JPH09318933A - 電極基板 - Google Patents

電極基板

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JPH09318933A
JPH09318933A JP13349996A JP13349996A JPH09318933A JP H09318933 A JPH09318933 A JP H09318933A JP 13349996 A JP13349996 A JP 13349996A JP 13349996 A JP13349996 A JP 13349996A JP H09318933 A JPH09318933 A JP H09318933A
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寿幸 大谷
Yozo Yamada
陽三 山田
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】層間密着力が強く、さらに優れたガスバリア
性、防湿性を有する電極基板を提供する。 【解決手段】高分子製ベースシート(11)の少なくと
も片面に酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複
合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)を積層
し、無機バリア層(12)の表面にコロナ放電処理を施
した後に硬化性樹脂硬化物層(13)を積層することを
特徴とする電極基板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その表面に透明電極を
形成させるための電極基板、殊に、液晶セル製造のため
の電極基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在の液晶表示パネル用の基板にはガラ
ス基板が使用されており、携帯型情報端末機やパームト
ップコンピューター等の表示部としての使用には適して
いる。しかし、ガラス基板は、重い、破損しやすい、薄
型にできない、曲がらない等の欠点を有しているので、
軽量化、薄型化、ペン入力時に破損しにくいといった欠
点を有し要求特性をすべて満足するのは難しい。そこで
最近では、ガラス基板に代わり、プラスチックフィルム
基板を用いた液晶表示パネルが実用化されつつある。
【0003】液晶表示パネル用基板としてプラスチック
フィルム基板を用いる場合には以下の特性が要求され
る。 1.可視光領域において透明であること。 2.表面が平滑であり、かつ硬いこと。 3.光等方性を有すること。 4.液晶表示パネルの製造工程に耐え得る100℃以上
の耐熱性を有すること。 5.液晶表示パネルの製造工程に使用する薬品に耐える
こと。 6.液晶表示パネルの製造工程中にかかるストレスに対
して、層間剥離しないこと。 7.ガスバリア性が十分であること。 8.優れた防湿性を有すること。 9.耐液晶性を有すること。
【0004】このような要求特性を満足するために、プ
ラスチックフィルムの少なくとも片面にアンカーコート
層を形成し、この上にエチレン−ビニルアルコール共重
合体もしくはポリビニルアルコールからなる層を形成
し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した電極基板、
(特開昭61−86252号公報)、プラスチックフィ
ルムの少なくとも片面に塩化ビニリデン樹脂からなる層
を形成し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した電極基
板(特開昭60−134215号公報)、プラスチック
フィルムの少なくとも片面に蒸着法によるSiOx(ただし
1<x<2)薄膜層と硬化性樹脂硬化物層とが積層した
電極基板(特開平6−175143)等が知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開昭61−86252号公報や特開昭60−1342
15号公報に記載の電極基板は、高分子フィルム上にエ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコ
ールや硬化性樹脂硬化物をコーティングしたものは、ガ
スバリア性および防湿性が十分満足できるものではな
い。このような積層体を用いた液晶表示パネルは、液晶
が劣化して駆動電力が増加したり、長時間使用後に液晶
表示部に黒色の泡が発生してしまい使用不可能となる。
【0006】特開平6−175143号公報に記載のSi
Ox(ただし1<x<2)薄膜のような無機バリア層はガ
スバリア性および防湿性の環境安定性が優れている。し
かしながらSiOx(ただし1<x<2)薄膜を用いたもの
は、その着色のために液晶表示パネルには不適である。
さらにSiOx(ただし1<x<2)薄膜のような無機バリ
ア層上に硬化性樹脂硬化物層をコーティングしても層間
の密着力が充分ではなく、この電極基板は層間剥離を生
じてしまうことがあり、やはりプラスチックフィルムを
用いた液晶表示パネル製造の歩留まりを低いものにして
いた。
【0007】一方、ポリエチレンテルフタレートやポリ
プロピレンなどの高分子フィルム上にコロナ放電処理を
施すことにより、インクとのなじみが改善され印刷特性
が向上したり、接着剤との結合が強固になりラミネート
強度が向上することはよく知られている。
【0008】本発明は、このような背景下に於いて、層
間密着力およびガスバリア性、防湿性を顕著に改善した
透明電極形成用の電極基板(殊に液晶セル製造のための
電極基板)を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電極基板は、高
分子製ベースシート(11)の少なくとも片面に酸化シ
リコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成
分とする無機バリア層(12)および硬化性樹脂硬化物
層(13)を設けた積層体において、酸化シリコンもし
くはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無
機バリア層(12)上にコロナ放電処理を施した後に硬
化性樹脂硬化物層(13)を積層することを特徴とする
ものである。また好適な実施態様は、酸化シリコンもし
くはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無
機バリア層(12)の厚さが、30〜8000Åである
ことである。層間密着力は200g/inch以上、酸
素透過度が3cc/m2 ・atm・day以下、水蒸気
透過度が5g/m2 ・atm・day以下である。また
本発明は、電極基板(1)の表面に透明電極(2)を形
成し、液晶表示パネル用電極基板に用いることを特徴と
する電極基板に関するものである。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】高分子製ベースシート(11)としては、
必要な機械的強度を有する高分子シート、たとえば、硬
質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリー4−メチルペンテン
フィルム、ポリフェニレンオキサイドフィルム、ポリエ
ーテルスルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、アモルファスポリ
オレフィン、ノルボルネン系ポリマー、ポリビニルアル
コールフィルム、エチレンービニルアルコール共重合体
フィルム、セルロースフィルム(セルローストリアセテ
ート、セルロースジアセテート、セルロースアセテート
プチレート等)、ポリアミドイミドフィルムなどが用い
られる。この高分子製ベースシート(11)は、単層の
みならず、複層であってもよい。
【0012】この高分子製ベースシート(11)はレタ
デーション値が30nm以下、殊に20nm以下である
か、5000nm以上、殊に7000nm以上であるこ
とが好ましい。30nmを越え5000nm未満の場合
は、液晶表示パネルに用いた際、表示品位が良好でな
い。また可視光線透過率が75%以上のものが用いられ
る。75%未満の場合は、液晶表示パネルに用いた際、
表示輝度が十分でない。このようなこの高分子製ベース
シート(11)は、流延法により製膜することにより得
られるが、レタデーション値および可視光線透過率が上
記の条件を満足していれば、押出法など他の成形法を採
用することもできる。高分子製ベースシート(11)の
厚さは、30〜500μmが適当である。30μmより
も薄い場合には機械的強度が充分ではなく、500μm
を越える厚さの場合は薄いというプラスチックフィルム
の利点がなくなる。
【0013】本発明の電極基板が有する酸化シリコンも
しくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする
無機バリア層(12)はシートにガスバリア性、防湿性
を付与するための層である。
【0014】酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウ
ム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)中に
は、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高
々5重量%)の他の成分を含有してもよい。
【0015】酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウ
ム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)の厚
さは、ガスバリア性および可撓性の点から、好ましくは
30〜8000Å、より好ましくは70〜5000Åで
ある。この厚さが30Å未満の場合、本発明のフィルム
のガスバリア性、防湿性が不充分となり、逆に8000
Åを超える場合、可撓性が不充分となって好ましくな
い。また薄膜の結晶性は、その特性を損なわない限り、
光学的等方性の点で非晶質状態であることが好ましい。
【0016】酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウ
ム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)の製
造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法などの物理的蒸着法やプラズマCV
D法、熱CVD法、光CVD法などの化学的蒸着法が良
い。
【0017】真空蒸着法で製膜する際の材料加熱方式
は、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電子ビーム加熱
法、レーザービーム加熱法などが良く、製膜速度の点か
ら電子ビーム加熱法が好ましい。
【0018】電子ビーム蒸着法において酸化シリコン薄
膜層(12)を製膜する際の蒸着材料としては、Si、
SiO、SiO2 やSiとSiO2 との混合物等が用い
られる。電子ビーム蒸着法でシリコンアルミニウム複合
酸化物薄膜層(12)を製膜する際の蒸着材料としては
Al2 3 とSiO2 やAlとSiO2 などが用いられ
る。
【0019】製膜時に基板にバイアスを加えたり、基板
を加熱あるいは冷却してもよい。また電子ビーム蒸着法
で製膜する際の圧力は3×10-4Torr以下であるこ
とが好ましく、さらに好ましくはこの圧力中の水蒸気分
圧が5×10-5Torr以下である。水蒸気分圧が5×
10-5Torrを越える時は、薄膜の比重が低く、ガス
バリア性、防湿性が充分ではなく、また下地との密着力
も不充分である。
【0020】スパッタリング法で酸化シリコンを主成分
とする無機バリア層(12)を成膜する場合は、ターゲ
ット材料としてはSi、SiO、SiO2 や、SiとS
iO 2 の混合体などが用いられるが、これらのものに限
定されない。スパッタリング法でリコンアルミニウム複
合酸化物薄膜層(12)を製膜する際のターゲット材料
