JP2000188540A - クロック発生回路 - Google Patents

クロック発生回路

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JP2000188540A
JP2000188540A JP10363288A JP36328898A JP2000188540A JP 2000188540 A JP2000188540 A JP 2000188540A JP 10363288 A JP10363288 A JP 10363288A JP 36328898 A JP36328898 A JP 36328898A JP 2000188540 A JP2000188540 A JP 2000188540A
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circuit
clock
signal
delay control
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Yasuro Matsuzaki
康郎 松崎
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノイズにより誤ってアンロック状態になったこ
とにより、位相調整が行われて、ジッタの原因になるこ
とを防止する。 【解決手段】本発明のクロック発生回路は、位相比較回
路での比較結果がジッターの影響を受けているかどうか
を判定する位相調整判定回路を有する。この位相調整判
定回路により、位相比較回路から出力された比較結果が
変動して所定の条件を満足しない場合、比較結果がジッ
ターの影響を受けていると判定され、遅延制御回路の動
作は停止する。即ち遅延制御回路は、ディスエーブル状
態、または非活性状態になる。比較結果が少なくとも3
回以上連続して同じになった場合、遅延制御回路は初め
て可変遅延回路の調整を実施する。即ち遅延制御回路
は、イネーブル状態、または活性状態になる。これによ
り、ノイズ等が原因でクロック信号で発生したジッター
が、位相比較結果に大きく影響を与えている間は、遅延
制御回路の位相調整動作を停止することができる。した
がってクロック発生器による正確な位相調整が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、供給クロック信号
を受けて供給クロックと所定の位相関係を有する制御ク
ロック信号を発生するクロック発生回路に関し、特に、
制御クロックのジッタを少なくして安定したクロックに
することができるクロック発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】高速動作が可能な同期型DRAM等は、
外部クロックを供給されその外部クロックと所定の位相
関係を有する制御クロックを内部で生成し、制御クロッ
クに同期して入力信号の取り込みや出力信号の出力など
を行う。従って、かかる同期型DRAM等は、内部に制
御クロックを生成するクロック発生回路を有する。
【0003】図1は、従来のクロック発生回路の一例を
示す図である。このクロック発生回路は、基準クロック
c-clkとそれを遅延させたクロックとの位相を一致させ
るように、可変遅延回路12,13の遅延量を制御する
デレード・ロック・ループ回路(DLL回路)で構成さ
れる。外部クロック信号CLKは、入力バッファ10を介
して第1の可変遅延回路12および第2の可変遅延回路
13に供給されると同時に、位相比較回路の基準クロッ
ク入力c-clkとして供給される。第2の可変遅延回路1
3に入力されたクロック信号c-clkは、ダミーデータ出
力バッファ15およびダミー入力バッファ16を介して
遅延され、可変クロック入力d-i-clkとして位相比較回
路20に供給される。位相比較回路20は二つの入力信
号の位相を比較し、比較結果信号φS、φRを遅延制御回
路22に出力する。遅延制御回路22は、比較結果信号
φS、φRに従って生成した遅延制御信号φEを可変遅延
回路12および可変遅延回路13に供給して、その遅延
量を位相比較結果をもとに調整する。第1の可変遅延回
路12に入力された外部クロック信号CLKは、遅延制
御回路22によって調整された遅延量を与えられ、制御
クロックN12としてデータ出力バッファ14へ供給さ
れる。データ出力バッファ14は、供給された制御クロ
ック信号N12に同期してデータDATAをとりこみ、出力
端子Doutから外部へ出力する。
【0004】図1のクロック発生回路は、本出願人によ
って、例えば特開平10-112182号公報(平成10年4月28
日公開)に開示されている。
【0005】図1に示されたクロック発生回路と同じチ
ップ内に内蔵されるメモリ等の大容量の回路が、あるタ
イミングで動作するたびに、電源にノイズが発生する。
かかる電源のノイズは、クロック発生回路内の可変遅延
回路13や位相比較回路20内の回路の遅延時間を変え
てしまい、比較対象のクロックc-clkとd-I-clkの位相関
係を間違った位相関係にする場合がある。かかる間違っ
た位相関係によって間違った位相比較結果φS、φRが生
成されると、それに伴い不必要な遅延制御即ち位相調整
動作が行われる。そのため、生成される制御クロックN
12に、より大きなジッタが発生することになる。
【0006】上記の出願で提案されたクロック発生回路
の遅延制御回路22は、かかる一時的なノイズによる位
相誤差の影響を受けないように、特別のシフトレジスタ
回路を有し、位相比較回路20から位相比較結果信号と
してシフトアップ信号φSとシフトダウン信号φRとが交
互に続いた場合は、遅延制御信号φEを変化させない。
即ち、一回毎に位相比較結果が逆になる場合は、ノイズ
などの影響による場合が多く、遅延量の変更を行わない
ようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のクロック発生回路では、電源ノイズの発生によっ
て発生する制御クロックN12のジッタの問題を完全に
解決することはできない。例えば、電源ノイズの発生の
タイミングによっては、シフトアップ信号φSとシフト
ダウン信号φRとが交互ではなく、2回づつ交互に発生
する場合がある。この様な場合は、従来の遅延制御回路
では自動的に遅延制御信号φEが変化し、遅延量増加ま
たは遅延量減少の制御を行ってしまう。かかる点を防止
するために、遅延制御回路を、例えば3回以上シフトア
ップ信号またはシフトダウン信号が生成された場合に遅
延制御信号φEを変化されるようにするためには、その
遅延制御回路の構成が複雑になってしまい、現実的では
ない。
【0008】また、従来のクロック発生回路では、電源
ノイズの発生のタイミングによっては、シフトアップ信
号φS、位相が一致するロックオン信号、シフトダウン
