JP3925961B2 - 化粧料 - Google Patents

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JP3925961B2
JP3925961B2 JP22050096A JP22050096A JP3925961B2 JP 3925961 B2 JP3925961 B2 JP 3925961B2 JP 22050096 A JP22050096 A JP 22050096A JP 22050096 A JP22050096 A JP 22050096A JP 3925961 B2 JP3925961 B2 JP 3925961B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はペンタエリスリトールと、炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸及びメトキシケイ皮酸との特定組成のエステル混合物を配合して得られる化粧料に関する。さらに詳しくは、紫外線吸収効果を有する上記エステル混合物を配合して得られる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
地表に到達する紫外線は太陽光線中の約6%にすぎないがゴム、塗料、インク等に対して着色、褪色、強度低下、破壊を引き起こし、品質劣化をまねく。このような紫外線による劣化を防止するため、これらの製品および素材を配合する各種製品には、紫外線吸収剤が添加されている。
【0003】
また、紫外線は、人間の皮膚に対しても紅斑や黒化といった皮膚急性反応を惹起し、長期的には、皮膚老化や癌を引き起こす。そのような紫外線の皮膚への悪影響に対する危惧から、近年紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を配合した日焼け止め化粧品の開発が盛んに行われ、様々な製品が発売されている。
【0004】
これらの製品に配合されている紫外線吸収剤は、その構造的にケイ皮酸系、PABA系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、複素環系、カンファ−系、ジベンゾイルメタン系、カルコン系などの分類がなされ、数多くの紫外線吸収剤が開発されてきている。しかしながら、人の皮膚に使用される紫外線吸収剤は、安全性や使用感触、さらに日焼け止めに配合する際の基剤への溶解性等の制約を受け、数多く開発されてきた紫外線吸収剤中でもケイ皮酸系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が皮膚外用剤に高い頻度で使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
化粧品にも使用可能な紫外線吸収剤として、パラメトキシケイ皮酸のエステル化合物を設計する上で、次の点を考慮しなければならない。すなわち、パラメトキシケイ皮酸と低分子量の低級アルコールとのエステルは皮膚への刺激性が懸念される。逆に、高分子量の高級アルコールとのエステルでは、皮膚刺激性は改善されるものの紫外線吸収機能が低下し、また該エステルの融点が上昇する傾向があり、他の配合成分との相溶性が悪くなり、仮に液性を有するものであっても極めて粘稠性が高く、化粧品製造時の作業性の低下は否めない。
【0006】
さらに、パラメトキシケイ皮酸と、エチレングリコールやグリセリン等とのエステルも紫外線吸収剤として知られているが、前記高級アルコールエステルの場合と同様に、常温で高粘性ないし固体状となり、他の原材料との相溶性が劣るため、その利用範囲は限定されるという問題点があった。
【0007】
また、パラメトキシケイ皮酸エステル類を配合した化粧品においては、前記した該エステル類の高融点性、低相溶性に起因して製品の処方設計にはかなりの熟練技術を必要とし、それにもかかわらず経時的な結晶析出、沈殿、乳化破壊等を誘発して、製品全体の紫外線吸収能の低下とそれに伴う配合成分の酸化、重合、変敗(着色、異味、異臭の発生、腐敗)等の品質劣化現象を引き起こすという問題点があり、この問題点に対する技術的対策が大きな課題であった。
【0008】
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意研究した結果、メトキシケイ皮酸エステルを含むペンタエリスリトールの特定組成のエステル混合物が上記の問題点を解決し、このエステル混合物を化粧料に配合すると化粧料基剤との相溶性もよく、優れた紫外線吸収効果を有する化粧料が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の目的は、安全性が高く、他の配合成分に対して相溶性が優れ、品質劣化現象を起こすことなく、長期間に渡り紫外線吸収効果を発揮出来る化粧料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で示されるエステル、一般式( II )で示されるエステル、一般式( III )で示されるエステルの混合物を含有することを特徴とする化粧料を提供するものである。
【化4】
Figure 0003925961
【化5】
Figure 0003925961
【化6】
Figure 0003925961
(式中、R1、R2、R3、およびR4は同一または異なり、炭素原子数7〜17の飽和分枝脂肪酸由来のアルキル基を表し、Xはオルト位またはパラ位のメトキシ基を表す。)
【0011】
また、本発明は、上記一般式(I)、(II)および(III)で示されるエステルの含有割合(重量比)が(I):(II):(III)=58〜65:30〜35:3〜7であり、これらのエステル混合物の10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルにおいて極大吸収波長が312nm、最大吸光度が0.1〜0.5であるエステルを含有することを特徴とする上記記載の化粧料を提供するものである。
【0012】
さらに、本発明は、上記一般式(I)、(II)および(III)で示されるエステルにおいて、R1、R2、R3、およびR4がすべて同一であって、2−エチルヘキサン酸からカルボキシル基を除いた残基であり、Xがパラ位のメトキシ基であるエステルを含有することを特徴とする上記記載の化粧料を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、ペンタエリスリトール1モルに対し、2−エチルヘキサン酸を3.0〜3.8モル、パラメトキシケイ皮酸を0.2〜1.0モルを仕込み、エステル化することによって得られるエステル化合物の混合物を配合することを特徴とする化粧料を提供するものである。
【0014】
さらに、本発明は、前記化粧料が、さらに、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、シリコーンオイル、消炎剤、酸化防止剤または疎水化処理粉末の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記記載の化粧料を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、前記化粧料が、日焼け止め化粧料であることを特徴とする上記記載の化粧料を提供するものである。
【0016】
以下、本発明を詳述する。
本発明は、ペンタエリスリトールと、炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸並びにオルト又はパラメトキシケイ皮酸とが、特定の割合でエステル化されたエステル化合物が含有されてなる化粧料であるが、上記一般式(1)(2)及び(3)のエステル化合物が混合物としてすべて配合されてもよく、またそれぞれ単独にすべて配合されても構わない。