としてはAl2 3 とSiO2 やAlとSiO2 などの
混合物が用いられる。
【0021】スパッタリング時のガス組成はアルゴン、
ヘリウム等の不活性ガスを主成分として、酸素、水素等
の反応性ガスを加えてもよい。スパッタリング時の圧力
は、5×10-4〜5×10-3Torrの範囲が好まし
い。5×10-4Torr未満の場合には放電が不安定に
なってしまい、5×10-3Torrを越える場合には、
無機バリア層(12)と下地のベースシート(11)と
の密着力が十分でなくなってしまい、さらに薄膜構造も
比重の低いものになってしまう。
【0022】ターゲット材がSiO、SiO2 や、Al
2 3 とSiO2 の混合物のように、絶縁材料もしくは
半絶縁材料の場合には、高周波電力を印加しプラズマを
発生させるのがが好ましい。ターゲット材がSiやAl
とSiとの合金の場合にはプラズマを発生させるために
直流、もしくは交流の電力を供給してもよい。
【0023】プラズマ CVD法で酸化シリコンを主成分と
する無機バリア層(12)を成膜する場合、原料ガスと
してSiH4、Si2H6 、SiH2Cl2 、SiHCl3等のシラン系ガ
ス、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキ
サンなどのシロキサン化合物を用いる。さらに反応性ガ
スとして、O2、H2O 、N2O 、CO、CO2 などを導入する。
またキャリアガスとして、Ar、He、Krなどの不活性がス
を導入する。
【0024】プラズマCVD を行う際の圧力は、5×10
-4〜3×10-1Torrの範囲が好ましい。5×10-4To
rr未満の場合には放電が不安定になってしまい、3×
10 -1Torrを越える場合には、酸化シリコンを主成
分とする無機バリア層(12)と下地のベースシート
(11)との密着力が十分でなくなってしまい、さらに
薄膜構造も比重の低いものになってしまう。
【0025】プラズマ CVD法で酸化シリコンを主成分と
する無機バリア層(12)を成膜する際のプラズマ発生
方式としては、高周波放電、マイクロ波放電、電子サイ
クロトロン共鳴放電のいずれかが好ましい。
【0026】コロナ放電処理は、大気中で電極に高周波
電力を印加し放電を発生させ、酸化シリコンもしくはシ
リコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリ
ア層(12)上を処理する。高周波発振方式は真空官
式、スパークギャップ式、ソリッドステート式がある
が、効率、安定性の点からソリッドステート式が良い。
【0027】コロナ放電のエアギャップは0.3〜5m
mの範囲が良い。0.3mm未満ではギャップが狭すぎ
局所的に放電が集中してしまう。5mmを越える際には
ギャップが広すぎ放電が安定しない。高周波出力は0.
3〜5kWの範囲が良い。電極形状はナイフエッジ型、
プレート型、ロール型のいずれかが好ましい。
【0028】通常、コロナ放電処理で高分子表面が活性
化するのは、放電により発生した酸素ラジカルによる高
分子鎖の切断で水酸基が生成されるからである。またこ
のメカニズムのため、ガラスなどの無機物はコロナ放電
処理では表面は改質されないというのが一般論である。
【0029】しかしながら、本発明における酸化シリコ
ンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分と
する無機薄膜は、溶融急冷法で作成したバルクのシリカ
ガラスやアルミノシリケートガラスにくらべ、ダングリ
ングボンドに起因する構造欠損が圧倒的に多い。このダ
ングリングボンドとコロナ放電により発生した酸素ラジ
カルとが反応を起こすことにより、無機薄膜の最表面が
より活性に改質されると考えられる。
【0030】本発明の電極基板が有する硬化性樹脂硬化
物層(13)はシートに耐熱性、耐薬品性、耐液晶性、
表面硬度を付与するための層である。
【0031】硬化性樹脂硬化物層(13)としては、加
熱硬化型樹脂硬化物質層(フェノキシエーテル型架橋性
樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリ
コーン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、
ゴム系樹脂等)、紫外線硬化型樹脂硬化物層(紫外線硬
化型アクリル系樹脂、ホスファゼン系樹脂等)、電子線
硬化型樹脂硬化物層などがあげられる。厚さは 0.5〜5
0μmの範囲が好ましい。厚さが 0.5μm未満の場合は
保護層としての機能が不十分であり、50μmよりも厚
い場合は、電極基板全体の厚みが厚くなり過ぎ、プラス
チック基板の特徴である薄さが無くなってしまう。この
硬化性樹脂硬化物層(13)も光等方性を有することが
必要である。
【0032】本発明の電極基板(1)全体のレターデー
ション値は30nm以下、もしくは5000nm以上、
可視光線透過率は70%以上となるように留意する。
【0033】硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させる
場合には、形成した硬化性樹脂硬化物層(13)の表面
粗度をRmaxで 0.5μm以下、Raで0.01μm以下、好まし
くはRmaxで 0.2μm以下、Raで 0.007μm以下、さらに
好ましくはRmaxで 0.1μm以下、Raで 0.005μm以下と
なるようにすることが望ましい。
【0034】硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度を
このように小さくする方法としては、例えば、以下に述
べる方法が採用される。
【0035】まず、無機バリア層(12)面上にコロナ
放電処理を施したベースシート(11)/無機バリア層
(12)からなる積層体と平滑化鋳型材(F)との間隙
に加熱硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物また
は電子線硬化型樹脂組成物を供給して該樹脂組成物が両
者間に層状に挟持されるようにする。この場合、ベース
