JP3589331B2 - 電極基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、その表面に透明電極を形成させるための電極基板、殊に、液晶セル製造のための電極基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の液晶表示パネル用の基板にはガラス基板が使用されており、携帯型情報端末機やパームトップコンピューター等の表示部としての使用には適している。しかし、ガラス基板は、重い、破損しやすい、薄型にできない、曲がらない等の欠点を有しているので、軽量化、薄型化、ペン入力時に破損しにくいといった欠点を有し要求特性をすべて満足するのは難しい。そこで最近では、ガラス基板に代わり、プラスチックフィルム基板を用いた液晶表示パネルが実用化されつつある。
【0003】
液晶表示パネル用基板としてプラスチックフィルム基板を用いる場合には以下の特性が要求される。
1.可視光領域において透明であること。
2.表面が平滑であり、かつ硬いこと。
3.光等方性を有すること。
4.液晶表示パネルの製造工程に耐え得る100℃以上の耐熱性を有すること。
5.液晶表示パネルの製造工程に使用する薬品に耐えること。
6.液晶表示パネルの製造工程中にかかるストレスに対して、層間剥離しないこと。
7.ガスバリア性が十分であること。
8.優れた防湿性を有すること。
9.耐液晶性を有すること。
【0004】
このような要求特性を満足するために、プラスチックフィルムの少なくとも片面にアンカーコート層を形成し、この上にエチレン−ビニルアルコール共重合体もしくはポリビニルアルコールからなる層を形成し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した電極基板、(特開昭61−86252号公報)、プラスチックフィルムの少なくとも片面に塩化ビニリデン樹脂からなる層を形成し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した電極基板(特開昭60−134215号公報)、プラスチックフィルムの少なくとも片面に蒸着法によるSiOx(ただし1<x<2)薄膜層と硬化性樹脂硬化物層とが積層した電極基板(特開平6−175143)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開昭61−86252号公報や特開昭60−134215号公報に記載の電極基板は、高分子フィルム上にエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールや硬化性樹脂硬化物をコーティングしたものは、ガスバリア性および防湿性が十分満足できるものではない。このような積層体を用いた液晶表示パネルは、液晶が劣化して駆動電力が増加したり、長時間使用後に液晶表示部に黒色の泡が発生してしまい使用不可能となる。
【0006】
特開平6−175143号公報に記載のSiOx(ただし1<x<2)薄膜のような無機バリア層はガスバリア性および防湿性の環境安定性が優れている。しかしながらSiOx(ただし1<x<2)薄膜を用いたものは、その着色のために液晶表示パネルには不適である。さらにSiOx(ただし1<x<2)薄膜のような無機バリア層上に硬化性樹脂硬化物層をコーティングしても層間の密着力が充分ではなく、この電極基板は層間剥離を生じてしまうことがあり、やはりプラスチックフィルムを用いた液晶表示パネル製造の歩留まりを低いものにしていた。
【0007】
一方、ポリエチレンテルフタレートやポリプロピレンなどの高分子フィルム上にコロナ放電処理を施すことにより、インクとのなじみが改善され印刷特性が向上したり、接着剤との結合が強固になりラミネート強度が向上することはよく知られている。
【0008】
本発明は、このような背景下に於いて、層間密着力およびガスバリア性、防湿性を顕著に改善した透明電極形成用の電極基板(殊に液晶セル製造のための電極基板)を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電極基板は、高分子製ベースシート(11)の少なくとも片面に酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)および硬化性樹脂硬化物層(13)を設けた積層体において、酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)上にコロナ放電処理を施した後に硬化性樹脂硬化物層(13)を積層することを特徴とするものである。また好適な実施態様は、酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)の厚さが、30〜8000Åであることである。層間密着力は200g/inch以上、酸素透過度が3cc/m・atm・day以下、水蒸気透過度が5g/m・atm・day以下である。
また本発明は、電極基板(1)の表面に透明電極(2)を形成し、液晶表示パネル用電極基板に用いることを特徴とする電極基板に関するものである。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
【0011】
高分子製ベースシート(11)としては、必要な機械的強度を有する高分子シート、たとえば、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリー4−メチルペンテンフィルム、ポリフェニレンオキサイドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アモルファスポリオレフィン、ノルボルネン系ポリマー、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンービニルアルコール共重合体フィルム、セルロースフィルム(セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプチレート等)、ポリアミドイミドフィルムなどが用いられる。この高分子製ベースシート(11)は、単層のみならず、複層であってもよい。