信号φRの順番で位相比較結果が生成される場合があ
る。かかる場合は、遅延制御回路22は、そのシフトア
ップ信号φS及びシフトダウン信号φRのたびに、シフト
アップ、シフトダウンの遅延制御信号φEを発生してし
まう。従って、かかる順番で位相比較結果が生成される
と、不必要な遅延量の増加、減少の制御が行われ、より
大きなジッタの発生を招いてしまう。
【0009】そこで、本発明の目的は、電源ノイズ等が
原因で制御クロックに発生するジッターを抑えたクロッ
ク発生回路を提供することにある。
【0010】更に、本発明の目的は、ノイズ等が原因で
一時的にDLL回路がロックオフの状態になっても遅延
制御を行わずに、不必要に大きなジッターが発生するの
を防止したクロック発生回路を提供することにある。
【0011】更に、本発明の目的は、シフトアップ、ロ
ックオン、シフトダウン等の周期的な位相比較結果が発
生しても、遅延制御を行わずに、それに伴うジッターの
拡大を防止したクロック発生回路を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のクロック発生回
路は、位相比較回路での比較結果がジッターの影響を受
けているかどうかを判定する位相調整判定回路を有す
る。この位相調整判定回路により、位相比較回路から出
力された比較結果が変動して所定の条件を満足しない場
合、比較結果がジッターの影響を受けていると判定さ
れ、遅延制御回路の動作は停止する。即ち遅延制御回路
は、ディスエーブル状態、または非活性状態になる。比
較結果が少なくとも3回以上連続して同じになった場
合、遅延制御回路は初めて可変遅延回路の調整を実施す
る。即ち遅延制御回路は、イネーブル状態、または活性
状態になる。
【0013】これにより、ノイズ等が原因でクロック信
号で発生したジッターが、位相比較結果に大きく影響を
与えている間は、遅延制御回路の位相調整動作を停止す
ることができる。したがってクロック発生器による正確
な位相調整が可能となる。
【0014】更に、本発明のクロック発生回路は、電源
オンの時やパワーダウン動作から復帰した時は、位相調
整判定器の動作を停止して、位相比較結果に基づいて頻
繁に遅延制御動作を行い、一旦ロックオンした後、或い
は一定の位相範囲内に入った後、比較結果が複数回連続
して同じになった場合に、遅延制御回路に位相比較結果
を供給する。こうすることにより、位相調整を頻繁に行
う必要のある期間は、位相調整判定器の動作を停止して
位相調整時間を短縮し、ジッターの拡大を防止すべき期
間は、位相調整判定器の動作を活性化して一時的なアン
ロック状態に反応しないようにすることができる。
【0015】上記の目的を達成するために、本発明は、
供給クロックの位相を調整してそれと所定の位相関係を
有する制御クロックを生成するクロック発生回路におい
て、前記供給クロックから生成される基準クロックを制
御された遅延量だけ遅延させる可変遅延回路と、前記基
準クロックと前記可変遅延回路によって遅延された可変
クロックとの位相を比較し、両クロックの位相関係に従
って位相比較結果信号を生成する位相比較回路と、前記
位相比較結果に応じて前記可変遅延回路の遅延量を可変
制御する遅延制御回路と、前記位相比較結果が、複数回
連続して同一方向への位相ずれを検出した時に、前記遅
延制御回路を活性化する位相調整判定回路とを有するこ
とを特徴とする。
【0016】更に、上記の発明において、前記位相調整
判定回路は、前記位相比較結果信号が少なくとも3回連
続して同一方向への位相ずれを示す場合に、前記遅延制
御回路を活性化し、前記位相比較結果信号が変化した場
合、或いは前記基準クロックと可変クロックの位相が一
致した場合に、前記遅延制御回路を非活性状態に制御す
ることを特徴とする。
【0017】更に、上記の発明において、電源投入時ま
たはパワーダウン状態から復帰した時に、前記位相調整
判定回路が非活性状態になり、前記基準クロックと可変
クロックの位相が一致した後または該両クロックの位相
差が所定の範囲内になった後に、前記位相調整判定回路
が活性状態になることを特徴とする。
【0018】更に、上記の発明において、おいて、前記
基準クロックと可変クロックの位相差が所定の範囲内に
ある場合は、前記位相調整判定回路が活性状態になり、
前記両クロックの位相差が前記所定の範囲外にある場合
は、前記位相調整判定回路が非活性状態になることを特
徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形
態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0020】[クロック発生回路の全体の構成および動
作]図2は、本発明の実施の形態例のクロック発生回路
を示す図である。図2中、図1と対応する部分には同じ
引用番号を与えた。外部から供給される外部クロック信
号CLKは、入力バッファ10を介して第1の可変遅延回
路12に供給される。更に、入力バッファ10から出力
された基準クロックc-clkは、直接または図示しない分
周回路によって分周されて第2の可変遅延回路13に供
給されると同時に、位相比較回路20の基準クロック入
力c-clkとして供給される。第2の可変遅延回路13に
入力されたクロック信号c-clkは、クロックN13とし
てダミーデータ出力バッファ15に供給され、更にクロ
ックN15としてダミー入力バッファ16に供給され、
位相比較回路20に可変クロック入力d-i-clkとして供
給される。
【0021】可変遅延回路12,13及び位相比較回路
20の構成例および動作は、後に詳述するが、上記した
特開平10-112182号に開示されている回路と基本的に同
じである。
【0022】図2のクロック発生回路は、図1の従来例
とは、位相比較回路20での位相比較結果が位相調整判
定器24を介して遅延制御回路22に供給される点が異
なる。可変クロックd-i-clkの位相が基準クロックc-clk
の位相より進んでいる場合、位相比較回路20から位相
調整判定器24にシフトアップ信号φSO,φSEが出力さ
れる。可変クロックd-i-clkの位相が基準クロックc-clk
の位相より遅れている場合、位相比較回路20から位相
調整判定器24にシフトダウン信号φRO,φREが出力さ
れる。基準クロックc-clkの位相が可変クロックd-i-clk
の位相と一致する、或いは最小位相差以内になると、位
相比較回路20から位相調整判定器24にロックオン信
号JSTが出力される。
【0023】電源にノイズが発生したりして可変クロッ
クd-i-clkの位相が揺れて、ジッターが発生すると、シ
フトアップ信号とシフトダウン信号が交互に発生するな
ど、位相比較回路20からの出力信号が安定しない場合
がある。そこで、位相調整判定器24は、位相比較回路
20からの出力信号が安定しているかどうかを判定す
