JP3661520B2 - 画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置及びプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置及びプログラムを記録した記録媒体に関する。より詳細には、本発明は、圧縮された画像データを少ないメモリで且つ高速に回転させることができる画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置及びプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像情報のデジタル化とインターネットに代表されるネットワーク化の急速に発展し、各種のデジタル画像情報が圧縮した状態で取り扱われることが多い。このような圧縮フォーマットとして最もポピュラーなものに、「JPEG(Joint Photograph Experts Group)」がある。JPEGは、例えば、RGB(赤緑青)24ビットなどで表現される静止画像情報を圧縮可能な高能率符号化標準である。
【0003】
図22は、JPEGによる圧縮、復元処理の典型例を表す概念図である。すなわち、同図(a)〜(d)は、圧縮(符号化)のプロセスを表し、同図(e)〜(h)は復元(復号化)のプロセスを表す。
【0004】
JPEG圧縮に際しては、RGBあるいはY(輝度)Cb(青色差)Cr(赤色差)などにより表される原画を、まず、図22(a)に表したように8ピクセル×8ピクセルのブロックに分割する。
【0005】
次に、同図(b)に表したように、ブック毎にDCT(descrete cosince transform:離散コサイン変換)処理を施す。DCT処理は周波数変換に対応し、この処理によってブロック画像が周波数により表される。一般に画像データは、周波数スペクトルの形式で表すと低周波数帯域において分布が見られ、この結果として少ない情報量で符号化を行うことができる。このように周波数に変換した後にさらに量子化することにより離散化させる。
【0006】
次に、このようにDCT量子化したデータを図22(c)に表したように、ジグザク走査して一列に並べる。そして、エントロピ符号化処理を施すことにより、同図(d)に表したような符号列とすることができる。
【0007】
一方、復元は、上述した一連の処理を逆に施すことにより、同図(e)〜(h)に表したように実行される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像データを取り扱うに際して、入力した画像を所定の角度だけ回転させたい場合がある。例えば、CD−ROMなどの媒体から、あるいはインターネットなどを介してパーソナルコンピュータに取り込んだJPEG画像をプリンタで印刷出力する際に、用紙のサイズや画像のレイアウトに応じて、JPEG画像を90°、180°、あるいは270°回転させた状態で出力させたい場合も多い。
【0009】
このような場合に、対象となるJPEG画像の全体を復元し、しかる後に所定の角度だけ回転処理を施す方法も考えられる。
【0010】
しかし、この方法によると、復元した画像の全体を一時的に保持するための大容量メモリが必要となるばかりでなく、大容量の画像データを回転処理するために回転処理の所要時間も増大し、システムに対する負荷が大きくなるという問題が生ずる。
【0011】
例えば、このようなJPEG画像の復元、保持、回転処理をホストコンピュータで実行することとすると、ホストのメモリコストが高くなり、また処理の負荷が増大する。一方、プリンタ側において同様の動作を実行させるためには、大容量メモリを増設する必要があり、コストが大幅に上昇する。
【0012】
一方、近年の画像情報のデジタル化の進展に伴い、高速なCPUや大容量メモリを必ずしも搭載していないようなデジタル機器、例えば、デジタルカメラや各種のゲーム機器などが登場している。これらのデジタル機器から圧縮された画像データをそのまま取り出し、所定の角度だけ回転した状態の画像を形成できる画像形成装置があると、各種の画像データをさらに便利に取り扱うことができる。
【0013】
本発明は、かかる諸事情の認識に基づいてなされたものである。すなわち、その目的は、少ないメモリで且つ高速に、圧縮された画像データを復元し所定の角度だけ回転させた状態で、順次出力することができる、画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置及びプログラムを記録した記憶媒体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的の達成のために、本発明の画像処理装置は、原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力する画像処理装置であって、復号化を実行する復元処理部と、復号化に関する情報を格納する復元情報格納部と、復号化されたブロックの回転処理を実行するブロック回転部と、を備え、
前記復元処理部は、まず、前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、前記原画像中に予め定めた起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら前記復元情報格納部に格納し、
しかる後に、前記復元処理部は、前記復元情報格納部に格納した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記ブロック回転部は、前記復元処理部により復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力することにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから順に復号化データを出力可能としたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、復元した画像全体を格納するための大容量メモリが不要となり、極めて小さいメモリを用いて高速に復元・回転処理を実行することができる。
【0016】
ここで、出力バッファをさらに備え、前記ブロック回転部により前記所定の角度だけ回転させて出力される前記ブロックは、前記出力バッファ上に展開されることとすると、各ブロックを所定の位置関係に容易且つ確実に配置して出力できる。
【0017】
また、前記符号化画像データは、JPEGフォーマットに基づき、前記復元情報は、前記起点ブロックの離散コサイン変換係数のDC成分に関する情報であることとすると、最も汎用性のあるJPEG画像ファイルを復元回転することができる。
【0018】
また、前記角度は、0°以上180°以下であり、前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックを含むこととすると、起点ブロックから順に復元することによって回転後画像を上方のブロックから順に出力することができる。
【0019】
または、前記角度は、180°よりも大きく且つ360°よりも小さく、前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックと、それ以外の一列のブロックと、を含むこととすると、起点ブロックから復元を進めて目的とするブロックに到達するまでの処理時間を短縮することができる。
【0020】
また、前記復元情報格納部は、キャッシュメモリを有することとすると、復元情報に高速にアクセスでき、高速に処理可能となる。
【0021】
一方、本発明の画像処理方法は、原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力する画像処理方法であって、
前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、原画像中に定めた起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら保持し、
しかる後に、前記保持した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力することにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから順に復号化データを出力可能としたことを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、復元した画像全体を格納するための大容量メモリが不要となり、極めて小さいメモリを用いて高速に復元・回転処理を実行することができる。
【0023】
一方、本発明の画像形成装置は、原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを入力し、前記原画像を所定の角度だけ回転させた状態で出力する画像形成装置であって、復号化を実行する復元処理部と、復号化に関する情報を格納する復元情報格納部と、復号化されたブロックの回転処理を実行するブロック回転部と、復号化データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、を備え、
前記復元処理部は、まず、前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、原画像中に予め定めた起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら前記復元情報格納部に格納し、
しかる後に、前記復元処理部は、前記復元情報格納部に格納した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記ブロック回転部は、前記復元処理部により復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて前記復号化データを出力し、
