JP3715914B2 - 印刷装置の印字方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送される被印刷物を印字ヘッド及びインクリボンを有する印字部により印字する印刷装置の印字方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、名刺やはがき等の専用紙に印刷を行う印刷装置は知られており、既に本出願人もこの種の専用紙を印刷する際に用いて好適な印刷装置を、特開2001−80810号公報等により提案した。
【0003】
この印刷装置は、装置本体の前面部に配設して用紙を供給する給紙機構と、給紙機構から供給される用紙を装置本体の後面部側へ搬送する前段搬送機構と、この前段搬送機構により搬送される用紙に対して熱転写方式により印字を行う印字機構と、この印字機構により印字された用紙を横U形の搬送路によりUターン搬送する後段搬送機構と、装置本体の上面部であって後段搬送機構に囲まれる位置に配設することにより後段搬送機構から排出される用紙を受け取る排紙トレイ機構とを具備し、前段搬送機構により搬送される用紙を、印字機構に備える上方に配したプラテンローラと下方に配したインクリボン及び印字ヘッド(印字部)により挟んで印字するものである。
【0004】
また、搬送中の被印刷物に対して印字を行うため、搬送される被印刷物をセンサにより検出したなら、第一設定時間経過後に、印字部をリリース位置からセット位置へ移動させることにより、印字部を被印刷物に圧接させて印字を行い、かつ第二設定時間経過後に、印字部をセット位置からリリース位置へ移動させることにより、印字部を被印刷物から離間させる処理を行うとともに、さらに、インクリボンによる被印刷物への汚れを回避するため、セット位置に到達する前にインクリボンの巻取を開始するとともに、セット位置から移動を開始した後にインクリボンの巻取を停止する制御を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した印刷装置では、名刺やはがき等の専用紙(被印刷物)に印刷を行うため、次のような不具合を生じる問題があった。
【0006】
即ち、図3に示すように、被印刷物Pは薄いものから厚いものまで様々な種類が存在するため、被印刷物Pとリリース位置Xrにある印字部5間の距離は、被印刷物Pの厚さにより異なってくる。具体的には、比較的薄い普通の被印刷物Paと印字部5間の距離をLa,厚い被印刷物Pbと印字部5間の距離をLb,超厚い被印刷物Pcと印字部5間の距離をLcとした場合、Lc<Lb<Laとなる。なお、印字部5には印字ヘッド3とインクリボン4が含まれる。
【0007】
そして、印字部5をリリース位置Xrからセット位置へ移動(下降)させる場合、インクリボン4との距離Lcが最も短くなる超厚い被印刷物Pcに対しても汚れが生じないように、移動開始とほぼ同時にインクリボン4の巻取を開始するとともに、他方、印字部5をセット位置からリリース位置Xrへ移動(上昇)させる場合、移動開始からインクリボン4が被印刷物Pcから離れるまでの時間が最も長くなる超厚い被印刷物Pcに対しても汚れが生じないように、移動開始から一定の遅延時間が経過してからインクリボン4の巻取を停止させる制御を行っている。このため、超厚い被印刷物Pcよりも薄い被印刷物P(Pa,Pb)においては、使用に供しない巻取部分が発生することになり、インクリボン4の無駄を生じる問題があった。なお、図3中、95はプラテンローラ、矢印Frはインクリボン4の巻取方向、矢印Fcは被印刷物Pの搬送方向を示す。
【0008】
本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、インクリボンの無駄を極力排除して省資源性及び経済性を高めることができる印刷装置の印字方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明に係る印刷装置Mの印字方法は、搬送される被印刷物Pをセンサ2により検出したなら、第一設定時間T1経過後に、印字ヘッド3及びインクリボン4を有する印字部5を、リリース位置Xrからセット位置Xsへ移動させることにより、印字部5を被印刷物Pに圧接させて印字を行うに際し、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tbfが経過したならインクリボン4の巻取を開始するとともに、巻取を開始するタイミングを被印刷物Pの厚さが薄いほど遅くなるように設定することを特徴とする。この場合、好適な実施の態様により、予め設定した被印刷物Pの厚さを選択することにより、予め厚さに対応して設定したタイミングによりインクリボン4の巻取を開始させることができる。
【0010】