【0012】
この高分子製ベースシート(11)はレタデーション値が30nm以下、殊に20nm以下であるか、5000nm以上、殊に7000nm以上であることが好ましい。30nmを越え5000nm未満の場合は、液晶表示パネルに用いた際、表示品位が良好でない。また可視光線透過率が75%以上のものが用いられる。75%未満の場合は、液晶表示パネルに用いた際、表示輝度が十分でない。このようなこの高分子製ベースシート(11)は、流延法により製膜することにより得られるが、レタデーション値および可視光線透過率が上記の条件を満足していれば、押出法など他の成形法を採用することもできる。高分子製ベースシート(11)の厚さは、30〜500μmが適当である。30μmよりも薄い場合には機械的強度が充分ではなく、500μmを越える厚さの場合は薄いというプラスチックフィルムの利点がなくなる。
【0013】
本発明の電極基板が有する酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)はシートにガスバリア性、防湿性を付与するための層である。
【0014】
酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)中には、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々5重量%)の他の成分を含有してもよい。
【0015】
酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)の厚さは、ガスバリア性および可撓性の点から、好ましくは30〜8000Å、より好ましくは70〜5000Åである。この厚さが30Å未満の場合、本発明のフィルムのガスバリア性、防湿性が不充分となり、逆に8000Åを超える場合、可撓性が不充分となって好ましくない。また薄膜の結晶性は、その特性を損なわない限り、光学的等方性の点で非晶質状態であることが好ましい。
【0016】
酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法やプラズマCVD法、熱CVD法、光CVD法などの化学的蒸着法が良い。
【0017】
真空蒸着法で製膜する際の材料加熱方式は、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電子ビーム加熱法、レーザービーム加熱法などが良く、製膜速度の点から電子ビーム加熱法が好ましい。
【0018】
電子ビーム蒸着法において酸化シリコン薄膜層(12)を製膜する際の蒸着材料としては、Si、SiO、SiOやSiとSiOとの混合物等が用いられる。電子ビーム蒸着法でシリコンアルミニウム複合酸化物薄膜層(12)を製膜する際の蒸着材料としてはAlとSiOやAlとSiOなどが用いられる。
【0019】
製膜時に基板にバイアスを加えたり、基板を加熱あるいは冷却してもよい。また電子ビーム蒸着法で製膜する際の圧力は3×10−4Torr以下であることが好ましく、さらに好ましくはこの圧力中の水蒸気分圧が5×10−5Torr以下である。水蒸気分圧が5×10−5Torrを越える時は、薄膜の比重が低く、ガスバリア性、防湿性が充分ではなく、また下地との密着力も不充分である。
【0020】
スパッタリング法で酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)を成膜する場合は、ターゲット材料としてはSi、SiO、SiOや、SiとSiOの混合体などが用いられるが、これらのものに限定されない。スパッタリング法でリコンアルミニウム複合酸化物薄膜層(12)を製膜する際のターゲット材料としてはAlとSiOやAlとSiOなどの混合物が用いられる。
【0021】
スパッタリング時のガス組成はアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを主成分として、酸素、水素等の反応性ガスを加えてもよい。スパッタリング時の圧力は、5×10−4〜5×10−3Torrの範囲が好ましい。5×10−4Torr未満の場合には放電が不安定になってしまい、5×10−3Torrを越える場合には、無機バリア層(12)と下地のベースシート(11)との密着力が十分でなくなってしまい、さらに薄膜構造も比重の低いものになってしまう。
【0022】
ターゲット材がSiO、SiOや、AlとSiOの混合物のように、絶縁材料もしくは半絶縁材料の場合には、高周波電力を印加しプラズマを発生させるのがが好ましい。ターゲット材がSiやAlとSiとの合金の場合にはプラズマを発生させるために直流、もしくは交流の電力を供給してもよい。
【0023】
プラズマ CVD法で酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)を成膜する場合、原料ガスとしてSiH、Si、SiHCl、SiHCl等のシラン系ガス、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン化合物を用いる。さらに反応性ガスとして、O、HO 、NO 、CO、COなどを導入する。またキャリアガスとして、Ar、He、Krなどの不活性がスを導入する。
【0024】
プラズマCVD を行う際の圧力は、5×10−4〜3×10−1Torrの範囲が好ましい。5×10−4Torr未満の場合には放電が不安定になってしまい、3×10−1Torrを越える場合には、酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)と下地のベースシート(11)との密着力が十分でなくなってしまい、さらに薄膜構造も比重の低いものになってしまう。