シート(11)/無機バリア層(12)が一つの製膜用
ロールに、平滑化鋳型材(F)がもう一つの製膜用ロー
ルにそれぞれ供給されるようにしておき、両製膜ロール
間の間隙は所定の値に調整しておく。ついで、加熱、紫
外線照射または電子線照射により上記の挟持層を硬化さ
せて硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型材(F)
よりなる積層体が得られるので、その後の適宜の段階で
その積層体から平滑化鋳型材(F)を剥離除去する。
【0036】上記における平滑化鋳型材(F)として
は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート、二軸
延伸ポリエチレンナフタレートシート等の二軸延伸ポリ
エステルフィルムや、二軸延伸ポリプロピレフィルム等
が用いられる。平滑化鋳型材(F)としては、その表面
粗度がRmaxで 0.5μm以下、Raで0.01μm以下、好まし
くはRmaxで 0.2μm以下、Raで 0.007μm以下、さらに
好ましくはRmaxで 0.1μm以下、Raで 0.005μm以下で
あることが望ましい。
【0037】以上のような手法で成膜した硬化性樹脂硬
化物層(13)とコロナ放電処理を施した酸化シリコン
もしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とす
る無機バリア層(12)とは200g/inch以上の
非常に強い層間密着力を有する。
【0038】本発明の電極基板(1)は単体で使用して
も良いが、公知の接着剤などを介して複層で使用しても
よい。
【0039】このようにして得られた本発明の電極基板
(1)の硬化性樹脂硬化物層(13)上には、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の手
段により透明電極を形成する。透明電極の厚さは100
〜3000Åの範囲が好ましい。透明電極の厚さは100Å
未満の場合は導電性が十分ではなく、3000Åを越える場
合は、透明性が損なわれる。透明電極としはインジウム
スズ複合酸化物、インジウム亜鉛複合酸化物、インジウ
ムカドミウム複合酸化物が好適であるが、ほかの導電性
金属酸化物を用いることもできる。
【0040】形成した透明電極の上からは、さらに必要
に応じた配向膜を形成させる。そしてこのようにて作製
した透明電極付きの電極基板2枚をそれぞれの透明電極
側が対向する状態で所定の間隔をあけて配付すると共
に、その間隙に液晶を封入すれば(周囲はシールしてお
く)、液晶セルが作製される。液晶としてはポリマー液
晶を用いることもできる。
【0041】液晶表示パネルは、この液晶セル片面に偏
光板、他面に位相差板を介して偏光板を積層することに
より作製する。位相差板を省略したり、位相差板に代え
て補償用液晶セルを用いることもある。なお上記の電極
基板は、偏光板または位相差板と一体とした一体型基板
とすることもできる。
【0042】実施例 次に実施例をあげて本説明をさらに説明する。以下
「部」とあるのは重量部である。
【0043】実施例1 図1は本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図
であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【0044】高分子製ベースシート(11)としてノル
ボルネン系ポリマーフィルムを用いた。このフィルム
は、キシレンを溶媒とする20重量%濃度の溶液から流
延法により製膜されたものである。厚さは188μm、
レタデーション値は2nm、可視光線透過率は92%であ
る。
【0045】このノルボルネン系ポリマーフィルム上
に、酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)
をスパッタリング法で成膜した。この時、ターゲット材
としてSiO2を用い、13.56MHzの高周波電力を2kW供給
した。また、ガスとしては、アルゴンを60sccm、酸素を
5sccmを供給した。この時の圧力は3×10-3Torrであ
る。さらに成膜速度を向上させるために、スパッタリン
グ法としマグネトロンスパッタリング法を用いた。以上
のような成膜条件のもとノルボルネン系ポリマーフィル
ムを3m/min.の速度で走行させ、 200Å厚の酸化シリコ
ンを主成分とする無機バリア層(12)を形成した。ノ
ルボルネン系ポリマーフィルムの他の面にも同様の手法
で 200Å厚の酸化シリコンを主成分とする無機バリア層
(12)を形成した。
【0046】さらに酸化シリコンを主成分とする無機バ
リア層(12)上にコロナ放電処理を施すために、大気
中に取りだした。放電電極としてはプレート型電極を用
い、フィルムとのエアギャップは1mmとした。また高
周波発振方式としてソリッドステート式を用い、2kW
の高周波電力を投入し放電させた。酸化シリコンを主成
分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)
/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)か
らなる積層体を5m/min.で走行させ、両面にコロ
ナ放電処理を施した。
【0047】わずかの間隔をあけて平行に配置した一対
の製膜ロールの一方に上記の酸化シリコンを主成分とす
る無機バリア層(12)/ベースシート(11)/酸化
シリコンを主成分とする無機バリア層(12)からなる
積層体を供給しながら走行させ、もう一方の製膜ロール
には平滑用鋳型材(F)の一例として厚さ50μm、表
面粗度Ra=0.004μm、 Rmax=0.05μmのコロナ放電処理
していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(東洋紡績(株)製:A4100)の平滑面が上面となるよ
うに供給しながら走行させ、両製膜用ロールの間隔に向
けて、アクリル変成した無水トリメリット酸とジシクロ
ヘキシルメタンジアミンから成るポリアミドイミド樹脂
100部に東亜合成(株)製のアロニックスM315を