る。具体的には、位相調整判定回路24は、位相比較回
路20からのシフトアップ信号またはシフトダウン信号
が連続して発生した回数をカウントする。シフトアップ
信号またはシフトダウン信号の連続発生回数が所定の
値、例えば3回またはそれ以上、に到達すると、位相比
較回路20の出力は安定していると判定され、シフトア
ップ信号φSO',φSE'またはシフトダウン信号φRO',
φRE'が、遅延制御回路22に供給される。それによっ
て、遅延制御回路22は活性化状態になり、シフトアッ
プ信号φSO',φSE'またはシフトダウン信号φRO',φR
E'に応じて可変遅延回路12,13の遅延制御を行う。
なお、本実施の形態例においては、上記の所定の値
は、"3"に設定されている。
【0024】シフトアップ信号またはシフトダウン信号
の連続発生回数が所定の値に到達しないうちに、前とは
異なる信号が出力された場合は、位相比較回路20の出
力が不安定になっていると判定され、遅延制御回路22
には比較結果信号が供給されなくなる。その結果、遅延
制御回路22は、非活性状態になり、DLL回路の位相
調整動作は停止する。位相調整判定器24の構成につい
ては、後述する。
【0025】遅延制御回路24は、位相調整判定器24
からのシフトアップ信号φSO',φSE'またはシフトダウ
ン信号φRO',φRE'に応じて、第1の可変遅延回路12
および第2の可変遅延回路13の遅延量を調整する。遅
延制御回路22および可変遅延回路12,13の構成例
および動作は、後で詳述する。第1の可変遅延回路12
に入力されたクロック信号c-clkは、遅延制御回路22
によって調整された遅延量を与えられた後、制御クロッ
クN12としてデータ出力バッファ14に供給される。
データ出力バッファ14は、供給されたクロック信号C
LKと所定の位相関係で同期して、内部回路からデータ
DATAをとりこみ、出力端子Doutから外部へ出力す
る。
【0026】[位相調整判定器の構成例(1)]図3は、位
相調整判定器の構成例(1)を示す図である。位相調整判
定回路24は、図3に示すように、3パルスカウンタ2
6,28およびOR回路33,34を有する。それ以外
に、位相調整判定回路24は、インバータからなる遅延
回路31,32,35,36と、AND回路37,3
8,39,40を有する。
【0027】位相調整回路24において、位相比較回路
20からシフトアップ信号φSO,φSEが供給されると、
OR回路33の出力信号N1がパルス信号となり3パルスカ
ウンタ26に入力される。3パルスカウンタ26は、図
4に示すように、直列接続した3個のDフリップフロップ
D-FF(1)〜(3)から構成される。先頭のDフリップフロッ
プD-FF(1)の入力D1がHレベル(電源Vcc)に固定さ
れているので、出力信号N1がクロック信号として入力
されると、その立ち上がりエッジに同期して出力Q1〜Q3
が順次Hレベルに設定される。従って、シフトアップ信
号φSOまたはφSEが連続して3回発生すると、3パルス
カウンタ26の出力信号N2がHレベルになり、AND
回路37,38に供給される。これにより、シフトアッ
プ信号φSO,φSEが、遅延回路31、32をそれぞれ介
して、遅延制御回路22にシフトアップ信号φSO',φS
E'として供給される。その結果、遅延制御回路22は活
性化されてそのシフトアップ信号に応じて可変遅延回路
12,13の遅延量を増加するように制御する。その後
更にシフトアップ信号が供給されると、それらの信号は
そのままAND回路37,38を通過して、遅延制御回
路22に供給される。遅延回路31,32は、位相調整
判定回路24の動作時間に相当する遅延量に設定されて
いる。
【0028】位相比較結果がシフトアップ信号φSE,φ
SOからシフトダウン信号φRE,φROに切り替わった時、
またはロックオン信号JSTが発生した時、3パルスカウン
タ26はリセットされて、出力信号N2はLレベルにな
る。これにより、AND回路37,38の出力φSO',
φSE'は常にLレベルになり、シフトアップ信号が遅延制
御回路22に供給されなくなる。その結果、遅延制御回
路22は、その動作が非活性状態になり、可変遅延回路
12,13の遅延量の制御は停止する。
【0029】シフトアップ信号φSO,φSEが3回連続し
て発生する前に、シフトダウン信号φRO,φREまたはロ
ックオン信号JSTが出力された場合も、3パルスカウン
タ26がリセットされる。そのため、シフトアップ信号
φSE'、φSO'は遅延制御回路22に供給されず、遅延制
御回路22は非活性状態になる。
【0030】シフトダウン信号φRO,φRE及び3パルス
カウンタ28に対する位相調整判定器24の動作も、シ
フトアップ信号と3パルスカウンタ26に対する動作と
同様である。
【0031】次に、図2に示した可変遅延回路12,1
3と、位相比較回路20と、遅延制御回路22の具体的
構成と動作について、説明する。
【0032】[可変遅延回路]図5は、可変遅延回路1
2、13の例を示す図である。この可変遅延回路は、入
力クロックc-clkを制御されたゲート段数分遅延させ
て、出力クロックN12,N13を出力する。可変遅延
回路12、13は、複数のインバータ98〜112と、
NANDゲート113〜128により、図示される通り
構成される。NANDゲート113〜120の一方の入
力には、入力クロックc-clkを遅延させたクロックが供
給され、他方の入力には遅延制御回路22から遅延制御
信号φE-1〜φE-32が供給される。遅延制御信号φE-1
〜φE-32は、いずれか1つの信号がHレベルとなり、残
りの信号がLレベルになる。
【0033】仮に、遅延制御信号φE-1 がHレベルとす
ると、他の遅延制御信号はすべてLレベルになり、NA
NDゲート113〜119の出力は全てHレベルにな
る。その結果、NANDゲート121〜127は全てL
レベル、インバータ102〜108は全てHレベルとな
る。そこで、入力クロックは、4つのインバータ98〜
101と、NANDゲート120,128と、4つのイ
ンバータ109〜112とからなる合計10段のゲート
の遅延量をもって、出力クロックN12,N13として
出力される。この状態が、遅延量が最小の状態である。
通常、電源投入時は、パワーオンリセット信号により遅
延量が最小の状態にリセットされる。
【0034】そして、Hレベルの遅延制御信号φE-1 〜
φE-32が図中右側にシフト(シフトアップ)するたび
に、NANDゲート127及びインバータ108の2段
のゲートの遅延量が追加される。そして、遅延制御信号
φE-32がHレベルになると、最大の遅延量となる。即
ち、遅延制御信号φE-1 〜φE-32の内、Hレベルの遅延
制御信号が右側に1つずれると、NANDゲートとイン
バータの2段分の遅延量が増加され、左側に1つずれる