【0025】
プラズマ CVD法で酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)を成膜する際のプラズマ発生方式としては、高周波放電、マイクロ波放電、電子サイクロトロン共鳴放電のいずれかが好ましい。
【0026】
コロナ放電処理は、大気中で電極に高周波電力を印加し放電を発生させ、酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)上を処理する。高周波発振方式は真空官式、スパークギャップ式、ソリッドステート式があるが、効率、安定性の点からソリッドステート式が良い。
【0027】
コロナ放電のエアギャップは0.3〜5mmの範囲が良い。0.3mm未満ではギャップが狭すぎ局所的に放電が集中してしまう。5mmを越える際にはギャップが広すぎ放電が安定しない。高周波出力は0.3〜5kWの範囲が良い。電極形状はナイフエッジ型、プレート型、ロール型のいずれかが好ましい。
【0028】
通常、コロナ放電処理で高分子表面が活性化するのは、放電により発生した酸素ラジカルによる高分子鎖の切断で水酸基が生成されるからである。またこのメカニズムのため、ガラスなどの無機物はコロナ放電処理では表面は改質されないというのが一般論である。
【0029】
しかしながら、本発明における酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機薄膜は、溶融急冷法で作成したバルクのシリカガラスやアルミノシリケートガラスにくらべ、ダングリングボンドに起因する構造欠損が圧倒的に多い。このダングリングボンドとコロナ放電により発生した酸素ラジカルとが反応を起こすことにより、無機薄膜の最表面がより活性に改質されると考えられる。
【0030】
本発明の電極基板が有する硬化性樹脂硬化物層(13)はシートに耐熱性、耐薬品性、耐液晶性、表面硬度を付与するための層である。
【0031】
硬化性樹脂硬化物層(13)としては、加熱硬化型樹脂硬化物質層(フェノキシエーテル型架橋性樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂等)、紫外線硬化型樹脂硬化物層(紫外線硬化型アクリル系樹脂、ホスファゼン系樹脂等)、電子線硬化型樹脂硬化物層などがあげられる。厚さは 0.5〜50μmの範囲が好ましい。厚さが 0.5μm未満の場合は保護層としての機能が不十分であり、50μmよりも厚い場合は、電極基板全体の厚みが厚くなり過ぎ、プラスチック基板の特徴である薄さが無くなってしまう。この硬化性樹脂硬化物層(13)も光等方性を有することが必要である。
【0032】
本発明の電極基板(1)全体のレターデーション値は30nm以下、もしくは5000nm以上、可視光線透過率は70%以上となるように留意する。
【0033】
硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させる場合には、形成した硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度をRmaxで 0.5μm以下、Raで0.01μm以下、好ましくはRmaxで 0.2μm以下、Raで 0.007μm以下、さらに好ましくはRmaxで 0.1μm以下、Raで 0.005μm以下となるようにすることが望ましい。
【0034】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度をこのように小さくする方法としては、例えば、以下に述べる方法が採用される。
【0035】
まず、無機バリア層(12)面上にコロナ放電処理を施したベースシート(11)/無機バリア層(12)からなる積層体と平滑化鋳型材(F)との間隙に加熱硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物または電子線硬化型樹脂組成物を供給して該樹脂組成物が両者間に層状に挟持されるようにする。この場合、ベースシート(11)/無機バリア層(12)が一つの製膜用ロールに、平滑化鋳型材(F)がもう一つの製膜用ロールにそれぞれ供給されるようにしておき、両製膜ロール間の間隙は所定の値に調整しておく。ついで、加熱、紫外線照射または電子線照射により上記の挟持層を硬化させて硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型材(F)よりなる積層体が得られるので、その後の適宜の段階でその積層体から平滑化鋳型材(F)を剥離除去する。
【0036】
上記における平滑化鋳型材(F)としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート、二軸延伸ポリエチレンナフタレートシート等の二軸延伸ポリエステルフィルムや、二軸延伸ポリプロピレフィルム等が用いられる。平滑化鋳型材(F)としては、その表面粗度がRmaxで 0.5μm以下、Raで0.01μm以下、好ましくはRmaxで 0.2μm以下、Raで 0.007μm以下、さらに好ましくはRmaxで 0.1μm以下、Raで 0.005μm以下であることが望ましい。
【0037】
以上のような手法で成膜した硬化性樹脂硬化物層(13)とコロナ放電処理を施した酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)とは200g/inch以上の非常に強い層間密着力を有する。
【0038】
本発明の電極基板(1)は単体で使用しても良いが、公知の接着剤などを介して複層で使用してもよい。
【0039】
