JP3654461B2 - 収縮包装用ポリプロピレンフィルム - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、低温収縮性に優れた収縮包装用ポリプロピレンフィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
熱可塑性樹脂延伸フィルムの加熱により収縮する性質を利用して、熱可塑性樹脂延伸フィルムで工業用品、日用品、食料品等を密着包装する、いわゆる収縮包装が広く行なわれている。
【0003】
このような収縮包装用フィルムの素材としては、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂が知られている。しかしながら、これらの熱可塑性樹脂フィルムは、いずれも収縮包装用フィルムとして十分満足すべき性質を有しているわけではない。
【0004】
たとえば、低密度ポリエチレンフィルムは、安価で耐衝撃強度が大きいため、工業用包装には好適である。しかしながら、低密度ポリエチレンフィルムは、透明性と光沢がさほど良好でなく、また、適性収縮温度が軟質塩化ビニルフィルム(以下、PVCフィルムと略す)より20〜50℃高いため、商業用包装には好ましくないという問題がある。
【0005】
PVCフィルムは、透明性に優れるため、被包装物である商品の美観を高めその商品価値を向上させることができ、しかも、適性収縮温度が低く、その適性収縮温度の範囲が広い等、商業用包装に最も好ましい性能を有している。しかしながら、PVCフィルムは、耐衝撃強度、特に耐低温衝撃強度が劣るため、工業用包装には使用できないという問題がある。また、PVCフィルムは、フィルムに含まれる可塑剤による食品衛生上の問題、被包装物への可塑剤の移行、耐ブロッキング性および使用済みのフィルムの処分が困難等の問題があり、ポリオレフィンフィルムへの代替が検討されている。
【0006】
ポリプロピレンフィルムは、透明性、光沢が良好で腰があり、収縮応力が高いという長所を有しているものの、耐衝撃強度が低く、しかも適性収縮温度が高く、その適性収縮温度の範囲が狭いという欠点を有している。このため、プロピレンに少量のエチレンを共重合させることにより、フィルムの適性収縮温度を下げる方法が提案されている。しかしながら、上記のようにして得られるプロピレン・エチレン共重合体は、エチレン含有量が増すに従って、フィルムがべたついてブロッキングし易くなり、耐ブロッキング性が悪くなる傾向がある。また、プロピレン・エチレン共重合体では、エチレンが重合体中に不均一に入るようになることから、フィルムの透明性が低下する等の問題を生じるため、収縮包装用に使用可能なプロピレン・エチレン共重合体のエチレン含有量の上限は、せいぜい10モル%である。エチレン含有量が10モル%以下の範囲内にあるプロピレン・エチレン共重合体フィルムの適性収縮温度は、ポリプロピレンフィルムに比べ、かなり低いとはいえ、ポリエチレンフィルムに比べても20〜50℃程高くなる。
【0007】
したがって、透明性が良好で、かつ、低温収縮性および耐ブロッキング性に優れた収縮包装用ポリプロピレンフィルムの出現が望まれている。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、商業包装に適するとともに工業包装にも適した収縮包装用ポリプロピレンフィルム、具体的には、透明性が良好で、かつ、低温熱収縮性および耐ブロッキング性に優れた収縮包装用ポリプロピレンフィルムを提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムは、
メルトインデックスが0.1〜20である結晶性ポリプロピレン(A)50〜95重量部と、
プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)5〜50重量部と
を含有しているポリプロピレン組成物から形成され、かつ、縦方向および横方向の少なくとも1方向に延伸されたフィルムであり、
該プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、
(1) プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、
1-ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量で含有し、
(2) 135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜12dl/gであり、
(3) ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
(4) 共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5である
ことを特徴としている。
【0010】
上記プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、上記(1)〜(3)の特性を有するとともに、さらに、
(4) パラメータB値が1.0〜1.3であり、
(5) 示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃であり、かつ、該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
−2.6M+130 ≦ Tm ≦ −2.3M+155であり、
(6) X線回折法により測定される結晶化度C(%)と、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
C ≧ −1.5M+75である
ことが好ましい。
【0011】
上記のようなプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、
[A]下記一般式[I]で表わされる遷移金属化合物と、
[B]有機アルミニウムオキシ化合物[B-1] 、および/または前記遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[B-2] と、
所望により、
[C]有機アルミニウム化合物と
を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られる。
【0012】
【化2】
【0013】
[式中、Mは周期律表第IVa、Va、VIa族の遷移金属であり、
R1 およびR2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
R3 は、炭素原子数3〜20の2級または3級アルキル基または芳香族基であり、
R4 は、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR5 −、−P(R5 )−、−P(O)(R5 )−、−BR5 −または−AlR5 −である。(ただし、R5 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)]
上記のような遷移金属化合物[A]を示す式[I]において、R1 はメチル基であることが好ましい。
【0014】
本明細書中における「フィルム」は、フィルムおよびシートを指す。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムについて具体的に説明する。
【0016】
本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムは、
結晶性ポリプロピレン(A)とプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)とを含有しているポリプロピレン組成物から形成され、かつ、
縦方向および横方向の少なくとも1方向に延伸された一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムである。
