JP3657705B2 - ラジエータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータのコア部を覆ってシュラウドを配置し、シュラウドに電動ファンを配置してなるラジエータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラジエータのコア部を覆ってシュラウドを配置し、シュラウドに電動ファンを配置してなるラジエータ装置として、例えば、実開昭63−96228号公報に開示されるものが知られている。
図3は、この公報に開示されるラジエータ装置を示すもので、このラジエータ装置では、上下方向に間隔を置いて入口側タンク11および出口側タンク13を配置し、これ等のタンク11,13の間にコア部15を形成してラジエータ17が形成されている。
【0003】
そして、ラジエータ17のコア部15の背面に、コア部15の全面を覆ってシュラウド19が配置され、このシュラウド19に電動ファン20が配置されている。
しかしながら、このような従来のラジエータ装置では、ラジエータ17のコア部15の背面に、コア部15の全面を覆ってシュラウド19を配置しているため、シュラウド19が抵抗となり、自動車の走行により生じる走行風をシュラウド19側に効率的に導入することが困難であり、走行風の有効利用を図ることができないという問題があった。
【0004】
そこで、従来、図4に示すように、ラジエータ21のコア部21aの一部を覆ってシュラウド23を配置し、シュラウド23に覆われない走行風導入領域21bから走行風を積極的に導入するようにしたラジエータ装置が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のラジエータ装置では、コア部21aの水平方向のエンジン25の排気マニホールド25aと反対側にシュラウド23を配置し、コア部21aの水平方向のエンジン25の排気マニホールド25a側にシュラウド23に覆われない走行風導入領域21bを形成しているため、電動ファン27によりシュラウド23から排出された空気が排気マニホールド25aに衝突し、排気マニホールド25aにより暖められた比較的高温の空気が、走行風導入領域21bを通りラジエータ21のコア部21aの前面に環流し、冷却効率が低下するという問題があった。
【0006】
そして、特に、自動車が停止状態にあるエンジン25のアイドル回転時には、シュラウド23に覆われない走行風導入領域21bに走行風が供給されないため、この現象が顕著になり、冷却効率が極端に低下するという問題が生じる。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、自動車の走行風を有効に利用することができるとともに、排気マニホールドに衝突した空気の環流を確実に防止することができるラジエータ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1のラジエータ装置は、前側にかつ左右方向の片側に寄せて排気マニホールド(35a)が形成されるエンジン(35)の前方に、ラジエータ(31)のコア部(41)を配置するとともに、前記コア部(41)の前記エンジン(35)側となる面に、前記コア部(41)を覆ってシュラウド(51)を配置し、前記シュラウド(51)に電動ファン(57)を配置してなるラジエータ装置において、前記コア部(41)の前記排気マニホールド(35a)側に前記シュラウド(51)を配置するとともに、前記コア部(41)の前記排気マニホールド(35a)側と反対側に前記シュラウド(51)に覆われない走行風導入領域(59)を形成してなることを特徴とする。
【0009】
請求項2のラジエータ装置は、請求項1記載のラジエータ装置において、前記コア部における走行風導入領域の境界部に、前記エンジン側に突出する吹き返し防止部材を配置してなることを特徴とする。
請求項3のラジエータ装置は、請求項1または2記載のラジエータ装置において、前記吹き返し防止部材は、樹脂からなる前記シュラウドに一体形成されていることを特徴とする。
【0010】
(作用)
請求項1のラジエータ装置では、コア部の水平方向のエンジンの排気マニホールド側にシュラウドを配置したので、電動ファンからの空気の排気マニホールド側への流出が低減され、排気マニホールドで高温となった空気の環流は少ない。一方、コア部の水平方向のエンジンの排気マニホールド側と反対側にシュラウドに覆われない走行風導入領域を形成したので、走行風導入領域からの走行風が排気マニホールドに衝突することなく流出される。
【0011】
請求項2のラジエータ装置では、コア部における走行風導入領域の境界部に、エンジン側に突出する吹き返し防止部材を配置したので、走行風導入領域からの走行風の流れが吹き返し防止部材により案内され排気マニホールド側と反対側に流出され、また、排気マニホールド側からの高温な空気の環流が少ない。
請求項3のラジエータ装置では、シュラウドが樹脂により形成され、このシュラウドに吹き返し防止部材が一体形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態について説明する。
図1および図2は、本発明のラジエータ装置の一実施形態を示すもので、図において符号31は、自動車に配置されるラジエータを示している。
このラジエータ31の前方には、コンデンサ33が配置されている。
【0013】
一方、ラジエータ31の後方には、エンジン35が配置されている。
エンジン35の前側には、エンジン35からの排気を排気管に導くための排気マニホールド35aが配置されている。
