JP3654689B2 - 熱硬化性樹脂組成物、硬化方法、木質材料および成形物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、硬化方法、木質材料および成形物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は繊維や木材チップあるいは無機粉末の成形物を製造する際に用いられるバインダー、不織布、繊維編織物、紙等の塗布または含浸剤、あるいは木材の接着剤等に有用な熱硬化性樹脂組成物およびその硬化方法および該熱硬化性樹脂組成物を用いた木質材料および成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維や木材チップあるいは無機粉末の成形物を製造する際に用いられる水溶性のバインダー、不織布、繊維編織物、紙等の塗布または含浸剤、あるいは木材の接着剤としては、レゾール型フェノール・アルデヒド系初期縮合物やフェノール・レゾルシン・アルデヒド系初期共縮合物が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記レゾール型フェノール・アルデヒド系初期縮合物は室温では不安定なため低温で保存せねばならず、保存可能期間が極めて短い欠点がある。しかもその硬化には通常180〜200℃の高温加熱が必要であり、このような高温加熱によれば繊維や木材チップ等の成形材料に熱劣化を生じるし、また熱エネルギーコストも高くなる。
フェノール・レゾルシン・アルデヒド系初期共縮合物のような1価フェノール・多価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物の場合は、使用の際硬化剤としてアルデヒドを加える必要があり、ホルマリン、パラホルムアルデヒドのようなアルデヒドを硬化剤として使用する場合には、反応性が高すぎるために硬化剤添加後の室温でのポットライフが短く、可使時間は長くとも2〜3時間であり、作業性が非常に悪いという欠点がある。またホルマリン、パラホルムアルデヒドの代わりに加熱反応型のヘキサメチレンテトラミンを硬化剤として使用する場合には、該1価フェノール・多価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物をバインダーとして混合したり、塗布または含浸剤として塗布含浸した後の予備乾燥の段階でも硬化がかなり進行し、更にこの予備乾燥物は室温で急速に硬化が進行して成形性を喪失し、長期間保存できないと云う問題点があった。
レゾルシノール系樹脂の硬化剤添加後のポットライフを改良するために、硬化剤としてアルデヒドの代わりにメチロール尿素、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メチル化メチロール尿素、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メチル化メチロールメラミン等のアミノ系樹脂を添加し、pH7以上で加熱硬化させる硬化方法が開示されている(特開昭57−053536号)。しかしこの方法を上記1価フェノール・多価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物に適用すると、硬化剤添加後の可使時間は延長されるが、硬化には180℃以上の加熱が必要となり、加熱をより低温短時間にするという硬化促進の効果は期待できないと云う問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、スルホメチル基および/またはスルフィメチル基が導入されている1価フェノールおよび/または多価フェノールとアルデヒドとの初期縮合物とウロン系化合物との混合物を主成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物および該熱硬化性樹脂組成物の硬化方法および該熱硬化性樹脂組成物を使用した成形物を提供するものである。
【0005】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は1価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物および/または多価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物および/または1価フェノール・多価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物(以下初期共縮合物Aと云う)とウロン系化合物Bとの混合物を主体とするものである。
[1価フェノール]
本発明の初期共縮合物Aに使用する1価フェノールを例示すれば、フェノールやo−クレゾール,m−クレゾール,p−クレゾール,エチルフェノール,iso−プロピルフェノール,キシレノール,3,5−キシレノール,ブチルフェノール,t−ブチルフェノール,ノニルフェノール等のアルキルフェノール,o−フルオロフェノール,m−フルオロフェノール,p−フルオロフェノール,o−クロロフェノール,m−クロロフェノール,p−クロロフェノール,o−ブロモフェノール,m−ブロモフェノール,p−ブロモフェノール,o−ヨードフェノール,m−ヨードフェノール,p−ヨードフェノール,o−アミノフェノール,m−アミノフェノール,p−アミノフェノール,o−ニトロフェノール,m−ニトロフェノール,p−ニトロフェノール,2,4−ジニトロフェノール,2,4,6−トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体およびナフトール等のような1価フェノールの単独または二種以上の混合物である。