【0017】
まず、これらの各成分について説明する。
結晶性ポリプロピレン(A)
本発明では、結晶性ポリプロピレン(A)として、従来公知の結晶性ポリプロピレンを用いることができるが、アイソタクチック・インデックスI.I.(沸騰n-ヘプタン不溶成分)が75%以上、好ましくは75〜99%のポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0018】
また、結晶性ポリプロピレン(A)は、密度が0.89〜0.92g/cm3 であり、かつメルトインデックス(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が0.1〜20、好ましくは0.3〜15であることが望ましい。
【0019】
このような特性を有する結晶性ポリプロピレン(A)としては、プロピレン単独重合体およびプロピレンとプロピレン以外のα- オレフィンとからなる結晶性プロピレンランダム共重合体を用いることもできる。
【0020】
このようなプロピレン以外のα- オレフィンとしては、たとえばエチレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、4-メチル-1- ペンテンなどの炭素原子数2および5〜20のα−オレフィンが挙げられる。
【0021】
上記のような結晶性プロピレンランダム共重合体の中でも、特に、結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体が好ましく用いられる。この場合、結晶性プロピレン・エチレンランダム共重合体のエチレン含有量は、10モル%以下、好ましくは8モル%以下である。エチレン含有量が10モル%を超えると、加工機械適性が悪くなる。
【0022】
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレン(A)は、従来公知の固体状チタン触媒成分あるいはメタロセン化合物触媒成分を用いて、公知の方法により製造することができる。
【0023】
本発明においては、結晶性ポリプロピレン(A)は、結晶性ポリオレフィン(A)およびプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)の合計量100重量部に対して、50〜95重量部、好ましくは55〜90重量部、さらに好ましくは60〜85重量部の割合で用いられる。
【0024】
プロピレン・ 1- ブテンランダム共重合体(B)
本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、プロピレンから導かれる構成単位含有量が50〜95モル%、好ましくは55〜93モル%、さらに好ましくは60〜90モル%であり、1-ブテンから導かれる構成単位含有量が5〜50モル%、好ましくは7〜45モル%、さらに好ましくは10〜40モル%である。
【0025】
このプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、プロピレンおよび1-ブテン以外のオレフィンから導かれる構成単位を少量たとえば10モル%以下、望ましくは5モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0026】
プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜12dl/g、好ましくは0.3〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜5dl/gである。
【0027】
本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、好ましくは2.5以下である。
【0028】
本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5、好ましくは1.0〜1.3、さらに好ましくは1.0〜1.2である。
【0029】
このパラメータB値は、コールマン等(B.D.Coleman and T.G.Fox, J. Polym.Sci., Al,3183(1963) )により提案されており、以下のように定義される。
B=P12/(2P1 ・P2 )
ここで、P1 、P2 はそれぞれ第1モノマー、第2モノマー含量分率であり、P12は、全二分子中連鎖中の(第1モノマー)−(第2モノマー)連鎖の割合である。
【0030】
なお、このB値は1のときベルヌーイ統計に従い、B<1のとき共重合体はブロック的であり、B>1のとき交互的である。
さらに本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、上記のような特性に加えて、
示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃、好ましくは80〜130℃であることが望ましく、かつ、
該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
−2.6M+130 ≦ Tm ≦ −2.3M+155
であることが望ましい。
【0031】
融点が上記のような範囲にあるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)を用いると、適性収縮温度が低く、しかも、適性収縮温度範囲が広い、耐ブロッキング性に優れたポリプロピレンフィルムを提供し得る組成物が得られる。
【0032】
本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)におけるX線回折法により測定される結晶化度C(%)と、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
C ≧ −1.5M+75
であることが望ましい。
【0033】
プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)の結晶化度は、15〜65%、好ましくは20〜60%であることが望ましい。結晶化度が15〜65%であるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)を用いると、低温収縮性に優れるとともに耐ブロッキング性にも優れたポリプロピレンフィルムを成形し得る組成物が得られる。
【0034】
また、本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、13C−NMRスペクトルから求められる全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入に基づく位置不規則単位を0.05%以上の割合で含んでいてもよい。
【0035】
プロピレンと1-ブテンとの共重合時に、プロピレンモノマーは、1,2-挿入(メチレン側が触媒と結合する)するが、稀に2,1-挿入することがある。2,1-挿入したモノマーは、ポリマー中で、位置不規則単位を形成する。
【0036】
全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入の割合は、13C−NMRを利用して、Polymer,30(1989)1350を参考にして下記の式から求めることができる。
【0037】
【数1】
【0038】
ここでピークの命名は、Carmanらの方法(Rubber Chem. Technol.,44(1971),781)に従った。また、Iαβなどは、αβピークなどのピーク面積を示す。
なおピークが重なることなどにより、Iαβなどの面積が直接スペクトルより求めることが困難な場合は、対応する面積を有する炭素ピークで代用することができる。
【0039】
