JP3659926B2 - パラフィンパック用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパラフィンパック用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は従来のパラフィンパック剤よりも低い温度で溶解し始めるため、使用時の温度を過度に熱いと感じない範囲に設定可能で、しかも、何度も重ねて塗らなくても冷却固化した際に剥がしやすい厚みのある膜を形成する、使用感に優れたパラフィンパック用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
パラフィンパックとは、加温融解させたパラフィン剤を皮膚(指、手、足が主)や爪等の上に付着させ、室温に放置・冷却して固化させた後、皮膚や爪の上から剥がし取る施術であり、爪や肌になめらかさやしっとり感を与えるため、ネイルサロン、エステティックサロン等において大変人気がある。
【0003】
しかし従来のパラフィンパック剤は、常温で固体のパラフィン(融点が46〜60℃)を主成分としており、短時間で完全に溶解するにはパラフィンの融点以上の温度が必要であり、施術時の温度が熱過ぎると感じる人が少なくなかった。またその溶解しにくい性質から、パラフィンパック剤を完全に溶解させるのに少なくとも数時間以上必要であり、そのまま放置すると火事になる危険性や、乳幼児が触れて火傷する可能性まで懸念されている。
また、従来のパラフィンパック剤は冷却して固化させたときの膜の厚みが薄く、塗り重ねなければ剥がしにくいという欠点もあった。
【0004】
皮膚への過度な温浴効果や使用時の安全性を考慮し、さらに融点が低いパラフィンを主成分にするか混合することが考えられるが、一般に流通している、融点が46℃以上のパラフィンと比較してコストが割高であるだけでなく、冷却固化したときの膜がさらに薄くなり、よりいっそう剥がしにくいという欠点がある。
また、パラフィンより融点が低い油剤を配合することも検討されているが、冷却固化したときに分離が起こる、膜が十分に固まらない、剥がしやすい膜が出来ないなどの問題点がある。
【0005】
そのため従来の技術では、施術時の温度が高い、冷却固化したときに形成する膜が剥がしにくいという2つの問題点を同時に解決する手段がなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記事情において、上記欠点を解消する技術が求められていた。すなわち、本発明の目的は、使用時の温度を過度に熱いと感じない範囲に設定可能で、しかも、何度も重ねて塗らなくても冷却固化した際に剥がしやすい厚みのある膜を形成する使用感に優れたパラフィンパック用組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、本発明の目的を達成するために鋭意研究を行った結果、パラフィン、固形脂、及び液状油を含有することを特徴とするパラフィンパック用組成物によって上記欠点が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、融点が35〜60℃のパラフィン、融点が40℃を超える固形脂、及び融点が40℃以下の液状油を含有することを特徴とするパラフィンパック用組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のパラフィンパック用組成物は、基本的には、パラフィン、固形脂及び液状油から構成される。
【0010】
まず本発明のパラフィンパック用組成物の成分であるパラフィンについて説明する。
本発明で用いられるパラフィンは、石油原油を蒸留した残渣を溶剤分別または真空蒸留して得られる白色のやや透明感のある結晶性のロウである。また、炭化水素類の混合物であり、通常混合物として用いられるが、各単独で用いてもよい。融点は35〜60℃であることが必要であり、40〜55℃であることが好ましく、44〜50℃であることがさらに好ましい。
融点が35℃未満のパラフィンを用いると、得られるパラフィンパック用組成物を冷却固化させたときに厚みのある膜ができず、60℃より高い融点のパラフィンを用いると、施術時の温度を高くすることが必要になり、皮膚に過度な温浴効果を与える結果となる。
【0011】
本発明で用いられるパラフィンの本発明のパラフィンパック用組成物中における配合量は、前記パラフィン、前記固形脂、及び前記液状油の合計質量を基準として、10.0〜99.9質量%であることが必要であり、30.0〜95.0質量%であることが好ましく、50.0〜90.0質量%であることがさらに好ましい。
上記配合量が10.0質量%未満では冷却固化したときの膜の厚さが十分でなく、また99.9質量%を超えると使用時の温度を下げることができず、本発明に適当でない。
【0012】
次に、本発明のパラフィンパック用組成物の成分である融点が40℃を超える固形脂、融点が40℃以下の液状油について説明する。
本発明で用いられる固形脂は、融点が40℃を超える油剤を指し、融点が40.1〜80℃の油剤が好ましく、融点が41〜70℃の油剤がさらに好ましい。また、本発明で用いられる液状油は、融点が40℃以下の油剤を指し、融点が−100〜38℃の油剤が好ましく、融点が−90〜36℃の油剤がさらに好ましい。
具体例としては、以下に挙げる通常化粧料又は外用剤に利用される各種の油剤(固体油脂、前記パラフィン以外のロウ類、前記パラフィン以外の炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、エステル油、精油など)の中で、融点が40℃を超える油剤、融点が40℃以下の油剤がそれぞれ該当する。
