JP3664423B2 - エアスプリングの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両端部に前輪を支持し、中央部は該両端部よりキックダウンして中央軸部が形成されている前車軸をエアスプリングで懸架したバスのエアスプリングの取付構造及びフロントフェンダの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高齢者や身障者などの社会参加の機会が増加し、公共交通機関であるバスに対しては、特に、その乗降性に問題があってその改善が図られてきている。この乗降性の改善を目的に、乗降用のステップを低く、あるいは無くすために、客室床面を低くする低床化が行われており、その一方で、構造上低くできない部分が床面から突出し、邪魔になって有効床面積が減少したり、あるいは段差が生じたりして新たな問題も顕在化してきている。
【0003】
図7〜図9に、従来のエアサスバスの前車軸用エアスプリングの取付構造を示している。左右対のコ字型フレームFの下面にエアスプリングASが装着され、そのエアスプリングASの下部が中央軸部がキックダウンした従動型前車軸FAに装着されている。エアスプリングASは前車軸FAとフレームFrを上下方向に支えていて、フレームFrと前車軸FAとの前後方向の支持は主としてトルクロッドR1で、左右方向の支持はロッドR0によって前車軸と車体とを連結している。
【0004】
図9においては、フレームFr、エアスプリングAS、前輪Wf等と車室Rmとの関係が示され、前輪Wfを覆って車室を隔離するフロントフェンダFe、フロントフェンダFeの1部であって通路Tの側壁となる内壁Nw、通路Tの床面Y等の位置および乗客の足部Maが示されている。そして内壁Nwは、ほぼ垂直に形成されているので足部の移動より腰部幅、肩部幅の制約が移動性良否を決定している。図10に車室内のフロントフェンダFe、床面Y、通路T等の関係が示されている。
【0005】
この状態での通路Tの通路幅Btと床面Yの地上高Hyとは、エアスプリングASの取付幅Bsできまる。このような配置から、床面Yの地上高Hyを下げて乗降性をよくし、通路幅Btを拡げて移動性をよくするにはエアスプリングASの位置と内壁Nwの形状が課題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の欠点に鑑みて提案されたもので、床面を下げて乗降性のよい、車室内の移動性のよいエアサスバスのエアスプリングの取付構造の提供と通路幅を拡張するフロントフェンダの構造の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアスプリングの取付構造によれば、前車軸(FA)は両端部(FA1)に前輪(Wf)を支持し、中央部はキックダウンして中央軸部(FA2)が形成され、その前車軸(FA)の上面にブラケットを介しエアスプリング(5)が取り付けられてバス車体(C)が懸架されているエアスプリングの取付構造において、前記ブラケットはフレーム(1)の左右方向外方に位置して前車軸(FA)の上面に取り付けられた箱状の第1のブラケット(3)と、その第1のブラケット(3)の上部に固着され左右方向外方に上傾した斜箱状の第2のブラケット(4)とで構成され、その第2のブラケット(4)には前部に上下対で前車軸(FA)を支持するトルクロッド(8、9)の上方ロッド(8)の後端が装着され、かつ後部にはショックアブソーバ(6)の下端が揺動自在に取り付けられ、上面にスペーサ(4a)を介してエアスプリング(5)が取り付けられている。
【0008】
上記の発明によれば、第1、第2のブラケットによってエアスプリングを左右方向外方の前輪側に装着して車室内の通路幅を広くできるようにしている。
【0009】
