JP3655477B2 - 火災感知器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、着脱可能で別体に設けられた感知器ベースを介することなく、天井等の取付個所に一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
火災感知器には、着脱可能で別体に設けられた感知器ベースを介して天井等の取付個所に取り付けられるタイプと、感知器ベースを介さずに直接に取付個所に取り付けられるタイプとがある。感知器ベースは、受信機から取付個所まで配された回線に接続されるリード線と、火災感知器と電気的に接続する端子片とを備え、火災感知器を取付個所に固定すると共に、火災感知器と回線とを電気的に接続させる。
感知器ベースを介して取り付けるタイプの感知器は、感知器ベース自体に厚みがあるため、その分、取付個所(例えば天井)からの突出量が大きくなり、低い天井などに取り付けると空間の圧迫感を生む。また、空間の圧迫感だけでなく、さまざまな理由で取付個所からあまり突出しないタイプの感知器が望まれることがある。
感知器ベースを介さずに取り付けるタイプの感知器は、感知器ベースがない分、取付個所からの突出量を比較的に小さくできると云う利点を有している。
【0003】
図8には、感知器ベースを介さない従来の感知器の一例の側面図を示す。
感知器ベースを介さない従来の感知器80は、熱や煙を感知する感知回路等が搭載された電子基板を収容する収容部81と、感知器を取付個所に取り付けるために収容部81の周囲に張り出されたフレーム部82等を備えてなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
感知器ベースを介さない従来の感知器80は、図8に示すように、収容部81の上部がフレーム部82より一段高く設けられており、天井等の取付個所に取り付ける場合に、天井に収容部81の上部が入り込むだけの穴を開けなければならず作業性が良くなかった。また、穴が大きいため感知器を外して元の状態に戻す場合に修復作業が大変であった。
【0005】
図9には、感知器ベースを介さない従来の感知器80の縦断面図を示す。
感知器ベースを介さない従来の感知器80は、収容部81の上部に基板等を収容するための開口81Bと、この開口81Bを塞ぐ蓋81Aとが設けられている。一般に、このような感知器の蓋には、開口81Bをその外側から覆うように開口81Bを塞ぐタイプと、図8のように開口81Bの内側に嵌合して開口81Bを塞ぐタイプとがある。
感知器ベースを介さない感知器80は、直接に天井等の取付個所に取り付けられるため、例えば雨水や露などの水の発生が多い個所に設置する場合、天井裏から感知器上部に水がつたわることがあり、このとき感知器80の上部の蓋81Aが開口81Bの内側に嵌合するタイプであると、蓋81Aと開口81Bとの間から水が感知器80内部に入りこんでしまう。また、蓋が開口81Bの外側から覆うタイプであっても、感知器ベースを介さない感知器80は、回線に接続するためのリード線が感知器80内部から外部に延出しているので、このリード線をつたって水が感知器80内部に入りこんでしまう。そのため、従来では、感知器を水の発生が多い個所に設置する場合、蓋を接着剤で封止するなどの処理を行っていたが、一旦蓋を封止すると、保守点検などで感知器を分解する必要が生じても分解することができないなど、感知器を取り扱う上で不便であった。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、天井等の取付個所に一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器において、取付個所に大きな穴を開ける必要がなく、更に、感知器内部に水が入った場合でも不具合を発生させることなく、水の発生が多い個所に設置する場合でも排水容易な火災感知器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、着脱可能で別体に設けられた感知器ベースを介することなく、天井等の取付個所に一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器において、
平面視、火災を感知する感知手段が収容される収容部と、該収容部の周囲に設けられ取付個所に固定されるフレーム部とを有し、
取付個所に取り付けられる方を上方として、
