JP3806332B2 - 印刷装置の給紙ローラ機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙トレイに積重ねられた多数の被印刷物を一枚ずつ送り出す印刷装置の給紙ローラ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、名刺やはがき等の専用紙に印刷を行う印刷装置は知られており、既に本出願人もこの種の専用紙を印刷する際に用いて好適な印刷装置を、特開2001−80810号公報等により提案した。
【0003】
この印刷装置は、装置本体の前面部に配設して用紙を供給する給紙機構と、給紙機構から供給される用紙を装置本体の後面部側へ搬送する前段搬送機構と、この前段搬送機構により搬送される用紙に対して熱転写方式により印字を行う印字機構と、この印字機構により印字された用紙を横U形の搬送路によりUターン搬送する後段搬送機構と、装置本体の上面部であって後段搬送機構に囲まれる位置に配設することにより後段搬送機構から排出される用紙を受け取る排紙トレイ機構とを具備し、前段搬送機構により搬送される用紙を、印字機構に備える上方に配したプラテンローラと下方に配したインクリボン及び印字ヘッド(サーマルヘッド)により挟んで印字するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した印刷装置に備える給紙機構には、給紙トレイに積重ねられた多数の被印刷物を一枚ずつ送り出す給紙ローラ機構を備えている。この給紙ローラ機構は、給紙トレイに積重ねられた被印刷物の最上面に当接するピックアップローラと、このピックアップローラの搬送方向前方に配したフィードローラと、このフィードローラの下方に配したリタードローラとを有し、ピックアップローラとフィードローラを回転させることによりピックアップローラ及びフィードローラに接する被印刷物を前方へ送り出すとともに、フィードローラに圧接し、かつ搬送方向への回転が規制されたリタードローラにより、一枚の被印刷物のみをを分離して送り出す重送防止機能を備えている。
【0005】
しかし、この種の印刷装置は、名刺やはがき等の専用紙の印刷を目的とするため、 被印刷物の厚さや紙質等は多種多様となり、特に、厚紙,多層紙等の場合には、搬送方向への回転が規制されたリタードローラに当たった際に、図1に仮想線で示す被印刷物Pの先端エッジ部Psに、捲や皺等の痛みが発生し、被印刷物P自身の品質を損ねてしまう不具合があった。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、特に、厚紙,多層紙等の被印刷物に対する給紙時における捲や皺等の痛みの発生を防止し、被印刷物自身の品質が損なわれてしまう不具合を回避できる印刷装置の給紙ローラ機構の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明は、給紙トレイ2に積重ねられた多数の被印刷物P…の最上面に当接するピックアップローラ3と、このピックアップローラ3の搬送方向Fc前方に配したフィードローラ4と、このフィードローラ4の下方に配したリタードローラ5とを備え、ピックアップローラ3とフィードローラ4を回転させて被印刷物Pを一枚ずつ送り出す印刷装置Mの給紙ローラ機構1を構成するに際して、リタードローラ5に、一定の大きさ以上のトルクが付与されたときに、搬送方向Fcの回転を許容するトルクリミッタ6を付設するとともに、リタードローラ5の搬送方向Fcの回転を許容又は阻止する切換機構10を備えることを特徴とする。
【0008】
この場合、好適な実施の形態により、切換機構10は、装着することによりリタードローラ5の搬送方向Fcの回転をロックし、離脱することによりロック解除する着脱式のストッパ11を備えて構成してもよいし、操作部12の操作によりリタードローラ5の搬送方向Fcの回転をロック又はロック解除するロック機構13を備えて構成してもよい。
【0009】