と、同様の2段分の遅延量が減少される。
【0035】この可変遅延回路の各ゲートは、電源にノ
イズが発生するとその伝播遅延時間が変動し、出力クロ
ックN12,N13の位相が変動する。
【0036】[位相比較回路]図6は、位相比較回路2
0内の位相比較部の回路図である。また、図7は、位相
比較部の動作を示す波形図である。この位相比較部は、
NANDゲート199〜203及びインバータ215か
らなる部分において、第1のクロックc−clkと第2
のクロックd−i−clkとの位相関係を検出して、ノ
ードn1〜n4にその検出結果を生成する。両クロック
の位相関係は、図7(A)に示される通り、第1のクロ
ックc−clkに比較して第2のクロックd−i−cl
kの位相が進んでいる状態と、図7(B)に示される通
り、両クロックの位相がほぼ一致している状態と、図7
(C)に示される通り、第1のクロックc−clkに比
較して第2のクロックd−i−clkの位相が遅れてい
る状態とに分類される。
【0037】図7(A)の状態の場合は、両クロックが
Lレベルの状態では、ノードn1〜n4は全てHレベル
であり、その後、第2のクロックd−i−clkが先に
Hレベルになり、 n1=L、n2=H、n3=L、n4=H になる。その後、第1のクロックc−clkが遅れてH
レベルになっても、上記のノードn1〜n4の状態は変
化しない。NANDゲート198は、両クロックが共に
Hレベルになると出力をLレベルにし、その立ち下がり
エッジから所定の幅のHレベルパルスが、NORゲート
216から出力される。このHレベルパルスが、サンプ
リングパルスとしてNANDゲート204〜207に供
給され、ノードn1〜n4の状態が、NANDゲート2
08,209からなるラッチ回路と、NANDゲート2
10,211からなるラッチ回路とにそれぞれ取り込ま
れる。従って、信号φb、φc、φd、φeは、図6の
表に示される通り、 φb=H、φc=L、φd=H、φe=L になる。
【0038】図7(B)の状態は、第1のクロックc−
clkに対して第2のクロックd−i−clkの位相
が、NANDゲート201とインバータ215の遅延時
間以内の範囲で遅れる場合である。NANDゲートとイ
ンバータの遅延時間は、上記した可変遅延回路の遅延制
御1段分の遅延量と同じであり、遅延量としては最小遅
延量に該当する。その場合は、第1のクロックc−cl
kが先にHレベルとなり、 n1=H、n2=L になり、更に、インバータ215の出力が第2のクロッ
クd−i−clkよりも後にHレベルになり、 n3=L、n4=H になる。
【0039】従って、両クロックがHレベルになるタイ
ミングでラッチされ、信号φb、φc、φd、φeは、
図6の表に示される通り、 φb=L、φc=H、φd=H、φe=L になる。この場合は、位相が一致したことを意味するの
で、ロックオン検出回路418の出力のロックオン信号
JSTもHレベルを出力する。
【0040】図7(C)の状態では、第1のクロックc
−clkが先にHレベルになり、 n1=H、n2=L、n3=H、n4=L になる。その後、第2のクロックd−i−clkが遅れ
てHレベルになっても、上記のノードn1〜n4の状態
は変化しない。この状態が、両クロックがHレベルにな
るタイミングでラッチされ、信号φb、φc、φd、φ
eは、図6の表に示される通り、 φb=L、φc=H、φd=L、φe=H になる。
【0041】図7に示したロックオン検出回路418
は、AND回路で構成され、信号φc、φdが共にHレ
ベルになると、ロックオン信号JSTをHレベルにする。
【0042】図8は、位相比較回路15の位相比較出力
部の回路図である。また、図9は、その位相比較出力部
の動作を示す波形図である。波形図の(A),(B),
(C)は、図6及び図7の(A),(B),(C)にそ
れぞれ対応する。
【0043】図8の位相比較出力部は、両クロックの位
相比較のタイミングで生成されるタイミング信号φaの
周波数を2分の1に分周する分周回路21Aと、その分
周回路21Aからの出力のタイミングに応答して、両ク
ロックの位相関係に応じて生成された信号φb、φc、
φd、φeに基づいて、位相比較結果信号φSO〜φREを
出力する出力回路21Bとから構成される。
【0044】2分の1分周回路21Aは、JKフリップ
フロップ構成であり、両クロックc−clk,d−i−
clkが共にHレベルになる時を図6中のNANDゲー
ト198で検出し、その検出パルスφa を2分の1分周
して、逆相のパルス信号n11とn12とを生成する。
検出パルスφa がゲート226,227に供給され、反
転検出パルス/φa がゲート222,223に供給さ
れ、ゲート228,229からなるラッチ回路と、ゲー
ト224,225からなるラッチ回路間で、反転信号を
転送する。その結果、2分の1分周された逆相のパルス
信号n11,n12が生成される。
【0045】出力回路21Bは、サンプリングラッチさ
れた信号φb、φc、φd、φeをデコードして、第1
のクロックc−clkの位相が第2のクロックd−i−
clkより遅れている時(状態(A))は、ダイオード
236の出力をHレベルにし、両クロックの位相が一致
している時(状態(B))は、ダイオード236と23
7の出力を共にLレベルにし、更に、第1のクロックc
−clkの位相が第2のクロックd−i−clkより進
んでいる時(状態(C))は、ダイオード237の出力
をHレベルにする。
【0046】従って、出力回路21Bは、NANDゲー
ト232〜235のデコード機能により、上記の状態
(A)の時は、NANDゲート232,233が、タイ
ミング信号n11,n12に応答して、第2のクロック
d−i−clkの位相を遅らせる様に、可変遅延回路1
3の遅延量を増加させる位相比較結果信号(シフトアッ
プ信号)φSO、φSEを、交互にHレベルにする。即ち、
図9(A)に示される通りである。また、上記の状態
(B)の時は、出力回路21Bは、図9(B)の如く、
位相比較結果信号φSO〜φREを生成しない。更に、上記
の状態(C)の時は、図9(C)の如く、NANDゲー
ト234,235が、タイミング信号n11,n12に
応答して、第2のクロックd−i−clkの位相を進め
る様に、可変遅延回路12、13の遅延量を減少させる
位相比較結果信号(シフトダウン信号)φRO、φREを、
交互にHレベルにする。
【0047】[遅延制御回路]図10は、遅延制御回路
22の一部の構成を示す回路図である。この回路は、特
開平10−112182号公報に記載された回路とほぼ同じであ
る。遅延制御回路22は、位相比較結果信号φSO'〜φR
E'に応答して、NORゲート431−1〜431−32
から遅延制御信号φE-1 〜φE-32を出力する。図5に示
した通り、遅延制御信号φE-1 〜φE-32は、32ビット
で構成される。
