JP3657188B2 - 装置及びその動作方法 - Google Patents

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  • Signal Processing (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
  • Manipulation Of Pulses (AREA)
  • Static Random-Access Memory (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置に関する。本発明は、特に、ある信号が、HighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移したことを検出するエッジ検出回路を含む装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある入力信号が、HighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移したことを検出するエッジ検出回路が知られている。
【0003】
このようなエッジ検出回路が、公開特許公報(特開平1―260915)に開示されている。公知のその装置は、図10に示されているように、フリップフロップ回路101〜104、インバーター105、106、遅延回路107〜110、XORゲート111〜114、ORゲート115、アドレスデコーダ116からなる。公知のその装置は、アドレス信号120、121がHighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移したことを検出する。
【0004】
アドレス信号120、121として、図11に示された波形を有する信号が入力された時の動作を以下に説明する。
【0005】
アドレス信号120がLowレベルからHighレベルに変化したとき、フリップフロップ回路101によりこの変化が検出され、出力パルスが発生される。
【0006】
次に、HighレベルからLowレベルにアドレス信号120が変化したときは、フリップフロップ回路102によりこの変化が検出される。更に、所定の遅延時間Tよりも短い時間Tで、LowレベルからHighレベルへの変化が発生した場合には、フリップフロップ回路101により、この変化が検出される。
【0007】
公知のそのエッジ検出回路は、所定の遅延時間Tよりも短い時間でLowレベルからHighレベルへの変化が発生した場合でも、出力パルスが分離されず、確実なエッジ検出信号が、アドレスデコーダ116のイネーブルに入力される。
【0008】
しかし、公知のそのエッジ検出回路は、HighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移するエッジ位置を示す信号を出力するものではない。公知のそのエッジ検出回路は、単に、アドレス信号120、121が、HighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移したことを検出して、アドレスデコーダ116をイネーブルにするのに過ぎない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ある信号がHighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移するエッジ位置を検出し、そのエッジ位置に基づいて動作をする装置の消費電力を小さくすることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、ある信号がHighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移するエッジ位置を検出し、そのエッジ位置に基づいて動作をする装置の動作を安定化することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段は、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の複数の実施の形態のうちの、少なくとも1つの実施の形態を構成する技術的事項、特に、その実施の形態に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0012】
本発明による装置は、エッジ検出回路(1、2、2、7、7)と後続回路(3)とを具備する。エッジ検出回路(1、2、2、7、7)は、入力信号(a)のエッジを検出し、そのエッジ位置を示すエッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)を出力する。後続回路(3)はエッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)が入力される。エッジ検出回路(1、2、2、7、7)は、入力信号(a)のエッジを検出したとき、後続回路に動作(3)を許可するエッジ検出信号(e、e、e’、e’)を出力する。後続回路(3)は、エッジ検出信号(e、e、e’、e’)が指示するタイミングでエッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)を演算処理する。当該装置は、入力信号(a)のエッジが検出されないときの電力消費が抑制される。
【0013】
当該装置において、エッジ検出信号(e、e、e’、e’)は、一定値以上のパルス幅を有するパルス群からなることが望ましい。このとき、エッジ検出回路(1、2、2、7、7)がクロック信号(CLK〜CLKn−1)に同期して入力信号(a)のエッジを検出する場合には、そのパルス群のパルス幅は、クロック信号(CLK〜CLKn−1)の周期(T)以上であることが望ましい。これにより、当該装置の動作が安定化する。
【0014】
また、エッジ検出信号(e、e、e’、e’)は、エッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)に基づいて生成されることが望ましい。これにより、当該装置の構成が簡素化される。
【0015】
また、エッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)は、入力信号(a)のエッジ位置を離散的に示すことが望ましい。これにより、後続回路(3)は、エッジ位置をデジタル演算することが可能になる。
【0016】
また、エッジ位置指示信号(c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)の状態は、入力信号(a)のエッジが検出されたときのみに遷移することが望ましい。これにより、後続回路(3)がエッジ位置指示信号(c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)を演算処理するタイミングの余裕が大きくなる。
