JP4013085B2 - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、その表面に透明電極を形成させるための積層フィルムおよびその製造方法、特に液晶セルや液晶表示パネル製造のために用いられる積層フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の液晶表示パネル用の基板にはガラス基板が使用されており、携帯型情報端末機やパームトップコンピューター等の表示部としての使用には適している。しかし、ガラス基板は、重い、破損しやすい、薄型にできない、曲がらない等の欠点を有している。そのため、軽量化、薄型化、ペン入力時に破損しにくいことが要求される用途の液晶表示パネルには、ガラス基板を用いると不都合な点が多い。
そこで最近では、ガラス基板に代わり、プラスチックフィルム基板を用いた液晶表示パネルが実用化されつつある。
【0003】
液晶表示パネル用基板としてプラスチックフィルム基板を用いる場合には、以下の特性が要求される。
1.可視光領域において透明であること。
2.表面が平滑であり、かつ硬いこと。
3.光等方性を有すること。
4.液晶表示パネルの製造工程に耐え得る100℃以上の耐熱性を有すること。
5.液晶表示パネルの製造工程に使用する薬品に耐えること。
6.液晶表示パネルの製造工程中にかかるストレスに対して、層間剥離しないこと。
7.ガスバリア性が十分であること。
8.優れた防湿性を有すること。
9.耐液晶性を有すること。
【0004】
このような要求特性を満足するために、プラスチックフィルムの少なくとも片面にアンカーコート層を形成し、この上にエチレン−ビニルアルコール共重合体もしくはポリビニルアルコールからなる層を形成し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した積層フィルム(特開昭61−86252号公報);プラスチックフィルムの少なくとも片面に塩化ビニリデン樹脂からなる層を形成し、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層した積層フィルム(特開昭60−134215号公報);プラスチックフィルムの少なくとも片面に蒸着法によるSiOx (ただし、1<x<2)薄膜層と硬化性樹脂硬化物層とを積層した積層フィルム(特開平6−175143号公報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開昭61−86252号公報や特開昭60−134215号公報に記載の積層フィルムは、プラスチックフィルム上にエチレン−ビニルアルコール共重合体(接着性に関与する官能基が少ない)や硬化性樹脂硬化物等をコーティングしており、それぞれの層間の密着力は不十分である。そのため、液晶表示パネルの製造工程中にかかるストレスにより、これらの積層フィルムは層間剥離を生じてしまうことがあり、液晶表示パネル製造の歩留りを低いものにしていた。
【0006】
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体もしくはポリビニルアルコールからなる層を用いたものは、ガスバリア性および防湿性が十分満足できるものではない。このような積層シートを用いた液晶表示パネルは、液晶が劣化して駆動電力が増加したり、長時間使用後に液晶表示部に黒色の泡が発生してしまい使用不可能となる。
【0007】
特開昭60−134215号公報に記載のような塩化ビニリデン樹脂は、ガスバリア性、防湿性が不十分であるばかりでなく、紫外線により劣化し、黄色に着色するため、液晶表示パネルに用いるには適さない。
【0008】
特開平6−175143号公報に記載のようなSiOx (ただし、1<x<2)薄膜を用いたものは、その着色のために液晶表示パネルには不適である。さらに通常の蒸着法で作製したSiOx (ただし、1<x<2)薄膜は、下地であるプラスチックフィルムとの密着力が十分ではなく、この積層フィルムは層間剥離を生じてしまうことがあり、液晶表示パネル製造の歩留りを低いものにしていた。
【0009】
本発明は、このような背景下において、層間密着力およびガスバリア性が顕著に改善された積層フィルム、(特に透明電極形成用の積層フィルム、液晶セルや液晶表示パネル製造のための積層フィルム)およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を見出した。
即ち、本発明は、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を、(1)5×10 -5 Torr以下の水蒸気分圧中で電子ビーム蒸着法で製膜する工程、あるいは(2)イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜する工程を含むことを特徴とする、プラスチックフィルムの少なくとも片面に、下式(a)を満たすシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を有してなる積層フィルムの製造方法に関する。
2.1≦D−0.01W≦2.65 (a)
〔式中、Dはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比重を、Wはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中の酸化カルシウム含有率(重量%)を示す。〕
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ−4−メチルペンテンフィルム、ポリフェニレンオキサイドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、アモルファスポリオレフィン、ノルボルネン系ポリマーフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、セルロースフィルム(セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプチレート等)等が挙げられる。
好ましくはポリカーボネートフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、ノルボルネン系ポリマーフィルムである。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等の一軸延伸フィルム等も用いることができる。
さらに、当該プラスチックフィルムは単層でも、複層にしてもよい。
【0017】
当該プラスチックフィルムのリターデーション値は、好ましくは30nm以下または5000nm以上、より好ましくは0.2〜20nmまたは8000〜40000nmである。
リターデーション値が30nm以下であれば、液晶表示パネルに用いた際に、可視光線の干渉縞が生じることがなく、表示品位が良好である。また、5000nm以上であれば、可視光線領域において干渉縞の間隔が十分に広がるため、液晶表示パネル内に干渉縞が現れず、表示品位が良好である。
【0018】
リターデーション値とは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△N=Nx −Ny )〔Nx :最大屈折率を有する軸方向の屈折率、Ny :Nx 軸に対して垂直軸の屈折率〕と、フィルム厚さdとの積(△N×d)を意味する。
【0019】
当該リターデーション値は、エリプソメータ(AEP-100B、(株)島津製作所製)を用いて測定したものである。
なお、リターデーション値は、プラスチックフィルムを製膜する速度および温度等により調節することができる。延伸フィルムの場合には、延伸倍率によっても調節することができる。
【0020】
また、プラスチックフィルムの可視光線透過率は、液晶表示パネルの視認性の点から、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。
当該可視光線透過率は、JIS K 7105に準拠した積分球式光線透過率測定装置(NDH-1001DP、日本電色工業(株)製)を用いて測定したものである。なお、可視光線透過率は、プラスチックフィルム製膜時の熱処理温度を変化させること等により調節することができる。
【0021】
プラスチックフィルムは、機械的強度の点から、引張強度が200kgf/cm2 以上、引張伸度が5%以上であることが好ましい。
【0022】
プラスチックフィルムは、機械的強度が十分で、かつ薄いことが好ましい点から、その厚さは50〜500μmが好ましい。
当該厚さはミリトロン1254D (Mahr社製)を用いて測定したものである。
なお、厚さは、押出機からの吐出量やプラスチックフィルム製膜時のフィルム送り速度を変えること等により調節することができる。
【0023】
当該プラスチックフィルムは、一般的には流延法(コーティング法)で製膜することにより得られるが、押出法等、他の成形法を用いることもできる。
なお、リターデーション値、可視光線透過率等が上記範囲を満足するように製膜条件を設定することが好ましい。
【0024】
本発明において用いられるシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層は、下式(a)を満たすことが必要である。
2.1≦D−0.01W≦2.65 (a)
