JP3660530B2 - 軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に適用される作業装置のピン結合部に好適に用いられる軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械にあっては、例えば作業装置のブーム、アームおよびバケット間をそれぞれ軸受装置により回動可能に連結し、土砂等の掘削作業時には、これらの軸受装置によってブーム、アームおよびバケットをそれぞれ俯仰動(回動)させる構成としている。
【0003】
また、この軸受装置は、軸方向に離間してバケット側に設けられた一対のブラケットと、該各ブラケット間に位置してアームの先端側に設けられたボスと、該ボスの内周側に設けられたブッシュと、該ブッシュ内に摺動可能に挿嵌され両端側がブラケットのピン穴に挿通された連結ピンと、連結ピンの一端側をブラケットに対して廻止め状態に保持する固定ボルト等によって構成されている。
【0004】
この種の従来技術による軸受装置では、連結ピンをブラケットのピン穴に対し僅かな隙間をもって挿通させると共に、前記固定ボルトについてもブラケットと連結ピンに対し僅かな隙間をもって挿通させ、これにより軸受装置の組立時には、連結ピンの挿通作業、固定ボルトの挿通作業をそれぞれ容易に行えるようにしている。
【0005】
このため、連結ピンとブラケットとの間、固定ボルトと連結ピンとの間、および固定ボルトとブラケットとの間には、それぞれ前記隙間によってがたつきが生じ易くなり、掘削作業時等に例えばバケットに岩石等が衝突して衝撃力が作用すると、連結ピンとブラケットとが互いに軸方向または回転方向等に相対的に微小変位する。そして、このような微小変位が繰返されると、連結ピンとブラケットとの間に摩耗が生じるという問題がある。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、例えば他の従来技術として下記の如く構成されたものが知られている(特表平5−501144号公報等)。
【0007】
即ち、この従来技術は、連結ピンを中空の軸体として形成すると共に、ブラケットのピン穴に挿通される連結ピンの両端側には、端面に向けて縮径するテーパ面を形成している。また、このテーパ面と各ブラケットのピン穴との間には、内周側が該連結ピンのテーパ面に当接するテーパ面となった筒状体からなる2個のスリーブを嵌入して設けると共に、この連結ピンの内周側にはシャフトを挿通して設けている。そして、このシャフトの軸方向の一端側には、スリーブに当接するマッシュルーム型の当接部材を設けると共に、シャフトの軸方向の他端側にはナットを設ける構成としている。
【0008】
この従来技術では、ナットをスリーブ側に締付けることにより、前記当接部材とナットとの間で各スリーブに対して軸方向の締付け力を付与し、これによりスリーブを連結ピンとブラケットとの間に締付ける構成としている。
【0009】
そして、軸受装置の回動時には、ナットの締付け力によりスリーブとブラケットとの間、およびスリーブと連結ピンとの間にそれぞれ大きな摩擦力を与え、連結ピンとブラケットとの相対回転を規制し、これによりブラケットのピン穴と連結ピンとの間のがた付きをなくし、両者間で摩耗が生じるのを防止している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した他の従来技術では、シャフトの軸方向の一端側にマッシュルーム型の当接部材を設け、シャフトの他端側からナットを締付けることによって、これらの当接部材とナットとの間で各スリーブに軸方向の締付け力を付与する構成としている。
【0011】
このため、ナットを締付けるときの初期段階では、シャフトがナットと一緒に共廻りする虞れが生じ、ナットに所定の締付けトルクを与えることが難しくなり、ナットの締付け作業が作業者にとって困難な作業になるという問題がある。
【0012】
また、この従来技術では、ナットを締付けるときに、シャフトが連結ピンに対して軸方向に傾くように動くと、ナットと当接部材との間で各スリーブに加えられる締付け力が互いに不均衡になり、これらの締付け力を共に十分に高めることが難しくなるという問題がある。
【0013】
また、軸受装置を、例えば側溝掘り仕様の油圧ショベルに装備されるロアブームとアッパブームとのピン結合部、あるいはアームステーとアッパブームとのピン結合部に用いる場合、この軸受装置は上,下方向(縦方向)に配置される。そして、この場合、ナットが緩んだきの軸受装置の落下防止についての対策が施されていないという問題がある。
【0014】
また、シャフトに設けた当接部材をマッシュルーム型に形成しているため、該当接部材の形状が複雑化してしまい、全体の加工コストが高くつくという問題がある。さらに、軸受装置の組立時には、連結ピンをブラケットのピン穴に挿通した後、連結ピンの端部にスリーブ、ワッシャ、ナット等を順次取付ける必要があるため、全体の組立工数が増え、作業に多大な時間を費やしてしまうという問題がある。
【0015】
さらに、上述の従来技術による軸受装置から連結ピンを取外すときには、まず、ブラケットのピン穴と連結ピンとの間に差込まれたスリーブを軸方向に抜取る必要があるが、スリーブはブラケットのピン穴と連結ピンとの間に楔状に強固に差込まれている。このため、ブラケットのピン穴からスリーブを軸方向に抜取る作業を手作業で行うことは困難であり、油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置が必要になるという不具合がある。
【0016】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、スリーブをナット部材を用いてブラケットのピン穴と連結ピンとの間に締付けるときに、ナット部材を所定の締付けトルクをもって容易に締付けることができ、作業性等を高めることができると共に、組立時の作業性等を向上でき、加工コストの低減等を図ることができるようにした軸受装置を提供することを目的としている。
【0017】
また、本発明の他の目的は、ナット部材を締付けるときには、このナット部材の締付け力を連結ピンの両端側にそれぞれ設けた一対のスリーブに対して均等に伝えることができ、この連結ピンの両端側をスリーブによりブラケットのピン穴に対して廻止め状態で安定して取付けることができ、装置の信頼性等を高めることができるようにした軸受装置を提供することを目的としている。
【0018】
また、本発明の別の目的は、一対のブラケットを上,下方向に配置して、ブラケットとボスとを連結ピンにより左,右方向に回動可能に連結する構成とした場合に、連結ピンの落下防止対策を容易に図ることができるようにした軸受装置を提供することを目的としている。
【0019】
さらに、本発明の別の目的は、ブラケットのピン穴と連結ピンとの間に差込まれたスリーブを容易に抜取ることができ、連結ピンを取外すときの作業性を向上できるようにした軸受装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明による軸受装置は、軸方向に離間して設けられた一対のブラケットと、該一対のブラケット間に配設されるボスと、該ボス内に設けられたブッシュと、軸方向の両端側に端面に向けて縮径するテーパ面が形成された中空の軸体からなり、該ブッシュの内周側に摺動可能に挿嵌されると共に両端側のテーパ面が前記ブラケットのピン穴に挿通された連結ピンと、内周面に該連結ピンのテーパ面に当接するテーパ面が形成された筒状体からなり、該連結ピンのテーパ面外周側に位置して前記ブラケットのピン穴との間に嵌入して設けられた一対のスリーブと、該各スリーブをそれぞれ前記ブラケットのピン穴と前記連結ピンのテーパ面との間に締付けるための締付け手段とを備えてなる。
【0021】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記締付け手段は、前記連結ピンの内周側に遊嵌され両端側が前記連結ピンから軸方向に突出したシャフトと、該シャフトの軸方向の一端側に固定的に設けられた当接部材と、前記シャフトの軸方向の他端側に設けられ該当接部材との間で前記各スリーブに対して軸方向の締付け力を付与するナット部材と、前記シャフトをブラケットに対して廻止め状態に保持する廻止め部材と、前記スリーブと当接部材との間に設けられ内周側に前記シャフトの軸方向の一端側が挿嵌される一方側の環状プレートと、前記スリーブとナット部材との間に設けられ内周側に前記シャフトの他端側が挿嵌される他方側の環状プレートとによって構成し、前記各環状プレートには、前記スリーブとの当接面側に位置し、前記環状プレートを前記連結ピンと同軸上に位置決めする位置決め突起を形成したことにある。
【0022】
このように構成したことにより、当該軸受装置の組立時にナット部材をスリーブ側に向けて締付けるときには、廻止め部材によってシャフトがブラケットに対して廻止め状態に保持されるから、ナット部材がシャフトと一緒に共廻りする事態を防止でき、このナット部材を所定の締付けトルクをもって容易に締付けることができる。そして、各環状プレートは、位置決め突起によって連結ピンと同軸上に位置決めされるから、この環状プレートの内周側に挿嵌されるシャフトを、環状プレートと共に連結ピンと同軸上に配置することができる。
【0023】
この結果、各スリーブにはシャフトの両端側にそれぞれ設けた当接部材とナット部材との間で前記各環状プレートを介して軸方向の締付け力が付与され、各スリーブをブラケットのピン穴と連結ピンのテーパ面とに対して強固に締付けることができる。これにより、連結ピンをブラケットのピン穴に対して廻止め状態に保持できると共に、ブラケットのピン穴と連結ピンとの間のがた付きをなくすことができる。
【0026】
また、請求項2の発明では、廻止め部材は、基端側が当接部材に固着されて先端側が径方向に延びたアーム部と、ブラケット側に固着して設けられ該アーム部の先端側に係合することによってシャフトの回転を規制するストッパ部とによって構成している。
【0027】
このように構成したことにより、ナット部材による締付けトルクがシャフトに加えられたときには、固定部材に設けたアーム部の先端がブラケット側に固着して設けられたストッパ部に係合することにより、シャフトの回転を規制することができる。
【0028】
また、請求項3の発明では、当接部材は、シャフトに螺合した状態で前記シャフトに溶接された固定ナットにより構成し、前記シャフトには該固定ナットを抜止め状態に保持するための抜止め具を設けている。
【0029】
これにより固定ナットはシャフトに螺合した状態で溶接されるから、固定ナットをシャフトに対して容易に固定的に取付けることができる。また、例え固定ナットとシャフトとの間の溶接部の強度が低下して固定ナットに緩みが生じた場合でも、抜止め具により固定ナットの脱落を防止することができる。