以下に油剤の具体例を列挙する。
【0013】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、牛脂、羊脂、馬脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヤシ油、硬化パーム油、硬化牛脂、硬化油、硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらはそれぞれ上記固形脂に含まれるか、上記液状油に含まれる。
【0014】
前記パラフィン以外のロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、カポックロウ、サトウキビロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、還元ラノリン、硬質ラノリン、ラウリン酸ヘキシル、ジョジョバロウ、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。これらはそれぞれ上記固形脂に含まれるか、上記液状油に含まれる。
【0015】
前記パラフィン以外の炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、イソパラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。これらはそれぞれ上記固形脂に含まれるか、上記液状油に含まれる。
【0016】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。これらはそれぞれ上記固形脂に含まれるか、上記液状油に含まれる。
【0017】
高級アルコールとしては、炭素数12〜34の飽和又は不飽和のものが好ましく、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等があげられる。これらはそれぞれ上記固形脂に含まれるか、上記液状油に含まれる。
【0018】
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリアルキルシロキサン等が挙げられる。これらは通常上記液状油に含まれるが、上記固形脂に含まれるものもある。
【0019】
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセリンオリゴエステル、(2−ヘキシルデカン酸・セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、グレープシード油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、月見草油、キョウニン油、カロット油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルなどが挙げられる。これらは通常上記液状油に含まれるが、上記固形脂に含まれるものもある。
【0020】
エステル油としては、さらに、多価アルコール、炭素数8〜30の脂肪酸及び/又はヒドロキシ脂肪酸及び炭素数12〜30の二塩基カルボン酸をエステル化して得られるエステル化合物も挙げられる。かかるエステル化合物は通常上記固形脂に含まれる。
【0021】
前記の固形脂は、各単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
さらに溶解時に、35〜60℃の温度において、前記パラフィン及び前記液状油と均一に相溶しうるものが望ましい。
【0022】
本発明における前記固形脂中で、融点が40℃を超える高級アルコールが好ましく、かかる高級アルコールとしては炭素数16〜34の飽和のもの、例えばセチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールがさらに好ましく、その中でセチルアルコールが特に好ましい。
また、本発明における前記固形脂中で、多価アルコール、炭素数8〜30の脂肪酸及び/又はヒドロキシ脂肪酸、及び炭素数12〜30の二塩基カルボン酸をエステル化して得られるエステル化合物であって融点が40℃を超えるものが好ましい。
【0023】
本発明においては、前記固形脂の全量を基準として、前記高級アルコール及び/又は前記エステル化合物の割合が少なくとも10質量%、さらには少なくとも50質量%であることが好ましく、前記固形脂の全量が前記高級アルコール及び/又は前記エステル化合物であることがもっとも好ましい。上記割合が少なくとも10質量%の場合には、その他の固形脂を用いる場合に比して、パック時により厚みのある膜を形成できると共に、通常使用感がより良好になる。
上記において前記高級アルコールと前記エステル化合物を併用する場合には、高級アルコール/エステル化合物(質量比)が1000/1〜1/1000であるのが好ましく、100/1〜1/100であるのがさらに好ましい。
【0024】
前記エステル化合物は、多価アルコール(A)と炭素数8から30の脂肪酸及び/又はヒドロキシ脂肪酸(B)と炭素数12から30の二塩基カルボン酸(C)とをエステル化して得られ、エステル化に際して、これらの成分間の混合割合については特に制限はないが、成分(A):成分(B):成分(C)=1.0モル:1.0〜2.5モル:0.25〜1.0モルであるのが好ましい。エステル化方法については特に制限はなく公知のエステル化方法を用いることができる。得られるエステル化合物は成分(A)残基、成分(B)残基及び成分(C)残基の含有量が異なったエステル化合物の混合物として得られ、通常、混合物のまま用いることができる。