このようにして得られた本発明の電極基板(1)の硬化性樹脂硬化物層(13)上には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の手段により透明電極を形成する。透明電極の厚さは100〜3000Åの範囲が好ましい。透明電極の厚さは100Å未満の場合は導電性が十分ではなく、3000Åを越える場合は、透明性が損なわれる。透明電極としはインジウムスズ複合酸化物、インジウム亜鉛複合酸化物、インジウムカドミウム複合酸化物が好適であるが、ほかの導電性金属酸化物を用いることもできる。
【0040】
形成した透明電極の上からは、さらに必要に応じた配向膜を形成させる。そしてこのようにて作製した透明電極付きの電極基板2枚をそれぞれの透明電極側が対向する状態で所定の間隔をあけて配付すると共に、その間隙に液晶を封入すれば(周囲はシールしておく)、液晶セルが作製される。液晶としてはポリマー液晶を用いることもできる。
【0041】
液晶表示パネルは、この液晶セル片面に偏光板、他面に位相差板を介して偏光板を積層することにより作製する。位相差板を省略したり、位相差板に代えて補償用液晶セルを用いることもある。なお上記の電極基板は、偏光板または位相差板と一体とした一体型基板とすることもできる。
【0042】
実施例
次に実施例をあげて本説明をさらに説明する。以下「部」とあるのは重量部である。
【0043】
実施例1
図1は本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【0044】
高分子製ベースシート(11)としてノルボルネン系ポリマーフィルムを用いた。このフィルムは、キシレンを溶媒とする20重量%濃度の溶液から流延法により製膜されたものである。厚さは188μm、レタデーション値は2nm、可視光線透過率は92%である。
【0045】
このノルボルネン系ポリマーフィルム上に、酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)をスパッタリング法で成膜した。この時、ターゲット材としてSiOを用い、13.56MHzの高周波電力を2kW供給した。また、ガスとしては、アルゴンを60sccm、酸素を5sccmを供給した。この時の圧力は3×10−3Torrである。さらに成膜速度を向上させるために、スパッタリング法としマグネトロンスパッタリング法を用いた。以上のような成膜条件のもとノルボルネン系ポリマーフィルムを3m/min.の速度で走行させ、 200Å厚の酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)を形成した。ノルボルネン系ポリマーフィルムの他の面にも同様の手法で 200Å厚の酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)を形成した。
【0046】
さらに酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)上にコロナ放電処理を施すために、大気中に取りだした。放電電極としてはプレート型電極を用い、フィルムとのエアギャップは1mmとした。また高周波発振方式としてソリッドステート式を用い、2kWの高周波電力を投入し放電させた。酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)からなる積層体を5m/min.で走行させ、両面にコロナ放電処理を施した。
【0047】
わずかの間隔をあけて平行に配置した一対の製膜ロールの一方に上記の酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)からなる積層体を供給しながら走行させ、もう一方の製膜ロールには平滑用鋳型材(F)の一例として厚さ50μm、表面粗度Ra=0.004μm、 Rmax=0.05μmのコロナ放電処理していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4100)の平滑面が上面となるように供給しながら走行させ、両製膜用ロールの間隔に向けて、アクリル変成した無水トリメリット酸とジシクロヘキシルメタンジアミンから成るポリアミドイミド樹脂100部に東亜合成(株)製のアロニックスM315を20部とベンゾフェノン2部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を吐出した。
【0048】
吐出された紫外線硬化型樹脂組成物は、ノルボルネン系ポリマーフィルムの酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)形成側の面と平滑化鋳型材の(F)の平滑面との間に挟持されたので、この状態で走行させながら、高圧水銀灯により、200w/cm、1灯、5秒、距離200mmの条件で紫外線照射した。これにより挟持層は硬化し、厚さ15μmの硬化性樹脂硬化物層(13)となった。
【0049】
上記の操作を他面に対しても実施し、厚さ15μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
【0050】
これにより、平滑化鋳型材(F)/硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/高分子製ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型材(F)の層構成を有する積層体が得られた。平滑化鋳型材(F)を剥離除去した後の硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、触診式表面粗さ計による測定でRa=0.005μm以下、Rmax=0.1μm以下であった。
【0051】