【0048】遅延制御回路22は、位相比較結果信号
(シフトアップ信号)φSO'、φSE'によりHレベルの遅
延制御信号φE を右側にシフトし、可変遅延回路の遅延
量を増加させ、位相比較結果信号(シフトダウン信号)
φRO'、φRE'によりHレベルの遅延制御信号φE を左側
にシフトし可変遅延回路の遅延量を減少させる。
【0049】遅延制御回路22の各段は、例えば1段目
では、NANDゲート432−1とインバータ433−
1からなるラッチ回路をそれぞれ有する。また、位相比
較結果信号φSE'またはφRE'によりラッチ回路432−
1と433−1の状態を強制的に反転させるトランジス
タ434−1,436−1を有する。トランジスタ43
8−1,439−1は、反転の対象外の場合にトランジ
スタ434−1,436−1によってはラッチ回路が反
転されないようにする為に設けられる。2段目〜3段目
の回路も同様の構成である。これらのトランジスタは全
てNチャネル型である。
【0050】今仮に、パワーオンリセットに伴いLレベ
ルパルスのリセット信号φR が印加されると、NAND
ゲート432−1〜32の出力5a−1,3,5は全て
Hレベルになり、インバータ433−1〜32の出力5
a−2,4,6は全てLレベルになる。従って、ノード
5a−2がLレベルになり、NORゲート431−1の
出力の遅延制御信号φE-1 はHレベルになる。また、ノ
ード5a−1,5a−3,5a−5が共にHレベルであ
るので、それ以外の遅延制御信号φE-2 、φE-3 等は全
てLレベルになる。即ち、リセット信号φR に応答し
て、遅延制御信号φE-1 がHレベルになり、可変遅延回
路13,14は最小遅延時間に制御される。そして、こ
の状態では、トランジスタ438−1,439−1が共
にオン状態にあり、位相比較結果信号φSE',φRE'に応
答して状態が変更可能になっている。但し、トランジス
タ438−2はオフ状態にあり、位相比較結果信号φS
O'によっては状態は変更できない。
【0051】次に、位相比較が実行されると、両クロッ
クの位相関係に応じて、位相比較結果信号φSO'〜φRE'
のいずれかがHレベルになる。今仮に、位相比較結果信
号φSE'がHレベルになると、トランジスタ434−1
が導通し、オン状態のトランジスタ438−1と共にノ
ード5a−1を強制的にLレベルに引き下げて、インバ
ータ433−1の出力のノード5a−2を強制的にHレ
ベルに引き上げる。その結果、NORゲート431−1
の出力φE-1 はLレベルになる。また、ノード5a−1
と5a−4が共にLレベルであるので、NORゲート4
31−2の出力φE-2 はHレベルになる。そして、1段
目と2段目のラッチ回路は、その状態を保持する。この
φE-2=Hの時、4つのトランジスタ438−1,2と4
39−1,2はオン状態になる。また、4つのノード5
a−1〜4は、それぞれL、H、H、Lレベルになる。
【0052】更に、その後の位相比較により位相比較結
果信号φSO'がHレベルになると、同様の動作により、
ノード5a−3〜6が、それぞれL、H、H、Lレベル
になり、ノード5a−3と5a−6が共にLレベルにな
って、遅延制御信号φE-3 がHレベルになる。このφE-
3=Hの時、トランジスタ438−2,3、439−
2,3は、全てオン状態になる。この様に、位相比較結
果信号のシフトアップ信号φSE'とφSO'により、遅延時
間が長くなる様に遅延制御信号φE が右側にシフトアッ
プする。
【0053】逆に、位相比較結果信号φRE'とφRO'によ
り、上記と逆の動作により、遅延時間が短くなる様に遅
延制御信号φE が左側にシフトする。尚、上記した位相
比較回路の出力部の動作から明らかな通り、位相比較結
果信号のうちシフトアップ信号φSE'とφSO'は、第2の
クロックd−i−clkが進んでいる時に位相比較毎に
交互に生成され、また、位相比較結果信号φRE'とφRO'
は、第2のクロックd−i−clkが遅れている時に位
相比較毎に交互に生成される。
【0054】また、位相比較結果信号φSE'、φSO'に応
答して、遅延制御信号φE が次々に右側に移動し、最後
に遅延制御信号φE-32がHレベルになる。この状態で
は、インバータ433−32の出力がLレベル、NAN
Dゲート432−32の出力がHレベルにラッチされて
いる。そこで、更に、遅延時間を延ばす比較結果信号φ
SO'が供給されると、NANDゲート432−32の出
力がLレベルに引き下げられ、インバータ433−32
の出力がHレベルに引き上げられる。
【0055】上記の位相比較動作は、分周されたクロッ
クc−clkの立ち上がりエッジ毎に行われる。そし
て、電源投入時には、リセット信号φRにより可変遅延
回路が最小遅延時間に設定され、分周クロックc−cl
kの立ち上がり毎に位相比較と遅延時間調整が繰り返さ
れ、やがて、両クロック間の位相差が可変遅延回路の最
小遅延単位以内になると、ロックオン信号JSTがHレ
ベルになる。また、パワーダウン動作から復帰した時
は、パワーダウン動作開始時と状態が異なるので、通常
ロックオフ状態にあり、しばらく位相調整動作を行うこ
とで、ロックオン信号JSTがHレベルになる。
【0056】さて、リセット信号φRのLレベルにより
φE-1=Hになり、その後シフトアップ信号φSE'により
φE-2=Hになり、更にシフトアップ信号φSO'によりφ
E-3=Hになった後、シフトダウン信号φRE'が生成され
ても、ノード5a−6はLレベルであるので、3段目の
ラッチ回路は反転せず、シフトダウン動作は行われない
でφE-3=Hの状態は変化しない。そして、次にシフト
ダウン信号φRO'が生成されて初めて、ノード5a−4
がLレベルに引き下げられ、2段目のラッチ回路が反転
され、シフトダウン動作が行われ、φE-2=Hの状態に
変化する。この状態では、トランジスタ438−1,2
と439−1,2が全てオン状態にあり、ノード5a−
1〜4がL、H、H、Lの状態にある。
【0057】同様に、上記のφE-2=Hの状態から、シ
フトアップ信号φSE'が供給されても、トランジスタ4
38−3がオフ状態にあるので、シフトアップ動作はお
きない。更に、シフトアップ信号φSO'が供給されて初
めて、トランジスタ435−2によってノード5a−3
がLレベルに引き下げられ、2段目のラッチ状態が反転
され、φE-3=Hの状態に変化する。
【0058】以上の通り、図10に示されたシフトレジ
スタ型の遅延制御回路22は、偶数のシフトアップ信号
φSE'の後に偶数のシフトダウン信号φRE'が供給されて
初めて、シフトダウン動作が行われる。同様に、奇数の
シフトアップ信号φSO'の後に奇数のシフトダウン信号
φRO'が供給されて初めて、シフトダウン動作が行われ
る。即ち、シフトアップ信号φSE'の後に、シフトダウ
ン信号φRO'とφRE'の2つの信号が供給されて初めて、