【0006】
[多価フェノール]
本発明の初期共縮合物Aに使用する多価フェノールを例示すれば、レゾルシン,アルキルレゾルシン,ピロガロール,カテコール,アルキルカテコール,ハイドロキノン,アルキルハイドロキノン,フロログルシン,ビスフェノール,ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノールの単独または二種以上の混合物である。、これら多価フェノールのうち望ましいものはレゾルシンまたはアルキルレゾルシンであり、特に望ましいものはレゾルシンよりもアルデヒドとの反応速度が速いアルキルレゾルシンである。
上記アルキルレゾルシンとしては、例えば5−メチルレゾルシン,5−エチルレゾルシン,5−プロピルレゾルシン,5−n−ブチルレゾルシン,4,5−ジメチルレゾルシン,2,5−ジメチルレゾルシン,4,5−ジエチルレゾルシン,2,5−ジエチルレゾルシン,4,5−ジプロピルレゾルシン,2,5−ジプロピルレゾルシン,4−メチル−5−エチルレゾルシン,2−メチル−5−エチルレゾルシン,2−メチル−5−プロピルレゾルシン,2,4,5−トリメチルレゾルシン,2,4,5−トリエチルレゾルシン等がある。
エストニア産オイルシェールの乾留によって得られる多価フェノール混合物は安価であり、かつ5ーメチルレゾルシンのほか反応性の高い各種アルキルレゾルシンを多量に含むので、本発明において最も好ましい多価フェノール原料である。
【0007】
[アルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体]
本発明の初期共縮合物Aを製造するには、上記1価フェノールおよび/または多価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体を縮合する。上記アルデヒド供与体とは分解するとアルデヒドを生成供与する化合物を意味する。上記アルデヒドならびにアルデヒド供与体を例示すれば、ホルマリン,ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,トリオキサン,アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,ポリオキシメチレン,クロラール,ヘキサメチレンテトラミン,フルフラール,グリオキザール,n−ブチルアルデヒド,カプロアルデヒド,アリルアルデヒド,ベンツアルデヒド,クロトンアルデヒド,アクロレイン,テトラオキシメチレン,フェニルアセトアルデヒド,o−トルアルデヒド,サルチルアルデヒド等の単独または二種以上の混合物である。
【0008】
[縮合触媒]
本発明において1価フェノールおよび/または多価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体との縮合の際、必要ならば酸性またはアルカリ性の縮合触媒を添加する。その添加量は1価フェノールおよび/または多価フェノールに対し通常6重量%(以下単に%とする)以下の量とする。
上記酸性触媒としては、例えば塩酸、硫酸、オルト燐酸、ホウ酸、蓚酸、蟻酸、酢酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタリン−α−スルホン酸、ナフタリン−β−スルホン酸等の無機または有機酸、あるいは蓚酸ジメチルエステル等の有機酸のエステル類、マレイン酸無水物等の酸無水物、水酸化マンガン、水酸化クロム、水酸化鉄、水酸化鉛、水酸化銅、酢酸亜鉛、ギ酸亜鉛、安息香酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化第2鉄、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、イミドスルホン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、モノクロル酢酸およびそのナトリウム塩、α,α’ジクロロヒドリン等の有機ハロゲン化物、トリエタノールアミン塩酸塩、塩酸アニリン等のアミン類の塩酸塩、サルチル酸尿素アダクト、ステアリン酸尿素アダクト、ヘプタン酸尿素アダクト等の尿素アダクト,N−トリメチルタウリン等がある。
上記アルカリ性触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化鉛、酸化ニッケル、酸化アルミニウム等の金属の水酸化物や酸化物、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、燐酸ナトリウム等のアルカリ金属の弱酸塩類、アンモニア、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン等のアミン類が例示される。上記酸性またはアルカリ性触媒は二種以上併用してもよい。
【0009】
[溶媒]