これにより、厚紙,多層紙等の痛みを生じやすい被印刷物Pの場合は、リタードローラ5に当たった際に、このリタードローラ5に対して一定の大きさ以上のトルク、即ち、痛みを生じさせる可能性のあるトルクが付与されることにより、このトルクが低下するまでリタードローラ5の回転が許容され、被印刷物Pにおける捲や皺等の痛みの発生が回避される。一方、リタードローラ5の回転により重送防止効果は低下してしまうが、普通紙,硬質紙等の痛みを生じにくい被印刷物Pの場合は、切換機構10により、リタードローラ5の搬送方向Fcの回転を阻止することができる。このように、被印刷物Pの種類に応じてリタードローラ5の回転を許容するか阻止するかを選択できる。
【0010】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
まず、本発明の理解を容易にするため、印刷装置Mを含む印刷システムSの概要について、図5及び図6を参照して説明する。
【0012】
図5は、印刷システムSの全体構成であり、接続ケーブル51を介して接続した印刷装置MとコンピュータCを備える。コンピュータCは、汎用パーソナルコンピュータを使用でき、CPU等を含む処理部52、ハードディスク,ROM,RAM等を含むメモリ53、双方向パラレルポート54等を備え、各部はバスライン55により接続される。また、コンピュータCには、アプリケーションソフトウェアによりインストールしたプリンタドライバ56を有し、このプリンタドライバ56により印刷装置Mを動作させる各種印刷条件を設定できる。
【0013】
一方、印刷装置Mは、図5に示すコントローラ57を備える。コントローラ57は、処理部58、メモリ59、双方向パラレルポート60等を備え、各部はバスライン61により接続される。なお、接続ケーブル51によりコンピュータC側の双方向パラレルポート54と印刷装置M側の双方向パラレルポート60が接続される。これにより、コンピュータCから印字データを印刷装置Mに転送するとともに、コンピュータCのプリンタドライバ56により印刷装置Mを制御して印刷を行う印刷システムSが構成される。
【0014】
また、図6には、印刷装置Mにおける機械系の概略構成を示す。印刷装置Mは、同図の右側が給紙側,左側が排紙側となり、右側の側面部には、給紙機構71を配設するとともに、左側の側面部にはスタッカ機構72を配設する。そして、給紙機構71とスタッカ機構72間には、給紙機構71側から、前段搬送機構73,印字機構74,後段搬送機構75を順次配設する。なお、57はコントローラであり、前述した処理部58,メモリ59等を備える。
【0015】
給紙機構71は、多数の被印刷物P…を装填する給紙ガイド機構81と、この給紙ガイド機構81に装填された多数の被印刷物P…から一枚ずつ被印刷物Pを送り出す本実施例に係る給紙ローラ機構1を備える。給紙ガイド機構81は、給紙エレベータ機構83により上昇する給紙トレイ2を備え、この給紙トレイ2上に多数の被印刷物Pが積重ねられる。装填できる被印刷物Pには、名刺,はがき,招待状等の単紙類をはじめ、社用封筒,和封筒,洋封筒等の非単紙類が含まれる。一方、給紙ローラ機構1は、ピックアップローラ3,フィードローラ4及びリタードローラ5を備える。この給紙ローラ機構1は、本発明の要部を構成するもので、具体的な構成及び動作は後述する。なお、被印刷物P…の最上面に当接するピックアップローラ3の高さは不図示のセンサにより検出され、給紙エレベータ機構83が駆動制御されることにより、被印刷物Pの最上面位置が、常に一定の高さに維持される。図6中、仮想線で示す給紙トレイ2が上昇途中の状態を示している。
【0016】
前段搬送機構73は、テイクアウェイローラ機構91,プリレジストローラ機構92及びレジストローラ機構93を順次水平方向に配設して構成し、給紙ローラ機構82から送り出された被印刷物Pを印字機構74まで搬送する機能を有する。なお、各ローラ機構91〜93の間隔は、搬送する被印刷物Pの最小サイズよりも短い間隔に設定される。特に、プリレジストローラ機構92とレジストローラ機構93は、回転動作の制御により、搬送する被印刷物Pの角度(向き)を一定に揃えるスキュー修正機能を備えている。
【0017】
印字機構74は、搬送される被印刷物Pの下側にプラテンローラ95を配するとともに、上側にインクリボン96及びサーマルヘッドを用いた印字ヘッド97を配して構成し、熱転写方式により印字する機能を備えている。なお、インクリボン96はリボンカセットにより装填し、ロール状に巻かれたインクリボン96は供給リール98から繰り出されるとともに、巻取リール99により巻き取られる。