上記で得た積層体の層間密着力を測定するために以下のような手法を用いた。まず積層体の両面の平滑化鋳型材(F)を剥離除去し、露出した硬化性樹脂硬化物層(13)上に、ポリエステルポリウレタン系接着剤(武田薬品(株)製:A−310) 100部にイソシアネート系硬化剤(武田薬品(株)製:A−3 )10部を加えた熱硬化型接着剤を厚さ3μm塗布した。この上にコロナ放電処理を施した厚さ 100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:E5100)をラミネートし、45℃4日間の条件で硬化させた。このようにして作製した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/熱硬化型接着剤層/硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/高分子製ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)からなる積層体において二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとそれ以外の部分をつかみ、JIS K 6854に準拠した90度T型剥離法にて剥離強度を測定した。この結果、500g/inchの剥離強度を示し、また剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)であった。この結果より、本発明の電極基板である硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/高分子製ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)は最も弱い層間においても500g/inchの密着力を有してる。
【0052】
本発明のガスバリア性を評価するために酸素透過度測定装置(モダンコントロールズ社製、OX−TRAN100)を用いて測定した。測定条件は25℃、80%RHとした。測定結果は0.15cc/m・atm・dayであり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0053】
本発明の防湿性を評価するために水蒸気透過度測定装置(リッシー社製、L80−4000)を用いて測定した。測定温度は40℃、湿度差は0%RHと90%RHとした。測定結果は0.3g/m・atm・dayであり、極めて高い防湿性を示した。
【0054】
このようにして得られた電極基板(1)は、硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)の層構成を有し、全体のレターデーション値は3nm、可視光線透過率は84%、厚さは218μmであった。
【0055】
ついで片方の硬化性樹脂硬化物層(13)の上から、スパッタリング法により厚さ200Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成した。この透明電極(2)の表面抵抗は 100Ω/□であり、以上のような手法で透明電極(2)付きの電極基板(1)を得た。
【0056】
液晶表示パネルは、上記の透明電極(2)付きの電極基板(1)の透明電極(2)面に必要に応じて配向膜を形成した後、その透明電極(2)付きの電極基板(1)2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する状態で所定の間隔を明けて配置すると共に、その間隙に液晶(3)を封入することにより作製される。
【0057】
液晶表示パネルは、この片面に偏光板、他面に位相差板を介して偏光板を積層することにより作製される。
【0058】
このようにして製作された液晶表示パネルは、電極基板の層間密着力が充分強いため、製造プロセス中に電極基板が層間剥離をすることはなかった。
【0059】
比較例1
実施例1と同様のノルボルネン系ポリマーフィルムをベースシート(11)として用い、このベースシート(11)の両面に200Å厚の酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)を、実施例1と同様の条件で成膜した。
【0060】
さらにこの酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)からなる積層体の両面にコロナ放電処理を施さず、実施例1と同様にして15μm厚の硬化性樹脂硬化物層(13)を積層した。
【0061】
このようにして得られた電極基板(1)は、硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)の層構成を有し、全体のレターデーション値は3nm、可視光線透過率は83%、厚さは218μmであった。
【0062】
以上のようにして作製した電極基板(1)の層間密着力を実施例1と同様の手法で測定したところ、100g/inchの剥離強度を示し、剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)であった。
【0063】
この電極基板の酸素透過度は0.25cc/m・atm・dayであり、水蒸気透過度は0.5cc/m・dayであり、液晶表示パネルに使用するのには十分であった。
【0064】
上記のようにして作製した電極基板上に実施例1と同様の透明電極(2)を成膜したのち、実施例1と同様に液晶表示パネルを作製したが、電極基板(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス中に電極基板が層間剥離することがあった。
【0065】
実施例2
図2は本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【0066】
高分子製ベースシート(11)としてポリアリレートフィルムを用いた。厚さは75μm、レターデーション値は5nm、可視光線透過率90%である。
【0067】