【0017】
具体的には、ペンタエリスリトール1モルに炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸4モルがエステル化されたテトラエステル(一般式(I))、ペンタエリスリトール1モルに炭素原子数8〜18の飽和脂肪酸3モルとオルト又はパラメトキシケイ皮酸1モルとがエステル化されたテトラエステル(一般式(II))、およびペンタエリスリトール1モルに炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸2モルとオルトおよび/またはパラメトキシケイ皮酸2モルとがエステル化されたテトラエステル(一般式(III))が配合された化粧料であり、これらのエステル化合物は紫外線吸収効果を有するので、本発明の化粧料は紫外線吸収効果を発揮させることが出来る。
【0018】
上記エステル化合物のエステル化に用いる炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸は、単一種類の飽和分枝脂肪酸を用いてもよいが、複数種類の飽和分枝脂肪酸を用いることもできる。
【0019】
具体的には、イソオクチル酸(2−エチルヘキサン酸、2,4,4−トリメチルペンタン酸)、イソノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イソデカン酸(3,7−ジメチルオクタン酸)、イソドデカン酸(6−プロピルノナン酸)、ネオトリデカン酸、イソテトラデカン酸(12−メチルトリデカン酸)、イソペンタデカン酸(2−メチルテトラデカン酸、5−メチルテトラデカン酸)、イソヘキサデカン酸(2,2−ジメチルテトラデカン酸)、イソステアリン酸(2−ヘプチルウンデカン酸)、多メチル分枝鎖を有するエメリ−社製イソステアリン酸等を例示できる。
【0020】
最も好ましくは、上記の飽和分枝脂肪酸のうち、2−エチルヘキサン酸を単独使用する場合である。
【0021】
また、メトキシケイ皮酸は、オルト位またはパラ位にメトキシ基を有するものが使用でき、より好ましくはパラメトキシケイ皮酸である。
【0022】
上記3種類のテトラエステルは公知の方法によって調整することができる。すなわち、直接エステル合成法、エステル交換法等があり適宜選択すればよい。
【0023】
直接エステル合成法では、ペンタエリスリトールと、1種もしくは2種以上の炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸とオルトおよび/またはパラメトキシケイ皮酸とを各々所定量(反応当量)混合し、無触媒下または硫酸、塩酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、ニッケル、スズ、チタン、これら金属の酸化物、塩化物等のエステル化触媒の存在下、無溶媒中もしくはキシレン、トルエン等の非水性有機溶媒を共存させて反応を行い、エステル化反応物にアルカリ脱酸、活性炭脱色、シリカゲル分画、減圧脱臭等の精製処理を施すことにより、本発明に配合する上記の3種類のエステル化合物を混合物の形で得ることができる。
【0024】
例えば、ペンタエリスリトール1モルに対し、2−エチルヘキサン酸を3.0〜3.8モル、パラメトキシケイ皮酸を0.2〜1.0モルを仕込み、直接エステル合成法により、エステル化することによって得ることができる。
【0025】
エステル交換法では、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド等の金属アルコラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性物質を触媒として、ペンタエリスリトールと、1種もしくは2種以上の炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸の低級アルコール(炭素原子数1〜4)エステルと、オルト又はパラメトキシケイ皮酸の低級アルコール(炭素原子数1〜4)エステルとを、各々反応当量で混合し、実質的に無水状態で50〜200℃、好ましくは100〜180℃で、20〜40時間エステル交換反応を行い、その後前記直接エステル合成法と同様の精製処理を行えばよい。
【0026】
また、一般式(I)、(II)および(III)で示される個々のエステルを前記したエステル合成法あるいはエステル交換法により製造し、各々の所望量を化粧料に配合して本発明の化粧料を調製することができる。
【0027】
本発明の化粧料は、一般式(I)、(II)および(III)で示される各テトラエステルが任意の混合割合で含有されていてもよいが、その重量比が、(I):(II):(III)=58〜65:30〜35:3〜7である場合が好ましく、さらに好ましくは、(I):(II):(III)=60〜63:32〜33:4〜5であり、かつ一般式(I)、(II)、(III)の混合物を10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルにおいて極大吸収波長(λmax )が312nm、最大吸光度が0.1〜0.5であるものがより好ましく、最も好ましくは、同極大吸収波長で最大吸光度が0.15〜0.3である条件を満足する混合物が配合されたものである。
【0028】
メトキシケイ皮酸残基含有テトラエステルが、上記数値範囲を超えて多く存在すると、粘性が急増し上記エステル化合物を混合物としてを使用する場合の作業性が悪くなり、また併用成分との相溶性も低下する。逆に、メトキシケイ皮酸残基含有テトラエステルが上記数値範囲を超えて少なくなると使用単位量あたりの紫外線吸収能が低下するので所望の紫外線吸収効果が得られにくくなる。
【0029】
本発明に配合する上記3種類のエステル化合物の最も望ましい態様は、(I)ペンタエリスリトールテトラ2−エチルヘキサン酸エステルと、(II)ペンタエリスリトールトリ2−エチルヘキサン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステルと、(III)ペンタエリスリトールジ2−エチルヘキサン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステルとが組成比(重量比)において、60〜63:32〜33:4〜5であり、かつ(I)+(II)+(III)の混合物を10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルにおいて極大吸収波長が0.15〜0.3になるように調整したものである。
【0030】
上記3種類のエステル化合物は、紫外線吸収剤として本発明の化粧料に配合される場合が多いが、この場合は、従来の紫外線吸収剤を配合した化粧料、例えばサンスクリーンクリーム、サンスクリーンローション、日焼け止め口紅、サンスクリーンオイル、サンスクリーンジェル等に配合することにより、日焼け止め化粧料が得られる。この場合、従来の紫外線吸収剤の一部もしくは全量を本発明のエステル化合物に置き換えることができる。さらに消炎剤を配合すれば、日焼け治癒効果を有する日焼け止め化粧料が提供出来る。
【0031】
上記3種類のエステル化合物の本発明の化粧料への配合量は、対象とする化粧料の種類により適宜に調整でき限定されないが、紫外線吸収効果を発揮させる場合は、概してその化粧料全量に対して0.1〜50重量%、好ましくは、1〜10重量%である。
【0032】
また、上記3種類のエステル化合物(特に、一般式(I)で示されるエステル)は、従来の油性基剤の代替油剤としても使用でき、その配合量を調整することによって対象とする化粧料の形態を調整することが出来る。本発明の形態は任意であり、例えば、クリーム状、ペースト状、スチック状、ローション状、スプレー状、ゲル状、乳液状、パウダー状、パック状などに調製することが出来る。
