JP3856344B2 - 尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法 - Google Patents

尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は木材、紙、ゴム、合成樹脂、無機・有機繊維、金属等の接着剤、バインダー、含浸剤、コーチング剤及び塗料ビヒクル等に用いられる尿素・アルデヒド系樹脂に改質剤を添加して硬化させる尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、尿素・アルデヒド樹脂、メラミン・アルデヒド樹脂、尿素・メラミン・アルデヒド共縮合樹脂のようなアミノ系樹脂接着剤はフェノール系樹脂接着剤よりも廉価であり、また比較的低温で加熱硬化するため、合板やパーチクルボード等の接着剤として多量に使用されてきた。しかし、アミノ系樹脂接着剤は耐水性、耐煮沸性、耐候性が劣り、また難接着性の樹種木材に対してはしばしば接着不良を起こす欠点があった。
このためアミノ系樹脂接着剤の耐水性、耐煮沸性、耐候性を改善し接着力を向上せしめる目的で、該アミノ系樹脂にレゾルシン(特開昭56−11977号)、アルキルレゾルシン(特公昭57−9600号)のような多価フェノール、あるいはアルキルレゾルシン系樹脂(特公昭58−23425号)のような多価フェノール・アルデヒド系樹脂を添加、改質する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アミノ系樹脂接着剤に上記提案のような多価フェノールあるいは多価フェノール・アルデヒド系樹脂を添加、改質する方法においては、アミノ系樹脂が尿素・メラミン系共縮合物である場合には、硬化樹脂の耐水性、耐煮沸性、耐候性およびその接着性能が改善されるけれども、アミノ系樹脂がメラミン系化合物モノマーを含まない尿素系モノマーのみの縮合物からなる場合には、樹脂中の遊離ホルマリンは有効に除去されるけれども、硬化樹脂の上記諸性能の改善は不十分であって、上記尿素・メラミン系共縮合物の場合ほど改質効果が得られないと言う欠点があった。 したがって、メラミン系化合物モノマーを含まない尿素系モノマーのみの縮合物からなる安価で使い易い尿素系樹脂接着剤に対しても有効に作用し、耐水性、耐煮沸性、耐候性と接着力を大巾に改善できる改質剤および硬化方法を見いだすことは、尿素系樹脂接着剤を多量に使用する合板、パーチクルボードをはじめとする各種木材接着工業の極めて重要な技術的課題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記多価フェノールまたは多価フェノール・アルデヒド系縮合物の添加による尿素・アルデヒド系樹脂の改質が、メラミン系化合物モノマーが共縮合された場合に限り有効に作用することに着目し、メラミン系化合物モノマーが共縮合されていない尿素・アルデヒド系樹脂の変性の場合においても、多価フェノールおよび/または多価フェノール・アルデヒド系縮合物とともにメラミン・アルデヒド系縮合物をあらかじめ添加共存せしめれば、尿素・メラミン共縮合樹脂の場合と同様の結果が得られるのでないかとの予測に基づき、テストを実施したところ、予期した以上の好結果が得られることを確認して本発明を完成した。
即ち本発明は尿素・アルデヒド系樹脂100重量部に対してアルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とメラミン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とを改質剤として夫々別々に添加して常温または加熱硬化せしめる尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法および尿素・アルデヒド系樹脂100重量部に対してアルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とメラミン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とを改質剤として予め混合した上で添加して常温または加熱硬化せしめる尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法を提供するものである。
上記改質剤には更に酸性触媒および/またはアルデヒド系硬化剤を加えて常温または加熱硬化せしめることが望ましい。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0005】
[尿素・アルデヒド系樹脂]
本発明において尿素・アルデヒド系樹脂とは、尿素および/またはチオ尿素とアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体との縮合物、および更にこれらをメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールのようなアルコールで変性した変性縮合物の単独または二種以上の混合物を意味する。これらを例示すれば、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メタノール変性尿素・ホルムアルデヒド樹脂、チオ尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メタノール変性チオ尿素・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・チオ尿素・ホルムアルデヒド共縮合樹脂、n−ブタノール変性尿素・ホルムアルデヒド樹脂等があり、上記尿素・アルデヒド系樹脂は二種以上混合使用されてもよい。
上記例示は本発明を限定するものではない。
【0006】
[メラミン・アルデヒド系樹脂]