シフトダウンへの切り替わりが行われるのである。ま
た、シフトダウン信号からシフトアップ信号への切り替
わりも、同様である。
【0059】更に、上記の動作から理解される通り、偶
数のシフトアップ信号φSE'の後に、ロックオン信号JST
が生成され、その後シフトダウン信号φRE'が生成され
ると、遅延制御回路22は、シフトダウンへの切り替わ
り動作を行う。同様に、その後ロックオン信号JSTが生
成され、その後シフトアップ信号φSE'が生成される
と、遅延制御回路22は、シフトアップへの切り替わり
動作を行う。要すれば、φSE'、JST、φRE'、JST、φS
E'....と繰り返されると、シフトアップ信号及びシ
フトダウン信号の供給のたびに、遅延制御信号φEのシ
フトアップとシフトダウンとが繰り返される。同様に、
φSO'、JST、φRO'、JST、φSO'....と繰り返され
る場合も、シフトアップ信号及びシフトダウン信号の供
給のたびに、遅延制御信号φEのシフトアップとシフト
ダウンとが繰り返される。
【0060】図11は、制御クロックN12のジッター
拡大を説明するための図である。横軸は遅延制御信号φ
Eを示し、縦軸は時間を示す。図10の遅延制御回路の
説明で理解される通り、時刻t0でリセット信号φRに
より、遅延制御信号φE-1=Hの状態になる。そして、
時刻t1,t2でそれぞれシフトアップ信号φSE'、φS
O'に応答して、φE-2=H、φE-3=Hとシフトアップす
る。その後、時刻t3でロックオン信号JSTが生成さ
れると、φE-3=Hの状態が維持され、時刻t4でシフ
トダウン信号φRO'に応答して、φE-2=Hの状態にシフ
トダウンされる。更に、時刻t5でロックオン信号JS
Tが生成されると、φE-2=Hの状態が維持され、時刻
t6でシフトアップ信号φSO'に応答して、φE-3=Hの
状態にシフトアップされる。このように、遅延制御信号
φE-2=HとφE-3=Hの状態が交互に繰り返されると、
制御クロックN12の位相は、交互に遅らせられたり、
進められたりして、ジッタの原因となる。
【0061】更に、時刻t7でロックオン信号JSTが
生成された後に、今度はノイズの影響により時刻t8で
シフトアップ信号φSO'が生成されると、即、φE-4=H
の状態にシフトアップされる。そして、同様にして、時
刻t9でロックオン信号JSTが生成された後に、時刻
t10でシフトダウン信号φRO'が生成されると、再度
φE-3=Hの状態にシフトダウンされる。以上の通り、
ロックオン信号JSTを挟んでシフトアップ信号やシフ
トダウン信号が発生すると、遅延制御回路22が敏感に
反応して、遅延制御信号φEのシフトアップとシフトダ
ウン動作を繰り返し、その遅延量の変化の幅が徐々に大
きくなる。これが、制御クロックN12のジッターの拡
大を招く。
【0062】本実施の形態例では、上記の位相調整判定
回路24を設けることにより、シフトアップ信号が連続
して3回生成される場合にのみ、またはシフトダウン信
号が連続して3回生成される場合のみ、遅延制御回路2
2にそれらの信号を供給して活性化する。従って、図1
1に示した時刻t3〜t10の如きジッタの原因になる
動作は防止される。そして、電源投入時やパワーダウン
状態から復帰した時等、ロックオン状態から大きく位相
がずれている時だけ、シフトアップ信号或いはシフトダ
ウン信号が連続して生成され、遅延制御回路22が活性
化されて、位相調整動作を行う。
【0063】[位相調整判定器の構成例(2)]図12は、
第2の位相調整判定器の構成例を示す図である。この位
相調整判定回路は、図12に示すように、3パルスカウ
ンタ26,28およびOR回路33,34,41,42を
有し、更に、図3の例と同様に遅延回路31,32,3
5,36と、AND回路37〜40を有する。そして、
位相調整判定回路は、判定回路起動回路43または44
を有し、電源起動時にパワーオンリセット信号PWRが
生成された後のように、比較対象の2つのクロックの位
相差が一定範囲以上ある時は、非活性状態になり、位相
比較回路20からの位相比較結果信号φSE、φSO、φR
E、φROをそのまま遅延制御回路22に供給する。そし
て、位相調整が進んで、比較される2つのクロック信号
の位相差が一定の範囲内に入ると、位相調整判定回路が
作動して、シフトアップ信号またはシフトダウン信号が
3回連続して生成される毎にそれらの信号を遅延制御回
路22に供給する。
【0064】位相調整判定回路の起動時の動作は次の通
りである。OR回路41,42には、判定回路起動回路4
3からの信号Aまたはアジャスト信号φAJを供給される
インバータ44の反転信号Aが入力される。この起動信
号Aにより、信号N5,N6を介して位相調整判定回路
の出力φSE'〜φRO'が制御される。
【0065】判定回路起動回路43が接続されている場
合、パワーオンリセット信号PWRが発生してから最初
のロックオン信号JSTまたはアジャスト信号φAJが発生
するまでの間、トランジスタ47の導通によりラッチ回
路48の出力信号AはHレベルに維持される。このと
き、3パルスカウンタ26,27からの出力N2,N4に関係
なく、OR回路41,42の出力N5,N6がHレベルとなる。
そのため、AND回路37〜40は通過状態になり、位
相比較回路20から出力されたシフトアップ信号φSO,
φSE及びシフトダウン信号φRO,φREは、常に遅延制御
回路22に供給される。従って、遅延制御回路22は活
性状態になり、シフトアップ信号φSE'、φSO'またはシ
フトダウン信号φRE'、φRO'に応答して、位相調整動作
を行う。
【0066】やがて、位相調整動作により、両クロック
の位相差が最小遅延時間内に入ってロックオン信号JST
が生成されるか、または両クロックの位相差が後述する
所定の範囲内に入ってアジャスト信号φAJが生成される
と、P型トランジスタ46が導通し、ラッチ回路48の
出力の起動信号AはLレベルとなる。それに伴い、3パ
ルスカウンタ26,28からの出力N2,N4が、OR
回路41,42を介して、出力N5,N6として、AN
D回路37〜40に供給される。その後は、後述する3
パルスカウンタ26,28の動作により、3回連続して
シフトアップ信号またはシフトダウン信号が供給される
毎に、出力N5,N6がHレベルになり、それらの信号
を遅延制御回路22に供給し、活性化する。
【0067】上記のパワーオンリセット信号PWRに応
答して位相調整判定回路を非活性状態にする動作は、パ
ワーダウン状態から復帰した時にも有効である。従っ
て、パワーダウン復帰信号を、上記のパワーオンリセッ
ト信号PWRの代わりに、或いはOR回路を介して供給
することで、パワーダウン復帰時の両クロックの位相差
が大きい状態において、位相調整判定回路を非活性にす
ることができる。それにより、パワーオンから復帰時に