【0033】
本発明の化粧料には上記した必須構成成分の他に通常化粧品に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子化合物、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、消炎剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができる。これらの成分はそれぞれ一種を用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
【0034】
粉末成分としては、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロリン等の天然色素等が挙げられる。但し、一般の化粧品に適用できる粉末であれば良く、上記の成分に限定されるものではない。これらの粉末はそのままでも配合出来るが、メチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン処理、金属石鹸処理、パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシラン等のフッ素処理等を疎水化処理した疎水化処理粉末を配合してもよい。
【0035】
液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
【0036】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0037】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、 POEラノリンアルコールエーテル、 POEラノリンアルコールアセテート、 POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0038】
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0039】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12- ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0040】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等があげられる。
【0041】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2- エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2- ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2- エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2- エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリー2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2- ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル -L-グルタミン酸 -2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2- ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0042】
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコン樹脂、シリコンゴム等が挙げられる。
【0043】
アニオン界面活性剤としては、例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸K 等の高級アルキル硫酸エステル塩、POE ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン酸、N-ミリストイル-N- メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POE オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE ステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ-2- エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L- グルタミン酸モノナトリウム等のN-アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POE アルキルエーテルカルボン酸、POE アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α- オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0044】
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N'-ジメチル-3,5- メチレンピペリジニウム),塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0045】
両性界面活性剤としては、例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド-1- カルボキシエチロキシ2 ナトリウム塩等の、イミダゾリン系両性界面活性剤、2-ヘプタデシル-N- カルボキシメチル-N- ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
【0046】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α, α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0047】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、 POEソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等の POEソルビタン脂肪酸エステル類、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等の POEソルビット脂肪酸エステル類、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等の POEグリセリン脂肪酸エステル類、POE モノオレエート、POE ジステアレート、POE モノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE 脂肪酸エステル類、POE ラウリルエーテル、POE オレイルエーテル、POE ステアリルエーテル、POE ベヘニルエーテル、POE2- オクチルドデシルエーテル、POE コレスタノールエーテル等のPOE アルキルエーテル類、POE オクチルフェニルエーテル、POE ノニルフェニルエーテル、POE ジノニルフェニルエーテル等のPOE アルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、 POE・POPセチルエーテル、 POE・POP2 -デシルテトラデシルエーテル、 POE・POP