【0018】
後段搬送機構75は、順次配設した第一トランスローラ機構101,第二トランスローラ機構102及び排出ローラ機構103により構成し、印字機構74により印字された被印刷物Pをスタッカ機構72まで搬送する機能を有する。なお、各ローラ機構101〜103の間隔は、搬送する被印刷物Pの最小サイズよりも短い間隔に設定される。
【0019】
スタッカ機構72は、スタッカ105を有し、排出ローラ機構103から排出された被印刷物Pは、印刷面が上を向いた状態でスタッカ105上に順次積重ねられる。また、スタッカ105は、不図示の弾性支持機構により支持され、積重ねられる被印刷物Pの枚数が多くなるに従って下降変位する。図6中、仮想線で示すスタッカ105が下降した状態を示している。その他、図6中、111はフィードアウトセンサ、112はレジストセンサ、113は頭出センサ、114は排紙センサをそれぞれ示す。
【0020】
次に、本実施例に係る給紙ローラ機構1の構成について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。
【0021】
給紙ローラ機構1は、給紙トレイ2に積重ねられた被印刷物P…の最上面に当接するピックアップローラ3と、このピックアップローラ3の搬送方向前方に配したフィードローラ4と、このフィードローラ4に対して搬送方向直角に配したリタードローラ5を備える。
【0022】
フィードローラ4は、同軸上に取付けたシャフト20を有し、このシャフト20は、図3に示すように、本体シャーシ21により回動自在に支持されるとともに、一端には被動ギア22を取付ける。この被動ギア22には不図示のローラ回転駆動機構部から回転伝達される。また、シャフト20により、図1に仮想線で示すピックアップローラ支持部材23の一端部を回動自在に支持するとともに、このピックアップローラ支持部材23により、ピックアップローラ3の同軸上に取付けたシャフト24を回動自在に支持する。そして、シャフト20とシャフト24は、シャフト20に取付けた第一ギア25,シャフト24に取付けた第三ギア26及び第一ギア25と第三ギア26間に配した第二ギア27からなる回転伝達ギア機構により接続する。これにより、ピックアップローラ3とフィードローラ4は同期回転する。
【0023】
一方、リタードローラ5は図3に示すローラ支持機構部30により支持される。ローラ支持機構部30は、左右にU形軸受部を切欠形成したローラ支持部材31を有し、このローラ支持部材31は上述した本体シャーシ21に対して一体に設ける。リタードローラ5は中心にシャフト32を挿通させ、このシャフト32とリタードローラ5間にトルクリミッタ6を介在させる。この場合、トルクリミッタ6はリタードローラ5の内部に配設する。これにより、リタードローラ5は、シャフト32の回転を規制した状態において、周方向に一定の大きさ以上のトルクが付与されれば回転可能となる。なお、リタードローラ5の回転により重送防止効果が低下してしまうため、回転を許容するトルクの大きさは、被印刷物Pに対する痛みの発生を防止でき、かつ重送防止効果があまり低下しない大きさを実験等により選定することが望ましい。また、リタードローラ5の左右両端面には、軸方向外方に突出した複数(実施例は四つ)の係止突起部15…を一体に設け、各係止突起部15…は、図1に示すように周方向に沿って等間隔に配する。
【0024】
さらに、リタードローラ5の両側に位置するシャフト32上には、左右一対のベアリング33p,33qを装填するとともに、シャフト32の左右両端にはストッパレバー34p,34qの一端を取付け、各ストッパレバー34p,34qはシャフト32から直角方向に突出させる。この場合、シャフト32の左右両端はDカットされており、ストッパレバー34p,34qはシャフト32の周方向に規制される。そして、各ベアリング33p,33qはローラ支持部材31における左右のU形軸受部にそれぞれ収容する。
【0025】