〔式中、Dはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比重を、Wはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中の酸化カルシウム含有率(重量%)を示す。〕
好ましくは2.15≦D−0.01W≦2.65である。
【0025】
D−0.01W<2.1であれば、ガスバリア性、層間密着力が不十分となる。また、後述するように、D−0.01W>2.65となることはない。
【0026】
ところで、通常の溶融急冷法により作成されたバルクのシリコンカルシウム複合酸化物ガラス(カルシア−シリカガラス;以下バルクのガラスともいう)は、理想的な三次元網目構造を有し、高い比重を有する。これは、溶融急冷法では、真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜作成法に比べて、はるかに遅い速度で複合酸化物が形成されるからである(しかし、溶融急冷法で作成された複合酸化物はバルクとなり、薄膜とはならない)。
このようなバルクのガラスは、その理想的な三次元網目構造のため、高いガスバリア性を有する。また、当該バルクのガラス表面には、シラノール基等の反応基が多数存在し、密着性にも影響を与える。そこで、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の物性をバルクのガラスの物性に近づけることが好ましい。
【0027】
なお、溶融急冷法により作成されたバルクのシリコンカルシウム複合酸化物ガラスにおいては、そのDおよびWの関係が、D−0.01W=2.65で表されることが、『ガラスハンドブック;1987年;作花、境野、高橋編;朝倉書店』に記載されている。また、シリコンカルシウム複合酸化物においては、当該複合酸化物がどのような方法で作成され、どのような状態である場合にも、D−0.01Wの最大値は2.65であることも記載されている。
【0028】
つまり、式(a)を満たすシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層は、本発明の積層フィルムにガスバリア性を付与し、各層間密着力(後述するように、プラスチックフィルムと薄膜層との密着力、薄膜層と硬化物層の密着力)を向上させることができる。また、防湿性、耐薬品性、耐熱性、耐液晶性等を付与することもできる。
【0029】
ここで、本発明でいう比重とは、ある温度で、ある体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質(4℃における水)の質量との比をいう。
【0030】
比重の測定は、通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量との比を求めればよいが、本発明における薄膜では体積の測定が困難である。
そこで、本発明においては、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比重(D)は、プラスチックフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の積層フィルムから、プラスチックフィルムのみを溶媒で溶解させることにより、薄膜のみからなる単独膜の状態とした後、JIS K 7112の浮沈法により測定したものである。つまり、試料を比重既知の溶液(四塩化炭素とヨウ化メチレンの混合液)の中に浸漬させ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する。
【0031】
なお、当該比重は、後述するように製膜条件等により調節することができる。例えば、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を電子ビーム蒸着法で製膜する場合、▲1▼水蒸気分圧を5×10-5Torr以下とするか、あるいは▲2▼イオンビームを照射しながら製膜すること等により調節することができる。
【0032】
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(これを100重量%とする)中の酸化カルシウムの含有率(W)は、好ましくは25〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%である。
この酸化カルシウムの含有率が25重量%未満の場合、本発明の積層フィルムのガスバリア性が十分でなくなり易い傾向があり、90重量%を越える場合、可撓性が不十分となり易い傾向がある。
【0033】
当該酸化カルシウムの含有率とは、薄膜中のシリコン(Si)とカルシウム(Ca)の原子比をICP発光分析装置(ICPS-2000;(株)島津製作所製)で求め、シリコンとカルシウムとが完全酸化物(SiO2 、CaO)であると仮定して、完全酸化カルシウムの含有率を算出した値である。
なお、酸化カルシウムの含有率は、例えば電子ビーム蒸着法において製膜する際に、電子ビームの加熱時間比を変えること等により調節することができる。
【0034】
上記シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の製膜方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法(物理的蒸着法)、あるいはCVD法(化学的蒸着法)等が挙げられる。生産性の点からは真空蒸着法が好ましいが、下地であるプラスチックフィルムとの密着力向上のためには電子ビーム蒸着法が好ましい。
【0035】
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を製膜する際の蒸着材料としては、Ca、CaO、Si、SiO、SiO2 等が挙げられる。
【0036】
以下、電子ビーム蒸着法で製膜する場合について説明する。
電子ビーム蒸着法で製膜する際の蒸着材料としては、好ましくはCaOとSiO2 や、CaとSiO2 等が用いられる。
【0037】
電子ビーム蒸着法で製膜する際、その圧力は3×10-4Torr以下であることが好ましい。また、この圧力中の水蒸気分圧が5×10-5Torr以下であることが好ましく、より好ましくは4×10-5Torr以下である。
水蒸気分圧が5×10-5Torrを越える場合は、複合酸化物薄膜の比重が低く、ガスバリア性が十分ではなく、またプラスチックフィルムとの密着力も不十分となり易い傾向がある。また、圧力が3×10-4Torrを越える場合も、同様のことがいえる。
【0038】
なお、水蒸気分圧が上がると、蒸着粒子と水分子とが衝突し、薄膜中に水を含有するようになる。その結果、薄膜の三次元網目構造が不均一になり、比重が低下する。この構造不均一のために、ガスバリア性が良好でなくなる。また、蒸着粒子と水分子が衝突することにより、蒸着粒子のエネルギーが失われ、プラスチックフィルム表面との結合(密着力)が弱くなる。
【0039】
圧力は、電離真空計(MIG-821 、日電アネルバ(株)製)を用いて測定したものである。また、水蒸気分圧は、残留ガス分析計(AQA-100R、日電アネルバ(株)製)を用いて測定したものである。
なお、圧力、水蒸気分圧はそれぞれ、真空排気時間を変えたり、水蒸気を優先的に排気できるクライオパネルを用いること等により調節することができる。
【0040】
また、イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜することによっても、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比重を上げることができ、プラスチックフィルムとシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の密着力を向上させることができる。
【0041】
イオンビームのイオン種としては、アルゴン、ヘリウム、クリプトン等の希ガスや酸素等の反応性ガス等が好適に挙げられる。
【0042】
イオンビーム電流密度は0.02〜5.0mA/cm2 、イオンビームエネルギーは30〜3000Vの範囲が好ましい。
イオンビーム電流密度が0.02mA/cm2 未満ではイオンビーム照射の効果(蒸着粒子のエネルギーを高める効果)が発揮されにくい傾向があり、5.0mA/cm2 を越えると照射量が多すぎ、下地であるプラスチックフィルムが熱変形し易い傾向がある。
また、イオンビームエネルギーが30V未満ではイオンビーム照射の効果が発揮されにくい傾向があり、3000Vを越えるとエネルギーが高すぎ、プラスチックフィルムが熱変形し易い傾向がある。
【0043】
以上のような条件で製膜する(電子ビーム蒸着法で製膜する場合、▲1▼水蒸気分圧を5×10-5Torr以下とするか、あるいは▲2▼イオンビームを照射しながら製膜する)と、蒸着粒子のエネルギーが非常に高く、プラスチックフィルムとシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の界面に混合層が形成される(プラスチックフィルムと薄膜層との間に物理的結合が生じる)と考えられる。
このために、プラスチックフィルムとシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の密着力は非常に強くなり、300g/inch以上の値を示す。
【0044】
また、プラスチックフィルムの温度を上げたり(加熱)下げたり(冷却)してもよい。