本発明においてメラミン・アルデヒド系樹脂とは、メラミン、チオメラミン等のようなメラミン系化合物とアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体との縮合物、および尿素、チオ尿素、ジシアンジアミド、グアニジン、グアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、2,6−ジアミノ−1,3−ジアジン、フェノール、アルキルフェノール、多価フェノール等の共縮合成分と共縮合した共縮合物、および更にこれらをメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールのようなアルコールで変性した変性縮合物の単独または二種以上の混合物を意味する。これらを例示すれば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、メタノール変性メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、n−ブタノール変性メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、尿素・メラミン・ホルムアルデヒド共縮合物、フェノール・メラミン・ホルムアルデヒド共縮合物、フェノール・尿素・メラミン・ホルムアルデヒド共縮合物、メラミン・ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド共縮合物、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン等であり、上記メラミン・アルデヒド系樹脂は二種以上混合使用されてもよい。
上記例示は本発明を限定するものではない。
【0007】
アルキルレゾルシン
本発明におけるアルキルレゾルシンとしては、例えば5−メチルレゾルシン、5−エチルレゾルシン、5−プロピルレゾルシン、5−n−ブチルレゾルシン、4,5−ジメチルレゾルシン、2,5−ジメチルレゾルシン、4,5−ジエチルレゾルシン、2,5−ジエチルレゾルシン、4,5−ジプロピルレゾルシン、2,5−ジプロピルレゾルシン、4−メチル−5−エチルレゾルシン、2−メチル−5−エチルレゾルシン、2−メチル−5−プロピルレゾルシン、2,4,5−トリメチルレゾルシン、2,4,5−トリエチルレゾルシン等があり、上記アルキルレゾルシンは二種以上混合使用されてもよい。
エストニア産オイルシェールの乾留によってえられる多価フェノール混合物は、安価であり、かつ5ーメチルレゾルシンのほか、反応性の高い各種アルキルレゾルシンを多量に含むので、本発明にとって最も好ましいアルキルレゾルシン原料である。アルキルレゾルシンはレゾルシンよりもアルデヒドとの反応速度が速い。
【0008】
[アルデヒド供与体]
本発明におけるアルデヒド供与体とは、アルデヒドおよび/または分解するとアルデヒドを生成供与する化合物を意味し、ホルマリン、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール,n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンツアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サルチルアルデヒド等のが例示され、上記アルデヒド供与体は二種以上混合使用されてもよい。
【0009】
アルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物]
本発明において多価フェノール・アルデヒド系縮合物とは、上記アルキルレゾルシンとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とを酸またはアルカリ触媒存在下でもしくは触媒の存在なしで縮合させた縮合物あるいは上記アルキルレゾルシンと1価フェノールおよび/またはアミノ系化合物モノマーとアルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体とを酸またはアルカリ触媒存在下でもしくは触媒の存在なしで共縮合させた共縮合物を意味し、上記アルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物は二種以上の混合使用されてもよい。また上記アルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物はスルホメチル化剤でスルホメチル化されたものであっても差し支えないし、また上記アルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物の縮合または共縮合の際に多価フェノールを錯化剤で錯化してもよい。
本発明のアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物を例示すれば、アルキルレゾルシン・アルデヒド縮合物、1価フェノール・アルキルレゾルシン・アルデヒド共縮合物、尿素・アルキルレゾルシン・アルデヒド共縮合物、尿素・1価フェノール・アルキルレゾルシン・アルデヒド共縮合物、メラミン・アルキルレゾルシン・アルデヒド共縮合物、メラミン・1価フェノール・アルキルレゾルシン・アルデヒド共縮合物、尿素・メラミン・アルキルレゾルシン・アルデヒド共縮合物、尿素・メラミン・1価フェノール・アルキルレゾルシン・アルデヒド共縮合物等およびこれらのスルフォメチル化物あるいはその錯化物であり、上記アルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物は二種以上混合使用されてもよい。
また本発明のアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物を縮合もしくは共縮合する際、アルキルレゾルシン、1価フェノール、アミノ系化合物モノマー、アルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体、縮合触媒、溶剤、スルホメチル化剤、錯化剤以外に第三成分として、所望なればトルエン、キシレン、クマロン、シクロヘキサノン、カシューオイル、タンニン類、ダンマー、セラック、ロジンまたはロジン誘導体、石油樹脂、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、フルフリルアルコール、アマニ油、桐油、ひまし油等の単独または二種以上を共縮合剤または変性剤として、縮合または共縮合の反応開始時、反応中あるいは反応終了後、添加、変性してもさしつかえない。
【0010】
[1価フェノール]
