JP3655594B2 - 軌道の移動防止構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軌道の移動を防止する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車または車両が走るための通路である軌道は、一般的に、道床の上に平行に設けられたまくら木と、まくら木に締結され、列車または車両の重量を支えるとともに車両の走行に対して平滑な走行面を与えるレールなどとを備えている。
上記一般的な構成の軌道には、例えば、酷暑期に温度が上昇することによりレールが延び、水平方向に座屈するなどしてレールと交差する方向にまくら木ごと移動する結果、軌道が移動して所定の位置からずれる場合がある。
【0003】
かかる場合には列車の走行安全性が損なわれるため、従来から、軌道の移動を防止する技術が開発されている。
これらの技術の中には、例えば、まくら木の周囲に敷設される砂利や砕石(バラスト)に粘着性の薬液を浸透させてバラスト粒子どうしを粘着させ、バラスト全体を固結化するという技術がある。
この技術によれば、固結化したバラストによってまくら木が固定され、軌道の移動が防止されることとなる。
【0004】
また、他には、軌道を離間して挟むように道床に強固に設置された水平反力部材とまくら木との間に、優れた剛性および耐力を備える突っ張り部材を設け、まくら木の移動を拘束するという技術がある。
この技術によれば、突っ張り部材および水平反力部材に生じる圧縮応力によってまくら木の移動が拘束される結果、軌道の移動が防止されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記一つ目の従来の技術によれば、長期的には列車荷重等によって軌道が移動してしまう場合があり、十分な軌道の移動防止効果が望めなかった。
また、上記二つ目の従来技術では、突っ張り部材に、座屈や変形が発生しないような剛性および耐力が必要であった。そのため、上記二つ目の従来技術では、突っ張り部材の径が太くなる、即ち断面積が大きくなるので、突っ張り部材が大型になり、これにより軌道の移動防止構造が大型になってしまうという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、軌道の移動を防止するための小型の軌道の移動防止構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、例えば図1から図3に示すように、
道床10上に平行に設けられた複数のまくら木21,…と、これらまくら木21,…に締結された複数の平行なレール23,…とを備えた軌道40が、レール23と交差する方向へ移動するのを防止する軌道の移動防止構造100であって、
前記道床10または前記道床10の近傍には、一対の反力部材(例えば、土留め壁13,13)が前記軌道40を離間して挟む位置で固定され、
前記反力部材13に取り付けられるとともに当該反力部材13から離れる方向への前記まくら木21の移動を前記反力部材13で反力をとって引っ張り力で拘束する引っ張り部材32が、前記まくら木21に直接または間接的に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、引っ張り部材の取り付けられた反力部材から離れる方向へまくら木が移動しようとすると、まくら木が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、まくら木の移動が拘束される。従って、軌道の移動が防止される。
【0008】
また、引っ張り部材は、反力部材で反力をとって引っ張り力によってまくら木の移動を拘束するので、従来の突っ張り部材のようにその座屈や変形を防止するために径を太くする必要がなく、よって、引っ張り部材の断面積を小さくでき、この結果、軌道の移動防止構造の小型化を図ることができる。
【0009】
ここで、引っ張り部材は、引っ張り力に対して伸びが少なく、反力部材で反力をとって引っ張り力でまくら木の移動を拘束するものであれば、フレキシブルなものであってもよい。また、反力部材およびまくら木への引っ張り部材の取り付けは、レールと交差する方向へまくら木が移動しようとするとまくら木が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じる程度の張力、つまり引っ張り部材にたるみが生じない程度の張力でなされることが好ましい。
【0010】
また、道床は、まくら木を支持し、まくら木から伝達される列車荷重を路盤に均等に分布させるものであれば砂利や砕石(バラスト)を敷設した道床に限らず、他の道床でもよい。
【0011】
また、まくら木は、列車または車両の荷重をレールから受けて道床に分布させるとともにレールを固定しレール間の距離を正確に保持するためのものであればコンクリート製のまくら木に限らず、木製、鉄筋コンクリート製、鉄製または合成樹脂製のまくら木であっても良く、また、周囲にゴム等を付着させたまくら木であってもよい。
また、横まくら木に限らず、ブロックまくら木や、縦まくら木であってもよい。
更に、軌道の一般区間に使われる並まくら木に限らず、軌道継ぎ目部に使われる継ぎ目まくら木や分岐部分に使用される分岐まくら木であってもよい。
【0012】
また、レールは、列車または車両の重量を支えるとともに車両の走行に対して平滑な走行面を与えるものであれば如何なる形状および材料等のレールであってもよい。
【0013】
請求項2記載の発明は、例えば図1から図3に示すように、請求項1記載の軌道の移動防止構造100において、
前記まくら木21は前記レール23と直交するようにして設けられ、
前記まくら木21の一端部と、該まくら木21の他端部の外側に位置する前記反力部材13とに、一方の前記引っ張り部材32が取り付けられているとともに、
前記まくら木21の他端部と、該まくら木21の一端部の外側に位置する前記反力部材13とに、他方の前記引っ張り部材32が取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、レールの長手方向と交差する方向にまくら木が移動しようとすると、まくら木の端部が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、まくら木に圧縮力が働く。従って、従来の突っ張り部材を用いてまくら木の移動を拘束する場合と同方向にまくら木に圧縮力が加わるため、該従来技術に用いるために用意した所定の圧縮強さを持つまくら木を、本発明の軌道の移動防止構造100におけるまくら木として利用することができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、例えば図1から図3に示すように、請求項1記載の軌道の移動防止構造100において、
前記まくら木21は前記レール23と直交するようにして設けられ、
前記まくら木21の一端部と他端部とには、それぞれ取付冶具31が当接されており、
前記まくら木21の一端部に当接された一方の前記取付冶具31と、前記まくら木21の他端部の外側に位置する前記反力部材13とに、一方の前記引っ張り部材32が取り付けられるとともに、
