JP3656834B2 - 集塵容器及び該集塵容器を有する電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸込風に含まれる塵埃を空気と分離して集塵する集塵容器と、この集塵容器を有する電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気掃除機の掃除機本体として、例えば図14に示すサイクロン式のものが知られている。この掃除機本体1は、電動送風機2及び図示を略す充電池を内蔵した本体部3と、本体部3に着脱可能に組み込まれた集塵容器4とを有する。
【0003】
本体部3には、一端に吸込口体が接続される図示を略す可撓性ホースの他端が接続される接続口5と、本体部3の上部をなして図15に示すように開けることができる蓋体6と、図示を略す前輪及び後輪7と、充電池の充電状態を示す表示器8とが設けられている。
【0004】
集塵容器4は、側部に把手9が設けられた有底筒状の容器本体10と、容器本体10の上部に設けられたフィルタ11とを備え、フィルタ11には接続口5と連通する吸込風の導入口12が形成されている。
【0005】
この電気掃除機を用いて掃除をする際には、電動送風機2の駆動により塵埃を含む吸込風が接続口5、導入口12を経て容器本体10の内部に流入し、それが容器本体10の内周面に沿って渦状に流れることにより塵埃と空気とが分離され、その塵埃が容器本体10の底部にゴミとして溜められる。一方、塵埃と分離された空気はフィルタ11を通過して電動送風機2の方に流れ、最終的には本体部3に設けられた通気孔13を通って掃除機本体1の機外へと排出される(図16参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電気掃除機において集塵容器4にある程度ゴミが溜まった場合には、蓋体6を開けて集塵容器4を本体部3から取り外し、集塵容器4の容器本体10からフィルタ11を取り外し、その容器本体10の開放された上部から溜まったゴミを除去する必要がある。
【0007】
そこで、容器本体の底部を開閉可能としてゴミ捨て作業の容易化を図ることが考えられるが、このような場合であっても集塵容器の構成はできるだけ簡易な方が好ましく、また、底部の開閉動作は確実に行われることが望ましい。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、容器本体の底部が開閉可能でゴミ捨て作業の容易化を図ることができ、構成が簡易でその底部の開閉が確実な集塵容器と、この集塵容器を有する電気掃除機を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、側部に把手が設けられた筒状の容器本体の下部にヒンジにより開閉可能な底蓋が取り付けられるとともに、前記容器本体に対して前記底蓋を閉成状態にロックするロック手段と該ロック手段によるロックを解除する解除手段とが設けられ、前記把手、前記ロック手段及び前記解除手段が前記容器本体の周壁上において前記ヒンジと対向する位置にあり、前記容器本体の上部にはその容器本体の内部に吸込風を導入するための導入口が設けられ、前記容器本体にはその内側に膨出するように断面凹状の膨出部が設けられ、該膨出部は前記導入口の近傍で、かつ、前記導入口により導入された吸込風がその膨出部と反対側に向けて流れるように形成されているとともに、該膨出部の凹部に前記解除手段が配設されている集塵容器を特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の集塵容器を有する電気掃除機を特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る集塵容器を示す。この集塵容器14は、図14乃至図16に示す電気掃除機本体1において集塵容器4の代わりに用いられ、側部に把手15が設けられた容器本体16と、容器本体16の上部に取り付けられたフィルタ17と、容器本体16の下部に取り付けられた底蓋18とを有する。
【0016】
容器本体16は図2乃至図5に示すように円筒状を呈し、その周壁の外側には把手を構成する把手基体19が設けられている。把手基体19の基部20は容器本体16の上部に一体形成され、その基部20の下方には上下方向にのびる膨出部21が形成されている。膨出部21は断面凹状を呈して容器本体16の内側に膨出し、この膨出部21の凹部22には一対の案内板23a,23bと、一対の嵌合溝24a,24bと、逃げ部25とが形成されている。
【0017】
容器本体16の軸線Oを挟んで膨出部21と反対側には、すなわち、容器本体16の周壁上において膨出部21と対向する位置には、一対の対向壁26a,26bが形成されている。この一対の対向壁26a,26bは膨出部21の中心及び軸線Oを含む鉛直面に対して対称に位置し、各対向壁26a,26bにはそれぞれ係合孔27a,27bが形成されている。
【0018】
基部20の内側には、小径部28及び大径部29が上下に直列してなる段付円柱部30と、ネジ孔31とが形成されている。段付円柱部30にはコイルスプリング32が取り付けられ、コイルスプリング32には解除ボタン33が被せられる。
【0019】