本発明において初期共縮合物Aの溶媒として通常水が用いられるが、必要ならば更にメタノール,エタノール,イソプロパノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノール,sec−ブタノール,t−ブタノール,n−アミルアルコール,イソ−アミルアルコール,n−ヘキサノール,メチルアミルアルコール,2−エチルブチノール,n−ヘプタノール,n−オクタノール,トリメチルノニルアルコール,シクロヘキサノール,ベンジルアルコール,フルフリルアルコール,テトラヒドロフルフリルアルコール,アビエチルアルコール,ジアセトンアルコール等のアルコール類、アセトン,メチルアセトン,メチルエチルケトン,メチル−n−プロピルケトン,メチル−n−ブチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジエチルケトン,ジ−n−プロピルケトン,ジイソブチルケトン,アセトニルアセトン,メチルオキシド,シクロヘキサノン,メチルシクロヘキサノン,アセトフェノン,ショウノウ等のケトン類、エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,プロピレングリコール,トリメチレングリコール,ポリエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールイソプロピルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールジアセテート,ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の上記グリコール類のエステル類やその誘導体、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジエチルセロソルブ,ジエチルカルビトール,エチルラクテート,イソプロピルラクテート,ジグリコールジアセテート,ジメチルホルムアミド等の水可溶性有機溶剤の単独または2種以上の混合物を添加使用出来る。
アセトン等は溶剤であると同時に、アルキルレゾルシンを使用する場合にはその錯化剤としても作用し、より穏やかな反応をもたらす。
【0010】
[初期縮合物A]
本発明の初期縮合物Aは、1価フェノールおよび/または多価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とを、酸性またはアルカリ性縮合触媒存在下もしくは縮合触媒を存在させることなく、加熱下でもしくは常温で縮合反応せしめて得られる。
この際のアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体の添加量は、1価フェノール1モルに対し通常0.2〜3モルで、多価フェノールに対しては通常0.1〜0.8モル程度である。1価フェノールと多価フェノールとを共縮合する場合、1価フェノール1モルに対し多価フェノールを通常0.1〜2モル程度共縮合するのが望ましい。
1価フェノールと多価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とを共縮合せしめるにはアルカリまたは酸性触媒の存在下でもしくは触媒の存在なしで、1価フェノールと多価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とを同時に縮合する方法、1価フェノールおよび/または1価フェノール・アルデヒド初期縮合物に多価フェノールおよびまたは多価フェノール・アルデヒド初期縮合物と必要ならばアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体を加えて共縮合する方法等任意であるが、望ましい方法は1価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とをアルカリ触媒存在下で縮合してメチロール基を有するレゾール型フェノール・アルデヒド初期縮合物とし、次いで該縮合物に多価フェノールおよび/または多価フェノール・アルデヒド系初期縮合物を加え、必要ならばアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体を加えて共縮合する方法である。
この場合の1価フェノール1モルに対し、アルデヒド0.2〜6.0モル、多価フェノール0.1〜2.0モルの割合で共縮合される。
ここに初期縮合物Aの水溶液は、通常pH8〜9以上のアルカリ性側では安定であるが、中性または酸性側で不安定で層分離を起こす問題が生ずる。この問題点を解決するために、本発明では該初期縮合物Aにスルホメチル基および/またはスルフィメチル基を導入する。上記スルホメチル基および/またはスルフィメチル基の導入によって該初期縮合物Aのアルカリ性から酸性に至る広いpH領域での水溶性が著しく改善され安定な本発明の熱硬化性樹脂組成物が得られる。
【0011】
上記初期縮合物Aの第三成分として所望なれば尿素,メラミン,チオ尿素,ベンゾグアナミン,トルエン,キシレン,クマロン,シクロヘキサノン,カシューオイル,タンニン類,ダンマー,セラック,ロジンまたはロジン誘導体,石油樹脂,メタノール,エタノール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノール,エチレングリコール,ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,グリセリン,フルフリルアルコール,アマニ油,桐油,ひまし油、アセトン、メチルエチルケトン等の一種または二種以上を共縮合剤または変性剤または錯化剤として、縮合または共縮合の反応開始時、反応中、あるいは反応終了後、添加して共縮合あるいは混合することによって変性してもさしつかえない。
【0012】
[スルホメチル化物およびスルフィメチル化物]
本発明のフェノール・アルデヒド系初期縮合物Aのスルホメチル化物およびスルフィメチル化物とは、1価フェノールおよび/または多価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とを縮合せしめる際、該縮合反応開始時または反応途中または反応終了後にスルホメチル化剤および/もしくはをスルフィメチル化剤を添加反応せしめて得られるスルホメチル化初期縮合物または初期共縮合物もしくはスルフィメチル化初期縮合物または初期共縮合物を云う。