【0030】
さらに、請求項4の発明では、前記シャフトは、軸方向の一端側にボルト頭を有すると共に軸方向の他端側に前記ナット部材が螺合して取付けられるボルトによって構成し、当接部材は前記ボルト頭により構成している。これにより、シャフトとボルト頭を1個のボルトによって構成することができる。
【0031】
さらに、請求項5の発明では、ナット部材は、シャフトに螺合してスリーブ側に締付けられる締付けナットにより構成し、前記シャフトには該締付けナットを抜止め状態に保持するための抜止め具を設けている。
【0032】
これにより、締付けナットによる締付け力を利用して、スリーブを連結ピンのテーパ面とブラケットに対して安定して締付けることができる。また、例え締付けナットに緩みが生じた場合でも、抜止め具により締付けナットの脱落を防止することができる。
【0033】
一方、請求項6の発明では、一対のブラケットを上,下に配置し、連結ピンはボスをブラケットに対して左,右方向に回動可能に連結する構成とし、当接部材はシャフトの上端側に取付けると共に前記ナット部材はシャフトの下端側に取付ける構成としている。これによりナット部材は、シャフトの下端側に取付けられるから、このナット部材を比較的低い位置で容易に締付けることができる。
【0034】
また、請求項7の発明では、軸受装置を側溝掘り仕様の油圧ショベルに装備されるロアブームとアッパブームとの間のピン結合部に用いている。これにより、当該軸受装置を用いてロアブームとアッパブームとの間を連結するときには、請求項6の発明と同様にナット部材を比較的低い位置で容易に締付けることができる。
【0035】
また、請求項8の発明では、軸受装置を側溝掘り仕様の油圧ショベルに装備されるアッパブームとアームステーとの間のピン結合部に用いている。これにより、当該軸受装置を用いてアッパブームとアームステーとの間を連結するときには、請求項6の発明と同様にナット部材を比較的低い位置で容易に締付けることができる。
【0036】
さらに、請求項9の発明では、各環状プレートのうち上側に位置する環状プレートはブラケットのピン穴よりも大きい外径をもって形成し、下側に位置する環状プレートは前記ブラケットのピン穴より小さい外径をもって形成している。
【0037】
このように構成したことにより、当該軸受装置の組立時には予め締付け手段によってスリーブを連結ピンに組付けておき、この状態で連結ピンを上側のブラケットのピン穴側から挿通することにより、下側の環状プレートをブラケットに干渉させることなく、連結ピンを容易に挿通することができる。
【0038】
また、ナット部材に例え緩みが生じたとしても、この場合には上側の環状プレートが上側のブラケットの端面に当接することにより、連結ピンをブラケットに対して抜止め状態に保持することができる。
【0039】
また、請求項10の発明は、前記各スリーブのうち少なくとも一方のスリーブには、前記締付け手段を取外した状態で前記ブラケットのピン穴から前記一方のスリーブを抜取る抜取具を取付けるための抜取具取付部を設ける構成としたことにある。
【0040】
このように構成したことにより、締付け手段を取外した後、スリーブの抜取具取付部に抜取具を取付け、この抜取具を用いてスリーブをブラケットのピン穴から抜取ることにより、連結ピンをブラケットから取外すことができる。
【0041】
また、請求項11の発明は、抜取具取付部は前記スリーブの外周面のうち前記ブラケットのピン穴から突出する部位に凹設された環状溝により構成し、抜取具は、前記スリーブの外周面に挿嵌され周方向に離間して軸方向に複数のねじ穴が形成された環状部材と、該環状部材を前記スリーブに挿嵌した状態で前記環状部材を抜止めするために前記スリーブの環状溝に嵌着される止め輪と、前記環状部材の各ねじ穴に螺入され前記ブラケットに当接することにより前記環状部材および止め輪を介して前記スリーブをブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるボルトとにより構成したことにある。
【0042】
このように構成したことにより、スリーブの外周面のうちブラケットのピン穴から突出した部位に環状部材を挿嵌し、スリーブの環状溝に止め輪を嵌着した後、環状部材のねじ穴にボルトを締込むと、該ボルトの先端部がブラケットに当接した状態で、スリーブを環状部材および止め輪を介してブラケットのピン穴から離間する方向に移動させることができる。このため、ボルトを締込んでいくことにより、スリーブをブラケットのピン穴から抜取ることができ、連結ピンを容易にブラケットから取外すことができる。
【0043】
また、請求項12の発明は、抜取具取付部は前記スリーブの内周面に形成された雌ねじ部により構成し、抜取具は、前記スリーブの雌ねじ部に螺入され前記連結ピンの端面に当接することにより前記スリーブを前記ブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるボルトにより構成したことにある。
【0044】
このように構成したことにより、スリーブの雌ねじ部にボルトを締込むと、該ボルトの先端部が連結ピンの端面に当接した状態で、スリーブをブラケットのピン穴から離間する方向に移動させることができる。このため、ボルトを締込んでいくことにより、スリーブをブラケットのピン穴から抜取ることができ、連結ピンを容易にブラケットから取外すことができる。
【0045】
また、請求項13の発明は、抜取具取付部は前記スリーブの外周面のうち前記ブラケットのピン穴から突出する部位に形成された雄ねじ部により構成し、抜取具は、前記スリーブの雄ねじ部に螺入され前記ブラケットに当接することにより前記スリーブを前記ブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるナットにより構成したことにある。
【0046】
このように構成したことにより、スリーブの雄ねじ部にナットを締込むと、該ナットがブラケットに当接した状態で、スリーブをブラケットのピン穴から離間する方向に移動させることができる。このため、ナットを締込んでいくことにより、スリーブをブラケットのピン穴から抜取ることができ、連結ピンを容易にブラケットから取外すことができる。
【0047】
さらに、請求項14の発明は、抜取具取付部は前記スリーブの外周面のうち前記ブラケットのピン穴から突出する部位に径方向外向きに設けられた突起部により構成し、抜取具は、前記突起部を通過して前記スリーブの外周面に挿嵌され周方向に離間して軸方向に複数のねじ穴が形成された環状部材と、該環状部材と前記突起部との間に設けられ前記突起部に対して環状部材を保持する半割環状部材と、前記環状部材の各ねじ穴に螺入され前記ブラケットに当接することにより前記環状部材、半割環状部材および突起部を介して前記スリーブをブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるボルトとにより構成したことにある。
【0048】
このように構成したことにより、突起部を通過してスリーブの外周面に環状部材を挿嵌し、突起部と環状部材との間に半割環状部材を挟込んだ後、環状部材のねじ穴にボルトを締込むと、該ボルトの先端部がブラケットに当接した状態で、環状部材、半割環状部材および突起部を介してスリーブをブラケットのピン穴から離間する方向に移動させることができる。このため、ボルトを締込んでいくことにより、スリーブをブラケットのピン穴から抜取ることができ、連結ピンを容易にブラケットから取外すことができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による軸受装置を、側溝掘り仕様の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0050】
ここで、図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示し、1は油圧ショベルの下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体2は、旋回フレーム3を有し、該旋回フレーム3上にはキャブボックス4およびエンジンカバー5等が設けられている。
【0051】
6は上部旋回体2の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置を示し、該作業装置6は、旋回フレーム3の前部側にピン結合されたロアブーム7と、該ロアブーム7の先端側に左,右方向(水平方向)で回動可能にピン結合されたアッパブーム8と、該アーパブーム8の先端側に左,右方向で回動可能にピン結合されたアームステー9と、該アームステー9にピン結合されたアーム10と、該アーム10の先端側にピン結合されたバケット11とによって大略構成されている。
【0052】
そして、作業装置6のロアブーム7は旋回フレーム3との間にピン結合されたブームシリンダ12により上,下に俯仰動される。また、ロアブーム7とアッパブーム8との間には、平行四辺形構造をなすリンク13とオフセットシリンダ14とがピン結合して設けられ、該オフセットシリンダ14は、アッパブーム8をロアブーム7に対しリンク13を介して左,右に回動させる構成となっている。
【0053】
さらに、アッパブーム8とアーム10との間には該アーム10を上,下に俯仰動させるアームシリンダ15がピン結合して設けられ、アーム10とバケット11との間には該バケット11を上,下に回動させるバケットシリンダ16がピン結合して設けられている。
【0054】
ここで、これらの各ピン結合部には軸受装置が装備されており、例えばロアブーム7とアッパブーム8とは、図2に示す軸受装置17により回動可能に結合されている。そして、この軸受装置17は、後述のブラケット18、ブームボス20、連結ピン26および締付け機構31等によって構成されている。また、アッパブーム8とアームステー9との間には後述する他の軸受装置71が装備されている。
【0055】
まず、軸受装置17について述べると、18,18はロアブーム7の先端側に軸方向(上,下方向)に離間して突設された上,下のブラケットで、このブラケット18には、連結ピン26用のピン挿通穴18Aが穿設されている。また、各ブラケット18のうち上側のブラケット18には、ピン挿通穴18Aの近傍位置に軸方向に向けて後述する係合ボルト41用のねじ穴19が設けられている。
【0056】
20はアッパブーム8の基端側に設けられたブームボスで、該ブームボス20は、筒状のボスパイプ21と、該ボスパイプ21の軸方向両側に設けられた一対のボス筒22,22とにより段付円筒形状をなして一体に形成されている。