解除ボタン33はボタン部34とフランジ部35とを備え、解除ボタン33の上方からは図6に示す把手カバー36が取り付けられる。詳細には、把手カバー36の上面部37には貫通孔38とネジ挿通孔39とが形成されるとともに、その側面部40の内側には嵌合凸部41が形成され、解除ボタン33のボタン部34が貫通孔38を下方から貫通してフランジ部35が上面部37に下方から当接するように、かつ、嵌合凸部41が把手基体19に形成された嵌合孔42(図1、図2参照)に嵌合するように、把手カバー36が把手基体19に取り付けられる。このとき、把手基体19のネジ孔31と把手カバー36のネジ挿通孔39とは重なり合い、両者は図示を略すネジによりネジ止めされる。
【0020】
解除ボタン33には、下方に向けて屈曲するロッド43が取り付けられている。その屈曲箇所を境にロッド43の各部を水平部44、傾斜部45、垂直部46とすると、解除ボタン33には水平部44が固着され、垂直部46は一対の案内板23a,23bに挟まれるように膨出部21の凹部22に配設される。この凹部22には図7に示すロッドカバー47が取り付けられる。
【0021】
ロッドカバー47には、その外側に一対の嵌合凸部48a,48bが、内側にリブ49,50及び軸受部51が形成されている。嵌合凸部48a,48bはロッドカバー47が凹部22に取り付けられる際に嵌合溝24a,24bに嵌合する。リブ49,50には半円状の切欠52,53が形成され、ロッド43の垂直部46とリブ49,50とが干渉しないようになっている。軸受部51にはクランプ54が固着されたクランプシャフト55が軸支され、そのクランプ54はクランプスプリング56により矢印A方向に付勢される(図1参照)。また、クランプ54は後述の係止片に係止する係止爪57と、凹部22の逃げ部25に張り出す張出部58とを備える。
【0022】
フィルタ17は図8に示す第一フィルタ59と図9に示す第二フィルタ60とが上下に重ねられて構成されている。第二フィルタ60はフィルタ本体61を備えるとともに上記接続口5に連通する導入口62を備え、この導入口62の下方には吸込風が容器本体16の内周面に沿いつつ下方に流れるように風向板63が設けられている。第一フィルタ59は図示を略すスポンジ、不織布等を介して第二フィルタ60の上部に重ねられ、フィルタ本体64と、導入口62との干渉の回避及び第二フィルタ60に対する位置決めに供する位置決め凹部65と、つまみ部66とを備える。このフィルタ17が容器本体16の上部に取り付けられると、膨出部21は風向板63の真下に位置する。
【0023】
底蓋18は図10に示すように円盤状を呈し、その円盤の周縁部上面には互いに対向する位置に係止片67と一対の対向リブ68a,68bとが形成されている。各対向リブ68a,68bには内側に向かって突出する係合突起69a,69bと、エンボス状の当接部70a,70bとが形成されている。係合突起69a,69bは容器本体16の係合孔27a,27bに係合されてヒンジ71を構成し、当接部70a,70bは底蓋18が容器本体16を閉成した際に対向壁26a,26bに当接し、これにより底蓋18のガタが防止されるようになっている。さらに、底蓋18の上面には全周に亘る取付溝72が形成され、この取付溝72にシールパッキン73が取り付けられて、底蓋18が容器本体16を閉成した際に容器本体16の内部の気密が保たれるようになっている。
【0024】
この集塵容器14に溜まったゴミを除去する場合には、使用者はコイルスプリング32により上方に付勢されている解除ボタン33のボタン部34を、そのコイルスプリング32の付勢力に抗して押し下げる。この解除ボタン33の押下げに伴いロッド43が下方へ移動し、その垂直部46が案内板23a,23b及び切欠52,53に案内されつつ下方へスライドする。
【0025】
ここで、解除ボタン33が押し下げられる前には、クランプ54は係止爪57が底蓋18の係止片67に係止したロック位置(第一の回動位置:図11(a))にあるが、垂直部46が下方にスライドして所定のスライド位置に達し、その下端部46aが張出部58に接触してクランプ54を回動させると、クランプ54による底蓋18のロックは解除される(図11(b))。垂直部46がさらに下方にスライドすると、クランプ54は張出部58が係止爪67の上部に接触する位置(第二の回動位置:図11(c))まで回動し、底蓋18が下方に押圧されて係合突起69a,69bを支点に回動して開き、容器本体16に溜まったゴミが除去される(図12)。
【0026】
この実施の形態に係る集塵容器14では、容器本体16の底部をなす底蓋18が開閉可能であるので、その容器本体16に溜まったゴミを除去する場合に解除ボタン33を操作して底蓋18を開けるだけでよく、ゴミ捨て作業の容易化が図られる。
【0027】
その底蓋18の開閉にはヒンジ71が用いられ、底蓋18の閉成状態を維持するためにクランプ54及びロッド43が用いられているが、このクランプ54及びロッド43が容器本体16の周壁上において把手15の側に設けられ、これらに対向する位置にヒンジ71が設けられているので、集塵容器14の構成が簡易なものとなっている。すなわち、ロッドやクランプの操作は把手15を握る手で行われることが便利であるが、ロッドやクランプが把手15から遠い位置にあってヒンジが把手15に近い位置にあるのでは、把手15の位置からロッドの操作を可能とするための機構を容器本体16の周壁に沿って回り込むように設けなければならない。
【0028】