【0025】
エステル化合物の成分である多価アルコールとしては、水酸基を3個以上、特に3〜6個有するものが好ましく、例えば、グリセリン、グリセリン縮合物、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、トリメチロールエタン、ソルビット、キシリトース、ショ糖、グルコース、フルクトース、マンニトールなどが挙げられる。
上記多価アルコールは単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0026】
エステル化合物の成分である炭素数8から30の脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸は、炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基が、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、また、飽和であっても不飽和であってもよく、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べヘン酸、オレイン酸、リシノール酸、パルミトオレイン酸、イソオクチル酸(2−エチルヘキサン酸など)、イソノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸など)、イソパルミチン酸、イソステアリン酸(2−ヘプチルウンデカン酸、エメリー社製の多メチル分枝タイプなど)、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。
本発明において冷却固化した時の膜の厚さをより一層向上させるには、特にラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸などの炭素数12〜28の直鎖状長鎖飽和脂肪酸の1種または2種以上を用いることが望ましい。
上記脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】
炭素数が7以下の脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸を用いる場合には、得られるエステル化合物が皮膚刺激性を有しまた加水分解によって不安定となる傾向を有するので不適当であり、炭素数が31以上の脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸を用いる場合には、エステル化反応が容易に進行しなくなるので適当でない。
【0028】
本発明で使用するエステル化合物の成分である炭素数12から30の二塩基カルボン酸は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、また、飽和であっても不飽和であってもよいが飽和であるのが好ましく、例えば、エイコサン二酸、ドデカン二酸、1、10−デカメチレン二酸、1、12−ドデカメチレン二酸、1、15−ペンタデカメチレン二酸、1、28−オクタコサメチレン二酸、1、7−エチルオクタデカン二酸などが挙げられる。
上記二塩基カルボン酸は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0029】
炭素数11以下の二塩基カルボン酸を使用した場合は、得られるエステル化合物に十分な増粘効果が得られない。一方、炭素数31以上の二塩基カルボン酸を使用した場合、エステル化反応の進行が難しく、また得られる生成物の物性も安定しなくなる。上記観点から該二塩基カルボン酸の炭素数は14〜28であるのが好ましく、16〜28であるのがさらに好ましい。
【0030】
本発明においては前記固形脂に包含されるエステル化合物としてグリセリンとベヘン酸及びエイコサン二酸をエステル化して得られるエステル化合物であるベヘン酸エイコサン二酸グリセリルを、前記したような全固形脂に占めるエステル化合物の好ましい使用割合で、用いることが、パラフィンワックス用組成物の使用感の点で特に好ましい。
【0031】
また、本発明における前記の固形脂の配合量は、前記パラフィン、前記固形脂、及び前記液状油の合計質量を基準として、0.01〜50質量%であることが必要であり、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがさらに好ましい。配合量が0.01質量%未満では冷却固化した時の膜の厚さが十分でなく、また50質量%を超えると使用時の温度が高くなり、本発明に適当ではない。
【0032】
一方、本発明における前記の液状油は、各単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
さらに溶解時に、35〜60℃の温度において、前記パラフィン及び前記固形脂と均一に相溶しうるものが望ましい。
【0033】
また、本発明における前記の液状油の配合量は、前記パラフィン、前記固形脂、及び前記液状油の合計質量を基準として、0.001〜50質量%であることが必要であり、0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがさらに好ましい。0.001質量%未満では使用時の温度を下げることができず、50質量%を越えるとパック剤の固化が阻害されたり、使用時にべたつきや油性感が残ることがある。
【0034】