【0057】
23,23はブームボス20の軸方向両側に離間して各ボス筒22内に嵌着された上,下のブッシュで、該ブッシュ23は、鋳鉄等の金属材料により円筒形状に形成され、その内周側は連結ピン26が摺動可能に挿嵌されるピン挿通穴23Aとなっている。
【0058】
24,24はブームボス20の軸方向両端側に離間してボス筒22の内周側に装着されたシール部材で、該シール部材24は、例えばブッシュ23と連結ピン26との摺動面間に潤滑油を封止すると共に、外部からの異物が両者の摺動面間に浸入するのを阻止する構成となっている。
【0059】
25,25はブラケット18とブームボス20の各ボス筒22との間に配設された環状のシム板で、該シム板25は、ブラケット18とボス筒22との間で作用するスラスト荷重を受承するものである。
【0060】
26はブッシュ23のピン挿通穴23A内に摺動可能に挿嵌された連結ピンで、該連結ピン26は、上,下のブラケット18,18間の寸法とほぼ等しい長さをもった中空の軸体からなり、その軸方向の両端側には端面に向けて縮径するテーパ面26A,26Aが形成されている。そして、連結ピン26は、その両端側のテーパ面26Aが各ブラケット18のピン挿通穴18Aにそれぞれ挿通して設けられることにより、ブームボス20をブラケット18に対して回転可能に連結する構成となっている。
【0061】
27,27は連結ピン26のテーパ面26A外周側に位置してブラケット18のピン挿通穴18Aとの間に嵌入して設けられた上,下のスリーブで、該スリーブ27は筒状に形成され、その内周側には連結ピン26のテーパ面26Aに当接するテーパ面27Aが設けられている。
【0062】
また、スリーブ27には、図6に示すように周方向に離間して例えば3個のスリット27Bと1個の他のスリット27Cとが設けられている。そして、スリット27Bは、スリーブ27の両端部のうち薄肉側の端部から軸方向に向けて細長く延びると共に、スリット27Cはスリーブ27の全長に亘って軸方向に延びている。また、スリーブ27は、各スリット27B間およびスリット27B,27C間で挟まれた部位が締付片27D,27D,…となっている。
【0063】
そして、スリーブ27は、厚肉側の端部がピン挿通穴18Aから一定寸法だけ軸方向に突出し、この状態で後述の締付け機構31により軸方向の締付け力が付与される。このため、スリーブ27は、各締付片27Dがブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aに対してそれぞれ強く締付けられる。
【0064】
31はスリーブ27をブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aとの間に締付けるための締付け機構で、該締付け機構31は、後述のワッシャ32,33、シャフト34、固定ナット35、締付けナット37および廻止め部材39等によって構成されている。
【0065】
32はスリーブ27と固定ナット35との間に設けられた環状プレートとしての上側のワッシャで、該ワッシャ32は、ブラケット18のピン挿通穴18Aよりも大きな外径をもって形成され、その内周側はシャフト34の上端側が挿嵌されるシャフト挿嵌穴32Aとなっている。
【0066】
ここで、ワッシャ32には、スリーブ27との当接面側に位置してシャフト挿嵌穴32Aの周囲を環状に取囲む位置決め突起32Bが形成され、該位置決め突起32Bは、スリーブ27の最小内径寸法よりも僅かに小さな外径を有する環状突起として形成されている。このため、位置決め突起32Bは、スリーブ27の内周側に嵌合し、図2、図8に示すようにシャフト34を連結ピン26の軸線O−Oと同軸上に位置決めする構成となっている。
【0067】
33はスリーブ27と締付けナット37との間に設けられた環状プレートとしての下側のワッシャで、該ワッシャ33は、ブラケット18のピン挿通穴18Aと同一ないし僅かに小さな外径をもって形成され、その内周側はシャフト34の下端側が挿嵌されるシャフト挿嵌穴33Aとなっている。
【0068】
そして、ワッシャ33についても、ワッシャ32と同様にスリーブ27との当接面側に位置して位置決め突起33Bが形成され、該位置決め突起33Bは、スリーブ27の内周側に嵌合することにより、ワッシャ32を連結ピン26の軸線O−Oと同軸上に位置決めする構成となっている。
【0069】
34は連結ピン26の内部に遊嵌して設けられたシャフトで、該シャフト34は、上,下のブラケット18,18間の寸法よりも長尺な棒状体として形成されている。そして、シャフト34の上,下方向(軸方向)の両端側には、それぞれねじ部34A,34Aが形成されている。また、このシャフト34は、両端側が連結ピン26から軸方向にそれぞれ突出してワッシャ33のシャフト挿嵌穴33A内に挿嵌されている。
【0070】
このため、シャフト34は、ワッシャ32,33と共に連結ピン26の軸線O−O上に位置決めされる。また、シャフト34の両端面のうち上側の端面には、軸方向にねじ穴34Bが設けられ、このねじ穴34Bには、後述する当該軸受装置17の組立時にクレーンのフックを引掛けるためのアイボルト(図示せず)が螺着される。
【0071】
35はシャフト34の上端側(軸方向の一端側)に固定的に設けられた当接部材としての固定ナットで、該固定ナット35は、シャフト34のねじ部34Aに螺合した状態でこのねじ部34Aに溶接されている。そして、この固定ナット35は、スリーブ27の端面側となるワッシャ32に当接している。
【0072】
36は固定ナット35よりもシャフト34の上端側に設けられた抜止め具としての割りピンで、該割りピン36は、シャフト34と固定ナット35との溶接部の強度が低下して固定ナット35に緩みが生じた場合に、該固定ナット35がシャフト34から脱落するのを防止するものである。
【0073】
37はシャフト34の下端側(軸方向の他端側)に設けられたナット部材としての締付けナットで、該締付けナット37は、シャフト34のねじ部34Aに螺合されてワッシャ33側に向け所定の締付トルクをもって締付けられている。このため、締付けナット37は、固定ナット35との間で各スリーブ27に対してそれぞれ軸方向の締付け力を付与する構成となっている。
【0074】
38は締付けナット37よりもシャフト34の下端側に設けられた抜止め具としての割りピンを示し、該割りピン38は、締付けナット37に万が一緩みが生じた場合に、締付けナット37がシャフト34から脱落するのを防止するものである。
【0075】
39はシャフト34と上側のブラケット18との間に設けられた廻止め部材で、該廻止め部材39は、長方形状の板体によって形成されたアーム部40と、ストッパ部としての係合ボルト41とによって構成されている。
【0076】
ここで、アーム部40は、基端側がV字状に切欠かれた切欠部40Aとなって固定ナット35の外周壁に溶接され、先端側は径方向に延びている。そして、このアーム部40の先端側にはボルト挿通穴40Bが穿設されている。また、係合ボルト41はアーム部40のボルト挿通穴40B内に挿通され、この状態でブラケット18のねじ穴19に螺着されている。
【0077】
このため、廻止め部材39は、後述するように締付けナット37を締付けたときに、シャフト34側のアーム部40がブラケット18側の係合ボルト41に係合し、これによりシャフト34の回転を規制する構成となっている。
【0078】
本実施の形態による油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベルを用いて側溝掘り作業を行う場合には、例えばオフセットシリンダ14によりロアブーム7の先端側でアッパブーム8を左,右方向に揺動させ、ロアブーム7に対してアーム10およびバケット11を左,右方向に平行移動させる。そして、アームシリンダ15によりアッパブーム8の先端側でアーム10を俯仰動させると共に、バケットシリンダ16によりアーム10の先端側でバケット11を回動させて土砂を掘削する。
【0079】
次に、ロアブーム7とアッパブーム8とを連結する軸受装置17の組立方法について説明する。
【0080】
まず、図7に示すように各スリーブ27をそれぞれ連結ピン26の両端側に形成したテーパ面26Aに挿嵌する。また、締付け機構31を構成するシャフト34の一端側には固定ナット35を溶接により固定的に取付ける共に、この固定ナット35には廻止め部材39のアーム部40を溶接する。
【0081】
そして、次にワッシャ32をシャフト34の一端側に挿嵌し、この状態でシャフト34を連結ピン26の内部に遊嵌し、さらにシャフト34の他端側にワッシャ33を挿嵌する。
【0082】
そして、このときに図8に示すようにワッシャ32,33の位置決め突起32B,33Bをそれぞれスリーブ27の内周側に嵌合させ、この状態でこれらのワッシャ32,33をスリーブ27の端面に当接させることにより、シャフト34をワッシャ32,33と共に連結ピン26の軸線O−Oと同軸上に位置決めし、これらの連結ピン26とシャフト34との芯合わせを行う。
【0083】
次に、締付けナット37をシャフト34に螺合して仮締めし、固定ナット35と締付けナット37との間で各スリーブ27をワッシャ32,33を介してそれぞれ連結ピン26のテーパ面26Aに固定すると共に、シャフト34の両端側には割りピン36,38をそれぞれ取付ける。
【0084】
ここで、上述の如く締付けナット37を仮締めするときに、例えシャフト34と固定ナット35との間の溶接部の強度が低下して固定ナット35に緩みが生じたとしても、割りピン36,38によりこれらの固定ナット35、締付けナット37の脱落を防止することができる。
【0085】
次に、各ブラケット18のピン挿通穴18Aとブームボス20に設けたブッシュ23のピン挿通穴23Aとを芯合わせし、この状態で上述の如くスリーブ27および締付け機構31が一体に組付けられた連結ピン26を、上側のブラケット18のピン挿通穴18Aからピン挿通穴23Aを介して下側のブラケット18のピン挿通穴18Aへと下向きに挿嵌し、この状態でシャフト34の下端側を下側から支持する。
【0086】
ここで、これらの連結ピン26、スリーブ27および締付け機構31からなる組立体の全体重量が比較的重い場合には、シャフト34の上端に設けたねじ穴34Bにアイボルトを螺着し、このアイボルトをクレーンのフックに引掛けることにより、前記組立体をクレーンによって吊り下げた状態で支持してもよい。
【0087】
そして、次に係合ボルト41を、アーム部40のボルト挿通穴40B内に挿嵌して、ブラケット18側のねじ穴19に螺着し、最後に締付けナット37を所定の締付けトルクをもって強く締付ける。
【0088】