上記のアルキルレゾルシンと共縮合される1価フェノールとは、フェノールやo−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、エチルフェノール,iso−プロピルフェノール、キシレノール、3,5−キシレノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール,p−フルオロフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール,p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール,p−ブロモフェノール、o−ヨードフェノール、m−ヨードフェノール,p−ヨードフェノール、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール,p−アミノフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール,p−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール,2,4,6−トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体及びナフトール等のような1価フェノールであり、上記1価フェノールは二種以上混合使用されてもよい。
【0011】
[アミノ系化合物モノマー」
上記のアルキルレゾルシンと共縮合されるアミノ系化合物モノマーとは、カルバミドおよび/またはアミノアジン等のようなアルデヒドと縮合反応して硬化性の樹脂を生成するアミノ系化合物の単独又は二種以上の混合物を意味し、尿素、チオ尿素、メラミン、チオメラミン、ジシアンジアミド、グアニジン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、2,6−ジアミノ−1,3−ジアジン等が例示される。上記アミノ系化合物モノマーは二種以上混合使用されてもよい。
【0012】
[スルホメチル化剤]
上記のアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物のスルホメチル化剤は、1価フェノール、アルキルレゾルシンまたはアミノ系化合物モノマーをアルデヒドとを縮合または共縮合させるさい添加され、縮合物または共縮合物を部分的にスルフォメチル化させるために用いられるものであり、亜硫酸、重亜硫酸またはメタ重亜硫酸とアルカリ金属またはトリメチルアミンやベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アミンまたは第四級アンモニウムの水溶性亜硫酸塩や、これらの水溶性亜硫酸塩とアルデヒドとの反応によって得られるヒドロキシメタンスルホン酸塩等のヒドロキシアルカンスルホン酸が例示される。上記スルホメチル化剤は二種以上併用されてもよい。
【0013】
[錯化剤]
上記のアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物の錯化剤とはアルキルレゾルシンとアルデヒドとの反応性を緩和するために用いられるものであって、かかる錯化剤としてはアルキルレゾルシンのヒドロキシル基に対して錯化形成能をもつケトン基又はアミド基等を有する化合物があげられ、例えばアセトン、カプロラクタム等が例示され、特にアセトンは好ましい錯化剤である。上記錯化剤は二種以上併用されてもよい。
【0014】
[溶媒]
本発明の尿素・アルデヒド系樹脂の硬化の際の溶媒としては通常水が用いられるが、必要ならば更にメタノール、エタノール、イソプロパノール,n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の水可溶性有機溶剤を添加使用できる。上記水可溶性有機溶剤は二種以上併用されてもよい。
アセトン等は溶剤であると同時に、アルキルレゾルシンの錯化剤としても作用し、より穏やかな反応をもたらす。
【0015】
[酸性およびアルカリ性触媒]
本発明において尿素・アルデヒド系樹脂の硬化の際、必要ならば酸性の硬化触媒を添加する。
また本発明に用いられるアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物を生成する縮合反応の場合にも、必要ならば酸性またはアルカリ性の縮合触媒を添加する。
上記酸性の硬化触媒または縮合触媒としては、例えば塩酸、ほう酸、蓚酸、蟻酸、酢酸、酪酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタリン−αスルホン酸、ナフタリン−βスルホン酸等の無機または有機酸、あるいは蓚酸ジメチルエステル等の有機酸のエステル類、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、イミドスルホン酸アンモニウム等のアンモニウム塩類、モノクロル酢酸およびそのナトリウム塩、α、α’ジクロロヒドリン等の有機ハロゲン化物、トリエタノールアミン塩酸塩、塩酸アニリン等のアミン類の塩酸塩、サリチル酸尿素アダクト、ステアリン酸尿素アダクト、ヘプタン酸尿素アダクト等の尿素アダクト、N−トリメチルタウリン等がある。上記酸性の硬化触媒は二種以上併用してもよい。
また上記アルカリ性の縮合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、石灰等のアルカリ土類金属の酸化物、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属の弱酸塩類、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン等のアミン類が例示される。上記アルカリ性の縮合触媒は二種以上併用してもよい。
【0016】
[アルデヒド系硬化剤]
本発明において尿素・アルデヒド系樹脂の硬化の際、必要ならばアルデヒド系硬化剤を添加する。アルデヒド系硬化剤としては上記アルデヒドおよび/またはアルデヒド供与体の単独または二種以上の混合物が使用される。
【0017】
[尿素・アルデヒド系樹脂の改質剤および硬化反応]
本発明の尿素・アルデヒド系樹脂の改質剤は、上記アルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物と上記メラミン・アルデヒド系縮合物との混合物からなる。上記改質剤は尿素・アルデヒド系樹脂に添加され、更に必要ならば酸性触媒および/またはアルデヒド系硬化剤を加えて常温〜150℃で硬化せしめる。常温硬化の場合の硬化時間をできるだけ短縮するには、通常塩酸、蟻酸、蓚酸、酢酸、芳香族スルホン酸等の酸触媒を用い、PH4以下好ましくはPH3以下で行われる。