【0017】
また、当該装置において、後続回路(3)は、エッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)に基づいて、入力信号(a)に同期した他のクロック信号(f)を生成することがある。
【0018】
この場合、後続回路(3)は、エッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)に基づいて、互いに位相が異なるクロック信号群(CLK〜CLKn−1)のうちから他のクロック信号(f)を選択して出力することが望ましい。これにより、他のクロック信号(f)をより短時間で出力することができる。
【0019】
また、後続回路(3)は、他のクロック信号(f)に同期して入力信号を標本化することにより生成された再生信号(g)を出力することがある。
【0020】
また、当該装置において、エッジ検出回路(1、2、2、7、7)は、サンプル回路(1)と、エッジ位置検出回路(2、2、7、7)とを含むことがある。サンプル回路(1)は、互いに位相が異なるn個のクロック信号群にそれぞれ同期して入力信号(a)を標本化し、n個のサンプル信号群(b〜bn−1)を生成する。エッジ位置検出回路(2、2、7、7)は、サンプル信号群(b〜bn−1)に基づいて、エッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)とエッジ検出信号(e、e、e’、e’)とを生成する。このときエッジ位置検出回路(2、2、7、7)は、サンプル信号群(b〜bn−1)のうちの2のサンプル信号が異なる値を示すことに応答してエッジ検出信号(e、e、e’、e’)を生成する。
【0021】
また、後続回路(3)は、過去に入力された入力信号(a)の過去エッジ位置を記憶する記憶回路(42、42)を含むことがある。このとき、後続回路(3)は、その過去エッジ位置と前述のエッジ位置とに基づいて、他のクロック信号(f)を生成することがある。これにより、当該装置は、入力信号(a)に含まれ得るノイズやジッタの影響を受けにくくなる。
【0022】
本発明による装置の動作方法は、
入力信号(a)のエッジを検出することと、
入力信号(a)のエッジのエッジ位置を示すエッジ位置指示信号(c〜c −1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)を出力することと、
エッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)に基づいて回路(3)を動作すること
とを具備する。このとき、その動作することは、
入力信号(a)のエッジを検出したとき、回路(3)に動作を許可するエッジ検出信号(e、e、e’、e’)を出力することと、
エッジ検出信号(e、e、e’、e’)が指示するタイミングでエッジ位置指示信号(c〜cn−1、d〜dn−1、c’〜cn−1’、d’〜dn−1’)を演算処理することとを含む。
【0023】
このとき、その動作することは、更に、入力信号(a)のエッジ位置に基づいて他のクロックパルス(f)を生成して出力することを含むことが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明による実施の形態の装置を説明する。
【0025】
実施の第1形態:
本発明の実施の第1形態の装置は、クロック信号再生装置である。当該装置は、波形が鈍っている一の入力信号に同期するクロック信号を生成する。更に、当該装置は、そのクロック信号でその一の入力信号を標本化して、その入力信号の波形を再生する。以下、その装置の構成を説明する。
【0026】
図1は実施の第1形態の装置の構成を示す。当該装置は、サンプル回路1と、立ち上がりエッジ位置検出回路2と、立ち下がりエッジ位置検出回路2と出力回路3とを含む。
【0027】
サンプル回路1は、互いに位相が異なるn個のクロック信号CLK〜CLKn−1を用いて入力信号aを標本化し、サンプルデータ信号b〜bn−1を出力する。当該実施の形態では、n=8である。
【0028】
立ち上がりエッジ位置検出回路2は、サンプルデータ信号b〜bn−1に基づいて、入力信号aの立ち上がりエッジ位置を検出する。立ち上がりエッジ位置検出回路2は、検出された立ち上がりエッジ位置を示す立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1を生成する。更に立ち上がりエッジ位置検出回路2は、サンプルデータ信号b〜bn−1に基づいて入力信号aがLowレベルからHighレベルに遷移したことを検出すると、一定の時間だけエッジ検出信号eをHighレベルにする。
【0029】
立ち下がりエッジ位置検出回路2は、入力信号aの立ち下がりエッジ位置を検出する点以外は、立ち上がりエッジ位置検出回路2と同様の動作をする。立ち下がりエッジ位置検出回路2は、前述のサンプルデータ信号b〜bn−1に基づいて、入力信号aの立ち下がりエッジ位置を検出し、検出された立ち上がりエッジ位置を示す立ち上がりエッジ位置信号d〜dn−1を生成する。更に立ち上がりエッジ位置検出回路2は、入力信号aがHighレベルからLowレベルに遷移したことを検出すると、一定の時間だけエッジ検出信号eをHighレベルにする。
【0030】
立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1、及びエッジ検出信号e、eは、出力回路3に出力される。
【0031】
出力回路3は、エッジ検出信号eがLowレベルからHighレベルに遷移したとき、立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1を取り込む。更に出力回路3は、エッジ検出信号eがLowレベルからHighレベルに遷移したとき、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1を取り込む。出力回路3は、立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1が示す入力信号aの立ち上がり位置と、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1が示す入力信号aの立ち下がり位置とに基づいて、クロック信号CLK〜CLKn−1のうち最も入力信号aに同期しているものを選択し、選択クロック信号fとして出力する。更に、出力回路3は、サンプルデータ信号b〜bn−1のうち、入力信号aを選択クロック信号fにより標本化したものに相当するものを、データ再生信号gとして出力する。
【0032】
当該装置では、入力信号aの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが検出されると、エッジエッジ検出信号e、eにより出力回路3が動作するタイミングが指示される。入力信号aにおいて立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが検出されたときに出力回路3が動作し、入力信号aの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが検出されないときには、出力回路3は動作しない。これにより、当該装置の電力の消費が抑制される。