【0045】
シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは30〜8000Å、より好ましくは70〜5000Åである。
厚さが30Å未満の場合、本発明の積層フィルムのガスバリア性が不十分となり易い傾向があり、8000Åを越える場合、可撓性が不十分となり易い傾向がある。
【0046】
当該薄膜層の厚さは、薄膜中のシリコンとカルシウムの原子比をICP発光分析装置(ICPS-2000;(株)島津製作所製)で求め、シリコンとカルシウムとが完全酸化物(SiO2 、CaO)であると仮定し、これら(SiO2 とCaO)のバルク比重を用いて算出したものである。
なお、厚さは、例えば電子ビーム蒸着法において製膜する際に、電子ビームの投入電力を変えたり、プラスチックフィルムの送り速度を変えること等により調節することができる。
【0047】
上記シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中には、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して5重量%くらいまで)の他の成分を含有してもよい。
また、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜の結晶性は、その特性を損なわない限り、光学的等方性の点から、非晶質状態であることが好ましい。
【0048】
本発明の積層フィルムにおいては、上記シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層上に、さらに硬化性樹脂硬化物層を積層させることができる。
硬化性樹脂硬化物層を設けることにより、本発明の積層フィルムを液晶パネルに用いた場合、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層は液晶によりさらに劣化されにくくなる。
【0049】
硬化性樹脂硬化物層としては、例えば、加熱硬化型樹脂(フェノキシエーテル型架橋性樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂等)、紫外線硬化型樹脂(紫外線硬化型アクリル系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ホスファゼン系樹脂等)、電子線硬化型樹脂等からなる硬化物層が挙げられる。
【0050】
硬化性樹脂硬化物層は、後述のようなウエットプロセスでの製膜が容易で、かつ薄いことが好ましい点から、その厚さは0.5〜50μmが好ましい。
当該硬化物層の厚さは、ミリトロン1254D (Mahr社製)を用いて測定したものである。
なお、厚さは、ダイからの硬化性樹脂組成物の吐出量やフィルム送り速度を変えること等により調節することができる。
【0051】
この硬化性樹脂硬化物層も光等方性を有することが好ましい。
【0052】
硬化性樹脂硬化物層を形成させる場合には、形成した硬化性樹脂硬化物層の表面粗度(シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層と接していない表面における表面粗度)を、好ましくはRmax で0.5μm以下、Ra で0.01μm以下、より好ましくはRmax で0.2μm以下、Ra で0.007μm以下、さらに好ましくはRmax で0.1μm以下、Ra で0.005μm以下となるようにすることが望ましい。
表面粗度を上記範囲内にすれば、本発明の積層フィルムを液晶表示パネルに用いた場合、表示品質が良好である。
【0053】
なお、本発明の積層フィルムにおける最外層が上記表面粗度を満たすことが好ましく、硬化物層を形成させない場合は、薄膜層が当該値を満たすことが好ましい。
【0054】
Rmax とはJIS B 0601記載の最大高さを、Ra とはJIS B 0601記載の中心線平均粗さを示す。
表面粗度は、JIS B 0651に準じた触針式表面粗度測定器(サーフコム304B、(株)東京精密社製)を用いて測定したものである。
【0055】
硬化性樹脂硬化物層の表面粗度をこのように小さくする方法としては、例えば、以下に述べる第1または第2の方法が挙げられる。
【0056】
第1の方法としては、まず、プラスチックフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層と、平滑化鋳型材(F)を用い、両者の間隙に、加熱硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物または電子線硬化型樹脂組成物をダイにより供給して、該樹脂組成物が両者間に層状に挟持されるようにする。この場合、プラスチックフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層が一つの製膜用ロールに、平滑化鋳型材(F)がもう一つの製膜用ロールにそれぞれ供給されるようにしておき、両製膜ロール間の間隙は所定の値に調整しておく。次いで、加熱、紫外線照射または電子線照射により上記の挟持層(硬化型樹脂組成物層)を硬化させて、プラスチックフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層/硬化性樹脂硬化物層/平滑化鋳型材(F)よりなる積層フィルムを得る。
さらに、その後の適当な段階で、その積層フィルムから平滑化鋳型材(F)を剥離除去する。
【0057】
上記における平滑化鋳型材(F)は、硬化物層の表面粗度を小さくするために用いられ、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム等の二軸延伸ポリエステルフィルムや、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が用いられる。
【0058】
平滑化鋳型材(F)は、その表面粗度が好ましくはRmax で0.15μm以下、Ra で0.008μm以下、より好ましくはRmax で0.05μm以下、Ra で0.005μm以下、さらに好ましくはRmax で0.01μm以下、Ra で0.002μm以下であるものを用いる。
なお、当該表面粗度も上記と同様にして測定したものである。
【0059】
第2の方法は、プラスチックフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層、または平滑化鋳型材(F)の一方に、加熱硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物または電子線硬化型樹脂組成物を流延(コーティング)しておき、該流延層上に平滑化鋳型材(F)、またはプラスチックフィルム/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を被覆させながら、ロールの間隙により挟持層(硬化型樹脂組成物層)の厚さを制御しつつ、加熱、紫外線照射または電子線照射によりその挟持層を硬化させて、硬化性樹脂硬化物層となす方法である。
さらに、その後の適当な段階で、その積層フィルムから平滑化鋳型材(F)を剥離除去する。
【0060】
ところで、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層が式(a)を満たせば、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層と硬化性樹脂硬化物層との密着力は300g/inch以上となり、十分強い。特にD−0.01W=2.65の場合には、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比重は、バルクのガラスと同じ比重であり、このとき薄膜層と硬化物層の層間密着力は1000g/inch以上の非常に強いものとなる。
【0061】
薄膜層が式(a)を満たせば、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の表面に、通常の溶融急冷法で作成したバルクのガラスと同様に、シラノール基等の反応基が多数存在し、この表面反応基と硬化性樹脂硬化物とが強固に化学結合するために、硬化性樹脂硬化物層とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層との密着力は極めて強くなる。
【0062】
しかしながら、複合酸化物薄膜中の酸化カルシウムの含有率が同じ薄膜においても、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜の比重が低下するに伴い、表面反応基数が低下する。
薄膜の比重が低下する物理的意味合いは、単位体積中に存在するシリコン、カルシウムおよび酸素の原子数が少なくなることであり、薄膜表面においてもシリコン、カルシウムおよび酸素の原子数が少なくなる。このため、シリコン、カルシウムおよび酸素による三次元網目構造を終端している反応基(Si−O−H、Ca−O−H)の数が表面に少なくなる。
つまり、複合酸化物薄膜中の酸化カルシウムの含有率が同じでも、比重が低くなるのに伴い、薄膜層と硬化性樹脂硬化物層との密着力は低下する。
【0063】
上記のようにして得られた本発明の積層フィルム全体において、そのリターデーション値は好ましくは30nm以下または5000nm以上、より好ましくは20nm以下または8000nm以上であり、可視光線透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上である。