上記尿素・アルデヒド系樹脂の改質剤において、上記アルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物と上記メラミン・アルデヒド系縮合物の量は任意であるが、通常尿素・アルデヒド系樹脂100重量部に対し上記アルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部と上記メラミン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部が添加される。
上記改質剤において、上記アルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物とメラミン・アルデヒド系縮合物とは尿素・アルデヒド系樹脂に夫々別々に添加してもよいし、あらかじめこれらを混合し、必要ならば混合後更に通常100℃以下で0.5〜8時間程度加熱反応せしめたものを添加してもよい。あらかじめ混合し、または加熱反応せしめた上記混合組成物は室温で安定であり、長期間保存できる。
また上記以外に必要に応じて添加される酸性触媒および/またはアルデヒド系硬化剤の添加量は、尿素・アルデヒド系樹脂100重量部に対し通常酸性触媒0.01〜10重量部、アルデヒド系硬化剤0.1〜50重量部である。
さらに、硬化のさい必要ならば1価フェノール系樹脂、天然ゴム及びその誘導体,スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等の合成ゴム、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリルエステル、メタクリルエステル、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ビニリピリジン等のビニル単量体の単独重合体またはこれらのビニル単量体の二種以上の共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル−エチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリエステル等の各種合成樹脂のエマルジョンやラッテクスあるいは水溶液、またポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、澱粉、澱粉誘導体、ニカワ、ゼラチン、血粉、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類、更に炭酸カルシウム、タルク、石膏、カーボンブラック、木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の充填剤、界面活性剤、ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類、脂肪酸アミド類、カルナウバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類、パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離形剤、顔料、染料、難燃剤、防炎剤、防虫剤、防腐剤、老化防止剤、紫外線吸収剤やDBP,DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタール酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤等の第三成分を添加して共縮合や混合等により該縮合物を変性させてもよい。
【0018】
【作用】
本発明においてはメラミン・アルデヒド系樹脂とアルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系樹脂とからなる改質剤を添加し尿素・アルデヒド系樹脂を硬化せしめれば、硬化樹脂中に含まれる遊離ホルマリンが減少するのみならず、尿素・メラミン系共縮合物の場合と同様に硬化樹脂の耐水性、耐煮沸性、耐候性が顕著に向上し、かつアピトン、カポール等の難接着性の樹種に対する接着力が向上する。
【0019】
【実施例】
[実施例1]
尿素・アルデヒド樹脂(固形分50%)100重量部(以下部という)にメラミン・アルデヒド樹脂(固形分50%)5部と5−メチルレゾルシンの50%水溶液10部とを加え、十分攪拌混合した後、酸性触媒として塩化アンモニウム1部、充填剤として小麦粉15部を加えて混合した接着剤を用い、合板を作成した。
【0020】
[比較例1]
実施例1のメラミン・アルデヒド樹脂のみを添加せず、他はすべて実施例1と同様に合板を作成した。
【0021】
[比較例2]
実施例1のメラミン・アルデヒド樹脂と5−メチルレゾルシン水溶液とからなる改質剤を添加せず、他はすべて実施例1と同様にして合板を作成した。
【0022】
実施例1、比較例1及び比較例2の合板の性能を日本農林規格の試験法にもとずき測定した結果を表1に示した。
合板作成の条件
単板の材質 ラワン 1.5×2.0×1.5m/m
単板の含水率 8〜10%
接着剤の塗布量 30g/30×30cm
冷圧 10kg/cm2 ×15min.
熱圧 120℃×10kg/cm2 ×2.5min.
【表1】
Figure 0003856344
【0023】
[実施例2]
遊離ホルマリン2.5%を含有する尿素・アルデヒド樹脂(固形分50%)100部にメラミン・アルデヒド樹脂(固形分50%)6部とエストニア産オイルシェールの乾留によって得られたアルキルレゾルシン(沸点270〜290℃)の50%水溶液14部とを改質剤として加え、十分攪拌混合した後、酸性触媒として塩化アンモニウム1部、充填剤として小麦粉15部を加えて混合した接着剤を用い、合板を作成した。
【0024】
[比較例3]
実施例2のメラミン・アルデヒド樹脂のみを添加せず、他はすべて実施例1と同様にして合板を作成した。
【0025】
[比較例4]
実施例2のメラミン・アルデヒド樹脂のみを添加せず、また実施例2のアルキルレゾルシンの代りにレゾルシンを用い、他はすべて実施例2と同様にして合板を作成した。
【0026】
[比較例5]
実施例1のメラミン・アルデヒド樹脂と5−メチルレゾルシン水溶液とからなる改質剤を添加せず、他はすべて実施例1と同様にして合板を作成した。
【0027】
実施例2、比較例3、比較例4及び比較例5の合板の強度および放出ホルムアルデヒド量を測定した結果を表2に示した。
合板作成の条件
単板の材質 カポール 1.5×2.0×1.5m/m
単板の含水率 8〜10%
接着剤の塗布量 30g/30×30 cm
冷圧 10 kg cm 2 ×20 min.