おいて、位相比較結果信号に従って遅延制御回路22の
位相調整動作を活性化させることができる。
【0068】インバータ44を利用する場合は、アジャ
スト信号φAJをインバータ44で反転させた信号を起動
信号Aとして使用する。比較される2つのクロックの位
相差が大きくアジャスト信号φAJがLレベルのときは、
起動信号AがHレベルとなり、3パルスカウンタ26,
28からの出力信号N2,N4が、NOR回路41,4
2でカットされ、信号N5,N6が共にLレベルにな
り、AND回路37〜40は非通過状態になる。その結
果、シフトアップ信号φSE'、φSO'またはシフトダウン
信号φRE'、φRO'は、出力されない。比較される2つの
クロックの位相差が所定の位相差以内にはいると、アジ
ャスト信号φAJがHレベルになり、起動信号AがLレベ
ルになる。そして、3パルスカウンタ26,28からの
出力信号N2,N4が、NOR回路41,42を経由し
て、AND回路37〜40に供給され、その時のシフト
アップ信号φSE'、φSO'またはシフトダウン信号φR
E'、φRO'が、遅延制御回路22に出力される。アジャ
スト信号φAJ発生回路の構成および動作については、後
に詳述する。
【0069】2つのクロック信号c-clk, d-i-clkの位相
が近づくにつれて、位相比較結果はジッターによる影響
を受けて変動しやすくなる。図12の実施の形態例で
は、両クロック信号の位相差が小さい期間に限って位相
調整判定回路を活性化して作動させ、安定した位相比較
結果信号を遅延制御回路22に供給する。
【0070】次に、両クロックc-clk, d-i-clkの位相
が、最低遅延範囲または所定の遅延範囲内に入って、起
動信号AがLレベルになった場合における、位相調整判
定回路24の動作について説明する。尚、図13は、3
パルスカウンタ26,28の構成例を示す図である。
【0071】位相比較回路20からシフトアップ信号φ
SO,φSEが供給されると、OR回路33の出力信号N1がパ
ルス信号となり、3パルスカウンタ(1)26に入力され
る。3パルスカウンタ(1)26は、図13に示されよう
に、直列接続した4個のDフリップフロップD-FF(1)〜
(4)から構成される。リセット信号N3により、Dフリ
ップフロップD-FF(1)の出力Q1の初期値はHレベル、
そして残りのDフリップフロップD-FF(2)〜(4)の出力Q
2〜Q4の初期値はLレベルにそれぞれ設定される。信
号N1としてパルス信号が入力されると、その立ち上が
りエッジに同期してDフリップフロップD-FF(1)〜(3)の
出力Q1〜Q3が、それぞれ次段のDフリップフロップD-FF
(2)〜D-FF(4)に取り込まれ、次段の出力Q2〜Q4にそ
れぞれ出力される。このとき、DフリップフロップD-FF
(3)の出力Q3は、初段のDフリップフロップD-FF(1)にも
取り込まれて、その出力Q1が次段のDフリップフロッ
プD-FF(2)に出力される。シフトアップ信号φSO、φSE
が連続して発生すると、3回に1回の割合で最終段のD
フリップフロップD-FF(4)の出力Q4、すなわち3パルスカ
ウンタ(1)26の出力信号N2がHレベルになる。起動
信号AはLレベルに設定されているため、信号N2は信
号N5としてAND回路37,38に供給される。
【0072】信号N5がHレベルのとき、シフトアップ
信号φSO,φSEが遅延回路31,32をそれぞれ介し
て、シフトアップ信号φSO',φSE'として遅延制御回路
22に供給され、それにより遅延制御回路22は活性化
される。遅延回路31,32は、位相調整判定回路の動
作時間に相当する遅延量に設定されている。
【0073】位相比較結果がシフトアップ信号φSO,φ
SEからシフトダウン信号φRO,φREに切り替わった時、
またはロックオン信号JSTが発生した時、3パルスカウ
ンタ(1)26はリセットされて、その出力信号N5はLレ
ベルとなる。これにより、AND回路37,38の出力
φSO',φSE'は常にLレベルに固定され、シフトアップ
信号が遅延制御回路に供給されなくなる。その結果、遅
延制御回路22は位相調整動作を行わない。
【0074】シフトアップ信号φSO,φSEが3回連続し
て発生する前に、シフトダウン信号φRO,φREまたはロ
ックオン信号JSTが出力された場合も、3パルスカウ
ンタ(1)26がリセットされる。そのため、シフトアッ
プ信号は遅延制御回路22に供給されない。
【0075】シフトダウン信号φRO,φREに対する位相
調整判定器の動作も、上記と同様である。
【0076】図14は、アジャスト信号発生回路を示す
図である。図15は、その動作タイミングチャート図で
ある。図14のアジャスト信号発生回路は、図6に示し
た位相比較回路の位相比較部の構成に類似する。従っ
て、対応する部分には同じ引用番号を与えた。
【0077】アジャスト信号φAJは、基準クロックc-cl
kと可変クロックd-i-clkとの位相差が、外部クロックCL
Kの立ち上がりエッジの前後の入力信号を取り込む為の
セットアンプ時間とホールド時間内にある時に生成され
る。即ち、ロックオン信号JSTが生成される時の位相
差よりも緩和された所定の位相差の範囲内になった時
に、アジャスト信号φAJが生成される。
【0078】アジャスト信号発生回路は、可変クロック
d-i-clkが入力される経路に遅延素子D11を挿入し,遅
延素子D1の遅延時間ΔtD1を入力セットアップタイム t
SIと等しくし、また、基準クロックc-clkの経路に設け
た遅延素子D2の段数を増やし,遅延素子D2の遅延時間
ΔtD2を入力セットアップタイム tSIと入力ホールドタ
イム tHIの和とする。
【0079】図15(A)に示すように、基準クロック
c-clkとノードN22の立ち上がり点の間にノードN21
の立ち上がり点が入っていれば、入力セットアップタイ
ム tSIまたは入力ホールドタイム tHI以下に両クロック
の位相差が小さくなっていると判断し、アジャスト信号
φAJが発生する。図15(B)または(C)の場合は、
両クロックの位相差が小さくなっていないと判断し、ア
ジャスト信号φAJは発生しない。
【0080】以上の通り、第2の実施の形態例における
位相調整判定回路を利用すると、電源起動時やパワーダ
ウン動作から復帰した時等の、基準クロックと可変クロ
ックとの位相差が大きい間は、位相調整判定回路は非活
性状態になる。従って、位相比較結果信号がそのまま遅
延制御回路22に供給され、より頻度の高い位相調整動
作を実現する。更に、位相調整が進んで、両クロックの
位相差が最小遅延時間内になってロックオン信号JST
が発生したり、両クロックの位相差が所定の位相差以内
になってアジャスト信号φAJが発生したりすると、位相
調整回路が活性状態になり、位相比較結果信号が同じ状
態を連続して出力される時のみ、遅延制御回路22によ
