるとともに、図示を省略した本体シャーシに回動自在に架設したシャフト37sに取付けた左右一対の偏心カム37…を備える。各偏心カム37…の周面は、対応する係合ローラ35…の下面にそれぞれ係合し、この偏心カム37…は、駆動モータを内蔵したリリース駆動部38及びこのリリース駆動部38の回転出力をシャフト37sに伝達するギア伝達機構部39により回転駆動される。なお、リリース駆動部38はコントローラ57に接続する。
【0022】
一方、ヘッド支持フレーム31には、被印刷物Pに対する印字ヘッド4の加圧力(ヘッド加圧力)Fを変更する加圧力変更機構部5hを付設する。この加圧力変更機構部5hは、上フレーム31uの上方に配し、かつ図示を省略した本体シャーシに回動自在に架設したシャフト40に取付けた切換カム部14を備える。切換カム部14は、シャフト40に対して偏心させて取付け、切換カム部14の周面には、シャフト40に対してそれぞれ異なる距離となるように設定した四つのスラスト面からなる第一カム面〜第四カム面を形成する。また、この切換カム部14を自動で切換える切換操作部13を設ける。切換操作部13は、切換カム部14を回転変位させる第一駆動機構部16を備え、この第一駆動機構部16は、シャフト40に取付けた被動ギア42c,この被動ギア42cに噛合する中間ギア42b,内蔵した駆動モータの回転出力軸に当該中間ギア42bに噛合する駆動ギア42aを取付けたカム駆動部41を備える。そして、切換カム部14の下方には追従部15を昇降自在に配設し、この追従部15の下面と上フレーム31uの上面間に、加圧スプリング11を介在させるとともに、追従部15の上面は切換カム部14の下面に当接させる。これにより、加圧スプリング11の上端は固定端11cとなり、下端は自由端となる。なお、カム駆動部41はコントローラ57に接続する。この第一駆動機構部16と制御機能部18により切換操作部13が構成されるとともに、加圧スプリング11,切換カム部14及び追従部15により固定端位置変更部12が構成される。
【0023】
他方、印字ヘッド4の下方には、プラテンローラ2を配するとともに、このプラテンローラ2の硬度を変更する硬度変更機構部5pを配設する。硬度変更機構部5pは、プラテン硬度Hの異なる複数のプラテンローラ2a,2bを選択して使用するプラテン選択部21を備える。このプラテン選択部21は、一対のプラテンローラ2a,2bを両側に支持するプラテン支持部22と、このプラテン支持部22を駆動する第二駆動機構部23と、プリンタドライバ56により被印刷物Pの種類を設定したことに基づいて第二駆動機構部23を制御し、プラテン支持部22を変位させることによりプラテンローラ2a,2bを選択的に使用できるように自動で切換える制御機能部18を備える。また、第二駆動機構部23は、プラテン支持部22を昇降させる電磁プランジャ等を用いた昇降駆動部43と、プラテン支持部22の下降時に当該プラテン支持部22を180°回転させる回転駆動部44を備える。回動駆動部44は、プラテン支持部22の中間部に取付けた被動ギア45c,この被動ギア45cに噛合する中間ギア45b,内蔵した駆動モータの回転出力軸に当該中間ギア45bに噛合する駆動ギア45aを取付けたプラテン駆動部46を備える。なお、プラテン駆動部46と昇降駆動部43はコントローラ57に接続する。以上述べた加圧力変更機構部5h及び硬度変更機構部5pにより変更機構部5が構成される。
【0024】