前述のごとく、本発明の組成物を用いる場合には、従来のパラフィンパック剤よりも低い温度で溶解し始めるので使用時の温度を過度に熱いと感じない範囲に設定可能であり、かつ何度も重ねて塗らなくても冷却固化した際に剥がしやすい厚みのある膜を形成させることができる。この前者の効果については液状油の融点が、後者の効果については固形脂が有する油剤の増粘効果が寄与していると考えられる。すなわち、前者の効果は、パラフィン、固形脂、液体油の溶解物を冷却させる際、融点の低い液状油が最初に溶け始めることによって熱が全体に伝わりやすくなり、全体としての溶解速度が速くなると考えられる。また、後者の効果は、パラフィン、固形脂、液状油の溶解物を冷却させる際、固形脂が相溶しているパラフィン、液状油を増粘させることによって3成分が均一な混合状態を保ち、3成分全体として安定でかつ強固な構造を形成するため、施術時に厚みのある膜を形成すると考えられる。その中でも高級アルコールは、それ自体の持つ固い結晶性により強固な構造を形成する。また、前記エステル化合物は、エステル結合を多数保有する構造のため、皮膚への親和性が高まり、塗付時に皮膚に付着しやすくなり、冷却して厚みのある膜を形成すると考えられる。そのため前記高級アルコールと前記エステル化合物の両方を配合すると、それぞれの持つ機能が発揮され、特に優れた効果を発揮すると考えられる。
【0035】
本発明のパラフィンパック用組成物において、前記パラフィン、前記固形脂、及び前記液状油は35〜60℃の温度において、好ましくは40〜55℃の温度において、さらに好ましくは44〜50℃の温度において均一に相溶した溶液となるのが好ましい。
【0036】
本発明のパラフィンパック用組成物は、上記成分に加え、所望により、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料又は外用剤に利用される各種成分(以下、物性等改善剤という)を配合することができる。
【0037】
かかる物性等改善剤としては、例えば、粉末成分、保湿剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、有機アミン、合成樹脂エマルジョン、pH調製剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、植物抽出液、香料等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて適宜配合することができる。
【0038】
粉末成分としては、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素等が挙げられる。但し、通常化粧料又は外用剤に利用される粉末であれば良く、上記の成分に限定されるものではない。
【0039】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、尿素、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザイヨバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0040】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABA と略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2‘−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2‘−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2‘,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4‘−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル-ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3−(4‘−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2‘−エチルヘキシル−1’−オキシ)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。これらの多く(例えば安息香酸系、アントラニル酸系、サリチル酸系、桂皮酸系等)はエステル油である。
【0041】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0042】
低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0043】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングルコール、2,3−ブチレングルコール、ペンタメチレングルコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール、キシリトール等の5価アルコール、ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアステート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル、POP・POE−ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテルリン酸、POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル等が挙げられる。
【0044】