なお、積層フィルム全体を用い、前記と同様にしてリターデーション値、可視光線透過率を測定することができる。
【0064】
積層フィルム全体のリターデーション値、可視光線透過率は、上記範囲内の値を有する各層(プラスチックフィルム、薄膜層、硬化物層)を用いること等により、上記範囲内に調節することができる。
【0065】
当該積層フィルムの酸素透過度は、好ましくは3cc/m2 ・atm ・day 以下、より好ましくは1cc/m2 ・atm ・day 以下である。
酸素透過度が3cc/m2 ・atm ・day を越えると、積層フィルムのガスバリア性が不十分となり易い傾向がある。
【0066】
当該酸素透過度は、酸素透過度測定装置(OX-TRAN100、モダンコントロールズ社製)を用い、25℃、80%RHで測定したものである。
なお、酸素透過度は、上式(a)を満たすようにすることにより調節することができる。
【0067】
当該積層フィルムの各層の層間密着力は、好ましくは300g/inch以上、より好ましくは500g/inch以上である。
いずれかの層間密着力が300g/inch未満であると、液晶表示パネルの製造工程中に層間剥離が生じ易くなる傾向がある。
【0068】
本発明の積層フィルムの各層の層間密着力のうち、最も密着力の弱い層間の密着力の測定方法を以下に示す。
まず、積層フィルムの最外層(シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層、または平滑化鋳型材を有しているものはこれを剥離除去した後の露出した硬化性樹脂硬化物層)上に、ポリエステルポリウレタン系接着剤(武田薬品(株)製:A−310)100部にイソシアネート系硬化剤(武田薬品(株)製:A−3)10部を加えた熱硬化型接着剤を、厚さ3μmに塗布する。この接着剤層上に、コロナ処理を施した厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:E5100)をラミネートし、45℃、4日間の条件で接着剤を硬化させる。このようにして作製した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/熱硬化型接着剤層/積層フィルムからなる積層体において、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、積層フィルムの部分をつかみ、JISK 6854に準拠した90度T型剥離法にて剥離強度を測定する。
上記測定方法によれば、最も密着力の弱い層間から剥離が起こる。
【0069】
なお、層間密着力は、上式(a)を満たすようにすることにより調節することができる。
【0070】
本発明の積層フィルムの構造としては、例えば、プラスチックフィルム(11)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12);
(11)/(12)/硬化性樹脂硬化物層(13);
(12)/(11)/(12);
(13)/(12)/(11)/(12)/(13);
(12)/(13)/(12)/(11)/(12)/(13)/(12)等が挙げられる。
好ましくは(13)/(12)/(11)/(12)/(13)である。
【0071】
このようにして得られた本発明の積層フィルムを用い、その最外層(シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層または硬化性樹脂硬化物層)上に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の手段により透明電極を形成して、電極基板を得ることができる。
【0072】
透明電極としては、例えば、インジウムスズ複合酸化物、インジウム亜鉛複合酸化物、インジウムカドミウム複合酸化物等が好適に挙げられるが、他の導電性金属酸化物を用いることもできる。
【0073】
透明電極の厚さは、好ましくは100〜3000Åである。厚さが100Å未満の場合は導電性が十分ではなくなり易い傾向があり、3000Åを越える場合は透明性が損なわれ易い傾向がある。
【0074】
液晶分子の配向のために、必要に応じて、形成した透明電極の上に配向膜を形成させることができる。
配向膜としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。
【0075】
さらに、このようにして作製した電極基板2枚を、それぞれの透明電極側が対向する状態で所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶を封入し、その周囲をシール材でシールすると、液晶セルが得られる。
シール材としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0076】
液晶表示パネルは、上記液晶セルの片面に偏光板を、他面に位相差板を介して偏光板を積層することにより作製する。なお、位相差板を省略したり、位相差板に代えて補償用液晶セルを用いることもできる。
また、上記電極基板は、偏光板または位相差板と一体化させた一体型基板とすることもできる。
【0077】
図1は、本発明の積層フィルムの一例を模式的に示した断面図である。図2は、積層フィルムに透明電極を付した電極基板の一例を模式的に示した断面図である。図3は、電極基板を用いて作製した液晶セルの一例を模式的に示した断面図である。図4は、液晶セルを用いて作製した液晶表示パネルの一例を模式的に示した断面図である。
【0078】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、「部」とあるのは重量部のことを示す。
【0079】
実施例1(1−1〜1−3)
プラスチックフィルム(11)としてポリアリレートフィルムを用いた。このプラスチックフィルムは、塩化メチレンを溶媒とする20重量%濃度のポリアリレート溶液から流延法により製膜した。厚さは75μm、リターデーション値は5nm、可視光線透過率は91%であった。
【0080】
このプラスチックフィルム(11)上に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を電子ビーム蒸着法で製膜した。この時、蒸着材料として、3〜5mmの大きさの粒子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッション電流は2.5Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含有率を変化させるために、加熱時間比を表1のように変えた。また、酸素ガスを20sccm供給し、センターロール温度は−15℃、フィルム送り速度は120m/分とした。さらに、真空排気装置として油拡散ポンプとクライオパネルを用いた。これにより、蒸着時の圧力は2.5×10-4Torr、水蒸気分圧は3×10-5Torrであった。以上のような製膜条件で、膜厚200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を製膜した。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表1に示した。
【0081】
わずかの間隔をあけて平行に配置した一対の製膜ロールの一方に、上記で得られた積層フィルム(プラスチックフィルム(11)上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を積層したフィルム)を供給しながら走行させ、もう一方の製膜ロールには平滑用鋳型剤(F)として、厚さ50μm、表面粗度Ra =0.004μm、Rmax =0.05μmのコロナ処理していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4100)をその平滑面が上面となるように供給しながら走行させた。この両製膜用ロールの間隙に向けて、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を、ダイから吐出した。
吐出された紫外線硬化型樹脂組成物は、プラスチックフィルム(11)のシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)形成側の面と、平滑化鋳型材(F)の平滑面との間に挟持されたので、この状態で走行させながら、高圧水銀灯、200w/cm、1灯、照射時間10秒、水銀灯と平滑化鋳型材(F)との距離200mmの条件で紫外線照射した。これにより挟持層は硬化し、厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)となった。
【0082】
プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様の操作を実施し、厚さ200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
これにより、平滑化鋳型材(F)/硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)/プラスチックフィルム(11)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)/硬化性樹脂硬化物層(13)/平滑化鋳型材(F)の層構成を有する積層フィルムが得られた。