また、ロッド43がクランプ54のロックを解除するだけでなくクランプ54を介してロック解除後の底蓋18を下方に押圧するので、底蓋18の開閉動作(この場合は開放動作)が確実となる。
【0029】
さらに、ここでは膨出部21は風向板63の真下にあるが、その風向板63の形状により導入口62からの吸込風がその膨出部21と反対側に向けて流れるので、つまり、導入口62からの吸込風がその膨出部21により阻害されない方向に向けて流れるので、吸込風の流れは容器本体16の内周面に沿ってほぼ一周し終えたときにはじめて膨出部21に妨げられることになり、膨出部21の存在による吸込風のロスは最大限抑制される。
【0030】
以上ではロッド43がクランプ54を介してロック解除後の底蓋18を下方に押圧する場合を説明したが、ロッド43がクランプ54を介さずに底蓋18を直接押圧する構成としてもよい。例えば、クランプ54の代わりに図13に示すような形状のクランプ54’を用いることにより、ロックを解除したロッド43が係止爪67の上部に接触して底蓋18を下方に押圧し、これにより底蓋18の開閉動作が確実に行われる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、側部に把手が設けられた筒状の容器本体の下部にヒンジにより開閉可能な底蓋が取り付けられるとともに、容器本体に対して底蓋を閉成状態にロックするロック手段とこのロック手段によるロックを解除する解除手段とが設けられているので、容器本体に溜まったゴミを除去する場合にロック手段によるロックを解除手段により解除して底蓋を開けるだけでよく、ゴミ捨て作業の容易化が図られる。
しかも、凹部に解除手段が配設される膨出部は導入口の近傍で、かつ、導入口により導入された吸込風がその膨出部と反対側に向けて流れるように形成されているので、導入された吸込風は容器本体の内周面に沿ってほぼ一周し終えたときにはじめて膨出部に妨げられることになり、膨出部の存在による吸込風のロスが最大限抑制される。
【0032】
また、請求項1に係る発明によれば、把手、ロック手段及び解除手段が容器本体の周壁上においてヒンジと対向する位置にあるので、例えばロック手段や解除手段が把手から遠い位置にあってヒンジが把手に近い位置にあるような場合に比べて集塵容器の構成を簡易にすることができる。
【0035】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の奏する上記各効果をサイクロン式電気掃除機において得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集塵容器を示す断面図である。
【図2】容器本体の全体を示す斜視図である。
【図3】容器本体の後部を拡大して示す斜視図である。
【図4】容器本体の前部を拡大して示す斜視図である。
【図5】把手基体の基部を拡大して示す斜視図である。
【図6】(a)は把手カバーを表側から見た斜視図、(b)は把手カバーを裏側から見た斜視図である。
【図7】(a)はロッドカバーを表側から見た斜視図、(b)はロッドカバーを裏側から見た斜視図である。
【図8】第一フィルタを示す斜視図である。
【図9】(a)は第二フィルタを上側から見た斜視図、(b)は第二フィルタを下側から見た斜視図である。
【図10】(a)は底蓋を表側から見た斜視図、(b)は底蓋を裏側から見た斜視図である。
【図11】(a)はクランプが底蓋をロックしている状態を示す説明図、(b)はクランプによるロックが解除された状態を示す説明図、(c)はクランプが底蓋を下方に押圧している状態を示す説明図である。
【図12】図1の集塵容器の底蓋が開いた状態を示す断面図である。
【図13】(a)はクランプが底蓋をロックしている状態を示す説明図、(b)はクランプによるロックが解除された状態を示す説明図、(c)はロッドが底蓋を下方に押圧している状態を示す説明図である。
【図14】従来の電気掃除機本体を示す斜視図である。
【図15】図14の電気掃除機本体の蓋体が開けられた状態を示す斜視図である。
【図16】図14の電気掃除機本体における吸込風の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
14 集塵容器
15 把手
16 容器本体
17 フィルタ
18 底蓋
21 膨出部
43 ロッド(解除手段)
54 クランプ(ロック手段)
62 導入口
71 ヒンジ
Claims (2)
- 側部に把手が設けられた筒状の容器本体の下部にヒンジにより開閉可能な底蓋が取り付けられるとともに、前記容器本体に対して前記底蓋を閉成状態にロックするロック手段と該ロック手段によるロックを解除する解除手段とが設けられ、
前記把手、前記ロック手段及び前記解除手段が前記容器本体の周壁上において前記ヒンジと対向する位置にあり、前記容器本体の上部にはその容器本体の内部に吸込風を導入するための導入口が設けられ、前記容器本体にはその内側に膨出するように断面凹状の膨出部が設けられ、該膨出部は前記導入口の近傍で、かつ、前記導入口により導入された吸込風がその膨出部と反対側に向けて流れるように形成されているとともに、該膨出部の凹部に前記解除手段が配設されていることを特徴とする集塵容器。 - 請求項1に記載の集塵容器を有することを特徴とする電気掃除機。
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