モノブチルエーテル、 POE・POP 水添ラノリン、 POE・POP グリセリンエーテル等の POE・POP アルキルエーテル類、テトロニック等のテトラ POE・テトラ POPエチレンジアミン縮合物類、 POEヒマシ油、 POE硬化ヒマシ油、 POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、 POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、 POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE 硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOE ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POE ソルビットミツロウ等のPOE ミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POE プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE アルキルアミン、POE 脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0048】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl- ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0049】
天然の水溶性高分子としては、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。
【0050】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。
【0051】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー( カーボポール) 等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、4,000,000 、600,000 等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0052】
無機の水溶性高分子としては、例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg( ビーガム) 、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0053】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト等が挙げられる。
【0054】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸 (以下 PABA と略す) 、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABA チルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル-4- イソプロピルシンナメート、メチル-2,5- ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4- ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4- ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p- メトキシシンナメート、イソプロピル-p- メトキシシンナメート、イソアミル-p- メト キシシンナメート、オクチル-p- メトキシシンナメート(2- エチルヘキシル-p- メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p- メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p- メトキシシンナメート、エチル- α- シアノ−β- フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル- α- シアノ- β- フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2- エチルヘキサノイル- ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5- スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル- ベンゾフェノン-2- カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n- オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3- カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,1- カンファー、3-ベンジリデン-d,1- カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5- メチルベンゾキサゾール、2,2'- ヒドロキシ-5- メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3- ジメチル-2- ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2- オン等が挙げられる。
【0055】
紫外線散乱剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウムなどの無機化合物や、それらの無機化合物をマイカやタルクなどの無機粉体に被覆したり、PMMAやナイロン粉末などの有機樹脂粉体に複合化したものなどが挙げられる。本発明の化粧料にこれらの紫外線散乱剤の一種あるいは二種以上を用いることにより紫外線防止効果が相乗的に高まることが期待できる。本発明の化粧料にこれらの紫外線吸収剤の一種又は二種以上を用いることによりさらに紫外線効果が高まることが期待できる。
【0056】
消炎剤としては、例えば、グリチルリチレ酸ジカリウム、グリチルリチレ酸モノアンモニウムなどのグリチルリチレ酸およびその誘導体、グリチルレチレ酸ステアリルなどのグリチルレチレ酸およびその誘導体、アラントイン、トラネキサム酸、インドメタシン、サリチル酸誘導体、亜鉛華、ヒノキチオール、アズレンなどを挙げることが出来る。本発明の化粧料にこれらの消炎剤の一種あるいは、二種以上を用いることにより、太陽光による肌の「ほてり」を抑制することが期待できる。
【0057】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1- ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1- ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等が挙げられる。
【0058】