20部とベンゾフェノン2部を加えた紫外線硬化型樹脂
組成物を吐出した。
【0048】吐出された紫外線硬化型樹脂組成物は、ノ
ルボルネン系ポリマーフィルムの酸化シリコンを主成分
とする無機バリア層(12)形成側の面と平滑化鋳型材
の(F)の平滑面との間に挟持されたので、この状態で
走行させながら、高圧水銀灯により、200w/cm、1灯、
5秒、距離200mmの条件で紫外線照射した。これによ
り挟持層は硬化し、厚さ15μmの硬化性樹脂硬化物層
(13)となった。
【0049】上記の操作を他面に対しても実施し、厚さ
15μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
【0050】これにより、平滑化鋳型材(F)/硬化性
樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無
機バリア層(12)/高分子製ベースシート(11)/
酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/硬
化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型材(F)の層構
成を有する積層体が得られた。平滑化鋳型材(F)を剥
離除去した後の硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度
は、触診式表面粗さ計による測定でRa=0.005μm以下、
Rmax=0.1μm以下であった。
【0051】上記で得た積層体の層間密着力を測定する
ために以下のような手法を用いた。まず積層体の両面の
平滑化鋳型材(F)を剥離除去し、露出した硬化性樹脂
硬化物層(13)上に、ポリエステルポリウレタン系接
着剤(武田薬品(株)製:A-310) 100部にイソシアネー
ト系硬化剤(武田薬品(株)製:A-3 )10部を加えた熱
硬化型接着剤を厚さ3μm塗布した。この上にコロナ放
電処理を施した厚さ 100μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:E5100)をラ
ミネートし、45℃4日間の条件で硬化させた。このよう
にして作製した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム/熱硬化型接着剤層/硬化性樹脂硬化物層(1
3)/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(1
2)/高分子製ベースシート(11)/酸化シリコンを
主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物
層(13)からなる積層体において二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムとそれ以外の部分をつかみ、
JIS K 6854に準拠した90度T型剥離法にて剥離強度を測
定した。この結果、500g/inchの剥離強度を示
し、また剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化
シリコンを主成分とする無機バリア層(12)であっ
た。この結果より、本発明の電極基板である硬化性樹脂
硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分とする無機バ
リア層(12)/高分子製ベースシート(11)/酸化
シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/硬化性
樹脂硬化物層(13)は最も弱い層間においても500
g/inchの密着力を有してる。
【0052】本発明のガスバリア性を評価するために酸
素透過度測定装置(モダンコントロールズ社製、OX−
TRAN100)を用いて測定した。測定条件は25℃、
80%RHとした。測定結果は0.15cc/m2 ・atm・d
ayであり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0053】本発明の防湿性を評価するために水蒸気透
過度測定装置(リッシー社製、L80−4000)を用
いて測定した。測定温度は40℃、湿度差は0%RHと
90%RHとした。測定結果は0.3g/m2 ・atm
・dayであり、極めて高い防湿性を示した。
【0054】このようにして得られた電極基板(1)
は、硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成
分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)
/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/
硬化性樹脂硬化物層(13)の層構成を有し、全体のレ
ターデーション値は3nm、可視光線透過率は84%、厚
さは218μmであった。
【0055】ついで片方の硬化性樹脂硬化物層(13)
の上から、スパッタリング法により厚さ200Åのイン
ジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成し
た。この透明電極(2)の表面抵抗は 100Ω/□であ
り、以上のような手法で透明電極(2)付きの電極基板
(1)を得た。
【0056】液晶表示パネルは、上記の透明電極(2)
付きの電極基板(1)の透明電極(2)面に必要に応じ
て配向膜を形成した後、その透明電極(2)付きの電極
基板(1)2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する
状態で所定の間隔を明けて配置すると共に、その間隙に
液晶(3)を封入することにより作製される。
【0057】液晶表示パネルは、この片面に偏光板、他
面に位相差板を介して偏光板を積層することにより作製
される。
【0058】このようにして製作された液晶表示パネル
は、電極基板の層間密着力が充分強いため、製造プロセ