次いで、平滑化鋳型材(F)を剥離除去し、(13)/(12)/(11)/(12)/(13)の層構成を有する積層フィルム(1)を得た〔図1参照〕。
【0083】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は84%、厚さは115μmであった。
積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表1に示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結果より、本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密着力を有していた。
積層フィルム(1)のガスバリア性を評価するために、酸素透過度を測定した。結果は表1に示したとおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0084】
次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(13)の上に、スパッタリング法により、厚さ500Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成し、電極基板(5)〔透明電極(2)付きの積層フィルム(1)〕を得た〔図2参照〕。この透明電極(2)の表面抵抗率は100Ω/□であった。
【0085】
液晶セル(6)は、上記電極基板(5)の透明電極(2)面に、配向膜を形成した後、電極基板(5)2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する状態で所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶(3)を封入し、周囲をシール材(4)でシールすることにより作製した〔図3参照〕。
【0086】
液晶表示パネル(7)は、この片面に偏光板(8)、他面に位相差板(9)を介して偏光板(8)を積層することにより作製した〔図4参照〕。
このようにして製作された液晶表示パネルは、積層フィルム(1)の層間密着力が十分強いため、製造プロセス中に積層フィルム(1)が層間剥離をすることはなかった。
【0087】
比較例1(1−1〜1−3)
実施例1と同様のポリアリレートフィルムをプラスチックフィルム(11)として用い、この上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。その際、真空排気装置としてクライオパネルを用いず、油拡散ポンプのみを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。このとき、圧力は5×10-4Torr、水蒸気分圧は1.0×10-4Torrであった。また、薄膜の比重を測定し、その結果を表1に示した。
【0088】
このプラスチックフィルム(11)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の積層フィルムの薄膜層(12)上に、実施例1と同様にして硬化性樹脂硬化物層(13)を形成した。
また、プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様の手法で、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性樹脂硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を得た。
【0089】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は84%、厚さは115μmであった。
上記積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果を表1に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界面は、いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。
上記積層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表1に示すが、液晶表示パネルに使用するのには不十分であった。
【0090】
上記積層フィルム(1)上に実施例1と同様の透明電極(2)を形成した後、実施例1と同様にして液晶表示パネル(7)を作製した。
しかし、積層フィルム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあった。
【0091】
実施例2(2−1〜2−4)
プラスチックフィルム(11)としてポリアミドイミドフィルムを用いた。厚さは100μm、リターデーション値は5nm、可視光線透過率は90%であった。
【0092】
このプラスチックフィルム(11)の片面に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を、イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜した。この時、蒸着材料として、3〜5mmの大きさの粒子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッション電流は2.6Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含有率を変化させるために、加熱時間比を表2のように変えた。また、酸素ガスを5sccm供給し、センターロール温度は−15℃、フィルム送り速度は180m/分とした。真空排気装置として油拡散ポンプを用いた。この時の圧力は4.5×10-4Torr、水蒸気分圧は8×10-5Torrであった。なお、イオンビームのイオン種として、酸素イオンを用い、イオンビーム電流密度1.0mA/cm2 、イオンビームエネルギーを200Vとした。またプラスチックフィルム(11)へのイオンビームの入射角は45度とした。以上のような製膜条件のもとで、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を積層した。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表2に示した。
【0093】
フェノキシエーテル樹脂35部、メチルエチルケトン35部、セロソルブアセテート30部、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL)50部からなる組成の硬化性樹脂組成物を用意した。次いで、上記シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)付きのプラスチックフィルム(11)を走行させながら、その薄膜層(12)の上に、上記硬化性樹脂組成物をダイにより塗布し、100℃で3分間乾燥させた。その上に実施例1で用いたのと同じ平滑化鋳型材(F)を被覆し、ロール群間を通して圧着しながら150℃で5分間加熱した。これにより塗布層は硬化し、厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)となった。
【0094】
プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様にして、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と厚さ20μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
これにより、(F)/(13)/(12)/(11)/(12)/(13)/(F)の層構成を有する積層フィルムが得られた。
次いで、平滑化鋳型材(F)を実施例1と同様にして剥離除去し、積層フィルム(1)を得た。
【0095】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は82%、厚さは140μmであった。
積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表2に示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結果より、本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密着力を有していた。
積層フィルム(1)のガスバリア性を評価するために、酸素透過度を測定した。結果は表2に示したとおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0096】
次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(13)の上に、スパッタリング法により厚さ500Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成し、電極基板(5)を得た。この透明電極(2)の表面抵抗率は80Ω/□であった。
【0097】
電極基板(5)を用い、実施例1と同じ方法で液晶表示パネルを作製したが、いずれの積層フィルム(1)もプロセス中に層間剥離することはなかった。