また、ローラ支持機構部30には、リタードローラ5をフィードローラ4に圧接させる付勢機構部35を備える。この付勢機構部35は、本体シャーシ21に対して固定した支軸により回動自在に支持され、かつベアリング33p,33qの下周面に当接する左右一対の押当部材36p,36qを備えるとともに、押当部材36pと36q間に架設したスプリング37を備える。さらに、ローラ支持部材31に対して固定した規制ロッド支持部38を設け、この規制ロッド支持部38により、規制ロッド39の中央に設けた球面軸受39sを支持する。これにより、規制ロッド39は球面軸受39sを介して中央部が揺動自在に支持されるとともに、規制ロッド39の両側に、上述したストッパレバー34p,34qの先端側がそれぞれ係止する。これにより、シャフト32に対する搬送方向Fc(図1)の回転を規制する。
【0026】
他方、ローラ支持機構部30には、リタードローラ5の搬送方向Fcの回転を許容又は阻止する切換機構10を設ける。切換機構10は、装着することによりリタードローラ5の搬送方向Fcの回転をロックし、離脱することによりロック解除する着脱式のストッパ11を備え、このストッパ11と上述した係止突起部15…により切換機構10を構成する。
【0027】
ストッパ11は、図1及び図2に示すように、ローラ支持部材31の上面とリタードローラ5の周面間に収容(挿入)する矩形の本体部11mと、この本体部11mの左右両端から上方へ起立し、かつ装着時に係止突起部15…に係止する係止段差部11pd,11qdを有する係止板部11p,11qと、本体部11mの前端から下方に延設した取手部11hを有し、全体を合成樹脂等により一体に成形する。
【0028】
次に、本実施例に係る給紙ローラ機構1を含む印刷装置Mの動作(機能)について、各図を参照して説明する。
【0029】
まず、普通紙,硬質紙等の痛みを生じにくい被印刷物Pを印刷する標準印刷の場合は、切換機構10により、リタードローラ5の回転を阻止する状態にセットする。即ち、ストッパ11を用意し、このストッパ11を、ローラ支持部材31の上面とリタードローラ5の周面間に挿入する。挿入方向を図1に矢印Fsで示す。この場合、ストッパ11を完全に挿入(装着)すれば、取手部11hがローラ支持部材31の前端辺に係止して位置規制され、かつ係止段差部11pd,11qdは、リタードローラ5のシャフト32の真下に位置する。これにより、最初にフィードローラ4が搬送方向Fcに回転すれば、一緒にリタードローラ5が回転するも、直ぐに係止突起部15…が係止段差部11pd,11qdに係止し、リタードローラ5の搬送方向Fcの回転が阻止される。これにより、普通紙等の痛みを生じにくい被印刷物Pの印刷時には、リタードローラ5の回転を規制できる。
【0030】
一方、印刷時には、被印刷物Pを給紙トレイ2上に装填する。そして、コンピュータCのプリンタドライバ56を起動させ、ディスプレイに表示されるプロパティ画面から被印刷物Pの種類を選択するとともに、各種印刷条件の設定及び印字データの選択等を行う。なお、電源投入時には、印字ヘッド97及びインクリボン96(リボンカセット)は、プラテンローラ95から離間している。
【0031】
この後、開始キーをONにすれば、コンピュータCから設定データ及び印字データが印刷装置Mのコントローラ57に転送されるとともに、印刷装置Mの印刷準備が完了すれば、給紙ローラ機構1が作動し、給紙トレイ2上に装填された被印刷物Pは、回転するピックアップローラ3により前方へ送り出されるとともに、回転するフィードローラ4と回転が阻止されたリタードローラ5により一枚ずつ分離されて前方に送り出される。給紙ローラ機構1から送り出された被印刷物Pは、前段搬送機構73により搬送され、その先端が頭出センサ113により検出されれば、予め設定された第一設定時間T1が経過した後、コントローラ57により不図のリリース駆動部が駆動制御され、印字ヘッド97及びインクリボン96(リボンカセット)が下降し、インクリボン96が被印刷物Pの上面に圧接することにより所定の印字処理が行われる。
【0032】
被印刷物Pがさらに搬送され、頭出センサ113による検出時点から第二設定時間T2が経過すれば、コントローラ57により不図示のリリース駆動部が駆動制御され、印字ヘッド97及びインクリボン96を上昇させることにより、被印刷物Pの上面から離間させる。この後、印刷された被印刷物Pは、後段搬送機構75により搬送され、排出ローラ機構103から排出されることにより、スタッカ機構72におけるスタッカ105上に順次積重ねられる。
【0033】