また、本発明に係る他の印字方法は、搬送される被印刷物Pをセンサ2により検出したなら、第二設定時間T2経過後に、印字ヘッド3及びインクリボン4を有する印字部5を、セット位置Xsからリリース位置Xrへ移動させることにより、印字部5を被印刷物Pから離間させるに際し、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tbrが経過したならインクリボン4の巻取を停止するとともに、巻取を停止するタイミングを被印刷物Pの厚さが厚いほど遅くなるように設定することを特徴とする。この場合、好適な実施の態様により、予め設定した被印刷物Pの厚さを選択することにより、予め厚さに対応して設定したタイミングによりインクリボン4の巻取を停止させることができる。
【0011】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明の理解を容易にするため、印刷装置Mを含む印刷システムSの概要について、図5及び図6を参照して説明する。
【0013】
図5は、印刷システムSの全体構成であり、接続ケーブル51を介して接続した印刷装置MとコンピュータCを備える。コンピュータCは、汎用パーソナルコンピュータを使用でき、CPU等を含む処理部52、ハードディスク,ROM,RAM等を含むメモリ53、双方向パラレルポート54等を備え、各部はバスライン55により接続される。また、コンピュータCには、アプリケーションソフトウェアによりインストールしたプリンタドライバ56を備え、このプリンタドライバ56により印刷装置Mを動作させる各種印刷条件を設定できる。
【0014】
一方、印刷装置Mは、図5に示すコントローラ57を備える。コントローラ57は、処理部58、メモリ59、双方向パラレルポート60等を備え、各部はバスライン61により接続される。なお、接続ケーブル51によりコンピュータC側の双方向パラレルポート54と印刷装置M側の双方向パラレルポート60が接続される。これにより、コンピュータCから印字データを印刷装置Mに転送するとともに、コンピュータCのプリンタドライバ56により印刷装置Mを制御して印刷を行う印刷システムSが構成される。
【0015】
また、図6には、印刷装置Mにおける機械系の概略構成を示す。印刷装置Mは、同図の右側が給紙側,左側が排紙側となり、右側の側面部には給紙機構71を配設するとともに、左側の側面部にはスタッカ機構72を配設する。そして、給紙機構71とスタッカ機構72間には、給紙機構71側から、前段搬送機構73,印字機構74,後段搬送機構75を順次配設する。なお、57はコントローラであり、前述した処理部58,メモリ59等を備える。
【0016】
給紙機構71は、多数の被印刷物Pを装填する給紙ガイド機構81と、この給紙ガイド機構81に装填された多数の被印刷物Pから一枚ずつ被印刷物Pを送り出す給紙ローラ機構82を備える。給紙ガイド機構81は、給紙エレベータ機構83により上昇する給紙トレイ84を備え、この給紙トレイ84上に多数の被印刷物Pが積重ねられる。装填できる被印刷物Pには、名刺,はがき,招待状等の単紙類をはじめ、社用封筒,和封筒,洋封筒等の非単紙類が含まれる。一方、給紙ローラ機構82は、給紙トレイ84上に装填された被印刷物Pを搬送方向前方へ送り出すピックアップローラ85,このピックアップローラ85の搬送方向前方に配したフィードローラ86,このフィードローラ86の下方に配したリタードローラ87を備え、このフィードローラ86とリタードローラ87により分離された被印刷物Pが一枚ずつ順次前方に送り出される。なお、被印刷物Pの最上面に当接するピックアップローラ85の高さは不図示のセンサにより検出され、給紙エレベータ機構83が駆動制御されることにより、被印刷物Pの最上面位置が、常に一定の高さに維持される。図6中、仮想線で示す給紙トレイ84が上昇途中の状態を示している。
【0017】
前段搬送機構73は、テイクアウェイローラ機構91,プリレジストローラ機構92及びレジストローラ機構93を順次水平方向に配設して構成し、給紙ローラ機構82から送り出された被印刷物Pを印字機構74まで搬送する機能を有する。また、2はレジストローラ機構93の搬送方向前方に配し、かつ被印刷物Pを搬送する搬送路に付設した頭出センサ(センサ)である。頭出センサ2は光センサを利用し、光路が被印刷物Pにより遮断されることにより被印刷物Pの有無を検出する。なお、各ローラ機構91〜93の間隔は、搬送する被印刷物Pの最小サイズよりも短い間隔に設定される。特に、プリレジストローラ機構92とレジストローラ機構93は、回転動作の制御により、搬送する被印刷物Pの角度(向き)を一定に揃えるスキュー修正機能を備えている。
【0018】