単糖としては、例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等の三炭糖、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等の四炭糖、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等の五炭糖、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等の六炭糖、アルドヘプトース、ヘプッロース等の七炭糖、オクツロース等の八炭糖、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等のデオキシ糖、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等のアミノ糖、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等のウロン酸等が挙げられる。
【0045】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0046】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0047】
アミノ酸として、例えば、スレオニン、システイン等の中性アミノ酸、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0048】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0049】
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン等が挙げられる。
【0050】
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0051】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA,B1 ,B2 ,B6 ,Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0052】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0053】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0054】
植物抽出物としては、例えば、アカヤジオウ、アセンヤク、アマチャ、アルニカ、アロエ、アンズ、イカリソウ、イチョウ、イラクサ、ウイキョウ、ウコン、ウスベニアオイ、ウンシュウミカン、オウギ、オウレン、オオムギ、オタネニンジン、オトギリソウ、オランダカラシ、オレンジ、カミツレ、カンゾウ、カワラヨモギ、キキョウ、キク、キナノキ、キハダ、キュウリ、クチナシ、クマザサ、クワ、ケイヒ、クララ、ゲッケイジュ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウスイハッカ、コガネバナ、ゴボウ、サフラン、サボンソウ、サンザシ、サンショウ、シソ、シナノキ、シャクヤク、ショウガ、ショウブ、シラカバ、スイカズラ、スギナ、セージ、セイヨウキズタ、セイヨウトチノキ、セイヨウニワトコ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、セイヨウヤドリギ、センキュウ、センブリ、ダイオウ、ダイダイ、タチジャコウソウ、チャ、チョウジ、テウチグルミ、トウキ、トウキンセンカ、トウネズミモチ、ドクダミ、トマト、ナツメ、ナルコユリ、ニクズク、ノイバラ、ノバラ、パセリ、ハトムギ、ハマメリス、バラ、ヒキオコシ、ヒレハリソウ、ビロウドアオイ、ビワ、フキタンポポ、ブドウ、プルーン、ヘチマ、ベニバナ、ホップ、マツホド、マンネンタケ、マンネンロウ、ムクロジ、ムラサキ、ムラサキセンブリ、モモ、ヤグルマギク、ユキノシタ、ユズ、ユリ、ヨモギ、ヨロイグサ、ラベンダー、リンゴ、レタス、レモン、レンギョウ、ローズセンチフォリア、ワレモコウ、ワイルドタイム等から得られる抽出物が挙げられる。
【0055】
その他の配合可能成分としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等の消炎剤、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、真珠タンパク、シルク等の抽出物、感光素、コレステロール誘導体、幼年血液抽出物等の賦活剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、硫黄、チアントール等の抗脂漏剤、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン、精製水、抽出水等が挙げられる。
【0056】
本発明のパラフィンパック剤を得るための調製方法としては、特殊な手段や装置を必要とするものではなく、前記パラフィン、前記固形脂、及び前記液状油を加熱溶解し、物性等改善剤を必要に応じて添加して冷却固化させることにより得ることができる。
【0057】
本発明のパラフィンパック用組成物は、腹部、背部等のボディ、手、足、顔等身体の各部に適用することができ、35〜60℃、好ましくは40〜55℃、より好ましくは44〜50℃に加温して液状にし、皮膚を浸浴させるか又は刷毛やブラシ等を用いて皮膚上に塗布し、常温にて皮膚上に付着した組成物を固化させた後、固形分を皮膚上から剥がし取る等の方法で使用することができる。尚、加温する温度は、35℃未満では組成物が完全に融解せず、また、60℃を超えるとやけどの恐れがあり好ましくない。
【0058】