低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0059】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングルコール、1,3-ブチレングルコール、テトラメチレングルコール、2,3-ブチレングルコール、ペンタメチレングルコール、2-ブテン-1,4- ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール、キシリトール等の5価アルコール、ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアステート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、 POEテトラハイドロフルフリルアルコール、POP ブチルエーテル、POP POE ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP グリセリンエーテル、POP グリセリンエーテルリン酸、POP POEペンタンエリスリトールエーテル等が挙げられる。
【0060】
単糖としては、例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等の三炭糖、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等の四炭糖、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等の五炭糖、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等の六炭糖、アルドヘプトース、ヘプッロース等の七炭糖、オクツロース等の八炭糖、2-デオキシ-D- リボース、6-デオキシ-L- ガラクトース、6-デオキシ-L- マンノース等のデオキシ糖、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等のアミノ糖、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等のウロン酸等が挙げられる。
【0061】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α, α- トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0062】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0063】
アミノ酸として、例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン等の酸性アミノ酸、およびアルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えばアシルサルコシンナトリウム( ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ- アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0064】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2- メチル−1,3 プロパンジオール、2-アミノ-2- メチル-1- プロパノール等が挙げられる。
【0065】
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン等が挙げられる。
【0066】
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0067】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA,B1 ,B2 ,B6 ,Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0068】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0069】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0070】
本発明の化粧料においては、前記3種類のエステル化合物からなる必須成分と上述した任意成分とを組合せて種々の目的効果を有する化粧料を製造する事が出来、基礎化粧料またはメーキャップ化粧料として利用され、また、身体への適用箇所も限定されず、例えば、皮膚化粧料または毛髪化粧料として利用することができる。
【0071】
【実施例】
以下、本発明を実施例に従って更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0072】
[製造例1]エステル混合物Aの製造
ペンタエリスリトール111.9g、パラメトキシケイ皮酸73.2gおよび2−エチルヘキサン酸414.9gを、攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み菅および水分離菅を備えた1リットル四ツ口フラスコに仕込み、触媒として塩化スズを仕込全量の0.5重量%、還流溶媒としてキシレンを同5重量%添加し、160〜240℃で30時間エステル化反応を行わせ、反応物の酸価が低下しなくなった時点を反応終点とした。次いで、室温まで冷却後、触媒を濾別し、活性炭を用いて脱色処理、さらに3mmHgの減圧下に水蒸気を吹き込み脱臭処理を施して、淡黄色の油状物質(試料Aとする)395gを得た。
このものは、酸価:0.1、水酸基価:0.3、ケン化価:345、粘度:302(センチポイズ/25℃)、10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルのλmax :312nm、最大吸光度:0.17であった。
また、ガスクロマトグラフィー分析の結果、構成成分はペンタエリスリトールテトラ2−エチルヘキサン酸エステル(a)、ペンタエリスリトールトリ2−エチルヘキサン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル(b)、およびペンタエリスリトールジ2−エチルヘキサン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステル(c)の3種類であり、組成比率(重量比)はa:b:c=62.5:32.5:5.0であった。
【0073】
[製造例2]エステル混合物Bの製造
ペンタエリスリトール108.3g、パラメトキシケイ皮酸70.8g、および2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸=1/1(モル比)の混合脂肪酸420.9gを、製造例1と同様の方法でエステル化および精製処理して淡黄色の油状物質(試料Bとする)385gを得た。
試料Bは、酸価:0.1、水酸基価:0.3、ケン化価:330、粘度:300(センチポイズ/25℃)、10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルのλmax :312nm、最大吸光度:0.16であった。
また、製造例1と同様に、ガスクロマトグラフィー分析の結果、構成成分はペンタエリスリトールジ2−エチルヘキサン酸ジ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル(a)、ペンタエリスリトールトリ2−エチルヘキサン酸モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル(b)、ペンタエリスリト−ルモノ2−エチルヘキサン酸トリ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル(c)、ペンタエリスリト−ルジ2−エチルヘキサン酸モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル(d)、ペンタエリスリト−ルモノ2−エチルヘキサン酸ジ3,5,5−トリメチルヘキサン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル(e)、およびペンタエリスリト−ルモノ2−エチルヘキサン酸モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステル(f)の6種類であり、組成比率(重量比)は(a+b+c):(d+e):f=62:33:5であった。