スルホメチル化剤またはスルフィメチル化剤は1価フェノールとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とをアルカリ触媒存在下で縮合してフェノール・アルデヒド系初期縮合物とする際に添加するのが望ましく、またこの場合1価フェノールはあらかじめスルホメチル化および/またはスルフィメチル化してからアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体と縮合または共縮合しても差し支えない。
上記初期縮合物Aをスルホメチル化および/またはスルフィメチル化すると、該初期縮合物Aのアルデヒドとの反応活性が低下し硬化剤としてアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体を加えた場合の可使時間が延長される。またスルホメチル基および/またはスルフィメチル基の導入によって該初期縮合物Aの水溶性が増大し、中性や酸性側の広いpH領域で良好な水溶性を示すようになるが、一般にpHを中性から微酸性に保つと該共縮合物のアルデヒドとの反応活性が最も低下するので、可使時間はもっとも長くなる。初期縮合物Aが1価フェノール初期縮合物である場合にはスルホメチル化および/またはスルフィメチル化によってアルデヒドとの反応活性の低下が著しい場合があり、後記するウロン化合物を添加しても硬化が遅すぎるおそれがあるので、本発明では初期縮合物Aとして1価フェノール・多価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物を選択することが望ましい。
スルホメチル化は1価フェノール1モルに対し、スルホメチル基を0.05〜0.5モルの範囲とするのが望ましい。スルホメチル基が0.05モル以下であると、アルデヒドとの反応活性の低下が不十分で可使時間が短かすぎる欠点がある。またスルホメチル基が0.5モル以上であるとアルデヒドとの反応活性が低下しすぎて、120〜140℃以下の加熱で十分な強度を持つ硬化物が得られず、また硬化物の耐水性が悪いという欠点が生ずる。スルフィメチル化の場合も、スルホメチル化の場合と同様な理由から、一価フェノール1モルに対し、スルフィメチル基を0.05〜0.5モルの範囲とするのが望ましい。
初期縮合物Aをスルホメチル化および/またはスルフィメチル化すると、中性および酸性下でもウロン系化合物との安定な混合組成物が得られる。すなわちウロン系化合物の反応活性がより高くなるpH領域において、該混合組成物を使用でき、より低温、短時間の加熱で硬化反応を進行させ得る利点が生ずる。
【0013】
[スルホメチル化剤およびスルフィメチル化剤]
本発明において使用されるスルホメチル化剤としては、亜硫酸、重亜硫酸またはメタ重亜硫酸とアルカリ金属またはトリメチルアミンやベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アミンまたは第四級アンモニウムとの水溶性亜硫酸塩や、これらの水溶性亜硫酸塩とアルデヒドとの反応によって得られるヒドロキシメタンスルホン酸塩等のヒドロキシアルカンスルホン酸が例示される。 本発明において使用されるスルフィメチル化剤としては、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート(ロンガリット)、ベンズアルデヒドナトリウムキシラート等の脂肪族、芳香族アルデヒドのアルカリ金属スルホキシラート類、ナトリウムハイドロサルファイト、マグネシウムハイドロサルハイト等のアルカリ金属、アルカリ土金属のハイドロサルファイト類、ナトリウムエチルスルホキシラート等のアルキルスルホキシラート類等が例示される。
スルフィメチル化剤として亜2チオン酸アルカリ金属塩を使用する場合は、スルフィメチル化反応と並行してスルホメチル化反応が進行するので、スルフィメチル化物とともにスルホメチル化物が生成する。
【0014】
〔ウロン系化合物〕
本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、該初期縮合物Aに硬化剤としてウロン系化合物Bが添加される。上記ウロン系化合物Bとは、尿素および/またはチオ尿素とアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体との反応生成物であり、通常下記化1の構造式を持つ。ここにRはアルキル基またはアリール基であり、使用される原料アルデヒドの種類に依存する。さらにROH基は下記化2または化3の構造式のようにアルコキシ化されてもよい。ここにR’はアルキル基またはアリール基である。
【化1】
Figure 0003654689
【化2】
Figure 0003654689
【化3】
Figure 0003654689
本発明のウロン系化合物Bの代表的な例は、尿素1モルとホルムアルデヒド4モルとの反応生成物であるジメチロールウロンであり、さらにそのジメトキシ化生成物があげられる。
ウロン系化合物Bは常温では比較的安定であるが、数十℃以上に加熱すると活性化を開始し、さらに酸性下でこれを行うといっそう活発に活性化して、フェノール・アルデヒド系初期縮合物に対する硬化剤として作用する。かつその硬化反応に対する活性は他のアルキロール基を有するウレイン、エチレン尿素、プロピレン尿素、トリアゾン系等の異節環状化合物またはメチロール尿素、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂等よりも著しく高いという特性がある。従ってウロン系化合物はフェノール・アルデヒド系初期縮合物を低温短時間で加熱硬化せしめる極めて効果的な硬化剤となる。