前記収容部および前記フレーム部の上面がほぼ同一平面状に設けられている構成とした。
【0008】
この請求項1記載の発明によれば、火災感知器が感知器ベースを必要とせず直接に取付個所に取り付けられるため、火災感知器設置による突出量を小さくできる。その上で、収容部およびフレーム部の上面がほぼ同一平面状に設けられているので、火災感知器を取り付ける際に取付個所に設ける穴を従来に比べて小さくすることが出来る。すなわち、従来のように収容部の上部を通す穴が不要となり、火災感知器から延出したリード線を通す穴だけ設ければよい。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の火災感知器において、
前記収容部の上部には前記感知手段を収容するための開口と、この開口を塞ぐ蓋とが設けられ、
前記開口の内側には前記蓋を係止する係止部が設けられ、
前記蓋は前記開口の内側に嵌合されて該開口を塞いでいる構成とした。
この請求項2記載の発明によれば、蓋が開口の内側に嵌合される構成なので、フレーム部と収容部の上面をほぼ同一平面状にする構成を、単純な構造で容易に実現できる。
【0010】
具体的には、請求項3記載の発明のように、請求項2記載の火災感知器において、前記蓋に、該蓋の外周部で且つ上面より低い位置の少なくとも2個所に径方向に突出した係止片と、該蓋の上面より低い位置の少なくとも1個所に係止爪とをそれぞれ設ける一方、前記開口に、前記蓋の係止片を収容して係止する係止部と、前記蓋の係止爪が掛け止めされる掛止部とをそれぞれ設けることで、蓋が開口の内側に嵌合されて係止される構成を単純な構造で実現できる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の火災感知器において、前記収容部の上部には前記感知手段を収容するための開口と、この開口を塞ぐ蓋とが設けられ、
前記収容部内には、前記感知手段の基板を下から支持する脚部が設けられる一方、
前記蓋には、前記感知手段の基板を上から押さえる押え部が設けられ、
前記感知手段の基板が、前記脚部と前記押え部に挟持固定されている構成とした。
この請求項4記載の発明によれば、感知手段の基板を収容部に収容した後、蓋を閉めるだけで基板が固定されるので、火災感知器の組み立て作業を容易にできる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の火災感知器において、
前記収容部の下側には外部に露出する表示灯用のレンズが設けられ、
該レンズが前記基板を支持する前記脚部を兼ねている構成とした。
この請求項5記載の発明によれば、レンズにより基板が支持されるので基板をより安定して支持できると共に、レンズが脚部を兼ねている分、構成のコンパクト化を図ることが出来る。
【0013】
請求項6記載の発明は、火災を感知する感知手段が収容される収容部と、該収容部の周囲に設けられ取付個所に固定されるフレーム部とを有し、着脱可能で別体に設けられた感知器ベースを介することなく、天井等の取付個所に一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器において、前記感知手段は、基板および該基板の一面から火災感知器の外部まで延出するリード線を備えてなり、火災感知器が取付個所に取り付けられる方を上方として、前記基板が前記一面側を下方に向けて収容され、前記リード線が基板の下側から基板の縁部の外方を迂回して上方に延出し、前記収容部の上部には前記感知手段を収容するための開口と、この開口を塞ぐ蓋とが設けられ、前記開口および蓋のそれぞれに溝部が形成され、前記リード線が前記開口の溝と蓋の溝とに挟まれて外部に通されている構成とした。
【0014】
この請求項6記載の発明によれば、リード線をつたわって感知器内部に入りこんだ水が基板上につたわらずに基板の下側に回避される。したがって、感知器内部に水が入りこんだ場合でも、基板に水の影響を与えることなく排水することが出来る。また、基板を収容部にセットした際にリード線が迂回することで、リード線が収容部の内壁(例えば溝部)に嵌り込んで基板を仮止めすることが出来る。それにより、火災感知器の組み立て作業や分解作業が容易になる。また、リード線が開口と蓋との両方の溝部に挟まれて外部に通されるので、リード線の周りに隙間を作ることなく組み付け容易に感知器内部から外部にリード線を通すことが出来る。