他方、厚紙,多層紙等の痛みを生じやすい被印刷物Pの場合は、切換機構10により、リタードローラ5の回転を許容する状態にセットする。即ち、装着されているストッパ11の取手部11hを手で持ち、そのまま引き抜くことにより、ストッパ11を、ローラ支持部材31の上面とリタードローラ5の周面間から離脱させる。これにより、給紙時には、給紙トレイ2上に装填された被印刷物Pが、回転するピックアップローラ3により前方へ送り出されるも、被印刷物Pがリタードローラ5に当たった際に、リタードローラ5に対して一定の大きさ以上のトルク(痛みを生じさせる可能性のあるトルク)が付与されれば、このトルクが低下するまでリタードローラ5の回転が許容される。換言すれば、リタードローラ5からは被印刷物Pに対して一定の大きさ以上のトルクが付与されることがなく、被印刷物Pにおける捲や皺等の痛みの発生が防止される。なお、印刷時におけるその他の動作は、上述した標準印刷の場合と同じである。
【0034】
図4には、給紙ローラ機構1の変更実施例を示す。変更実施例は、切換機構10を構成する際して、操作部12の操作によりリタードローラ5の搬送方向Fcの回転をロック又はロック解除するロック機構13を用いたものである。この場合、操作部12は、印刷装置M(又はコンピュータC)に備える切換キー41となる。また、ロック機構13は、回転駆動部42と、この回転駆動部42により回転する楕円形の切換カム43と、ローラ支持部材31の上面に配設した支軸部44により回動自在に支持される左右一対の係止アーム部45p,45qと、この係止アーム部45pと45q間に架設したスプリング46を備える。なお、このロック機構13と係止突起部15…により切換機構10を構成する。
【0035】
これにより、普通紙,硬質紙等の痛みを生じにくい被印刷物Pを印刷する標準印刷の場合は、切換キー41を切換操作し、回転駆動部42を駆動制御することにより、切換カム43を図4に示す実線位置へ変位させれば、各係止アーム部45p,45qにおける切換カム43に接する部位を狭めることができるため、各係止アーム部45p,45qはリタードローラ5の両端面に当接し、かつ係止突起部15…に係止する。一方、厚紙,多層紙等の痛みを生じやすい被印刷物Pを印刷する場合は、切換キー41を切換操作し、回転駆動部42を駆動制御することにより、切換カム43を90〔°〕回転させれば、切換カム43は図4に示す仮想線位置へ変位し、各係止アーム部45p,45qにおける切換カム43に接する部位を広げることができる。この結果、各係止アーム部45p,45qはリタードローラ5の両端面から離間し、係止突起部15…との係止が解除される。したがって、変更実施例に係る切換機構10においても、上述したストッパ11を用いる場合と同様に機能させることができる。なお、変更実施例の場合には、プリンタドライバ56のプロパティ画面で被印刷物Pの種類を選択することにより自動で切換えられるようにしてもよい。その他、図4において図3と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。
【0036】
このように、本実施例(変更実施例)に係る給紙ローラ機構1によれば、厚紙,多層紙等の痛みを生じやすい被印刷物Pがリタードローラ5に当たり、リタードローラ5に対して一定の大きさ以上のトルク(痛みを生じさせる可能性のあるトルク)が付与されれば、このトルクが低下するまでリタードローラ5の回転が許容されるため、被印刷物Pにおける捲や皺等の痛みの発生が防止され、被印刷物P自身の品質を損ねてしまう不具合が回避される。また、切換機構10により、被印刷物Pの種類に応じてリタードローラ5の回転を許容するか阻止するかを選択できるため、普通紙,硬質紙等の痛みを生じにくい被印刷物Pの場合は、リタードローラ5の搬送方向Fcの回転を阻止することにより、リタードローラ5が回転することによる重送防止効果の低下を回避できる。さらに、切換機構10は、装着することによりリタードローラ5の搬送方向Fcの回転をロックし、離脱することによりロック解除する着脱式のストッパ11を利用して構成できるため、極めて低コストに実施できる。一方、切換機構10を、操作部12の操作によりリタードローラ5の搬送方向Fcの回転をロック又はロック解除するロック機構13を備えて構成すれば、マニュアル切換の煩わしさが回避されるため、作業能率及び利便性が高められる。