かくして、本実施の形態では、締付けナット37の締付け時に、シャフト34は前記締付けトルクによって締付けナット37と一緒に共廻りしようとするものの、このときに固定ナット35側のアーム部40がブラケット18側の係合ボルト41に係合することにより、シャフト34をブラケット18に対して廻止め状態に保持することができ、この状態で締付けナット37を容易に締付けることができ、締付け作業時の作業性等を向上することができる。
【0089】
そして、このように締付けナット37を締付けることにより、各スリーブ27には、固定ナット35と締付けナット37との間でワッシャ32,33を介して軸方向の締付け力が付与される。この結果、スリーブ27の締付片27Dは連結ピン26のテーパ面26Aとブラケット18のピン挿通穴18Aとの間に対し強固に締付けられる。
【0090】
従って、本実施の形態によれば、アッパブーム8をロアブーム7に対して左,右方向に揺動させるときには、ブラケット18のピン挿通穴18Aとスリーブ27との間、および連結ピン26のテーパ面26Aとスリーブ27との間にそれぞれ大きな摩擦力を発生させ、連結ピン26をブラケット18に対して廻止め状態に保持することができる。
【0091】
そして、このスリーブ27によってピン挿通穴18Aと連結ピン26との間のがた付きをなくし、ブラケット18とブームボス20とを円滑に相対回動させることができると共に、ブラケット18と連結ピン26との間で生じる摩耗をなくして、これらの耐久性、寿命等を高めることができる。
【0092】
また、当該軸受装置17の組立時には、ワッシャ32,33にそれぞれ設けた位置決め突起32B,33Bにより、連結ピン26をシャフト34に対して芯合わせすることができるから、締付けナット37を締付けるときには、このときの締付けナット37による締付け力をワッシャ32,33を介して両方のスリーブ27に対して均等に伝えることができる。
【0093】
これにより、軸受装置17の回動時には、これらのスリーブ27により各ブラケット18と連結ピン26との間にそれぞれ安定した摩擦力を発生させることができ、ブラケット18と連結ピン26との結合力をさらに高めて、装置の信頼性等を向上することができる。
【0094】
また、上側のワッシャ32はブラケット18のピン挿通穴18Aよりも大きな外径をもって形成したから、万が一締付けナット37に緩みが生じて、連結ピン26がスリーブ27、締付け機構31と共に下方にずれるように動いたとしても、このときにワッシャ32をブラケット18の端面に係合させることができ、連結ピン26の落下防止を図ることができる。
【0095】
一方、下側のワッシャ33はブラケット18のピン挿通穴18Aと同一ないし僅かに小さい外径をもって形成したから、上述の如く連結ピン26を上側のブラケット18のピン挿通穴18Aから下向きに挿嵌したときには、ワッシャ33をブラケット18に干渉させることなく連結ピン26をピン挿通穴18A内に容易に挿通することができ、このような挿通作業を容易に行うことができる。
【0096】
さらに、軸受装置17の組立時には、連結ピン26、スリーブ27および締付け機構31を互いにサブアッセンブリした状態で、ブラケット18とブームボス20に組付けることができるから、従来技術で述べたように連結ピン、スリーブおよび締付け機構等を別々に組付ける必要がなくなり、組立時の作業性等を向上することができる。
【0097】
さらに、シャフト34の一端側に取付けられる当接部材を固定ナット35により構成したから、従来技術で述べたように当接部材をわざわざマッシュルーム型に加工する手間を省くことができ、全体の加工コストの低減等を図ることができる。
【0098】
しかも、軸受装置17は、固定ナット35をシャフト34の上端側に配置し、締付けナット37をシャフト34の下端側に配置する構成としたから、作業者は締付けナット37の締付け作業を比較的低い位置で容易に行うことができ、軸受装置17の組立時、メンテナンス時における作業性等を一層向上することができる。
【0099】
次に、図9、図10は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、廻止め部材を構成するストッパ部を角板状に形成し、このストッパ部をシャフト側のアーム部の先端近傍位置でブラケット側に固着する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0100】
51はブラケット18とシャフト34との間に設けられた本実施の形態で用いる締付け機構で、該締付け機構51は、第1の実施の形態による締付け機構31とほぼ同様に、シャフト34、固定ナット35、ワッシャ52および廻止め部材53等によって構成されている。
【0101】
52はスリーブ27と固定ナット35との間に設けられた本実施の形態で用いる環状プレートとしての上側のワッシャで、該ワッシャ52は、第1の実施の形態によるワッシャ32とほぼ同様に、シャフト34が挿嵌されるシャフト挿嵌穴52Aと、該シャフト挿嵌穴52Aと共にシャフト34を連結ピン26に対して同軸上に位置決めするための位置決め突起52Bとを有している。
【0102】
しかし、ワッシャ52の位置決め突起52Bは、第1の実施の形態による位置決め突起32Bよりも小さな外径をもって形成され、連結ピン26の内周側に嵌合して設けられている点で、第1の実施の形態のものとは異なっている。
【0103】
53はブラケット18とシャフト34との間に設けられた本実施の形態で用いる廻止め部材で、該廻止め部材53は、基端側がV字状の切欠部54Aとなって固定ナット35の外周壁に溶接されたアーム部54と、ブラケット18側に溶接された角板状のストッパ部55とによって構成されている。
【0104】
ここで、アーム部54は、先端側が屈曲部54Bとなって下向きに略L字状に折曲げられている。また、ストッパ部55は、アーム部54の屈曲部54B先端面と近接して平行状態に配置されている。
【0105】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、締付けナットの締付時には、アーム部54の屈曲部54Bがストッパ部55に対して係合することにより、シャフト34をブラケット18に対して廻止め状態に保持することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0106】
次に、図11は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、締付け機構のシャフトを、軸方向の一端側にボルト頭を有するボルトを用いて構成すると共に、前記ボルト頭により当接部材を構成したことにある。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0107】
61は本実施の形態で用いる締付け機構で、該締付け機構61は、第1の実施の形態で述べた締付け機構31とほぼ同様に、ワッシャ32,33、締付けナット37および廻止め部材39等を備えている。しかし、この締付け機構61は、第1の実施の形態によるシャフト34および固定ナット35の代わりに後述のボルト62を備えている点で、第1の実施の形態のものとは異なっている。
【0108】
62は連結ピン26の内部に遊嵌されたシャフトとしてのボルトで、該ボルト62は、上,下方向(軸方向)の両端側がそれぞれワッシャ32,33のシャフト挿嵌穴32A,33A内に挿嵌して設けられた軸部62Aと、該軸部62Aの上端側に設けられたボルト頭62Bとによって構成され、該ボルト頭62Bは、ワッシャ32に当接する当接部材を構成している。そして、ボルト62は、軸部62Aの下端側に設けたねじ部62Cに締付けナット37が螺合して取付けられている。
【0109】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、締付け機構61を構成するシャフトと当接部材とを1個のボルト62により構成することができ、装置全体の部品点数の削減等を図ることができる。
【0110】
次に、図12は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、軸受装置は、作業装置を構成するアッパブームとアームステーとの間を連結するピン結合部に用いる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0111】
71はアッパブーム8とアームステー9との間を左,右方向に回動可能に連結する軸受装置で、該軸受装置71は、第1の実施の形態による軸受装置17とほぼ同様に、アームステー9に上,下方向に離間して設けられた上,下のブラケット72,72と、該各ブラケット72間に上,下方向に配置されてアッパブーム8の先端側に設けられたブームボス73と、該ブームボス73内に設けられたブッシュ74と、該ブッシュ74のピン挿通穴74A内に摺動可能に挿通され、両端側のテーパ面75Aがそれぞれブラケット72のピン挿通穴72A内に挿通して設けられた中空軸体からなる連結ピン75と、後述の締付け機構81等とによって構成されている。
【0112】
また、ブラケット72のピン挿通穴72Aと連結ピン75のテーパ面75Aとの間には、上,下のスリーブ76,76が嵌入して設けられ、該スリーブ76は、第1の実施の形態によるスリーブ27とほぼ同様に形成され、その内周側には前記テーパ面75Aに当接するテーパ面76Aが設けられている。
【0113】
81はスリーブ76をブラケット72のピン挿通穴72Aと連結ピン75のテーパ面75Aとの間に締付けるための締付け機構で、該締付け機構は、第1の実施の形態による締付機構とほぼ同様に、連結ピン75の両端側に設けられた上,下のワッシャ82,83と、連結ピン75の内部に上,下に遊嵌されて両端側がワッシャ82,83のシャフト挿嵌穴82A,83A内に挿嵌されたシャフト84と、該シャフト84の上端側のねじ部84Aに固定的に設けられた当接部材としての固定ナット85と、シャフト84の下端側のねじ部84Aに設けられたナット部材としての締付けナット86と、後述の廻止め部材87によって構成されている。
【0114】
また、ワッシャ82,83には、スリーブ76の内周側に嵌合してシャフト84を連結ピン75と同軸上に位置決めするための位置決め突起82B,83Bがそれぞれ設けられている。
【0115】
87はブラケット72とシャフト84との間に設けられた廻止め部材で、該廻止め部材87は、第1の実施の形態で述べた廻止め部材39と同様に、基端側の切欠部88Aが固定ナット85に固定的に設けられたアーム部88と、該アーム部88の先端側のボルト挿通穴88B内に挿通されてブラケット72のねじ穴19に螺着されたストッパ部としての係合ボルト89とによって構成されるものである。
【0116】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0117】