また本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、プロピレンモノマーの1,3-挿入に基づく位置不規則単位が0.05%以下であってもよい 。
【0040】
プロピレンの1,3-挿入に基づく3連鎖量は、βγピーク(27.4ppm 付近で共鳴)により求めることができる。
本発明で用いられる結晶性プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、上記のような特性を有しており、適性収縮温度が低く、かつ、適性収縮温度範囲の広いポリプロピレンフィルムを成形し得る組成物が得られる。
【0041】
上記のようなプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、
[A]後述するような特定の遷移金属化合物と、
[B]有機アルミニウムオキシ化合物[B-1] 、および/または前記遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[B-2] と、
所望により
[C]有機アルミニウム化合物と
からなるオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られる。
【0042】
<オレフィン重合用触媒>
以下本発明で用いられるオレフィン重合用触媒について説明する。
本発明で用いられるオレフィン重合触媒を形成する遷移金属化合物[A](以下「成分[A]」と記載することがある。)は、下記一般式[I]で示される。
【0043】
【化3】
【0044】
式中、Mは、周期律表第IVa、Va、VIa族の遷移金属であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンであり、好ましくはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
【0045】
置換基R 1 およびR 2
R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0046】
具体的に、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、
フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル等のアリール基などが挙げられ、
ハロゲン化炭化水素基としては、これら炭化水素基がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
【0047】
また、メチルシリル、フェニルシリル等のモノ炭化水素置換シリル、
ジメチルシリル、ジフェニルシリル等のジ炭化水素置換シリル、
トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリル等のトリ炭化水素置換シリル、
トリメチルシリルエーテル等の炭化水素置換シリルのシリルエーテル、
トリメチルシリルメチル等のケイ素置換アルキル基、
トリメチルフェニル等のケイ素置換アリール基などのケイ素含有置換基;
ヒドロオキシ基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、
フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、
フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基などの酸素含有置換基;
前記含酸素化合物の酸素がイオウに置換したイオウ含有基;
アミノ基、
メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ等のアルキルアミノ基、
フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノ等のアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有基;
ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノ等のフォスフィノ基などのリン含有基が挙げられる。
【0048】
R1 としては、これらのうちでも水素原子、メチル基、炭素原子数2〜6の炭化水素基、芳香族基などが好ましく、特にメチル基、炭素原子数2〜6の炭化水素基が好ましい。
【0049】
R2 としては、これらのうち水素原子、炭化水素基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
置換基R 3
R3 は、炭素原子数1〜20の炭化水素基、そのハロゲン原子、ケイ素含有基で置換された基であり、中でも炭素原子数3〜20の2級または3級アルキル基または芳香族基であることが望ましい。
【0050】
具体的には、2級または3級アルキル基としては、i-プロピル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、1,2-ジメチルプロピル、2,3-ジメチルブチル、iso-ペンチル、tert- ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、iso-ヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられ、
芳香族基としては、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α- またはβ- ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリル等のアリール基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、トリルメチル等のアリールアルキル基などが挙げられ、
これらは2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
【0051】
これらの基は、R1 で示したようなハロゲン原子、ケイ素含有基などで置換されていてもよい。
置換基R 4
R4 は、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基である。
【0052】
アルキル基としては、具体的にはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの鎖状アルキル基および環状アルキル基が挙げられる。
【0053】
これらの基は、R1 で示したようなハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよい。
X 1 およびX 2
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。
【0054】
具体的に、ハロゲン原子、酸素含有基、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基は、前記R1 と同様である。
イオウ含有基としては、前記R1 で示された基とともにさらに、
メチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート、トリフルオロメタンスルフィネート等スルフィネート基が挙げられる。
【0055】
Y
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR5−、−P( R5)−、−P(O)(R5 )−、−BR5 −または−AlR5 −(ただし、R5 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示し、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、
クロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基、