ス中に電極基板が層間剥離をすることはなかった。
【0059】比較例1 実施例1と同様のノルボルネン系ポリマーフィルムをベ
ースシート(11)として用い、このベースシート(1
1)の両面に200Å厚の酸化シリコンを主成分とする
無機バリア層(12)を、実施例1と同様の条件で成膜
した。
【0060】さらにこの酸化シリコンを主成分とする無
機バリア層(12)/ベースシート(11)/酸化シリ
コンを主成分とする無機バリア層(12)からなる積層
体の両面にコロナ放電処理を施さず、実施例1と同様に
して15μm厚の硬化性樹脂硬化物層(13)を積層し
た。
【0061】このようにして得られた電極基板(1)
は、硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成
分とする無機バリア層(12)/ベースシート(11)
/酸化シリコンを主成分とする無機バリア層(12)/
硬化性樹脂硬化物層(13)の層構成を有し、全体のレ
ターデーション値は3nm、可視光線透過率は83%、厚
さは218μmであった。
【0062】以上のようにして作製した電極基板(1)
の層間密着力を実施例1と同様の手法で測定したとこ
ろ、100g/inchの剥離強度を示し、剥離界面は
硬化性樹脂硬化物層(13)/酸化シリコンを主成分と
する無機バリア層(12)であった。
【0063】この電極基板の酸素透過度は0.25cc
/m2 ・atm・dayであり、水蒸気透過度は0.5
cc/m2 ・dayであり、液晶表示パネルに使用する
のには十分であった。
【0064】上記のようにして作製した電極基板上に実
施例1と同様の透明電極(2)を成膜したのち、実施例
1と同様に液晶表示パネルを作製したが、電極基板
(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス
中に電極基板が層間剥離することがあった。
【0065】実施例2 図2は本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図
であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【0066】高分子製ベースシート(11)としてポリ
アリレートフィルムを用いた。厚さは75μm、レター
デーション値は5nm、可視光線透過率90%である。
【0067】このベースシート(11)の片面に、シリ
コンアルミニウム複合酸化物薄膜層(12)を電子ビー
ム蒸着法で成膜した。この時、蒸着材料として、3〜5
mmの大きさの粒子状のAl2 3 (純度99.5%)
とSiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着
材料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板
で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、A
2 3 とSiO2 のそれぞれを50:10の時分割で
加熱した。その時の電子銃のエミッション電流は 2.5A
とした。また、酸素ガスを20sccm供給し、センター
ロール温度はー15℃、フィルム送り速度は20m/m
in.とした。以上のようにして製膜したシリコンアル
ミニウム複合酸化物薄膜の膜厚は200Åであり、シリ
コンアルミニウム複合酸化物薄膜中の酸化アルミニウム
含有率は50重量%であった。
【0068】このポリアリレートフィルム/シリコンア
ルミニウム複合酸化物薄膜からなる積層体を二式用意し
た後、ポリアリレートフィルムが向かい合う形で接着剤
を介してラミネートした。この時の接着剤とし、昭和高
分子(株)製のSP−1507を100部にベンゾフェ
ノン4部を加えたものを用い、硬化には高圧水銀灯によ
り、80w/cm、1灯、10秒、距離100mmの条件で紫外
線照射した。接着剤層(ad)の厚さは3μmとした。
【0069】以上のようにして作成した、シリコンアル
ミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(1
2)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/ベー
スシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を
主成分とする無機バリア層(12)、からなる積層体の
シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バ
リア層(12)面上をコロナ放電処理した。放電電極と
してはナイフエッジ型電極を用い、フィルムとのエアギ
ャップは1mmとした。また高周波発振方式としてソリ
ッドステート式を用い、5kWの高周波電力を投入し放
電させた。シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分と
する無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接
着剤層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアル
ミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(1
2)からなる積層体を10m/min.で走行させ、両
面にコロナ放電処理を施した。
【0070】わずかの間隔をあけて平行に配置した一対
の製膜ロールの一方に上記の両面にコロナ放電処理を施
した、シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする
無機バリア層(12)/ベースシート(11)/接着剤
層(ad)/ベースシート(11)/シリコンアルミニ
ウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)か
らなる積層体を供給しながら走行させ、もう一方の製膜
ロールには平滑用鋳型剤(F)の一例として厚さ75μ
m、表面粗度Ra=0.003μm、Rmax=0.05 μmのコロナ放