前記画像形成手段は、前記出力された復号化データに基づいて画像を形成することにより、
前記所定の角度だけ回転させた状態の画像を上方のブロックから順次形成可能としたことを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、復元した画像全体を格納するための大容量メモリが不要となり、極めて小さいメモリを用いて高速に復元・回転処理を実行することができる。
【0025】
ここで、出力バッファをさらに備え、
前記ブロック回転部により前記所定の角度だけ回転させて出力される前記ブロックの復号化データは、前記出力バッファ上に展開され、
前記画像形成手段は、前記出力バッファ上に展開された前記復号化データを読み出して前記画像を形成することとすると、各ブロックを所定の位置関係に容易且つ確実に配置して出力できる。
【0026】
また、前記符号化画像データは、JPEGフォーマットに基づき、前記復元情報は、前記起点ブロックの離散コサイン変換係数のDC成分に関する情報であることとすると、最も汎用性のあるJPEG画像ファイルを復元回転することができる。
【0027】
また、前記角度は、0°以上180°以下であり、前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックを含むこととすると、起点ブロックから順に復元することによって回転後画像を上方のブロックから順に出力することができる。
【0028】
または、前記角度は、180°よりも大きく且つ360°よりも小さく、前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックと、それ以外の一列のブロックと、を含むこととすると、起点ブロックから復元を進めて目的とするブロックに到達するまでの処理時間を短縮することができる。
【0029】
また、前記復元情報格納部は、キャッシュメモリを有することとすると、復元情報に高速にアクセスでき、高速に処理可能となる。
【0030】
また、前記画像形成手段は、前記復号化データを印刷データに変換する印刷データ生成部と、前記印刷データに基づいて印刷イメージを生成するイメージ生成部と、前記印刷イメージに基づいて印刷媒体上に画像を形成するプリンタエンジンと、を有するインクジェット方式の画像形成手段であることとすれば、インクジェットプリンタがもともと有するイメージバッファを用いて復元回転処理を実行することも可能であり、コストの上昇を抑えつつ、極めて高性能化することができる。
【0031】
一方、本発明の記録媒体は、符号化画像データの復号化を実行する復元処理部と、前記復号化に関する情報を格納する復元情報格納部と、前記復号化されたブロックの回転処理を実行するブロック回転部と、を有し、原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力する画像処理装置を制御するプログラムを格納した記録媒体であって、前記プログラムは、
まず、前記復元処理部に、前記符号化画像データを最初から順番に復号化させ、原画像中に定めた所定の起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら前記復元情報格納部に格納させ、
しかる後に、前記復元処理部に、前記復元情報格納部に格納した前記復元情報を利用させて前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化させ、
前記ブロック回転部に、前記復元処理部により復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力させることにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから順に復号化データを出力可能としたことを特徴とする。
【0032】
上記構成によれば、復元した画像全体を格納するための大容量メモリが不要となり、極めて小さいメモリを用いて高速に復元・回転処理を実行することができる。
【0033】
ここで、前記画像処理装置は、出力バッファをさらに有し、
前記プログラムは、前記ブロック回転部により前記所定の角度だけ回転させて出力される前記ブロックを前記出力バッファ上に展開させることとすると、各ブロックを所定の位置関係に容易且つ確実に配置して出力できる。
【0034】
または、本発明の記録媒体は、原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力するプログラムが格納された記録媒体であって、前記プログラムは、
前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、原画像中に定めた所定の起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら保持し、
しかる後に、前記保持した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力することにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから復号化データを順に出力可能としたことを特徴とする。
【0035】
上記構成によれば、復元した画像全体を格納するための大容量メモリが不要となり、極めて小さいメモリを用いて高速に復元・回転処理を実行することができる。
【0036】
また、前記符号化画像データは、JPEGフォーマットに基づき、前記復元情報は、前記起点ブロックの離散コサイン変換係数のDC成分に関する情報であることとすると、最も汎用性のあるJPEG画像ファイルを復元回転することができる。
【0037】
また、前記角度は、0°以上180°以下であり、前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックを含むこととすると、起点ブロックから順に復元することによって回転後画像を上方のブロックから順に出力することができる。
【0038】
または、前記角度は、180°よりも大きく且つ360°よりも小さく、前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックと、それ以外の一列のブロックと、を含むこととすると、起点ブロックから復元を進めて目的とするブロックに到達するまでの処理時間を短縮することができる。
【0039】
ここで、「記録媒体」とは、例えば、ハードディスク(HD)、DVD−RAM、DVD−ROM、光磁気記録媒体、フレキシブル・ディスク(FD)やCD−ROMなどの他に、RAMやROMなどの各種メモリも含む。
【0040】
また、これらの媒体に記録されるべきプログラムをそのままの状態で、あるいは必要に応じて暗号化したり、変調をかけたり、圧縮したような状態で、イントラネットやインターネットなどの有線回線や無線回線を介して頒布しても良い。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0042】
図1は、本具体例に対応した画像処理装置の概略構成を表すブロック図である。
【0043】
すなわち、本発明の画像処理装置10は、画像ファイル(符号化画像データ)200を読み出すことができる。画像ファイル200は、例えばJPEG形式により圧縮され、RAM(ramdom access memory)、CD−ROM(compact disc-read only memory)あるいはハードディスクなどの各種の格納手段に格納されている。
【0044】
画像ファイル200と画像処理装置10とは、例えば、コンピュータのような同一のシステム内に設けられていても良く、または、画像ファイル200はコンピュータなどのホスト機器に格納され、一方、画像処理装置10は、プリンタなどの別体の機器に設けられているものであっても良い。
【0045】
本発明の画像処理装置10は、復元処理部12と、データバッファ14と、復元情報格納部15と、ブロック回転部16と、展開制御部17と出力バッファ18とを有する。
【0046】
復元処理部12は、画像ファイル200から所定のデータを読み出し、解析し、復元(復号化)して、必要に応じて各部にデータを出力すると共に各部の制御も行う。
【0047】
データバッファ14は、画像ファイル200から読み出された圧縮画像データを一次的にバッファリングする。
【0048】
復元情報格納部15は、復元処理部が解析し、復元した分割ブロックに関する情報、典型的には「DC成分」と「ファイルポインタ」を格納する。なお、後に詳述するように、この復元情報格納部15は、頻繁にアクセスする必要があるため、キャッシュメモリにより構成すると、システムの処理速度を高くすることができる。
【0049】
ブロック回転部16は、復元処理部12において復元された分割ブロックのデータを受け取り、所定の回転角度だけ回転して出力する。
【0050】
展開制御部17は、ブロック回転部16から出力された分割ブロックのデータを出力バッファ18に展開するに際して、展開位置を制御する。
【0051】
出力バッファ18は、復元され回転された分割ブロックのデータを所定の順序に展開格納し、外部に出力可能な状態とする。
【0052】
図2は、本発明により画像を回転して復元する様子を例示した概念図である。また、図3は、本発明による画像処理装置の動作を概念的に表すフローチャートである。
【0053】
本発明においては、画像ファイル200として、原画像を複数のブロックに分割して圧縮したフォーマットのものを対象とする。この典型例は、図22に表したJPEG標準に基づく画像ファイルである。従って、以下の説明では、符号化標準としてJPEGを用いた場合を例に挙げて説明する。
【0054】