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等のアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリル、アルキルアリールジシリル、アリールシリル基などの2価のケイ素含有基、
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基、
上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、
R5 は、前記R1 と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0056】
このうち2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好ましく、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレンであることが好ましい。
【0057】
以下に上記一般式[I]で表わされる遷移金属化合物を具体的に例示する。
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n- ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-sec- ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t- ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n- ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- クロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリレンメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t- ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t- ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4- エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチルインデニル)}ジルコニウムジブロミド
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウム- ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i- プロピルインデニル)}ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-フェニル-4-i- プロピル-7- メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0058】
本発明では、上記のような式[I]で示される遷移金属化合物のうちでも、特に下記の式[I-a] で示されるような遷移金属化合物が好ましく用いられる。
【0059】
【化4】
【0060】
(式中、M、X1 、X2 、R1 、R3 、Yは式[I]と同じであるが、好ましくはR1 は水素原子、メチル基または芳香族基である。)
このような式[I-a] で示される好ましい遷移金属化合物を以下に例示する。
【0061】
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(1-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(2-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(m-クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(o-クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(o,p-ジクロロフェニル)フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(m-トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(o-トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(o,o'- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-ベンジルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-ビフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(m-ビフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(p-トリメチルシリルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-(m-トリメチルシリルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-フェニル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(i-プロピル)シリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(n- ブチル)シリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジシクロヘキシルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスタニレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムクロリドSO2Me、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムクロリドOSO2Me、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムモノクロリドモノ(トリフルオロメタンスルフォネート)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ(トリフルオロメタンスルフォネート)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ(p-トルエンスルフォネート)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ(メチルスルフォネート)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ(トリフルオロメタンスルフィネート)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ(トリフルオロアセテート)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムモノクロリド(n-ブトキシド)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ(n-ブトキシド)、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムモノクロリド(フェノキシド)など。
【0062】
上記のうちでもR1 がメチル基である化合物が特に好ましい。