【0015】
【硬化触媒】
スルホメチル基および/またはスルフィメチル基が導入されている初期縮合物Aとウロン系化合物Bとからなる本発明の熱硬化性樹脂組成物には硬化の際上記ウロン系化合物Bに加えて更に酸性またはアルカリ性の化合物を硬化触媒として添加しても差し支えない。
上記酸性硬化触媒を例示すれば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、スルホン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリクロル酢酸、ベンゼンスルホン酸、クロルスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、エタンスルホン酸、混合アルカンスルホン酸、メタベンゼンジスルホン酸、ナフタリンα−スルホン酸、1−ナフトール−8−スルホン酸、メタキシレンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ポリメリックスルホン酸、スチレンスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、アントラキノン−2・7−ジスルホン酸、ブロムベンゼン−4−スルホン酸、メタクレゾールスルホン酸、レゾルシノールスルホン酸等の強酸性無機酸または有機酸、硼酸、蓚酸、蟻酸、酢酸、乳酸、酪酸等の無機または有機酸、あるいは蓚酸ジメチルエステル等の有機酸のエステル類、マレイン酸無水物、フタル酸無水物等の酸無水物、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、イミドスルホン酸アンモニウム等のアンモニウム塩類、モノクロル酢酸およびそのナトリウム塩、α,α’ジクロロヒドリン等の有機ハロゲン化物、トリエタノールアミン塩酸塩、塩酸アニリン等のアミン類の塩酸塩、サリチル酸尿素アダクト、ステアリン酸尿素アダクト、ヘプタン酸尿素アダクト等の尿素アダクト、N−トリメチルタウリン、塩化亜鉛、塩化第2鉄等の酸性硬化触媒を使用してもよい。また例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、アミン類等が用いられ、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化バリウム,水酸化カルシウム,炭酸ナトリウム,石灰,亜硫酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,リン酸ナトリウム,アンモニア,トリメチルアミン,トリエチルアミン,モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,ヘキサメチレンテトラミン,ピリジン等のアミン類等の単独または二種以上の混合物である。
上記酸性硬化触媒を添加した場合には該熱硬化性樹脂組成物の硬化反応が急速に進行するので、低温加熱または常温でも該熱硬化性樹脂組成物は容易に硬化する。特に強酸性硬化触媒を使用すれば該熱硬化性樹脂組成物は常温でも極めて速やかに硬化し、均一で高品位の硬化物が得られる。本発明の熱硬化性樹脂組成物の初期縮合物Aがスルホメチル化および/またはスルフィメチル化されている場合は、このような強酸性硬化触媒を添加しても、アミノ樹脂や水溶性レゾール型フェノール樹脂等の他の熱硬化性樹脂の場合に起こる相分離や凝固等の不具合を生じない。
また本発明の熱硬化性樹脂組成物には潜在性硬化触媒を使用しても差し支えない。ここに潜在性硬化触媒とは、加熱時に酸性またはアルカリ性を呈する物質を遊離するもの、または加熱加圧によって生じたアルデヒドあるいは縮合物中のメチロール基との反応によって酸性物質を遊離するものなどを言い、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ニトロ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、P−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸等の芳香族カルボン酸等のアンモニウム塩、アミン塩、アニリン塩、モノ、ジ、トリアルキルアニリン塩あるいはフタルアニリド、フタルアミド、フタルアミド酸、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、サリチル酸尿素アダクト、ステアリン酸尿素アダクト、ヘプタン酸尿素アダクトの如き尿素アダクト、N−トリメチルタウリン等の一種または二種以上の混合物である。
【0016】
[熱硬化性樹脂組成物およびその硬化]
本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、通常該初期縮合物A100重量部(以下単に部という)に対して上記ウロン系化合物1〜500部が添加混合され、必要ならば上記酸性またはアルカリ性硬化触媒が通常0.1〜50部添加される。
該熱硬化性樹脂組成物は常温では比較的安定であり、通常数十時間以上のポットライフを持ち、該組成物を繊維、木材チップ、あるいは無機粉末に混合したり、不織布、繊維編織物、紙、木材単板等に塗布あるいは含浸した後、120〜140℃以上に加熱し硬化せしめる。さらに必要ならば該熱硬化性組成物の混合、塗布または含浸後、いったん数十℃以下で予備乾燥をしても常温では比較的安定であり、数日から数週間以上の長期間にわたって保存した後、あらためて120〜140℃以上に加熱硬化せしめることも可能である。加熱は加熱炉やホットプレス等の通常の加熱以外に高周波による加熱も有効である。