本発明においては、このような画像ファイルを回転復元するに際して、まず図3にステップS100と表したように、画像ファイルを最初から順に復元する。
【0055】
そして、予め定めた「起点ブロック」が復元されたら、ステップS200においてその「起点ブロック」の「復元情報」を格納する。ここで、「復元情報」とは、典型的には、その「起点ブロック」の「ファイルポインタ」と「DC成分」である。また、「起点ブロック」は、後に詳述するように、回転後の画像を上から順に復元するのに都合の良い位置にある分割ブロックのことである。
【0056】
そして、「ファイルポインタ」とは、画像ファイル200において「起点ブロック」のデータが格納されているアドレスに対応する。
【0057】
また、「DC成分」とは、図22(b)に例示したDCT係数のひとつである。
【0058】
以下、「DC成分」について補足的に説明する。
【0059】
JPEGにおいては、原画像を8ピクセル×8ピクセルのブロック(以下、「分割ブロック」と称する)に分割し、ブロック毎にDCT(descrete cosince transform:離散コサイン変換)を施す。原画像の信号をf(x、y)、DCT変換係数をF(x、y)とすると、変換・逆変換には以下の関係式が用いられる。
【0060】
【数1】
ここで、上の式は、DCT変換に対応し、下の式は、逆DCT変換に対応する。 図4(a)は、変換前の実空間における分割ブロックの画素配列を表し、図4(b)は、DCT変化された後の周波数空間におけるDCT係数の配列を概念的に表す説明図である。
【0061】
ここで、DCT変換係数F(u、v)は64個存在する。これらのうちで、F(0、0)が「DC成分」、残りの63個が「AC成分」と称され、uまたはvが大きいほど高い空間周波数成分に相当する。
【0062】
このようにして得られた64個のDCT係数は、次に、量子化処理によってレベル数が離散化される。そして、量子化の後に、図22(c)に表したように、周波数空間においてジグザグ走査により2次元的な配列を1次元の配列に変換してからエントロピー符号化処理が施される。
【0063】
但し、「DC成分」については、順に符号化される分割ブロックのうちの直前の分割ブロックの「DC成分」との差分がエントロピー符号化される。これは、「DC成分」すなわち、画像情報の平均値は隣接ブロック間で大きく変化しないために、差分値の分散が小さいという統計的な性質に基づく。
【0064】
以上の説明から分かるように、JPEG符号化においては、「DCT係数」のうちの「DC成分」に関しては、直前の分割ブロックとの差分について符号化されている。従って、画像中の途中にある分割ブロックのみを復元したい場合であっても、原画像の1番目の分割ブロック(通常は、左上端の分割ブロックである)、つまり符号化画像データを最初から順に復元し、「DC成分」を累算する必要がある。
【0065】
例えば、図2に表した具体例においては、原画像の左端の1列のブロックB(1,1)〜B(1、N)のそれぞれを「起点ブロック」とする。そして、復元処理部12は、まず原画像全体を順に復元しながら、これら「起点ブロック」の「ファイルポインタ」と「DC成分」とを求めて、復元情報格納部15に格納する。これが、図3にステップS100及びS200として表したプロセスである。
【0066】
次に、図3にステップS300で表したように、復元情報を利用して起点ブロックから復元を開始する。つまり、復元情報格納部15に格納した「起点ブロック」のデータを利用して、符号化画像データを途中から復元する。そして、復元されたブロックが、回転後の上端のブロックでない場合(ステップS400:No)は、復元を続行する(ステップS500)。一方、復元されたブロックが、回転後の上端のブロックである場合(ステップS400:Yes)は、ステップS600に進み、そのブロックを回転して出力する。
【0067】
例えば図2に表したように、原画像を右回りに90°回転した状態で復元し出力する場合について説明すると、原画像の左端の分割ブロックB(1、1)〜B(1、N)は、90°回転することにより、画像の上端に来る。つまり、90°回転させた復元画像を上端から順に得るためには、原画像の左端の一列の分割ブロックB(1、N)〜B(1、1)をそれぞれ「起点ブロック」とすると都合が良い。
【0068】
これらの「起点ブロック」の「ファイルポインタ」と「DC成分」をステップS200において予め格納しておけば、画像ファイル200の所定のアドレスに直ちにアクセスし、目的の起点ブロックを直ちに復元することができる。
【0069】
図2に表した具体例の場合には、起点ブロックのそれぞれが回転後に画像の上端に来るので、ステップS600に進み、復元した分割ブロックB(1、N)〜B(1、1)をそれぞれ90°回転し、出力バッファ18上に展開する。
【0070】
次に、分割ブロックB(2、N)〜B(2、1)について、同様に復元、回転し、出力バッファ18上に展開する。以降、同様のプロセスを繰り返すことにより、回転した状態の復元画像を上端から順に得ることができる。
【0071】
以下、図2に表したようにJPEG画像を右回りに90°回転させて出力する場合の動作についてさらに詳細に説明する。
【0072】
図5は、本具体例に係る画像処理方法を表すフローチャートである。
【0073】
まず、図5にステップS12と表したように、復元処理部12において画像ファイルポインタを初期化する。つまり、対象とするJPEG画像データに関する読み出し位置を初期化する。また、以下のステップにおいては、例えば、画像ファイル200から新しいデータを読み出すにあたって、前回の読み出しバイト数だけファイルポインタを進めるようにする。
【0074】
次に、ステップS14において、復元処理部12は、データバッファ14上に256バイトのバッファ領域を確保する。これは、JPEG符号化の対象となるカラー画像情報は、(R、G、B)または(Y、Cb、Cr)または(Y、M、C、K)の各要素毎に、ベースライン・システムの場合には1画素あたりの階調が8ビット精度であるからである。つまり、8ピクセル×8ピクセルの分割ブロックのビット数は、圧縮されている関係上64ビット以下であり、4色表示の場合でも、64×4=256ビット以下となる。なお、JPEGの拡張システムの場合には、1画素あたりの階調は12ビット精度であるので、これに合わせて、例えば、384バイトのメモリ領域を確保すれば良い。
【0075】
次に、ステップS16において、画像ファイル200から最初の256バイトのデータを読み出し、データバッファ14に格納する。
【0076】
次に、ステップS18において、格納した画像データ上のタグデータを解析する。ここで「タグデータ」とは、JPEGデータの符号化フォーマットの詳細パラメータ、例えば、量子化のための量子化テーブルなどに関する情報を含むデータである。
【0077】
「タグデータ」の解析が未了の場合(ステップS20:No)は、ステップS16に戻り、ファイルポインタを256バイト進めて、次の256バイトのデータを読み出し、タグデータの解析を続行する。
【0078】
一方、「タグデータ」の解析が終了した場合(ステップS20:Yes)は、ステップS22に進み、バッファデータが空であるかを判断する。この判断は、復元処理部12が実行することができる。ここで、データバッファ14に読み込み済みのデータのうちで「タグデータ」に関するものは、消費されている。つまり、データバッファ14のバッファデータが空でない場合(ステップS22:No)は、分割ブロックに関する圧縮データがバッファリングされていることになるので、ステップS26に進んでこの圧縮データの復元を実行する。
【0079】
一方、バッファデータが空の場合(ステップS22:Yes)は、ステップS24に進み、画像ファイル200から256バイトのデータをデータバッファ14に読み込む。そして、ステップS26においてこの圧縮データの復元処理を実行する。この復元処理の内容は、例えば、図22に概念的に表したものであり、復元処理部12によって実行される。
【0080】
次に、ステップS28において、復元処理部12は、8ピクセル×8ピクセルの分割ブロックの復元を終了したかを判断する。未了の場合(ステップS28:No)は、ステップS24に戻り、画像ファイル200から次の256バイトの圧縮データを読み出す。
【0081】
一方、分割ブロックの復元が終了した場合(ステップS28:Yes)は、ステップS30に進み、復元した分割ブロックが「起点ブロック」、すなわち本具体例の場合には、原画像の左端のブロックB(1,1)〜B(1,N)のいずれかであるかを判断する。
【0082】
左端のブロックでない場合(ステップS30:No)、すなわち、「起点ブロック」でない場合は、ステップS24に戻り、圧縮データの読み出し、復元を行う。なお、復元処理部12は、このようにして次々と分割ブロックを復元するに際して、「DC成分」を内部に保持し、累算することにより算出する。
【0083】
一方、左端のブロックである場合(ステップS30:Yes)、ステップS32に進み、そのブロックに対応する「ファイルポインタ」と「DC成分」とを復元情報格納部15にキャッシュする。この「ファイルポインタ」は、画像ファイル200中で、「起点ブロック」に対応する圧縮データのアドレスを表すものである。従って、ここでキャッシュする「ファイルポインタ」は、「起点ブロック」の圧縮データの始まり位置とすることが便利である。
【0084】
次に、ステップS32において、画像データの全てを処理したか否かを判断する。未了の場合(ステップS32:No)は、ステップS24に戻り、圧縮データの読み出し、復元、判断、キャッシュを繰り返す。
【0085】
ここまでが、図3に表したステップS100に対応するステップである。ここまでのステップが終了した状態では、復元情報格納部15には、「起点ブロック」の「ファイルポインタ」と「DC成分」とが格納されている。