前記まくら木21の他端部に当接された他方の前記取付冶具31と、前記まくら木21の一端部の外側に位置する前記反力部材13とに、他方の前記引っ張り部材32が取り付けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、レールの長手方向と交差する方向にまくら木が移動しようとすると、移動するべき方向の端部に当接された取付冶具がまくら木に押圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該取付冶具の移動が拘束される。従って,まくら木の移動が拘束され、軌道の移動が防止される。
【0017】
また、前記引っ張り部材は、前記まくら木の端部に間接的に取り付けられているので、引っ張り部材をまくら木に取り付ける際に、まくら木に貫通孔を穿設するなどの、まくら木の強度を損なう施工を行う必要がない。また、引っ張り部材をまくら木に取り付ける際にまくら木の形状に変化が生じないため、道床周辺の工事の時など、軌道が移動しやすい時に一時的に軌道の移動防止構造を構築し、その後、元の軌道構造に戻すことが可能である。更に、まくら木が移動しようとする時には、移動するべき方向の端部の取付冶具とまくら木とが当接部において互いに押圧し合うので、まくら木端部から取り付け冶具が外れにくい。従って、まくら木端部に取付冶具を強固に固定する必要がない。
【0018】
請求項4記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項1記載の軌道の移動防止構造101において、
前記まくら木21は前記レール23と直交するようにして設けられ、
前記複数のまくら木21,…のそれぞれの一端部には、前記レール23の長手方向に長尺な一方の長尺取付冶具41が前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接されており、
前記複数のまくら木21,…のそれぞれの他端部には、前記レール23の長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具41が前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接されており、
前記一方の長尺取付冶具41と、前記まくら木21の前記他端部の外側に位置する前記反力部材13とに、一方の前記引っ張り部材32が取り付けられるとともに、
前記他方の長尺取付冶具41と、前記まくら木21の前記一端部の外側に位置する前記反力部材13とに、他方の前記引っ張り部材32が取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、長尺取付冶具に両端部が当接した何れのまくら木がレールと交差する方向へ移動しようとしても、移動するべき方向の端部に当接された該長尺取付冶具が押圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具の移動が拘束され、その結果、まくら木の移動が拘束される。従って、2つの長尺取付冶具によって2つ以上のまくら木の移動を拘束することができるため、各まくら木の端部に対して冶具を当接させる必要がなく、少ない数の長尺取付冶具によって軌道の移動を防止することができる。また、引っ張り部材を所定の間隔で長尺取付冶具に取り付けることができるため、まくら木の本数よりも少ない数の引っ張り部材によって軌道の移動を防止することが可能である。
よって、軌道の移動を、施工の手間をかけずに防止することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、例えば図5に示すように、請求項1記載の軌道の移動防止構造102において、
前記軌道40は複数設けられており、
前記まくら木21は前記レール23と直交するようにして設けられており、
各軌道40を構成する前記複数のまくら木21,…のそれぞれの一端部には、前記レール23の長手方向に長尺な一方の長尺取付冶具41が前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接されており、
前記複数のまくら木21,…のそれぞれの他端部には、前記レール23の長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具41が前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接されており、
前記反力部材13間には、前記引っ張り部材32が前記長尺取付冶具41を貫通するようにして配置されて各反力部材13に取り付けられており、前記引っ張り部材13の中途部は、前記長尺取付冶具41に固定されていることを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、何れの軌道のまくら木がレールと交差する方向へ移動しようとしても、まくら木端部に当接した長尺取付冶具がまくら木に押圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具の移動が拘束される。従って、1つの引っ張り部材によって、レールの長手方向と交差する方向への、何れの軌道を構成するまくら木の移動も拘束することができる。よって、各軌道のまくら木の端部に当接した長尺取付冶具に対してそれぞれ別個の引っ張り部材を取り付ける必要がない分だけ、軌道の移動防止構造を、施工の手間をかけずに構築できる。
【0022】
請求項6記載の発明は、例えば図6に示すように、請求項1記載の軌道の移動防止構造103において、
前記軌道40は複数設けられており、
前記まくら木21は前記レール23と直交するようにして設けられており、
各軌道40を構成する前記複数のまくら木21,…のそれぞれの一端部には、前記レール23の長手方向に長尺な一方の長尺取付冶具41が前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接されており、
前記複数のまくら木21,…のそれぞれの他端部には、前記レール23の長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具41が前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接されており、
一方の前記反力部材13とこれに隣り合う前記長尺取付冶具41とに一方の前記引っ張り部材32が取り付けられるとともに他方の前記反力部材13とこれに隣り合う前記長尺取付冶具41とに他方の前記引っ張り部材32が取り付けられており、
