JP3654370B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ガスバリア性、防湿性に優れたフィルム、特に高温度、高湿度の環境においてもガスバリア性、防湿性がほとんど低下しないフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスバリア性に優れたフィルムとしては、基材の上にアルミニウムを積層したもの、塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールをコーティングしたものが知られている。また無機薄膜を利用したものとしては、一酸化硅素、酸化アルミニウム薄膜を積層したものが知られてる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のガスバリアフィルムは、次のような課題を有している。アルミニウム積層体は、ガスバリア性の点では優れているが、不透明なため光学用途には使うことができず、また、マイクロ波を透過しないため電子レンジでの使用ができず、包装用フィルムとしても満足なものでない。塩化ビニリデンやエチレンービニルアルコール共重合体をコーティングしたものは、酸素、水蒸気などのバリア性が十分でなく、特に高温高湿下では酸素、水蒸気などのバリア性が著しく低下してしまう。従って、塩化ビニリデンやエチレンービニルアルコール共重合体をコーティングしたものを液晶表示パネル用基板として用いた場合、表示部への黒点発生、消費電力の増加などを生じてしまい、液晶表示パネルの寿命が短い物となってしまう。包装材料に用いた場合、塩化ビニリデンやエチレンービニルアルコール共重合体をコーティングしたものは、内容物の長期の保存安定性に欠ける。
【0004】
高温高湿下においても酸素及び水蒸気バリア性が低下しないものとして、特公昭51−48511号のSiOx(X=1.3〜1.8)系のものが挙げられるが、これは褐色を有しており、透明ガスバリアフィルムとしては十分なものではない。
また特開昭62−101428に見られる酸化アルミニウムを主体とするものもあるが、酸素及び水蒸気バリア性が不十分であり、また耐屈曲性も十分ではない。
以上のように、高温高湿下においても酸素及び水蒸気バリア性が十分あり、無色透明性、耐屈曲性に優れたフィルムは無いのが現状である。
【0005】
本発明は、このような背景のもと、無色透明性、耐屈曲性に優れた、高いガスバリア性、防湿性を付与する技術を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスバリアフィルムは基材の少なくとも片面に、酸化珪素薄膜を形成したものであり、該薄膜の赤外吸収スペクトルのうち、1040cm-1〜1080cm-1の最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 が以下の範囲を満足することを特徴とするガスバリアフィルムである。
0≦P2 /P1 ≦0.2
但し、P1 :薄膜の赤外吸収スペクトルの1040cm-1〜1080cm-1の最大ピーク強度
P2 :薄膜の赤外吸収スペクトルの940cm-1〜850cm-1の最大ピーク強度
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の酸化珪素薄膜における酸化珪素とはSi,SiO,SiO2 等から成り立っており、これらの比率も作成条件で異なる。また、この成分中に、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々5%まで)の他成分を含んでも良い。該薄膜の厚さとしては、特にこれを限定するものではないが、ガスバリア性、防湿性の点から50〜8000Å好ましく、さらに好ましくは70〜5000Åである。
【0008】
かかる酸化珪素薄膜の作製には、スッパター法が用いられる。スパッター法において、ターゲット材料としてSiO2 単体やSiとSiO2 の混合物、あるいはSiとSiOの混合物、あるいはSiOとSiO2 の混合物等が用いられ、また、スパッター方式としては、直流放電、交流放電、高周波放電、イオンビーム法などを用いることができる。また真空蒸着法と同様に、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性スパッタ−法を用いても良い。また、基板にバイアス等を加えたり、基板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明の目的を損なわない限りにおいて、作成条件を変更しても良い。また、真空槽中の残留ガス成分の内、水蒸気量を減少させるために、クライオパネル等を設けることもある。CVD法等の他の作成法でも同様である。
【0009】
本発明における赤外吸収スペクトルとは、400〜4000cm-1の赤外線に対する吸光度をいい、赤外分光光度計によって測定することができる。
測定方法には、透過法、反射法、全反射法(ATR法)、光音響分光法(PAS法)等があり、特に限定されないが好ましくは反射法、ATR法である。