このベースシート(11)の片面に、シリコンアルミニウム複合酸化物薄膜層(12)を電子ビーム蒸着法で成膜した。この時、蒸着材料として、3〜5mmの大きさの粒子状のAl(純度99.5%)とSiO(純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、AlとSiOのそれぞれを50:10の時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッション電流は 2.5Aとした。また、酸素ガスを20sccm供給し、センターロール温度はー15℃、フィルム送り速度は20m/min.とした。以上のようにして製膜したシリコンアルミニウム複合酸化物薄膜の膜厚は200Åであり、シリコンアルミニウム複合酸化物薄膜中の酸化アルミニウム含有率は50重量%であった。
【0068】
このポリアリレートフィルム/シリコンアルミニウム複合酸化物薄膜からなる積層体を二式用意した後、ポリアリレートフィルムが向かい合う形で接着剤を介してラミネートした。この時の接着剤とし、昭和高分子(株)製のSP−1507を100部にベンゾフェノン4部を加えたものを用い、硬化には高圧水銀灯により、80w/cm、1灯、10秒、距離100mmの条件で紫外線照射した。接着剤層(ad)の厚さは3μmとした。
【0069】
以上のようにして作成した、シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)、からなる積層体のシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)面上をコロナ放電処理した。放電電極としてはナイフエッジ型電極を用い、フィルムとのエアギャップは1mmとした。また高周波発振方式としてソリッドステート式を用い、5kWの高周波電力を投入し放電させた。シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)からなる積層体を10m/min.で走行させ、両面にコロナ放電処理を施した。
【0070】
わずかの間隔をあけて平行に配置した一対の製膜ロールの一方に上記の両面にコロナ放電処理を施した、シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)からなる積層体を供給しながら走行させ、もう一方の製膜ロールには平滑用鋳型剤(F)の一例として厚さ75μm、表面粗度Ra=0.003μm、Rmax=0.05 μmのコロナ放電処理していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4100 )の平滑面が上面となるように供給しながら走行させ、両製膜用ロールの間隔に向けて、アクリル変成した無水トリメリット酸とジシクロヘキシルメタンジアミンから成るポリアミドイミド樹脂100部に東亜合成(株)製のアロニックスM450を30部とベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を吐出した。
【0071】
吐出された紫外線硬化型樹脂組成物は、一方のシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)形成側の面と平滑化鋳型材の(F)の平滑面との間に挟持されたので、この状態で走行させながら、高圧水銀灯により、160w/cm、2灯、10秒、距離300mmの条件で紫外線照射した。これにより挟持層は硬化し、厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)となった。
【0072】
上記の操作を他面に対しても実施し、厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
【0073】
これにより、平滑化鋳型材(F)/硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型材(F)の層構成を有する積層体が得られた。平滑化鋳型材(F)を剥離除去した後の硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、触診式表面粗さ計による測定でRa=0.005μm以下、Rmax=0.07μm以下であった。
【0074】
上記で得た積層体の層間密着力を実施例1と同様の方法で測定した結果、600g/inchの剥離強度を示し、また剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)であった。この結果より、本発明の電極基板である硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)は最も弱い層間においても600g/inchの密着力を有してる。
【0075】
本発明のガスバリア性を評価するために酸素透過度測定装置(モダンコントロールズ社製、OX−TRAN100)を用いて測定した。測定条件は25℃、80%RHとした。測定結果は0.10cc/m・atm・dayであり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0076】
本発明の防湿性を評価するために水蒸気透過度測定装置(リッシー社製、L80−4000)を用いて測定した。測定温度は40℃、湿度差は0%RHと90%RHとした。測定結果は0.2g/m・atm・dayであり、極めて高い防湿性を示した。
【0077】
このようにして得られた電極基板(1)は、硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)の層構成を有し、全体のレターデーション値は10nm、可視光線透過率は86%、厚さは193μmであった。
【0078】
ついで片方の硬化性樹脂硬化物層(13)の上から、スパッタリング法により厚さ250Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成した。この透明電極(2)の表面抵抗は70Ω/□であり、以上のような手法で透明電極(2)付きの電極基板(1)を得た。