【0098】
比較例2(2−1〜2−4)
実施例2と同様のポリアミドイミドフィルムをプラスチックフィルム(11)として用い、この上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。この時、イオンビームを用いなかった以外は実施例2と同様にして、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を積層した。真空排気装置として油拡散ポンプを用いた。この際、蒸着時の圧力は4.3×10-4Torr、水蒸気分圧は8×10-5Torrであった。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表2に示した。
【0099】
このプラスチックフィルム(11)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)からなる積層フィルムの薄膜層(12)上に、実施例2と同様の硬化性樹脂硬化物層(13)を形成した。
さらに、プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様の方法で、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性樹脂硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を得た。
【0100】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は5nm、可視光線透過率は82%、厚さは140μmであった。
上記積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果を表2に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界面は、いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。
この積層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表2に示すが、いずれも液晶表示パネルに使用するのには不十分であった。
【0101】
積層フィルム(1)上に、実施例1と同様の透明電極(2)を形成した後、実施例1と同様にして液晶表示パネル(7)を作製した。
しかし、積層フィルム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあった。
【0102】
実施例3(3−1〜3−3)
プラスチックフィルム(11)として一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。厚さは100μm、リターデーション値は10200nm、可視光線透過率は91%であった。
【0103】
このプラスチックフィルム(11)上に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を電子ビーム蒸着法で製膜した。この時、蒸着材料として、3〜5mmの大きさの粒子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッション電流は2.3Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含有率を変化させるために、加熱時間比を表3のように変えた。また、酸素ガスを15sccm供給し、センターロール温度は−10℃、フィルム送り速度は100m/分とした。さらに、真空排気装置として油拡散ポンプとクライオパネルを用いた。これにより、蒸着時の圧力は2.3×10-4Torr、水蒸気分圧は2.5×10-5Torrであった。以上のような製膜条件で、膜厚200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜(12)を製膜した。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表3に示した。
【0104】
わずかの間隔をあけて平行に配置した一対の製膜ロールの一方に、上記で得られた積層フィルム(プラスチックフィルム(11)上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を積層したフィルム)を供給しながら走行させ、もう一方の製膜ロールには平滑用鋳型剤(F)として、厚さ75μm、表面粗度Ra =0.005μm、Rmax =0.05μmのコロナ処理していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4100)をその平滑面が上面となるように供給しながら走行させた。この両製膜用ロールの間隙に向けて、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン1部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を、ダイから吐出した。
吐出された紫外線硬化型樹脂組成物は、プラスチックフィルム(11)のシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)形成側の面と、平滑化鋳型材(F)の平滑面との間に挟持されたので、この状態で走行させながら、高圧水銀灯、200w/cm、1灯、照射時間10秒、水銀灯と平滑化鋳型材(F)との距離200mmの条件で紫外線照射した。これにより挟持層は硬化し、厚さ25μmの硬化性樹脂硬化物層(13)となった。
【0105】
プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様の操作を実施し、厚さ200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と厚さ25μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
これにより、(F)/(13)/(12)/(11)/(12)/(13)/(F)の層構成を有する積層フィルムが得られた。
次いで、平滑化鋳型材(F)を剥離除去し、(13)/(12)/(11)/(12)/(13)の層構成を有する積層フィルム(1)を得た。
【0106】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は10200nm、可視光線透過率は82%、厚さは150μmであった。
積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表3に示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結果より、本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密着力を有していた。
積層フィルム(1)のガスバリア性を評価するために、酸素透過度を測定した。結果は表3に示したとおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0107】
次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(13)の上に、スパッタリング法により、厚さ200Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成し、電極基板(5)を得た。この透明電極(2)の表面抵抗率は80Ω/□であった。
【0108】
液晶セル(6)は、上記電極基板(5)の透明電極(2)面に、配向膜を形成した後、電極基板(5)2枚をそれぞれの透明電極(2)が対向する状態で所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶(3)を封入し、周囲をシール材(4)でシールすることにより作製した。
【0109】
液晶表示パネル(7)は、この片面に偏光板(8)、他面に位相差板(9)を介して偏光板(8)を積層することにより作製した。
このようにして製作された液晶表示パネルは、積層フィルム(1)の層間密着力が十分強いため、製造プロセス中に積層フィルム(1)が層間剥離をすることはなかった。
【0110】
比較例3(3−1〜3−3)
実施例3と同様の一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをプラスチックフィルム(11)として用い、この上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。その際、真空排気装置としてクライオパネルを用いず、油拡散ポンプのみを用いた以外は実施例3と同様にして、厚さ200Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。このとき、圧力は5.5×10-4Torr、水蒸気分圧は1.5×10-4Torrであった。また、薄膜の比重を測定し、その結果を表3に示した。
【0111】
このプラスチックフィルム(11)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の積層フィルムの薄膜層(12)上に、実施例3と同様にして硬化性樹脂硬化物層(13)を形成した。