【0037】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,素材等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、実施例は、トルクリミッタ6をリタードローラ5の内部に配設した場合を示したが、外部に配設してもよい。また、トルクリミッタ6によるトルクの設定は、固定式でもよいし可変式でもよい。可変式の場合は、連続的に変化させてもよいし二個以上のトルクリミッタ6…を切換えて段階的に変化させてもよい。さらに、ストッパ11は、着脱式ではなく、装着した状態のストッパ11をスライド変位等により切換えてもよい。
【0038】
【発明の効果】
このように、本発明は、給紙トレイに積重ねられた多数の被印刷物の最上面に当接するピックアップローラと、このピックアップローラの搬送方向前方に配したフィードローラと、このフィードローラの下方に配したリタードローラとを備え、ピックアップローラとフィードローラを回転させて被印刷物を一枚ずつ送り出す印刷装置の給紙ローラ機構において、リタードローラに、一定の大きさ以上のトルクが付与されたときに、搬送方向の回転を許容するトルクリミッタを付設するとともに、リタードローラの搬送方向の回転を許容又は阻止する切換機構を備えるため、次のような顕著な効果を奏する。
【0039】
(1) 特に、厚紙,多層紙等の被印刷物に対する給紙時における捲や皺等の痛みの発生を防止し、被印刷物自身の品質を損ねてしまう不具合を回避することができる。
【0040】
(2) リタードローラの搬送方向の回転を許容又は阻止する切換機構を設けたため、被印刷物の種類に応じてリタードローラの回転を許容するか阻止するかを選択できる。
【0041】
(3) 好適な実施の形態により、切換機構を、着脱式のストッパを備えて構成すれば、極めて容易かつ低コストに実施できるとともに、切換機構を、操作部の操作によりリタードローラの搬送方向の回転をロック又はロック解除するロック機構を備えて構成すれば、マニュアル切換の煩わしさを回避でき、作業能率及び利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る給紙ローラ機構の一部を省略した一部断面側面構成図、
【図2】同給紙ローラ機構に用いるストッパの正面図、
【図3】同給紙ローラ機構の一部を省略した一部断面正面構成図、
【図4】本発明の変更実施例に係る給紙ローラ機構の一部を省略した一部断面正面構成図、
【図5】同給紙ローラ機構を備える印刷装置を含む印刷システムの概要図、
【図6】同給紙ローラ機構を備える印刷装置の機械系の概略構成図、
【符号の説明】
1 給紙ローラ機構
2 給紙トレイ
3 ピックアップローラ
4 フィードローラ
5 リタードローラ
6 トルクリミッタ
10 切換機構
11 ストッパ
12 操作部
13 ロック機構
P… 被印刷物
Fc 搬送方向
M 印刷装置
Claims (3)
- 給紙トレイに積重ねられた多数の被印刷物の最上面に当接するピックアップローラと、このピックアップローラの搬送方向前方に配したフィードローラと、このフィードローラの下方に配したリタードローラとを備え、前記ピックアップローラと前記フィードローラを回転させて被印刷物を一枚ずつ送り出す印刷装置の給紙ローラ機構において、前記リタードローラに、一定の大きさ以上のトルクが付与されたときに、搬送方向の回転を許容するトルクリミッタを付設するとともに、リタードローラの搬送方向の回転を許容又は阻止する切換機構を備えることを特徴とする印刷装置の給紙ローラ機構。
- 前記切換機構は、装着することにより前記リタードローラの搬送方向の回転をロックし、離脱することによりロック解除する着脱式のストッパを備えることを特徴とする請求項1記載の印刷装置の給紙ローラ機構。
- 前記切換機構は、操作部の操作により前記リタードローラの搬送方向の回転をロック又はロック解除するロック機構を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷装置の給紙ローラ機構。
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