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1〜の何れかに記載の火災感知器において、前記収容部の底には外部まで貫通した水抜き用の貫通孔が設けられている構成とした。この請求項記載の発明によれば、火災感知器内部に水が入り込んだ場合でも、水抜き用の貫通孔から水を排出することができ、水が感知器内に溜まってしまうと云った不都合を回避できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図7の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の火災感知器1の分解斜視図である。図2は火災感知器1の本体ケース10を示すもので、(a)はその平面図、(b)は斜視図、図3は火災感知器1の回路用の基板30を示すもので、(a)はその下面図、(b)は上面図、図4は火災感知器1の蓋40を示すもので、(a)はその上面図、(b)は下面図である。
【0018】
この実施の形態の火災感知器1は、回線に接続された取付ベースを介することなく、天井等の取付個所に直接に且つ一体的な構成のまま取り付けられるタイプの感知器であり、図1に示すように、本体ケース10、熱の感知等を行う感知回路(感知手段)を配設した基板30、蓋40、および、本体ケース10の下側に取り付けられるプロテクタ等から構成される。
本体ケース10は、回路基板30を収容する中央の収容部15と、この収容部15の周囲に張り出した感知器固定用のフレーム部12とから構成される。
【0019】
収容部15は上面が開口となっており、その内部には、基板30に配設されたサーミスタを外部に露出させる貫通孔16、レンズ孔17、脚片(脚部)18…、基板30に接続されたリード線31…を外部に出すための溝部24…、および、蓋40の係止爪41を掛け止める掛止片(掛止部)25が、それぞれ設けられている。
また、収容部15の開口部の内側には、蓋40が載って位置決めされる段部29と、蓋40の係止片42,42が挿入されて係止される2個の係止部28,28が形成されている。
【0020】
また、収容部15の底面には、浸入してきた水を排出する水抜き用の貫通孔19…、20…、21…が設けられている。これらのうち貫通孔20…は溝部24…の下側に設けられている。
脚片18…は、基板30の3つの角部に対応した位置に設けられ、平らな部分で基板30を支持すると共に、傾斜した部分が基板30の溝部33…に入って基板30を位置決めする。
【0021】
レンズ孔17は、基板30上の表示灯の光を外部に導くレンズ13を通す孔で、その内径はレンズ13がゆるみなく嵌合する径に形成されている。レンズ孔17の周囲には、レンズ13のツバ部13aが収まる凹部17aと、レンズ13を囲む壁部17bが設けられている。レンズ13はこのレンズ孔17に嵌合して固定される。また、レンズ13をレンズ孔17に嵌合させると、レンズ13の上部が基板30の下面と同じ高さになり、レンズ13が基板30を下から支持する脚部を兼ねるように構成されている。レンズ13が基板30を支持した場合、基板30上の発光素子はレンズ13上部の凹部13b内に避けられる。
【0022】
掛止片25は、フック形状の係止爪41に対応して係止爪41を動かさないと該係止爪41が外れない形状に構成されている。また、掛止片25の下側には係止爪41を外すための開口孔26が設けられ、例えばドライバーなど先の尖ったものを開口孔26から差し込んで係止爪41に力を加えることで、係止爪41と掛止片25との係止が外れるようになっている。
フレーム部12は、その上面が収容部15の上面(蓋40の上面)と同一平面に位置するように形成されている。フレーム部12には、直接に天井等の取付個所に取り付けられるように、複数のネジ挿通孔12a,12a,12b,12b,12c,12cが設けられている。
【0023】
基板30には、図3に示すように、火災を感知するための集積回路(図示略)や、火災を感知したときに発光する表示灯用の発光素子35が配設されると共に、受信機から伸びた感知器回線や火災感知器1のテストを行う試験線などに火災感知器1を接続するためのコネクタ付きリード線31…が電極38…に接続される。これらリード線31…は基板30の下面側から延出するように接続する。また、基板30中央の電極孔39には熱検知素子(サーミスタなど)が接続される。