前記レール23の長手方向と直交する方向において互いに隣り合う別々の前記長尺取付冶具41どうしが、連結部材44によって連結されていることを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、反力部材と隣り合う長尺取付冶具が引っ張り部材を引っ張る方向へ移動しようとすると、引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具の移動が拘束される。また、移動が拘束された長尺取付冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付冶具が連結部材を引っ張る方向へ移動しようとすると、該他の長尺取付冶具が連結部材を引っ張り、引っ張られた連結部材が、移動を拘束された長尺取付冶具で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該他の長尺取付冶具の移動が拘束される。よって、移動が拘束された長尺取付冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付冶具の、連結部材を引っ張る方向への移動が順次拘束されるため、各長尺取付冶具の、レールの長手方向と交差する方向への移動が拘束されることとなる。
従って、長尺取付冶具に当接しているまくら木の、レールの長手方向と交差する方向への移動が拘束され、軌道の移動を防止することができる。
【0024】
また、引っ張り部材を配置するべき位置にまくら木等の障害物が存在する等、反力部材間に延在させて引っ張り部材を取り付けることができない場合であっても、引っ張り部材と連結部材とを組み合わせることにより、軌道の移動を防止することができる。
【0025】
請求項7記載の発明は、例えば図1から図6に示すように、請求項1〜6の何れかに記載の軌道の移動防止構造100において、
前記道床10を支持する地盤50を更に備え、
前記反力部材13は、前記地盤50の土留め壁13であることを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、地盤内にトンネルを設けるなど、道床周辺を工事する場合、土留め壁を反力部材として用いることによって、まくら木の移動を拘束し、軌道の移動を防止することができる。
【0027】
請求項8記載の発明は、例えば図7に示すように、請求項1〜6の何れかに記載の軌道の移動防止構造104において、
前記反力部材13は前記道床10または前記道床10近傍に固定された杭14であることを特徴とする。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、杭という単純な形状の反力部材を用いることによって、請求項1から6記載の発明の効果を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図7を参照して本発明を適用した軌道の移動防止構造について詳細に説明する。
〔第一の実施の形態〕
図1は、本発明を適用した軌道の移動防止構造100の斜視図である。また、図2は本発明を適用した軌道の移動防止構造100の縦断面図である。
【0030】
軌道の移動防止構造100は、図1および図2に示すように、地盤50と、地盤を施工した基面11上に敷設された道床10と、まくら木21,…およびレール23,23等を備えた軌道40と、まくら木21の先端面に当接した取付冶具31,…と、道床10の側面の崩壊を防ぐ土留め壁13,13と、引っ張り力でまくら木21の移動を拘束する複数の引っ張り部材32,…等とを主に備える。
【0031】
地盤50には、下部にトンネルを構築するため、レール23の長手方向(以下、X方向とする)および鉛直方向(以下Z方向とする)に延在する土留め壁13が固設されている。
土留め壁13は、鋼製であるとともに平面視略コの字状でZ方向に延在する形状の鋼製の矢板を互いに噛み合わせてX方向に連続させたものであり、凹凸部分を備えるとともにXZ方向に延在する板状に形成されている。土留め壁13は、道床の上面において軌道40を離間して挟む位置で地盤50に固設されている。
【0032】
土留め壁13の側面の上端部には、X方向に延在した鋼製のH形鋼38,38が上下に配置されて固設されている。
H形鋼38,38に挟まれた土留め壁13の側面には、引っ張り部材32を挿通させるための挿通孔が穿設されている。
【0033】
道床10は、地盤50を施工した基面11上に砂利やバラスト(砕石)等を敷設することで、上下面がほぼ水平であるとともにX方向に延在する両側面が下方に向かってテーパー状に広がる縦断面視略台形状に形成されている。
【0034】
軌道40は、道床10の上に平行に設けられたまくら木21,…と、これらまくら木21,…に締結され、列車又は車両の重量を支えるとともに車両の走行に対して平滑な走行面を与える1対の平行なレール23,23等とを備えている。
レール23は、鋼製で、断面視略H形のものであり、まくら木21,…の上面においてX方向に2本平行に載置され、図示しない犬くぎによってまくら木21,…に締結されている。
また、2本のレール23,23は、図中右奥行き側および左手前側において、それぞれ図示しないレールと溶接されている。
【0035】
まくら木21は、コンクリート製であり、直方体の形状に形成されている。また、複数のまくら木21,…は、基面11において所定の間隔をおいてX方向に配列されており、各まくら木21はXおよびZ方向と直交する方向(以下,Y方向とする)と平行に配置されている。
各まくら木21の両端部には、それぞれ取付冶具31,31が当接されている。
【0036】
取付冶具31は、鋼製であり、縦断面視略コの字型に形成され、凹部を外側に向けた状態でまくら木21先端面と当接している。
取付冶具31の凹部の底部分には貫通孔が設けられており、後述のように、該貫通孔に引っ張り部材32が挿通されるとともに取り付けられている。
【0037】
引っ張り部材32は、鋼線(例えばPC鋼線)であり、先端部外周面に図示しないねじ山を備えている。引っ張り部材32の一端部は、まくら木21の一端部の取付冶具31に設けられた貫通孔から反まくら木側に向かって突出している。
【0038】
そして、引っ張り部材32の一端部は、この一端部にワッシャ―39を外挿した上で、第一ナット33を引っ張り部材32のねじ山に螺合させて締め付けることで取付冶具31の凹部底面にワッシャ―39を介して当接させることで、取付冶具31に取り付けられている。
【0039】
また、引っ張り部材32の他端部は、まくら木21の他端部の外側に位置する土留め壁13に設けられた挿通孔および2つのH形鋼38,38の間から、反まくら木側に向かって突出している。
【0040】
そして、引っ張り部材32の他端部は、この他端部にワッシャ―39を外挿した上で、第2ナット36を引っ張り部材32のねじ山に螺合させて締め付けることでH形鋼の反まくら木側の側面にワッシャ―35を介して当接させることで、土留め壁13に取り付けられている。
【0041】
また、まくら木21の他端部の取付冶具31と、まくら木21の一端部の外側に位置する土留め壁13とへの引っ張り部材32の取り付けも、同様になされている。
更に、引っ張り部材32は、他のまくら木21の一端部の取付冶具31と、他端部の外側の土留め壁13とに同様に取り付けられている。
【0042】
上記のような取付冶具31および土留め壁13への引っ張り部材32の取り付けは、レール23と交差する方向へまくら木21が移動しようとするとまくら木21が引っ張り部材32を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材32が土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じる程度の張力、つまり、引っ張り部材32にたるみが生じない程度の張力でなされている。