【0033】
続いて、当該実施の形態の装置を詳細に説明する。
【0034】
サンプル回路1には、クロック信号CLK〜CLKn−1が入力される。クロック信号CLK〜CLKn−1は、同一の周期T及びクロックパルス幅Tを有するが、互いに位相が異なる。より具体的には、クロック信号CLKは、クロック信号CLKを基準として、2πi/nだけ位相が遅れている。ここでiは、0以上n−1以下の整数である。サンプル回路1は、クロック信号CLK〜CLKn−1を用いて入力信号aを標本化する。
【0035】
なお、本明細書において、位相は、クロック信号CLKがLowレベルからHighレベルに立ち上がる時刻において0であると定義されている。この定義によれば、クロック信号CLKよりも2πi/nだけ位相が遅れているクロック信号CLKは、位相が2πi/nである時刻においてLowレベルからHighレベルに立ち上がると表現されることになる。
【0036】
図2は、サンプル回路1の構成を示す。サンプル回路1は、Dフリップフロップ1〜1n−1を含む。それぞれのDフリップフロップ1〜1n−1には、入力信号aが入力される。更に、Dフリップフロップ1〜1n−1には、クロック信号CLK〜CLKn−1がそれぞれ入力される。Dフリップフロップ1〜1n−1は、それぞれクロック信号CLK〜CLKn−1を用いて入力信号aを標本化し、それぞれサンプル信号b〜bn−1を出力する。サンプル信号b〜bn−1は、立ち上がりエッジ位置検出回路2と立ち下がりエッジ位置検出回路2とに出力される。
【0037】
前述のとおり、立ち上がりエッジ位置検出回路2は、サンプル信号b〜bn−1に基づいて、入力信号aの立ち上がりエッジ位置を検出する。
【0038】
その立ち上がりエッジ位置は、離散化され、0以上n−1の整数で表現される。ここで、入力信号aの立ち上がりエッジ位置がiであるとは、位相が2πi/nである時刻と、位相が2π(i+1)/nである時刻の間で入力信号aが立ち上がったことを意味する。ここでiは、0以上n−1の整数である。例えば、i=0について考えると、立ち上がりエッジ位置が0であるとは、位相が0である時刻と、位相が2π/nである時刻の間で入力信号aが立ち上がったことを意味する。同様に、立ち上がりエッジ位置が1であるとは、位相が2π/nである時刻と、位相が2π×2/nである時刻の間で入力信号aが立ち上がったことを意味する。iが他の数である場合についても同様である。ここで、位相が2π×n/nであることと、位相が0であることとは等価である。即ち、立ち上がりエッジ位置がn−1であるとは、位相が2π×n−1/nである時刻と位相が0である時刻との間で、入力信号aが立ち上がったことを意味する。
【0039】
立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1のうちの立ち上がりエッジ位置信号cがHighレベルであることは、立ち上がりエッジ位置がiであることを示している。ここでiは、0以上n−1以下の整数である。即ち、立ち上がりエッジ位置検出回路2が出力する立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1は、離散化された、入力信号aの立ち上がりエッジ位置を示す。立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1は、全てLowレベルであるか、そのうちの一のみがHighレベルをとるかのいずれかである。
【0040】
図3は、立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1を生成する立ち上がりエッジ位置検出回路2の構成を示す。立ち上がりエッジ位置検出回路2は、ANDゲート21〜21n−1、Dフリップフロップ22〜22n−1、ORゲート23、インバータ24、24とからなる。
【0041】
ANDゲート21〜21n−1のうちのANDゲート21には、サンプル信号bの負論理とサンプル信号bi+1とが入力される。ここで、iは0以上n−1以下の整数である。例えば、i=0について、ANDゲート21には、サンプル信号bの負論理とサンプル信号bとが入力される。以下、iが他の数である場合も同様である。但し、サンプル信号bは、サンプル信号bであると考える。即ち、ANDゲート21nー1には、サンプル信号bn−1の負論理とサンプル信号bとが入力される。ANDゲート21の出力は、位相が2πi/nとなる時刻と位相が2π(i+1)/nとなる時刻との間に、入力信号aがLowレベルからHighレベルに立ち上がると、Highレベルになる。ANDゲート21〜21n−1の出力は、それぞれ、Dフリップフロップ22〜22n−1のデータ端子Dに接続されている。
【0042】
Dフリップフロップ22〜22n−1のクロック端子CLKには、それぞれ、クロック信号CLK〜CLKn−1が入力される。Dフリップフロップ22〜22n−1は、それぞれクロック信号CLK〜CLKn−1の立ち上がりエッジに同期して、それぞれANDゲート21〜21n−1から出力される電位をラッチする。
【0043】
Dフリップフロップ22〜22n−1の出力端子Qからは、それぞれ、立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1が出力される。立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1のうちの立ち上がりエッジ位置信号cは、位相が2πi/nとなる時刻と位相が2π(i+1)/nとなる時刻との間に、入力信号aがLowレベルからHighレベルに立ち上がると、Highレベルになる。
【0044】
更に、Dフリップフロップ22〜22n−1の出力端子Qは、ORゲート23の入力に接続されている。ORゲート23の出力は、インバータ24の入力に接続されている。インバータ24の出力は、インバータ24の入力に接続されている。インバータ24の出力からは、エッジ検出信号eが出力される。エッジ検出信号eは、立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1のいずれかがHighレベルになると、Highレベルになる。即ち、エッジ検出信号eは、入力信号aがいずれかの時刻でLowレベルからHighレベルに立ち上がったことを示す。
【0045】
一方、立ち下がりエッジ位置検出回路2は、サンプル信号b〜bn−1に基づいて、入力信号aの立ち下がりエッジ位置を検出する。その立ち下がりエッジ位置も、立ち上がりエッジ位置と同様に離散化され、0以上n−1以下の整数により表現される。入力信号aの立ち下がりエッジ位置がiであるとは、位相が2πi/nである時刻と、位相が2π(i+1)/nである時刻の間で入力信号aが立ち下がったことを意味する。立ち上がりエッジ位置がiであることは、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1のうちの立ち上がりエッジ位置信号dがHighレベルであることにより示される。