また上記の式[I-a] において、R1 は炭素原子数2〜6の炭化水素基であり、R3 は炭素原子数6〜16のアリール基である遷移金属化合物も好ましく用いられる。前記式[I]で示される化合物のうち、このような好ましい化合物を以下に例示する。
【0063】
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(m- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(p- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,3- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,4- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,5- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,4,6- トリメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o- クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(m- クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(p- クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,3- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,6- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(3,5- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2- ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(3- ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ビフェニリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- トリメチルシリルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(8- メチル-9- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネオペンチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネオペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘキシル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘキシル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ビフェリニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスタニレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスタニレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスタニレン- ビス{1-(2-n-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスタニレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0064】
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属をチタニウム金属、ハフニウム金属、バナジウム金属、ニオブ金属、タンタル金属、クロム金属、モリブデン金属、タングステン金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0065】
前記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
上記のような本発明で用いられる遷移金属化合物は、Journal of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書および実施例に準じて製造することができる。
【0066】
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する[B-1] 有機アルミニウムオキシ化合物(以下「成分[B-1] 」と記載することがある。)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0067】
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0068】
なお、該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0069】
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド、
ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0070】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として、下記一般式で表わされるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
【0071】
(i-C4H9)x Aly (C5 H10)z … [II]
(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)
上記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるいは組合せて用いられる。
【0072】
アルミノキサンの溶液または懸濁液に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油等の石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物、とりわけ塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0073】
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する[B-2] 前記遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物(以下「成分[B-2] 」と記載することがある。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、US−547718号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびカルボラン化合物を挙げることができる。
【0074】
ルイス酸としては、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、MgCl2 、Al2O3、SiO2-Al2O3 などが例示できる。
【0075】
イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが例示できる。
【0076】
カルボラン化合物としては、ドデカボラン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(トリデカハイドライド-7- カルバウンデカ)ボレートなどが例示できる。
【0077】