本発明のフロントフェンダの構造によれば、前車軸(FA)は両端部(FA1)に前輪(Wf)を支持し、中央部はキックダウンして中央軸部(FA2)が形成され、その前車軸(FA)の上面にブラケットを介しエアスプリング(5)が取り付けられて車体(C)が懸架されているバスのフロントフェンダの構造において、前記ブラケットはフレーム(1)の左右方向外方に位置して前車軸(FA)の上面に取り付けられた箱状の第1のブラケット(3)と、その第1のブラケット(3)の上部に固着され左右方向外方に上傾した斜箱状の第2のブラケット(4)とで構成され、その第2のブラケット(4)には前部に上下対で前車軸(FA)を支持するトルクロッド(8、9)の上方ロッド(8)の後端が装着され、かつ後部にはショックアブソーバ(6)の下端が揺動自在に取り付けられており、前輪(Wf)と前記エアスプリング(5)およびブラケット(3、4)を覆ってフェンダ(10)が車室内に突設され、左右フェンダ(10、10)に挟まれた通路(23)はその床面(13)がフレーム(1)の地上高まで下げられ、フェンダの内壁部(12)は床面(13)から立ち上がるにしたがって通路幅(B)を拡幅して車室外方に向け広げて形成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3に、エアサスバスの前車軸FAの上下動を緩和させるエアスプリング5の取付構造を示している。前車軸FAは、両端部FA1に前輪Wfを支持し中央部はキックダウンして中央軸部FA2が形成されている公知の従動型前車軸である。
【0011】
フレーム1の外側部1aより左右方向外方に位置する前車軸FAの上面に箱状の第1のブラケット3がボルト締結されている。その第1のブラケット3の上部に左右方向外方の上方に傾斜した斜箱状の第2のブラケット4が固着され第1のブラケット3と一体に構成されている。そして第2のブラケット4の上面にスペーサ4aがボルト締結され、そのスペーサ4a上部にダイヤフラム型のエアスプリング5がボルト締結されている。エアスプリング5は上部で車体の構造強度部材であるシャシCの明示されていない構造部材に締結されて車体を懸架するよう構成されている。
【0012】
また、第2のブラケットには、後部に付設した突部4bに減衰装置であるショックアブソーバ6の下部が前後方向に揺動自由に取付けられ、前部にはシャシ横根太21aに固定された明示されないブラケットに一端を装着され前車軸FAを前後方向に支持する上トルクロッド8の端部が装着されている。なお、上下で対になって前車軸FAを前後方向に支持する下トルクロッド9は前記のシャシ横根太21aに固定されたブラケットの下部と前車軸FAとに取付けられている。また、シャシCと前車軸FAとの横方向動を抑制するラテラルロッドLdはシャシC側は横根太に一端が、前車軸FAに他端が装着されている。
【0013】
以上のようなエアスプリングの取付構造により、エアスプリング5が車幅方向の外方に拡がって、図1に示す車室内通路23の幅を拡げることが可能になる。また、上記のように懸架装置を配設したので、懸架機能としての上下、左右、前後力の支持性能は従来のエアスプリング取付構造と同様である。
【0014】
図5および図6は上記エアスプリング5の取付構造によったバスシャシの完成状態を示している。
【0015】
図4においては、従来のエアスプリング取付構造の場合の前車軸近傍の車室内の通路50の通路幅を制約する通路を挟んで突起したフロントフェンダ30と床面43との関係を示している。通路面である床面43の通路幅B43はフレーム2の内幅とエアスプリング25の取付け内幅で決定されている。この制約された床面43の外側端43aから上方にフロントフェンダ部30の内壁部42が立ち上がっている。床面43からフレーム28の上部まで垂直方向に第1面42aが形成され、その上部に適所の高さまで通路幅を拡幅させるよう左右方向外方に向け傾斜させ拡げた第2面42bが形成されている。第2面の上部にほぼ垂直に輪カバー31まで第3面42cが形成されている。
【0016】
図1に戻って、エアスプリング5の取付が車幅方向に拡げられた場合は、エアスプリング5の干渉制約がないので、床面13はフレーム1の地上高の許容値までさげた低床にする。また、通路23は床面13の幅からエアスプリング5、第1、第2のブラケット3、4との干渉を避ける範囲で、とくに車両ローリングや車軸トランピング等を勘案して、第1、2および第3面12a、12bおよび12cまで拡幅して形成されている。このように、通路面である床面13の幅が限定されても腰部、肩部に余裕のある通路幅に形成されている。
【0017】
【発明の効果】
本発明の作用効果を、以下に列挙する。
(1) 第1のブラケットと、第2の斜箱状のブラケットによりエアスプリングをフレーム外方に設置できるので、車室内通路の上部を拡幅でき乗客の移動性が容易になる。
(2) エアスプリングを外方に設置できるので、フレーム地上高を下げれば、通路床面を低床にできる。