【0046】
図4は立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1を生成する立ち下がりエッジ位置検出回路2の構成を示す。立ち下がりエッジ位置検出回路2は、立ち上がりエッジ位置検出回路2と類似した構成を有しており、ANDゲート25〜25n−1、Dフリップフロップ26〜26n−1、ORゲート27、インバータ28、28とからなる。
【0047】
ANDゲート25〜25n−1のうちのANDゲート25には、サンプル信号bとサンプル信号bi+1の負論理とが入力される。ここで、iは0以上n−1以下の整数である。例えば、i=0について、ANDゲート25には、サンプル信号bとサンプル信号bの負論理とが入力される。以下、iが他の数である場合も同様である。但し、サンプル信号bは、サンプル信号bであると考える。即ち、ANDゲート25nー1には、サンプル信号bn−1とサンプル信号bの負論理とが入力される。ANDゲート25の出力は、位相が2πi/nとなる時刻と位相が2π(i+1)/nとなる時刻との間に、入力信号aがHighレベルからLowレベルに立ち下がると、Highレベルになる。ANDゲート25〜25n−1の出力は、それぞれ、Dフリップフロップ26〜26n−1のデータ端子Dに接続されている。
【0048】
Dフリップフロップ26〜26n−1は、ANDゲート25〜25n−1から出力される電位をラッチして立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1として出力する。Dフリップフロップ26〜26n−1は、そのクロック端子CLKに入力されるクロック信号CLK〜CLKn−1の立ち上がりエッジに同期して、ANDゲート21〜21n−1から出力される電位をラッチする。
【0049】
Dフリップフロップ26〜26n−1の出力端子Qからは、それぞれ、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1が出力される。立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1のうちの立ち下がりエッジ位置信号dは、位相が2πi/nとなる時刻と位相が2π(i+1)/nとなる時刻との間に、入力信号aがHighレベルからLowレベルに立ち下がると、Highレベルになる。
【0050】
更に、Dフリップフロップ26〜26n−1の出力端子Qは、ORゲート27の入力に接続されている。ORゲート27の出力は、インバータ28の入力に接続されている。インバータ28の出力は、インバータ28の入力に接続されている。インバータ28の出力からは、エッジ検出信号eが出力される。エッジ検出信号eは、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1のいずれかがHighレベルになると、Highレベルになる。即ち、エッジ検出信号eは、入力信号aがいずれかの時刻でLowレベルからHighレベルに立ち上がったことを示す。
【0051】
図5を参照しながら、上述のサンプル回路1、立ち上がりエッジ位置検出回路2、及び立ち下がりエッジ位置検出回路2の動作を説明する。図5においては、n=8であることから、クロック信号CLK〜CLKn−1は、クロック信号CLK〜CLKと記載されている。サンプル信号b〜bn−1、立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1、及び立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1についても同様に、それぞれサンプル信号b〜b、立ち上がりエッジ位置信号c〜c、及び立ち下がりエッジ位置信号d〜dと記載されている。
【0052】
時刻t<tにおいて、入力信号aは、Lowレベルである。サンプル信号b〜bは、いずれもLowレベルとなる。時刻t<tにおいて、入力信号aは、立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジのいずれも有しない。従って、立ち上がりエッジ位置信号c〜c、立ち下がりエッジ位置信号d〜d、及びエッジ検出信号e、eは、いずれもLowレベルのまま維持される。
【0053】
時刻tにおいて、入力信号aは、LowレベルからHighレベルに立ち上がる。時刻tは、クロック信号CLKが立ち上がる時刻と、クロック信号CLKが立ち上がる時刻の間の時刻である。即ち、時刻tは、位相が2π×7/8(=2π(n−1)/n)である時刻と、位相が0である時刻との間の時刻である。入力信号aの立ち上がりエッジ位置は、サンプル回路1と立ち上がりエッジ位置検出回路2とにより、7(=n−1)であると検出される。その過程を以下に説明する。
【0054】
サンプル回路1は、クロック信号CLK〜CLKが立ち上がる毎に入力信号aを標本化し、サンプル信号b〜bを出力する。サンプル信号b〜bは、それぞれクロック信号CLK〜CLKが立ち上がると、LowレベルからHighレベルに遷移する。
【0055】
立ち上がりエッジ位置信号c〜cがHighレベルとLowレベルのいずれの状態になるかは、それぞれクロック信号CLK〜CLKが立ち上がったときに定められる。より詳細には、クロック信号CLKが立ち上がって以後、立ち上がりエッジ位置信号cがHighレベルとLowレベルのいずれをとるかは、クロック信号CLKが立ち上がる直前のサンプル信号bi、i+1に基づいて定められる。ここでiは、0以上7(=n−1)以下の整数である。
【0056】
クロック信号CLKが立ち上がる直前において、サンプル信号b、bは、いずれもLowレベルである。クロック信号CLKが立ち上がったとき、立ち上がりエッジ位置信号cは、サンプル信号bの負論理と、サンプル信号bとの論理積になる。クロック信号CLKが立ち上がる直前において、Lowレベルであった立ち上がりエッジ位置信号cは、そのまま、Lowレベルのまま維持されることになる。
【0057】
同様にして、立ち上がりエッジ位置信号c〜cが、それぞれクロック信号CLK〜CLKが立ち上がった後もLowレベルのまま維持されることが理解される。
【0058】
一方、クロック信号CLKが立ち上がる直前において、サンプル信号b、bは、それぞれLowレベル、Highレベルである。クロック信号CLKが立ち上がったとき、立ち上がりエッジ位置信号cは、サンプル信号bの負論理と、サンプル信号bとの論理積になる。従って、立ち上がりエッジ位置信号cは、クロック信号CLKが立ち上がったとき、LowレベルからHighレベルに遷移する。
【0059】