【0017】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、該初期縮合物A、ウロン系化合物B、酸性またはアルカリ性硬化触媒以外に、必要ならば溶剤、アルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体、錯化剤、尿素系樹脂,メラミン系樹脂等のアミノ系樹脂、天然ゴムおよびその誘導体,スチレン−ブタジエンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム,クロロプレンゴム,エチレン−プロピレンゴム,イソプレンゴム,イソプレン−イソブチレンゴム等の合成ゴム、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,スチレン,アクリルエステル,メタクリルエステル,アクリロニトリル,アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,塩化ビニル,塩化ビニリデン,ビニルピリジン等のビニル単量体の単独重合体またはこれらビニル単量体の2種以上の共重合体、ポリウレタン,ポリアミド,エポキシ樹脂,ブチラール樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレン,酢酸ビニル−エチレン共重合体,塩素化ポリエチレン,塩素化ポリプロピレン,ポリエステル等の各種合成樹脂のエマルジョンやラテックスあるいは水溶液、またポリビニルアルコール,アルギン酸ナトリウム,澱粉,澱粉誘導体,ニカワ,ゼラチン,血粉,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ポリアクリル酸塩,ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類、更に炭酸カルシューム,タルク,石膏,カーボンブラック,木粉,クルミ粉,ヤシガラ粉,小麦粉,米粉等の充填剤、界面活性剤、ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類、脂肪酸アミド類、カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類、パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型剤、ヘキサン、ブタン、n−ペンタン、アルコール、エーテル、塩化メチレン、四塩化炭素、クロルフルオロメタン、二塩化メチレン、1,1,2−トリクロル−1,2,2−トリフルオルエタン等の低沸点溶剤や、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルロピオニトリル)等のガスを発生するもの、また炭酸ガスを発生しながら酸性硬化剤と反応する物質、例えば、炭素または重炭酸ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはカルシウムや、n−ペンタン、イソペンタン、ブタン、イソブタン等をマイクロカプセル化した熱可塑性膨張性微小球等の発泡剤やシラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミックス等の中空粒体、発泡ポリエチレン、発泡スチレン、発泡ポリプロピレン等の発泡体や発泡粒、顔料,染料,難燃剤,防炎剤、防虫剤,防腐剤,老化防止剤,紫外線吸収剤やDBP,DOP,ジシクロヘキシルフタレートのようなフタール酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤等の第三成分を該縮合物に添加して共縮合や混合等により該共縮合物を変性させてもよい。
【0018】
【作用】
本発明の初期縮合物Aとウロン系化合物Bとの混合物は、ポットライフが長くて可使時間が長く、作業性が良好である。該混合物は繊維、木材チップ、無機粉末、不織布、繊維編織物、紙、木材単板、合板、ハードボード、パーチクルボード、ファイバーボードに混合、塗布または含浸後120〜140℃以上に加熱硬化せしめるが、混合、塗布または含浸した上記材料の低温での乾燥物は比較的安定なので、必要ならば混合、塗布または含浸物をいったん数十℃以下で乾燥し、常温で数日〜数週間以上保存した後、あらためて120〜140℃以上に加熱して硬化を完了させる2段階法をとることができる。
ウロン系化合物Bを数十℃以上に加熱すると活性化されて、主としてウロン系化合物のメチロール基が変化し、メチロールフェノールおよび/または多価フェノールのベンゼン核の活性水素と反応して架橋し、硬化が進行するものと思われる。この際、ウロン系化合物はメチロール尿素、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メチル化メチロール尿素、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メチル化メチロールメラミン等のその他のアミノ系樹脂よりもはるかに活性があり、より低温短時間で硬化反応が進行する。そして得られた硬化物は残留ホルマリンが少なく、遊離ホルマリンが発生しにくい。