次に、図13ないし図16は本発明による第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スリーブの外周面のうちブラケットのピン穴から突出した部位に、該スリーブをピン穴から抜取る抜取具を取付けるための環状溝を設けたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0118】
図において、101は第1の実施の形態による各スリーブ27,27のうち一方(下側)のスリーブ27に代えて適用したスリーブで、該スリーブ101は、図15に示すように、スリーブ27よりも軸方向寸法が大きい筒状に形成され、連結ピン26のテーパ面26Aに当接する内周側のテーパ面101Aと、周方向に離間して薄肉側の端部から軸方向中間部まで延びる3個のスリット101Bと、軸方向の全長に亘って形成された他のスリット101Cと、複数の締付片101Dとを備えている。
【0119】
ここで、スリーブ101の外周面のうちブラケット18のピン挿通穴18Aから突出する厚肉側の部位には、後述のスリーブ抜取具102を取付けるための環状溝101Eが全周に亘って凹設され、この環状溝101Eが抜取具取付部を構成している。
【0120】
本実施の形態による軸受装置は上述の如きスリーブ101を有するもので、本実施の形態においても、一方のブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26との間にスリーブ27を装着し、他方のブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26との間にスリーブ101を装着した状態で、締付け機構31を用いてスリーブ27,101を軸方向に締付ける構成となっている。これにより、スリーブ27の各締付片27D、スリーブ101の各締付片101Dが、ブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aとの間に楔状に差込まれるので、連結ピン26をブラケット18に強固に固定することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0121】
然るに、本実施の形態では、油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置を用いることなく、連結ピン26をブラケット18から容易に取外すことができる構成となっており、以下、連結ピン26の取外し作業について説明する。
【0122】
まず、シャフト34の下端側から割りピン38を取外し、続いて締付けナット37、上側のワッシャ33を取外す。次に、係合ボルト41をブラケット18側のねじ穴19から取外した後、シャフト34を上方に抜取り、上側のワッシャ32を取外す。
【0123】
このように、連結ピン26から締付け機構31等を取外した状態では、スリーブ27の各締付片27Dが上側のブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aとの間に楔状に差込まれ、スリーブ101の各締付片101Dが上側のブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aとの間に楔状に差込まれているので、連結ピン26の両端側は各スリーブ27,101を介して各ブラケット18に強固に固定された状態にある。
【0124】
次に、図16に示すように、スリーブ101の外周面のうちブラケット18のピン挿通穴18Aから突出した部位に、スリーブ101を軸方向に抜取るためのスリーブ抜取具102を取付ける。ここで、スリーブ抜取具102は、スリーブ101の外周面に挿嵌された環状板103と、スリーブ101の環状溝101Eに嵌着され、環状板103を軸方向に抜止めする止め輪104と、環状板103の後述する各ねじ穴103Bに螺入される複数のボルト105とにより構成されている。
【0125】
ここで、環状板103は、スリーブ101の外径寸法D1よりも大径で、かつ止め輪104の外径寸法D3よりも小径の内径寸法D2(D1<D2<D3)をもったスリーブ挿通穴103Aを有し、該スリーブ挿通穴103Aの外周側には周方向に等しい間隔をもって軸方向に延びる複数(例えば3個)のねじ穴103B,103B,…が形成され、これら各ねじ穴103Bにはボルト105がそれぞれ螺入される構成となっている。
【0126】
そして、スリーブ101の外周面に環状板103を挿嵌し、スリーブ101の環状溝101Eに止め輪104を嵌着した後、環状板103の各ねじ穴103Bにボルト105をそれぞれ螺入し、該各ボルト105の先端部をブラケット18の軸方向端面に当接させた後、スパナ等の工具を用いて、各ボルト105を順番に少しづつ締込んでいく。
【0127】
この場合、ボルト105の先端部はブラケット18の端面に当接しているので、ボルト105を締込むことにより、環状板103はブラケット18のピン挿通穴18Aから離間する方向(矢示A方向)へと移動し、止め輪104を軸方向に押圧する。従って、各ボルト105をさらに締込むことにより、スリーブ101が、ブラケット18のピン挿通穴18Aおよび連結ピン26のテーパ面26Aからの締付力に抗して矢示A方向へと移動し、軸方向に抜取ることができる。
【0128】
そして、スリーブ101をブラケット18のピン挿通穴18Aから抜取った後には、例えばスリーブ27側に位置する連結ピン26の端面を、ハンマ等によって下向きに叩くことにより、連結ピン26を容易にブラケット18から抜取ることができる。
【0129】
かくして、本実施の形態では、スリーブ27,101のうち一方のスリーブ101の外周面に環状溝101Eを凹設し、スリーブ101の外周面に挿嵌される環状板103と、スリーブ101の環状溝101Eに嵌着され環状板103を抜止めする止め輪104と、環状板103の各ねじ穴103Bに螺入されるボルト105とによって構成されたスリーブ抜取具102を用いて、ブラケット18のピン挿通穴18Aからスリーブ101を容易に抜取ることができる。
【0130】
このため、連結ピン26が、スリーブ27,101を介してブラケット18のピン挿通穴18Aに強固に取付けられている場合でも、油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置を用いることなく、作業者の手作業によってブラケット18のピン挿通穴18Aからスリーブ101を抜取ることにより、連結ピン26の取外し作業を短時間で行うことができ、その作業性を大幅に向上することができる。
【0131】
次に、図17ないし図19は本発明による第6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スリーブの内周面に、該スリーブをブラケットのピン穴から抜取る抜取具を取付けるための雌ねじ部を設けたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0132】
図において、111は第1の実施の形態による各スリーブ27,27のうち一方(下側)のスリーブ27に代えて適用したスリーブで、該スリーブ111は、図18に示すように、スリーブ27よりも軸方向寸法が大きい筒状に形成され、連結ピン26のテーパ面26Aに当接する内周側のテーパ面111Aと、周方向に離間して薄肉側の端部から軸方向中間部まで延びる3個のスリット111Bと、軸方向の全長に亘って形成された他のスリット111Cと、複数の締付片111Dとを備えている。
【0133】
ここで、スリーブ111の内周面のうちブラケット18のピン挿通穴18Aから突出する厚肉側の部位には、後述の抜取りボルト112を螺入するための雌ねじ部111Eが形成され、この雌ねじ部111Eが抜取具取付部を構成している。
【0134】
本実施の形態による軸受装置は上述の如きスリーブ111を有するもので、本実施の形態においても、スリーブ27の各締付片27D、スリーブ111の各締付片111Dが、ブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aとの間に楔状に差込まれることにより、連結ピン26をブラケット18に強固に固定することができ、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0135】
然るに、本実施の形態では、油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置を用いることなく、連結ピン26をブラケット18から容易に取外すことができる構成となっており、以下、連結ピン26の取外し作業について説明する。
【0136】
まず、図19に示すように、連結ピン26からシャフト34等を取外した状態で、スリーブ111の雌ねじ部111Eに、抜取具としての抜取りボルト112を螺入し、該抜取りボルト112の先端部を連結ピン26の軸方向端面に当接させた後、スパナ等の工具を用いて抜取りボルト112を徐々に締込んでいく。
【0137】
この場合、抜取りボルト112の先端部は連結ピン26の端面に当接しているので、抜取りボルト112を締込むことにより、スリーブ111を、ブラケット18のピン挿通穴18Aおよび連結ピン26のテーパ面26Aからの締付力に抗して矢示A方向へと移動させ、軸方向に抜取ることができる。
【0138】
そして、スリーブ111をブラケット18のピン挿通穴18Aから抜取った後には、上述したと同様に、スリーブ27側に位置する連結ピン26の端面を、ハンマ等によって下向きに叩くことにより、連結ピン26を容易にブラケット18から抜取ることができる。
【0139】
かくして、本実施の形態では、スリーブ111の内周面に雌ねじ部111Eを設け、該雌ねじ部111Eに螺入した抜取りボルト112を、連結ピン26の端面に当接させて締込むことにより、スリーブ111をブラケット18のピン挿通穴18Aから抜取ることができる構成としている。このため、油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置を用いることなく、作業者の手作業によってブラケット18のピン挿通穴18Aからスリーブ111を抜取ることにより、連結ピン26の取外し作業を短時間で行うことができ、その作業性を大幅に向上することができる。
【0140】
次に、図20ないし図22は本発明による第7の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スリーブの外周面に、該スリーブをブラケットのピン穴から抜取る抜取具を取付けるための雄ねじ部を設けたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0141】