【0086】
この様子は、図2の左下に概念的に表した。つまり、本具体例においては、原画像の左端の一列のブロックを「起点ブロック」と定義したので、起点ブロック格納部15には、ブロックB(1,1)〜B(1,N)の「ファイルポインタ」と「DC成分」とが、スキャンの順番に1番目からN番目まで格納されている。ここで、所定数Nは、原画像の高さをYピクセルとした時に、N=Y/8と表すことができる。
【0087】
このようにして「起点ブロック」についての情報が揃ったら、復元と回転の操作を開始する。
【0088】
すなわち、画像データの処理が終了した場合(ステップS32:Yes)は、ステップS52において「垂直展開ポインタ」をゼロに設定し、さらに、ステップS54において「水平展開ポインタ」もゼロに設定する。これらのポインタは、出力バッファ18上で復元画像データの展開位置を指定するものであり、展開制御部17に設けられる。また、これらのポインタは、例えば、復元処理部12が設定することができる。
【0089】
次に、ステップS56において、復元処理部18は、読み出しパラメータiを所定数Nに設定する。この所定数Nは、前述したように、「起点ブロック」として定義した左端の一番下の分割ブロックB(1,N)の番号に対応する。
【0090】
つまり、図2に表したように、画像を90°回転すると、回転前の画像の左端の一番下の分割ブロックB(1,N)が、回転後の画像の上端の一番左側に来る。従って、原画像の左端のブロックをブロックB(1、N)からブロックB(1,1)に向かって順に復元すれば、回転後の画像の上端のブロック行の左から右に向かって復元データが得られることとなる。
【0091】
すなわち、ステップS58において、復元処理部12は、復元情報格納部15のi番目のキャッシュから分割ブロックB(1,N)の「ファイルポインタ」を取得する。
【0092】
そして、ステップS60において、画像ファイル200から256バイトの圧縮データを読み出し、データバッファ14に格納する。
【0093】
復元処理部18は、この圧縮データを、復元し(ステップS62)、分割ブロックの復元が終了したかを判断する(ステップS64)。復元が未了の場合(ステップS64:No)は、ステップS60に戻り、次の256バイトの圧縮データを読み込んで復元を続行する。
【0094】
分割ブロックの復元が終了した場合(ステップS64:Yes)は、この復元データをブロック回転部16に送り、右回りに90°回転する。このように回転した画像データは、回転後の画像において上端の一番左側の分割ブロックに対応する。そこで、ステップS68において、展開制御部17は、この画像データを、垂直展開ポインタと水平展開ポインタの設定値に従って出力バッファ18上に展開する。
【0095】
次に、ステップS70において、この状態での「ファイルポインタ」と「DC成分」を復元情報格納部15のi番目のキャッシュに保持する。例えば、i=Nの場合を例に挙げると、ここで保持される「ファイルポインタ」は、原画像において左から2番目の列の一番下の分割ブロックB(2、N)の「ファイルポインタ」であり、ここで保持される「DC成分」は、その直前すなわち左から1番目の一番下の分割ブロックB(1、N)の「DC成分」に対応する。
【0096】
次に、ステップS72において、次の分割ブロックB(1、N−1)の展開に備えて、水平展開ポインタを8だけ増加させ、同時に読み出しパラメータiを1だけ減少させる。
【0097】
そして、パラメータiがゼロでない場合(ステップS74:No)は、ステップS58に戻り、次の分割ブロックの圧縮データを読み出し、復元して、出力バッファ18に展開する。
【0098】
パラメータiがゼロになった状態(ステップS74:Yes)においては、原画像の左端の一列の分割ブロックB(1、1)〜B(1、N)の全てを復元し、90°回転させて出力バッファ18上に展開した状態が完成している。つまり、出力バッファ18には、90°回転した復元画像の上から8ピクセル分のストライプ状の領域が展開されている。
【0099】
次に、ステップS76において、出力バッファ18の垂直展開ポインタを8だけ増加させる。これは、次の8ピクセル分のブロック行B(2、N)〜B(2、1)の展開に備えるためである。
【0100】
この状態で、ステップS78において、圧縮画像データの復元が終了したかを判断する。
【0101】
圧縮画像データの復元が未了の場合(ステップS78:No)は、ステップS54に戻り、原画像において左端からみて次の列の分割ブロック、すなわち、回転画像において上端からみて次の行の分割ブロックのデータ読み出し、復元、回転、展開を実行する。
【0102】
一方、画像ファイルの復元が終了した場合(ステップS78:Yes)は、一連の画像処理を終了する。
【0103】
以上、説明したように、本発明によれば、圧縮された画像ファイルを途中から復元するために便利な「起点ブロック」を予め定めておき、一度連続的に復元することによって、これら「起点ブロック」の「ファイルポインタ」と「DC成分」とを格納しておく。そして、これらのデータを利用することによって、圧縮データを途中から迅速に復元し、適宜回転させて出力バッファ上に展開することによって、回転させた状態の画像を上端から順次出力することができる。
【0104】
本発明によれば、復元した画像の全体を一旦格納するための大容量のメモリは必要としない。
【0105】
また、本発明によれば、出力バッファ18は、復元された画像全体を格納するだけのメモリ容量は要しない。つまり、図示しない各種の入力機器は、出力バッファ18の上に展開された画像データを随時読み出すことによって、回転された画像データを上端から順に受け取ることができる。従って、図1に例示した出力バッファ18は、出力画像を部分的にバッファリングできれば十分である。例えば、そのメモリ容量は、1列の分割ブロックに対応する高さ8ピクセルの領域を格納できれば良い。従って、極めて少ないメモリ容量で圧縮画像データを回転した状態で復元し出力することができる。
【0106】
また、本発明によれば、復元情報格納部15に要所ブロックの「ファイルポインタ」と「DC成分」とをキャッシュしておくことにより、画像ファイル200から所定の分割ブロックに対応する圧縮データを迅速に読み出し、迅速に復元することができる。さらに、ステップS66に表したような回転処理は、8ピクセル×8ピクセルという極めて小さなブロック単位で行えば良いので、回転処理も極めて迅速に実行することができる。
【0107】
以上、圧縮画像ファイルから90°回転させた状態の復元画像を形成する具体例について説明した。
【0108】
次に、右回りに180°回転させた状態の復元画像を形成する具体例について説明する。
【0109】
図6は、本具体例に係る画像処理方法を概念的に表す説明図である。
【0110】
また、図7は、本具体例に係る画像処理方法を表すフローチャートである。図7に関しては、前述した図5と同一のステップには同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0111】
本具体例においても、図6に表したように、「起点ブロック」として、原画像の左端の一列の分割ブロックB(1、1)〜B(1、N)を定義することができる。つまり、図7のステップS12〜S34は、図5に関して前述したステップと同様とすることができる。
【0112】
さて、画像を180°回転させると、これらの分割ブロックB(1、1)〜B(1、N)は回転後の画像上では右端に来る。そして、原画像の一番下の分割ブロックB(1、N)は、回転画像の上では、右端の列の一番上に180°回転した状態で配置される。従って、原画像の起点ブロックの一番下のブロックB(1、N)をまず復元し、180°回転させて出力バッファ18の右上に展開する。
【0113】
この処理のために、まず、図7のステップS51において、読み出しパラメータi=Nとし、ステップS52において垂直展開ポインタ=0、ステップS54Aにおいて、水平展開ポインタを(画像幅−8)とする。
【0114】
次に、ステップS58〜S64において、分割ブロックB(1、N)の圧縮データを読み出して復元する。
【0115】
次に、ステップS66Aにおいて、復元した8×8分割ブロックB(1、N)を180°回転させ、ステップS68において出力バッファ18上に展開する。ステップS74Aにおいて水平ポインタを8だけ減少させるのは、次の分割ブロックB(2、N)を、出力バッファ18上において、展開済みの分割ブロックB(1、N)の左側に展開するからである。
【0116】
ステップS58〜74Aの一連のループを繰り返し、ステップ74Aにおいて水平展開ポインタがゼロよりも小さくなった場合(ステップS74A:Yes)は、出力バッファ18上に、1行分の分割ブロックB(1、N)〜B(M、N)復元画像が展開されている。そこで、ステップS76Aにおいて、2行目の分割ブロックB(1、N−1)〜B(M、N−1)を展開するために、垂直展開ポインタを8だけ増加させ、同時に、読み出しパラメータiを1だけ減少させる。
【0117】
そして、出力バッファが一杯でなく、画像ファイルの復元が未了の場合(ステップS78:No)は、ステップS54Aに戻り、次のブロック行を復元出力する。
【0118】
以上説明したように、180°回転した状態で復元する場合も、原画像の左端の一列のブロックB(1、1)〜B(1、N)を「起点ブロック」とし、これらを下側の分割ブロックから順に復元することにより、回転した復元画像を上端から順に出力することができる。
【0119】
次に、右回りに270°回転させた状態の復元画像を形成する具体例について説明する。
【0120】
図8は、本具体例に係る画像処理方法を概念的に表す説明図である。
【0121】