【0074】
[実施例3]エステル混合物Cの製造
ペンタエリスリトール104.1g、パラメトキシケイ皮酸108.9gおよび3,5,5−トリメチルヘキサン酸387.0gを製造例1と同様の方法でエステル化および精製処理して淡黄色の油状物質(試料Cとする)392gを得た。試料Cは酸価:0.1、水酸基価:0.4、ケン化価:318、粘度:308センチポイズ/25℃、製造例1と同様に測定した紫外線吸収スペクトルのλmax :312nm、最大吸光度:0.17であった。またガスクロマトグラフィ−分析の結果、構成成分はペンタエリスリト−ルテトラ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル(a)、ペンタエリスリト−ルトリ3,5,5−トリメチルヘキサン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル(b)およびペンタエリスリト−ルジ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステル(c)の3種類であり、組成比率(重量比)はa:b:c=60.8:33.7:5.5であった。
【0075】
[実施例4]エステル混合物Dの製造
ペンタエリスリトール111.4g、オルトメトキシケイ皮酸87.5gおよび2−エチルヘキサン酸401.1gを製造例1と同様の方法でエステル化および精製処理して淡黄色の油状物質(試料Dとする)390gを得た。試料Dは酸価:0.1、水酸基価:0.3、ケン化価:342、粘度:303センチポイズ/25℃、製造例1と同様に測定した紫外線吸収スペクトルのλmax :312nm、最大吸光度:0.17であった。またガスクロマトグラフィ−分析の結果、構成成分はペンタエリスリト−ルテトラ2−エチルヘキサン酸エステル(a)、ペンタエリスリト−ルトリ2−エチルヘキサン酸モノオルトメトキシケイ皮酸エステル(b)およびペンタエリスリト−ルジ2−エチルヘキサン酸ジオルトメトキシケイ皮酸エステル(c)の3種類であり、組成比率(重量比)はa:b:c=63.0:32.5:4.5であった。
【0076】
[実施例5]エステル混合物Eの製造
ペンタエリスリトール66.9g、パラメトキシケイ皮酸43.8gおよび2−ヘプチルウンデカン酸489.3gを製造例1と同様の方法でエステル化および精製処理して淡黄色の油状物質(試料Eとする)394gを得た。試料Eは酸価:0.1、水酸基価:0.4、ケン化価:194、粘度:348センチポイズ/25℃、製造例1と同様に測定した紫外線吸収スペクトルのλmax:312nm、最大吸光度:0.15であった。またガスクロマトグラフィ−分析の結果、構成成分はペンタエリスリト−ルテトラ2−ヘプチルウンデカン酸エステル(a)、ペンタエリスリト−ルトリ2−ヘプチルウンデカン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル(b)およびペンタエリスリト−ルジ2−ヘプチルウンデカン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステル(c)の3種類であり、組成比率(重量比)はa:b:c=64:32:4であった。
【0077】
上記で製造したエステル混合物A、B、C、D又はEを配合して本発明の化粧料を製造した。配合量は重量%である。
【0078】
「実施例1」 日焼け止め化粧料(油状タイプ)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 48.0%
(2)ジメチルポリシロキサン(10CS/25℃) 20.0
(3)メチルフェニルポリシロキサン(20CS/25℃) 20.0
(4)シリコーン樹脂 10.0
(5)エステル混合物A 2.0
(製法)(1)〜(5)を混合し、十分に溶解した後、濾過して製品とする。
【0079】
[比較例1」
実施例1の処方中、(5)を除く以外は実施例1同様の方法で製品を得た。
【0080】
「実施例2」 日焼け止め化粧料(W/Oクリーム)
(1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 28.0%
(2)ジメチルポリシロキサン(100CS/25℃) 5.0
(3)ジメチルポリシロキサン(2,500,000CS/25℃) 3.0
(4)流動パラフィン 5.0
(5)エステル混合物B 1.5
(6)ポリエーテル変性シリコーン(400CS/25℃) 6.0
(ポリオキシエチレン基含量 20重量%)
(7)精製水 43.1
(8)L−グルタミン酸ナトリウム 3.0
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)防腐剤 0.2
(11)香料 0.2
(製法)(1)〜(6)、(11)を混合し、加熱溶解して70℃に保ち油相部とする。別に(7)〜(10)を加熱溶解して70℃に保ち水相部とする。この油相部に水相部を添加して乳化機より十分に乳化する。乳化後、かきまぜながら冷却し、35℃以下になった容器に流し込み放冷して固める。
【0081】
「比較例2」
実施例2の処方中、(5)を除く以外は実施例2と同様にして製品を得た。
【0082】
「実施例3」 日焼け止め化粧料(O/Wクリーム)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 9.0%
(2)流動パラフィン 3.0
(3)イソプロピルミリステート 2.0
(4)ワセリン 5.0
(5)セタノール 5.0
(6)ステアリン酸 3.0
(7)グリセリンモノイソステアレート 3.0
(8)エステル混合物C 0.1
(9)防腐剤 0.2
(10)香料 0.2
(11)グリセリン 10.0
(12)プロピレングリコール 5.0
(13)ヒアルロン酸 0.01
(14)水酸化カリウム 0.2
(15)精製水 54.29
(製法)(1)〜(10)を70℃で加熱攪拌し油相部とする。(11)〜(15)を70℃に加熱溶解した後水相部とする。油相部を水相部に添加し、乳化機にて乳化する。
乳化物を熱交換機にて30℃まで冷却した後充填して製品を得る。
【0083】
「比較例3」
実施例3の処方中、(8)を除く以外は実施例3と同様にして製品を得た。
【0084】
「実施例4」 日焼け止めローション
(1)ジメチルポリシロキサン(5CS/25℃) 10.0%
(2)メチルフェニルポリシロキサン 7.0
(3)ステアリン酸 1.0
(4)エステル混合物D 20.0
(5)防腐剤 0.2
(6)香料 0.2
(7)グリセリン 5.0
(8)モンモリロナイト 0.5
(9)水酸化カリウム 0.2
(10)精製水 55.9
(製法)(1)〜(6)を70℃で加熱攪拌して油相部とする。(7)〜(10)を70℃に加熱溶解し水相部とする。油相部を水相部中に添加し、乳化機にて乳化する。乳化物を熱交換機にて30℃まで冷却した後充填し日焼け止めローションを得る。
【0085】
「比較例4」
実施例4の処方中、(4)を除く以外は実施例4と同様にして製品を得た。
【0086】
以上のごとくして得られた実施例1〜4及び比較例1〜4について紫外線防止効果の測定を行った。
紫外線防止効果の測定は、次に示す紫外線感受性組成物を用いて行った。
紫外線防止効果の測定は、特開昭62−112020号報に記載の紫外線感受性組成物を用いて行った。
【0087】
以下に紫外線感受性組成物の製法を述べる。