また、薄膜が形成されているフィルムと、薄膜が形成されていない基材のみのものとの差スペクトルをとることによって、薄膜層のみの赤外吸収スペクトルを得ることが可能となる。
赤外吸収スペクトルから、原子間の化学的結合状態を知ることができ、ここでは、硅素、酸素などの結合状態を観察できる。
1040cm-1〜1080cm-1に存在する最大強度ピークはSi−O−Siの非対称伸縮運動による吸収である。それに対し、940cm-1〜850cm-1に存在する最大強度ピークは、Si−O−H結合による吸収ピークである。このSi−O−H結合が存在するということは、SiO2 網目構造が完全ではなく、水素で終端している構造的な欠陥を有していることになる。
【0010】
このようにして得られた該薄膜の赤外吸収スペクトルのうち、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 との比P2 /P1 が、0.2よりも大きい領域のときには、薄膜中にSi−O−Hによる構造欠陥が大きく、十分なガスバリア性、防湿性が得られない。以上の理由により、ガスバリアフィルムとして好ましい酸化硅素薄膜は、赤外吸収スペクトルのうち1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 は、0.2以下が好ましく、より好ましくは0.15以下である。
【0011】
本発明でいう基材とは、有機高分子を溶融押出しまたは溶液押出しをして、必要に応じ、長手方向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、全芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリメタクリレート、ポリベンザソールなど、およびこれらの架橋体があげられる。また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしてもよい。
【0012】
さらにこの有機高分子には、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は特に限定するものではないが、ガスバリア性フィルムとして使用する場合には、80%以上の透過率をもつものが好ましい。
また液晶表示パネル用電極基板等の光学用途に用いる場合には、本発明の基材は光学的に等方である方が好ましく、レタデーション値では100nm以下が好ましく、さらに好ましくは70nm以下、特に好ましくは50nm以下である。さらに本発明の基材は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層するに先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、公知のアンカーコート処理などが施されていてもよい。
本発明の基材は、その厚さとして5〜700μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは8〜500μmの範囲である。
本発明品は、そのままで使用されてもよいが、他の有機高分子のフィルム、または薄層をラミネートまたはコーティングして使用してもよい。
【0013】
本発明のガスバリアフィルムは高温高湿下においてもガスバリア性、防湿性が低下することがないので、長期の環境安定性を必要とするもの、具体的には液晶表示パネル用の電極基板などの光学用途や、包装材料等に適したものである。
このうち電極基板として用いるには、このガスバリアフィルム上にITO等の透明電極を設ける。この透明電極の作製には真空蒸着法、スパッター法、イオンプレーティング法などのPVD法(物理蒸着法)、或いはCVD法(化学蒸着法)等が適宜用いられる。
また包装材料として用いる場合には、薄膜面側に未延伸ポリプロピレン、2軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン等のヒートシール層を接着剤を介してラミネートして用いることもできる。
また本発明のガスバリアフィルムは公知の接着剤層を介して積層することもできる。
【0014】
以下に本発明を実施例をあげて詳細に説明する。
参考例1
基材として厚さ100μm、レタデーション値20nmのポリカーボネートフィルムを用い、この上に水系ウレタン系のアンカーコーティング剤をコーティングし厚さ3μmのアンカーコーティング層を形成した。さらにこの上に電子ビーム蒸着法により酸化珪素薄膜を厚さ500Å形成する。このとき蒸着源として3〜5mm程度の大きさの粒子状のSiO2 (純度99.9%)を用い、加熱源として一台の電子銃を用いた。その時の電子銃のエミッション電流は2.0Aとし、フィルム送り速度は10m/min.、酸素ガスの供給量は130sccm、チルロール冷却温度は−10℃と一定にした。また蒸着中の真空槽残留ガスの内、水蒸気量を減らすため、クライオパネルを用いた。
【0015】
このようにして得られた膜の赤外吸収スペクトルを赤外分光光度計で測定した。このとき更に、このガスバリアフィルムの酸素バリア性、防湿性を測定した。
次に測定方法を示す。
・酸素透過量の測定方法