また、図9は、本具体例に係る画像処理方法を表すフローチャートである。図9に関しては、前述した図5あるいは図7と同一のステップには同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0122】
本具体例においても、図8に表したように、「起点ブロック」として、原画像の左端の一列の分割ブロックB(1、1)〜B(1、N)を定義することができる。つまり、図7のステップS12〜S34は、図5に関して前述したステップと同様とすることができる。
【0123】
さて、画像を270°回転させると、これらの分割ブロックB(1,1)〜B(1、N)は回転後の画像上では下端に来る。そこで、原画像の起点ブロックB(1、1)から順に復元を進めてブロックB(M、1)を復元できたら、これを180°回転させて出力バッファ18の左上に展開する。
【0124】
この処理のために、まず、図9のステップS52において垂直展開ポインタ=0、ステップS54において水平展開ポインタ=0、ステップS56において読み出しパラメータi=1とする。
【0125】
次に、ステップS58〜S65において、目的とする分割ブロックにたどり着くまでデータ読み出し、復元を繰り返す。例えば、回転後の画像の上端のブロックB(M、1)の復元データを得るためには、起点ブロックB(1、1)から復元を繰り返す。同様に、例えば、回転後の画像の上端のブロックB(M、x)の復元データを得るためには、起点ブロックB(1、x)から復元を繰り返す。目的の分割ブロックの復元が終了したか否かは、ステップS65において判断する。
【0126】
目的の分割ブロックの復元データが得られた場合(ステップS65:Yes)は、ステップS66Bに進み、復元した8×8分割ブロックを270°回転させ、ステップS68において出力バッファ18上に展開する。
【0127】
次に、ステップS72において、次の分割ブロックの展開に備えて水平展開ポインタを8だけ増加し、読み出しパラメータiを1だけ増加する。
【0128】
ステップS58〜74Bの一連のループを繰り返し、ステップ74Bにおいて読み出しパラメータiがブロック個数Nよりも大きくなった場合(ステップS74A:Yes)は、出力バッファ18上に、1行分の分割ブロックの復元画像が展開されている。そこで、ステップS76において、次の行の分割ブロックを展開するために、垂直展開ポインタを8だけ増加させ。
【0129】
そして、出力バッファが一杯でなく、画像ファイルの復元が未了の場合(ステップS78:No)は、ステップS52に戻り、次のブロック行を復元出力する。
【0130】
以上説明したように、270°回転した状態で復元する場合も、原画像の左端の一列のブロックB(1、1)〜B(1、N)を「起点ブロック」とし、これらを起点として、順に復元を繰り返すことにより、目的とする分割ブロックの復元データを得ることができる。
【0131】
但し、右回りに270°回転させる場合に、「起点ブロック」として、原画像の左端の一列のブロックB(1、1)〜B(1、N)を選択すると、回転画像の上端付近のブロックに辿りつくまで、復元を繰り返す必要があり、処理時間がやや長くなる。そこで、このような場合には、「起点ブロック」を複数ライン設けると良い。
【0132】
図10は、「起点ブロック」を複数ライン設けた場合を例示する概念図である。すなわち、同図の例においては、原画像において、左端の一列のブロックB(1、1)〜B(1、N)と、中央付近の一列のブロックB(c、1)〜B(c、N)とをそれぞれ「起点ブロック」とする。図示したように、これらブロック列1とブロック列2の「ファイルポインタ」と「DC成分」とは、キャッシュ1とキャッシュ2に分割して格納しても良い。
【0133】
そして、回転した画像上で見て、領域1に属する分割ブロックは、ブロック列2の対応する分割ブロックを起点として復元し、領域2に属する分割ブロックは、ブロック列1の対応する分割ブロックを起点として復元する。このようにすれば、目的とする分割ブロックにたどり着くまでの復元処理の回数を半減することができ、より高速に処理することができる。
【0134】
もちろん、3ライン以上のブロック列を「起点ブロック」とすれば、さらに高速に処理することができる。
【0135】
以上、簡単に理解できる具体例として、90°、180°または270°回転させた状態で復元する方法を説明した。
【0136】
しかし、本発明は、これらの具体例に限定される訳ではない。すなわち、本発明によれば、任意の角度だけ回転させた状態で復元画像を出力することができる。
【0137】
図11〜図14は、本発明により任意の角度だけ回転させて復元出力する様子を例示する概念図である。
【0138】
例えば、図11は、原画像を右回りに90°未満の任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【0139】
この場合には、例えば、原画像の左端の一列の分割ブロックB(1,1)〜B(1,N)を「起点ブロック」として決定することができる。そして、回転後の画像を上端から順番に出力するためには、回転画像において、「1」、「2」、「3」、・・・・と付したような順番で分割ブロックを順次、復元し、回転し、出力バッファ18上に展開すれば良い。
【0140】
この際に、分割ブロックの復元の順序は、復元処理部12が決定することができる。これは、具体的には、回転角度に応じた各ブロックの上下関係を演算することによって決定できる。また、このようにして決定された順序で復元した分割ブロックは、所定の角度だけ回転させて、出力バッファ18上の所定の位置に展開する。この際の展開位置も、復元処理部12が回転角度に応じて演算し、決定することができる。
【0141】
同様の処理は、図12〜図14に例示した場合にも実行可能である。すなわち、図12は、原画像を右回りに90°よりも大きく180°よりも小さい任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【0142】
この場合にも、原画像の左端の一列の分割ブロックB(1,1)〜B(1,N)を「起点ブロック」として決定することができる。そして、回転後の画像を上端から順番に出力するためには、図13の回転画像において、「1」、「2」、「3」、・・・・と付したような順番で分割ブロックを順次、復元し、回転し、出力バッファ18上に展開すれば良い。
【0143】
一方、図13は、原画像を右回りに180°よりも大きく270°よりも小さい任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【0144】
また、図14は、原画像を右回りに270°よりも大きく360°よりも小さい任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【0145】
これらの場合にも、原画像の左端の一列の分割ブロックB(1,1)〜B(1,N)を「起点ブロック」として決定することができる。但し、回転後の画像を上端から順番に出力するためには、同図において、「1」、「2」、「3」、・・・・と付したような順番で分割ブロックを復元する必要があり、「起点ブロック」から遠くなるために、処理に時間がかかる。そこで、図10に関して前述した場合と同様に、複数のラインを「起点ブロック」として選択すれば、処理速度を改善することができる。
【0146】
以上説明したように、任意の回転角度に対応するためには、「起点ブロック」や復元の順序、出力バッファ18への展開位置などを回転角度に応じて決定する機能を設ければ良い。これらの機能は、例えば、復元処理部12に設けることができる。
【0147】
図15は、本発明による画像処理装置の具体例を表すブロック図である。
【0148】
すなわち、同図に表した画像処理装置においては、復元処理部12が、復元部12A、起点ブロック決定部12B、復元順序決定部12C、展開位置決定部12D及び制御部12Eによって構成されている。
【0149】
復元部12Aは、画像ファイル200から読み出した圧縮データの復元処理を実行する。
【0150】
起点ブロック決定部12Bは、画像の回転角度に応じて、最適な「起点ブロック」を決定する。例えば、図11、図12のような場合は、左端の一列の分割ブロックを「起点ブロック」とし、図13、図14のような場合には、複数ラインの分割ブロックを「起点ブロック」と決定する。
【0151】
復元順序決定部12Cは、画像の回転角度と起点ブロック決定部12Bによって決定された「起点ブロック」の位置とに基づき、出力バッファ18の上に展開するための分割ブロックの復元の順番を決定する。これは、例えば、図11〜図14において、「1」、「2」、「3」、・・・と付したように決定され、回転後の画像においてブロック間の上下関係を演算することにより、簡単に求めることができる。
【0152】
展開位置決定部12Dは、順次復元される分割ブロックの出力バッファ18上での展開位置を決定する。これは、分割ブロック同士の相対的な位置関係を考慮することにより決定することができる。
【0153】
制御部12Eは、各部の動作の制御とデータ入出力の制御を実行する。
【0154】
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置は、任意の角度で回転させた状態の復元画像を極めて少ないメモリで高速に得ることができる。
【0155】
本発明に係る画像処理装置は、例えば、専用の集積回路半導体チップあるいは半導体チップアレイなどのハードウエアとして実現することが可能である。
【0156】
また、本発明に係る画像処理装置は、CPU(central proccessing unit)及びメモリを有する機器において、所定のソフトウエアによりCPUを動作させることによっても実現可能である。
【0157】