【0079】
液晶表示パネルは、上記の透明電極(2)付きの電極基板(1)の透明電極(2)面に必要に応じて配向膜を形成した後、図2のようにその透明電極(2)付きの電極基板(1)2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する状態で所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶(3)を封入することにより作製される。
【0080】
液晶表示パネルは、この片面に偏光板、他面に位相差板を介して偏光板を積層することにより作製される。
【0081】
このようにして製作された液晶表示パネルは、電極基板の層間密着力が充分強いため、製造プロセス中に電極基板が層間剥離をすることはなかった。
【0082】
比較例2
実施例2と同様のポリアリレートフィルムをベースシート(11)として用い、このベースシート(11)の片面に200Å厚のシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)を、実施例1と同様の条件で成膜した。
【0083】
さらにこのシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)からなる積層体を実施例2と同様にしてラミネートした後、コロナ放電処理を施さず、実施例2と同様にして20μm厚の硬化性樹脂硬化物層(13)を積層した。
【0084】
このようにして得られた電極基板(1)は、硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)の層構成を有し、全体のレターデーション値は10nm、可視光線透過率は86%、厚さは193μmであった。
【0085】
以上のようにして作製した電極基板(1)の層間密着力を実施例1と同様の手法で測定したところ、100g/inchの剥離強度を示し、剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)であった。
【0086】
この電極基板の酸素透過度は0.25cc/m・atm・dayであり、水蒸気透過度は0.5cc/m・dayであり、液晶表示パネルに使用するのには十分であった。
【0087】
上記のようにして作製した電極基板上に実施例1と同様の透明電極(2)を成膜したのち、実施例1と同様に液晶表示パネルを作製したが、電極基板(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス中に電極基板が層間剥離することがあった。
【0088】
【発明の効果】
本発明の電極基板は、プラスチックス基板であることの利点のほかに、コロナ放電処理を施した酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)上に硬化性樹脂硬化物層(13)を積層することにより、層間密着力が極めて強く、液晶表示パネル製造プロセス中に層間剥離することがない。また酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)をバリア層に用いているため、ガスバリア性、防湿性が極めて優れた電極基板である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【図2】本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【符号の説明】
(1) …電極基板
(11)…高分子製ベースシート
(12)…酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする薄膜層
(13)…硬化性樹脂硬化物層
(2) …透明電極
(ad) …接着剤層(ad)

Claims (6)

  1. 高分子製ベースシート(11)の少なくとも片面に酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)および硬化性樹脂硬化物層(13)を設けた積層体において、酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)上にコロナ放電処理を施した後に硬化性樹脂硬化物層(13)を積層することを特徴とする電極基板。
  2. 高分子製ベースシート(11)と酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)との層間密着力および酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)と硬化性樹脂硬化物層(13)との層間密着力が200g/inch 以上であることを特徴とする請求項1記載の電極基板。
  3. 酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)の厚さが30〜8000Åであることを特徴とする請求項1または2に記載の電極基板。
  4. 酸素透過度が3cc/m・atm・day以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電極基板。
  5. 水蒸気透過度が5g/m・atm・day以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電極基板。
  6. 電極基板(1)の表面に透明電極(2)を形成し、液晶表示パネル用電極基板に用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電極基板。
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