ロイコクリスタルバイオレット1.0g、テトラブロモジチルスルフォン1.0g、エチレン−酢酸ビニル共重合体10g、トルエン100mlからなる液を調製しI液とする。これとは別に、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル7g、エチレン−酢酸ビニル共重合体10g、トルエン100mlからなる液を調製し、II液とする。
【0088】
写真用原紙上に先ずI液を固形分で1g/m2 になるように塗布し乾燥後、其の上にII液を固形分で5g/m2 になるように塗布して紫外線感受性組成物を得る。
この紫外線感受性組成物は紫外線を照射することによってその紫外線照射線量の増加に従って白白→淡紫色→紫色→濃紫色へと呈色する紙である。測定するサンプル40mgをヒマシ油12g中に混合し、ローラー処理を行い均一に分散する。直径5cmの円形の上記紫外線感受性組成物の上に透明PETフィルムを乗せ其の上にこれの1.5%を均一の厚さになるように塗布し、紫外線ランプを8分間照射しPETフィルムをサンプルごと除去し呈色した紫外線感受性組成物を、日立607分光光度計を用い、紫外線照射量が零の時の紫外線感受性組成物の色を基準にしてLAB座標で色差を計算した。
結果は表1に示した。
【0089】
【表1】
Figure 0003925961
【0090】
「表1」からわかるように実施例の色差は、それに対応する比較例の色差よりも小さく紫外線防止効果が高くなっていることがわかる。すなわち、本発明により優れた紫外線防止効果が得られることがわかる。
【0091】
「実施例5」 両用ファンデーション
(1)シリコーン処理酸化チタン 9.5%
(2)シリコーン処理マイカ 40.0
(3)シリコーン処理タルク 20.45
(4)シリコーン処理酸化鉄 7.5
(5)球状ナイロンパウダー 10.0
(6)トリメチロールプロパントリイソステアレート 5.0
(7)スクワラン 3.0
(8)ビースワックス 2.0
(9)エステル混合物E 0.5
(10)ソルビタントリオレート 1.0
(11)防腐剤 0.5
(12)ビタミンE 0.05
(13)香料 0.5
(製法)(1)〜(5)をヘンシェルミキサーで混合し、これに(6)〜(13)を加熱溶解混合したものを添加混合した後粉砕し、これを中皿に成型し日焼け止め両用ファンデーションを得た。
実施例5はのびが軽く、自然な仕上がりとなり、化粧持ちが良く、紫外線防止効果が持続するものであった。
【0092】
「実施例6」 スチック化粧料
(1)酸化チタン 10.0%
(2)酸化亜鉛 7.0
(3)マイカ 16.0
(4)赤色酸化鉄 1.5
(5)黄色酸化鉄 1.5
(6)黒色酸化鉄 1.0
(7)ジメチルポリシロキサン(20CS/25℃) 29.4
(8)トリメチロールプロパントリ−2−エチルヘキサノエート 10.0
(9)流動パラフィン 8.0
(10)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(11)セレシン 1.0
(12)固形パラフィン 6.0
(13)エステル混合物A 5.0
(14)香料 0.5
(15)酸化防止剤 0.1
(16)ソルビタンセスキオレート 1.0
(製法)(1)〜(6)をヘンシェルミキサーで混合し、(7)〜(9)、(13)、(15)、(16)を加熱攪拌溶解したものに加え、混合する。次に(10)〜(12)、(14)を溶融したものを上記混合物に添加し、十分に混合した後、スチック状に成型し、日焼け止めスチック化粧料を得た。
実施例6は高い紫外線防止効果を有し、且つ、化粧持ちに優れるものであった。
【0093】
「実施例7」 化粧下地
(1)ジメチルポリシロキサン(2CS/25℃) 19.0%
(2)グリセリルトリイソステアレート 10.0
(3)アイソパー(登録商標)G 5.0
(4)ソルビタンセスキオレート 1.0
(5)ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン 3.0
(6)精製水 46.0
(7)1,3−ブチレングリコール 5.0
(8)微粒子酸化チタン 10.0
(9)エステル混合物B 1.0
(10)防腐剤 適量
(11)酸化防止剤 適量
(12)香料 適量
(製法)(1)〜(5)、(9)、(11)、(12)を70℃で攪拌溶解し、これにあらかじめ70℃に加熱した(6)〜(8)、(10)を添加し、乳化分散後冷却して目的の日焼け止め化粧下地を得た。
実施例7は高い紫外線効果を有し、且つ化粧持ちに優れるものであった。
【0094】
「実施例8」 スチック化粧料
(1)酸化チタン 10.0%
(2)酸化亜鉛 7.0
(3)マイカ 16.0
(4)赤色酸化鉄 1.5
(5)黄色酸化鉄 1.5
(6)黒色酸化鉄 1.0
(7)ジメチルポリシロキサン(20CS/25℃) 26.4
(8)トリメチロールプロパントリ−2−エチルヘキサノエート 8.0
(9)流動パラフィン 8.0
(10)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(11)セレシン 1.0
(12)固形パラフィン 6.0
(13)エステル混合物C 10.0
(14)香料 0.5
(15)酸化防止剤 0.1
(16)ソルビタンセスキオレート 1.0
(製法)(1)〜(6)をヘンシェルミキサーで混合し、(7)〜(9)、(13)、(15)、(16)を加熱攪拌溶解したものに加え、混合する。次に(10)〜(12)、(14)を溶融したものを上記混合物に添加し、十分に混合した後、スチック状に成型し、日焼け止めスチック化粧料を得た。
実施例8は実施例6以上に高い紫外線防止効果を有し、且つ、化粧持ちにも優れるものであった。
【0095】
「実施例9」 パウダリーファンデーション
(1)タルク 27.7%
(2)マイカ 30.0
(3)カオリン 5.0
(4)二酸化チタン 10.0
(5)雲母チタン 3.0
(6)ステアリン酸亜鉛 1.0
(7)酸化鉄赤 1.0
(8)酸化鉄黄 3.0
(9)酸化鉄黒 0.2
(10)ポリメチルシルセスキオキサン粉末 5.0
(11)スクワラン 6.0
(12)エステル混合物D 5.0
(13)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
(14)モノオレイン酸ソルビタン 0.5
(15)香料 0.5
(16)酸化防止剤 0.1
(製法)(1)〜(10)をヘンシェルミキサーで混合し、これに(11)〜(16)を加熱溶解混合したものを添加混合した後粉砕し、これを中皿に成型しパウダリーファンデーションを得た。このものは高い紫外線防止効果を有し、且つ、化粧持ちにも優れるものであった。
【0096】
「実施例10」 紫外線防止エッセンス
(1)ステアリン酸 3.0%
(2)セタノール 1.0
(3)ラノリン誘導体 3.0
(4)スクワラン 5.0
(5)2−エチルヘキシルステアレート 3.0
(6)1,3−ブチレングリコール 6.0
(7)POEセチルアルコールエーテル 2.0
(8)トリエタノールアミン 1.0
(9)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 4.0
(10)エステル混合物A 1.0
(11)エステル混合物B 1.0
(12)エステル混合物C 1.0
(13)防腐剤 適量
(14)香料 適量
(15)酸化防止剤 適量
(16)精製水 残余
(製法)(16)に(6)、(8)を溶解し加熱して70℃に保ち水相とする。(1)〜(5)を70〜80℃にて加熱溶解後、(7)、(9)〜(15)を順次溶解し70℃に保ち油相とする。水相を攪拌しながら油相を添加し乳化を行う。ホモミキサーで乳化粒子を均一に調整後、脱気、冷却する。
【0097】
「実施例11」 美白エッセンス
(1)ジプロピレングリコール 5.0%