このように、立ち上がりエッジ位置信号c〜cがLowレベル、立ち上がりエッジ位置信号cがHighレベルになる。これは、入力信号aの立ち上がりエッジ位置が7であると検出されたことを意味する。このようにして、入力信号aの立ち上がりエッジ位置は、サンプル回路1と立ち上がりエッジ位置検出回路2とにより、7(=n−1)であると検出される。
【0060】
更に、立ち上がりエッジ位置信号c〜cの論理和が、データ検出信号eとして出力される。データ検出信号eは、立ち上がりエッジ位置信号cがHighレベルに遷移したことに対応して、Highレベルに遷移する。但し、データ検出信号eがHighレベルに遷移するタイミングは、立ち上がりエッジ位置信号cがHighレベルに遷移するタイミングよりも、ある遅延時間だけ遅れている。その遅延時間は、図3に示されたORゲート23、インバータ24、24により生じる。インバータ24、24は、この遅延時間を発生するために使用されている。
【0061】
この遅延時間は、立ち上がりエッジ位置信号c〜cを取り込むのに適したタイミングでデータ検出信号eがHighレベルに遷移するように設けられている。後述されるように、出力回路3は、データ検出信号eがHighレベルに遷移したとき、立ち上がりエッジ位置信号c〜cを取り込む。データ検出信号eがHighレベルに遷移するタイミングが、立ち上がりエッジ位置信号cがHighレベルに遷移するタイミングよりも、ある遅延時間だけ遅れていることにより、適正なタイミングで立ち上がりエッジ位置信号c〜cが取り込まれる。
【0062】
データ検出信号eが一度Highレベルに遷移した後は、少なくとも、クロック信号CLK〜CLKの周期Tより短い時間内に、Lowレベルに遷移することはない。即ち、データ検出信号eに含まれる矩形パルスのパルス幅は、必ず、クロック信号CLK〜CLKの周期T以上である。なぜなら、データ検出信号eが生成されるもととなる立ち上がりエッジ位置信号c〜cは、一度Highレベルに遷移した後、クロック信号CLK〜CLKの周期Tと同一の時間の間に、Lowレベルに遷移することがないからである。立ち上がりエッジ位置信号c〜cは、それぞれ、クロック信号CLK〜CLKが立ち上がった時にしかその状態が変更されない。従って、立ち上がりエッジ位置信号c〜cは、一度Highレベルに遷移した後は、クロック信号CLK〜CLKの周期Tより短い時間内に、Lowレベルに遷移することはない。
【0063】
このように、データ検出信号eのパルス幅が、必ずクロック信号CLK〜CLKの周期T以上に確保されていることは、当該実施の形態の装置の安定的な動作に寄与する。
【0064】
時刻tにおいてLowレベルからHighレベルに立ち上がった入力信号aは、時刻tにおいて、HighレベルからLowレベルに立ち下がる。時刻tは、クロック信号CLKが立ち上がる時刻と、クロック信号CLKが立ち上がる時刻の間の時刻である。即ち、時刻tは、位相が2π×7/8(=2π(n−1)/n)である時刻と、位相が0である時刻との間の時刻である。入力信号aの立ち下がりエッジ位置は、サンプル回路1と立ち下がりエッジ位置検出回路2とにより、7(=n−1)であると検出される。その過程は、前述された入力信号aの立ち上がりエッジ位置が7(=n−1)であると検出される過程と同様である。
【0065】
立ち下がりエッジ位置検出回路2は、立ち下がりエッジ位置信号d〜dをLowレベルのまま維持し、クロック信号CLKが立ち上がったとき、立ち下がりエッジ位置信号dをHighレベルにする。即ち、立ち下がりエッジ位置検出回路2は、入力信号aの立ち下がりエッジ位置が7(=n−1)であると検出する。
【0066】
更に、立ち下がりエッジ位置検出回路2は、立ち下がりエッジ位置信号dがHighレベルに遷移するタイミングよりも、ある遅延時間だけ遅れてデータ検出信号eをHighレベルに遷移させる。このデータ検出信号eのパルス幅も、データ検出信号eと同様に、必ずクロック信号CLK〜CLKの周期T以上に確保されている。
【0067】
立ち上がりエッジ位置検出回路2から出力される立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1並びにエッジ検出信号e、及び、立ち下がりエッジ位置検出回路2から出力される立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1並びにエッジ検出信号eは、出力回路3に入力される。
【0068】
出力回路3は、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4、最適化立ち下がりエッジ位置算出部4、クロック選択回路5、及び選択出力回路6とからなる。最適化立ち上がりエッジ位置算出部4は、エッジ比較回路41と、エッジ記憶回路42とを含む。最適化立ち下がりエッジ位置算出部4は、エッジ比較回路41と、エッジ記憶回路42とを含む。
【0069】
最適化立ち上がりエッジ位置算出部4は、立ち上がりエッジ位置検出回路2が検出した最新の立ち上がりエッジ位置に基づいて、最終的に、入力信号aの立ち上がりエッジ位置として最も確からしいものを定める。
【0070】
立ち上がりエッジ位置検出回路2が検出した最新の立ち上がりエッジ位置は、入力信号aにノイズやジッタが含まれていることによる影響を受けやすい。立ち上がりエッジ位置検出回路2により立ち上がりエッジ位置が急激に変動したと検出されても、それは、単にノイズやジッタによる影響による見かけ上のものであることがある。
【0071】
そこで、ノイズやジッタによる影響を排除するために、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4は、以下のような動作を行う。入力信号aの立ち上がりエッジ位置として最も確からしいもの(以下、「最適化立ち上がりエッジ位置」という。)がエッジ位置記憶回路42に記憶されている。その最適化立ち上がりエッジ位置は、立ち上がりエッジ位置検出回路2が検出した最新の立ち上がりエッジ位置とエッジ比較回路41により比較され、徐々に調整される。その最適化立ち上がりエッジ位置が、最終的に、入力信号aの立ち上がりエッジ位置であると定められる。最適化立ち上がりエッジ位置は、最適化立ち上がりエッジ位置信号hによりクロック選択回路5に伝達される。
【0072】
このとき、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4は、エッジ検出信号eがLowレベルからHighレベルに遷移したときのみ、新たに最適化立ち上がりエッジ位置を定める。即ち、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4は入力信号aに立ち上がりエッジが検出されたときのみ、新たに最適化立ち上がりエッジ位置を定める。これにより、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4の電力の消費量が抑制されている。
【0073】