【0043】
次に、上記のように構築された軌道の移動防止構造100がレール23の移動を防止する仕組みを説明する。まず、まくら木21がY方向に移動しようとすると、移動するべき方向のまくら木21先端面に当接された取付冶具31がまくら木21に押圧されて引っ張り部材32をY方向に引っ張る。次に、Y方向に引っ張られた引っ張り部材32が、地盤50に固設された、Y方向と逆方向側の土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、取付冶具31の移動が拘束される。従って、まくら木21のY方向への移動が拘束され、軌道40の移動が防止されるのである。
【0044】
上記軌道の移動防止構造100によれば、レール23と交差する方向へまくら木21が移動しようとすると、移動するべき方向の先端面に当接された取付冶具31がまくら木21に押圧されるとともに引っ張り部材32を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材32が土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該取付冶具31の移動が拘束される。従って,まくら木21の移動が拘束され、軌道40の移動が防止される。
【0045】
また、従来の突っ張り部材のようにその座屈や変形を防止するために径を太くする必要がなく、よって、引っ張り部材32の断面積を小さくでき、この結果、軌道の移動防止構造100の小型化を図ることができる。
【0046】
また、レール23の長手方向と交差する方向にまくら木21が移動しようとすると、移動するべき方向のまくら木21の端部に当接された取付冶具31がまくら木21に押圧されて引っ張り部材32を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材32が土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、まくら木21に圧縮力が働く。従って、従来の突っ張り部材を用いてまくら木21の移動を拘束する場合と同方向にまくら木21に圧縮力が加わるため、該従来技術に用いるために用意した所定の圧縮強さを持つまくら木21を、本発明の軌道の移動防止構造100におけるまくら木21として利用することができる。
また、まくら木21はコンクリート製であるので、圧縮強さに優れている。従って、まくら木21の移動が拘束される際に、まくら木21に破損が生じにくい。
【0047】
また、引っ張り部材32は、まくら木21の端部に間接的に取り付けられているので、引っ張り部材32をまくら木21端部に取り付ける際に、まくら木21に貫通孔を穿設するなどの、まくら木21の強度を損なう施工を行う必要がない。また、引っ張り部材32をまくら木21端部に取り付ける際にまくら木21の形状に変化が生じないため、道床10周辺の工事の時など、軌道40が移動しやすい時に一時的に軌道の移動防止構造100を構築し、その後、元の構造に戻すことが可能である。更に、まくら木21が移動しようとする時には、移動するべき方向の端部の取付冶具31とまくら木21とが当接部において互いに押圧し合うので、まくら木21端部から取付冶具31が外れにくい。従って、まくら木21端部に取付冶具31を強固に固定する必要がない。
【0048】
また、地盤50内にトンネルを設けるなど、道床10周辺を工事する場合に設けられた土留め壁13を用い、反力をとることによって、まくら木21の移動を拘束し、軌道40の移動を防止することができる。
【0049】
〔第一の実施の形態の変形例〕
次に、図3を参照し、上記軌道の移動防止構造100における引っ張り部材32の取り付け部分の変形例について説明する。なお、上記第一の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
取付冶具31Aは、鋼製であり、図3(a)に示すように、まくら木21の先端面との当接面に凹部を備えた箱状に形成されている。取付冶具31Aの凹部はまくら木21の先端部と嵌合し、凹部の底面、すなわち、まくら木21の先端面と対向する面は該先端面に当接する。
取付冶具31Aには、まくら木21先端面との当接部より下部に引っ張り部材32が取り付けられている。
【0051】
上記のような取付冶具31Aによれば、まくら木21の先端部と取付冶具31の凹部とが嵌合しているので、まくら木21が移動しようとする時にも、まくら木21の端部から取付冶具31Aが外れにくい。
【0052】
図3(b)は、取付冶具31Bを用いて引っ張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。
取付冶具31Bは、鋼製であり、縦断面視略L字状の形状に形成されている。取付冶具31Bの該L字内側の面は、まくら木21の上面の端部および先端面と当接する。
【0053】
また、取付冶具31Bには、まくら木21先端面との当接部より下部に引っ張り部材32が取り付けられている。
上記のような取付冶具31Bによれば、まくら木21が移動しようとする時には、まくら木21上面との当接部分がまくら木21の端部に取付冶具31Bを留める働きをする。従って、取付冶具31Bは、まくら木21の端部から外れにくい。
【0054】
図3(c)は、取付冶具31Cを用いて引っ張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。取付冶具31Cは、鋼製であり、縦断面視略コの字状の形状に形成されている。取付冶具31Cの該コの字内側の面は、まくら木21の上面および下面の端部ならびに先端面と当接する。
【0055】
また、取付冶具31Cには、まくら木21先端面との当接部より下部に引っ張り部材32が取り付けられている。
上記のような取付冶具31Cによれば、まくら木21が移動しようとする時には、まくら木21上下面との当接部分がまくら木21の端部に取付冶具31Cを留める働きをする。従って、取付冶具31Cは、まくら木21の端部から外れにくい。
【0056】
図3(d)は、取付冶具31Dを用いて引っ張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。取付冶具31Dは、鋼製であり、縦断面視略コの字状の形状に形成されている。取付冶具31Dの該コの字内側の面は、まくら木21の上面および両側面の一部に当接し、取付冶具31Dの図中左側の側面は、レール23の図中右側の側面に当接している。
【0057】
また、取付冶具31Dには、まくら木21先端面との当接部より図中手前側の部分に引っ張り部材32が取り付けられている。
上記のような取付冶具31Dによれば、まくら木21が移動しようとする時には、取付冶具31Dがレール23に当接しているのでまくら木21の端部に取付冶具31Dが留められる。従って、取付冶具31Dは、まくら木21の端部から外れにくい。
【0058】
以上のような取付冶具31A,B,CおよびDによっても、上記第一の実施の形態における取付冶具31と同様にまくら木21の移動が拘束されるため、軌道40の移動を防止することができる。