さらにウロン系化合物は酸性下でより活性化し易く、したがって本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化はpH3〜7で行うことが望ましい。そこで該熱硬化性樹脂組成物を中性および酸性領域においても安定な溶液とするために、該熱硬化性樹脂組成物に初期縮合物Aのスルホメチル化物および/またはスルフィメチル化物を使用する。また該初期縮合物Aとして1価フェノール・多価フェノール・アルデヒド系初期共縮合物を選択すると、該熱硬化性樹脂組成物は酸性下において極めて速やかに硬化する。
【0019】
【実施例】
〔実施例1、2〕
表1に記載した配合割合の樹脂混合組成物を作り、JIS−K6802に準じて、各組成物の35℃および140℃におけるゲルタイムを測定した。
【表1】
Figure 0003654689
配合物
(1)スルホメチル化フェノール・ホルムアルデヒド初期縮合物
(2)スルフィメチル化フェノール・シェールオイルアルキルレゾルシン・
ホルムアルデヒド初期共縮合物
(上記初期縮合物の固形分はいずれも55%)
(3)50%ジメチロールウロン
【0020】
〔比較例1、2〕
表2に記載した配合割合の樹脂混合組成物を作り、JIS−K6802に準じて、各組成物の35℃および140℃におけるゲルタイムを測定した。
【表2】
Figure 0003654689
配合物
(1)スルホメチル化フェノール・ホルムアルデヒド初期縮合物
(2)スルフィメチル化フェノール・シェールオイルアルキルレゾルシン・
ホルムアルデヒド初期共縮合物
(上記初期縮合物の固形分はいずれも55%)
(3)50%メラミン・ホルムアルデヒド樹脂
(4)ヘキサメチレンテトラミン
表1および表2からジメチロールウロンを硬化剤として添加した場合は、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂やヘキサメチレンテトラミンを硬化剤とした場合より常温での保存安定性が優れ、また140℃での加熱硬化の場合、実施例1、2は比較例1、2より短時間に硬化し、また硬化物の性状は、比較例1、2の場合はいずれも硬化が不十分で、特に強度、耐水・対煮沸性が実施例の場合より劣った。
【0021】
〔実施例3〕
表1に記載した実施例1、2の配合割合の樹脂混合組成物50部に水50部を加え、均一に溶解した後、竹繊維80%、ガラス繊維20%からなる混合繊維100%に対し、固形分で9%の量の上記水溶液をスプレーで均一に塗布混合し、70℃で1時間乾燥させた混合物を混合直後および室温で7日および14日間保存してから、140℃、3kg/cm2 の圧力で40秒間熱圧し、密度0.9、厚さ2.5mmの板を成形し、曲げ強さ(単位 kgf/cm2)を測定して、表3に示す結果を得た。
【表3】
Figure 0003654689
【0022】
〔比較例3〕
表2に記載した比較例1、2の配合割合の樹脂混合組成物を用い、実施例3と同様な方法で密度0.9、厚さ2.5mmの板を成形し、曲げ強さ(単位 kgf/cm2)を測定して、表4に示す結果を得た。
【表4】
Figure 0003654689
【0023】
実施例3と比較例3の結果から、本発明による樹脂組成物は、予備乾燥後の常温での安定性が優秀で、硬化完了後の強度も良好で、予備乾燥品を長期間保存できることがわかる。
【0024】
〔実施例4〕
表1実施例1の配合割合の樹脂混合組成物を用い、下記のように合板を作成しその接着力を測定した。
配合
実施例1樹脂混合組成物 100部
小麦粉 20
塩化アンモニウム 1
接着条件
単板材質 ラワン
単板水分 10%
単板構成 1.0−1.5−1.0 mm 3プライ
接着剤塗布量 30g/30×30 cm 2
冷圧 10 kgf cm 2
熱圧 120℃;10 kgf cm 2 ; 3分間
構造用合板の日本農林規格による試験結果
常態接着力 10.3 kgf cm 2 ( 木破率100%)
煮沸繰り返し接着力 10.0 kgf cm 2 ( 木破率100%)
72時間連続煮沸試験 8.5 kgf cm 2 ( 木破率95%)
【0025】
〔比較例4〕
表2比較例1、2に記載した配合割合の樹脂混合組成物を用い、実施例4と同様な配合割合の接着剤を夫々調製したが、接着剤は層分離を起こし使用不能であった。
【0026】
〔実施例5〕
スルフィメチル化フェノール・シェールオイルアルキルレゾルシン・ホルムアルデヒド初期共縮合物(固形分55%、pH5.0)100部に50%パラフィンエマルジョン10部、20%塩化アンモニウム水溶液10部を加え、均一に混合した接着剤を、含水率4%のアカマツからなるチップに、フェース11%、コアー7%の割合で塗布した後、直後および室温で7日放置後に、150℃10分間熱圧(35 kgf cm 2 ×3分+15 kgf cm 2 ×3分+5 kgf cm 2 ×4分)成形し、直後の熱圧で510 kgf cm 2 、7日後で500 kgf cm 2 の曲げ強さを持つ厚さ15 mm のパーティクルボードを得た。
【0027】
〔実施例6〕
表1に記載した実施例1の樹脂配合組成物100部に10%パラトルエンスルホン酸10部、および気泡安定剤としてポリエチレンエーテルソルビタンモノラウレート(Tween20)5部、発泡剤としてノルマルペンタン10部を加え、均一に混合したものを所 定の金型に注入し、70℃で加熱したところ均一な発泡成形体が得られた。
【0028】
〔実施例7〕
タルク80部およびケイ酸カルシウム20部からなる無機質微粉末に表1に記載した実施例2の樹脂配合組成物15部および軽量骨材としてひる石30部、シラスバルーン20部を添加し均一に混合後60℃で乾燥させ、水分を蒸発後140℃で5分間熱圧成形したところ、厚さ25 mm ,密度0.5 kg cm 3 の軽量成形物が得られた。