作成したガスバリアフィルムの酸素透過量を酸素透過量測定装置(モダン コントロールズ社製 OX−TRAN100)を用いて測定した。
・水蒸気透過量の測定方法
作成したガスバリアフィルムの水蒸気透過量を水蒸気透過度テスタ−(リッシ−社製 L80−4000型)を用いて測定した。
・赤外吸収スペクトルの測定方法
赤外分光光度計(バイオラッド社製 FTS−80)を用いて、ATR法により400〜4000cm-1の赤外吸収スペクトルを測定した。
また、できるだけ表層部の測定を行うために、試料への赤外光の侵入長が比較的短いゲルマニウムを高屈折材料として用いた。この時入射角は45°とした。
このようにして測定した酸素透過量は0.13cc/m2 ・atm・day、水蒸気透過量0.5g/m2 ・atm・dayと非常に優秀であった。このスペクトルを図1に示す。また赤外吸収スペクトルのうち、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 は0.082であった。
【0016】
次にこのガスバリアフィルム上に酸化インジウム90重量%と酸化スズ10重量%とからなる厚さ500Åの透明電極層をスパッタリング法で作成した。
以上のようにして得た基板を用いて常法により液晶表示パネルを作成したが、ガスバリア性、防湿性、耐熱性のいずれも優れたものであり、長期間の使用後においても液晶部に黒色の泡が発生することもなかった。
【0017】
比較例1
実施例1と同じようにポリカーボネートフィルムの上に水系アンカーコート層を形成した。さらにこの上に厚さ15μmのエチレンービニルアルコール共重合体層を設け、実施例1を繰り返し、液晶表示パネルを作成したが、ガスバリア性、防湿性、耐熱性が十分ではなく、長期間の使用に耐えなかった。
【0018】
実施例1
基材として厚さ50μm、レタデーション値20nmのポリアミドイミドフィルムを用いた。この上に、SiO2 ターゲット(純度99.99%)を用い、高周波スパッタリング法で酸化珪素薄膜を形成した。フィルム送り速度は、1m/min.とし、400Å厚の薄膜を作成した。アルゴン及び酸素ガスの供給により、スパッタリング時圧力を5mTorrとした。スパッタリング電力は2kWとした。このようにして得られた薄膜の赤外吸収スペクトル(図2)を測定したところ、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1は0.172であった。さらに酸素透過量、水蒸気透過量を測定したところ0.10cc/m2 ・atm・day、0.3g/m2 ・atm・dayであり非常に優秀なガスバリア性、防湿性を示した。さらに実施例1と同様に透明電極を設け、液晶表示パネルを作成したが、ガスバリア性、防湿性、耐熱性のいずれも優れたものであり、長期間の使用後においても液晶部に黒色の泡が発生することもなかった。
【0019】
比較例2
実施例2と同様のポリアミドイミドフィルム上にスパッタ時圧力を60mTorrとした以外は同様に酸化珪素薄膜を形成し、得られたサンプルに対し、薄膜の赤外吸収スペクトル(図2)を測定したところ、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 は0.292であった。さらに酸素透過量、水蒸気透過量を測定したところ0.83cc/m2 ・atm・day、1.0g/m2 ・atm・dayであり、充分なガスバリア性、防湿性をしめさなかった。また、このフィルムを用い液晶表示パネルを作成したが、ガスバリア性、防湿性、耐熱性が十分ではなく、長期間の使用に耐えなかった。
【0020】
実施例2
基材として厚さ150μm、レタデーション値10nmのポリアリレートフィルムを用いた。この上に、Siターゲット(純度99.99%)を用い、直流放電式反応性スパッタ法で、酸化珪素薄膜を形成した。フィルム送り速度は、5m/min.とし、800Å厚の薄膜を作成した。アルゴン及び酸素ガスを供給し、酸素雰囲気スパッタリング時圧力を10mTorrに固定した。スパッタ電力は2.5kWとした。このようにして得られた薄膜の赤外吸収スペクトル(図3)を測定したところ、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 は0.099であった。さらに酸素透過量、水蒸気透過量を測定したところ0.09cc/m2 ・atm・day、0.2g/m2 ・atm・dayであり非常に優秀なガスバリア性、防湿性を示した。さらに実施例1と同様に透明電極を設け、液晶表示パネルを作成したが、ガスバリア性、防湿性、耐熱性のいずれも優れたものであり、長期間の使用後においても液晶部に黒色の泡が発生することもなかった。
【0021】
比較例3
実施例3と同様のポリアリレートフィルム上に酸素雰囲気スパッタリング時圧力を100mTorrとした以外は同様にして酸化硅素薄膜を形成し、得られたサンプルに対し、薄膜の赤外吸収スペクトル(図3)を測定したところ、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 は0.354であった。また酸素透過量、水蒸気透過量を測定したところ0.75cc/m2 ・atm・day、1.5g/m2 ・atm・dayであり、充分なガスバリア性、防湿性をしめさなかった。また、このフィルムを用い液晶表示パネルを作成したが、ガスバリア性、防湿性、耐熱性が十分ではなく、長期間の使用に耐えなかった。