(3) エアスプリングの地上高が高くなるので、ローリングセンタが高くなりばね上のローリングが小となって乗り心地が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すエアスプリングの取付構造の正面図。
【図2】同上の側面図。
【図3】同上の上面図。
【図4】前車軸近傍の車室内通路付近のフェンダと床面との関係を説明する断面図。
【図5】エアスプリング取付幅を拡げたバスシャシの側面図。
【図6】同上の上面図。
【図7】従来のエアスプリング取付けを示す上面図。
【図8】同上の側面図。
【図9】従来の前車軸まわりと車室との関係を示す正面図。
【図10】車室内のフロントフェンダFe、床面Y、通路T等の関係を示す斜視図。
【符号の説明】
C・・・シャシ
FA・・・前車軸
F1・・・端部
F2・・・中央軸部
Wf・・・前輪
Ld・・・ラテラルロッド
1・・・フレーム
2・・・前部フレーム
3・・・第1のブラケット
4・・・第2のブラケット
4a・・・スペーサ
5・・・エアスプリング
6・・・ショックアブソーバ
8・・・第1のロッド
9・・・第2のロッド
10、30・・・フロントフェンダ
11、31・・・輪カバー
12、42・・・内壁部
12a、42a・・・第1面
12b、42b・・・第2面
12c、42c・・・第3面
13、43・・・通路床面
21a、21b・・・横根太
23、50・・・通路
Claims (2)
- 前車軸(FA)は両端部(FA1)に前輪(Wf)を支持し、中央部はキックダウンして中央軸部(FA2)が形成され、その前車軸(FA)の上面にブラケットを介しエアスプリング(5)が取り付けられてバス車体(C)が懸架されているエアスプリングの取付構造において、前記ブラケットはフレーム(1)の左右方向外方に位置して前車軸(FA)の上面に取り付けられた箱状の第1のブラケット(3)と、その第1のブラケット(3)の上部に固着され左右方向外方に上傾した斜箱状の第2のブラケット(4)とで構成され、その第2のブラケット(4)には前部に上下対で前車軸(FA)を支持するトルクロッド(8、9)の上方ロッド(8)の後端が装着され、かつ後部にはショックアブソーバ(6)の下端が揺動自在に取り付けられ、上面にスペーサ(4a)を介してエアスプリング(5)が取り付けられていることを特徴とするエアスプリングの取付構造。
- 前車軸(FA)は両端部(FA1)に前輪(Wf)を支持し、中央部はキックダウンして中央軸部(FA2)が形成され、その前車軸(FA)の上面にブラケットを介しエアスプリング(5)が取り付けられて車体(C)が懸架されているバスのフロントフェンダの構造において、前記ブラケットはフレーム(1)の左右方向外方に位置して前車軸(FA)の上面に取り付けられた箱状の第1のブラケット(3)と、その第1のブラケット(3)の上部に固着され左右方向外方に上傾した斜箱状の第2のブラケット(4)とで構成され、その第2のブラケット(4)には前部に上下対で前車軸(FA)を支持するトルクロッド(8、9)の上方ロッド(8)の後端が装着され、かつ後部にはショックアブソーバ(6)の下端が揺動自在に取り付けられており、前輪(Wf)と前記エアスプリング(5)およびブラケット(3、4)を覆ってフェンダ(10)が車室内に突設され、左右フェンダ(10、10)に挟まれた通路(23)はその床面(13)がフレーム(1)の地上高まで下げられ、フェンダの内壁部(12)は床面(13)から立ち上がるにしたがって通路幅(B)を拡幅して車室外方に向け広げて形成されていることを特徴とするバスのフロントフェンダの構造。
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JP15887798A JP3664423B2 (ja) | 1998-06-08 | 1998-06-08 | エアスプリングの取付構造 |
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JPH11348520A JPH11348520A (ja) | 1999-12-21 |
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1998
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