また、エンジン35の側方には、変速機35bが配置されている。
ラジエータ31は、上下方向に間隔を置いて入口側タンク37および出口側タンク39を配置し、これ等のタンク37,39の間にコア部41を形成して構成されている。
【0014】
コア部41は、チューブ43とコルゲートフィン45とを交互に積層して形成されている。
コア部41の両側にはレインフォース47が配置されている。
そして、ラジエータ31のコア部41の背面に、エンジン35の排気マニホールド35a側のコア部41を覆ってシュラウド51が配置されている。
【0015】
このシュラウド51には、コア部41の略中央に対応する位置、すなわちエンジン35の変速機35b側に偏って円形の開口部51aが形成されている。
開口部51aには、モータ53とファン55とからなる電動ファン57が配置されている。
【0016】
モータ55は、ステー51bを介してシュラウド51に支持されている。
コア部41の水平方向の一側、すなわちエンジン35の変速機35b側には、シュラウド51に覆われない走行風導入領域59が形成されている。
そして、コア部41における走行風導入領域59の境界部に、エンジン35側に突出する吹き返し防止部材61が配置されている。
【0017】
この吹き返し防止部材61は、樹脂からなるシュラウド51に一体形成されている。
上述したラジエータ装置では、電動ファン57によりシュラウド51に導かれた空気は、シュラウド51に形成される開口部51aから変速機35b側に導かれ外部に流出される。
【0018】
また、走行風導入領域59からコア部41を通過した走行風は、吹き返し防止部材61により案内され、そのまま変速機35b側から流出される。
以上のように構成されたラジエータ装置では、コア部41の水平方向のエンジン35の排気マニホールド35a側と反対側にシュラウド51に覆われない走行風導入領域59を形成したので、自動車の走行風を有効に利用することができる。
【0019】
また、走行風導入領域59からの走行風が排気マニホールド35aに衝突することなく流出されるため、排気マニホールド35aに衝突した空気の環流を確実に防止することができる。
さらに、上述したラジエータ装置では、コア部41における走行風導入領域59の境界部に、エンジン35側に突出する吹き返し防止部材61を配置したので、走行風導入領域59への排気マニホールド35a側からの高温な空気の環流を確実に防止することができる。
【0020】
また、樹脂からなるシュラウド51に吹き返し防止部材61を一体形成したので、吹き返し防止部材61を別途シュラウド51に固定する必要がなくなり、吹き返し防止部材61の取付工数を削減することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のラジエータ装置では、コア部の水平方向のエンジンの排気マニホールド側と反対側にシュラウドに覆われない走行風導入領域を形成したので、自動車の走行風を有効に利用することができる。
【0022】
また、走行風導入領域からの走行風が排気マニホールドに衝突することなく流出されるため、排気マニホールドに衝突した空気の環流を確実に防止することができる。
請求項2のラジエータ装置では、コア部における走行風導入領域の境界部に、エンジン側に突出する吹き返し防止部材を配置したので、走行風導入領域に排気マニホールド側からの空気の環流を確実に防止することができる。
【0023】
請求項3のラジエータ装置では、樹脂からなるシュラウドに吹き返し防止部材を一体形成したので、吹き返し防止部材を別途シュラウドに固定する必要がなくなり、吹き返し防止部材の取付工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラジエータ装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のラジエータ装置を示す背面図である。
【図3】従来のラジエータ装置を示す斜視図である。
【図4】従来のラジエータ装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
31 ラジエータ
35 エンジン
35a 排気マニホールド
41 コア部
51 シュラウド
57 電動ファン
59 走行風導入領域
61 吹き返し防止部材

Claims (3)

  1. 前側にかつ左右方向の片側に寄せて排気マニホールド(35a)が形成されるエンジン(35)の前方に、ラジエータ(31)のコア部(41)を配置するとともに、前記コア部(41)の前記エンジン(35)側となる面に、前記コア部(41)を覆ってシュラウド(51)を配置し、前記シュラウド(51)に電動ファン(57)を配置してなるラジエータ装置において、
    前記コア部(41)の前記排気マニホールド(35a)側に前記シュラウド(51)を配置するとともに、前記コア部(41)の前記排気マニホールド(35a)側と反対側に前記シュラウド(51)に覆われない走行風導入領域(59)を形成してなることを特徴とするラジエータ装置。
  2. 請求項1記載のラジエータ装置において、
    前記コア部(41)における走行風導入領域(59)の境界部に、前記エンジン(35)側に突出する吹き返し防止部材(61)を配置してなることを特徴とするラジエータ装置。
  3. 請求項1または2記載のラジエータ装置において、
    前記吹き返し防止部材(61)は、樹脂からなる前記シュラウド(51)に一体形成されていることを特徴とするラジエータ装置。
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