【0059】
図3(e)は、引っ張り部材32を直接まくら木21端部に取り付けた例を示す斜視図である。この場合、上述したような取付冶具31A〜31Dが不要であるという利点がある。
【0060】
図3(f)は、まくら木21の両端部にそれぞれ当接された取付冶具31C,31Cに一本の引っ張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。
2つの取付冶具31C,31Cのまくら木21先端面との当接部より下部には、同一の引っ張り部材32が貫通するとともに貫通部分において取付冶具31C,31Cにそれぞれ取り付けられている。また、引っ張り部材32の図示しない両端部は、土留め壁13,13に固定されている。
【0061】
上記引っ張り部材32の取り付け方によれば、例えば、まくら木21が図中右方向に移動しようとすると、まず、まくら木21の先端面によって右側の取付冶具31Cが右方向に押圧されて引っ張り部材32を右方向に引っ張る。次に、右方向に引っ張られた引っ張り部材32が図示しない左側の土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該右側の取付冶具31の移動が拘束される。従って、まくら木21の右方向への移動が拘束される。
【0062】
また、まくら木21が図中左方向に移動しようとしても、同様に、引っ張り部材32が図示しない右側の土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるにより、まくら木21の移動が拘束される。
従って、一本の引っ張り部材32によって、図において左右何れの方向に向かってまくら木21が移動しようとしても、まくら木21の移動を拘束し、軌道40の移動を防止することができる。よって、複数の引っ張り部材32を取り付ける必要がない分だけ、施工の手間をかけずに軌道40の移動を防止することができる。
【0063】
〔第二の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第二の実施の形態を、図4を参照して説明する。
図4は、本発明を適用した軌道の移動防止構造101の斜視図である。なお、上記第一の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
軌道の移動防止構造101は、図4に示すように、上記取付冶具31の代わりに、複数のまくら木21,…の先端面に当接する長尺取付冶具41を備える等の点で上記軌道の移動防止構造100と異なる。以下、主にこの点について、詳しく説明する。
【0065】
長尺取付冶具41は、鋼製であり、X方向に延在するとともに断面視略コの字状に形成され、凹部を外側に向けた状態で複数のまくら木21,…の先端面と当接している。
長尺取付冶具41の鉛直方向における中央部付近には、引っ張り部材32を挿通させるための貫通孔が、所定の間隔ごとに設けられている。
【0066】
引っ張り部材32の一端部は、まくら木21の先端部の長尺取付冶具41に設けられた貫通孔から反まくら木側に向かって突出している。そして、引っ張り部材32の一端部は、この一端部にワッシャ―39を外挿した上で、第1ナット33を引っ張り部材32のねじ山に螺合させて締め付けることで長尺取付冶具41の凹部底面にワッシャ―39を介して当接させることで長尺取付冶具41に取り付けられている。
【0067】
引っ張り部材32他端部の土留め壁13への取り付けは、上記第一の実施の形態における引っ張り部材32の土留め壁13への取り付けと同様である。
また、上記のような長尺取付冶具41および土留め壁13への引っ張り部材32の取り付けは、所定の間隔をあけてなされている。
【0068】
上記のように長尺取付冶具41および土留め壁13に取り付けられた引っ張り部材32の中途部は、まくら木21の該他端面に当接された長尺取付冶具41の貫通孔を貫通している。
【0069】
上記軌道の移動防止構造101によれば、長尺取付冶具41に両端部が当接した何れのまくら木21がレール23と交差する方向へ移動しようとしても、移動するべき方向の端部に当接された該長尺取付冶具41が押圧されて引っ張り部材32を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材32が土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具41の移動が拘束され、その結果、まくら木21の移動が拘束される。従って、2つの長尺取付冶具41,41によって2つ以上のまくら木21,…の移動を拘束することができるため、各まくら木21の端部に対して冶具を当接させる必要がなく、少ない数の長尺取付冶具41によって軌道40の移動を防止することができる。また、引っ張り部材32を所定の間隔で長尺取付冶具41に取り付けることができるため、まくら木21の本数よりも少ない数の引っ張り部材32によって軌道40の移動を防止することが可能である。
よって、軌道40の移動を、施工の手間をかけずに防止することができる。
【0070】
〔第三の実施の形態〕
次に、上記第三の実施の形態を、図5を参照して説明する。なお、上記第一および第二の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5(a)は、第三の実施の形態の軌道の移動防止構造102の平面図であり、図5(b)は、軌道の移動防止構造102の縦断面図である。
【0071】
軌道の移動防止構造102は、図5に示すように、平行に設けられた2つの軌道40,40を備える等の点で上記第二の実施の形態における軌道の移動防止構造101と異なる。以下、主にこれらの点について詳しく説明する。
【0072】
図5において、長尺取付冶具41,…は、図中左側および右側に配列されたまくら木21,…の左右両先端面にそれぞれ当接されている。
また、土留め壁13,13は、2つの軌道40,40を離間して挟むように地盤50に固設されている。
【0073】
本変形例における引っ張り部材32A,…は、中途部の外周面にもねじ山を備え、まくら木21の両先端部の外側に位置する土留め壁13,13間に所定の間隔ごとに配置されている。引っ張り部材32Aの両先端部は、各土留め壁13,13に取り付けられている。また、引っ張り部材32の中途部は、まくら木21の両先端面に当接した2つの長尺取付冶具41,41の貫通孔を貫通しており、貫通部分において長尺取付冶具41,41に取り付けられている。引っ張り部材32Aの中途部の長尺取付冶具41への取り付けは、第一ナット33を外周面のねじ山に螺合させて締め付けることで長尺取付冶具41の凹部底面に当接させることでなされており、これにより、長尺取付冶具41はまくら木21先端面に当接されている。
【0074】
上記のような軌道の移動防止構造102によれば、例えば、図5中において右方向へまくら木21が移動しようとすると、まず、まくら木21の端部と当接している長尺取付冶具41,41のうち右側の長尺取付冶具41がまくら木21に押圧されて引っ張り部材32Aを右方向に引っ張る。次に、引っ張られた引っ張り部材32Aが左側の土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該右側の長尺取付冶具41の移動が拘束され、その結果まくら木21の移動が拘束される。