【0022】
参考例2
基材として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株):E5100)を用いた。この上に電子ビーム蒸着法により酸化珪素薄膜を厚さ500Å形成する。このとき蒸着源として3〜5mm程度の大きさの粒子状のSiO2 (純度99.95%)を用い、加熱源として一台の電子銃を用いた。その時の電子銃のエミッション電流は3.3Aとし、フィルム送り速度は180m/min.、酸素ガスの供給量は250sccm、チルロール冷却温度は−20℃と一定にした。また蒸着中の真空槽残留ガスの内、水蒸気量を減らすため、真空槽壁面に温水を循環させ、吸着水を減少させた。また、蒸着前に蒸着源材料を予備的に加熱して、材料に残存している水分も極力少なくした。このようにして得られた薄膜の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 は0.132であった。さらに酸素透過量、水蒸気透過量を測定したところ0.3cc/m2 ・atm・day、1.5g/m2 ・atm・dayであり非常に優秀なガスバリア性、防湿性を示した。さらにこの上に、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンを二液硬化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)を用いてドライラミネートし、本発明応用の包装用プラスチックフィルムを得た。この包装用フィルムに対して、ボイル処理(90℃熱水中 30分)を施した、酸素透過量、水蒸気透過量を測定したところ0.4cc/m2 ・atm・day、1.0g/m2 ・atm・dayであり、包装用フィルムとして非常に優秀なガスバリア性、防湿性を示した。
【0023】
比較例4
実施例4と同様のポリエチレンテレフタレートフィルム上に温水による真空壁加熱と蒸着材料の予備加熱を行わなかった以外は同様にして酸化硅素薄膜を形成し、得られたサンプルに対し、薄膜の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 は0.418であった。また酸素透過量、水蒸気透過量を測定したところ47.1cc/m2 ・atm・day、32.9g/m2 ・atm・dayであり、充分なガスバリア性、防湿性をしめさなかった。また、このフィルムを用い実施例4と同様の包装用プラスチックフィルムを作成したが、ガスバリア性、防湿性、耐ボイル性が十分ではなかった。
【0024】
【発明の効果】
基材上に酸化硅素系薄膜が形成されたガスバリアフィルムにおいて、該薄膜の赤外吸収スペクトルのうち、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 が0.2以下の範囲を満足することにより、ガスバリア性、防湿性に優れ、特にを特徴とするガスバリアフィルム。光等方性に優れた基材の少なくとも片面に、酸化硅素を主たる成分とする薄膜が形成されたガスバリアフィルムにおいて、該薄膜の赤外吸収スペクトルのうち、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1 と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2 の比P2 /P1 が0.2以下の範囲内とすることによりガスバリア性、防湿性に極めて優れたプラスチックフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例1で得られた薄膜の赤外吸収スペクトルの一例である。
【図2】本発明における実施例2および比較例2で得られた薄膜の赤外吸収スペクトルの一例である。
【図3】本発明における実施例3および比較例3で得られた薄膜の赤外吸収スペクトルの一例である。
Claims (3)
- 基材のレタデーション値が100nm以下の光等方シート基材の少なくとも片面に、酸化硅素を主たる成分とする薄膜がスパッタリング法により形成されたガスバリアフィルムにおいて、該薄膜の赤外吸収スペクトルのうち、1040cm-1〜1080cm-1の間に存在する最大ピーク強度P1と940cm-1〜850cm-1の間に存在する最大ピーク強度P2の比P2/P1が下記式の範囲を満足することを特徴とする液晶表示パネル用基板用ガスバリアフィルム。
0≦P2/P1≦0.2
但し、P1:薄膜の赤外吸収スペクトルの1040cm-1〜1080cm-1の最大ピーク強度P2:薄膜の赤外吸収スペクトルの940cm-1〜850cm-1の最大ピーク強度 - 請求項1記載の薄膜上に、ヒートシール層が設けられている請求項1記載のガスバリアフィルム。
- 包装用あるいはガス遮断用フィルムに用いることを特徴とする請求項1記載のガスバリアフィルム。
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