本発明のパラフィンパック用組成物は、エステティックサロンやネイルサロン等で使用されるほか、専門知識を有さない個人でも自ら使用することができる。
【0059】
【実施例】
次に本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、以下の実施例において配合量は質量%である。
【0060】
実施例に先立ち、各実施例及び比較例で採用した評価法を説明する。
表1、2に示す配合組成で調製し、50℃での溶解状態、固化した時の膜の厚み、安定性、官能について評価を行った。
【0061】
「50℃での溶解状態の評価」
本発明のパラフィンパック用組成物が従来のものより溶け始める温度が低いかを評価するため、表1、2に示す配合の組成物をそれぞれ200mlビーカーに50g計り取り、50℃の恒温水槽で溶解させた。50℃で評価した理由は、一般的なパラフィンパックの施術が50℃を超える温度で行われており、溶け始める時間を測る目安と考えられるためである。ビーカーの壁面に触れている部分が液状になったときの温度を溶け始めとし、30分以内に溶け始めたものを○、31〜60分で溶け始めたものを△、溶け始めるのに61分以上かかるもの、完全に固形化していないものを×とし表1、2に結果を示した。
【0062】
「固化した時の膜の厚み評価」
本発明品200gをステンレスバット内で溶解し(53℃)、左手のひらを手首まで入れて5秒間おき、抜き出して室温で3分間放置した。冷却固化を確認後、パラフィンパック用組成物を剥がし取り、そのとき膜の厚みを判定した。判定基準は、×=膜がうまくできない、△=膜が薄くて剥がしにくい、○=十分な厚みがあり剥がしやすいとし、表1、2に結果を示した。本発明品は50℃以下で施術を行うことができるが、比較例と同一の条件にするため53℃で試験を行った。
【0063】
「安定性評価」
各成分を溶解し、冷却固化したパラフィンパック用組成物を常温でチャック付ビニル袋に入れて1週間保存して安定性を評価した。固形で安定であるものを○、液体の分離などの異常があるものを×とし、結果を表1、2に示した。
【0064】
「官能評価」
10人の専門パネラーが実施例、比較例の各処方のパラフィンパック用組成物を手のひらに施術し、施術後になめらかさ、しっとり感の評価を行った。評価基準は、なめらかさ、しっとり感があるものを○、少ないものを△、膜が形成されず評価出来ないものを×とし、半数以上の回答があったものをその処方の評価とした。結果を表1,2に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
〈※1〉 MDP−0110(日本精鑞製)、融点45℃
〈※2〉 パラフィンワックス115(日本精鑞製)、融点48℃
〈※3〉 パラフィンワックス120(日本精鑞製)、融点51℃
〈※4〉 ノムコートHK−G(日清製油製)、融点65℃
〈※5〉 カルコール6098(花王製)、融点50℃
〈※6〉 カルコール4098(花王製)、融点36℃
〈※7〉 ソフィムスクワランS(岩瀬コスファ製)、融点-20℃以下
〈※8〉 サラコスHS(日清製油製)、融点47℃
〈※9〉 T.I.O(日清製油製)、融点-20℃以下
【0067】
【表2】
【0068】
表1に示すように、本発明の成分を用いた実施例1〜7のパラフィンパック剤は、50℃で溶け始めるのが早く膜の厚み、安定性、官能のいずれも優れた機能を示した。それに対して表2の比較例1〜7のパラフィンパック剤は、50℃での溶解性(溶け始めるのに必要な時間)、膜の厚みの両方、またはどちらかを満たすことができず、さらにいくつかは安定性及び/又は官能評価も劣っていた。
【0069】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明のパラフィンパック用組成物は、従来のパラフィンパック剤よりも低い温度で溶解し始めるため、使用時の温度を過度に熱いと感じない範囲に設定可能で、しかも、何度も重ねて塗らなくても、冷却固化した際に剥がしやすい厚みのある膜を形成させることができ、さらに使用感に優れる。
Claims (5)
- 融点が35〜60℃のパラフィン、融点が40℃を超える固形脂、及び融点が40℃以下の液状油を含有することを特徴とするパラフィンパック用組成物であって、前記固形脂の全量の少なくとも10質量%が下記成分(A)、(B)及び(C)をエステル化して得られるエステル化合物であって融点が40℃を超えるものである該パラフィンパック用組成物:
(A)多価アルコール
(B)炭素数8〜30の脂肪酸及び/又はヒドロキシ脂肪酸
(C)炭素数12〜30の二塩基カルボン酸。 - 前記パラフィン、前記固形脂及び前記液状油の合計質量を基準として、前記パラフィンの配合量が10.0〜99.9質量%、前記固形脂の配合量が0.01〜50.0質量%、前記液状油の配合量が0.001〜50.0質量%である請求項1記載のパラフィンパック用組成物。
- 前記エステル化に際しての混合割合が前記成分(A):前記成分(B):前記成分(C)=1.0モル:1.0〜2.5モル:0.25〜1.0モルである請求項1又は2記載のパラフィンパック用組成物。
- 前記成分(A)がグリセリン、(B)がベヘン酸及び(C)がエイコサン二酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載のパラフィンパック用組成物。
- 前記パラフィン、前記固形脂及び前記液状油が、35〜60℃の温度において均一に相溶した溶液になる請求項1〜4のいずれか1項に記載のパラフィンパック用組成物。
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