る位相調整動作を行う。従って、ロックオン状態或いは
それに近い状態の時は、ノイズによる一時的なアンロッ
クに敏感に応答して、位相調整を行うことが防止され、
ジッタの拡大を防止することができる。
【0081】上記の実施の形態例では、遅延制御回路2
2として、図10に示した特殊なシフトレジスタ回路を
利用した。しかしながら、本実施の形態例では、位相調
整判定回路により、シフトアップ信号またはシフトダウ
ン信号が連続して生成される時にそれらの信号が遅延制
御回路22に供給されるので、遅延制御回路22として
一般的なシフトレジスタ回路構成にして、位相調整判定
回路24からのシフトアップ信号とシフトダウン信号に
応答して、シフトアップとシフトダウン動作をすること
で、ジッタの発生を防止することができる。
【0082】
【発明の効果】以上、本発明のDLL回路によるクロッ
ク発生回路によれば、電源に発生するノイズ等の影響
で、一時的にアンロックになっても、位相調整動作が行
われないので、不必要な位相調整動作によりジッタが発
生することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のクロック発生回路の一例を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態例のクロック発生回路を示
す図である。
【図3】位相調整判定器の構成例(1)を示す図である。
【図4】3パルスカウンタの構成例を示す図である。
【図5】可変遅延回路の回路図である。
【図6】位相比較回路20内の位相比較部の回路図であ
る。
【図7】位相比較部の動作を示す波形図である。
【図8】位相比較回路15の位相比較出力部の回路図で
ある。
【図9】図8の位相比較出力部の動作を示す波形図であ
る。
【図10】遅延制御回路22の一部の構成を示す回路図
である。
【図11】制御クロックN12のジッター拡大を説明す
るための図である。
【図12】位相調整判定器の構成例(2)を示す図であ
る。
【図13】3パルスカウンタの構成例を示す図である。
【図14】アジャスト信号発生回路を示す図である。
【図15】図15の動作タイミングチャート図である。
【符号の説明】
CLK 外部クロック、供給クロック c-clk 基準クロック d-i-clk 可変クロック 12,13 可変遅延回路 N12 制御クロック 20 位相比較回路 22 遅延制御回路 24 位相調整判定回路 φSE,φSO シフトアップ信号、位相比較結果信号 φRE,φRO シフトダウン信号、位相比較結果信号 JST 位相一致信号 ΦAJ アジャスト信号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給クロックの位相を調整してそれと所定
    の位相関係を有する制御クロックを生成するクロック発
    生回路において、 前記供給クロックから生成される基準クロックを制御さ
    れた遅延量だけ遅延させる可変遅延回路と、 前記基準クロックと前記可変遅延回路によって遅延され
    た可変クロックとの位相を比較し、両クロックの位相関
    係に従って位相比較結果信号を生成する位相比較回路
    と、 前記位相比較結果に応じて前記可変遅延回路の遅延量を
    可変制御する遅延制御回路と、 前記位相比較結果が、複数回連続して同一方向への位相
    ずれを検出した時に、前記遅延制御回路を活性化する位
    相調整判定回路とを有することを特徴とするクロック発
    生回路。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記位相調整判定回路は、前記位相比較結果信号が少な
    くとも3回連続して同一方向への位相ずれを示す場合
    に、前記遅延制御回路を活性化し、前記位相比較結果信
    号が変化した場合、或いは前記基準クロックと可変クロ
    ックの位相が一致した場合に、前記遅延制御回路を非活
    性状態に制御することを特徴とするクロック発生回路。
  3. 【請求項3】請求項1において、 電源投入時またはパワーダウン状態から復帰した時に、
    前記位相調整判定回路が非活性状態になり、前記基準ク
    ロックと可変クロックの位相が一致した後または該両ク
    ロックの位相差が所定の範囲内になった後に、前記位相
    調整判定回路が活性状態になることを特徴とするクロッ
    ク発生回路。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記基準クロックと可変クロックの位相差が所定の範囲
    内にある場合は、前記位相調整判定回路が活性状態にな
    り、前記両クロックの位相差が前記所定の範囲外にある
    場合は、前記位相調整判定回路が非活性状態になること
    を特徴とするクロック発生回路。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、 前記位相調整判定回路は、前記位相比較結果信号が少な
    くとも3回連続して同一方向への位相ずれを示す場合
    に、前記遅延制御回路を活性化し、前記位相比較結果信
    号が変化した場合、或いは前記基準クロックと可変クロ
    ックの位相が一致した場合に、前記遅延制御回路を非活
    性状態に制御することを特徴とするクロック発生回路。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかの請求項におい
    て、 前記位相調整判定回路は、前記位相比較結果信号を供給
    して前記遅延制御回路を活性状態にし、前記位相比較結
    果信号の供給を停止して前記遅延制御回路を非活性状態
    にすることを特徴とするクロック発生回路。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5のいずれかの請求項におい
    て、 前記位相調整判定回路はカウンタを有し、前記カウンタ
    は、前記位相比較結果が連続して同一であればカウント
    し、前記位相比較結果が同一でなければリセットし、少
    なくとも3回以上をカウントした時に、前記遅延制御回
    路を活性状態にすることを特徴とするクロック発生回
    路。
  8. 【請求項8】請求項1において、 前記位相比較結果が、前記基準クロックと可変クロック
    のいずれか一方の位相が、進んでいる状態、ほぼ一致し
    ている状態、遅れている状態、そしてほぼ一致している
    状態が連続する場合は、前記位相調整判定回路は、前記
    遅延制御回路を非活性状態に保つことを特徴とするクロ
    ック発生回路。
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