また、プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様の手法で、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性樹脂硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を得た。
【0112】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.005μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は10200nm、可視光線透過率は82%、厚さは150μmであった。
上記積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果を表3に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界面は、いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。
上記積層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表3に示すが、液晶表示パネルに使用するのには不十分であった。
【0113】
上記積層フィルム(1)上に実施例3と同様の透明電極(2)を形成した後、実施例3と同様にして液晶表示パネル(7)を作製した。
しかし、積層フィルム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあった。
【0114】
実施例4(4−1〜4−4)
プラスチックフィルム(11)として一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。厚さは125μm、リターデーション値は11500nm、可視光線透過率は90%であった。
【0115】
このプラスチックフィルム(11)の片面に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を、イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜した。この時、蒸着材料として、3〜5mmの大きさの粒子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッション電流は2.6Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含有率を変化させるために、加熱時間比を表4のように変えた。また、酸素ガスを5sccm供給し、センターロール温度は−15℃、フィルム送り速度は180m/分とした。真空排気装置として油拡散ポンプを用いた。この時の圧力は5.3×10-4Torr、水蒸気分圧は9×10-5Torrであった。なお、イオンビームのイオン種として、酸素イオンを用い、イオンビーム電流密度1.0mA/cm2 、イオンビームエネルギーを200Vとした。またプラスチックフィルム(11)へのイオンビームの入射角は45度とした。以上のような製膜条件のもとで、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を積層した。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表4に示した。
【0116】
フェノキシエーテル樹脂45部、メチルエチルケトン45部、セロソルブアセテート10部、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL)50部からなる組成の硬化性樹脂組成物を用意した。次いで、上記シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)付きのプラスチックフィルム(11)を走行させながら、その薄膜層(12)の上に、上記硬化性樹脂組成物をダイにより塗布し、100℃で5分間乾燥させた。その上に実施例3で用いたのと同じ平滑化鋳型材(F)を被覆し、ロール群間を通して圧着しながら150℃で7分間加熱した。これにより塗布層は硬化し、厚さ25μmの硬化性樹脂硬化物層(13)となった。
【0117】
プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様にして、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と厚さ25μmの硬化性樹脂硬化物層(13)を形成させた。
これにより、(F)/(13)/(12)/(11)/(12)/(13)/(F)の層構成を有する積層フィルムが得られた。
次いで、平滑化鋳型材(F)を実施例3と同様にして剥離除去し、積層フィルム(1)を得た。
【0118】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は11500nm、可視光線透過率は81%、厚さは175μmであった。
積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表4に示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は硬化性樹脂硬化物層(13)とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結果より、本発明の積層フィルム(1)は十分強い層間密着力を有していた。
積層フィルム(1)のガスバリア性を評価するために、酸素透過度を測定した。結果は表4に示したとおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0119】
次いで、片方の硬化性樹脂硬化物層(13)の上に、スパッタリング法により厚さ250Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成し、電極基板(5)を得た。この透明電極(2)の表面抵抗率は150Ω/□であった。
【0120】
電極基板(5)を用い、実施例3と同じ方法で液晶表示パネル(7)を作製したが、いずれの積層フィルム(1)もプロセス中に層間剥離することはなかった。
【0121】
比較例4(4−1〜4−4)
実施例4と同様の一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをプラスチックフィルム(11)として用い、この上にシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成した。この時、イオンビームを用いなかった以外は実施例4と同様にして、厚さ300Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を積層した。真空排気装置として油拡散ポンプを用いた。この際、蒸着時の圧力は5.1×10-4Torr、水蒸気分圧は9×10-5Torrであった。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表4に示した。
【0122】
このプラスチックフィルム(11)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)からなる積層フィルムの薄膜層(12)上に、実施例4と同様の硬化性樹脂硬化物層(13)を形成した。
さらに、プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様の方法で、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)と硬化性樹脂硬化物層(13)を積層し、積層フィルム(1)を得た。
【0123】
硬化性樹脂硬化物層(13)の表面粗度は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は11500nm、可視光線透過率は81%、厚さは175μmであった。
上記積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、結果を表4に示した。いずれも剥離強度は低かった。剥離界面は、いずれも硬化性樹脂硬化物層(13)/シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)であった。
この積層フィルム(1)の酸素透過度の測定結果を表4に示すが、いずれも液晶表示パネルに使用するのには不十分であった。
【0124】
積層フィルム(1)上に、実施例3と同様の透明電極(2)を形成した後、実施例3と同様にして液晶表示パネル(7)を作製した。
しかし、積層フィルム(1)の層間密着力が不十分であるため、製造プロセス中に積層フィルム(1)が層間剥離することがあった。
【0125】
実施例5(5−1〜5−4)
プラスチックフィルム(11)としてノルボルネン系ポリマーフィルムを用いた。厚さは100μm、リターデーション値は2nm、可視光線透過率は91%であった。
【0126】