ところで、コンピュータCのプリンタドライバ56により、予め設定された標準的な被印刷物Pの種類を選択すれば、第一駆動機構部16及び第二駆動機構部23が駆動制御され、対応する最適なヘッド加圧力F及びプラテン硬度Hが自動で設定される。図5は、各被印刷物P、具体的には、社用封筒,和封筒,洋封筒,名刺,はがき,招待状に対する最適なヘッド加圧力F〔N〕と最適なプラテン硬度H〔°〕の関係を示し、プリンタドライバ56には、この関係がデータとして設定されている。この場合、特に、封筒に対してはプラテン硬度Hを小さくし、封筒裏面の貼付段差による圧力差を分散させるとともに、ヘッド加圧力Fについては被印刷物Pの坪量や腰の強さに応じて調整を行い、皺やカールを発生しない最高レベルの印刷品質を確保できるように設定する。なお、ヘッド加圧力F〔N〕とは被印刷物Pに対する印字ヘッド4の付加力であり、プラテン硬度H〔°〕とは、プラテンローラ2a,2bを構成するゴムの表面硬度である。これにより、加圧力変更機構部5hにおける切換カム部14の第一カム面〜第四カム面は、それぞれヘッド加圧力Fの50〔N〕,70〔N〕,110〔N〕,140〔N〕に対応する。また、硬度変更機構部5pの二つのプラテンローラ2a,2bは、それぞれプラテン硬度Hの40〔°〕,80〔°〕に対応する。
【0025】
次に、本実施例に係る封筒印刷方法を含む印字機構74の動作(機能)について、図1〜図7を参照して説明する。
【0026】
まず、封筒Pe、具体的には、図2に示す洋封筒を給紙トレイ84上に装填する。この場合、封筒Peを、フラップ部Feを開いた状態にしてフラップ部Feの無い側から搬送されるように装填する。また、コンピュータCのプリンタドライバ56を起動させ、ディスプレイに図3に示すプロパティ画面Vpを表示する。このプロパティ画面Vpは、用紙設定画面であり、図3に現れる「用紙種類」から“洋封筒”を選択する。これにより、「用紙リスト」には洋封筒のタイプが表示されるため、洋封筒のタイプを選択する。以上の選択により、「用紙名」には選択した封筒の種類とタイプが表示される。さらに、「用紙厚」から用紙の厚さを選択する。この場合、封筒を選択した際には、“フラップ開封筒”の項目があるため、図2に示す洋封筒の場合には、“フラップ開封筒”を選択する。なお、図3に示す「ディフォルト調整」については後述する。その他、用紙設定画面には各種の設定項目、例えば、「用紙サイズ」,「用紙の向き」,「枚数」,「印字濃度」,「リボンセーブ機能」等がある。
【0027】
一方、開始キーをオンにすれば、コンピュータCから各種設定データ及び印字データが印刷装置Mのコントローラ57に転送される。これにより、印字機構74におけるヘッド加圧力Fとプラテン硬度Hが自動設定される。洋封筒の場合には、図5からヘッド加圧力Fが140〔N〕、プラテン硬度Hが40〔°〕となる。したがって、洋封筒が選択された場合には、コントローラ57により第一駆動機構部16が駆動制御され、切換カム部14が所定角度だけ回転し、第四カム面14dが追従部15に当接する。これにより、搬送される洋封筒に当接した際には、加圧スプリング11により、140〔N〕のヘッド加圧力Fにより加圧される。
【0028】
また、コントローラ57により第二駆動機構部23が駆動制御され、プラテンローラ2aが使用位置となる上側位置にセットされる。この場合、プラテンローラ2aが下側位置(格納位置)にある場合には、電磁プランジャ43を制御し、プラテン支持部22を下降させて、位置決め用切欠部32s…とプラテンローラ2bのベアリング33bの係合を解除するとともに、同時に被動ギア45cと中間ギア45bが噛合するため、プラテン駆動部46を制御し、プラテン支持部22を180°回転させて、プラテンローラ2aを上側位置へ変位させ、さらに、電磁プランジャ43を制御し、プラテン支持部22を上昇させて、位置決め用切欠部32s…とプラテンローラ2aのベアリング33aを係合させる。
【0029】
このように、洋封筒を印刷する場合には、洋封筒に最適なヘッド加圧力F(140〔N〕)とプラテン硬度H(40〔°〕)が自動で設定される。なお、電源投入時における偏心カム37は、図4中、仮想線で示す上昇した位置(リリース位置)にある。この際、インクリボン3(リボンカセット)と印字ヘッド4は連動することにより一緒に上昇し、インクリボン3はプラテンローラ2から離間している。
【0030】