図において、121は第1の実施の形態による各スリーブ27,27のうち一方(下側)のスリーブ27に代えて適用したスリーブで、該スリーブ121は、図21に示すように、スリーブ27よりも軸方向寸法が大きい筒状に形成され、連結ピン26のテーパ面26Aに当接する内周側のテーパ面121Aと、周方向に離間して薄肉側の端部から軸方向中間部まで延びる3個のスリット121Bと、軸方向の全長に亘って形成された他のスリット121Cと、複数の締付片121Dとを備えている。
【0142】
ここで、スリーブ121の外周面のうちブラケット18のピン挿通穴18Aから突出する厚肉側の部位には、後述の抜取りナット122を螺入するための雄ねじ部121Eが形成され、この雄ねじ部121Eが抜取具取付部を構成している。
【0143】
本実施の形態による軸受装置は上述の如きスリーブ121を有するもので、本実施の形態においても、スリーブ27の各締付片27D、スリーブ121の各締付片121Dが、ブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aとの間に楔状に差込まれることにより、連結ピン26をブラケット18に強固に固定することができる。
【0144】
次に、スリーブ27,121を介してブラケット18のピン挿通穴18Aに強固に固定された連結ピン26をブラケット18から取外す作業について、図22を参照しつつ説明する。
【0145】
まず、連結ピン26からシャフト34等を取外した状態で、スリーブ121の雄ねじ部121Eに、抜取具としての抜取りナット122を螺入し、該抜取りナット122のうちブラケット18側の端面をブラケット18に当接させた後、スパナ等の工具を用いて抜取りナット122を徐々に締込んでいく。
【0146】
この場合、抜取りナット122の端面はブラケット18に当接しているので、抜取りナット122を締込むことにより、スリーブ121を、ブラケット18のピン挿通穴18Aおよび連結ピン26のテーパ面26Aからの締付力に抗して矢示A方向へと移動させ、軸方向に抜取ることができる。
【0147】
そして、スリーブ121をブラケット18のピン挿通穴18Aから抜取った後には、上述したと同様に、スリーブ27側に位置する連結ピン26の端面を、ハンマ等によって下向きに叩くことにより、連結ピン26を容易にブラケット18から抜取ることができる。
【0148】
かくして、本実施の形態では、スリーブ121の外周面に雄ねじ部121Eを設け、該雄ねじ部121Eに螺入した抜取りナット122を、ブラケット18の端面に当接させて締込むことにより、スリーブ121をブラケット18のピン挿通穴18Aから抜取ることができる構成としている。このため、油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置を用いることなく、作業者の手作業によってブラケット18のピン挿通穴18Aからスリーブ121を抜取ることにより、連結ピン26の取外し作業を短時間で行うことができ、その作業性を大幅に向上することができる。
【0149】
次に、図23ないし図25は本発明による第8の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スリーブをブラケットのピン穴から抜取る抜取具を取付けるため、スリーブの外周面のうちブラケットのピン穴から突出した部位に、径方向外向きに突出する突起部を設けたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0150】
図において、131は第1の実施の形態による各スリーブ27,27のうち一方(下側)のスリーブ27に代えて適用したスリーブで、該スリーブ131は、図24に示すように、スリーブ27よりも軸方向寸法が大きい筒状に形成され、連結ピン26のテーパ面26Aに当接するテーパ面131Aと、周方向に離間してスリーブ131の薄肉側の端部から軸方向中間部まで延びる3個のスリット131Bと、軸方向の全長に亘って形成された他のスリット131Cと、複数の締付片131Dとを備えている。
【0151】
ここで、スリーブ131の外周面のうちブラケット18のピン挿通穴18Aから突出する厚肉側の部位には、径方向外側に突出し後述のスリーブ抜取具132を取付けるための突起部としてのフランジ部131Eが全周に亘って一体に形成され、このフランジ部131Eが抜取具取付部を構成している。
【0152】
本実施の形態による軸受装置は上述の如きスリーブ131を有するもので、本実施の形態においても、スリーブ27の各締付片27D、スリーブ131の各締付片131Dが、ブラケット18のピン挿通穴18Aと連結ピン26のテーパ面26Aとの間に楔状に差込まれることにより、連結ピン26をブラケット18に強固に固定することができる。
【0153】
次に、スリーブ27,131を介してブラケット18のピン挿通穴18Aに強固に固定された連結ピン26をブラケット18から取外す作業について、図25を参照しつつ説明する。
【0154】
まず、連結ピン26からシャフト34等を取外した状態で、スリーブ131のフランジ部131Eとブラケット18との間に、スリーブ131を軸方向に抜取るためのスリーブ抜取具132を取付ける。ここで、スリーブ抜取具132は、フランジ部131Eを通過してスリーブ131の外周面に挿嵌(遊嵌)された環状板133と、該環状板133とフランジ部131Eとの間に挟込まれ、フランジ部131Eに対して環状板133を保持する2枚の半割リング134,134と、環状板133の後述する各ねじ穴133Bに螺入される複数のボルト135とにより構成されている。
【0155】
ここで、環状板133は、フランジ部131Eの外径寸法D4よりも僅かに大径の内径寸法D5(D5>D4)をもったスリーブ挿通穴133Aを有し、該スリーブ挿通穴133Aの外周側には周方向に等しい間隔をもって軸方向に延びる複数(例えば4個)のねじ穴133B,133B,…が形成され、これら各ねじ穴133Bにはボルト135がそれぞれ螺入される構成となっている。
【0156】
また、各半割リング134は、図24および図25に示すように、環状板133のスリーブ挿通穴133Aよりも大径な環状リングを半分に分割した半円弧状に形成され、スリーブ131の外周面と該スリーブ131に設けたフランジ部131Eの外周面とに係合する段付円弧面134Aを有している。
【0157】
そして、フランジ部131Eを通じてスリーブ131の外周面に環状板133を挿嵌した後、各半割リング134を径方向外側からフランジ部131Eと環状板133との間に挟込み、該半割リング134の段付円弧面134Aをスリーブ131の外周面とフランジ部131Eの外周面とに係合させる。そして、環状板133の各ねじ穴133Bにボルト135をそれぞれ螺入し、該各ボルト135の先端部をブラケット18の端面に当接させることにより、各半割リング134によって環状板133をフランジ部131Eに対して保持した状態で、スパナ等の工具を用いて、各ボルト135を順番に少しづつ締込んでいく。
【0158】
この場合、ボルト135の先端部はブラケット18の端面に当接しているので、ボルト135を締込むことにより、環状板133はブラケット18から離間する方向(矢示A方向)へと移動し、各半割リング134を介してスリーブ131のフランジ部131Eを押圧する。これにより、スリーブ131を、ブラケット18のピン挿通穴18Aおよび連結ピン26のテーパ面26Aからの締付力に抗して矢示A方向へと移動させ、軸方向に抜取ることができる。
【0159】
そして、スリーブ131をブラケット18のピン挿通穴18Aから抜取った後には、例えばスリーブ27側に位置する連結ピン26の端面を、ハンマ等によって下向きに叩くことにより、連結ピン26を容易にブラケット18から取外すことができる。
【0160】
かくして、本実施の形態では、スリーブ131の外周面に径方向外側に突出するフランジ部131Eを設け、該フランジ部131Eを通過してスリーブ131の外周面に挿嵌される環状板133と、該環状板133とフランジ部131Eとの間に挟込まれる半割リング134と、環状板133のねじ穴133Bに螺入されるボルト135とによって構成されたスリーブ抜取具132を用いて、ブラケット18のピン挿通穴18Aからスリーブ131を容易に抜取ることができる。
【0161】
このため、連結ピン26が、スリーブ27,131を介してブラケット18のピン挿通穴18Aに強固に取付けられている場合でも、油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置を用いることなく、作業者の手作業によってブラケット18のピン挿通穴18Aからスリーブ131を抜取ることにより、連結ピン26の取外し作業を短時間で行うことができ、その作業性を大幅に向上することができる。
【0162】
なお、第2の実施の形態では、ストッパ部55をアーム部54の屈曲部54B先端面に平行状態で配置する構成として述べたが、これに替えて、例えば図10に示す一点鎖線のようにストッパ部91をアーム部54の側面部近傍位置に配置する構成としてもよい。
【0163】
また、第2の実施の形態では、廻止め部材53は、固定ナット35側にアーム部54を設け、このアーム部54をブラケット18側のストッパ部55に係合させる構成として述べたが、これに替えて、例えば固定ナット35の外周径をさらに大きく形成することにより、この固定ナットをストッパ部55に直接係合させる構成としてもよい。
【0164】
また、第1の実施の形態では、軸受装置17を、ロアブーム7とアッパブーム8とを連結するピン結合部に適用するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えばリンク13等に設けられる他のピン結合部に軸受装置を用いる構成としてもよい。また、第2,第3,第4の実施の形態についても同様に構成してよい。
【0165】
また、第1の実施の形態では、軸受装置17を上,下方向に配置して用いるものとして述べたが、これに替えて、軸受装置を左,右方向に配置して、例えばアーム10とバケット11との間のピン結合部に用いる構成としてもよい。また、第2,第3,第4の実施の形態についても同様に構成してよい。
【0166】
さらに、第1の実施の形態では、締付けナット37をシャフト34に対して回転可能な状態で取付ける構成として述べたが、例えばシャフト34のねじ部34Aには、締付けナット37の下側に位置して他のナット部材をダブルナットとして設けることにより、締付けナット37の緩止めを行う構成としてもよい。また、第2,第3,第4の実施の形態についても同様に構成してよい。
【0167】