そして、これらのハードウエアやソフトウエアは、例えば、パーソナルコンピュータを初めとする各種のコンピュータ、プリンタ、デジタルカメラ、各種のPDA(personal data assistance)、あるいはその他の各種のデジタル画像データを扱う機器の一部として設けることにより、所定の効果を奏するものである。
【0158】
特に、各種のディスプレイ装置や印刷用紙などの画像形成媒体上に画像を形成する画像形成装置に本発明を適用すると、圧縮画像ファイルを元にして所定の角度だけ回転させた状態の画像を低コストで迅速に形成できる点で顕著な効果がえられる。このような画像形成装置としては、プリンタの他に、ディスプレイ付きのPDAあるいはカーナビゲーションシステム、各種のゲーム機などを挙げるこどができる。
【0159】
以下、本発明の画像形成装置の具体例として実現したプリンタについて説明する。
【0160】
図16は、本発明に係るプリンタの概略構成を表すブロック図である。
【0161】
すなわち、同図に例示したプリンタ50は、「インクジェットプリンタ」であり、インターフェイス部52、受信部54、解釈部56、回転復元部10、印刷データ生成部62、イメージ生成部64、及びプリンタエンジン68を有する。
【0162】
インターフェイス部52は、ホスト機器300からJPEG形式の画像ファイル200や、その他の「画像データ」または「印刷データ」を受信すると共に、データ要求信号などの各種のステータス情報をホスト機器300に送信する。
【0163】
受信部54は、ホスト機器300から送信されたデータを必要に応じて一時的に格納する。なお、本発明においては、この受信部54は必ずしも必要でなく、インターフェイス部52において受信した「画像データ」などを直ちに解釈部56に送るようにしても良い。
【0164】
解釈部56は、ホスト機器300から送られた信号の種類を調べて適宜必要なデータ処理を施す。すなわち、ホスト機器300が「プリンタドライバ」を有しており、「印刷データ」をプリンタに送信した場合には、解釈部56は、その信号に含まれるヘッダ情報やフッタ情報を取り除き、経路Cを選択して、その「印刷データ」をイメージ生成部64に送る。一方、ホスト機器300から「画像データ」が送られてきた場合には、解釈部56は、その「画像データ」の形式に応じて経路Aまたは経路Bを選択し、その「画像データ」を次段に送る。
【0165】
回転復元部10は、図1〜図15に関して前述した「画像処理装置」に相当する構成を有する。つまり、ホスト機器300が圧縮された形式の画像ファイル200を有する場合に、これを所定の角度だけ回転した状態で復元する役割を有する。なお、このモードでプリンタが動作する場合には、解釈部16は、図17において符号Aで表した経路を介して、圧縮された画像ファイルのデータを回転復元部10に送る。回転復元部10は、図1〜図15に関して前述したように、この圧縮データを所定の角度だけ回転した状態で順次復元して出力する。
【0166】
印刷データ生成部62は、「画像データ」を「印刷データ」に変換する。すなわち、RGB(red,green,blue)の3要素などにより表される「画像データ」を、プリンタが用いる各色のインク(例えば、シアン:C、マゼンタ:M、黄色:Y、及び黒:Kの4色)によるドットの配列情報に対応する「印刷データ」に変換する。
【0167】
図17は、印刷データ生成部62の構成の具体例を表すブロック図である。すなわち、印刷データ生成部62は、サイズ変換部62A、色変換部62B、ハーフトーン処理部62C、及びインターレース処理部62Dからなるものとすることができる。サイズ変換部62Aは、ホスト機器300から送られてきたレイアウト情報に基づいて、「画像データ」を所望の印刷サイズに変換する役割を有する。例えば、RGB24ビットからなる「画像データ」を所望のサイズに変換する。
【0168】
色変換部62Bは、「画像データ」をプリンタの色要素からなるデータに変換する。すなわち、プリンタが使用するインク色及び発色の特性に応じた色補正を施し、インク色のデータに変換する。例えば、RGB24ビットからなる「画像データ」をCMYK32ビットデータに変換する。
【0169】
ハーフトーン処理部62Cは、色変換された後のCMYKデータからドット単位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現する2値化処理を実行する。このハーフトーン処理によってCMYKからなる印刷データが生成される。例えば、色変換により得られたCMYK32ビットデータを、CMYK4ビットからなるデータに変換する。
【0170】
インターレース処理部62Dは、ハーフトーン処理によって得られたCMYK4ビットデータをインターレース印刷するために変換する。ここで、「インターレース」とは、プリンタの印刷ヘッドのインクジェットノズルの配列ピッチよりも小さいピッチで印刷ヘッドを主走査方向及び/または副走査方向にずらしながら印刷することより、きめが細かく、且つ印刷ヘッドのノズル径などのばらつきによる「ムラ」を解消することができる印刷手法である。
【0171】
以上の処理によって、「画像データ」が「印刷データ」に変換される。
【0172】
再び図16に戻って説明すると、イメージ生成部64は、解釈部56から直接送られてくる「印刷データ」または、印刷データ生成部62から送られてくる「印刷データ」に基づいて、印刷イメージを生成し、プリンタエンジン68を駆動させる役割を有する。
【0173】
プリンタエンジン68は、図示しない印刷ヘッドやその駆動系及び紙送り機構などを有し、イメージ生成部64において生成された印刷イメージに基づいて印刷を実行する。
【0174】
図16に例示したプリンタ50は、ホスト機器300から送られたきたデータの形式に応じて、3通りの経路のいずれかを選択して処理することができる。すなわち、圧縮された画像ファイルは、経路Aを介して、回転復元部10→印刷データ生成部62→イメージ生成部64→プリンタエンジン68と送られる。
【0175】
一方、非圧縮の「画像データ」は、経路Bが選択され、印刷データ生成部62に送り、「印刷データ」に変換する。この際に、図示しない回転処理部を別途設けて、「画像データ」または「印刷データ」を所定の角度だけ回転した状態で印刷可能としても良い。
【0176】
また、「印刷データ」を受信した場合には、経路Cを介して印刷を実行する。これらの経路の切り替えは、解釈部56により決定される。つまり、解釈部56は、ホスト機器300から送られたデータを解析し、その種類に応じて適宜データ処理経路を選択してデータを供給する。
【0177】
本実施形態のプリンタ50は、上述の複数の経路のうちで、特に経路Aを介した処理を実行することができる点にひとつの特徴を有する。
【0178】
図18〜図20は、それぞれ画像ファイルを入力し、90°、180°、270°回転させた状態で印刷する際の動作を表すフローチャートである。すなわち、これらのフローチャートは、図5、図7、図9にそれぞれ対応するものであり、同一のステップには、同一の符合を付して詳細な説明は省略する。
【0179】
本発明のプリンタ50においては、回転復元部10が有する出力バッファ18(図1参照)が「イメージバンドバッファ」としての役割を果たす。ここで、イメージバンド」とは「イメージバンド」や「ライン」とも称され、インクジェットプリンタやインパクトドットプリンタなどの「シリアルプリンタ」において、印刷ヘッドの一回の走査で印刷される領域のことをいう。
【0180】
図21は、シリアルプリンタによってひとつの「イメージバンド」が印刷された状態を表す概念図である。すなわち、「イメージバンド」は、印刷ヘッドの幅すなわち、ヘッドの一回の走査により印刷される画像の幅に対応する。なお、印刷ヘッドの走査方向は「主走査方向」、画像形成媒体としての紙の送り方向は「副走査方向」と称する場合が多い。つまり、印刷ヘッドが「主走査方向」に走査することによりひとつの「イメージバンド」が形成される。そして、紙が「副走査方向」に送られことにより次の「イメージバンド」の形成位置が決定される。
【0181】
図18〜図20において、ステップS78Aで表した分岐ステップは、ひとつの「イメージバンド」の印刷に必要なデータが出力バッファ18に展開されたか、あるいは印刷すべきページが終了したか否かを判断するステップである。データが揃ってない時など(ステップS 78A:No)は、ステップS54またはS54Aに戻り、圧縮データの読み込み、復元、回転、展開の処理が繰り返される。
【0182】
一方、データが揃った時(ステップS78A:Yes)は、ステップS90において、色変換、ハーフトーン処理などを行い、「画像データ」を「印刷データ」に変換する。これらの処理は、印刷データ生成部62において実行される。
【0183】
そして、ステップS92において、印刷データがプリンタエンジン68に送られ、ひとつの「イメージバンド」の印刷が実行される。
【0184】
この段階で、まだページが終了していない時(ステップS94:No)は、ステップS52に戻り、次のイメージバンドのために、圧縮画像データの読み込み、復元、回転、展開の処理が繰り返される。
【0185】
ページが終了した場合(ステップS94:Yes)は、ステップS96に進み、プリンタエンジン68が用紙を排紙して印刷処理を終了する。
【0186】
以上説明したように、本発明によれば、プリンタに回転復元部10を設けることにより、ホスト機器300に格納されているJPEGなどの形式の画像ファイル200を直接読み出し、復元して所定の角度だけ回転した状態で印刷することができる。従って、ホスト機器300は、圧縮された画像ファイルを復元するための復元手段も、回転処理を実行するための画像回転処理手段も有する必要がない。従って、プリンタ50を接続することができるホスト機器の範囲を大幅に広げることができる。例えば、デジタルカメラや各種の各種のPDA(personal data assistance)、あるいはインターネットなどのデータ源に接続して圧縮された画像データをダウンロードできる各種のデジタル機器などをホスト機器300とすることができる。そして、これらのホスト機器にプリンタを直接接続し、例えば、インターネットなどを介して圧縮画像データをダウンロードし、プリンタに読みとらせることにより、所定の角度だけ回転させた状態で直ちに印刷することが可能となる。つまり、従来と異なり、ホストコンピュータを介することなくこれらの機器から画像ファイルを取り出して所定のレイアウトで印刷することができ、プリンタの応用範囲を大幅に拡げることができる。