図6は、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4の構成を示す。前述されているように、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4は、エッジ比較回路41とエッジ位置記憶回路42とを含む。エッジ比較回路41は、比較回路43、加算回路44、レジスタ45、最適化エッジ位置変更指示回路46を含む。
【0074】
前述されているように、エッジ位置記憶回路42は、最適化立ち上がりエッジ位置を記憶する。その最適化立ち上がりエッジ位置も、前述の立ち上がりエッジ位置検出回路2により検出される立ち上がりエッジ位置と同様に離散化され、0以上n−1の整数で表現される。
【0075】
レジスタ45は、カウンタ値Cを記憶する。このカウンタ値Cは、最適化立ち上がりエッジ位置と検出される立ち上がりエッジ位置とが、食い違っている期間が長い程、0から大きくずれる。カウンタ値Cの正負は、検出される立ち上がりエッジ位置が最適化立ち上がりエッジ位置に対して時間的に前にあるのか、後ろにあるのかを示している。カウンタ値Cは、最適化立ち上がりエッジ位置を変更する際に参照される。
【0076】
比較回路43には、立ち上がりエッジ位置検出回路2により検出される立ち上がりエッジ位置を示す立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1と、最適化立ち上がりエッジ位置を示す最適化立ち上がりエッジ位置信号jとが入力される。比較回路43は、立ち上がりエッジ位置と、最適化立ち上がりエッジ位置とを比較する。
【0077】
比較回路43は比較の結果に応じて比較出力値Aを出力する。比較出力値Aは、立ち上がりエッジ位置をi、最適化立ち上がりエッジ位置iとして、以下のようにして定められる。
【0078】
<iのとき、比較回路43は、比較出力値Aとして−1を出力する。また、i=iのとき、比較回路43は、比較出力値Aとして0を出力する。また、i>iのとき、比較回路43は、比較出力値Aとして+1を出力する。
【0079】
加算器44は、比較出力値Aと、レジスタ45が保持するカウント値Cとを加算し、レジスタ45に加算値Bを出力する。レジスタ45は、前述のエッジ検出信号eがLowレベルからHighレベルに立ち上がる毎に加算値Bを取り込み、それが保持するカウント値Cを加算値Bに一致させる。レジスタ45は、保持するカウンタ値Cを最適化エッジ位置変更指示回路46に出力する。
【0080】
最適化エッジ位置変更指示回路46は、レジスタ45の出力するカウント値Cに応答して、最適化立ち上がりエッジ位置を調整する旨を指示する調整指示信号kをエッジ位置記憶回路42に出力する。最適化エッジ位置変更指示回路46は、カウント値Cが所定の上限値に到達した場合、エッジ位置記憶回路42に、最適化立ち上がりエッジ位置を1だけ増加することを指示する調整指示信号kを出力する。また、最適化エッジ位置変更指示回路46は、カウント値Cが、所定の下限値に到達した場合には、最適化立ち上がりエッジ位置を1だけ減少することを指示する調整指示信号kを出力する。
【0081】
エッジ位置記憶回路42は、調整指示信号kに応じて、それが記憶する最適化立ち上がりエッジ位置を増減して調整する。
【0082】
以上の過程により、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4は、入力信号aに含まれるノイズやジッタの影響を排除しながら、最終的に、入力信号aの立ち上がりエッジ位置として最も確からしい最適化立ち上がりエッジ位置を定める。
【0083】
最適化立ち下がりエッジ位置算出部4も、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4と同様に、立ち下がりエッジ位置検出回路2が検出した最新の立ち下がりエッジ位置に基づいて、最終的に、入力信号aの立ち下がりエッジ位置として最も確からしいもの(以下、「最適化立ち下がりエッジ位置」という。)を定める。
【0084】
その最適化立ち下がりエッジ位置も、前述の立ち上がりエッジ位置検出回路2により検出される立ち上がりエッジ位置と同様に離散化され、0以上n−1の整数で表現される。
【0085】
最適化立ち下がりエッジ位置算出部4は、以下のような動作を行う。最適化立ち下がりエッジ位置がエッジ位置記憶回路42に記憶されている。その最適化立ち下がりエッジ位置は、立ち下がりエッジ位置検出回路2が検出した最新の立ち下がりエッジ位置とエッジ比較回路42により比較され、徐々に調整される。その最適化立ち下がりエッジ位置が、最終的に、入力信号aの立ち下がりエッジ位置であると定められる。
【0086】
最適化立ち下がりエッジ位置算出部4は、図6に示されているように、エッジ比較回路41とエッジ位置記憶回路42とを含む。エッジ比較回路41は、比較回路43、加算回路44、レジスタ45、最適化エッジ位置変更指示回路46を含む。図6に示されているように、最適化立ち下がりエッジ位置算出部4の回路構成は、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4と同様であり、最適化立ち下がりエッジ位置算出部4の動作も、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4と同様である。
【0087】
ただし、最適化立ち下がりエッジ位置算出部4に入力される信号及び出力される信号は、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4に入力される信号及び出力される信号と異なる。立ち上がりエッジ位置信号c〜cn−1が入力される代わりに、最適化立ち下がりエッジ位置算出部4には、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1が入力される。最適化立ち下がりエッジ位置算出部4は、立ち下がりエッジ位置信号d〜dn−1に基づいて、エッジ位置記憶回路42に記憶された最適化立ち下がりエッジ位置を調整する。
【0088】
エッジ位置記憶回路42、42にそれぞれ記憶された最適化立ち上がりエッジ位置と最適化立ち下がりエッジ位置とは、それぞれ、最適化立ち上がりエッジ位置信号hと最適化立ち下がりエッジ位置信号hによりクロック選択回路5に伝達される。
【0089】
クロック選択回路5は、最適化立ち上がりエッジ位置と最適化立ち下がりエッジ位置とから、クロック信号CLK〜CLKn−1のうちから、入力信号aを標本化するのに最も適したものを選択する。より具体的には、クロック選択回路5は、クロック信号CLK〜CLKn−1のうちから、その立ち上がり位置が、最適化立ち上がりエッジ位置と最適化立ち下がりエッジ位置との中間の位置に最も近くなるものを選択する。
【0090】
即ち、クロック信号CLK〜CLKn−1のうち、クロック選択回路5により選択されるものをクロック信号CLKであるとしたとき、
≧kのとき、x=[(k+k+n)/2],
<kのとき、x=[(k+k)/2].