印字機構74は、搬送される被印刷物Pの下側にプラテンローラ95を配するとともに、上側にインクリボン4及びサーマルヘッドを用いた印字ヘッド3を配して構成し、熱転写方式により印字する機能を備えている。なお、印字ヘッド3及びインクリボン4は印字部5を構成する。また、インクリボン4はリボンカセットにより装填し、ロール状に巻かれたインクリボン4は供給リール98から繰り出されるとともに、巻取リール99により巻き取られる。
【0019】
後段搬送機構75は、順次配設した第一トランスローラ機構101,第二トランスローラ機構102及び排出ローラ機構103により構成し、印字機構74により印字された被印刷物Pをスタッカ機構72まで搬送する機能を有する。なお、各ローラ機構101〜103の間隔は、搬送する被印刷物Pの最小サイズよりも短い間隔に設定される。
【0020】
スタッカ機構72は、スタッカ105を有し、排出ローラ機構103から排出された被印刷物Pは、印刷面が上を向いた状態でスタッカ105上に順次積重ねられる。また、スタッカ105は、不図示の弾性支持機構により支持され、積重ねられる被印刷物Pの枚数が多くなるに従って下降変位する。図6中、仮想線で示すスタッカ105が下降した状態を示している。その他、図6中、111はフィードアウトセンサ、112はレジストセンサ、113は排紙センサをそれぞれ示す。
【0021】
次に、本実施例に係る印字方法を実施できる印字機構74の構成について、図2を参照して具体的に説明する。
【0022】
印字機構74は、不図示のアーム機構部により昇降自在に支持されるヘッド支持フレーム11を備える。ヘッド支持フレーム11は、サブフレーム12sを上端に有する上側の上フレーム12と、下側の下フレーム13を有し、上フレーム12の下部と下フレーム13の上部をシャフト14により回動自在に連結する。また、図示を省略した本体シャーシに固定又は位置調整可能に設けたスプリング受15とサブフレーム12s間には、加圧スプリング16を架設してヘッド支持フレーム11を下方へ付勢する。そして、下フレーム13の下端面に印字ヘッド3を支持する。この場合、印字ヘッド3は、名刺やはがき等の厚手或いは硬い被印刷物Pに対しても確実に印字できるように、C端面タイプのサーマルヘッドを使用する。
【0023】
さらに、ヘッド支持フレーム11には、リリース機構部17を付設する。リリース機構部17は、サブフレーム12sに取付けたシャフト18により回動自在に支持される係合ローラ19を備えるとともに、図示を省略した本体シャーシに取付けたシャフト20により回動自在に支持される偏心カム21を備える。偏心カム21の周面は係合ローラ19の下面に係合し、偏心カム21(シャフト20)は、駆動モータを内蔵したヘッド昇降駆動機構部22により回転駆動される。また、ヘッド昇降駆動機構部22はコントローラ57により駆動制御される。
【0024】
一方、リボンカセットにより装填したインクリボン4は、供給リール98から繰り出され、供給側ガイドローラ機構31を介して印字ヘッド3のヘッド面に接し、さらに、巻取側第一ガイドローラ32及び第二ガイドローラ機構33を介して巻取リール99により巻き取られる。巻取リール99は巻取軸34により支持され、この巻取軸34は、駆動モータを内蔵したリボン巻取駆動機構部35により回転駆動される。また、リボン巻取駆動機構部35はコントローラ57により駆動制御される。
【0025】
次に、本実施例に係る印字方法を含む印刷装置Mの動作について、各図を参照しつつ図1に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0026】
まず、コントローラ57には、インクリボン4の巻取を開始するタイミングを被印刷物Pの厚さに対応して設定する。実施例は、図1に示すように、被印刷物Pの厚さとして、「普通」,「厚」,「超厚」の三段階の厚さを設定した。なお、厚さは、「普通」<「厚」<「超厚」となる。そして、「超厚」に対するインクリボン4の巻取を開始するタイミングは、印字部5がリリース位置Xr(図2の実線)から被印刷物Pに圧接するセット位置Xs(図2の仮想線)へ移動を開始する時点とほぼ同じになるように設定し、「厚」に対するインクリボン4の巻取を開始するタイミングは、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tbfが経過した時点で行われるように設定し、「普通」に対するインクリボン4の巻取を開始するタイミングは、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tafが経過した時点で行われるように設定する。この場合、Tbf<Tafである。なお、「超厚」に対するインクリボン4の巻取を開始するタイミングは、印字部5が移動を開始する時点とほぼ同じに設定したが、リリース位置Xrにおける印字部5とプラテンローラ95間の間隔設定(通常、3〔mm〕程度)や移動速度等に応じ、計算或いは実験等により最適な値を設定できるとともに、Taf,Tbfも同様に、計算或いは実験等により最適な値を設定できる。