印刷装置Mの印刷準備が完了すれば、給紙ローラ機構82が作動し、給紙トレイ84上に装填された封筒Peは、ピックアップローラ85により前方へ送り出されるとともに、フィードローラ86とリタードローラ87により分離された封筒Peが一枚ずつ順次前方に送り出される給紙処理が行われる(ステップS1)。給紙ローラ機構82から送り出された封筒Peは、前段搬送機構73により搬送される(ステップS2)。そして、頭出センサ113により封筒Peの先端Pesが検出されれば、予め設定された第一設定時間T1が経過した後、コントローラ57によりリリース駆動部38が駆動制御され、偏心カム37…が180°回転することにより、図4中、実線で示す位置へ変位する。これにより、ヘッド支持フレーム31及び印字ヘッド4、さらにはインクリボン3が下降し、インクリボン3が封筒Peの上面に圧接する(ステップS3〜S5)。なお、この状態では、偏心カム37…が係合ローラ36…から離間している。インクリボン3が最初に圧接した位置を図2にXfで示す。一方、インクリボン3が封筒Peの上面に圧接したなら、印字処理が行われる(ステップS6)。図2に示すAは印字範囲を示している。
【0031】
そして、封筒Peがさらに搬送され、頭出センサ113による封筒Peの先端Pesの検出時点から第二設定時間T2が経過すれば、コントローラ57によりリリース駆動部38が駆動制御され、偏心カム37…が180°回転することにより、図4中、仮想線で示す位置へ変位する。この際、偏心カム37…が係合ローラ36…を持ち上げ、ヘッド支持フレーム31及び印字ヘッド4、さらにはインクリボン3(リボンカセット)を上昇させ、封筒Peの上面から離間させる(ステップS7,S8)。インクリボン3が最初に離間した部位、即ち、リリース部位を図2にXrで示す。
【0032】
ところで、インクリボン3が最初に離間するリリース部位Xrの設定は重要である。通常、インクリボン3を用いた熱転写方式の場合には、インクリボン3の節約を図る観点から、印字処理が終了したなら速やかに印字ヘッド4及びインクリボン3を、プラテンローラ2から離間させるリリース処理を行う。即ち、図2にXsで示すリリース位置で印字ヘッド4及びインクリボン3を離間させるリリース処理を行う。しかし、封筒Peの場合には、複数の紙が重なっていること、貼付による段差があること、フラップ部を開いた際には複数の紙が重なった部位に加えて一枚の紙の部位が存在すること等の、厚紙を用いた名刺やはがきとは異なる状態になるため、位置Xsでリリース処理を行った場合には、封筒Peに皺や線状の汚れが生じてしまうとともに、フラップ部Feまでインクリボン3を圧接させた状態を継続した場合には、一枚で紙片となるフラップ部Feにカール(反り)を生じる。特に、フラップ部Feは、先端に行くほど幅狭になるため、フラップ部Feに印加される加圧エネルギが増大し、大きなカールが発生するとともに皺の発生原因ともなる。
【0033】
そこで、本実施例では、封筒Peにおけるフラップ部Feの搬送方向前端Fesから後の所定範囲Z内に設定したリリース部位Xrが印字ヘッド4に達したなら、印字ヘッド4とプラテンローラ2を離間させるリリース処理を行うようにした。この場合、所定範囲Zは、フラップ部Feの前端Fesから後方における0〜8mm以内に設定することが望ましい。したがって、リリース部位Xrは、前端Fesから2〜5mmに設定することが望ましい。
【0034】
また、リリース部位Xrは、図3に示す「ディフォルト調整」により、封筒Peの種類に対応して前後方向に調整(増減調整)することができる。即ち、印刷された封筒Peを目視によりチェックし、もし、フラップ部Feにカールが生じていれば、「ディフォルト調整」の数値を小さくする設定を行う(ステップS11〜S13)。これにより、第二設定時間T2が短縮され、リリース部位Xrが搬送方向前方へ移動する。一方、皺や汚れが生じていれば、「ディフォルト調整」の数値を大きくする設定を行う(ステップS14,S15)。これにより、第二設定時間T2が伸長され、リリース部位Xrが搬送方向後方へ移動する。なお、このような「ディフォルト調整」は、定形の封筒Peを使用し、本来の所定範囲Zに入っている場合の微調整として行ってもよいし、定形外の封筒Peを使用し、本来の所定範囲Zに入れる場合の調整として行ってもよい。