ここで、kは最適化立ち上がりエッジ位置、kは最適化立ち下がりエッジ位置である。また、[X]はガウス記号であり、Xを越えない最大の整数を意味する。
【0091】
クロック選択回路5は、クロック信号CLK〜CLKn−1のうちいずれを選択したかを示すクロック選択信号lを、選択出力回路6に出力する。
【0092】
選択出力回路6は、クロック信号CLK〜CLKn−1のうちクロック選択回路5により選択されたものを、選択クロック信号fとして出力する。更に選択出力回路6は、サンプル信号b〜bn−1のうち、入力信号aを選択クロック信号fにより標本化したものに相当するものを、データ再生信号gとして出力する。即ち、クロック信号CLK〜CLKn−1のうちクロック選択回路5により選択されたものをクロック信号CLKとすると、選択出力回路6は、サンプル信号b〜bn−1のうちのサンプル信号bを、データ再生信号gとして出力する。データ再生信号gは、クロック信号CLKに同期し、且つ、入力信号aの波形を再生した信号となる。
【0093】
以上のようにして、当該実施の形態の装置は、入力信号aに同期するクロック信号fを生成する。更に、当該装置は、クロック信号fでその一の入力信号を標本化して、その入力信号aの波形を再生する。
【0094】
このとき、当該実施の形態の装置は、入力信号aに立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが検出されたときに出力回路3が動作し、入力信号aの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが検出されないときには、出力回路3は動作しない。これにより、当該実施の形態の装置の電力の消費が抑制される。
【0095】
実施の第2形態:
図7は、本発明の実施の第2形態の装置を示す。実施の第2形態の装置の構成は、実施の第1形態の装置とほぼ同様である。実施の第2形態の装置は、実施の第1形態の装置に含まれる立ち上がりエッジ位置検出回路2と立ち下がりエッジ位置検出回路2とが、それぞれ、立ち上がりエッジ位置検出回路7と立ち下がりエッジ位置検出回路7とに置換された構成を有する。立ち上がりエッジ位置検出回路7と立ち下がりエッジ位置検出回路7の構成と動作は、立ち上がりエッジ位置検出回路2と立ち下がりエッジ位置検出回路2と異なる。実施の第2形態の装置の他の部分の構成及び動作は、実施の第1形態の装置のそれらと同じである。
【0096】
立ち上がりエッジ位置検出回路7は、立ち上がりエッジ位置検出回路2と同様に、入力信号aの立ち上がりエッジ位置を検出し、その立ち上がりエッジ位置を示す立ち上がりエッジ位置検出信号c’〜cn−1’を出力する。
【0097】
立ち上がりエッジ位置検出回路7が出力する立ち上がりエッジ位置検出信号c’〜cn−1’は、立ち上がりエッジ位置検出回路2が出力する立ち上がりエッジ位置検出信号c〜cn−1と異なり、入力信号aがLowレベルからHighレベルに立ち上がらない限り、そのままに維持される。即ち、立ち上がりエッジ位置検出回路2が出力する立ち上がりエッジ位置検出信号c〜cn−1は、一度Highレベルに遷移しても、入力信号aがLowレベルに戻れば、クロック信号CLK〜CLKn−1に同期してLowレベルに戻る。しかし、立ち上がりエッジ位置検出回路7が出力する立ち上がりエッジ位置検出信号c’〜cn−1’は、入力信号aに立ち上がりエッジが検出されない限り、その状態を遷移しない。これにより、立ち上がりエッジ位置検出信号c’〜cn−1’を取り込んで処理する出力回路3の動作タイミングの余裕を大きくすることができ、出力回路3の安定的な動作が可能になる。
【0098】
図8は、立ち上がりエッジ位置検出回路7の構成を示す。立ち上がりエッジ位置検出回路7は、ANDゲート71〜71n−1、Dフリップフロップ72〜72n−1、ORゲート73、インバータ74、74、Dフリップフロップ75〜75n−1、インバータ76、76とからなる。
【0099】
ANDゲート71〜71n−1のうちのANDゲート71には、サンプル回路1から出力されるサンプル信号bの負論理とサンプル信号bi+1とが入力される。ここで、iは0以上n−1以下の整数である。例えば、i=0について、ANDゲート71には、サンプル信号bの負論理とサンプル信号bとが入力される。以下、iが他の数である場合も同様である。但し、i=n−1について、サンプル信号bは、サンプル信号bであると考える。即ち、ANDゲート71nー1には、サンプル信号bn−1の負論理とサンプル信号bとが入力される。ANDゲート71〜71n−1の出力は、それぞれ、Dフリップフロップ72〜72n−1のデータ端子Dに接続されている。
【0100】
Dフリップフロップ72〜72n−1のクロック端子CLKには、それぞれクロック信号CLK〜CLKn−1が入力される。Dフリップフロップ72〜72n−1は、そのクロック端子CLKに入力されるクロック信号CLK〜CLKn−1の立ち上がりエッジに同期して、それぞれANDゲート71〜71n−1から出力される信号をラッチする。
【0101】
Dフリップフロップ72〜72n−1の出力端子Qは、ORゲート73の入力に接続されている。ORゲート73の出力は、インバータ74の入力に接続されている。インバータ74の出力は、インバータ74の入力に接続されている。インバータ74の出力は、Dフリップフロップ75〜75n−1のクロック端子CLKに接続されている。
【0102】
インバータ74、インバータ74は、Dフリップフロップ75〜75n−1が、適正なタイミングでDフリップフロップ72〜72n−1の出力端子Qから出力される信号をラッチするように、ORゲート73から出力される信号をある遅延時間だけ遅延する。
【0103】
Dフリップフロップ75〜75n−1のデータ端子Dは、それぞれ、Dフリップフロップ72〜72n−1の出力端子Qに接続されている。Dフリップフロップ75〜75n−1は、その出力端子Qから、立ち上がりエッジ位置検出信号c’〜cn−1’を出力する。
【0104】
更に、前述のインバータ74の出力は、インバータ76の入力に接続されている。インバータ76の出力は、インバータ76の入力に接続されている。インバータ76の出力から、エッジ検出信号e’が出力される。
【0105】
インバータ76、76は、エッジ検出信号e’の立ち上がりエッジに同期して立ち上がりエッジ位置信号c’〜cn−1’を取り込む出力回路3が、立ち上がりエッジ位置検出信号c’〜cn−1’を適正なタイミングでラッチするように、インバータ74から出力される信号をある遅延時間だけ遅延する。
【0106】
入力信号aの立ち上がりエッジ位置を示す立ち上がりエッジ位置検出信号c’〜cn−1’は、出力回路3に出力される。
【0107】