【0187】
また、本発明によれば、画像復元手段や画像回転処理手段を有する機器をホスト機器300として用いる場合にも、ホスト機器300の負担を大幅に減らすことができる。つまり、プリンタ側で画像ファイルの復元処理や回転処理を行うので、ホストコンピュータは、圧縮された画像ファイルをプリンタに送出するだけで、他のタスクの処理に直ちにとりかかることができ、システム全体の処理能力を大幅に改善することが可能となる。
【0188】
さらに、本発明によれば、極めて小さいメモリ容量で圧縮画像の回転処理が実現できる。つまり、画像全体を一旦格納する必要がないため、大容量のメモリを増設する必要がなく、極めて低コストで高性能のプリンタを実現することができる。この効果は、特に「シリアルプリンタ」の場合に顕著となる。何故ならば、従来のシリアルプリンタは、数イメージバンド程度の容量の「イメージバンドバッファ」しか有していないが、本発明によれば、このメモリをそのまま流用して、圧縮画像の回転復元処理を高速に実行することができるからである。
【0189】
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0190】
例えば、本発明のプリンタの具体例としては、インクジェットプリンタの例を挙げつつ説明したが、本発明は、これ以外にもあらゆるシリアルプリンタに適用して同様の効果を得ることができる。
【0191】
また、本発明は、レーザプリンタやLEDプリンタなどの「ページプリンタ」についても同様に適用して、同様の各種の効果を得ることができる。
【0192】
また、入力される画像ファイルのフォーマットも、JPEGに限定されず、ブロックに分割され、且つ変換成分に隣接ブロックとの差分を用いるようなすべてのフォーマットの画像ファイルについて同様に適用することができる。この点に関しては、例えば、JPEGの他にも、異なる方式のデータフォーマットに対応した復元部を設けて、入力される圧縮画像データのフォーマットに応じて適宜復元方式を選択できるようにしても良い。
【0193】
また、プリンタが用いるインクの色も、具体例として挙げたCMYK4色に限定されるものではなく、これらにライトシアン、ライトマゼンタなどの淡色を加えたものや、その他のあらゆるインクの組み合わせを同様に用いることができる。
【0194】
さらに、プリンタ機構を有するものであれば、プリンタ専用機には限定されず、複写機、ファクシミリ装置などの他の機能を備えた複合機であっても良い。
【0195】
その他、当業者であれば、本明細書に開示した本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能である。
【0196】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した形態で実施され、以下に説明する効果を奏する。
【0197】
まず、本発明によれば、圧縮された画像ファイルを途中から復元するために便利な「起点ブロック」を予め定めておき、一度連続的に復元することによって、これら「起点ブロック」の「ファイルポインタ」と「DC成分」とを格納し、これらのデータを利用することによって、圧縮データを途中から迅速に復元し、適宜回転させて出力バッファ上に展開することによって、回転させた状態の画像を上端から順次出力することができる。従って、本発明によれば、復元した画像の全体を一旦格納するための大容量のメモリは必要としない。
【0198】
また、本発明によれば、出力バッファは、復元された画像全体を格納するだけのメモリ容量は要しない。つまり、各種の入力機器は、出力バッファの上に展開された画像データを随時読み出すことによって、回転された画像データを上端から順に受け取ることができ、出力バッファは、出力画像を部分的にバッファリングできれば十分である。例えば、そのメモリ容量は、1列の分割ブロックに対応する高さ8ピクセルの領域を格納できれば良い。従って、極めて少ないメモリ容量で圧縮画像データを回転した状態で復元し出力することができる。
【0199】
また、本発明によれば、復元情報格納部に要所ブロックの「ファイルポインタ」と「DC成分」とをキャッシュしておくことにより、画像ファイルから所定の分割ブロックに対応する圧縮データを迅速に読み出し、迅速に復元することができる。さらに、ブロックの回転処理は、8ピクセル×8ピクセルという極めて小さなブロック単位で行えば良いので、回転処理も極めて迅速に実行することができる。
【0200】
また、本発明によれば、プリンタに回転復元部を設けることにより、ホスト機器に格納されているJPEGなどの形式の画像ファイルを直接読み出し、復元して所定の角度だけ回転した状態で印刷することができ、ホスト機器は、圧縮された画像ファイルを復元するための復元手段も、回転処理を実行するための画像回転処理手段も有する必要がない。従って、プリンタを接続することができるホスト機器の範囲を大幅に広げることができ、例えば、デジタルカメラや各種の各種のPDA(personal data assistance)、あるいはインターネットなどのデータ源に接続して圧縮された画像データをダウンロードできる各種のデジタル機器などをホスト機器とすることができる。そして、これらのホスト機器にプリンタを直接接続し、例えば、インターネットなどを介して圧縮画像データをダウンロードし、プリンタに読みとらせることにより、所定の角度だけ回転させた状態で直ちに印刷することが可能となる。つまり、従来と異なり、ホストコンピュータを介することなくこれらの機器から画像ファイルを取り出して所定のレイアウトで印刷することができ、プリンタの応用範囲を大幅に拡げることができる。
【0201】
また、本発明によれば、画像復元手段や画像回転処理手段を有する機器をホスト機器として用いる場合にも、ホスト機器の負担を大幅に減らすことができる。つまり、プリンタ側で画像ファイルの復元処理や回転処理を行うので、ホストコンピュータは、圧縮された画像ファイルをプリンタに送出するだけで、他のタスクの処理に直ちにとりかかることができ、システム全体の処理能力を大幅に改善することが可能となる。
【0202】
さらに、本発明によれば、極めて小さいメモリ容量で圧縮画像の回転処理が実現できる。つまり、画像全体を一旦格納する必要がないため、大容量のメモリを増設する必要がなく、極めて低コストで高性能のプリンタを実現することができる。この効果は、特に「シリアルプリンタ」の場合に顕著となる。何故ならば、従来のシリアルプリンタは、数イメージバンド程度の容量の「イメージバンドバッファ」しか有していないが、本発明によれば、このメモリをそのまま流用して、圧縮画像の回転復元処理を高速に実行することができるからである。
【0203】
また、本発明によれば、圧縮された画像ファイルとしてJPEGフォーマットを適用して好適であり、最も汎用性の広い画像処理装置及び画像形成装置を提供することができる。
【0204】
以上詳述したように、本発明によれば、極めて低コストで画像ファイルの復元回転処理が可能で、応用範囲を従来よりも大幅に拡げ、ホスト負担も軽減することができる画像処理装置や画像形成装置などを提供することが可能となり産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明により画像を回転して復元する様子を例示した概念図である。
【図3】本発明による画像処理装置の動作を概念的に表すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、変換前の実空間における分割ブロックの画素配列を表し、図4(b)は、DCT変化された後の周波数空間におけるDCT係数の配列を概念的に表す説明図である。
【図5】右回りに90°回転させる具体例に係る画像処理方法を表すフローチャートである。
【図6】右回りに180°回転させる具体例に係る画像処理方法を概念的に表す説明図である。
【図7】右回りに180°回転させる具体例に係る画像処理方法を表すフローチャートである。
【図8】右回りに270°回転させる具体例に係る画像処理方法を概念的に表す説明図である。
【図9】右回りに270°回転させる具体例に係る画像処理方法を表すフローチャートである。
【図10】「起点ブロック」を複数ライン設けた場合を例示する概念図である。
【図11】原画像を右回りに90°未満の任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【図12】原画像を右回りに90°よりも大きく180°よりも小さい任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【図13】原画像を右回りに180°よりも大きく270°よりも小さい任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【図14】原画像を右回りに270°よりも大きく360°よりも小さい任意の角度だけ回転させる場合を表している。
【図15】本発明による画像処理装置の具体例を表すブロック図である。
【図16】本発明に係るプリンタの概略構成を表すブロック図である。
【図17】印刷データ生成部62の構成の具体例を表すブロック図である。
【図18】画像ファイルを入力し、90°回転させた状態で印刷する際の動作を表すフローチャートである。