(2)PEG400 5.0
(3)エタノール 10.0
(4)カルボキシビニルポリマー 0.3
(5)アルギン酸ナトリウム 0.3
(6)水酸化カリウム 0.15
(7)POEソルビタンモノステアリン酸エステル 1.0
(8)ソルビタンモノオレイン酸エステル 0.5
(9)エステル混合物A 0.5
(10)プラセンタエキス 0.5
(11)アルブチン 1.0
(12)麹酸 1.0
(13)ビタミンEアセテート 0.1
(14)アラントイン 0.5
(15)香料 適量
(16)防腐剤 適量
(17)酸化防止剤 適量
(16)精製水 残余
(製法)(18)に(4)、(5)を溶解し加熱した後、(1)、(2)、(10)〜(12)、(14)を順次溶解し水相とする。(3)に(7)〜(9)、(13)、(15)〜(17)を溶解し、水相に添加する。一部の(18)に(6)を溶解したものをさらに添加し、攪拌後脱気、濾過する。
【0098】
「実施例12」 乳液
(1)ステアリン酸 2.0%
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 4.0
(4)スクワラン 5.0
(5)エステル混合物A 1.0
(6)グリセリントリ2−エチルヘキサン酸エステル 2.0
(7)ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0
(8)ジプロピレングリコール 5.0
(9)PEG1500 3.0
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)グリチルレチン酸ステアリル 0.1
(12)防腐剤 適量
(13)香料 適量
(14)精製水 残余
(製法)(14)に(8)〜(10)を加え70℃に加熱し、水相とする。(1)〜(7)、(11)〜(13)を加熱溶解し、油相とする。水相に油相を添加し乳化する。ホモジナイザーを用い乳化粒子を調整し、脱気、冷却する。
【0099】
「実施例13」 ヘアフォーム
(原液処方)
(1)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(POE60) 1.0%
(2)エステル混合物E 5.0
(3)グリセリン 3.0
(4)香料 適量
(5)防腐剤 適量
(6)精製水 残余
(7)エチルアルコール 15.0
(充填処方)
(8)原液 90.0
(9)液化石油ガス 10.0
(製法)(2)を(3)と(1)の溶解物に添加し、攪拌する。(6)と(7)を添加し、ホモジナイザーで均一に乳化し、その他の成分を添加して攪拌し、原液とする。充填は缶に原液を充填し、バルブ装着後、ガスを充填する。
【0100】
「実施例14」 化粧油
(1)オリーブ油 49.8%
(2)流動パラフィン 30.0
(3)エステル混合物D 20.0
(4)ビタミンEアセテート 0.2
(5)酸化防止剤 適量
(6)香料 適量
(製法)(1)〜(6)の各成分を添加し、攪拌溶解する。
【0101】
「実施例15」 口紅
(1)二酸化チタン 5.0%
(2)赤色201号 0.6
(3)赤色202号 1.0
(4)赤色223号 0.2
(5)キャンデリラロウ 9.0
(6)固形パラフィン 8.0
(7)ミツロウ 5.0
(8)カルナウバロウ 5.0
(9)ラノリン 11.0
(10)ヒマシ油 25.2
(11)エステル混合物B 20.0
(12)イソプロピルミリスチン酸エステル 10.0
(13)酸化防止剤 適量
(14)香料 適量
(製法)(1)〜(3)を(10)の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。(4)を(10)の一部に溶解する(染料部)。他の成分を混合し加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0102】
「実施例16」 口紅
(1)二酸化チタン 4.5%
(2)赤色201号 0.5
(3)赤色202号 2.0
(4)赤色223号 0.05
(5)セレシン 4.0
(6)キャンデリラロウ 8.0
(7)カルナウバロウ 2.0
(8)ヒマシ油 30.0
(9)エステル混合物C 10.0
(10)イソステアリン酸ジグリセライド 29.95
(11)ポリオキシエチレン(25)ポリオキシプロピレン(20)
2−テトラデシルエチール 1.0
(12)イオン交換水 5.0
(13)グリセリン 2.0
(14)プロピレングリコール 1.0
(15)紫外線防止剤 適量
(16)酸化防止剤 適量
(17)香料 適量
(製法)(1)〜(3)を(8)の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。(4)を(8)に溶解する(染料部)。(12)〜(14)を80℃で均一に溶解する(水相)。他の成分を混合し、加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。その後、水相を加えホモミキサーで乳化分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0103】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、保存安定性に優れ、乳化分離、結晶析出、沈殿、変敗現象等を発生することなく品質維持が可能な化粧料であり、また長期間にわたり紫外線吸収効果を発揮させることが出来る。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で示されるエステル、一般式( II )で示されるエステル、一般式( III )で示されるエステルの混合物を含有することを特徴とする化粧料。
    Figure 0003925961
    Figure 0003925961
    Figure 0003925961
    (式中、R1、R2、R3、およびR4は同一または異なり、炭素原子数7〜17の飽和分枝脂肪酸由来のアルキル基を表し、Xはオルト位またはパラ位のメトキシ基を表す。)
  2. 前記一般式(I)、(II)および(III)で示されるエステルの含有割合(重量比)が(I):(II):(III)=58〜65:30〜35:3〜7であり、これらのエステル混合物の10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルにおいて極大吸収波長が312nm、最大吸光度が0.1〜0.5であるエステルを含有することを特徴とする請求項1記載の化粧料。
  3. 前記一般式(I)、(II)および(III)で示されるエステルにおいて、R1、R2、R3、およびR4がすべて同一であって、2−エチルヘキサン酸からカルボキシル基を除いた残基であり、Xがパラ位のメトキシ基であるエステルを含有することを特徴とする請求項1または2記載の化粧料。
  4. ペンタエリスリトール1モルに対し、2−エチルヘキサン酸を3.0〜3.8モル、パラメトキシケイ皮酸を0.2〜1.0モルを仕込み、エステル化することによって得られるエステル化合物の混合物を配合することを特徴とする化粧料。
  5. 前記化粧料が、さらに、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、シリコーンオイル、消炎剤、酸化防止剤または疎水化処理粉末の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の化粧料。
  6. 前記化粧料が、日焼け止め化粧料であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の化粧料。
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