上記のような前記遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[B-2] は、2種以上混合して用いることができる。
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する際に用いることができる[C]有機アルミニウム化合物(以下「成分[C]」と記載することがある。)としては、例えば下記一般式[III] で表わされる有機アルミニウム化合物を例示することができる。
【0078】
R9 nAlX3-n … [III]
(式中、R9 は、炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、
Xは、ハロゲン原子または水素原子であり、
nは1〜3である。)
上記一般式[III] において、R9 は、炭素原子数1〜12の炭化水素基例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0079】
このような有機アルミニウム化合物[C]としては、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ(2-エチルヘキシル)アルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、
イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0080】
また有機アルミニウム化合物[C]として、下記一般式[IV]で表わされる化合物を用いることもできる。
R9 nAlL3-n … [IV]
(式中、R9 は、上記と同様であり、
Lは、−OR10基、−OSiR11 3基、−OAlR12 2 基、−NR13 2 基、−SiR14 3基または−N(R15)AlR16 2基であり、
nは1〜2であり、
R10、R11、R12およびR16は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、
R13は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、
R14およびR15は、メチル基、エチル基などである。)
このような有機アルミニウム化合物のうちでは、
R9 nAl(OAlR10 2)3-n で表わされる化合物、たとえば
Et2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2などが好ましい。
【0081】
上記一般式[III] および[IV]で表わされる有機アルミニウム化合物の中では、一般式R9 3Al で表わされる化合物が好ましく、特にR9 がイソアルキル基である化合物が好ましい。
【0082】
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、上記のような成分[A]、成分[B-1] および/または成分[B-2] (以下成分[B])および所望により成分[C]から形成される。オレフィン重合用触媒は、これら成分[A]、成分[B]および所望により成分[C]を、不活性炭化水素溶媒中またはオレフィン溶媒中で混合することにより調製することができる。
オレフィン重合用触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
【0083】
オレフィン重合用触媒を調製する際の各成分の混合順序は任意であるが、成分[B]と成分[A]とを混合するか、
成分[B]と成分[C]とを混合し、次いで成分[A]を混合するか、
成分[A]と成分[B]とを混合し、次いで成分[C]を混合するか、あるいは、
成分[A]と成分[C]とを混合し、次いで成分[B]を混合することが好ましい。
【0084】
上記各成分を溶媒中で混合するに際して、成分[A]の濃度は、約10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜5×10-2モル/リットルであることが望ましい。
【0085】
成分[B]として成分[B-1] が用いられるときには、成分[B-1] 中のアルミニウムが、成分[A]中の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)が、通常10〜10000、好ましくは20〜5000となるように、また成分[B-2] が用いられるときには、成分[A]と成分[B-2] とのモル比(成分[A]/成分[B-2] )が、通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるように用いられる。
【0086】
成分[C]は、成分[C]中のアルミニウム原子(AlC )と成分[B-1] 中のアルミニウム原子(AlB-1 )との原子比(AlC/AlB-1)が、通常0.02〜20、好ましくは0.2〜10となるように、必要に応じて用いることができる。
【0087】
上記各成分は、重合器中で混合してもよいし、予め混合したものを重合器に添加してもよい。
予め混合する際の混合温度は、通常、−50〜150℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触時間は1〜1000分間、好ましくは5〜600分間である。また、混合接触時には混合温度を変化させてもよい。
【0088】
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、無機あるいは有機の、顆粒状ないしは微粒子状の固体である微粒子状担体に、上記成分[A]、成分[B]および成分[C]のうち少なくとも一種の成分が担持された固体状オレフィン重合用触媒であってもよい。
【0089】
無機担体としては、多孔質酸化物が好ましく、たとえばSiO2、Al2O3 などを例示することができる。
有機化合物の顆粒状ないしは微粒子状固体としては、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどのα- オレフィン、もしくはスチレンを主成分として生成される重合体または共重合体を例示することができる。
【0090】
また本発明では、上記のようなオレフィン重合触媒を形成する各成分に、オレフィンを予備重合して用いることもできる。
予備重合に用いられるオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、1-ブテンなどが好ましいが、これらと他のオレフィンとの混合物であってもよい。
【0091】
なお本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用な他の成分、たとえば触媒成分としての水なども含むことができる。
【0092】
本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、上記のオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンと1-ブテンとを、最終的に前記の組成比になるように共重合させることによって製造することができる。
【0093】
重合は、懸濁重合、溶液重合などの液相重合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。
液相重合法では、重合溶媒として上述した触媒調製の際に用いた不活性炭化水素溶媒と同じ溶媒を用いることができ、プロピレンを重合溶媒として用いることもできる。
【0094】
重合温度は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜100℃、好ましくは0〜90℃であることが望ましく、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250℃、好ましくは20〜200℃であることが望ましい。また、気相重合法を実施する際には、重合温度は通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃であることが望ましい。
【0095】
重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことができる。
【0096】
さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行なうことも可能である。
得られるプロピレン・1-ブテンランダム共重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度、重合圧力を変化させることによって調節することができる。
【0097】
本発明では、上記のようなプロピレン・1-ブテンランダム共重合体は、不飽和カルボン酸またはその無水物による部分的または完全変性物であってもよい。このプロピレン・1-ブテンランダム共重合体の変性物は、オーバーラップ包装性、金属などとの接着性が優れている。
【0098】
本発明においては、プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、結晶性ポリオレフィン(A)およびプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)の合計量100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10〜45重量部、さらに好ましくは15〜40重量部の割合で用いられる。
【0099】
ポリプロピレン組成物
本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムの形成に用いられるポリプロピレン組成物は、上記のような結晶性ポリプロピレン(A)とプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)とを含有している。
【0100】
このようなポリプロピレン組成物は、結晶性ポリプロピレン(A)とプロピレン1-ブテンランダム共重合体(B)とを、タンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等で混練することによって得られる。混練は、十分に行なうことが望ましい。
【0101】
本発明で用いられるポリプロピレン組成物中に、結晶性ポリプロピレン(A)およびプロピレン1-ブテンランダム共重合体(B)のほかに、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0102】
収縮包装用ポリプロピレンフィルム
本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムは、上記のようにして得られるポリプロピレン組成物から形成され、かつ、縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)の少なくとも1方向に延伸された一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムである。
【0103】
本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムは、上記ポリプロピレン組成物を溶融して成膜した後、延伸することによって得ることができる。
この成膜方法としては、公知の任意の成膜方法、たとえばインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等を採用することができる。
【0104】
また、延伸方法も、公知の任意の延伸方法、たとえばテンター延伸機による一軸延伸法、インフレーション式同時二軸延伸法等を採用することができる。インフレーション式同時二軸延伸法としては、たとえばロール延伸機とテンター延伸機の組み合わせによるフラット式逐次二軸延伸あるいはフラット式同時二軸延伸の方法がある。
【0105】
延伸倍率は、縦方向、横方向、それぞれ3倍〜10倍、好ましくは4倍〜9倍である。延伸倍率が上記範囲内になるように延伸を行なうと、フィルム内部の分子配向が十分で、熱処理により十分な熱収縮が得られるポリプロピレンフィルムを得ることができ、延伸による膜切れを起こすこともない。
【0106】
また、本フィルムの少なくとも一層に、ポリエチレンあるいはエチレン・ビニルアルコール共重合体などの層を、低温ヒートシール、透明性、気体透過抵抗性、耐油性などの付加価値を付与する目的で、共押出しあるいは後ラミネーションにより積層してもよい。
【0107】
【発明の効果】
本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムは、透明性が良好で、かつ、低温延伸性、低温熱収縮性および耐ブロッキング性に優れ、種々の形状にフィットする。
【0108】
上記のような効果を有する、本発明に係る収縮包装用ポリプロピレンフィルムは、食料品の包装、その他の雑貨等の日用品の包装などの商業用包装に広く用いることができ、また工業用品の包装(工業包装)にも広く用いることができる。
【0109】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0110】
[プロピレン・1-ブテンランダム共重合体の物性測定]
(1)プロピレン含量、1-ブテン含量
13C−NMRを利用して求めた。
(2)極限粘度[η]
135℃デカリン中で測定し、dl/gで示した。
【0111】
(3)分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径27mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン[和光純薬工業(株)]および酸化防止剤としてBHT[武田薬品工業(株)]0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。
分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー(株)製標準ポリスチレンを用い、1000<Mw<4×106 についてはプレッシャーケミカル社製標準ポリスチレンを用いた。
【0112】
(4)B値
B値は、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRのスペクトルを、通常、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、フィルター幅1500Hz、パルス繰り返し時間4.2sec、積算回数2000〜5000回の測定条件の下で測定し、このスペクトルからPE 、Po、POEを求めることにより算出した。
【0113】
(5)融点(Tm)
パーキンエルマー社製DSC−7型装置(示差走査型熱量計(DSC))を用いて測定した。
試料約5mgをアルミパンに詰めて200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
(6)結晶化度
成形後少なくとも24時間経過した厚さ1.0mmのプレスシートのX線回折測定により求めた。
【0114】
[延伸フィルムの物性測定]
(1)引張特性
ASTM D−882に準拠して引張試験を行なって、ヤング率を求めた。(2)熱収縮率
サイズ150mm×20mmのサンプルの中央表面に100mmの標線を延伸方向に付け、任意の温度(100℃、120℃)に設定されたエアーオーブン中に30分放置し、標線間の距離を測定し、標線間の距離の減少量を最初の標線間距離(100mm)で除した値をパーセントで表示した。
【0115】
【製造例1】
プロピレン・ 1- ブテンランダム共重合体(B−1)の製造