電処理していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルム(東洋紡績(株)製:A4100 )の平滑面が上面
となるように供給しながら走行させ、両製膜用ロールの
間隔に向けて、アクリル変成した無水トリメリット酸と
ジシクロヘキシルメタンジアミンから成るポリアミドイ
ミド樹脂100部に東亜合成(株)製のアロニックスM
450を30部とベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬
化型樹脂組成物を吐出した。
【0071】吐出された紫外線硬化型樹脂組成物は、一
方のシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無
機バリア層(12)形成側の面と平滑化鋳型材の(F)
の平滑面との間に挟持されたので、この状態で走行させ
ながら、高圧水銀灯により、160w/cm、2灯、10秒、距
離300mmの条件で紫外線照射した。これにより挟持層
は硬化し、厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)と
なった。
【0072】上記の操作を他面に対しても実施し、厚さ
20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
【0073】これにより、平滑化鋳型材(F)/硬化性
樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複合酸化
物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート
(11)/接着剤層(ad)/ベースシート(11)/
シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バ
リア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化
鋳型材(F)の層構成を有する積層体が得られた。平滑
化鋳型材(F)を剥離除去した後の硬化性樹脂硬化物層
(13)の表面粗度は、触診式表面粗さ計による測定で
Ra=0.005μm以下、Rmax=0.07μm以下であった。
【0074】上記で得た積層体の層間密着力を実施例1
と同様の方法で測定した結果、600g/inchの剥
離強度を示し、また剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(1
3)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分とする
無機バリア層(12)であった。この結果より、本発明
の電極基板である硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコ
ンアルミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層
(12)/ベースシート(11)/接着剤層(ad)/
ベースシート(11)/シリコンアルミニウム複合酸化
物を主成分とする無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬
化物層(13)は最も弱い層間においても600g/i
nchの密着力を有してる。
【0075】本発明のガスバリア性を評価するために酸
素透過度測定装置(モダンコントロールズ社製、OX−
TRAN100)を用いて測定した。測定条件は25℃、
80%RHとした。測定結果は0.10cc/m2 ・atm・d
ayであり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0076】本発明の防湿性を評価するために水蒸気透
過度測定装置(リッシー社製、L80−4000)を用
いて測定した。測定温度は40℃、湿度差は0%RHと
90%RHとした。測定結果は0.2g/m2 ・atm
・dayであり、極めて高い防湿性を示した。
【0077】このようにして得られた電極基板(1)
は、硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウ
ム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベ
ースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート
(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分と
する無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(1
3)の層構成を有し、全体のレターデーション値は10
nm、可視光線透過率は86%、厚さは193μmであっ
た。
【0078】ついで片方の硬化性樹脂硬化物層(13)
の上から、スパッタリング法により厚さ250Åのイン
ジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成し
た。この透明電極(2)の表面抵抗は70Ω/□であ
り、以上のような手法で透明電極(2)付きの電極基板
(1)を得た。
【0079】液晶表示パネルは、上記の透明電極(2)
付きの電極基板(1)の透明電極(2)面に必要に応じ
て配向膜を形成した後、図2のようにその透明電極
(2)付きの電極基板(1)2枚をそれぞれの透明電極
(2)が対向する状態で所定の間隔をあけて配置すると
共に、その間隙に液晶(3)を封入することにより作製
される。
【0080】液晶表示パネルは、この片面に偏光板、他
面に位相差板を介して偏光板を積層することにより作製
される。
【0081】このようにして製作された液晶表示パネル
は、電極基板の層間密着力が充分強いため、製造プロセ
ス中に電極基板が層間剥離をすることはなかった。
【0082】比較例2 実施例2と同様のポリアリレートフィルムをベースシー
ト(11)として用い、このベースシート(11)の片