【0075】
また、図中において左方向へまくら木21がしようとする時も、同様にまくら木21の移動が拘束される。
従って、1つの引っ張り部材32Aによって、左右何れの方向への何れの列に配置されたまくら木21の移動も拘束することができる。よって、各列のまくら木21の端部に当接した長尺取付冶具41に対してそれぞれ別個の引っ張り部材32Aを取り付ける必要がない分だけ、施工の手間をかけず軌道40の移動が防止できる。
【0076】
〔第四の実施の形態〕
次に、図6を参照し、第四の実施の形態における軌道の移動防止構造103について説明する。なお、上記第一および第二の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6(a)は、軌道の移動防止構造103の平面図であり、図6(b)は、軌道の移動防止構造103の縦断面図である。
【0077】
軌道の移動防止構造103は、図6に示すように、レール23の長手方向と直交する方向において隣り合う他の長尺取付冶具41どうしを連結する連結部材44を更に備える等の点で、上記軌道の移動防止構造102と異なる。以下、主にこの点について詳しく説明する。
【0078】
軌道の移動防止構造103においては、引っ張り部材32の一端部は、第二ナット36を引っ張り部材32外周面のねじ山に螺合させて締め付けることでH形鋼38に当接させることにより土留め壁13に取り付けられている。また、引っ張り部材32の他端部は、引っ張り部材32の一端部が取り付けられた土留め壁13と隣り合う長尺取付冶具41に、第一ナット33を外周面のねじ山に螺合させて該長尺取付冶具41に当接させることにより取り付けられている。
引っ張り部材32は、上記のように土留め壁13および長尺取付冶具41に所定の間隔をあけて取り付けられている。
【0079】
連結部材44は、鋼線(例えばPC鋼線)であり、先端部外周面に図示しないねじ山を備えている。連結部材44の一端部は、1つの長尺取付冶具41に設けられた貫通孔から突出している。そして、引っ張り部材32の一端部は、この一端部に第一ナット33を連結部材44のねじ山に螺合させて締め付けることで長尺取付冶具41に隣接させることで前記1つの長尺取付冶具41に取り付けられている。連結部材44の他端部は、レール23の長手方向と直交する方向において前記1つの長尺取付冶具41と隣り合う他の長尺取付冶具41に、同様に取り付けられている。
連結部材44は、上記のように1つの長尺取付冶具41と、レール23の長手方向と直交する方向において前記1つの長尺取付冶具41と隣り合う他の長尺取付冶具41とに、所定の間隔をあけて取り付けられている。
【0080】
上記軌道の移動防止構造103においては、土留め壁13と隣り合う長尺取付冶具41が引っ張り部材32を引っ張る方向へ移動しようとすると、引っ張り部材32が土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、長尺取付冶具41の移動が拘束される。更に、移動が拘束された長尺取付冶具41と連結部材44によって連結された他の長尺取付冶具41が連結部材44を引っ張る方向へ移動しようとすると、該他の長尺取付冶具41が連結部材44を引っ張り、引っ張られた連結部材44が移動を拘束された長尺取付冶具41で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該他の長尺取付冶具41の移動が拘束される。よって、移動が拘束された長尺取付冶具41と連結部材44によって連結された他の長尺取付冶具41の、連結部材44を引っ張る方向への移動が順次拘束されるため、各長尺取付冶具41の、レール23の長手方向と交差する方向への移動が拘束されることとなる。従って、長尺取付冶具41に当接しているまくら木21の、レール23と交差する方向への移動が拘束され、軌道40の移動を防止することができる。
【0081】
また、引っ張り部材32を配置するべき位置にまくら木21等の障害物が存在する等、土留め壁13間に延在させて引っ張り部材32を取り付けることができない場合であっても、引っ張り部材32と連結部材44とを組み合わせることにより、軌道40の移動を防止することができる。
【0082】
〔第五の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第五の実施の形態を、図7を参照して説明する。
図7は、本発明を適用した軌道の移動防止構造104の斜視図である。
軌道の移動防止構造104は、土留め壁13の代わりに杭14を備え、引っ張り部材32が土留め壁13の代わりに杭14に取り付けられている等の点で上記軌道の移動防止構造100,101,102および103と異なる。以下、主にこの点について詳しく説明する。なお、上記第一の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
杭14は、鉄筋コンクリートによって円筒状の形状に形成されており、地盤50に固設されている。
また、杭14には、貫通孔が貫通して設けられ、貫通孔には前記第一の実施の形態と同様に引っ張り部材32が取り付けられている。
以上のような軌道の移動防止構造104によれば、単純な形状の杭14を用い、反力をとることによって、軌道40の移動が防止できる。
【0084】
尚、上記実施の形態および実施の形態の変形例においては、レール23は、まくら木21に犬くぎを用いて締結されているとして説明したが、レール23をまくら木21に締結するものであれば犬くぎに限らず、タイプレートや板ばね、線ばね等で締結されていてもよい。
【0085】
また、取付冶具31および長尺取付冶具41は、鋼製であるとして説明したが、まくら木21先端面に当接し、まくら木21が移動しようとする時にまくら木21先端面によって押されるとともに引っ張り部材32、引っ張り部材32または連結部材44を引っ張るものであれば鋼製に限らず、他の金属製、木製または樹脂製であってもよい。さらに、取付字具31および長尺取付字具41は、他の形状のものであっても良い。
【0086】
また、引っ張り部材32、引っ張り部材32および連結部材44は、PC鋼線などの鋼線であるとして説明したが、他の材料によるものであっても良いし、また、他の形状のものであっても良い。
【0087】
また、土留め壁13を構成する矢板を鋼製の矢板であるとして説明したが、板状の杭であって、互いに隙間無く打ち込まれて連続した壁面をつくるものであれば、鋼製の矢板に限らず、木製やコンクリート製、鉄筋コンクリート製、プレストレストコンクリート製等の矢板であってもよい。
また、杭14は鉄筋コンクリート製であるとして説明したが、鉄鋼製、木製であってもよい。
【0088】
また、軌道の移動防止構造100、101、102、103および104は、主にレール23の長手方向と交差する水平方向へのまくら木21の移動を拘束するものとして説明したが、引っ張り部材32または連結部材44をレール23長手方向に垂直な平面内において斜めに取り付けることによって、鉛直方向へのまくら木21の移動を拘束するものとしても良い。