また、上述した第5の実施の形態では、2個のスリーブ27,101のうち一方のスリーブ101にのみ、抜取具取付部としての環状溝101Eを設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば各スリーブ27,101の両方に抜取具取付部を設ける構成としてもよい。このことは、第6,第7,第8の実施の形態についても同様である。
【0168】
また、上述した第5の実施の形態では、連結ピン26の取外し作業を行うときに、スリーブ101に環状板103、止め輪104等を取付ける場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、これら環状板103、止め輪104等を予めスリーブ101に取付けておいてもよい。
【0169】
また、上述した第8の実施の形態では、スリーブ131の外周面に突起部としての環状のフランジ部131Eを設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えばスリーブ131の外周面に周方向に一定の間隔をもって複数の突起部を設ける構成としてもよい。
【0170】
さらに、各実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用できるものである。
【0171】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、スリーブをブラケットのピン穴と連結ピンのテーパ面との間に締付けるための締付け手段は、連結ピンの内部に遊嵌して設けられたシャフトと、該シャフトの軸方向の一端側に固定的に設けられた当接部材と、シャフトの軸方向の他端側に設けられ該当接部材との間で各スリーブに対して軸方向の締付け力を付与するナット部材と、前記シャフトをブラケットに対して廻止め状態に保持する廻止め部材と、前記スリーブと当接部材との間に設けられ内周側に前記シャフトの軸方向の一端側が挿嵌される一方側の環状プレートと、前記スリーブとナット部材との間に設けられ内周側に前記シャフトの他端側が挿嵌される他方側の環状プレートとによって構成し、前記各環状プレートには、前記スリーブとの当接面側に位置し、前記環状プレートを前記連結ピンと同軸上に位置決めする位置決め突起を形成してなる構成としている。
【0172】
これにより、当該軸受装置の組立時にナット部材を締付けるときには、廻止め部材によりシャフトがナット部材と一緒に共廻りする事態を防止でき、該ナット部材を所定の締付けトルクをもって容易に締付けることができ、このような締付け時の作業性を向上することができる。そして、スリーブによりブラケットのピン穴と連結ピンとの間のがた付きをなくし、ブラケットとボスとを円滑に相対回動させることができると共に、ブラケットと連結ピンとの間で生じる摩耗をなくして、これらの耐久性、寿命等を高めることができる。
【0173】
また、このような組立時には、連結ピン、スリーブおよび締付け手段を互いにサブアッセンブリした状態で、ブラケットとボスに組付けることができ、従来技術で述べたように連結ピン、スリーブおよび締付け機構等を別々に組付ける手間を省くことができ、組立時の作業性等を向上することができる。
【0174】
しかも、前記スリーブと当接部材との間、および前記スリーブとナット部材との間には環状プレートをそれぞれ設け、これらの環状プレートの内周側にシャフトの両端側を挿嵌すると共に、この環状プレートに設けた位置決め突起により環状プレートを連結ピンと同軸上に位置決めする構成としたから、シャフトを環状プレートと共に連結ピンと同軸上に配置することができる。これによりナット部材の締付け力を両方のスリーブに対して均等に伝えることができ、連結ピンの両端側をスリーブによりブラケットのピン穴に対して廻止め状態で安定して取付けることができ、装置の信頼性等を高めることができる。
【0175】
また、請求項2の発明では、廻止め部材は、固定部材側に固着されたアーム部の先端側を、ブラケット側に固着したストッパ部に係合させる構成としたから、これらのアーム部とストッパ部の2部材によって廻止め部材を容易に構成することができる。
【0176】
また、請求項3の発明では、当接部材は、シャフトに螺合した状態でこのシャフトに溶接された固定ナットにより構成したから、この当接部材を従来技術で述べたようにわざわざマッシュルーム型に加工する手間を省くことができ、全体の加工コストの低減等を図ることができる。しかも、シャフトには固定ナットを抜止め状態に保持するための抜止め具を設けたから、例えシャフトと固定ナットとの間の溶接部の強度が低下して固定ナットに緩みが生じたとしても、抜止め具により固定ナットの脱落防止を図ることができ、装置の信頼性等をさらに高めることができる。
【0177】
さらに、請求項4の発明では、シャフトは、一端側にボルト頭を有し他端側にナット部材が螺合して取付けられたボルトにより構成し、当接部材はボルト頭により構成したから、シャフトと当接部材を1個のボルトによって構成することができ、装置全体の部品点数の削減等を図ることができる。
【0178】
さらに、請求項5の発明では、ナット部材は、シャフトに螺合してスリーブ側に締付けられる締付けナットにより構成し、シャフトには該締付けナットを抜止め状態に保持するための抜止め具を設ける構成としたから、締付けナットによる締付け力により、スリーブを連結ピンのテーパ面とブラケットのピン穴に対して安定して締結することができると共に、例えナットに緩みが生じたとしても抜止め具により締付けナットの脱落防止を図ることができ、これによっても装置の信頼性等を高めることができる。
【0179】
一方、請求項6の発明では、ブラケットを上,下方向に離間して配置することにより、ボスを連結ピンを介して各ブラケットに対し左,右方向に回動可能に連結すると共に、当接部材はシャフトの上端側に取付け、ナット部材はシャフトの下端側に取付ける構成としたから、ナット部材の締付け時には、このナット部材を比較的低い位置で容易に締付けることができ、作業性を向上することができる。
【0180】
また、請求項7の発明のように、当該軸受装置を側溝掘り仕様の油圧ショベルに装備されるロアブームとアッパブームとの間のピン結合部に用いる構成とした場合でも、ナット部材を比較的低い位置で容易に締付けることができ、請求項6の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0181】
また、請求項8の発明のように、当該軸受装置を側溝掘り仕様の油圧ショベルに装備されるアッパブームとアームステーとの間のピン結合部に用いる構成とした場合でも、ナット部材を比較的低い位置で容易に締付けることができ、請求項6の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0182】
さらに、請求項9の発明では、各環状プレートのうち上側に位置する環状プレートを、ブラケットのピン穴よりも大きい外径をもって形成し、下側に位置する環状プレートをブラケットのピン穴より小さい外径をもって形成したから、当該軸受装置の組立時には、予めスリーブと締付け手段とを連結ピンに組付けておき、この状態で連結ピンを上側のブラケットのピン穴側から挿通することにより、下側の環状プレートをブラケットに干渉させることなく、連結ピンを容易に挿通することができ、このような挿通作業を容易に行うことができる。また、ナット部材に例え緩みが生じたとしても、この場合には上側の環状プレートが上側のブラケットの端面に当接することにより、連結ピンの落下防止等を図ることができる。
【0183】
また、請求項10の発明では、各スリーブのうち少なくとも一方のスリーブには、ブラケットのピン穴から前記一方のスリーブを抜取る抜取具を取付けるための抜取具取付部を設ける構成としたから、抜取具取付部に取付けた抜取具を用いて一方のスリーブをブラケットのピン穴から抜取ることにより、連結ピンをブラケットから容易に取外すことができる。
【0184】
また、請求項11の発明では、抜取具取付部をスリーブの外周面のうちブラケットのピン穴から突出する部位に凹設された環状溝により構成し、抜取具を、スリーブの外周面に挿嵌され周方向に離間して軸方向にねじ穴が形成された環状部材と、スリーブの環状溝に嵌着され環状部材を抜止めする止め輪と、環状部材の各ねじ穴に螺入されるボルトとにより構成したから、スリーブの外周面に環状部材を挿嵌し、スリーブの環状溝に止め輪を嵌着した後に、環状部材のねじ穴にボルトを締込むだけで、スリーブを環状部材および止め輪を介してブラケットのピン穴から離間する方向に移動させ、ブラケットのピン穴から抜取ることができる。このため、例えば油圧ジャッキ等の大掛かりな抜取り装置を用いることなく、作業者の手作業によって連結ピンをブラケットから容易に取外すことができる。
【0185】
また、請求項12の発明では、抜取具取付部をスリーブの内周面に形成された雌ねじ部により構成し、抜取具をスリーブの雌ねじ部に螺入され連結ピンの端面に当接するボルトにより構成したから、スリーブの雌ねじ部にボルトを螺入して連結ピンの端面に当接させた後、該ボルトを締込むだけで、スリーブをブラケットのピン穴から抜取ることができる。このため、作業者の手作業によって連結ピンをブラケットから容易に取外すことができる。
【0186】
また、請求項13の発明では、抜取具取付部を、スリーブの外周面のうちブラケットのピン穴から突出する部位に形成された雄ねじ部により構成し、抜取具をスリーブの雄ねじ部に螺入されブラケットに当接するナットにより構成したから、スリーブの雄ねじ部にナットを螺入してブラケットに当接させた後に、該ナットを締込むだけで、スリーブをブラケットのピン穴から抜取ることができ、連結ピンを容易にブラケットから取外すことができる。
【0187】
さらに、請求項14の発明では、抜取具取付部をスリーブの外周面のうちブラケットのピン穴から突出する部位に径方向外向きに設けられた突起部により構成し、抜取具を、突起部を通過してスリーブの外周面に挿嵌され周方向に離間して軸方向にねじ穴が形成された環状部材と、該環状部材と突起部との間に設けられ突起部に対して環状部材を保持する半割環状部材と、環状部材の各ねじ穴に螺入されブラケットに当接するボルトとにより構成したから、スリーブの外周面に環状部材を挿嵌し、スリーブの突起部と環状部材との間に半割環状部材を挟込んだ後に、環状部材のねじ穴にボルトを締込むだけで、スリーブを環状部材および半割環状部材を介してブラケットのピン穴から離間する方向に移動させ、ブラケットのピン穴から抜取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた軸受装置の縦断面図である。