【0029】
〔実施例8〕
ガラス短繊維100部に対し、表1に示す実施例1の樹脂配合組成物を固形分で3%になるようにスプレー塗布したものを130℃で1分熱成形したところ均一な成形物が得られた。また該樹脂配合組成物をスプレー塗布したガラス短繊維を室温で30日放置したものを同様にして成形したが十分硬化し均一な成形物が得られた。
【0030】
〔実施例9〕
7号ケイ砂100部に対し表1に記載した実施例2の樹脂配合組成物3部を加え、攪拌混合したものを所定の成形型に充填して硬化させ、シェルモールドとした。該シェルモールドは常温で60 kgf cm 2 、300℃焼成後、50 kgf cm 2 の大きな曲げ強度を示した。
【0031】
〔実施例10〕
表1に記載した実施例2の樹脂配合組成物10部にブタンをマイクロカプセル化した発泡剤5部混合したものを竹繊維/麻繊維が10/90%の比率からなるニードルパンチ不織物に対し固形分で10%の添加量となるように含浸し、その後60℃で乾燥させ水分を蒸発させた。該ニードルパンチ不織物を140℃で60秒間熱圧成形し、比重0.3、厚さ10 mm の様に成形したところ、軽量かつ高剛性の構造材を得た。
【0032】
【発明の効果】
したがって本発明においては長い可使時間を有し作業性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られ、該樹脂組成物は材料に混合、塗布または含浸後、必要ならば予備乾燥しても、該乾燥物は常温で長期間保存可能であり、そして120〜140℃以上のに加熱によって該樹脂組成物は速やかに硬化せしめることができる。また該樹脂組成物のpHを中性または酸性下で硬化せしめると硬化反応はいっそう促進される。生成した硬化樹脂は高強度でかつ耐水、耐油、耐候性は極めて良好である。初期縮合物Aにスルホメチル基および/またはスルフィメチル基を導入した硬化樹脂は通常のフェノール樹脂に比してはるかに淡色である。
したがって本発明の熱硬化性樹脂組成物は、その硬化性と生成硬化樹脂の物性から、注型成形や射出成形用の成形材料あるいは発泡成形材料として、あるいは木材、竹、合板、集成材、パーチクルボード、ファイバーボード、OSB、紙、段ボール、フェルト、不織布、編織物、竹繊維、麻繊維、椰子繊維、ガラス繊維、岩綿、アラミド繊維、セラミック繊維あるいはカーボン繊維等の有機・無機繊維、あるいは該有機・無機繊維の不織布、編織物等の製品、合成樹脂の成型品,シート,フィルム,フォーム等、セラミック粉、セメント、高炉スラグ、フライアッシュ、石粉、金属粉、ガラス粉、プラスチック粉等の無機・有機粉末、金属等の各種有機材料、無機物材料の接着剤、バインダー、コーチング剤、塗料ビヒクル、あるいは砥石、シェルモールド、ブレーキライニング等のバインダーやゴム配合用等として利用出来る。特に繊維材料と本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる繊維成形物はドアトリム、ダッシュボード、天井材、床材、インシュレーターフード、ダッシュインナー、ダッシュアウター、エンジンアンダーカバー、トランクサイドトリム等の車輌用の内装材、あるいは建築用材料等の製造に特に有用である。

Claims (10)

  1. スルホメチル基および/またはスルフィメチル基が導入されている1価フェノールおよび/または多価フェノールとアルデヒドとの初期縮合物とウロン系化合物との混合物を主成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物
  2. 請求項1の熱硬化性樹脂組成物を中性もしくは酸性下で硬化せしめることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の硬化方法
  3. 請求項1の熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって接着された木材単板および/または木材片および/または木材チップおよび/または木材フレークおよび/または木毛および/または木粉からなることを特徴とする木質材料
  4. 請求項1の熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって結着された繊維からなり、所定形状に成形されていることを特徴とする繊維成形物
  5. 請求項1の熱硬化性樹脂組成物の硬化物によって結着された無機粉体からなり、所定形状に成形されていることを特徴とする無機粉体成形物
  6. 請求項1の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含浸している多孔質体であって所定形状に成形されていることを特徴とする多孔質体成形物
  7. 請求項1の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、所定形状に成形されていることを特徴とする熱硬化性樹脂成形物
  8. 請求項7に記載の該熱硬化性樹脂成形物に無機充填材が添加されていることを特徴とする熱硬化性樹脂成形物
  9. 請求項1の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含浸している発泡成形体であって所定形状に成形されていることを特徴とする熱硬化性樹脂発泡成形物
  10. 該熱硬化性樹脂発泡成形物には無機充填材が添加されている請求項9に記載の熱硬化性樹脂発泡成形物
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