また、基板30には、収容部15の脚片18…の傾斜部が挿入される位置決め用の溝部33…が、3つの角部にそれぞれ設けられている。位置決め用の溝部33…が左右対称でないことから、基板30の表裏を間違えてセットしてしまうと云った不具合が回避される。
【0024】
蓋40は、収容部15の開口部の内側に嵌合してこの開口部を塞ぐものであり、開口部の溝部24…に対応する個所に、これら溝部24…に噛み合う凸部46…が設けられている。また、これら凸部46…の先端側にもリード線31…を通すための溝部45…が設けられており、収容部15の溝部24と蓋40の溝部45…でリード線31を挟んで隙間なくリード線31…が外部に延出するようになっている。
また、蓋40の外周部には、上面から一段下がった位置に径方向に張り出した2個の係止片42,42が設けられている。また、蓋40の下面には、収容部15の掛止片25に掛け止めされる係止爪41と、基板30を上から押える押え部43…が設けられている。
【0025】
次に、上記のような構成の火災感知器1の組付け構造について説明する。
図5には、上記本体ケース10に基板30をセットした状態の上面図を、図6には、上記本体ケース10に基板30と蓋40とをセットした状態の上面図を示す。なお、図5と図6においてリード線31…の図示を省略している。
本体ケース10と基板30との組み付けは、基板30の三隅の溝部33を脚片18と合わせて収容部15内に収容させるだけであり、ネジ止着等の固定を行う必要がない。基板30の下面側から延出するリード線31…は基板30の外側を迂回して溝部24を通って外部に出させる。この状態で、リード線31…を溝にはめ込むことにより、本体ケース10を裏返しにしても基板30が抜けない程度に仮止めされる。
【0026】
本体ケース10と蓋40との組み付けは、先ず、蓋40の係止片42,42を本体ケース10の係止部28,28に差し入れた後、蓋40を本体ケース10の開口部に押し込んで係止爪41を本体ケース10の掛止片25に係止させることで完了する。この状態において、蓋40は収容部15の段部29に載ると同時に、その係止片42,42が収容部15の係止部28,28に、係止爪41が収容部15の掛止片25に、それぞれ係止されて固定される。
【0027】
図7は、図6の火災感知器の3個所の縦断面を示すもので、(a)は矢印A−A線断面図、(b)は矢印B−B線断面図、(c)は矢印C−C線断面図である。
同図に示すように、蓋40が組み付けられると、蓋40の押え部43…と本体ケース10の脚片18又はレンズ13の上部とで、基板30が押えられて固定されるようになっている。また、本体ケース10の溝部24と蓋40の溝部45とにより、リード線31が隙間なく挟まれて固定されるようになっている。
また、図7(b)に示すように、リード線31は、基板30の下面から溝部24に沿って基板30の外側を迂回して外部に延出しているため、リード線31をつたわって水が浸入した場合でも水が基板30上に載らないようになっている。また、溝部24の下に水抜き用の貫通孔20が開けられているので、リード線31をつたわってきた水は貫通孔20から外部に排出される。
【0028】
以上のように、この実施の形態の火災感知器1によれば、火災感知器1が感知器ベースを必要とせず直接に取付個所に取り付けられるため、火災感知器1の設置による突出量を小さくできる。その上で、収容部15およびフレーム部12の上面がほぼ同一平面状に設けられているので、火災感知器1を取り付ける際に取付個所に設ける穴を従来に比べて小さくすることが出来る。すなわち、従来のように収容部の上部を挿入する穴が不要となり、火災感知器1から延出したリード線31…を通す穴だけ設ければよい。
【0029】
また、収容部15の開口を塞ぐ蓋40が、開口の内側に嵌合されて開口を塞ぐ構成なので、フレーム部12と収容部15の上面をほぼ同一平面状にする構成を、単純な構造で容易に実現できる。更に、蓋40に係止片42,42と係止爪41とを設ける一方、収容部15の開口に、蓋40の係止片42,42を収容して係止する係止部28,28と、蓋40の係止爪41が掛け止めされる掛止片25とを設けることで、蓋40が開口の内側に嵌合されて係止される構成を単純な構造で実現できる。
【0030】
また、基板30が収容部15内の脚片18とレンズ13に下側から支持される一方、蓋40の押え部43…に上側から押えられて固定される構成なので、火災感知器1の組み立て作業を容易にできる。また、レンズ13が基板を支持する脚部を兼ねているので、基板30をより安定して支持できると共に、構成のコンパクト化を図ることが出来る。