【図19】画像ファイルを入力し、180°回転させた状態で印刷する際の動作を表すフローチャートである。
【図20】画像ファイルを入力し、270°回転させた状態で印刷する際の動作を表すフローチャートである。
【図21】シリアルプリンタによってひとつの「イメージバンド」が印刷された状態を表す概念図である。
【図22】JPEGによる圧縮、復元処理の典型例を表す概念図である。
【符号の説明】
10 画像処理装置
12 復元処理部
12A 復元部
12B 起点ブロック決定部
12C 復元順序決定部
12D 展開位置決定部
12E 制御部
14 データバッファ
15 復元情報格納部
16 ブロック回転部
17 展開制御部
18 出力バッファ
50 インクジェットプリンタ
52 インターフェイス部
54 受信部
56 解釈部
62 印刷データ生成部
62A サイズ変換部
62B 色変換部
62C ハーフトーン処理部
62D インターレース処理部
64 イメージ生成部
66 データ読込み制御部
68 プリンタエンジン
200 画像ファイル
300 ホスト機器
Claims (16)
- 原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力する画像処理装置であって、
復号化を実行する復元処理部と、
復号化に関する情報を格納する復元情報格納部と、
復号化されたブロックの回転処理を実行するブロック回転部と、
を備え、
前記復元処理部は、まず、前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、前記原画像中に予め定めた起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら前記復元情報格納部に格納し、
しかる後に、前記復元処理部は、前記復元情報格納部に格納した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記ブロック回転部は、前記復元処理部により復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力することにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから順に復号化データを出力可能としたことを特徴とする画像処理装置。 - 出力バッファをさらに備え、
前記ブロック回転部により前記所定の角度だけ回転させて出力される前記ブロックは、前記出力バッファ上に展開されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記符号化画像データは、JPEGフォーマットに基づき、
前記復元情報は、前記起点ブロックの離散コサイン変換係数のDC成分に関する情報であることを特徴とする請求項1または2に記載画像処理装置。 - 前記角度は、0°以上180°以下であり、
前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずか1つに記載の画像処理装置。 - 前記角度は、180°よりも大きく且つ360°よりも小さく、
前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックと、それ以外の一列のブロックと、を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像処理装置。 - 前記復元情報格納部は、キャッシュメモリを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
- 原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力する画像処理方法であって、
前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、原画像中に定めた起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら保持し、
しかる後に、前記保持した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力することにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから順に復号化データを出力可能としたことを特徴とする画像処理方法。 - 前記出力すべきブロックを前記所定の角度だけ回転させて出力バッファ上に展開することを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。
- 前記符号化画像データは、JPEGフォーマットに基づき、
前記復元情報は、前記起点ブロックの離散コサイン変換係数のDC成分に関する情報であることを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理方法。 - 前記角度は、0°以上180°以下であり、
前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックを含むことを特徴とする請求項7〜9のいずか1つに記載の画像処理方法。 - 前記角度は、180°よりも大きく且つ360°よりも小さく、
前記起点ブロックは、前記原画像における左端の一列のブロックと、それ以外の一列のブロックと、を含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の画像処理方法。 - 原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを入力し、前記原画像を所定の角度だけ回転させた状態で画像形成媒体上に出力する画像形成装置であって、
復号化を実行する復元処理部と、
復号化に関する情報を格納する復元情報格納部と、
復号化されたブロックの回転処理を実行するブロック回転部と、
復号化データに基づいて画像形成媒体上に画像を形成する画像形成手段と、
を備え、
前記復元処理部は、まず、前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、原画像中に予め定めた起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら前記復元情報格納部に格納し、
しかる後に、前記復元処理部は、前記復元情報格納部に格納した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記ブロック回転部は、前記復元処理部により復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて前記復号化データを出力し、
前記画像形成手段は、前記出力された復号化データに基づいて画像を形成することにより、
前記所定の角度だけ回転させた状態の画像を上方のブロックから順次画像形成媒体上に形成可能としたことを特徴とする画像形成装置。 - 符号化画像データの復号化を実行する復元処理部と、前記復号化に関する情報を格納する復元情報格納部と、前記復号化されたブロックの回転処理を実行するブロック回転部と、を有し、原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力する画像処理装置を制御するプログラムを格納した記録媒体であって、
前記プログラムは、
まず、前記復元処理部に、前記符号化画像データを最初から順番に復号化させ、原画像中に定めた所定の起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら前記復元情報格納部に格納させ、
しかる後に、前記復元処理部に、前記復元情報格納部に格納した前記復元情報を利用させて前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化させ、
前記ブロック回転部に、前記復元処理部により復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力させることにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから順に復号化データを出力可能としたことを特徴とする記録媒体。 - 前記画像処理装置は、出力バッファをさらに有し、
前記プログラムは、前記ブロック回転部により前記所定の角度だけ回転させて出力される前記ブロックを前記出力バッファ上に展開させることを特徴とする請求項13記載の記録媒体。 - 原画像をブロック毎に符号化した符号化成分を有し且つ前記符号化成分に他のブロックとの差分に関する情報を含む符号化画像データを復号化し所定の角度だけ回転させた状態で出力するプログラムが格納された記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記符号化画像データを最初から順番に復号化し、原画像中に定めた所定の起点ブロックを復号化するために必要とされる復元情報が得られたら保持し、
しかる後に、前記保持した前記復元情報を利用して前記符号化画像データを前記起点ブロックから復号化し、
前記復号化されたブロックが出力すべきブロックの場合は前記所定の角度だけ回転させて出力することにより、
前記原画像を前記所定の角度だけ回転させた状態とした時に上方に位置するブロックから復号化データを順に出力可能としたことを特徴とする記録媒体。 - 前記符号化画像データは、JPEGフォーマットに基づき、
前記復元情報は、前記起点ブロックの離散コサイン変換係数のDC成分に関する情報であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つに記載の記録媒体。
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