【図3】図2中のスリーブ、固定ナットおよび廻止め部材等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図4】図2中のスリーブおよび締付けナット等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図5】廻止め部材等を示す図3中の矢示V−V方向からみた平面図である。
【図6】図2中のスリーブを単体で示す拡大斜視図である。
【図7】図2中の連結ピン、スリーブおよび締付け機構等を分解して示す分解図である。
【図8】図7中の連結ピン、スリーブおよび締付け機構等を組立て状態で示す縦断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による軸受装置のスリーブ、固定ナットおよび廻止め部材等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図10】廻止め部材等を示す図9中の矢示X−X方向からみた平面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態による軸受装置の縦断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による軸受装置を、図1中の矢示XII −XII 方向からみた状態で示す縦断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態による軸受装置の縦断面図である。
【図14】図13中のスリーブおよび締付けナット等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図15】第5の実施の形態に適用されるスリーブを単体で示す拡大斜視図である。
【図16】スリーブをブラケットから抜取るため、スリーブに環状板、止め輪等を取付けた状態を示す要部縦断面図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態によるスリーブおよび締付けナット等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図18】第6の実施の形態に適用されるスリーブを単体で示す拡大斜視図である。
【図19】スリーブをブラケットから抜取るため、スリーブに抜取りボルトを取付けた状態を示す要部縦断面図である。
【図20】本発明の第7の実施の形態によるスリーブおよび締付けナット等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図21】第7の実施の形態に適用されるスリーブを単体で示す拡大斜視図である。
【図22】スリーブをブラケットから抜取るため、スリーブに抜取りナットを取付けた状態を示す要部縦断面図である。
【図23】本発明の第8の実施の形態によるスリーブおよび締付けナット等を拡大して示す要部縦断面図である。
【図24】第8の実施の形態に適用されるスリーブと半割リングを示す拡大斜視図である。
【図25】スリーブをブラケットから抜取るため、スリーブに環状板、環状リング等を取付けた状態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
6 作業装置
7 ロアブーム
8 アッパブーム
9 アームステー
17,71 軸受装置
18,72 ブラケット
18A,23A,72A,74A ピン挿通穴
20,73 ブームボス
23,74 ブッシュ
26,75 連結ピン
26A,27A,75A,76A,101A,111A,121A,131Aテーパ面
27,76,101,111,121,131 スリーブ
31,51,61,81 締付け機構
32,33,52,82,83 ワッシャ(環状プレート)
32B,33B,52B,82B,83B 位置決め突起
34,84 シャフト
35,85 固定ナット(当接部材)
36,38 割りピン(抜止め具)
37,86 締付けナット(ナット部材)
39,53,87 廻止め部材
40,54,88 アーム部
41,89 係合ボルト(ストッパ部)
55,91 ストッパ部
62 ボルト
62B ボルト頭
101E 環状溝(抜取具取付部)
102 スリーブ抜取具(抜取具)
103 環状板(環状部材)
104 止め輪
105 ボルト
111E 雌ねじ部(抜取具取付部)
112 抜取りボルト(抜取具)
121E 雄ねじ部(抜取具取付部)
122 抜取りナット(抜取具)
131E フランジ部(抜取具取付部)
132 スリーブ抜取具(抜取具)
133 環状板(環状部材)
134 半割リング(半割環状部材)
135 ボルト
Claims (14)
- 軸方向に離間して設けられた一対のブラケットと、該一対のブラケット間に配設されるボスと、該ボス内に設けられたブッシュと、軸方向の両端側に端面に向けて縮径するテーパ面が形成された中空の軸体からなり、該ブッシュの内周側に摺動可能に挿嵌されると共に両端側のテーパ面が前記ブラケットのピン穴に挿通された連結ピンと、内周面に該連結ピンのテーパ面に当接するテーパ面が形成された筒状体からなり、該連結ピンのテーパ面外周側に位置して前記ブラケットのピン穴との間に嵌入して設けられた一対のスリーブと、該各スリーブをそれぞれ前記ブラケットのピン穴と前記連結ピンのテーパ面との間に締付けるための締付け手段とを備えてなる軸受装置において、
前記締付け手段は、前記連結ピンの内周側に遊嵌され両端側が前記連結ピンから軸方向に突出したシャフトと、該シャフトの軸方向の一端側に固定的に設けられた当接部材と、前記シャフトの軸方向の他端側に設けられ該当接部材との間で前記各スリーブに対して軸方向の締付け力を付与するナット部材と、前記シャフトをブラケットに対して廻止め状態に保持する廻止め部材と、前記スリーブと当接部材との間に設けられ内周側に前記シャフトの軸方向の一端側が挿嵌される一方側の環状プレートと、前記スリーブとナット部材との間に設けられ内周側に前記シャフトの他端側が挿嵌される他方側の環状プレートとによって構成し、
前記各環状プレートには、前記スリーブとの当接面側に位置し、前記環状プレートを前記連結ピンと同軸上に位置決めする位置決め突起を形成したことを特徴とする軸受装置。 - 前記廻止め部材は、基端側が前記当接部材に固着されて先端側が径方向に延びたアーム部と、前記ブラケット側に固着して設けられ該アーム部の先端側に係合することによって前記シャフトの回転を規制するストッパ部とによって構成してなる請求項1に記載の軸受装置。
- 前記当接部材は、前記シャフトに螺合した状態で前記シャフトに溶接された固定ナットにより構成し、前記シャフトには該固定ナットを抜止め状態に保持するための抜止め具を設けてなる請求項1または2に記載の軸受装置。
- 前記シャフトは、軸方向の一端側にボルト頭を有すると共に軸方向の他端側に前記ナット部材が螺合して取付けられるボルトによって構成し、前記当接部材は前記ボルト頭により構成してなる請求項1または2に記載の軸受装置。
- 前記ナット部材は、前記シャフトに螺合して前記スリーブ側に締付けられる締付けナットにより構成し、前記シャフトには該締付けナットを抜止め状態に保持するための抜止め具を設けてなる請求項1,2,3または4に記載の軸受装置。
- 前記一対のブラケットを上,下に配置し、前記連結ピンは前記ボスをブラケットに対して左,右方向に回動可能に連結する構成とし、前記当接部材はシャフトの上端側に取付けると共に前記ナット部材はシャフトの下端側に取付ける構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の軸受装置。
- 側溝掘り仕様の油圧ショベルに装備されるロアブームとアッパブームとの間のピン結合部に用いてなる請求項6に記載の軸受装置。
- 側溝掘り仕様の油圧ショベルに装備されるアッパブームとアームステーとの間のピン結合部に用いてなる請求項6に記載の軸受装置。
- 前記各環状プレートのうち上側に位置する環状プレートは前記ブラケットのピン穴よりも大きい外径をもって形成し、下側に位置する環状プレートは前記ブラケットのピン穴より小さい外径をもって形成してなる請求項6,7または8に記載の軸受装置。
- 前記各スリーブのうち少なくとも一方のスリーブには、前記締付け手段を取外した状態で前記ブラケットのピン穴から前記一方のスリーブを抜取る抜取具を取付けるための抜取具取付部を設ける構成としてなる請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9に記載の軸受装置。
- 前記抜取具取付部は前記スリーブの外周面のうち前記ブラケットのピン穴から突出する部位に凹設された環状溝により構成し、
前記抜取具は、前記スリーブの外周面に挿嵌され周方向に離間して軸方向に複数のねじ穴が形成された環状部材と、該環状部材を前記スリーブに挿嵌した状態で前記環状部材を抜止めするために前記スリーブの環状溝に嵌着される止め輪と、前記環状部材の各ねじ穴に螺入され前記ブラケットに当接することにより前記環状部材および止め輪を介して前記スリーブをブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるボルトとにより構成してなる請求項10に記載の軸受装置。 - 前記抜取具取付部は前記スリーブの内周面に形成された雌ねじ部により構成し、
前記抜取具は、前記スリーブの雌ねじ部に螺入され前記連結ピンの端面に当接することにより前記スリーブを前記ブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるボルトにより構成してなる請求項10に記載の軸受装置。 - 前記抜取具取付部は前記スリーブの外周面のうち前記ブラケットのピン穴から突出する部位に形成された雄ねじ部により構成し、
前記抜取具は、前記スリーブの雄ねじ部に螺入され前記ブラケットに当接することにより前記スリーブを前記ブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるナットにより構成してなる請求項10に記載の軸受装置。 - 前記抜取具取付部は前記スリーブの外周面のうち前記ブラケットのピン穴から突出する部位に径方向外向きに設けられた突起部により構成し、
前記抜取具は、前記突起部を通過して前記スリーブの外周面に挿嵌され周方向に離間して軸方向に複数のねじ穴が形成された環状部材と、該環状部材と前記突起部との間に設けられ前記突起部に対して環状部材を保持する半割環状部材と、前記環状部材の各ねじ穴に螺入され前記ブラケットに当接することにより前記環状部材、半割環状部材および突起部を介して前記スリーブをブラケットのピン穴から離間する方向に移動させるボルトとにより構成してなる請求項10に記載の軸受装置。
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