面に200Å厚のシリコンアルミニウム複合酸化物を主
成分とする無機バリア層(12)を、実施例1と同様の
条件で成膜した。
【0083】さらにこのシリコンアルミニウム複合酸化
物を主成分とする無機バリア層(12)/ベースシート
(11)からなる積層体を実施例2と同様にしてラミネ
ートした後、コロナ放電処理を施さず、実施例2と同様
にして20μm厚の硬化性樹脂硬化物層(13)を積層
した。
【0084】このようにして得られた電極基板(1)
は、硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウ
ム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)/ベ
ースシート(11)/接着剤層(ad)/ベースシート
(11)/シリコンアルミニウム複合酸化物を主成分と
する無機バリア層(12)/硬化性樹脂硬化物層(1
3)の層構成を有し、全体のレターデーション値は10
nm、可視光線透過率は86%、厚さは193μmであっ
た。
【0085】以上のようにして作製した電極基板(1)
の層間密着力を実施例1と同様の手法で測定したとこ
ろ、100g/inchの剥離強度を示し、剥離界面は
硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンアルミニウム複
合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)であっ
た。
【0086】この電極基板の酸素透過度は0.25cc
/m2 ・atm・dayであり、水蒸気透過度は0.5
cc/m2 ・dayであり、液晶表示パネルに使用する
のには十分であった。
【0087】上記のようにして作製した電極基板上に実
施例1と同様の透明電極(2)を成膜したのち、実施例
1と同様に液晶表示パネルを作製したが、電極基板
(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス
中に電極基板が層間剥離することがあった。
【0088】
【発明の効果】本発明の電極基板は、プラスチックス基
板であることの利点のほかに、コロナ放電処理を施した
酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物
を主成分とする無機バリア層(12)上に硬化性樹脂硬
化物層(13)を積層することにより、層間密着力が極
めて強く、液晶表示パネル製造プロセス中に層間剥離す
ることがない。また酸化シリコンもしくはシリコンアル
ミニウム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(1
2)をバリア層に用いているため、ガスバリア性、防湿
性が極めて優れた電極基板である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面
図であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【図2】本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面
図であり、透明電極(2)を付した状態を示してある。
【符号の説明】
(1) …電極基板 (11)…高分子製ベースシート (12)…酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム
複合酸化物を主成分とする薄膜層 (13)…硬化性樹脂硬化物層 (2) …透明電極 (ad) …接着剤層(ad)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子製ベースシート(11)の少なくと
    も片面に酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複
    合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)および硬
    化性樹脂硬化物層(13)を設けた積層体において、酸
    化シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を
    主成分とする無機バリア層(12)上にコロナ放電処理
    を施した後に硬化性樹脂硬化物層(13)を積層するこ
    とを特徴とする電極基板。
  2. 【請求項2】高分子製ベースシート(11)と酸化シリ
    コンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主成分
    とする無機バリア層(12)との層間密着力および酸化
    シリコンもしくはシリコンアルミニウム複合酸化物を主
    成分とする無機バリア層(12)と硬化性樹脂硬化物層
    (13)との層間密着力が200g/inch 以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電極基板。
  3. 【請求項3】酸化シリコンもしくはシリコンアルミニウ
    ム複合酸化物を主成分とする無機バリア層(12)の厚
    さが30〜8000Åであることを特徴とする請求項1
    または2に記載の電極基板。
  4. 【請求項4】酸素透過度が3cc/m2 ・atm・da
    y以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の電極基板。
  5. 【請求項5】水蒸気透過度が5g/m2 ・atm・da
    y以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の電極基板。
  6. 【請求項6】電極基板(1)の表面に透明電極(2)を
    形成し、液晶表示パネル用電極基板に用いることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の電極基板。
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