一方、図9は、立ち下がりエッジ位置検出回路7の構成を示す。立ち下がりエッジ位置検出回路7は、ANDゲート81〜81n−1、Dフリップフロップ82〜82n−1、ORゲート83、インバータ84、84、Dフリップフロップ85〜85n−1、インバータ86、86とからなる。
【0108】
立ち下がりエッジ位置検出回路7は、入力信号aの立ち下がりエッジ位置を検出し、その立ち下がりエッジ位置を示す立ち下がりエッジ位置信号d’〜dn−1’を生成する点以外は、立ち上がりエッジ位置検出回路7と同様の構成、動作を行う。立ち下がりエッジ位置検出回路7の詳細な説明は行わない。
【0109】
実施の第2形態の装置は、実施の第1形態の装置と同様に、電力の消費が抑制される。更に実施の第2形態の装置は、実施の第1形態の装置よりも動作の安定性が高い。
【0110】
【発明の効果】
本発明により、ある信号がHighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移するエッジ位置を検出し、そのエッジ位置に基づいて動作をする装置の消費電力を小さくすることができる。当該装置に含まれるエッジ検出回路は、エッジを検出したときに後続回路に動作を許可するエッジ検出信号を出力し、その後続回路は、そのエッジ検出信号が指示するタイミングでエッジ位置指示信号を演算処理するからである。
【0111】
また、本発明により、ある信号がHighレベルからLowレベルに、又は、LowレベルからHighレベルに遷移するエッジ位置を検出し、そのエッジ位置に基づいて動作をする装置の動作を安定化することができる。当該装置に含まれるエッジ検出回路は、エッジを検出したときに後続回路に動作を許可するエッジ検出信号を出力する。このとき、そのエッジ検出信号は、一定値以上のパルス幅を有するパルス群からなるからである。また、そのパルス幅は、クロック信号の周期以上であるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の第1形態の装置の構成を示す。
【図2】図2は、サンプル回路1の構成を示す。
【図3】図3は、立ち上がりエッジ位置検出回路2の構成を示す。
【図4】図4は、立ち下がりエッジ位置検出回路2の構成を示す。
【図5】図5は、サンプル回路1、立ち上がりエッジ位置検出回路2、及び立ち下がりエッジ位置検出回路2の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図6は、最適化立ち上がりエッジ位置算出部4及び最適化立ち下がりエッジ位置算出部4の構成を示す。
【図7】図7は、本発明の実施の第2形態の装置の構成を示す。
【図8】図8は、立ち上がりエッジ位置検出回路7の構成を示す。
【図9】図9は、立ち下がりエッジ位置検出回路7の構成を示す。
【図10】図10は、公知のエッジ検出回路の構成を示す。
【図11】図11は、公知のエッジ検出回路の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1:サンプル回路
:立ち上がりエッジ位置検出回路
:立ち下がりエッジ位置検出回路
3:出力回路
:最適化立ち上がりエッジ位置算出部
:最適化立ち下がりエッジ位置算出部
5:クロック選択回路
6:選択出力回路
42、42:エッジ位置記憶回路

Claims (12)

  1. 入力信号のエッジを検出し、前記エッジのエッジ位置を示すエッジ位置指示信号を出力するエッジ検出回路と、
    前記エッジ位置指示信号が入力される後続回路
    とを具備し、
    前記エッジ検出回路は、前記エッジを検出したときに前記後続回路に動作を許可する、一定値以上のパルス幅を有するパルス群からなるエッジ検出信号を出力し、
    前記後続回路は、前記エッジ検出信号が指示するタイミングで前記エッジ位置指示信号を演算処理する
    装置。
  2. 請求項の装置において、
    前記エッジ検出回路は、クロック信号に同期して前記エッジを検出し、
    前記パルス幅は、前記クロック信号の周期以上である
    装置。
  3. 請求項1の装置において、
    前記エッジ検出信号は、前記エッジ位置指示信号に基づいて生成される
    装置。
  4. 請求項1の装置において、
    前記エッジ位置指示信号は、前記エッジ位置を離散的に示す
    装置。
  5. 請求項1の装置において、
    前記エッジ位置指示信号の状態は、前記エッジが検出されたときのみに遷移する
    装置。
  6. 請求項1の装置において、
    前記後続回路は、前記エッジ位置指示信号に基づいて、前記入力信号に同期した他のクロック信号を生成する
    装置。
  7. 請求項の装置において、
    前記後続回路は、前記エッジ位置指示信号に基づいて、互いに位相が異なるクロック信号群のうちから前記他のクロック信号を選択して出力する
    装置。
  8. 請求項の装置において、
    前記後続回路は、前記他のクロック信号に同期して前記入力信号を標本化することにより生成された再生信号を出力する
    装置。
  9. 請求項の装置において、
    前記後続回路は、過去に入力された入力信号の過去エッジ位置を記憶する記憶回路を含み、
    前記後続回路は、過去エッジ位置と前記エッジ位置とに基づいて、前記他のクロック信号を生成する
    装置。
  10. 請求項1の装置において、
    前記エッジ検出回路は、
    互いに位相が異なるn個のクロック信号群にそれぞれ同期して前記入力信号を標本化し、n個のサンプル信号群を生成するサンプル回路と、
    前記サンプル信号群に基づいて、前記エッジ位置指示信号と前記エッジ検出信号とを生成するエッジ位置検出回路
    とを含み、
    エッジ位置検出回路は、前記サンプル信号群のうちの2のサンプル信号が異なる値を示すことに応答して、前記エッジ検出信号を生成する
    装置。
  11. 入力信号のエッジを検出することと、
    前記エッジのエッジ位置を示すエッジ位置指示信号を出力することと、
    前記エッジ位置指示信号に応答して回路を動作すること
    とを具備し、
    前記動作することは、
    前記エッジを検出したとき、前記回路に動作を許可する、一定値以上のパルス幅を有するパルス群からなるエッジ検出信号を出力することと、
    前記エッジ検出信号が指示するタイミングで前記エッジ位置指示信号を演算処理すること
    とを含む
    装置の動作方法。
  12. 請求項11の回路の動作方法において、
    前記動作することは、更に、前記エッジ位置に基づいて他のクロックパルスを生成して出力することを含む
    装置の動作方法。
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