更に、軌道の移動防止構造102および103は、2つの軌道40,40を備えるものとして説明したが、2つ以上の軌道40,…を備えるものであってもよい。
【0089】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、引っ張り部材の取り付けられた反力部材から離れる方向へまくら木が移動しようとすると、まくら木が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、まくら木の移動が拘束される。従って、軌道の移動が防止される。
また、従来の突っ張り部材のようにその座屈や変形を防止するために径を太くする必要がなく、よって、引っ張り部材の断面積を小さくでき、この結果、軌道の移動防止構造の小型化を図ることができる。
【0090】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、レールの長手方向と交差する方向にまくら木が移動しようとすると、まくら木の端部が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、まくら木に圧縮力が働く。従って、従来の突っ張り部材を用いてまくら木の移動を拘束する場合と同方向にまくら木に圧縮力が加わるため、該従来技術に用いるために用意した所定の圧縮強さを持つまくら木を、本発明の軌道の移動防止構造におけるまくら木として利用することができる。
【0091】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、レールの長手方向にまくら木が移動しようとすると、移動するべき方向の端部に当接された取付冶具がまくら木に押圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該取付冶具の移動が拘束される。従って,まくら木の移動が拘束され、軌道の移動が防止される。
また、引っ張り部材をまくら木端部に取り付ける際に、まくら木に貫通孔を穿設するなどの、まくら木の強度を損なう施工を行う必要がない。更に、引っ張り部材をまくら木端部に取り付ける際にまくら木の形状に変化が生じないため、道床周辺の工事の時など、軌道が移動しやすい時に一時的に軌道の移動防止構造を構築し、その後、元の軌道構造に戻すことが可能である。更に、まくら木が移動しようとする時には、移動するべき方向の端部の取付冶具とまくら木とが当接部において互いに押圧し合うので、まくら木端部から取り付け冶具が外れにくい。従って、まくら木端部に取付冶具を強固に固定する必要がない。
【0092】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、長尺取付冶具に両端部が当接した何れのまくら木がレールと交差する方向へ移動しようとしても、移動するべき方向の端部に当接された該長尺取付冶具が押圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具の移動が拘束され、その結果、まくら木の移動が拘束される。従って、2つの長尺取付冶具によって2つ以上のまくら木の移動を拘束することができるため、各まくら木の端部に対して冶具を当接させる必要がなく、少ない数の長尺取付冶具によって軌道の移動を防止することができる。また、引っ張り部材を所定の間隔で長尺取付冶具に取り付けることができるため、まくら木の本数よりも少ない数の引っ張り部材によって軌道の移動を防止することが可能である。
よって、軌道の移動を、施工の手間をかけずに防止することができる。
【0093】
請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、何れの軌道のまくら木がレールと交差する方向へ移動しようとしても、まくら木端部に当接した長尺取付冶具が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具の移動が拘束される。従って、1つの引っ張り部材によって、レールの長手方向と交差する方向への、何れの軌道を構成するまくら木の移動も拘束することができる。よって、各列のまくら木の端部に当接した長尺取付冶具に対してそれぞれ別個の引っ張り部材を取り付ける必要がない分だけ、軌道の移動防止構造を、施工の手間をかけずに構築できる。
【0094】
請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、反力部材と隣り合う長尺取付冶具が引っ張り部材を引っ張る方向へ移動しようとすると、引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具の移動が拘束される。また、移動が拘束された長尺取付冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付冶具が連結部材を引っ張る方向へ移動しようとすると、該他の長尺取付冶具が連結部材を引っ張り、引っ張られた連結部材が、移動を拘束された長尺取付冶具で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該他の長尺取付冶具の移動が拘束される。よって、移動が拘束された長尺取付冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付冶具の、連結部材を引っ張る方向への移動が順次拘束されるため、各長尺取付冶具の、レールの長手方向と交差する方向への移動が拘束されることとなる。
従って、長尺取付冶具に当接しているまくら木の、レールの長手方向と交差する方向への移動が拘束され、軌道の移動を防止することができる。
また、引っ張り部材を配置するべき位置にまくら木等の障害物が存在する等、反力部材間に延在させて引っ張り部材を取り付けることができない場合であっても、引っ張り部材と連結部材とを組み合わせることにより、軌道の移動を防止することができる。
【0095】
請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6の何れかに記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、地盤内にトンネルを設けるなど、道床周辺を工事する場合、土留め壁を反力部材として用いることによって、まくら木の移動を拘束し、軌道の移動を防止することができる。
【0096】
請求項8記載の発明によれば、杭という単純な形状の反力部材を用いることによって、請求項1から6記載の発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軌道の移動防止構造の第一の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る軌道の移動防止構造の第一の実施の形態の縦断面図である。