充分に窒素置換した2リットル容量のオートクレーブに、ヘキサンを900ml、1-ブテンを60g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧7kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.001ミリモル加え、プロピレンを連続的に供給して全圧を7kg/cm2Gに保ちながら30分間重合を行なった。重合後、脱気して大量のメタノール中でプロピレン・1-ブテンランダム共重合体を回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。
【0116】
得られたプロピレン・1-ブテンランダム共重合体[以下、(B−1)と略す]の収量は39.7gであった。(B−1)の重合活性は79kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。
【0117】
(B−1)は、1-ブテンから導かれる構成単位の含有量が24モル%であり、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が1.63dl/gであり、融点が92℃であった。得られた(B−1)につい て測定した物性を第1表に示す。
【0118】
【製造例2】
プロピレン・ 1- ブテンランダム共重合体(B−2)の製造
充分に窒素置換した2リットル容量のオートクレーブに、ヘキサンを830ml、1-ブテンを100g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧7kg/cm2Gにし、トリエチルアルミニウム1ミリモル、及び塩化マグネシウムに担持されたチタン触媒をTi原子に換算して0.005ミリモル加え、プロピレンを連続的に供給して全圧を7kg/cm2Gに保ちながら30分間重合を行なった。重合後、脱気して大量のメタノール中でプロピレン・1-ブテンランダム共重合体を回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。
【0119】
得られたプロピレン・1-ブテンランダム共重合体[以下、(B−2)と略す]の収量は33.7gであった。(B−2)の重合活性は14kg・ポリマー/ミリ モルZr・hrであった。
【0120】
(B−2)は、1-ブテンから導かれる構成単位の含有量が23モル%であり、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が1.91dl/gであり、融点が110℃であった。得られた(B−2)について測定した物性を第1表に示す。
【0121】
【実施例1】
アイソタクティックインデックス(I.I.)97%、メルトインデックス0.5のホモポリプロピレン(A)60重量部と製造例1で製造されたプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)40重量部とを250℃に設定された押出機(40mmφ)で溶融してペレタイザーでペレットにした後、Tダイにて幅300mm、厚さ250μmのフィルムを成形した。
【0122】
次いで、このフィルムを一辺200mmの正方形に切断し、パンタグラフ型同時二軸延伸機で当該切断フィルムを縦方向(MD方向)に4倍に延伸(延伸温度:90℃、100℃、延伸速度:9m/分)し、延伸終了後30秒保持した後、直ちに室温に放冷し、2種類の、厚さ約60μmの延伸フィルムを得た。
【0123】
得られた2種類の延伸フィルムの収縮率(100℃、30分後、120℃、30分後)およびヤング率の結果を第1表に示す。
【0124】
【比較例1】
実施例1において、製造例1で製造されたプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B−1)の代わりに、製造例2で製造されたプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、2種類の、厚さ約60μmの延伸フィルムを得た。
【0125】
得られた2種類の延伸フィルムの収縮率(100℃、30分後、120℃、30分後)およびヤング率の結果を第1表に示す。
【0126】
【表1】
Claims (4)
- メルトインデックスが0.1〜20である結晶性ポリプロピレン(A)50〜95重量部と、
プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)5〜50重量部と
を含有しているポリプロピレン組成物から形成され、かつ、縦方向および横方向の少なくとも1方向に延伸されたフィルムであり、
該プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、
(1) プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、
1-ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量で含有し、
(2) 135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜12dl/gであり、
(3) ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
(4) 共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5である
ことを特徴とする収縮包装用ポリプロピレンフィルム。 - 前記プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、
(4) 共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1. 0〜1.3であり、
(5) 示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃であり、かつ、該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
−2.6M+130 ≦ Tm ≦ −2.3M+155であり、
(6) X線回折法により測定される結晶化度C(%)と、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
C ≧ −1.5M+75 である
ことを特徴とする請求項1に記載の収縮包装用ポリプロピレンフィルム。 - 前記プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(B)は、
[A]下記一般式[I]で表わされる遷移金属化合物と、
[B]有機アルミニウムオキシ化合物[B-1] 、および/または前記遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[B-2] と、
所望により、
[C]有機アルミニウム化合物と
を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンと1-ブテンとを共重合させて得られることを特徴とする請求項1に記載の収縮包装用ポリプロピレンフィルム;
R1 およびR2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
R3 は、炭素原子数3〜20の2級または3級アルキル基または芳香族基であり、
R4 は、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR5 −、−P(R5 )−、−P(O)(R5 )−、−BR5 −または−AlR5 −である。(ただし、R5 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)]。 - 前記遷移金属化合物[A]を示す一般式[I]において、R1 がメチル基であることを特徴とする請求項3に記載の収縮包装用ポリプロピレンフィルム。
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