【0031】
また、リード線31…が基板30の下側から基板30の縁部の外方を迂回して上方に延出する構成なので、リード線31…をつたわって入りこむ水が基板30上に載るのを防止できる。また、火災感知器1内部に水が入り込んだ場合でも、水抜き用の貫通孔19…,20…,21…から水を排出することができ、水が火災感知器1内に溜まってしまうと云った不都合を回避できる。
【0032】
また、リード線31…が基板30の縁部の外方を迂回することで、リード線31…がバネのように作用して、この作用により基板30を仮止めすることが出来る。それにより、火災感知器の組み立て作業や分解作業が容易になる。
また、リード線31…が収容部15の開口と蓋40との両方に設けられた溝部24…,45…に挟まれて外部に通されるので、リード線31…の周りに隙間を作ることなく組み付け容易にリード線31…を通すことが出来る。
【0033】
なお、本発明の火災感知器は、この実施の形態の火災感知器1に限られるものでない。例えば、火災感知器として電気的に熱を感知する火災感知器1を示したが、煙を感知するタイプや熱膨張を利用して機械的に熱を感知するタイプの感知器にも適用できる。その他、基板を支持する脚部の配置・形状や、リード線31を通す溝部24…の配置・形状、水排出用の貫通孔の配置、蓋と収容部との係止構造など、この実施の形態で述べた具体的な構造は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、火災感知器が感知器ベースを必要とせず直接に取付個所に取り付けられるため、火災感知器設置による突出量を小さくできる。その上で、収容部およびフレーム部の上面がほぼ同一平面状に設けられているので、火災感知器を取り付ける際に取付個所に設ける穴を従来に比べて小さくすることが出来る。すなわち、従来のように収容部の上部を通す穴が不要となり、火災感知器から延出したリード線を通す穴だけ設ければよい。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、収容部の上部に設けられた開口を塞ぐ蓋が、開口の内側に嵌合されて開口を塞ぐ構成なので、フレーム部と収容部の上面をほぼ同一平面状にする構成を、単純な構造で容易に実現できる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、蓋に係止片と係止爪を設ける一方、収容部の開口に、蓋の係止片を収容して係止する係止部と、蓋の係止爪が掛け止めされる掛止部とを設けることで、蓋が開口の内側に嵌合されて係止される構成を単純な構造で実現できる。
【0037】
請求項4記載の発明によれば、感知手段の基板が収容部内の脚部に下側から支持される一方、蓋の押え部に上側から押えられて固定される構成なので、火災感知器の組み立て作業を容易にできる。
【0038】
請求項5記載の発明によれば、レンズにより基板が支持されるので基板をより安定して支持できると共に、レンズが脚部を兼ねている分、構成のコンパクト化を図ることが出来る。
【0039】
請求項6記載の発明によれば、リード線が基板の下側から基板の縁部の外方を迂回して上方に延出する構成なので、リード線をつたわって感知器内部に入りこんだ水が基板上につたわらずに基板の下側に回避され、感知器内部に水が入りこんだ場合でも、基板に水の影響を与えることなく排水することが出来る。また、基板を収容部にセットした際にリード線が迂回することで、リード線が収容部の内壁(例えば溝部)に嵌り込んで基板を仮止めすることが出来る。それにより、火災感知器の組み立て作業や分解作業が容易になる。
また、リード線が収容部の開口と蓋との両方に設けられた溝部に挟まれて外部に通されるので、リード線の周りに隙間を作ることなく組み付け容易に感知器内部から外部にリード線を通すことが出来る。
【0041】
請求項記載の発明によれば、火災感知器内部に水が入り込んだ場合でも、水抜き用の貫通孔から水を排出することができ、水が感知器内に溜まってしまうと云った不都合を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の火災感知器の分解斜視図である。
【図2】同、火災感知器の本体ケースを示すもので、(a)はその平面図、(b)は斜視図である。
【図3】同、火災感知器の回路基板を示すもので、(a)はその下面図、(b)は上面図である。