【図3】本発明に係る軌道の移動防止構造における引っ張り部材の取り付け部分の変形例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る軌道の移動防止構造の第二の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る軌道の移動防止構造の第三の実施の形態を示す図であり、(a)は、軌道の移動防止構造の平面図であり、(b)は、軌道の移動防止構造の縦断面図である。
【図6】本発明に係る軌道の移動防止構造の第四の実施の形態を示す図であり、(a)は、軌道の移動防止構造の平面図であり、(b)は、軌道の移動防止構造の縦断面図である。
【図7】本発明に係る軌道の移動防止構造の第5の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 道床
13 土留め壁(反力部材)
14 杭(反力部材)
21 まくら木
23 レール
31 取付冶具
32 引っ張り部材
40 軌道
41 長尺取付冶具
44 連結部材
50 地盤
100 軌道の移動防止構造
101 軌道の移動防止構造
102 軌道の移動防止構造
103 軌道の移動防止構造
104 軌道の移動防止構造

Claims (8)

  1. 道床上に平行に設けられた複数のまくら木と、これらまくら木に締結された複数の平行なレールとを備えた軌道が、前記レールと交差する方向へ移動するのを防止する軌道の移動防止構造であって、
    前記道床または前記道床の近傍には、一対の反力部材が前記軌道を離間して挟む位置で固定され、
    前記反力部材に取り付けられるとともに当該反力部材から離れる方向への前記まくら木の移動を前記反力部材で反力をとって引っ張り力で拘束する引っ張り部材が、前記まくら木に直接または間接的に取り付けられていることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  2. 請求項1記載の軌道の移動防止構造において、
    前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けられ、
    前記まくら木の一端部と、該まくら木の他端部の外側に位置する前記反力部材とに、一方の前記引っ張り部材が取り付けられているとともに、
    前記まくら木の他端部と、該まくら木の一端部の外側に位置する前記反力部材とに、他方の前記引っ張り部材が取り付けられていることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  3. 請求項1記載の軌道の移動防止構造において、
    前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けられ、
    前記まくら木の一端部と他端部とには、それぞれ取付冶具が当接されており、
    前記まくら木の一端部に当接された一方の前記取付冶具と、前記まくら木の他端部の外側に位置する前記反力部材とに、一方の前記引っ張り部材が取り付けられるとともに、
    前記まくら木の他端部に当接された他方の前記取付冶具と、前記まくら木の一端部の外側に位置する前記反力部材とに、他方の前記引っ張り部材が取り付けられていることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  4. 請求項1記載の軌道の移動防止構造において、
    前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けられ、
    前記複数のまくら木のそれぞれの一端部には、前記レールの長手方向に長尺な一方の長尺取付冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されており、
    前記複数のまくら木のそれぞれの他端部には、前記レールの長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されており、
    前記一方の長尺取付冶具と、前記まくら木の前記他端部の外側に位置する前記反力部材とに、一方の前記引っ張り部材が取り付けられるとともに、
    前記他方の長尺取付冶具と、前記まくら木の前記一端部の外側に位置する前記反力部材とに、他方の前記引っ張り部材が取り付けられていることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  5. 請求項1記載の軌道の移動防止構造において、
    前記軌道は複数設けられており、
    前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けられており、
    各軌道を構成する前記複数のまくら木のそれぞれの一端部には、前記レールの長手方向に長尺な一方の長尺取付冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されており、
    前記複数のまくら木のそれぞれの他端部には、前記レールの長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されており、
    前記反力部材間には、前記引っ張り部材が前記長尺取付冶具を貫通するようにして配置されて各反力部材に取り付けられており、
    前記引っ張り部材の中途部は、前記長尺取付冶具に固定されていることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  6. 請求項1記載の軌道の移動防止構造において、
    前記軌道は複数設けられており、
    前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けられており、
    各軌道を構成する前記複数のまくら木のそれぞれの一端部には、前記レールの長手方向に長尺な一方の長尺取付冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されており、
    前記複数のまくら木のそれぞれの他端部には、前記レールの長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されており、
    一方の前記反力部材と、これに隣り合う前記長尺取付冶具とに、一方の前記引っ張り部材が取り付けられるとともに、
    他方の前記反力部材と、これに隣り合う前記長尺取付冶具とに、他方の前記引っ張り部材が取り付けられており、
    前記レールの長手方向と直交する方向において互いに隣り合う別々の前記長尺取付冶具どうしが、連結部材によって連結されていることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の軌道の移動防止構造において、
    前記道床を支持する地盤を更に備え、
    前記反力部材は、前記地盤の土留め壁であることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の軌道の移動防止構造において、
    前記反力部材は前記道床または前記道床の近傍に固定された杭であることを特徴とする軌道の移動防止構造。
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