熱圧 120℃×10 kg cm 2 ×25 min. 45 sec.
【0028】
【表2】
Figure 0003856344
放出ホルムアルデヒド量(mg/900cm2
実施例2 18
比較例3 20
比較例4 23
比較例5 410
合板試験片(30×30cm2 )を50mmHg の減圧下に4時間保持しその間に放出したホルムアルデヒドの量を測定した。
【0029】
[実施例
アルキルレゾルシン・アルデヒド樹脂(固形分50%)80部にメラミン・アルデヒド系樹脂としてメチル化メチロールメラミン(固形分70%)20部を加え、攪拌しながら70℃で5時間加熱反応させて改質剤をつくる。尿素・アルデヒド樹脂(60%)100部に上記改質剤30部を加え、更に酸性触媒として塩化アンモニウム1.5部、離形剤として45%パラフィンワックスエマルジョン1部、難燃剤としてリン酸第2アンモニウム2部を加えて混合した接着剤を、ひのき心材細片に対し7重量%の割合で、スプレーにより添加し、130℃、4分間加熱圧着し、密度0.8厚さ8mmのファイバーボードを作成した。
【0030】
[比較例6]
実施例の改質剤の代りにアルキルレゾルシン・アルデヒド樹脂(固形分50%)のみを30部添加し、他は実施例と同様にしてファイバーボードを作成した。
【0031】
[比較例7]
実施例の改質剤は添加せず、他は実施例と同様にしてファイバーボードを作成した。
【0032】
実施例、比較例6及び比較例7のファイバーボードの強度および温水膨潤率を測定し、表3に示した。
【表3】
Figure 0003856344
温水膨潤率は試験片(30×30cm2 )を70℃の温水中に2時間浸漬した後冷水中に1時間浸漬した後の厚さを測定した。
【0033】
表1、表2及び表3の結果から本発明の硬化方法により尿素・アルデヒド樹脂の通常の硬化条件で製造した合板及びファイバーボードは、いずれも尿素・アルデヒド樹脂中の遊離ホルマリンが大幅に除去されるとともに、実施例は比較例の場合より強度、耐水性、耐煮沸性等の物性が向上し、またカポールのような難接着性の樹種に対しても、実施例は良好な接着性能を持つことがわかる。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、通常の尿素樹脂の硬化条件下で、高価な尿素・メラミン系共縮合樹脂やフェノール系樹脂接着剤を使用することなく、専ら日本農林規格2類の合板用に使用される安価な尿素・アルデヒド系樹脂を主成分として用いて、1類もしくは特類に相当する高性能の合板を製造できる。また単板の低い含水率と高温加熱が要求され、従って硬化条件が極めて厳しいフェノール系樹脂を使用することなく、本発明により容易に難接着性樹種の合板が製造できる。同様にまた本発明はその他の木材製品、集成材、パーチクルボード、ファイバーボード、OSB、紙、段ボール、フェルト、不織布、編織物、ガラス繊維、岩綿、アラミド繊維、セラミック繊維あるいはカーボン繊維等の有機・無機繊維製品、合成樹脂の成型品・シート・フィルム・フォーム、金属等の各種有機物、無機物材料の接着剤、バインダー、コーチング剤、塗料ビヒクル等の製造や使用に有効に利用できる。

Claims (3)

  1. 尿素・アルデヒド系樹脂100重量部に対してアルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とメラミン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とを改質剤として夫々別々に添加して常温または加熱硬化せしめることを特徴とする尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法。
  2. 尿素・アルデヒド系樹脂100重量部に対してアルキルレゾルシンおよび/またはアルキルレゾルシン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とメラミン・アルデヒド系縮合物0.5〜50重量部とを改質剤として予め混合した上で添加して常温または加熱硬化せしめることを特徴とする尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法。
  3. 上記改質剤に更に酸性触媒および/またはアルデヒド系硬化剤を加えて常温または加熱硬化せしめる請求項1または2に記載の尿素・アルデヒド系樹脂の硬化方法。
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