【図4】同、火災感知器の蓋を示すもので、(a)はその上面図、(b)は下面図である。
【図5】同、火災感知器において本体ケースに回路基板をセットした状態を示す上面図である。
【図6】同、火災感知器において本体ケースに回路基板と蓋をセットした状態を示す上面図である。
【図7】図6の火災感知器の3個所の縦断面を示すもので、(a)は矢印A−A線断面図、(b)は矢印B−B線断面図、(c)は矢印C−C線断面図である。
【図8】取付ベースを介さない従来の火災感知器を示す側面図である。
【図9】同、従来の火災感知器を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 火災感知器
10 本体ケース
12 フレーム部
13 レンズ
15 収容部
18… 脚片(脚部)
19…,20…,21… 水排出用の貫通孔
24… 溝部
25 掛止片
28,28 係止部
29 段部
30 基板
31… リード線
33… 溝部
40 蓋
41 係止爪
42,42 係止片
43… 押え部

Claims (7)

  1. 着脱可能で別体に設けられた感知器ベースを介することなく、天井等の取付個所に一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器において、
    平面視、火災を感知する感知手段が収容される収容部と、該収容部の周囲に設けられ取付個所に固定されるフレーム部とを有し、
    取付個所に取り付けられる方を上方として、
    前記収容部および前記フレーム部の上面がほぼ同一平面状に設けられていることを特徴とする火災感知器。
  2. 前記収容部の上部には前記感知手段を収容するための開口と、この開口を塞ぐ蓋とが設けられ、
    前記開口の内側には前記蓋を係止する係止部が設けられ、
    前記蓋は前記開口の内側に嵌合されて該開口を塞いでいることを特徴とする請求項1記載の火災感知器。
  3. 前記蓋には、
    該蓋の外周部で且つ上面より低い位置の少なくとも2個所に径方向に突出した係止片と、
    該蓋の上面より低い位置の少なくとも1個所に係止爪とが、それぞれ設けられる一方、
    前記開口には、
    前記蓋の係止片を収容して係止する係止部と、
    前記蓋の係止爪が掛け止めされる掛止部とが、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項2記載の火災感知器。
  4. 前記収容部の上部には前記感知手段を収容するための開口と、この開口を塞ぐ蓋とが設けられ、
    前記収容部内には、前記感知手段の基板を下から支持する脚部が設けられる一方、
    前記蓋には、前記感知手段の基板を上から押さえる押え部が設けられ、
    前記感知手段の基板が、前記脚部と前記押え部に挟持固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の火災感知器。
  5. 前記収容部の下側には外部に露出する表示灯用のレンズが設けられ、
    該レンズが前記基板を支持する前記脚部を兼ねていることを特徴とする請求項4記載の火災感知器。
  6. 火災を感知する感知手段が収容される収容部と、該収容部の周囲に設けられ取付個所に固定されるフレーム部とを有し、着脱可能で別体に設けられた感知器ベースを介することなく、天井等の取付個所に一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器において、
    前記感知手段は、基板および該基板の一面から火災感知器の外部まで延出するリード線を備えてなり、
    火災感知器が取付個所に取り付けられる方を上方として、
    前記基板が前記一面側を下方に向けて収容され、前記リード線が基板の下側から基板の縁部の外方を迂回して上方に延出し
    前記収容部の上部には前記感知手段を収容するための開口と、この開口を塞ぐ蓋とが設けられ、
    前記開口および蓋のそれぞれに溝部が形成され、前記リード線が前記開口の溝と蓋の溝とに挟まれて外部に通されていることを特徴とする火災感知器。
  7. 前記収容部の底には外部まで貫通した水抜き用の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の火災感知器。
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