【0035】
このように、本実施例に係る印刷装置Mの封筒印刷方法は、印字機構74による印字処理が終了した後、封筒Peにおけるフラップ部Feの搬送方向前端Fesから後方における0〜8mm以内の所定範囲Zに設定したリリース部位Xrが印字ヘッド4に達したなら、印字ヘッド4とプラテンローラ2を離間させるリリース処理を行うようにしたため、被印刷物Pとなる封筒Peを印刷する場合であっても十分な印刷品質を確保できると同時に、封筒Peのカール,皺及び汚れの発生を回避できる。しかも、印字機構74では、被印刷物Pの種類、特に、各種封筒Peに対応した最適な加圧力Fとプラテン硬度Hが設定されるため、より高度の印刷品質を確保できるとともに、用途の拡大(汎用性の向上)を図ることができる。
【0036】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,素材,手法,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、所定範囲Zは、フラップ部Feの搬送方向前端Fesから後方に設定した場合を例示したが、前端Fesから前方に設定してもよい。また、本発明における「封筒」とは、一般的な封筒のみならずフラップ部を有する類似形態の被印刷物も「封筒」の概念に含まれる。
【0037】
【発明の効果】
このように、本発明に係る印刷装置の封筒印刷方法は、封筒を、フラップ部を開いた状態にしてフラップ部の無い側から搬送するとともに、印字処理が終了した後、封筒におけるフラップ部の搬送方向前端から後方における0〜8mm以内の所定範囲に設定したリリース部位が印字ヘッドに達したなら、印字ヘッドとプラテンローラを離間させるリリース処理を行うようにしたため、封筒を印刷する場合であっても十分な印刷品質を確保できると同時に、封筒のカール,皺及び汚れの発生を回避することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る封筒印刷方法の処理手順を順を追って示すフローチャート、
【図2】同封筒印刷方法により印刷するフラップ部を開いた洋封筒の裏面図、
【図3】同封筒印刷方法で利用するプリンタドライバのプロパティ画面の一部を示すレイアウト図、
【図4】同封筒印刷方法に用いる印刷装置に備える印字機構の一部断面側面構成図、
【図5】同印刷装置に備える印字機構における各種被印刷物に対する最適なヘッド加圧力及びプラテン硬度の関係表、
【図6】同印刷装置を含む印刷システムの概要図、
【図7】同印刷装置の機械系の概略構成図、
【符号の説明】
2 プラテンローラ
3 インクリボン
4 印字ヘッド
M 印刷装置
Pe 封筒(洋封筒)
Fe フラップ部
Fes フラップ部の搬送方向前端
Xr リリース部位
Claims (2)
- 搬送される封筒を、一方に配したプラテンローラと他方に配したインクリボン及び印字ヘッドにより挟んで印字を行う熱転写方式を用いた印刷装置の封筒印刷方法において、封筒を、フラップ部を開いた状態にしてフラップ部の無い側から搬送するとともに、印字処理が終了した後、封筒におけるフラップ部の搬送方向前端から後方における0〜8mm以内の所定範囲に設定したリリース部位が前記印字ヘッドに達したなら、前記印字ヘッドと前記プラテンローラを離間させるリリース処理を行うことを特徴とする印刷装置の封筒印刷方法。
- 前記リリース部位は、封筒の種類に対応して前後方向に調整することを特徴とする請求項1記載の印刷装置の封筒印刷方法。
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