【0027】
また、コントローラ57には、インクリボン4の巻取を停止するタイミングを被印刷物Pの厚さに対応して設定する。即ち、図1に示すように、「普通」に対するインクリボン4の巻取を停止するタイミングは、印字部5がセット位置Xsからリリース位置Xrへ移動を開始する時点とほぼ同じになるように設定し、「厚」に対するインクリボン4の巻取を停止するタイミングは、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tbrが経過した時点で行われるように設定し、「超厚」に対するインクリボン4の巻取を停止するタイミングは、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tcrが経過した時点で行われるように設定する。この場合、Tbr<Tcrである。なお、「普通」に対するインクリボン4の巻取を停止するタイミングは、印字部5が移動を開始する時点とほぼ同じに設定したが、リリース位置Xrにおける印字部5とプラテンローラ95間の間隔設定や移動速度等に応じ、計算或いは実験等により最適な値を設定できるとともに、Tbr,Tcrも同様に、計算或いは実験等により最適な値を設定できる。このようなインクリボン4の巻取を開始又は停止するタイミングの設定は、例えば、リボン巻取駆動機構部35の駆動モータにパルスモータを使用すれば、このパルスモータに供給するパルスの数を変更することにより容易に設定できる。
【0028】
そして、印刷を行う際には、まず、被印刷物Pを給紙トレイ84上に装填する。一方、コンピュータCのプリンタドライバ56を起動させ、ディスプレイに図4に示すプロパティ画面Vpを表示する。このプロパティ画面Vpは、用紙設定画面であり、「用紙厚」のプルダウンメニュー7から被印刷物Pの厚さを選択する。本実施例では、「厚い用紙」を選択し、比較的厚いハガキ等の印刷を行う場合について説明する。また、他の設定画面には、「用紙リスト」の設定があるため、「ハガキ」を選択し、さらに、各種印刷条件の設定及び印字データの選択等を行う。
【0029】
この後、開始キーをONにすれば、コンピュータCから設定データ及び印字データが印刷装置Mのコントローラ57に転送される。コントローラ57では、プリンタドライバ56側で「厚い用紙」が選択されていることから、インクリボン4の巻取を開始するタイミングを、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tbfが経過した時点で行われるように自動設定され、また、インクリボン4の巻取を停止するタイミングは、印字部5が移動を開始する時点から遅延時間Tbrが経過した時点で行われるように自動設定される。
【0030】
そして、印刷装置Mの印刷準備が完了すれば、給紙ローラ機構82が作動し、給紙トレイ84上に装填された被印刷物(ハガキ)Pは、ピックアップローラ85により前方へ送り出されるとともに、フィードローラ86とリタードローラ87により分離された被印刷物Pが一枚ずつ順次前方に送り出される。なお、電源投入時には、印字部5は、プラテンローラ95から離間したリリース位置Xrにある。
【0031】
一方、給紙ローラ機構82から送り出された被印刷物Pは、前段搬送機構73により搬送され、その先端が頭出センサ2により検出、即ち、図1に示すように、頭出センサ2がONすれば、予め設定された第一設定時間T1が経過した後、コントローラ57によりヘッド昇降駆動機構部22が駆動制御され、偏心カム21が回転することにより、印字部5はリリース位置Xrから下降(移動)を開始する。また、印字部5が下降を開始する時点から遅延時間Tbfが経過したなら、コントローラ57によりリボン巻取駆動機構部35が駆動制御され、巻取軸34が回転することにより、インクリボン4の巻取を開始する。この後、偏心カム21が回転開始から180〔°〕回転すれば、印字部5はセット位置Xsに到達し、ヘッド昇降駆動機構部22は停止制御されるとともに、インクリボン4が被印刷物Pの上面に圧接することにより所定の印字処理が行われる。なお、図2中Fcは被印刷物Pの搬送方向を示す。
【0032】
被印刷物Pがさらに搬送されるとともに、頭出センサ2による検出時点から第二設定時間T2が経過すれば、コントローラ57によりヘッド昇降駆動機構部22が駆動制御され、偏心カム21が回転することにより、印字部5がセット位置Xsから上昇(移動)を開始する。また、印字部5が上昇を開始した時点から遅延時間Tbrが経過したなら、コントローラ57によりリボン巻取駆動機構部35が停止制御され、インクリボン4の巻取が停止する。この後、偏心カム21が回転開始から180〔°〕回転すれば、印字部5はリリース位置Xrに到達し、ヘッド昇降駆動機構部22は停止制御されるとともに、印字部5は被印刷物Pの上面から離間する。そして、印刷された被印刷物Pは、後段搬送機構75により搬送され、排出ローラ機構103から排出されることにより、スタッカ機構72におけるスタッカ105上に順次積重ねられる。