このプラスチックフィルム(11)の片面に、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を、イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜した。この時、蒸着材料として、2〜4mmの大きさの粒子状のCaO(純度99.5%)とSiO2 (純度99.9%)を用いた。これらの蒸着材料は混合せずに、水冷銅ハース内を水冷した銅製の板で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃を用い、CaOとSiO2 のそれぞれを時分割で加熱した。その時の電子銃のエミッション電流は2.3Aとし、薄膜中の酸化カルシウムの含有率を変化させるために、加熱時間比を表5のように変えた。また、酸素ガスを3sccm供給し、センターロール温度は−10℃、フィルム送り速度は15m/分とした。真空排気装置としてターボ分子ポンプを用いた。この時の圧力は4.8×10-4Torr、水蒸気分圧は7×10-5Torrであった。なお、イオンビームのイオン種として、酸素イオンを用い、イオンビーム電流密度1.5mA/cm2 、イオンビームエネルギーを80Vとした。またプラスチックフィルム(11)へのイオンビームの入射角は30度とした。以上のような製膜条件のもとで、厚さ400Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を積層した。また、当該薄膜の比重を測定し、その結果を表5に示した。
【0127】
プラスチックフィルム(11)の他面にも上記と同様にして、厚さ400Åのシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)を形成させた。
これにより、(12)/(11)/(12)の層構成を有する積層フィルム(1)が得られた。
【0128】
この積層フィルム(1)の表面粗度は、いずれもRa =0.004μm以下、Rmax =0.1μm以下であった。
いずれの積層フィルム(1)も、そのリターデーション値は2nm、可視光線透過率は90%、厚さは100μmであった。
積層フィルム(1)の層間密着力(剥離強度)を測定し、その結果を表5に示した。いずれも十分強い剥離強度を示し、剥離界面は熱硬化型接着剤層とシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の界面であった。この結果より、シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)とプラスチックフィルム(11)は、これらの剥離強度以上の密着力を有しており、十分強い層間密着力である。
積層フィルム(1)のガスバリア性を評価するために、酸素透過度を測定した。結果は表5に示したとおり、極めて高いガスバリア性を示した。
【0129】
次いで、片方のシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)の上に、スパッタリング法により、厚さ1000Åのインジウムスズ複合酸化物からなる透明電極(2)を形成し、電極基板(5)を得た。この透明電極(2)の表面抵抗率は30Ω/□であった。
【0130】
電極基板(5)を用い、実施例1と同じ方法で液晶表示パネルを作製したが、いずれの積層フィルムも層間剥離することはなかった。
【0131】
上記実施例および比較例における各物性は、以下のようにして測定した。
【0132】
a.フィルム厚さ
ミリトロン1254D (Mahr社製)を用いて測定した。
b.薄膜層厚さ
薄膜中のシリコンとカルシウムの原子比をICP発光分析装置(ICPS-2000;(株)島津製作所製)で求め、シリコンとカルシウムとが完全酸化物(SiO2 、CaO)であると仮定し、これら(SiO2 とCaO)のバルク比重を用いて算出した。
【0133】
c.リターデーション値
エリプソメータ(AEP-100B、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
d.可視光線透過率
JIS K 7105に準拠した積分球式光線透過率測定装置(NDH-1001DP、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
【0134】
e.比重(D)
上記実施例および比較例で得られたプラスチックフィルム(11)/薄膜層(12)の積層フィルムの一部を切り出し、プラスチックフィルム(11)を溶媒で溶解し、薄膜(12)のみの単独膜を得た。この単独膜の比重を、JIS K7112に記載の浮沈法(試料を比重既知の溶液(四塩化炭素とヨウ化メチレンの混合液)の中に浸漬させ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定)により測定した。
【0135】
f.酸化カルシウム含有率(W)
当該酸化カルシウム含有率は、薄膜中のシリコンとカルシウムの原子比をICP発光分析装置(ICPS-2000;(株)島津製作所製)で求め、シリコンとカルシウムとが完全酸化物(SiO2 、CaO)であると仮定して、完全酸化カルシウムの含有率を算出した。
【0136】
g.表面粗度
JIS B 0651に準じた触針式表面粗度測定器(サーフコム304B、(株)東京精密社製)を用いて測定した。
【0137】
h.剥離強度(層間密着力)
上記で得られた積層フィルム(1)の最外層(シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層(12)または硬化性樹脂硬化物層(13))の片面上に、ポリエステルポリウレタン系接着剤(武田薬品(株)製:A−310)100部にイソシアネート系硬化剤(武田薬品(株)製:A−3)10部を加えた熱硬化型接着剤を、厚さ3μmに塗布した。この接着剤層上に、コロナ処理を施した厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:E5100)をラミネートし、45℃、4日間の条件で接着剤を硬化させた。このようにして作製した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/熱硬化型接着剤層/積層フィルム(1)からなる積層体において、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、積層フィルムの部分をつかみ、JIS K 6854に準拠した90度T型剥離法にて剥離強度を測定した。
【0138】
i.酸素透過度(ガスバリア性)
酸素透過度測定装置(OX-TRAN100、モダンコントロールズ社製)を用い、25℃、80%RHの条件下で、積層フィルム(1)の酸素透過度を測定した。
【0139】
j.表面抵抗率
JIS K 7194に記載の4探針法による抵抗率計(ロレスタ AP MCP-1400、三菱油化(株)製)を用いて測定した。
【0140】
【表1】
Figure 0004013085
【0141】
【表2】
Figure 0004013085
【0142】
【表3】
Figure 0004013085
【0143】
【表4】
Figure 0004013085
【0144】
【表5】
Figure 0004013085
【0145】
【発明の効果】
本発明の積層フィルムは、プラスチックフィルムの利点(可撓性、薄い、軽量等)を有する他に、積層フィルムの層間密着力が極めて強く、液晶表示パネルを製造する際に層間剥離することがない。また、金属酸化物であるシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を用いているため、ガスバリア性も極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層フィルムの一例を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の電極基板の一例を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の液晶セルの一例を模式的に示した断面図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルの一例を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 積層フィルム
11 プラスチックフィルム
12 シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層
13 硬化性樹脂硬化物層
2 透明電極
3 液晶
4 シール材
5 電極基板
6 液晶セル
7 液晶表示パネル
8 偏光板
9 位相差板

Claims (1)

  1. シリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を、
    (1)5×10-5Torr以下の水蒸気分圧中で電子ビーム蒸着法で製膜する工程、あるいは
    (2)イオンビームを照射しながら電子ビーム蒸着法で製膜する工程
    を含むことを特徴とする、プラスチックフィルムの少なくとも片面に、下式(a)を満たすシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層を有してなる積層フィルムの製造方法。
    2.1≦D−0.01W≦2.65 (a)
    〔式中、Dはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層の比重を、Wはシリコンカルシウム複合酸化物薄膜層中の酸化カルシウム含有率(重量%)を示す。〕
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