【0033】
なお、「用紙厚」として「厚い用紙」を選択した場合を例示したが、図4に示す「超厚い用紙」,「普通の用紙」を選択した場合にも、図1に示すタイミングチャートに従って、上述した「厚い用紙」の場合と同様に制御される。
【0034】
よって、このような本実施例に係る印字方法によれば、被印刷物Pの厚さに拘わらず、インクリボン4における使用に供しない巻取部分の発生がほとんど無くなる。この結果、インクリボン4の無駄は極力排除され、もって、省資源性及び経済性が高められる。
【0035】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、実施例は、インクリボン4の巻取開始と巻取停止の双方においてタイミングを可変設定する場合を示したが、巻取開始又は巻取停止のいずれか一方のみにおいてタイミングを可変設定する場合も本発明に包含される。また、予め設定した被印刷物Pの厚さを選択することにより、予め厚さに対応して設定したタイミングによりインクリボン4の巻取を開始又は停止する場合を示したが、被印刷物Pの厚さを自動で検出し、検出結果に対応して連続的にタイミングを可変設定してもよい。
【0036】
【発明の効果】
このように、本発明に係る印刷装置の印字方法は、搬送される被印刷物をセンサにより検出したなら、印字部をリリース位置からセット位置へ移動させるに際し、印字部が当該移動を開始する時点から遅延時間が経過したならインクリボンの巻取を開始するとともに、巻取を開始するタイミングを被印刷物の厚さが薄いほど遅くなるように設定し、また、本発明に係る印字方法は、搬送される被印刷物をセンサにより検出したなら、印字部をセット位置からリリース位置へ移動させるに際し、印字部が当該移動を開始する時点から遅延時間が経過したならインクリボンの巻取を停止するとともに、巻取を停止するタイミングを被印刷物の厚さが厚いほど遅くなるように設定したため、被印刷物の厚さに拘わらず、インクリボンにおける使用に供しない巻取部分の発生をほとんど無くすことができ、インクリボンの無駄を極力排除することにより、省資源性及び経済性を高めることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る印字方法を実施する印刷装置における各部のタイミングチャート、
【図2】同印字方法を実施できる印字機構の構成図、
【図3】同印字機構の課題を説明するための模式図、
【図4】同印字方法で利用するプリンタドライバのプロパティ画面の一部を示すレイアウト図、
【図5】同印字方法を実施する印刷装置を含む印刷システムの概要図、
【図6】同印刷装置の機械系の概略構成図、
【符号の説明】
2 センサ
3 印字ヘッド
4 インクリボン
5 印字部
P 被印刷物
M 印刷装置
T1 第一設定時間
T2 第二設定時間
Xr リリース位置
Xs セット位置
Tbf 遅延時間
Tbr 遅延時間

Claims (4)

  1. 搬送される被印刷物をセンサにより検出したなら、第一設定時間経過後に、印字ヘッド及びインクリボンを有する印字部を、リリース位置からセット位置へ移動させることにより、前記印字部を被印刷物に圧接させて印字を行う印刷装置の印字方法において、前記印字部が移動を開始する時点から遅延時間が経過したなら前記インクリボンの巻取を開始するとともに、巻取を開始するタイミングを被印刷物の厚さが薄いほど遅くなるように設定することを特徴とする印刷装置の印字方法。
  2. 予め設定した被印刷物の厚さを選択することにより、予め厚さに対応して設定したタイミングにより前記インクリボンの巻取を開始することを特徴とする請求項1記載の印刷装置の印字方法。
  3. 搬送される被印刷物をセンサにより検出したなら、第二設定時間経過後に、印字ヘッド及びインクリボンを有する印字部を、セット位置からリリース位置へ移動させることにより、前記印字部を被印刷物から離間させる印刷装置の印字方法において、前記印字部が移動を開始する時点から遅延時間が経過したなら前記インクリボンの巻取を停止するとともに、巻取を停止するタイミングを被印刷物の厚さが厚いほど遅くなるように設定することを特徴とする印刷装置の印字方法。
  4. 予め設定した被印刷物の厚さを選択することにより、予め厚さに対応して設定したタイミングにより前記インクリボンの巻取を停止することを特徴とする請求項3記載の印刷装置の印字方法。
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